JP3237058B2 - 旋削工具 - Google Patents

旋削工具

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JP3237058B2
JP3237058B2 JP06360597A JP6360597A JP3237058B2 JP 3237058 B2 JP3237058 B2 JP 3237058B2 JP 06360597 A JP06360597 A JP 06360597A JP 6360597 A JP6360597 A JP 6360597A JP 3237058 B2 JP3237058 B2 JP 3237058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切屑が切刃や加工
面等を欠損したり擦過しないように切屑流れを制御でき
るようにしたバイト等の旋削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スローアウェイ式のバイト等でブ
レーカを設けたものとして、スローアウェイチップの上
面(すくい面)にブレーカピースを設けたものと、スロ
ーアウェイチップ自体に凹凸を形成してブレーカとした
ものがある。前者の例として図14に示すバイト1があ
り、このバイト1は、バイト本体に取り付けられたスロ
ーアウェイチップ2の上面にブレーカピース3を取り付
けてクランプ部材4で固定している。そして、スローア
ウェイチップ2の切刃で生成された切屑がすくい面をな
す上面を流れてブレーカピース3に衝突してカール、分
断され、排出され易くなることになる。後者の例として
図15に示すバイト5がある。このバイト5では、スロ
ーアウェイチップ6の上面にブレーカ溝7が形成されて
いる。切屑はブレーカ溝7でカール、分断され、排出さ
れることになる。特に図15に示すブレーカはチップ6
を製造する際、プレスで同時に成形できるので、このタ
イプのスローアウェイチップ6が広く普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーカの
目的は、切屑を細かく分断して、切削抵抗を下げる
ことにあるが、図14に示すブレーカでは、の効果を
期待できるが、の効果は期待できない。図15に示す
ブレーカでは、との両方の効果を期待できるが、粗
切削、仕上げ切削、高速切削、低速切削、低切込み、深
切込み等、切削条件によってブレーカ溝の形状や深さ、
溝の方向等が相違するために、膨大な種類のスローアウ
ェイチップを用意する必要があり、コストが高くなるだ
けでなく管理が煩雑であるという欠点がある。
【0004】また、図16に示すようにバイト5で被削
材8を切削する場合、このバイト5はバイト本体の先端
角部にスローアウェイチップ6が装着されており、図に
示すように送り切削して横切刃6aで生成された切屑9
は小さくカールされて分断され、周囲に飛散することに
なる。その際、ブレーカ溝7の有無に関わらず、切屑9
は横切刃6aの切込み領域から外れた横切刃6aの稜線
付近に落下することになるため、一部の切屑9は横切刃
6aや未使用のコーナに当たって切刃を損傷させたり、
逃げ面等バイト本体を擦過して損傷させるおそれがあ
る。また一部の切屑9は、被削材8に当たって跳ね返
り、加工面8a付近に落下して加工面8aを擦過するこ
ともある。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みて、切屑
を好適に分断できる上に切屑の排出方向を制御して良好
な切削状態を維持できるようにした旋削工具を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る旋削工具
は、工具本体に設けられた切刃のすくい面の上に、この
すくい面との間に若干の隙間を開けて、板状の切屑制御
部材が、前記切刃から前記すくい面側に若干後退した位
置に前記切刃とほぼ平行に且つ前記すくい面から起立す
る方向に配設されてなることを特徴とするものである。
切刃で生成された切屑は、すくい面と切屑制御部材との
隙間を通ってすくい面上に誘導された後、円弧状にカー
ルして、切屑の厚みや被削材の材質やブレーカの有無等
に応じて切屑制御部材の一の面に当接するか、或いは切
屑制御部材を乗り越えて切屑制御部材の他の面に当接す
ることになる。そして、一の面に当接するような切屑
は、円弧状の切屑が連続して上方に生成された後、分断
されてすくい面上に落下することになる。また、他の面
に当接するような切屑は大きな長い円弧状の切屑として
分断されて切屑制御部材に当たるか、被削材の未加工面
に当たる等して落下するが、その際、切屑制御部材によ
って切刃や加工面に切屑が直接衝突しないように保護で
きる。つまり、いずれの場合も、ブレーカの有無に関わ
らず、切屑を切屑制御部材で分断したり、切屑が切刃や
加工面に直接激突しないように切屑制御部材によって切
屑の排出方向をコントロールしたり、切屑の接触速度を
緩和させることができ、切刃の欠損や加工面の傷付きや
工具本体の擦過損傷を防止できる。
【0007】また、切屑制御部材は、切刃に交差する方
向に位置調整可能な第一調整部材を備えていてもよい。
切込みの深さに応じて切刃に対する切屑制御部材の位置
を調整できる。尚、第一調整部材は、切屑制御部材の取
付部に設けられた孔(長孔または角孔)と締結部材(ボ
ルト)としてもよい。また、切屑制御部材に、隙間の大
きさを位置調整可能な第二調整部材を備えていてもよ
い。切屑の厚みに応じて切屑が通過する隙間の大きさを
調整できる。尚、第二調整部材は、切屑制御部材の取付
部と工具本体との間に介在する仲介部材としてもよい。
或いは、切屑制御部材を工具本体に弾圧する弾性部材で
もよい。後者の場合、厚みの大きい切屑が隙間を通過す
る際、接触する等して大きな負荷が切屑制御部材にかか
ることで弾性部材の付勢力に抗して切屑制御部材が上方
に移動するために隙間が大きくなり、切屑が引っかかる
ことなくスムーズに通過する。
【0008】また、隙間は、切屑制御部材の長手方向に
見て先端開口部より後端側が大きくなっていてもよい。
切削時に生成される切屑は被削材が回転するために円弧
状を呈することになり、そのために切刃の先端部より切
込みの最も深い部位での切削量が多くなって切屑が撓み
易いが、最も切込みの深い部位で生成される切屑が通過
する隙間の後端側を大きくしておけば、切屑が詰まるこ
とがない。また、切屑制御部材は、下端部が切刃から離
れる方向に隙間を漸次大きくするように傾斜していても
よい。切刃で生成される切屑は隙間を通って切刃に交差
する方向に延びてカールするために、切屑制御部材の下
端部を傾斜させておけば、切屑流れがスムーズである。
切屑制御部材は、鋼より高硬度の材質で構成されていて
もよい。切屑制御部材を超硬合金やセラミックやサーメ
ット等の高硬度の材質で構成すれば、切屑の擦過や衝突
等による損耗を抑制できて耐久性が高い。また、切刃は
前切刃と横切刃を備え、切屑制御部材は前切刃に沿って
設けられた前切屑制御部材と横切刃に沿って設けられた
横切屑制御部材とを備えていてもよい。旋削工具を前切
刃と横切刃のいずれの方向に送り切削しても、切屑制御
部材に直接衝突させるために、切刃や加工面などを保護
して切屑処理ができ、切屑を前切屑制御部材と横切屑制
御部材で仕切られたすくい面又は工具本体上に落下さ
せ、散乱を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図1
乃至図5により説明する。図1は実施の形態によるバイ
トの要部平面図、図2は図1に示すバイトを横切刃の方
向から見た側面図、図3は図1に示すバイトを前切刃の
方向から見た側面図、図4は被削材をバイトで送り切削
する際の切屑の成長の一例を示す図、図5は被削材をバ
イトで送り切削する際の切屑の成長の他の例を示す図で
ある。図1乃至3に示すバイト10は、例えば略四角柱
状のバイト本体11のバイト頭部12において、その上
面13がバイト本体11の他の部分に対して上方に隆起
し、基端側から先端側に向かって漸次下方に傾斜する傾
斜面とされている。バイト頭部12の上面13の先端角
部にはチップ取付座として凹部14が形成され、この凹
部14に例えば略四角形板状のスローアウェイチップ1
5がネジ等で固定されている。このスローアウェイチッ
プ15は、すくい面をなすチップ上面16の二つの稜線
がバイト頭部12から外側に突出する切刃をなし、バイ
ト本体11の長手方向先端に突出する前切刃17と横方
向に突出する横切刃18とされている。
【0010】バイト頭部12の上面13上には、前切刃
17からチップ上面16側に若干後退した位置に略四角
形板状の前制御板20が前切刃17とほぼ平行に配設さ
れている。この前制御板20は例えばチップ上面16に
略直交する方向に起立して、前切刃17と横切刃18の
交差する先端角部16aから離れた前制御板20の基端
側の取付部20aが幅広の略円柱形状とされ、この取付
部20aにボルト挿通用の孔部21が穿孔されている。
この孔部21に挿通されたボルト22が上面13に螺合
されて、前制御板20がバイト頭部12に固定されてい
る。しかも、前制御板20のチップ上面16に対向する
下端部20bには、取付部20aを除いて前切刃17に
沿って切欠23が形成されており、これによってチップ
上面16と下端部20bとの間に若干の隙間c1が開け
られている。
【0011】同様に、横切刃18からチップ上面16側
に若干後退した位置に略四角形板状の横制御板24が横
切刃18とほぼ平行に且つチップ上面16から起立する
方向に配設されている。この横制御板24も、その取付
部24aは幅広の略円柱形状とされ、この取付部24a
にボルト挿通用の孔部25が穿孔されていて、この孔部
25に挿通されたボルト22が上面13に螺合されて、
横制御板24がバイト頭部12に固定されている。しか
も、横制御板24のチップ上面16に対向する下端部2
4bには、取付部24aを除いて横切刃18に沿って切
欠26が形成されており、これによってチップ上面16
と下端部24bとの間に若干の隙間c2が開けられてい
る。また、下端部24bはその厚み方向に傾斜面(角度
β)として形成され、横切刃18からの距離が増大する
につれて隙間c2の幅(大きさ)が漸次増大するように
なされている(図4、5参照)。また、前制御板20の
下端部20bも同様に、前切刃17からの距離が増大す
るにつれて隙間c1の幅が漸次増大する傾斜面(角度
β)として形成されている。また、前制御板20と横制
御板24とは、チップ15のノーズとほぼ同一の角度
で、その先端が互いに当接させられており、また、平面
視における前切刃17と前制御板20の距離、横切刃1
8と横制御板24の距離はほぼ等しく設定されている。
【0012】本実施の形態によるバイト10は上述のよ
うに構成されており、次にその作用を説明する。図4に
おいて、回転軸線Oを中心に回転する被削材8に対し
て、切込み時に前切刃17及び先端角部16aで回転軸
線Oに直交する方向に所定量の切込みが行われ、次いで
回転軸線Oに沿ってバイト10を相対移動させること
で、横切刃18で被削材8の送り切削が行われる。横切
刃18で生成された切屑Tはチップ上面16と横制御板
24との隙間c2を通ってチップ上面16上に誘導さ
れ、円弧状にカールして円弧状の切屑Taとなって横制
御板24の後端側の面24cに当接する。切屑Tは、横
切刃18に近い後端の位置で切屑Tの生成によって押し
上げ力が作用するために、先端が横制御板24の後端側
の面24aに当接して上方に摺動しつつ円弧が大きくな
るように成長して円弧状の切屑Taが形成され、次いで
生成位置近傍で屈曲されて新たな円弧状の切屑Taが生
成され、同じように成長することになる。そのため、切
屑Tは円弧状の切屑Taが連続して生成されて上方に延
びてゆくことになる。
【0013】そして、切屑Tは、その重量等のために各
円弧状の切屑Ta毎に分断されてチップ上面16上に落
下することになる。各円弧状の切屑Taは図16に示す
従来技術における円弧状の切屑9よりも長く径の大きな
円弧を形成する。しかも円弧状の切屑Taは、横制御板
24及び前制御板20によって横切刃18及び被削材8
とは仕切られたチップ上面16上やバイト頭部12の上
面13上に落下するために、切屑Taによって横切刃1
8等が欠損したり、バイト本体11の逃げ面や加工面等
を擦過したりすることがない。このような切屑Tの流れ
る方向は、前切刃17による切削時にも前制御板20等
によって同様に制御される。切屑Tが上述した円弧状の
切屑Taのような形状を呈するのは、被削材9の硬度が
比較的高い場合、チップ上面16にブレーカ溝が設けら
れている場合、或いは切屑Tの厚みが比較的大きい場合
等である。
【0014】これに対して、被削材8の硬度が比較的小
さい場合、チップ上面16にブレーカ溝が設けられてい
ない場合、或いは切屑Tの厚みが比較的薄い場合等に
は、切屑Tはより大きな円弧状に成長することになる。
これについて、図5により以下に説明する。図5におい
て、横切刃18(前切刃17でも同様)で生成された切
屑Tは、隙間c2を通過しつつ横制御板24の下端部2
4bの傾斜面で誘導されてチップ上面16上から大きな
円弧を描いて押し上げられつつ成長し、横制御板24を
乗り越えて先端側の面24dに大きな角度で当接するこ
とになる。そして切屑Tの先端は抵抗により移動を抑え
られ且つ横切刃18に近い後端の位置では切屑生成によ
る押し上げ力が作用するために、生成位置近傍で屈曲さ
れて新たな円弧状の切屑Tbが生成されることになる。
そのため、切屑Tは大きな円弧状の切屑Tbとして分断
され、下方に落下する。この時、切屑Tbは、被削材8
に当たらずに落下する場合には、横制御板24に当接し
て工作機械の下方に落下することになるから、横制御板
24によって横切刃18が保護されることになり、横切
刃18やバイト本体11を擦過して傷等を生じる可能性
がきわめて少ない。また、切屑Tbが被削材8に当接す
るにしても、横制御板24に近接する未加工面8bに当
接して落下することになるために、少なくとも加工面8
aを傷つけるおそれがない。
【0015】上述のように本実施の形態によれば、被削
材の硬度が比較的高い場合、チップ上面16にブレーカ
溝が設けられている場合、或いは切屑Tの厚みが比較的
大きい場合には、分断される切屑Taの長さと径を比較
的大きくして切屑Taの流れる方向を前及び横制御板2
0、24によって仕切られたバイト頭部12の上面13
側に制御することができ、また被削材9の硬度が比較的
小さい場合、チップ上面16にブレーカ溝が設けられて
いない場合、或いは切屑Tの厚みが比較的薄い場合等に
は、前及び横制御板20、24によって、分断される切
屑Tbの長さと径を更に大きくして制御板20、24に
衝突して落下するから、切屑Tbが切刃17、18や加
工面等に当接してこれらを欠損させたり傷付けたりする
ことを防止することができる。
【0016】以下、他の実施の形態や変形例を説明する
が、上述の実施の形態と同様な部分または部品には同一
の符号を用いてその説明を省略する。図6は本実施の形
態によるバイトの変形例を示すものである。図におい
て、バイト30の先端のバイト頭部13に設けられた凹
部14に、略三角形板状のスローアウェイチップ31が
装着されている。チップ上面32には、主切刃33にほ
ぼ平行に且つ主切刃33よりチップ上面32側に若干後
退した位置に例えば略四角形板状の制御板34が配設さ
れ、その取付部34aはバイト頭部13にボルト22で
固定されている。このようなバイト30の構成において
も、上述の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
【0017】次に第二の実施の形態を図7に示すバイト
の要部平面図で説明する。図7に示すバイト40におい
て、前制御板20の取付部20aには、スローアウェイ
チップ15の対角線方向に延びる長孔41が形成され、
この長孔41に挿入されたボルト22がバイト頭部12
に上面13から螺合されていることで、前制御板20が
バイト頭部12に固定されている。同様に横制御板24
の取付部24aにも、スローアウェイチップ15の対角
線方向に延びる長孔42が形成され、この長孔42に挿
入されたボルト22がバイト頭部12に上面13から螺
合されていることで、横制御板24がバイト頭部12に
固定されている。しかも、前切刃20の先端と横切刃2
4の先端とは互いに当接している。そのため、各ボルト
22を緩めた状態で、前切刃17及び横切刃18のなす
角度(ノーズ)の二等分線方向(両矢印A方向)に前制
御板20と横制御板24を移動させて、それぞれ前切刃
17及び横切刃18からの距離(進退位置)を調整する
ことができる。
【0018】また、図7に示すバイト40において、前
制御板20と横制御板24の一方のみを前切刃17又は
横切刃18に対して位置調整可能としてもよい。その場
合、移動する前制御板20又は横制御板24の取付部2
0aまたは24bの長孔41または42をその切刃に交
差する方向に形成すればよく、その際、一方の制御板の
移動を他方の制御板が妨げないように先端部を形成する
必要がある。また、図6に示すバイト30の制御板34
も、同様に取付部34aに長穴を形成して切刃33に対
して距離調整可能にしてもよい。第二の実施の形態の変
形例として、図8に示す構成を採用してもよい。すなわ
ち、前制御板20と横制御板24の各取付部20a、2
4aのボルト挿通用の孔43、44をボルト22のネジ
部より大径とし、ボルト22に対して前制御板20と横
制御板24を任意方向に位置調整可能としてもよい。ボ
ルト22の頭部を角孔43、44より大径としておけ
ば、ボルト22を締め付けることで、前制御板20と横
制御板24を任意位置で固定できる。尚、長孔41、4
2、角孔43、44とボルト22は第一調整部材を構成
する。
【0019】また、図9は第三の実施の形態を示すもの
である。図9(A)において、横制御板24の取付部2
4aをボルト22でバイト頭部12に取り付ける際、取
付部24aとバイト頭部12の上面13との間に例えば
リング状のワッシャ45等の仲介部材を配設する。これ
によって、横制御板24の下端部24bとチップ上面1
6との隙間c2の大きさを、切屑Tの厚み等に応じて調
整できることになる。同様に、前制御板20の取付部2
0aとバイト頭部12の上面13との間にもリング状の
ワッシャ45等の仲介部材を配設し、隙間c1の大きさ
を調整できる。また、図9(B)において、横制御板2
4のボルト22挿入用の孔25の上部にボルト22の頭
部22aより大きい座ぐり穴43を穿孔し、この座ぐり
穴43内の底部43aとボルト22の頭部22aとの間
に弾性部材として例えばスプリング46を圧縮状態で装
着する。これによって、隙間c2を通過する切屑の厚み
が大きい場合、切屑が横制御板24に当り、押し上げ力
が負荷として横制御板24に伝達されるために、スプリ
ング46の付勢力に抗して横制御板24がボルト22に
ガイドされて上方に移動し、隙間c2が広がるので、切
屑の通りが良くなる。前制御板20にも同様なスプリン
グ46を採用する。尚、ワッシャ45等の仲介部材、ボ
ルト22と座ぐり穴43の間の弾性部材は第二調整部材
を構成する。
【0020】図10は第四の実施の形態を示すものであ
る。図中、横制御板24の取付部24aとバイト頭部1
2の上面13との間にリング状のワッシャ46等の仲介
部材が配設されている。しかも、チップ上面16と横制
御板24との隙間c2を形成する横制御板24の切欠4
7は、バイト頭部12の上面13に対して適宜の鋭角α
に設定されている。そのため、隙間c2は、横切刃18
の先端角部16aに近い先端開口部c2−1から内奥部
c2−2(後端部)に向かって漸次大きくなるよう形成
されている。前制御板20の切欠(隙間c1)も同様な
形状を呈している。そのため、例えば横切刃18で回転
する被削材8を切削する際、切屑Tは略円弧状に形成さ
れるが、その場合、横切刃18の先端角部16aでの切
削量よりも最大切込み部位での切削量の方が大きくて撓
み易いから、切欠47による隙間c2の内奥部c2−2
を大きくすることで、横切刃18の最大切込み部位によ
る切屑をスムーズに隙間c2を通して誘導処理すること
ができる。尚、上述の各実施の形態では、前切刃17及
び横切刃18の両方にそれぞれ前制御板20及び横制御
板24を設けたが、いずれか一方だけに設けても良く、
例えば送り切削する切刃(実施の形態では横切刃18)
にのみ制御板を設けるようにしてもよい。
【0021】次に本発明の第五の実施の形態を図11乃
至図13で説明する。図11は切削状態における実施の
形態によるボーリングバーの平面図、図12は図11に
示すボーリングバーの先端面図、図13はボーリングバ
ーの切刃方向から見た側面図である。図に示すボーリン
グバー50において、略円柱状の工具本体51の先端部
が平面状に切欠られて上面52とされ、この上面52の
先端角部にチップ取付座をなす凹部53が形成され、略
平行四辺形板状のスローアウェイチップ54が固定され
ている。このチップ54のすくい面を成す上面55に
は、二つの稜線が工具本体51から外側に突出する切刃
をなし、工具本体51の先端側に突出する前切刃56と
横方向に突出する横切刃57とされている。前切刃56
は、ノーズの先端から工具本体51の中心軸線Lに近付
くに従って基端側に漸次変位するよう傾斜している。横
切刃57は先端から基端側に向かって中心軸線Lに漸次
近付くよう傾斜している。
【0022】そして、このスローアウェイチップ54に
は前切刃56及び横切刃57に沿って略L字形の制御板
58が設けられている。この制御板58は基端側に取付
部59が形成され、この取付部59の孔59aを通して
ボルト22で上面52に固定されている。制御板58
は、横切刃57に沿って横切刃57より若干上面55側
に後退した位置にある横制御部58aと、横制御部58
aの先端側で折れ曲がって前切刃56に沿って延在し前
切刃56より若干上面55側に後退した位置にある前制
御部58bとで形成されている。前制御部58bと横制
御部58aの下端部58cは切り欠かれて切欠部60と
され、チップ上面55と下端部58cの間は切屑誘導用
の隙間c3とされている。しかも、制御板58の横制御
部58aは、ボーリングバー50で切削する穴に応じて
チップ上面55側に傾斜してチップ上面55に対して鋭
角をなすように設定され、孔内に進入する際、制御板5
8が邪魔にならないように形成されている(図12参
照)。
【0023】本実施の形態によるボーリングバー50は
上述のように構成されているから、下穴62aが設けら
れた被削材62が回転した状態で、ボーリングバー50
を中心軸線L方向に相対移動させて穴加工切削する場
合、前切刃56で生成された切屑Tはチップ上面55上
を走行して前制御部58bとの隙間c3を通過してカー
ルし、先端が前制御部58bに当接する。そして、新た
に生成される切屑Tの押上力で進行方向が曲げられるこ
とで、切屑Tは弦巻状に成長して先端側に送られる(図
12参照)。このようにして、切屑Tは折曲げられて処
理され、排出方向が制御される。特に本実施の形態によ
れば、制御板58の前制御部58bに切屑Tを衝突させ
て流れる方向を制御すると共に横制御部58aで切屑T
が加工面に当接しないように保護できる。
【0024】尚、前制御板20、横制御板24、制御板
34、58は切屑制御部材を構成するが、切屑制御部材
は必ずしも四角形板状である必要はなく、適宜の形状を
採用できる。また、切屑制御部材を採用する切刃は、ス
ローアウェイチップの切刃に限定されることなくろう付
けタイプ、ソリッドタイプの切刃等にも取り付けること
ができる。また、切屑制御部材を、鋼より高硬度の、超
硬合金やセラミックやサーメット等の高硬度材質で構成
すれば、切屑の擦過や衝突等による損耗を抑制できて耐
久性が高い。尚、上述の実施の形態では、バイトやボー
リングバーに切屑制御部材を設けた構成について説明し
たが、本発明は各種旋削工具に採用できる。
【0025】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る旋削工具
は、工具本体に設けられた切刃のすくい面の上に、この
すくい面との間に若干の隙間を開けて、板状の切屑制御
部材が、前記切刃から前記すくい面側に若干後退した位
置に前記切刃とほぼ平行に且つ前記すくい面から起立す
る方向に配設されているから、切刃で生成された切屑
は、切屑の厚みや被削材の材質やブレーカの有無等に応
じて、切屑制御部材の一の面に当接するか、或いは切屑
制御部材を乗り越えて切屑制御部材の他の面に当接する
ことになり、いずれの場合も、切屑はすくい面側に集め
られるか、切屑制御部材に直接当たる等して落下するた
めに、切刃や被削材の加工面や工具本体等は切屑制御部
材によって保護され、切刃や加工面や工具本体等に切屑
が直接衝突して欠損したり、擦過することを防止でき
る。しかも、切屑制御部材によって切屑を分断したり、
分断された切屑の大きさや切屑の排出方向を適宜コント
ロールできるから、この点でも切刃の欠損や加工面の傷
つきや工具本体の擦過損傷等を防止できる。
【0026】また、切屑制御部材は、切刃に交差する方
向に位置調整可能な第一調整部材を備えているから、切
込みの深さに応じて切刃に対する切屑制御部材の位置を
調整できる。また、切屑制御部材に隙間の大きさを位置
調整可能な第二調整部材を備えているから、切屑の厚み
に応じて切屑が通過する隙間の大きさを調整できる。
【0027】また、隙間は、切屑制御部材の長手方向に
見て先端開口部より後端側が大きくなっているから、切
削時に生成される切屑は被削材が回転するために円弧状
を呈する場合に、切刃の先端部より切込みの最も深い部
位での切削量が多くなっても、最も切込みの深い部位で
生成される切屑が通過する隙間の後端側を大きくしてお
けば、切屑が詰まることがない。また、切屑制御部材
は、先端部が切刃から離れる方向に漸次隙間が大きくな
るように傾斜しているから、切刃で生成される切屑は切
刃に交差する方向に延びてカールするために切屑流れが
スムーズである。切屑制御部材は、鋼より高硬度の材質
で構成されているから、切屑制御部材を超硬合金やセラ
ミックやサーメット等の高硬度の材質で構成すれば、切
屑の擦過や衝突等による損耗を抑制できて耐久性が高
い。また、切刃は前切刃と横切刃を備え、切屑制御部材
は前切刃に沿って設けられた前切屑制御部材と横切刃に
沿って設けられた横切屑制御部材とを備えているから、
旋削工具を前切刃と横切刃のいずれの方向に送り切削し
ても、切刃や加工面などを保護して切屑処理ができ、切
屑を分割したり、前切屑制御部材と横切屑制御部材で仕
切られたすくい面又は工具本体上に落下させて排出方向
をコントロールできて、散乱を防止することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるバイトの要部平面
図である。
【図2】 図1に示すバイトを横切刃の方向から見た側
面図である。
【図3】 図1に示すバイトを前切刃の方向から見た側
面図である。
【図4】 図1に示すバイトの横切刃で送り切削を行う
状態を示すもので、切屑の成長の一例を示す図である。
【図5】 切屑の成長の他の例を示す図4と同様の図で
ある。
【図6】 実施の形態によるバイトの変形例を示す要部
平面図である。
【図7】 第二の実施の形態によるバイトの要部平面図
である。
【図8】 第二の実施の形態によるバイトの変形例を示
す要部平面図である。
【図9】 第三の実施の形態によるバイトを横方向から
見た側面図であって、(A)は隙間の第一の調整機構、
(B)は隙間の第二の調整機構を示すための図である。
【図10】 第四の実施の形態によるバイトを横切刃の
方向からみた側面図である。
【図11】 第五の実施の形態によるボーリングバーの
切削状態における要部平面図である。
【図12】 図11に示すボーリングバーの先端面図で
ある。
【図13】 図11に示すボーリングバーの側面図であ
る。
【図14】 従来のバイトの要部縦断面である。
【図15】 従来の他のバイトの要部縦断面図である。
【図16】 従来のバイトの横切刃で送り切削を行う状
態を示す要部側面図である。
【符号の説明】
10、30、40 バイト 15、31、54 スローアウェイチップ 17 前切刃 18 横切刃 20 前制御板 24 横制御板 24b 下端部 33 切刃 56 主切刃 34、58 制御板 41、42 長孔 43、44 角孔 50 ボーリングバー c1,c2,c3 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 太郎 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社 筑波製作所 内 (56)参考文献 特開 昭49−10471(JP,A) 米国特許4041812(US,A) 登録実用新案342028(JP,Z1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 27/22 B23B 25/02 B23Q 11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体に設けられた切刃のすくい面の
    上に、このすくい面との間に若干の隙間を開けて、板状
    切屑制御部材が、前記切刃から前記すくい面側に若干
    後退した位置に前記切刃とほぼ平行に且つ前記すくい面
    から起立する方向に配設されてなる旋削工具。
  2. 【請求項2】 前記切屑制御部材は、前記切刃に交差す
    る方向に位置調整可能な第一調整部材を備えていること
    を特徴とする請求項1記載の旋削工具。
  3. 【請求項3】 前記切屑制御部材に、前記隙間の大きさ
    を調整可能な第二調整部材を備えていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の旋削工具。
  4. 【請求項4】 前記隙間は、切屑制御部材の長手方向に
    見て先端開口部より後端側が大きくなっていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の旋削工具。
  5. 【請求項5】 前記切屑制御部材は、下端部が前記切刃
    から離れる方向に隙間を漸次大きくするように傾斜して
    いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の
    旋削工具。
  6. 【請求項6】 前記切屑制御部材は、鋼より高硬度の材
    質で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか記載の旋削工具。
  7. 【請求項7】 前記切刃は前切刃と横切刃を備え、前記
    切屑制御部材は前記前切刃に沿って設けられた前切屑制
    御部材と前記横切刃に沿って設けられた横切屑制御部材
    とを備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れか記載の旋削工具。
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