JP3237534B2 - 溶融亜鉛めっき設備におけるドロス回収方法 - Google Patents
溶融亜鉛めっき設備におけるドロス回収方法Info
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Description
における溶融亜鉛浴内のドロス回収方法に関するするも
のである。
槽(以下ポットと記す)内には、溶融亜鉛が浴面で酸化
されて生成されるZnOと、ポット中に浸漬されたスト
リップ等から溶出した鉄分(Fe)がポット中に存在す
るAlと反応してできたFe2Al5 からなるトップド
ロスがポット表面に存在する。また、ポット底部にはZ
nとFe分が反応して生じるFeZn7 を主成分とする
ボトムドロスが存在する。
質欠陥を誘発するため、ドロス除去を行う必要がある。
従来のドロス除去技術としては、オンラインのポットに
おけるものが主流をなしている。例えば、トップドロス
については図9に示す特開平5−320843号公報の
ドロス回収装置がある。これは回動アームにドロス汲取
りバケットをピン結合させ、回動アームはパワーシリン
ダで横行可能としたドロス回収装置である。このドロス
回収装置はトップドロス専用であり、ボトムドロスを回
収することはできない。
ロスを汲上げ、フィルタを介してドロスを除去し、亜鉛
分は循環使用させる方式が多数公報に開示されている。
その1例として図10に示す実開昭56−170260
がある。
ー、配管等の詰り、閉塞が発生し、かつ装置のメンテナ
ンス負荷が大きい。また配管等を含め加熱手段が必要で
あり、設備費、ランニングコストが高くつく等の問題が
あり、実用化に至っていないのが現状である。
には、ポットをオフラインに切替え、ドロスをきれいに
除去する必要がある。このオフラインにおけるドロス回
収技術については図8に示す回収バケットを用いての人
力によるて対応(治具をクレーンで吊りながら行う方
法)が主流であった。
視では見ることができないため、作業員の微妙な感覚に
よりセラミック製ポットの底を傷つけない押付力のコン
トロールを必要とする、いわゆる熟練を要する3K作業
と位置付けられ、従来より機械化ニーズが強かった。
な問題点を解決するためになされたものである。そし
て、セラミック製ポットの底壁部を傷つけることなく、
ポット底部に堆積したドロスを効率的に回収する方法を
提供することを課題とするものである。
設備におけるドロス回収方法は、角型バケットによりポ
ット底面に堆積したドロスを回収するに際し、まず、バ
ケットをポット片端に堆積したドロス上に下降させ、バ
ケット先端を下向きにしてポット底方向に押付けながら
ポット反対端方向に移動させ、バケットの進行方向反力
が所定の値になったらバケット先端を水平にして一定深
さで移動させ、バケット先端がポットの反対端に達した
ら、バケット先端を上向きにして、バケットをポットよ
り引上げ、回収したドロスをポット外に排出することを
特徴とするものである。
込み、回収時に;−5°〜−10°、バケット移送時
に;0°(水平)、バケット上昇時に;+10°〜+1
5°、ドロス排出時に;+10°〜+15°とし:ま
た、バケットの移動速度を、バケット突込み、回収時
に;5m/min 以下、バケット移送時に;5m/min 以
上とする共に、バケットの押付力を、バケット突込み、
回収時に、100kg〜200kgとするものである。
れたバケットを、移送させてドロスを回収するに際し、
各工程でのバケットの角度、バケットの移送速度及びバ
ケットの押付け力を所定の値内に抑えてドロスを回収す
ることにより、ポット底面を傷つけることなく、ドロス
を効率的に回収することができる。
のドロス回収装置の1例を図1〜4に基づいて説明す
る。図1はドロス回収装置の側面図、図2はドロス回収
バケット(以下バケットと称す)を上昇させ、ドロス回
収装置を自走可能な状態にした側面図、図3はバケット
の角度調整及び開閉機構の詳細を示す側面図、図4はボ
トムドロスを掘削、回収している状態の説明図である。
をセットし、フロア開口部近傍にレール2を設置した状
態である。このレール2上にドロス回収装置の親台車3
がセットされている。この親台車3は、例えばサイクロ
減速機付きインバータモータにより走行駆動され、走行
速度が調整できるようになっている。そして、親台車3
の上に、親台車3と直交する方向に走行する小台車5が
搭載されており、この小台車5の速度も調整可能になっ
ている。
めするための昇降シリンダ6を含む位置設定機構20が
設けられている。具体的には、バケット4を下端に有す
る昇降アーム12を含む垂直リンクを組込んだ平行四辺
形リンクを、揺動可能に設けられた昇降シリンダ6によ
り傾動させることにより昇降駆動されるようになってい
る。なお、昇降を容易にするために、バランス・ウエイ
ト7が取付けられている。そして、昇降シリンダ6の圧
力を調整することにより、バケット4の押付け力をコン
トロールできるようになっている。しかし、昇降駆動
を、エアシリンダに固執するものではない。
辺形リンクの傾き角度により、表示するストローク表示
板15が設けられている。次に、図3に示すように、バ
ケット4はピン結合9により、ロッド8を介してバケッ
ト開閉シリンダ10に連結されている。そして、開閉シ
リンダ10により、ロッド8を昇降駆動することによ
り、バケット4は開閉されるようになっている。なお、
バケット開閉シリンダ10はエアの流量を調整すること
により、任意に開閉速度を変えることができる。
先端角度を任意に設定するバケット角度設定機構21が
設けられている。バケット4の突込み角度は、ロッド8
を昇降アーム12に対して相対移動させることにより調
整される。このために、バケット開閉シリンダ10が、
バケット4の突込み先端角度を任意に設定するためのバ
ケット角度調整用ウォームジャッキ11に連結されてい
る。すなわち、バケット開閉シリンダ10は、バケット
角度調整用ウォームジャッキ11を操作することによ
り、スライド面17により上下にスライドし、ロッド8
を昇降アーム12に対して相対移動させ、バケット4の
角度を任意に設定できる構造となっている。そして、ウ
ォームジャッキ11によるバケット開閉シリンダ10の
スライド量により、バケットの突込み先端角度を角度表
示板14上に表示するようになっている。
り、ドロス16を回収する際にバケット4に作用する負
荷による昇降アーム12のたわみ量を、昇降アーム12
に接続されたゲージバー18を介して、たわみ表示板1
9に表示するようになっている。なお、たわみ表示板の
代わりに、ロードセル等の応力測定器を用いてもよい。
作を図5により説明する。まず、図2に示すように、バ
ケット4を上昇させた状態で、親台車3及び小台車5を
操作してバケット4をポット1中の任意の位置にセット
する(1〜2の状態)。
キ11を操作して、バケット4の突込み角度をバケット
角度表示板14を見ながら設定する(2〜3の状態)。
次に、バケット4を、ストローク表示板15を見なが
ら、昇降シリンダ6により昇降アーム12を下降させ、
ポット1内に堆積したドロス16の位置までバケット4
を突込む(3〜4の状態)。
ダ6で行い、エアの圧力を調整することでバケット4の
押付け力をコントロールすることができる。その後、親
台車3をバケット4がドロス16に食込む方向に低速走
行させ、ポット底に堆積したドロスをバケット4内にに
より、掘削、回収する(4〜5の状態)。
認しながら、親台車3を操作する。たわみ量が小さいと
きは、親台車3の走行をいったん停止し、ドロス16に
食込む方向へバケット角度を調整する。逆に、たわみ量
が大きいときは、装置保護のため、親台車3の走行をい
ったん停止させ、バケット角度を水平方向に戻す操作を
する(5〜6の状態)。
ケット4を進め、停止する(6〜7の状態)。バケット
4内にドロスが回収できたら、回収したドロスがバケッ
トから出ないように、角度調整用ウォームジャッキ11
を操作してバケット4の汲み上げ角度を設定する(7〜
8の状態)。
向に操作し、バケット4を上昇させ、ポット1浴上で亜
鉛切りを行う(8〜9の状態)。亜鉛切り完了後、更に
バケット4を上昇させ、廃棄バッグ13より上方の任意
の位置に停止させる(9〜10の状態)。
廃棄バッグ13上にバケット4を停止させる(10〜1
1の状態)。バケット4を下降させ、廃棄バッグ13外
にドロスが飛散しないようにセットする(11〜12の
状態)。
ロスを廃棄バッグ13内に払出す(12〜13の状
態)。以上が一連のドロス回収操作手順である。
率的にドロスを回収するためのバケット角度、バケット
移動速度及びバケット押付力について説明する。表1
は、バケット角度のテスト結果を示すものである。
に水平を基準として、上方に傾けた時をプラス、下方に
傾けた時をマイナスと定義する。図5に示す(4〜5の
状態)すなわちバケットの突込み、回収時においては,
バケットの角度を−5°より小さくすると、ドロスへの
食い込みが浅くなり、回収効率が悪くなる。逆に−10
°より大きな角度とすると、食い込みが深くなり、走行
抵抗が増し、装置本体が振動することが判明した。ま
た、ポット底壁を傷つける恐れがあることから、バケッ
ト角度は−5°から−10°の範囲が適正であると評価
した。
移送時においては、−5°とすれば、走行抵抗が増し、
図4に示す、たわみ表示ゲージバーが限界を越える結果
となり、一方、プラスに傾ければバケットの後端部がポ
ット底に堆積したドロスあるいは底壁に接触し、パケッ
トが上下に振動して回収したドロスが外に飛び出し、回
収効率が判明した。以上のことより、バケット角度は0
°(水平)が適正であると評価した。
昇時については、バケット角度を+10°から+15°
にすれば、ドロスが外に逃げにくく、また回収効率、亜
鉛切りとも良好であることが判明した。
ット角度であるが、+10°から+15°にしておけ
ば、ポット上から廃棄バッグに移動させる際に、ドロス
はこぼれることなく、また、バケット開閉機構を操作し
て、払出せることが判明した。次に、表2は、バケット
移動速度のテスト結果を示すものである。
かつ確実にバケットがドロスに食い込むためには、低速
が有利である。また、バケット移送時においては、効率
を考慮して、高速走行を行ったれ結果、特に問題も生じ
ないことから、高速走行が有利であると評価した。最後
に、表3に示したバケット押付力のテスト結果について
説明する。
の底部を傷つけ、また、弱いとバケットがドロスに食い
込まなくなることから、図7に示す寸法のバケットを用
いるとき、押付力は100kgから200kg程度が適
正であると判明した。
移動速度及びバケット押付力を適正に管理、設定するこ
とにより、 1)ポット底壁を傷つけることなく、 2)パスを替えて繰返すことにより、ポット全体のボト
ムドロスを回収でき、 3)空振りがないのでボトムドロスを、ある深さに応じ
て、バケット寸法にあった量のドロスを回収することが
できる。 4)反力を見て、バケット角度を替えるので、バケット
からドロスがあふれることが少なく、 5)上向きにしてバケットを上げるので、バケット内の
亜鉛切りが友好にでき、 6)定押付力でバケットを移動させるので、ドロス量に
応じてバケット内にドロスを回収することが効果的に行
える。
一例の側面図。
能な状態にした側面図。
側面図。
図。
業の説明図。
図。
の一例の説明図。
位置設定機構、21…バケット角度設定機構。
Claims (2)
- 【請求項1】 角型バケットによりポット底面に堆積し
たドロスを回収するに際し、まず、バケットをポット片
端に堆積したドロス上に下降させ、バケット先端を下向
きにしてポット底方向に押付けながらポット反対端方向
に移動させ、バケットの進行方向反力が所定の値になっ
たらバケット先端を水平にして一定深さで移動させ、バ
ケット先端がポットの反対端に達したら、バケット先端
を上向きにして、バケットをポットより引上げ、回収し
たドロスをポット外に排出することを特徴とする溶融亜
鉛めっき設備におけるドロス回収方法。 - 【請求項2】 バケットの傾動角度を、 バケット突込み、回収時 ;−5°〜−10°、 バケット移送時 ;0°(水平)、 バケット上昇時 ;+10°〜+15°、 ドロス排出時 ;+10°〜+15°とし、 また、バケットの移動速度を、 バケット突込み、回収時 ;5m/min 以下、 バケット移送時 ;5m/min 以上とする共に、 バケットの押付力を、バケット突込み、回収時に、10
0kg〜200kgとする、 ことを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき設備
におけるドロス回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21476096A JP3237534B2 (ja) | 1996-08-14 | 1996-08-14 | 溶融亜鉛めっき設備におけるドロス回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21476096A JP3237534B2 (ja) | 1996-08-14 | 1996-08-14 | 溶融亜鉛めっき設備におけるドロス回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1060611A JPH1060611A (ja) | 1998-03-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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KR100870761B1 (ko) * | 2002-06-11 | 2008-11-26 | 주식회사 포스코 | 아연 회수율이 우수한 리커버리 장치 |
JP4973250B2 (ja) * | 2007-03-12 | 2012-07-11 | Jfeスチール株式会社 | ボトムドロス汲み上げ装置およびボトムドロス汲み上げ具 |
-
1996
- 1996-08-14 JP JP21476096A patent/JP3237534B2/ja not_active Expired - Fee Related
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