JP3238629U - 商品吊下げ用フック - Google Patents

Abstract

【課題】合成樹脂材料を使用することなく、ねじれ等に対して充分な強度を確保することができ、しかも、商品包装袋に容易に取り付けることができる商品吊下げ用フックを提供する。【解決手段】上下方向の中央の中心線に関して折り曲げて重畳することによってフック部を構成可能なフック構成部と、フック構成部の上下方向の両端に連続してそれぞれ形成された第１の端部及び第２の端部とを備えた紙シート製の商品吊下げ用フックである。第１の端部は貫通孔を有しており、第２の端部はフック構成部を折り曲げて重畳することにより貫通孔に挿通して係止可能な舌状片を有している。【選択図】図１

Description

本考案は、比較的軽量な商品を収容した商品吊下げ袋を吊り下げるための商品吊下げ用フックに関する。

従来の商品吊下げ用フックとして、特許文献１には、上方にフック部を有し、下方に横方向に向けて伸びたトップカードを支承するためのカード支承杆を有する合成樹脂材料製の商品吊下げ用フックが開示されている。この商品吊下げ用フックは、カード支承杆の一部が可撓性を有しており、中央部を折り曲げて下方に垂下させた状態で、商品包装袋の上方のトップカードの長孔に挿通させた後、その中央部の折り曲げを上方に戻して水平状態とすることにより、商品包装袋に取り付けできるように構成されている。

また、従来の商品吊下げ用フックとして、特許文献２には、上方に位置する係止用のフック部と、下方に位置する偏平部に設けられた変形可能な薄肉筒部とを備え、全体が合成樹脂材料によって一体形成された商品吊下げ用フックが開示されている。この商品吊下げ用フックは、商品包装袋の上方のトップカードに設けられている小孔（ヘッダー）に薄肉筒部を挿通させて押圧変形させることにより、フックを商品包装袋に取り付けるように構成されている。

実公平１－０３０１３０号公報 特開平８－２９４４３３号公報

しかしながら、特許文献１及び特許文献２に記載されている従来の商品吊下げ用フックは、商品包装袋に取り付ける際に押圧変形を行う必要があるため、及び、ねじれ等に対する強度を確保するために、全体を合成樹脂材料で形成する必要があった。このような商品吊下げ用フックは大量に使用されており、これらを合成樹脂材料で形成すると、廃棄処分する際に深刻な環境問題を発生させてしまう。

従って、本考案の目的は、合成樹脂材料を使用することなく、ねじれ等に対して充分な強度を確保することができる商品吊下げ用フックを提供することにある。

従って、本考案の他の目的は、商品包装袋に容易に取り付けることができる商品吊下げ用フックを提供することにある。

本考案によれば、上下方向の中央の中心線に関して折り曲げて重畳することによってフック部を構成可能なフック構成部と、フック構成部の上下方向の両端に連続してそれぞれ形成された第１の端部及び第２の端部とを備えた紙シート製の商品吊下げ用フックが提供される。第１の端部は貫通孔を有しており、第２の端部はフック構成部を折り曲げて重畳することにより貫通孔に挿通して係止可能な舌状片を有している。

商品吊下げ用フックは紙シート製であって合成樹脂材料を使用していない。紙シート製であるため、商品吊下げ用フックは、生分解性に優れており、環境破壊防止に貢献できる。フック構成部が上下方向の中央の中心線に関して折り曲げて重畳することによってフック部を構成しているので、紙シート製であっても、ねじれ等に対して充分な強度を確保することができる。商品吊下げ用フックの第２の端部に設けられた舌状片は、フック構成部を折り曲げて重畳することにより貫通孔に挿通して係止可能である。この舌状片を、商品吊下げ袋の上部に設けられた吊下げ用孔に挿通させた後に貫通孔に挿通することにより、商品吊下げ用フックが商品吊下げ袋に容易にかつ確実に取り付けることができる。

フック構成部が、中心線に関して線対称の形状を有していることが好ましい。

第１の端部及び第２の端部が、中心線に関して、貫通孔及び舌状片を除いて線対称の形状を有していることも好ましい。

貫通孔が、第１の端部の左右方向の中央に形成された貫通孔であることも好ましい。

この場合、貫通孔のフック構成部とは反対側の端縁が丸い形状を有していることがより好ましい。

舌状片が、第２の端部の左右方向の中央に形成された、先端が自由端である帯状片であることも好ましい。

この場合、帯状片の先端が丸い形状を有していることがより好ましい。

商品吊下げ用フックが、バルカナイズドファイバーによって形成されたシート製であることも好ましい。

本考案によれば、商品吊下げ用フックは紙シート製であって合成樹脂材料を使用していない。紙シート製であるため、商品吊下げ用フックは、生分解性に優れており、環境破壊防止に貢献できる。フック構成部が上下方向の中央の中心線に関して折り曲げて重畳することによってフック部を構成しているので、紙シート製であっても、ねじれ等に対して充分な強度を確保することができる。商品吊下げ用フックの第２の端部に設けられた舌状片は、フック構成部を折り曲げて重畳することにより貫通孔に挿通して係止可能である。この舌状片を、商品吊下げ袋の上部に設けられた吊下げ用孔に挿通させた後に貫通孔に挿通することにより、商品吊下げ用フックが商品吊下げ袋に容易にかつ確実に取り付けることができる。

本考案における商品吊下げ用フックの一実施形態を折り曲げする前の展開した状態で示す平面図である。 図１の実施形態の商品吊下げ用フックを中心線に関して折り曲げした状態で示す正面図である。 図１の実施形態の商品吊下げ用フックを中心線に関して折り曲げした状態で示す背面図である。 図１の実施形態の商品吊下げ用フックを商品吊下げ袋に取り付けた状態で示す正面図である。 図１の実施形態の商品吊下げ用フックを商品吊下げ袋に取り付けた状態で示す背面図である。

図１は本考案における商品吊下げ用フックの一実施形態を折り曲げする前の展開した状態で示しており、図２及び図３は本実施形態の商品吊下げ用フックを中心線に関して折り曲げした状態で示している。ただし、図２は正面から見た状態を、図３は背面から見た状態をそれぞれ示している。

本実施形態の商品吊下げ用フックは、バルカナイズドファイバーによるシートを図１に示す形状に切断又は打ち抜き加工して形成されている。バルカナイズドファイバーは、パルプから作られている原料の紙について特殊な加工処理することによって強度を高めた紙であり、粘り強く割れにくい優れた強靭性と、微生物によって速やかに分解される優れた生分解性と、折り曲げ加工が可能な良好な加工性とを有しており、さらに、表面処理、塗装及び接着が可能である。本実施形態では、一例として、北越東洋ファイバー株式会社製のバルカナイズド一般ファイバー、ＨＢ‐７７Ｎの厚み０．８ｍｍのものを用いている。ただし、本考案における商品吊下げ用フックを形成する紙シートとして、バルカナイズドファイバーを用いることは必須ではなく、これと同様の耐性、強度、及び機能を有する合成樹脂材料以外の材料による紙シートを用いても良い。また、その厚みも、折り曲げに対する耐性があり、ねじれに対する強度があれば、上述の例に限定されるものではない。

図１に示すように、本実施形態の商品吊下げ用フック１０は、上下方向の中央の中心線Ｃに関して折り曲げて重畳することによって使用するように構成されている。具体的には、商品吊下げ用フック１０は、折り曲げて重畳することによってフック部１１（図２及び図３）を構成するフック構成部１１ａ及び１１ｂと、フック構成部１１ａ及び１１ｂの上下方向の両端に連続してそれぞれ形成された第１の端部１２及び第２の端部１３とを備えている。このフック構成部１１ａ及び１１ｂは、中心線Ｃ関して、互いに線対称の形状を備えている。ただし、フック構成部１１ａ及び１１ｂ並びにフック部１１の形状は、本実施形態で示す形状に限定されるものではなく他の形状であっても良い。図１に示すように展開した状態での寸法は、上下方向の長さが約１３２ｍｍ、左右方向の幅が約３６ｍｍであるが、これは単なる一例であってこれに限定されるものではない。

第１の端部１２には、その左右方向の中央に貫通孔１４が形成されている。この貫通孔１４は、フック構成部１１ａとは反対側の端縁１４ａが丸い半円形状を有している。第２の端部１３には、フック構成部１１ａ及び１１ｂを折り曲げて重畳した際に貫通孔１４に挿通して係止される舌状片１５がその左右方向の中央に形成されている。舌状片１５は、その先端１５ａが丸い形状の自由端であり、左右方向の両端に切り込み（スリット）１６が形成されている。即ち、舌状片１５は、その先端１５ａが図１にて前後方向に自由移動できる帯形状の帯状片を構成している。第１の端部１２及び第２の端部１３は、中心線Ｃに関して、これら貫通孔１４及び舌状片１５を除いて、線対称の形状を備えている。貫通孔１４の端縁１４ａが丸い半円形状を有しており、この貫通孔１４に挿通される舌状片１５の先端１５ａが丸い形状となっているため、舌状片１５を容易に貫通孔１４内の中央へ案内して挿通させることができる。ただし、貫通孔１４の形状、及び舌状片１５の先端１５ａの形状は、本実施形態で示す形状に限定されるものではなく他の形状であっても良い。

本実施形態の商品吊下げ用フック１０は、中心線Ｃに関して折り曲げ（図１において谷折り）することによって、第２の端部１３の舌状片１５が第２の端部１３の貫通孔１４内に挿通できるように構成されている。図２は舌状片１５が手前側から貫通孔１４内に挿入された状態を表しており、図３は舌状片１５が後側から貫通孔１４内に挿入された状態を表している。

図４及び図５は本実施形態の商品吊下げ用フックを商品吊下げ袋に取り付けた状態を示している。ただし、図４は舌状片１５が手前側から吊下げ用孔１８を介して貫通孔１４内に挿入された状態を正面から表しており、図５は舌状片１５が後側から吊下げ用孔１８を介して貫通孔１４内に挿入された状態を背面から表している。

これらの図から分かるように、本実施形態の商品吊下げ用フック１０を商品吊下げ袋１７に取り付ける場合は、まず、商品吊下げ用フック１０の第１の端部１２及び第２の端部１３で、商品吊下げ袋１７の吊下げ用孔１８の部分を挟み込み、第２の端部１３の舌状片１５を、商品吊下げ袋１７の吊下げ用孔１８を通して第２の端部１３の貫通孔１４に挿通させる。

このように、本実施形態の商品吊下げ用フック１０は、第１の端部１２及び第２の端部１３で商品吊下げ袋１７の吊下げ用孔１８の部分を挟み込むようにして取り付けするため、商品吊下げ袋１７への装着が容易である。また、商品吊下げ用フック１０を構成するバルカナイズドファイバーのシート自体が適度の強度と弾性を備えているため、貫通孔１４内に挿入された舌状片１５は、簡単には外れることはなく、これにより、商品吊下げ用フック１０が商品吊下げ袋１７に容易にかつ確実に装着され、簡単に外れないように係止される。また、バルカナイズドファイバーのシートを折り曲げて重畳してフック部を構成しているので、ねじれ等に対してさらに充分な強度を確保することができる。さらに、バルカナイズドファイバーのみを使用し、合成樹脂材料は用いていないため、生分解性に優れており、環境破壊防止に貢献できる。

以上詳細に説明したように、本実施形態の商品吊下げ用フック１０は、吊下げ用孔１８の部分を挟み込むようにして取り付けするため、商品吊下げ袋１７への装着が容易である。また、商品吊下げ用フック１０自体が適度の強度と弾性を備えているため、貫通孔１４内に挿入された舌状片１５は、簡単には外れることはなく、これにより、商品吊下げ袋１７に容易にかつ確実に装着され、簡単に外れないように係止される。さらに、商品吊下げ用フック１０がバルカナイズドファイバーシート製であって合成樹脂材料を使用していないので、生分解性に優れており、環境破壊防止に貢献できる。また、フック構成部１１ａ及び１１ｂが中心線Ｃに関して折り曲げて重畳することによってフック部１１を構成していることにより、ねじれ等に対して充分な強度を確保することができる。

以上述べた実施形態は全て本考案を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本考案は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本考案の範囲は実用新案登録請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。

１０ 商品吊下げ用フック
１１ フック部
１１ａ、１１ｂ フック構成部
１２ 第１の端部
１３ 第２の端部
１４ 貫通孔
１４ａ 端縁
１５ 舌状片
１５ａ 先端
１６ 切り込み
１７ 商品吊下げ袋
１８ 吊下げ用孔
Ｃ 中心線

Claims (8)

1. 上下方向の中央の中心線に関して折り曲げて重畳することによってフック部を構成可能なフック構成部と、該フック構成部の上下方向の両端に連続してそれぞれ形成された第１の端部及び第２の端部とを備えた紙シート製の商品吊下げ用フックであり、前記第１の端部は貫通孔を有しており、前記第２の端部は前記フック構成部を折り曲げて重畳することにより前記貫通孔に挿通して係止可能な舌状片を有していることを特徴とする商品吊下げ用フック。
2. 前記フック構成部が、前記中心線に関して線対称の形状を有していることを特徴とする請求項１に記載の商品吊下げ用フック。
3. 前記第１の端部及び前記第２の端部が、前記中心線に関して、前記貫通孔及び前記舌状片を除いて線対称の形状を有していることを特徴とする請求項１に記載の商品吊下げ用フック。
4. 前記貫通孔が、前記第１の端部の左右方向の中央に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項１に記載の商品吊下げ用フック。
5. 前記貫通孔の前記フック構成部とは反対側の端縁が丸い形状を有していることを特徴とする請求項４に記載の商品吊下げ用フック。
6. 前記舌状片が、前記第２の端部の左右方向の中央に形成された、先端が自由端である帯状片であることを特徴とする請求項１に記載の商品吊下げ用フック。
7. 前記帯状片の先端が丸い形状を有していることを特徴とする請求項６に記載の商品吊下げ用フック。
8. 前記商品吊下げ用フックが、バルカナイズドファイバーによって形成されたシート製であることを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の商品吊下げ用フック。

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