JP3237789B2 - 転写装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機、普通紙ファク
シミリ、レーザプリンタなどの電子写真記録装置の作像
部に用いられる転写装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真プロセスを利用した複写機、普
通紙ファクシミリ、レーザプリンタなどの画像形成装置
の作像部においては、予め一様に帯電された感光体上に
光照射することにより静電潜像を形成し、この潜像を現
像することによって得た顕像を記録紙上に転写、定着す
ることによって画像形成を行っている。

【０００３】図９にベルト状感光体２を使用した電子写
真記録装置の一例を示す。

【０００４】ベルト状感光体２は帯電器５によって帯電
され、レーザー光８によって静電潜像が形成される。次
に現像部６によってベルト状感光体２上の静電潜像が現
像されてトナー像となり、該トナー像は図１０に示され
るチャージワイヤ１を有した転写ケーシング７からなる
転写器によって記録紙９上に転写される。さらに、記録
紙上のトナー像は図示しない定着器によって圧力及び熱
により定着されてハードコピー化される。

【０００５】転写されずにベルト状感光体２上に残留し
たトナーはクリーニングブレード１０によって回収さ
れ、さらに残留電荷も除電器４によって除去されベルト
状感光体２は初期状態に戻る。この様な一連の動作を繰
り返してコピー画像が得られる。

【０００６】従来のベルト状感光体は、一連の動作を繰
り返してコピーされる際に搬送方向と直交する左右方向
へのずれを防ぐために、図６（ａ）に示すようにベルト
状感光体の中央部が下方にたわんだ凹型形状をしていた
（感光体の端部と中央部との間にｈなるたわみが発生し
ていた）。そのために、ベルト状感光体の端部と中央部
で転写条件が異なってしまい、画像の両端に転写抜けな
どの転写不良が発生することがあった。

【０００７】従来、記録紙の環境条件による電気抵抗の
変化に対して安定した転写性能を得るために、感光体の
表面に対する転写器のコロナ放電チャージワイヤの距離
を変化できるように構成した提案があるが（特開昭６４
−５５７２号公報）、たわんで凹型形状をしているベル
ト状感光体に起因した画像欠陥を防ぐことはできなかっ
た。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ベルト状感
光体を使用する電子写真記録装置の転写装置に関し、感
光体上のトナー像の転写条件を、ベルト状感光体の両端
部と中央部で同一になるようにして、高画像品質を得る
ことのできる転写装置を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真記録
装置に用いられるベルト状感光体上に形成されたトナー
像を記録紙へ転写するためのコロナ放電を用いた転写装
置において、前記転写装置の平面形状が長手方向両端部
へ向かう程拡開して形成されていることを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明の転写装置は、転写ケーシングの長手方
向開口幅を変えているので簡単な設計変更で、現状の転
写効率をアップすることができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の詳細を図面を用いて詳しく説
明する。なお、図９及び図１０を併せて参照する。

【００１２】図１は転写位置関係を示す図であり、図２
はコロナ転写方式における転写効率の特性を示す。ベル
ト状感光体２と転写ケーシング７の距離をｄとし転写ケ
ーシングの開口幅（平面方向幅）をｗとすると、ｄを変
化させた時には図２（ａ）のように転写効率が変化す
る。つまり転写効率が最適となる値ｄは一定の範囲に限
定される。またｄが小さい場合と大きい場合の開口幅ｗ
と転写の関係も図２（ｂ）のように変化する。

【００１３】本発明はこの実験事実に基づき、ｄの差が
発生するようなたわんだ凹型形状を有しているベルト状
感光体を用いた電子写真記録装置において、ベルト状感
光体と転写ケーシングの距離を同一に維持しながら転写
効率を向上させる。また開口幅を変化させ転写効率の適
正化を図る転写装置を提案するものである。

【００１４】図３は、ベルト状感光体２の裏面に感光体
の表面を均一にするための平面を維持するための手段で
ある平面維持装置１１をもつ参考例を示す図である。こ
の平面維持装置１１は例えば回転自在に支持された対向
ローラであり、このローラをベルト状感光体の記録紙へ
転写する位置でその裏面に圧接することによりたわみが
防止されて、ベルト状感光体上の長手方向の如何なる位
置であっても最適な転写効率を得ることができるように
なる。

【００１５】また、図４は、ベルト状感光体２を平面化
するための対向板（平面維持装置）として転写対向板１
２の参考例を示す図である。この転写対向板１２は図３
の平面維持装置１１と同じ位置に配置し、この転写対向
板１２の抑え面１２ａをベルト裏面に摺接させる。この
転写対向板１２によれば、簡単な構成で安価に最適な転
写効率が得られる。ここで、転写対向板１２の形状は図
４のような形状でなくとも、ベルト状感光体のたわみを
除去して平面化できればどのようなものでもかまわな
い。また、その材料は金属であっても樹脂であってもか
まわない。

【００１６】図５は、平面維持装置（対向ローラ）をゴ
ム製のローラで構成する参考例を示す図である。図６は
平面維持装置をゴム製のローラとした場合の効果を示す
図で、図６（ａ）では平面維持装置を用いていないため
にベルト状感光体が凹状のたわみｈを有しているが、ゴ
ム製の転写対向ローラ１３によりベルト裏面を圧接する
ことにより、図６（ｂ）に示すようにｈ＝０となりベル
ト状感光体を平面に維持できる。平面維持装置がゴム製
の転写対向ローラ１３で構成されているために、ベルト
状感光体に負荷を与えることなく、平面性を維持するこ
とが可能になる。

【００１７】図７は、ベルト状感光体２の両端と中央の
出張りを除去することなく、予め予想される該出張り量
に応じて、転写ケーシングの開口縁部の形状をその中央
部を中心として角θなる稜線をもつように構成した参考
例を示す。また、チャージワイヤ１が稜線と一定の距離
をもつようにワイヤの中央部をテグスなどの絶縁体で形
成されるチャージワイヤ止め１６にて引張っている。こ
のような構成にすることで、ベルト状感光体表面と転写
ケーシングの距離を一定に保つことができるようにな
る。ここで転写ケーシングの稜線は図７のような構成で
なく曲線でもかまわない。

【００１８】図８は、図２（ｂ）の結果に鑑み、ベルト
状感光体の幅方向両端部における転写効率が向上するよ
うに複数の垂直平面、または曲面により、転写ケーシン
グ両端部の開口幅を中央部よりも漸次広くする形状にし
た実施例を示す。この実施例においても前述の参考例と
同様にベルト状感光体側のベルトのたわみはそのままに
しておき、転写ケーシングの長手方向両端部の転写効率
を向上させることにより、ベルトのたわみに起因した画
質の低下を解消しようとしている。図８（ａ）は端部の
開口幅を広くした転写ケーシングの平面図、図８（ｂ）
は斜視図である。このような形状にすることによってベ
ルト状感光体面上で常に安定した転写効率を得ることが
できる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の転写装置においては、ベルト状
感光体の表面形状に合った転写装置（転写ケーシング）
の開口幅を変えることにより、簡単な構成で安価に安定
した転写効率の向上が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】コロナ転写方式における転写器の位置関係を示
す図。

【図２】（ａ）及び（ｂ）は、コロナ転写方式における
転写器の転写特性を示す図。

【図３】ベルト状感光体の裏面に感光体の表面を均一に
するための平面維持装置をもつ参考例を示す図。

【図４】転写対向板でベルト状感光体を平面にしている
参考例を示す図。

【図５】平面維持装置をゴム製のローラで構成する参考
例を示す図。

【図６】（ａ）及び（ｂ）は、平面維持装置をゴム製の
ローラとした場合の効果を示す図。

【図７】ベルト状感光体の両端と中央の出張りに応じ
て、転写ケーシングを中央を支点として角θなる稜線を
もつように構成した参考例を示す図。

【図８】（ａ）及び（ｂ）は、感光体の両端で転写効率
が向上するように複数の垂直平面、または曲面により、
開口幅を広くする形状にした実施例を示す図。

【図９】ベルト状感光体を使用した電子写真記録装置の
一例を示す図。

【図１０】従来の転写器を示す図。

【符号の説明】

１・・・チャージワイヤ、２・・・ベルト状感光体、３
・・・駆動ローラ、４・・・除電器、５・・・帯電器、
６・・・現像部、７・・・転写ケーシング、８・・・レ
ーザ光、９・・・記録紙、１０・・・クリーニングブレ
ード、１１・・・平面維持装置、１２・・・転写対向
板、１３・・・転写対向ローラ、１４・・・ゴム、１５
・・・芯金、１６・・・チャージワイヤ止。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子写真記録装置に用いられるベルト状
   感光体上に形成されたトナー像を記録紙へ転写するため
   のコロナ放電を用いた転写装置において、前記転写装置
   の平面形状が長手方向両端部へ向かう程拡開して形成さ
   れていることを特徴とする転写装置。