JP3238063U - 水素発生体 - Google Patents

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啓介 岩崎
博志 泉田
雅喜 中山
陸 久高
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Abstract

【課題】容器の注ぎ口からの流出を抑え、かつ注ぎ口の詰まりを防止できる水素発生体を提供する。【解決手段】樹脂中に水素発生剤が分散された水素発生体10であって、網目からなる閉じた殻状構造を有することを特徴とする。このような構成をとることで、容器20の注ぎ口40に水素発生体10が引っ掛かっても、網目の隙間を内容物が通れるため、水素発生体10によって内容物が堰き止められることがない。これにより、消費者は水素発生体を誤飲することなく、内容物を詰まらせず快適に飲み干すことができる。【選択図】図1

Description

本考案は、容器内に投入して使用する水素発生体に関する。
近年、人体に有害なヒドロキシラジカルに分子状水素が選択的に反応して無害化するという報告や、食品等においては分子状水素が鮮度保持に寄与する、という報告がなされており、分子状水素を含んだ食品や化粧品が種々販売されている。特に金属缶や樹脂ボトル等の容器に分子状水素を含んだ飲料を充填する方法がよく用いられてきたが、分子状水素は樹脂を容易に透過し、金属容器であっても噛合部等から時間経過と共に抜けてしまうため、消費者の手に渡る頃には容器中に分子状水素が殆ど残っていないという問題も生じる。
そのため、金属マグネシウムや水素化マグネシウムなどの水素発生剤を用いて、飲料等に水素を溶かし込んだり、水素濃度を維持したりすることが検討されている。例えば、特許文献1では水素発生剤を充填したカプセル状の水素発生具が開示されている。
特開2013-82585号公報
しかしながら、特許文献1の水素発生具は、注ぎ口より大きくすることで誤飲を防ぐことができるものの、注ぎ口に詰まり、飲料等を注ぎ出しにくくなるおそれがある。
したがって、本考案の目的は、容器の注ぎ口からの流出を抑え、且つ注ぎ口の詰まりを防止できる水素発生体を提供することにある。
本考案の水素発生体は、水素発生剤を含む水素発生体であって、網目からなる閉じた殻状構造を有する。
上記のような構成をとることで、水素発生体が注ぎ口に引っ掛かった状態でも流路が確保され、容器内の飲料等を容易に注ぎだすことが可能となる。
実施形態に係る水素発体を使用している状態の一例を示す模式的な斜視図である。 実施形態に係る水素発体を使用している状態の一例を示す模式的な斜視図である。 実施形態に係る水素発体を容器の注ぎ口から挿入する様子を示す模式的な斜視図である。
以下、本考案の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。以下実施形態の説明は、例示に過ぎず、本考案の用途を制限するものではない。なお、説明の簡便化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素は同一の符号で示す。
本考案の水素発生体は、水素発生剤を含む材料からなり、網目からなる閉じた殻状構造を有することを特徴とする。ここでいう網目からなる閉じた殻状構造とは、外殻に網目状の骨格を有する立体の構造体であり、内部の空洞の全方位が網目構造によって覆われているものをいう。水素発生体の形状は網目からなる閉じた殻状であれば、どのような立体形状でも使用できる。例えば、球状、回転楕円体、多面体、円筒形、多角柱、円錐、多角錐、切頂多面体およびこれらの複合した形状があげられる。本考案の水素発生体は飲料等を収容する容器内に入れ、飲料等の内容物と接触させて使用する。適用できる容器は液体を収容でき且つ注ぎ口を有する容器であればよく、金属缶、樹脂ボトル、ガラス瓶、紙パック及びラミネートパウチなどがあげられる。ここでいう注ぎ口とは、内容物を取り出すための開口部であり、その形状は特に限定されない。例えば、平面又は曲面上に開けられた孔状、つる首状、ノズル状などの形状があげられる。水素発生体の大きさは容器に収容でき、かつ注ぎ口から流出しない大きさであればよい。例えば、一般的に市販される飲料に使用される金属缶やガラス瓶などに用いる場合は最大直径が2cm以上7cm以下であることが好ましい。また、図2に示す回転楕円体形状のように、縦横の大きさが異方的な形状である場合は、短手の方向における最大直径が2cm以上7cm以下であることが好ましい。
水素発生体を構成する材料は、水素発生剤が含まれていれば特に限定されず、樹脂、セラミックス、及び金属の少なくともいずれかを用いることができる。また樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチロール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、変性フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、デンプン、セルロース、ナイロン、ポリエチレングリコール及びポリエチレンオキサイドの少なくとも1種を用いることができる。水素発生体は、水素発生剤を含んでおり、容器に充填された飲料等の内容物に対して分子状水素が供給される。特に可撓性のある金属やゴム状の樹脂を用いた場合、網目からなる閉じた殻状の構造との相乗効果で、注ぎ口から容易に容器内へ投入できるため、予め容器内に封入せず、飲料等の内容物へ飲む直前に分子状水素を溶かし込むことも可能となる。
(水素発生剤)
水素発生剤は、水素発生体に含まれており、容器に充填された飲料等の内容物に対して分子状水素を供給するものである。水素発生剤の形状は特に限定されず、例えば、粉末状、ペレット状及び鱗片状の少なくともいずれかであることが好ましい。また、水素発生剤の大きさも限定されず、水素発生体に含まれるサイズであればよい。水素発生剤は、水素を発生する成分であれば特に限定されず、容器に収容した内容物に含まれる水分と反応して分子状水素を発生するものを好適に用いることができる。こうした水素発生剤としては、水素化マグネシウム、水素化カルシウム、水素化バリウム、水素化ベリリウム、水素化ストロンチウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムナトリウム、水素化ケイ素、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム合金及びアルミニウム合金等が挙げられるが、特に、水素発生量が多い水素化マグネシウムを用いることが好ましい。
こうした水素発生剤は、樹脂と混錬して成型されて水素発生体を構成することが好ましい。より具体的には、樹脂中に1~10重量%の割合で水素発生剤を分散して含んでおり、水素発生体を構成していることが好ましい。また、水素発生体から、水素発生剤を構成する成分が容器に充填された内容物に溶出してしまわない様に、水素発生剤が直接水素発生体の表面に露出していないことが好ましい。
こうした水素発生剤は、樹脂と混錬して成型されて水素発生体を構成することが好ましい。より具体的には、樹脂中に1~10重量%の割合で水素発生剤を分散して含んでおり、水素発生体を構成していることが好ましい。また、水素発生体から、水素発生剤を構成する成分が容器に充填された内容物に溶出してしまわない様に、水素発生剤が直接水素発生体の表面に露出していないことが好ましい。
例えば図1や図2に示す水素発生体の一態様においては、網目状の水素発生体10は、樹脂中に1~10重量%の割合で水素発生剤が分散されて混錬された紐状のコアから編まれ、その表面には樹脂の被膜を備えて、コアに含まれる水素発生剤が外側に露出しない構造となっていることが好ましい。このような構造は、例えば水素発生剤含むコア材料を押出成形によりひも状に成形した後、ひも状のコア材料を樹脂で被覆してから編み上げたり、コア材料で編み上げた後、溶融した被膜用の樹脂に浸漬してコーティングしたりすることで作製できる。別の方法としては、閉じた殻状の網目構造を複数のパーツに分け、金型を用いて成形し、各パーツを閉じ合わせて閉じた殻状とした後、溶融した被膜用の樹脂に浸漬してコーティングしたりすることでも作製できる。このように樹脂の被膜を備えることにより、分子状水素を容器中に供給するが、水素発生剤を構成する成分が溶出しない様にすることができる。
水素発生体の表面に設ける樹脂の皮膜に用いることができる樹脂には特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチロール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、変性フッ素樹脂、エポキシ樹脂、デンプン、セルロース、ナイロン、ポリエチレングリコール及びポリエチレンオキサイドの少なくとも1種を用いることができる。
(実施態様)
図1および図2は本考案の水素発生体の一例および、使用する態様を示している。図1の水素発生体10は2ピースタイプの金属缶である容器20の内部に収容して使用され、内容物が液体の場合には、水素発生体10の少なくとも一部が内容物に浸漬することとなる。本考案の水素発生体10は、樹脂中に水素発生剤が分散された網目からなる閉じた殻状構造を備えている。
ここで、水素発生体10は、切頂二十面体の形状を有しており、水素発生材料により当該切頂二十面体の各辺を形成している。各辺で構成される骨格のみで、面が塞がれていない網目となっている。
このような構成をとることで、容器20の注ぎ口40に水素発生体10が引っ掛かっても、網目の隙間を内容物が通れるため、水素発生体10によって内容物が堰き止められることがない。これにより、消費者は水素発生体を誤飲することなく、内容物を詰まらせず快適に飲み干すことができる。
また、図2の水素発生体12はボトル型の容器22の内部に収容して使用され、内容物が液体の場合には、水素発生体10の少なくとも一部が内容物に浸漬することとなる。図2の水素発生体12は、複数の楕円形の環状水素発生材料の長軸を合わせて束ね、各環状水素発生材料の角度をずらして回転楕円体とし、さらに短軸方向の複数の平行な環状の水素発生材料を併せて網目状にした構造である。
このような構成をとることで、容器22の注ぎ口42に水素発生体12が引っ掛かっても、網目の隙間を内容物が通れるため、水素発生体10によって内容物が堰き止められることがない。これにより、消費者は水素発生体を誤飲することなく、内容物を詰まらせず快適に飲み干すことができる。
図3は水素発生体を容器内に挿入する態様を示している。水素発生体12が可撓性の材料で構成されている場合、空洞かつ網目状の構造により、容易に内側へ押し込むように変形させることができる。これにより容器22の注ぎ口42よりも径の大きい水素発生体12を容器22の内部へ挿入することが可能となる。この場合、挿入後に容器22の内部で図2のように形状が復元されることで、前段の効果も損なわれることなく得られる。
上述の実施形態は本考案の一例示であって、本考案はこれらの例に限定されない。また、上述の実施形態の一例示に、公知技術や慣用技術を組み合わせたり、一部を置換したりすることもできる。更に、当業者であれば容易に思いつく改変考案も本考案に含まれる。
10,12 水素発生体
20 容器
30 内容物
40,42 注ぎ口

Claims (4)

  1. 水素発生剤を含む水素発生体であって、網目からなる閉じた殻状構造を有する、水素発生体。
  2. 前記殻状構造が、球状、回転楕円体、多面体、円筒形、多角柱、円錐、多角錐及び切頂多面体の少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の水素発生体。
  3. 前記水素発生剤と樹脂とからなることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の水素発生体。
  4. 前記樹脂が、可撓性を有することを特徴とする、請求項3に記載の水素発生体。
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