JP3236667B2 - ヒト型モノクローナル抗体およびそれをコードする遺伝子、ハイブリドーマ並びに抗腫瘍剤 - Google Patents

ヒト型モノクローナル抗体およびそれをコードする遺伝子、ハイブリドーマ並びに抗腫瘍剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌の診断、治療に使用
し得る新規なモノクローナル抗体、それをコードするD
NAおよびその抗体を産生するハイブリドーマ並びに該
抗体と制癌剤等を封入したリポソームとを結合させるこ
とにより得られる抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、固形癌に治療薬として充分な効果
を示す抗癌剤は存在しない。一方、古くから薬剤を適用
組織、器官に集中させその効果を高めるターゲティング
という概念があり、この手法により癌に対して特異的に
薬物を集中できれば固形癌の治療も可能ではないかと予
想されてきた。量産可能なマウスモノクローナル抗体の
作成法が確立(ミルシュタイン&ケーラー、Natur
e、1975)されて以来、その特異性を利用して抗癌
剤、毒素等を癌組織に集積させる試みが多数なされ、そ
の効果が認められてきている。
【0003】これまで抗体と薬剤の結合は、化学的に薬
剤を修飾して結合する方法、すなわち抗体と薬剤を直接
結合する方法や、デキストラン等の水溶性高分子を介し
結合する方法等が試みられている。しかし、それらの方
法では抗体1分子あたりに結合できる薬剤量が少ないこ
と、また薬剤の修飾により活性が低下するなどの問題が
指摘されている。
【0004】一方、薬剤を修飾することなく大量に運ぶ
手段として、リポソームに薬剤を封入しその表面に抗体
を結合する方法、すなわち抗体結合リポソームが提案さ
れており、その優れた抗腫瘍効果が多数報告されてきた
〔今野ら、Cancer Reserch 47,44
71(1987)、橋本ら、特開昭58−134032
号公報〕。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、抗体
に関しては、実際の治療においては、免疫応答に起因す
るアナフィラキシーなどの副作用から、連続投与が難し
いとされるマウスモノクローナル抗体〔A.Lo Bu
gliら Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.,86,4220,(1989)〕に対
し、ヒト型モノクローナル抗体の使用がより好ましいと
されている。ところが、ヒト型モノクローナル抗体の作
成法はマウスモノクローナル抗体の作成法と比較し、目
的とする抗体を産生するヒトB細胞を効率的に得るため
の能動的免疫法が困難であること、抗体産生細胞を無限
増殖化させる効率的方法が確立されていないことなどか
ら、未だ充分に腫瘍細胞に反応するヒト型モノクローナ
ル抗体を取得することは、困難な状況にある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記の
ような問題のない、癌組織に対し抗癌剤、毒素等のター
ゲッティング治療を可能とするためのヒト型モノクロー
ナル抗体を提供すべく鋭意検討した結果、特に癌細胞の
膜表面にその抗原を持つ新規なヒト型モノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマを作製し、さらに該抗体を
制癌剤等を封入したリボソームに結合させることによ
り、ターゲッティング療法に有効に使用し得る抗腫瘍剤
が得られることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、癌患者由来リ
ンパ球とマウスミエローマ細胞との融合細胞により産生
され、癌細胞の膜表面抗原に特異的に結合するヒト型モ
ノクローナル抗体およびそれをコードする遺伝子、該モ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ並びに該モ
ノクローナル抗体を含有する抗腫瘍剤に存する。本発明
のヒト型モノクローナル抗体は、例えば、重鎖可変領域
が配列表の配列番号13、14および15のアミノ酸配
列を含むものが挙げられ、より具体的には重鎖可変領域
が配列表の配列番号16、17および18のアミノ酸配
列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列表の配列番号19、
20および21のアミノ酸配列を含むものや、重鎖可変
領域が配列表の配列番号22、23および24のアミノ
酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列表の配列番号2
5、26および27のアミノ酸配列を含むもの等が挙げ
られるが、これらに限定されるわけではない。もとよ
り、本発明においては、上記抗原との反応性を損なわな
い範囲で一部のアミノ酸を置換、挿入、削除あるいは追
加する等の改変を行ったものも本発明のモノクローナル
抗体に含まれる。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るハイブリドーマは、A.Imamらの方法〔Can
cer Resarch 45,263(1985)〕
に準じて、まず、癌患者から摘出された癌所属のリンパ
節から、リンパ球を単離し、ポリエチレングリコールを
用いてマウスミエローマ細胞と融合して得られる。得ら
れたハイブリドーマの上清を用いて、パラフォルムアル
デヒド固定した各種癌細胞株に対し、エンザイムイムノ
アッセイにより陽性を示す抗体を産生するハイブリドー
マを選択し、クローニングを行う。
【0009】さらに、ハイブリドーマの上清から、常法
〔R.C.Duhamelら、J.Immunol.M
ethods 31,211(1979)〕によりモノ
クローナル抗体を精製、蛍光物質でラベルし、生癌細胞
株、各種の赤血球、白血球等に対する反応性をフローサ
イトメトリーで検出することにより、制癌細胞株に対し
ては反応性を示す抗体を、赤血球、白血球に対しては、
反応性を示さない抗体を選別する。また、癌患者から摘
出される癌組織から単離される癌細胞、および同一患者
の同一組織の非癌部から単離される正常細胞に対する反
応性を比較して、癌細胞に、より多量の抗体が結合し、
正常細胞には反応がないか、もしくは健常人由来の抗体
と同程度の反応性しかない抗体を選別する。
【0010】かくして選別されたハイブリドーマが産生
する抗体をコードするDNAの塩基配列は、たとえば、
以下の方法によって得られる。抗体産生ハイブリドーマ
から、チオシアン酸グアニジン−塩化リチウム法〔Ca
saraら,DNA,,329(1983)〕でmR
NAを調製して、オリゴ(dT)プライマーを用いてそ
のcDNAライブラリーを作製する。次いで、cDNA
に(dG)テーリングを行い、このdGテールにハイブ
リダイズするポリCと、既に遺伝子が取得されているヒ
ト抗体重鎖遺伝子、軽鎖遺伝子の各々共通な配列部分を
プローブとしてPCR法によって、抗体をコードするc
DNAを増幅させる。その後、DNAの末端平滑化を行
い、電気泳動法によってゲルから切りだしたDNAをp
UC119等のクローニングベクターに挿入し、San
gerらのジデオキシ法〔Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,74,5463,(197
7)〕によってその塩基配列が決定される。
【0011】その結果、本発明の抗体は、例えば、重鎖
可変領域が配列表の配列番号13、14および15のア
ミノ酸配列を含むものが挙げられ、具体的には重鎖可変
領域が配列表の配列番号16、17および18のアミノ
酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列表の配列番号1
9、20および21のアミノ酸配列を含むものや、重鎖
可変領域が配列表の配列番号22、23および24のア
ミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が配列表の配列番
号25、26および27のアミノ酸配列を含むもの等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】配列表の配列番号13、14および15の
アミノ酸配列は、16、17および18のアミノ酸配
列、22、23および24のアミノ酸配列は、重鎖可変
領域の中でも『超可変領域』と呼ばれ、同様に配列表の
配列番号19、20および21のアミノ酸配列、25、
26および27のアミノ酸配列は、軽鎖可変領域の中で
も『超可変領域』と呼ばれる。かかる領域は、免疫グロ
ブリンの抗体としての特異性、抗原決定基と抗体の結合
親和性を決定するものである。従って本願発明において
は、かかる超可変領域以外の重鎖可変領域は他の抗体由
来であっても構わない。
【0013】本願発明において特に好適なモノクローナ
ル抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域が夫々配列
表の配列番号5および6のアミノ酸配列で表されるも
の、並びに配列番号11および12のアミノ酸配列で表
されるものである。重鎖および軽鎖の定常領域の塩基配
列はNucleic Acids Research
14,1779(1986)、The Journal
of Biological Chemistry
257,1516(1982)およびCell 22
197(1980)に記載のものと同じ配列を有する。
【0014】本抗体は、本抗体を産生するハイブリドー
マを牛胎児血清含有eRDF、RPMI 1640培養
液等を用いて培養するか、または、配列表の配列番号3
および4、もしくは9および10等の塩基配列で表わさ
れる可変領域をコードするDNAにさらに重鎖および軽
鎖の定常領域をコードするDNAが夫々連結された遺伝
子を化学合成し、その遺伝子の発現を可能とする公知の
種々の発現ベクター、例えば、動物細胞における発現ベ
クターとして、pKCRH2〔三品ら、Nature,
307,605,(1984)〕から図1または図2に
示した手順で構築することができるpKCR(ΔE)/
HとpKCRDに挿入し、CHO細胞(チャイニーズ
ハイスター 卵巣細胞)等の宿主中で発現させることに
より得ることができる。例えば、重鎖遺伝子の両端に
ind III部位を付加したものをpKCR(ΔE)/H
Hind III部位に挿入し、またこのプラスミドの
alI部位にDHFR遺伝子等の選択マーカー遺伝子を
挿入する。一方、軽鎖遺伝子の両端にはEcoRI部位
を付加したものをpKCRDのEcoRI部位に挿入
し、さらにこのプラスミドのSalI部位にもDHFR
遺伝子を挿入する。両プラスミドをCHOdhfr
- 〔Urlaub G.& Chasin L.A.P
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,
77,4216(1980)〕等の細胞にリン酸カルシ
ウム法で導入し、ヌクレオチドを含まないαMEM培養
液等で増殖する細胞から、さらに抗体を産生する細胞を
選別することによって得ることができる。抗体は、これ
らの細胞を培養した培養液から、Protein Aを
セルロファイン、アガロース等の支持体に結合させたカ
ラム等に吸着し、溶出させること等によって精製され
る。
【0015】本発明の抗腫瘍剤において、上記抗体を担
持するリポソームは二重の脂質層からなり、該脂質層が
多重層になったもの、あるいは一層のものいずれも
使用することができる。構成成分としては、フォスファ
チジルコリン、コレステロール、フォスファチジルエタ
ノールアミン、さらに電荷をあたえる物質としてのフォ
スファチジン酸等が用いられる。例えば、構成成分の使
用割合として、フォスファチジルコリン1molに対し
コレステロールは0.3〜1mol、好ましくは0.4
〜0.6mol、フォスファチジルエタノールアミンは
0.01〜0.2mol好ましくは0.02〜0.1m
ol、フォスファチジン酸は0〜0.4mol好ましく
は0〜0.15molの組成比を用いることができる。
リポソームの製造方法には公知の方法を用いることがで
きる。たとえば溶媒を除去した脂質混合物をホモジナイ
ザー等で乳化し、凍結融解後、マルチラメラリポソーム
を得る。さらに適当な粒径に調整するために超音波処
理、高速ホモジナイズ、あるいは均一ポアを持つメンブ
ランで加圧ろ過する方法〔Hope M.J.ら Bi
ochimica et Biophysica Ac
ta 812,55(1985)〕等で調整する。この
時、好ましいサイズとして30nmから200nmのリ
ポソームが選択される。
【0016】リポソームに内封させる薬剤としては、ア
ドリアマイシン、ダウノマイシン、マイトマイシン、シ
スプラチン、ピンクリスチン、エビルビシン、メトトレ
キセート、5Fu、マクラシノマイシン等の抗癌剤、リ
シンA、ジフテリアトキシン等の毒素、アンチセンスR
NA等を用いることができる。薬剤の封入は、脂質を薬
剤水溶液で水和することでリポソームに封入することが
できる。またアドリアマイシン、ダウノマイシン、エピ
ルビシンについては、pH勾配を利用したリモートロー
ディング法(Lawrence D.M.らCance
r Reserch 49,5922(1989))を
用いて封入することもできる。
【0017】このリポソーム表面上にモノクローナル抗
体を結合させる方法としては、精製固体に疎水性の物質
をつけることでリポソームに挿入させる方法、ホスファ
チジルエタノールアミンと抗体をグルタールで架橋させ
る方法等もあるが、好適には、抗体をチオール化した
後、マレイミド基を導入した脂質を含むリポソームを作
製し、制癌剤または腫瘍細胞に対する毒素を封入したマ
レイミド基を有するリポソームと反応させることによっ
てリポソームの表面に結合することができる。また、残
存マレイミド基には、チオール化したポリアルキレング
リコール部分を含む化合物等を反応させることによって
リポソームの表面修飾を行うことも可能である。
【0018】抗体へのチオール基の付与は、固体のアミ
ノ基に対し通常タンパク質のチオール化に用いるN−ス
クシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオ
ネート(SPDP)や、イミノチオラン、メルカプトア
ルキルイミデート等の化合物を用いて行う方法、または
抗体の内在性ジチオール基を還元してチオール基とする
方法が用いられるが、内在性チオール基を用いる方法が
活性維持の点からより好ましい。抗体は、ペプシン等の
酵素でF(ab)′2 化し、さらにジチオスレイトール
(DTT)等で還元し、Fab′化して新たに生ずる1
〜3個のチオール基をリポソームとの結合反応に供する
ことができる。マレイミド基含有リポソームとチオール
化抗体の結合は中性の緩衝液(pH6.5−7.5)
中、2〜16時間反応することで達成される。
【0019】本発明の抗腫瘍剤の製剤化には、公知の方
法つまり、脱水法(特表平2−502348号公報)、
安定化剤を加え液剤として用いる方法(特開昭64−9
331号公報)、凍結乾燥法(特開昭64−9931号
公報)等の製剤化法を用いることができる。本発明の抗
腫瘍剤は、血管内投与法や、腹腔内等、局所投与法で用
いることができ、その投与量は、リポソームに含有され
た薬剤によって、それぞれ最適な量とすることができ
る。アドリアマイシン封入体を例に取れば投与量はアド
リアマイシン量として50mg/kg以下、好ましくは
10mg/kg以下、より好ましくは5mg/kg以下
で用いることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明についてより詳細
に説明するが、その要旨を越えない限り以下に限定され
るものではない。
【0021】実施例1 (癌患者癌所属リンパ節由来リンパ球とマウスミエロー
マとの細胞融合によるヒト型モノクローナル抗体GAH
産生株の樹立) (1)リンパ球の調製 大腸癌患者から摘出された癌所属リンパ節をハサミとメ
スによって細かくほぐし、さらに培養液A(eRDF
〔極東製薬工業社製〕+50μg/mlゲンタマイシン
硫酸塩)中でステンレスネットを用いて細胞を分散させ
た。この細胞懸濁液を1000rpmで10分間遠心分
離して上清を除去し、さらに新鮮な培養液Aに懸濁して
遠心洗浄を行い、最終的に2.6×107 個の細胞を得
た。
【0022】(2)細胞融合 リンパ球は、ポリエチレングリコール(ベーリンガー/
マンハイム社製)を用いマウスミエローマ細胞(1×1
7 細胞)と常法に従い融合した。融合した細胞は、培
養液Aに10μMヒポキサンチン、0.04μMアミノ
プテリン、1.6μMチミジン、10%ウシ胎児血清
(FCS)を添加した培養液(HAT添加培養液)にリ
ンパ球数が5.4×105 /mlの密度になるよう懸濁
し、100μlずつ96ウェル−プレートに接種し、3
7℃でCO2 インキュベーター中で培養した。培養液
は、適時、半量ずつ上記のHAT添加培養液で置換して
ハイブリドーマのコロニーが出現するまで培養を行っ
た。ハイブリドーマのコロニーの出現は、すべてのウェ
ルに確認された。各ウェルの培養上清について、下記試
験例1の方法に従い、固定癌細胞株、即ち、大腸癌株C
−1〔佐藤ら、医学のあゆみ、96,876,(197
6)〕〔免疫生物研究所から入手〕、胃癌株MKN45
〔内藤ら、癌と化学療法,,89,(1978)〕
〔免疫生物研究所から入手〕に対する反応性を測定し
た。陽性ウェルの出現率は、C−1株に対しては、7.
3%(35ウェル)、MKN45株に対しては、4.6
%(22ウェル)であり、両細胞株に反応性を示したウ
ェルは、6ウェルであった。この両細胞株に反応性が認
められたウェルのうちから、ハイブリドーマのクローニ
ングを行った。クローニングは、限界希釈法により、3
回行ない、ハイブリドーマクローンGAHを樹立した。
【0023】実施例2 (モノクローナル抗体GAHの精製と標識化) (1)ハイブリドーマGAHの培養とモノクローナルG
AH抗体の精製 牛胎児血清をプロテインA−アガロース〔レプリジェン
社製〕カラムにかけ、そのカラムを素通りさせてプロテ
インA−アガロースカラムに吸着する物質を除去した血
清を作成した。ハイブリドーマGAHの培養には、この
血清を3%添加したeRDF〔極東製薬社製〕培養液を
用いた。GAH抗体は、ハイブリドーマGAHを培養し
た培養液をプロテインA−アガロースカラムにかけ、抗
体を吸着させ、その後溶出させることによって精製し
た。上記の血清を培養に用いることによって、血清由来
の抗体、プロテインA−アガロースに吸着する物質の混
入がない精製GAH抗体が得られた。GAH抗体は、ド
デシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS−PAGE)で純粋なIgGであることが確
認された。
【0024】(2)GAH抗体の蛍光標識化 精製したGAH抗体に、Coons A.H.の方法に
より、蛍光物質であるFITC(フルオレセインイソチ
オシアネート)を標識した。炭酸緩衝液(pH9.5)
に抗体を透析し、FITC溶液を反応させた後、ゲル濾
過法によって蛍光標識された抗体と遊離のFITCを分
離した。蛍光標識された抗体が回収されてきた画分の吸
光度、OD280nm とOD495nm を測定し、標識率を算出
した。標識抗体の抗体とFITCの結合モル比(F/P
比)は、0.93であった。
【0025】試験例1 (ヒト型モノクローナル抗体の癌細胞株への反応性の検
討) (1)癌細胞株と維持 ヒト癌細胞株として、大腸癌株C−1、胃癌株MKN4
5の各細胞株を用いた。これらの細胞株は、培養液B
(10%FCS含有eRDF)で37℃、5%CO2
条件で維持、増殖させた。
【0026】(2)癌細胞株に対する反応性の検討 a.固定癌細胞株を用いた反応性の測定 癌細胞株は、96ウェル−プレートで3日から4日間、
一層になるまで培養を行い、上清を除去後、10mMリ
ン酸緩衝液pH7.4、0.15M NaCl溶液(P
BS)で2回洗浄したのち、2%−パラホルムアルデヒ
ド固定(室温、20分)を行った。PBSで5回洗浄し
たのち、5%−BSA(牛血清アルブミン)含有PBS
溶液を200μl/ウェル入れ、37℃、2時間放置
し、ブロッキングを行った。このプレートをPBSで5
回洗浄し、これに50μlのハイブリドーマ培養上清を
加えた。37℃、2時間反応させたのち、PBSで5回
洗浄し、50μlのアルカリホスファターゼを結合した
ヒト抗体に対するヤギ抗体(1000倍希釈、カペル社
製)を加え、37℃、1時間の反応を行った。反応後、
PBSで5回洗浄したのち、25mM p−ニトロフェ
ニルホスフェート含有0.05M炭酸塩緩衝液−1mM
MgCl(pH9.5)を50μl/ウェル加え、室
温で1時間ないし一夜反応させたのち、405nmにお
ける吸光度をマイクロプレートフォトメーター〔コロナ
社製〕によって測定した。上記実施例1の(2)の通
り、反応性を検討した培養癌細胞株、C−1、MKN4
5に陽性が確認できたウェルからクローニングを行い、
ハイブリドーマ株GAHを得た。GAHの培養上清から
精製した抗体についても同様の反応性が得られた。
【0027】b.生癌細胞に対する反応性 フラスコまたはシャーレで培養した癌細胞の上清を除去
し、0.02%−EDTA含有PBS溶液を加えて室温
30分放置し、細胞を浮遊化させた。この細胞は、培養
液Bで遠心洗浄し、約1×106 /200μlの細胞密
度となるよう、上記実施例2の(2)で得た蛍光標識し
たGAH抗体(最終濃度50μg/ml)を含有する血
清(健常人由来)に懸濁し、0℃、60分間反応させ
た。その後、2000rpmで2分間遠心して上清を除
去し、さらに細胞を1mlのPBSに懸濁して遠心洗浄
を行なった後、細胞を10μg/mlのプロピジウムア
イオダイド(PI)を含有するPBS300μlに懸濁
した。この細胞懸濁液をフローサイトメーター(FC
M)、FACS440〔ベクトン・ディッキンソン社
製〕にかけ、細胞個々に結合した蛍光量(FITC及び
PI)を測定した。系に含まれていた死細胞には、PI
が取り込まれてその核酸中に入り込み、PIの蛍光を発
するので、データ処理上PIの蛍光を持つ死細胞群を除
去することができる。蛍光量(5種)のマーカー(クオ
ンタティブキット)〔オーソ・ダイアグノスティックシ
ステムズ社製〕をFCMに同一条件下でかけ、それを指
標にして細胞1個当たりの平均結合FITC量を算定
し、その値と、実施例2の(2)で算出した標識抗体の
F/P比から、生癌細胞の1個当たりの平均結合抗体数
を算定し、その結果を表1に示した。
【0028】
【表1】 表 1 ───────────────────────────────── 抗 体 癌細胞株 ────────────────────────── GAH Control IgG ───────────────────────────────── MKN45 3.5×104 0.15×104 C−1 0.6×104 <0.1×104 ───────────────────────────────── GAH抗体を用いた場合、胃癌細胞株、大腸癌細胞株に
対し、コントロールとして用いた健常人血清由来IgG
抗体(GAHと同様の方法によって蛍光標識化した)の
約6〜23倍量の抗体が結合した。
【0029】試験例2 (ヒト型モノクローナル抗体GAHの血液系細胞に対す
る反応性)健常人7名および癌患者3名の抹消血から、
木下の方法〔赤血球系細胞の分離,新版日本血液学全書
13,800(1979)〕によって、赤血球を分離
した。白血球については、健常人抹消血をヘパリンを加
えて採血し、10mlに対して2mlの6%デキストラ
ン生理食塩水溶液を加え、混合し、室温で50分放置し
て血漿層を得、1500rpm,5分間の遠心によって
白血球を得た。これらの細胞に対する反応性は、生癌細
胞株に対する反応性を測定した方法と同様、FCMによ
って測定した。ただしPIは無添加である。白血球につ
いては、さらにFCMでの細胞の前方散乱と側方散乱か
ら、主細胞種である、小リンパ球(limphocyt
e)、顆粒球(granyulocyte)、単球(m
onocyte)、血小板の群に分け〔Bio/Tec
hnology ,337(1985)〕、それぞれ
に対する反応性を調べた。結果を表2に示した。
【0030】
【表2】 表 2 ───────────────────────────────── 抗 体 細 胞 ────────────────────────── GAH Control IgG ───────────────────────────────── 白血球 小リンパ球 陰性 陰性 顆 粒 球 0.49×104* 0.48×104* 単 球 0.41×104* 0.43×104* 血 小 板 陰性 陰性 赤血球(10種) 陰性 陰性 ───────────────────────────────── *:細胞1個当たりの平均抗体結合数 GAH抗体は、赤血球、小リンパ球には反応性が認めら
れなかった。顆粒球、単球については、コントロール抗
体(試験例1と同様)の反応性と同等であった。
【0031】試験例3 (ヒト型モノクローナル抗体GAHの新鮮癌組織、非癌
部組織由来細胞に対する反応性)GAH抗体の癌細胞結
合特異性を検討するため、癌患者の癌組織と同時に摘出
された同一患者、同一臓器の新鮮組織から、細胞を単離
し、それぞれの細胞に対するGAH抗体の反応性を測定
した。組織からの細胞の単離は、時田らの方法〔癌の臨
床,32,1803(1986)〕に従った。組織をゴ
ム板の上に敷いたテフロンシートにのせ、カミソリで叩
いて細切し、1mmのステンレスメッシュに移し、培養
液をいれたシャーレのなかでふるい、メッシュを通過し
た微小細胞集塊のはいった液を1000rpmで遠心
し、浮遊した脂肪と懸濁した壊死部分を捨て、遠心洗浄
を繰り返した。細胞塊を23ゲージのカテラン針につけ
た注射器でパンピングして分散した。この様にして得ら
れた細胞に対する反応性は、上記した生癌細胞株に対す
る反応性を検討した場合と同様、FCMによって測定し
た。結果を表3に示した。
【0032】
【表3】 GAH抗体の癌組織由来細胞に対する平均結合抗体数
は、非癌部由来細胞に対する結合数と比較して顕著に多
く、また、コントロール抗体と比較した場合でも胃癌で
51倍、大腸癌で7倍であり、GAH抗体が癌細胞の膜
上により多く出現してくる抗原を認識していることが示
唆された。
【0033】実施例3 (ヒト型モノクローナル抗体GAH軽鎖のサブクラス決
定)実施例2の(1)で得られたGAH抗体を還元状態
でSDS−PAGEを行い、重鎖と軽鎖に分離して泳動
されたタンパクをトランスファーメンブレン(Poly
vinylide−ne difluoride膜)
〔ミリポア社製〕にブロットし、この膜を5%BSA溶
液でブロッキングした後、ヒトκ鎖、またはヒトλ鎖に
対するヤギ抗体にパーオキシダーゼが結合したもの〔カ
ペル社製〕を反応させた。洗浄後、酵素基質として0.
015%H2 2 含有0.05%(w/v)4−クロロ
ナフトール溶液を反応させた。その結果、GAH抗体の
軽鎖は、抗ヒトκ鎖抗体と反応し、発色によってバンド
が出現し、κ鎖であることが示された。
【0034】(ヒト型モノクローナル抗体GAH遺伝子
の取得と塩基配列の決定) a.ポリメラーゼチェイン反応(以下、PCRと略す)
法による抗体GAHをコードするcDNAの調製 実施例1の(2)で得られたGAH抗体産生ハイブリド
ーマよりチオシアン酸グアニジン−塩化リチウム法(D
NA ,329(1983))に従いポリ(A)を有
するRNAを下記の如く調製した。ハイブリドーマ1×
107 の細胞を5Mチオシアン酸グアニジン、10mM
EDTA、50mMトリス−塩酸(pH7)および8
%(v/v)β−メルカプトエタノールからなる溶液
7.5mlに可溶化し、さらに、1g/2.5mlにな
るよう塩化セシウムを加え、混合した。この可溶化物
8.0mlを遠心管に入っている5.7M塩化セシウム
溶液3.5ml上に静かにのせ、Hitachi RP
S40Tローターにて30,000rpm、23.5時
間遠心後RNAを沈澱として回収した。このRNAの沈
澱を0.1%ラウリル硫酸ナトリウム、1mM EDT
A、10mMトリス−塩酸(pH7.5)からなる溶液
400μlに溶解しフェノール−クロロホルムで抽出
後、エタノール沈澱により回収した。得られたRNA約
64μgを10mMトリス−塩酸(pH8.0)および
1mM EDTAからなる溶液40μlに溶かした。こ
のうち21μlからmRNAピューリフィケーションキ
ット〔ファルマシア(Pharmacia)社製〕によ
って、ポリ(A)を有するmRNA約2.64μgを得
た。
【0035】このポリ(A)mRNA 1.1μgを1
0μlの水に溶かし、オリゴd(T)12−18プライ
マー〔ファルマシア社製〕1.5μg、10mM 4d
NTP〔宝酒造社製〕3μl、逆転写酵素〔ライフサイ
エンス(Life Science)社製〕40u、R
NA分解酵素阻害剤〔宝酒造社製〕30u、5倍濃度の
逆転写酵素緩衝液〔250mMトリス−塩酸(pH8.
3)、40mM塩化マグネシウム、250mM塩化カリ
ウム〕6μlを加え、水を加えて計30μlの系とし、
41℃で1時間反応させた。上記反応液からエタノール
沈澱を行って、cDNAを得た。
【0036】得られたcDNAを15.3μlの水に溶
解した。この溶液に、5倍濃度の末端デオキシヌクレオ
チド転位酵素緩衝液〔250mMトリス−塩酸(pH
7.5)、50mM塩化マグネシウム〕4.8μl、末
端デオキシヌクレオチド転位酵素〔ファルマシア社製〕
12u、10mM dGTP〔宝酒造社製〕2.4μl
を加え、計24μlの系とし、37℃で1.5時間反応
させて、cDNAの3′末端にポリd(G)を付加し
た。その後70℃で15分間加熱して酵素を失活させ
た。
【0037】この様にして得られたcDNAを基質とし
てPCRを行った。PCRは、パーキン エルマー シ
ータス ディー エヌ エー サーマル サイクラー
(Perkin Elmer Cetus DNA T
hermal Cycler)を使用して、使用説明書
に基づいて行った。すなわち上記反応終了液2μlに重
鎖の可変領域をコードするcDNAを増幅させるための
プライマーとしてcDNA3′末端に付加したdGテー
ルにハイブリダイズするポリC(15ヌクレオチド)4
0pmolesと、ヒトIgG抗体ですべて共通であ
る。可変領域の一部(配列番号:5のアミノ酸配列の1
13番〜119番)から定常領域にまたがる領域に対応
する一鎖DNAプライマー(配列番号:1,37ヌクレ
オチド)〔Nucleic Acids Resear
ch 14,1779(1986)〕25pmole
s、また、軽鎖の可変領域をコードするcDNAを増幅
させるためのプライマーとしてポリC 40pmole
sと、ヒトκ鎖のJ領域の一部(配列番号:6のアミノ
酸配列の113番〜114番)から定常領域にまたがる
領域に対応する一鎖DNAプライマー(配列番号:2,
21ヌクレオチド)(The Journal of
Biological Chemistry 257
1516(1982)、Cell 22,197(19
80))40pmoles、10倍濃度のPCR緩衝液
(100mMトリス−塩酸(pH8.3)、500mM
塩化カリウム、15mM塩化マグネシウム、0.1%
(w/v)ゼラチン)10μl、10mM 4dNTP
〔宝酒造社製〕2μl、TaqDNAポリメラーゼ(宝
酒造社製)2.5uに、水を加え、100μlの系とし
た。反応は、94℃、1分間(変性ステップ)、55
℃、2分間(アニーリングステップ)、72℃、3分間
(伸長ステップ)のインキュベーションを30サイクル
行った後、さらに72℃、7分間インキュベーションを
行った。得られた反応液をエタノール沈澱し、その沈澱
物を30μlの水に溶かし、クレノー断片〔宝酒造社
製〕2u、1mM 4dNTP 4μl、10倍濃度の
末端平滑化緩衝液(500mMトリス−塩酸(pH7.
6)、100mM塩化マグネシウム)4μlを加え、計
40μlの反応系とし、37℃で30分間反応させ、2
本鎖の平滑末端をもったcDNAを得た。
【0038】b.cDNAの塩基配列の決定 得られたcDNA溶液を2%アガロース電気泳動により
解析した結果、約500bpのバンドが認められた。こ
の約500bpのバンドを常法に従ってアガロースゲル
より切り出し、クローニングベクターのpUC119の
SmaI部位に挿入してジデオキシ法によってその塩基
配列を決定した。その結果、該PCRフラグメントの塩
基配列中、重鎖及び軽鎖の可変領域をコードする塩基配
列は、夫々、配列番号:3、配列番号:4に示したとお
りであった。決定した塩基配列から予想される前記ハイ
ブリドーマが産生するGAH抗体の重鎖及び軽鎖の可変
領域のアミノ酸配列は、夫々、配列番号:5及び配列番
号:6で示す通りである。また、塩基配列の結果から、
GAH抗体のサブクラスはIgGlであることが判明し
た。このアミノ酸配列及び塩基配列が明らかにされたD
NA断片は、上述の様な方法をくり返すことなく、DN
A合成機により再現性よく取得することができる。
【0039】実施例4 (癌患者癌所属リンパ節由来リンパ球とマウスミエロー
マとの細胞融合によるヒト型モノクローナル抗体1−3
−1産生株の樹立) (1)リンパ球の調製 肺癌患者から摘出された癌所属リンパ節から、実施例1
の(1)と同様にしてリンパ球の調製を行い、最終的に
3×107 の細胞を得た。
【0040】(2)細胞融合 リンパ球は、ポリエチレングリコール(ベーリンガー/
マンハイム社製)を用いマウスミエローマ細胞(8×1
6 細胞)と常法に従い融合した。融合した細胞は、実
施例1の(2)と同様に、HAT添加培養液にリンパ球
数が5.2×105 /mlの密度になるよう懸濁し、1
00μlずつ96ウェル−プレートに接種し、適時、半
量ずつ上記のHAT添加培養液で置換してハイブリドー
マのコロニーが出現するまで培養を行った。ハイブリド
ーマのコロニーの出現は、すべてのウェルに確認され
た。各ウェルの培養上清について、実施例1の(2)と
同様に試験例1の(2)のaに示した方法で、固定癌細
胞株即ち大腸癌株C−1、胃癌株MKN45に対する反
応性を測定した。陽性ウェルの出現率は、C−1株に対
しては、16.3%(94ウェル)、MKN45株に対
しては、6.3%(36ウェル)であり、両細胞株に反
応性を示したウェルは、4ウェルであった。この両細胞
株に反応性が認められたウェルのうちから、ハイブリド
ーマのクローニングを行った。クローニングは、限界希
釈法により、3回行ない、ハイブリドーマクローン1−
3−1を樹立した。
【0041】実施例5 (モノクローナル抗体1−3−1の精製と標識化) (1)ハイブリドーマ1−3−1の培養とモノクローナ
ル抗体1−3−1の精製 ハイブリドーマ1−3−1の培養には、実施例2の
(1)に示した血清を3%添加したeRDF〔極東製薬
社製〕培養液を用いた。1−3−1抗体は、ハイブリド
ーマ1−3−1を培養した培養液をプロテインA−アガ
ロースカラムにかけ、抗体を吸着させ、その後溶出させ
ることによって精製した。1−3−1抗体は、SDS−
PAGEで純粋なIgMであることが確認された。
【0042】(2)1−3−1抗体の蛍光標識化 精製した1−3−1抗体に、実施例2の(2)と同様に
してFITCを標識し、蛍光標識された抗体が回収され
てきた画分の吸光度、OD280nm とOD495nmを測定
し、標識率を算出した。F/P比は、6.7であった。
【0043】試験例4 (ヒト型モノクローナル抗体の癌細胞株への反応性の検
討) (1)癌細胞株と維持 ヒト大腸癌株C−1、胃癌株MKN45は、試験例1の
(1)と同様、培養液Bで37℃、5%CO2 の条件で
維持、増殖させた。
【0044】(2)癌細胞株に対する反応性の検討 生癌細胞に対する反応性 フラスコまたはシャーレで培養した癌細胞の上清を除去
し、0.02%−EDTA含有PBS溶液を加えて室温
30分放置し、細胞を浮遊化させた。この細胞は、培養
液Bで遠心洗浄し、約1×106 /200μlの細胞密
度となるよう、PBSに懸濁し、最終濃度が、50μg
/mlとなるよう上記実施例5の(1)で得られた1−
3−1抗体を加え、0℃、60分間反応させた。その
後、2000rpmで2分間遠心して上清を除去し、1
%BSA含有PBSでFITC標識化抗ヒト抗体〔カペ
ル社製〕を500倍に希釈した溶液、200μlを添加
して細胞を懸濁させ、さらに0℃、60分間反応させ
た。反応後、2000rpmで2分間遠心して上清を除
去し、細胞を1mlのPBSに懸濁して遠心洗浄を行な
った後、細胞を10μg/mlのPIを含有するPBS
300μlに懸濁した。この細胞懸濁液をFCMにか
け、個々の細胞に結合した蛍光量(FITC及びPI)
を測定した。1−3−1抗体の大腸癌細胞株Cl、胃癌
細胞株MKN45それぞれに対する反応性を図3及び図
4に示した。横軸に癌細胞1個当たりの蛍光強度、縦軸
に癌細胞数が示されている。コントロールとして、市販
のヒトIgM抗体〔カペル社製〕を用い、同様に癌細胞
株に対する反応性を調べた。図中、1−3−1抗体の反
応性は点線で、コントロールは実線で示した。これよ
り、1−3−1抗体は癌細胞に対し強い結合性を有する
ことがわかる。
【0045】試験例5 (ヒト型モノクローナル抗体1−3−1の新鮮癌組織、
非癌部組織由来細胞に対する反応性)1−3−1抗体の
癌細胞結合特異性を検討するため、癌患者の癌組織と同
時に摘出された同一患者、同一臓器の新鮮組織から、細
胞を単離し、それぞれの細胞に対する1−3−1抗体の
反応性を測定した。組織からの細胞の単離は、上記試験
例3と同様時田らの方法に従った。この様にして得られ
た細胞に対する反応性は、上記した生癌細胞株に対する
反応性を検討した場合と同様、FCMによって測定し
た。ただし、これらの細胞は、培養液Bで遠心洗浄し、
約1×106 /200μlの細胞密度となるよう、上記
実施例5の(2)で得た蛍光標識した1−3−1抗体
(最終濃度50μg/ml)を含有する血清(健常人由
来)に懸濁し、0℃、60分間反応させた後、2000
rpmで2分間遠心して上清を除去し、細胞を1mlの
PBSに懸濁して遠心洗浄を行ない、細胞を10μg/
mlのPIを含有するPBS300μlに懸濁した。そ
の後、この細胞懸濁液をFCMにかけ、細胞個々に結合
した蛍光量(FITC及びPI)を測定した。蛍光量
(5種類)のマーカー(クオンタティブキット:前述)
をFCMに同一条件下でかけ、それを指標にして細胞1
個当たりの平均結合FITC量を算定し、その値と実施
例5の(2)で算出した標識抗体のF/P比から生癌細
胞の1個当たりの平均結合抗体数を算定し、その結果を
以下表4に示す。
【0046】
【表4】 1−3−1抗体の非癌部由来細胞に対する反応性は、コ
ントロールとした健常人抹しょう血由来抗体(1−3−
1と同様の方法により蛍光標識化)と同程度かそれ以下
であったのに対し、癌組織由来細胞に対する平均結合抗
体数は、非癌由来細胞に対する結合数と比較して顕著に
多く、また、コントロール抗体と比較した場合にも、胃
癌、大腸癌とも10倍であり、1−3−1抗体が癌細胞
の膜上により多く出現してくる抗原を認識していること
が示唆された。
【0047】実施例6 (ヒト型モノクローナル抗体1−3−1軽鎖のサブクラ
ス決定)抗体としてGAH抗体のかわりに、実施例5の
(1)で得られた1−3−1抗体を用いた以外は、前記
実施例3に示した方法と同様にして、1−3−1抗体軽
鎖のサブクラスを決定した。その結果、1−3−1抗体
の軽鎖は、抗ヒトλ鎖抗体と反応し、発色によってバン
ドが出現し、λ鎖であることが示された。
【0048】(ヒト型抗体1−3−1遺伝子の取得と塩
基配列の決定) a.ポリメラーゼチェイン反応(以下、PCRと略す)
法による抗体1−3−1をコードするcDNAの調製 実施例4の(2)で得られた1−3−1抗体産生ハイブ
リドーマよりチオシアン酸グアニジン−塩化リチウム法
(DNA 2,329(1983))に従いポリ(A)
を有するRNAを調製した。用いたハイブリドーマの細
胞数が2×108 である以外は、すべて実施例3で示し
たとおりにして、該RNAを調製した。得られたRNA
約1.8mgを10mMトリス−塩酸(pH8.0)お
よび1mM EDTAからなる溶液1mlに溶かした。
このうち230μlからmRNAピューリフィケーショ
ンキット(前述)によって、ポリ(A)を有するmRN
A約20μgを得た。
【0049】このポリ(A)mRNA 4.3μgを1
0μlの水に溶かし、実施例3と同様、オリゴd(T)
12−18プライマー0.6μg、10mM 4dNT
P2μl、逆転写酵素40u、RNA分解酵素阻害剤3
0u、5倍濃度の逆転写酵素緩衝液6μlを加え、水を
加えて計30μlの系とし、42℃で1時間反応させ
た。上記反応液からエタノール沈澱を行って、cDNA
を得た。
【0050】得られたcDNAを20μlの水に溶解し
た。このうちの10μlに、5倍濃度の末端デオキシヌ
クレオチド転位酵素緩衝液5μl、末端デオキシヌクレ
オチド転位酵素11u、10mM dGTP 2.5μ
lを加え、水6.5μlを加え計25μlの系とし、3
7℃で1時間反応させて、cDNAの3′末端にポリd
(G)を付加した。その後70℃で10分間加熱して酵
素を失活させた。
【0051】この様にして得られたcDNAを基質とし
てPCRを行った。PCRは、上記反応終了液2.5μ
lに重鎖の可変領域をコードするcDNAを増幅させる
ためのプライマーとしてcDNA3′末端に付加したd
GテールにハイブリダイズするポリC(14ヌクレオチ
ド)25pmolesと、IgMの定常領域の塩基配列
部分に対応する一鎖DNAプライマー(配列番号:7,
17ヌクレオチド)〔Nucleic Acids R
esearch 18,4278(1990)〕25p
moles、また、軽鎖の可変領域をコードするcDN
Aを増幅させるためのプライマーとしてポリC 25p
molesと、λ鎖の定常領域の塩基配列部分に対応す
る一鎖プライマー(配列番号:8,19ヌクレオチド)
〔Nature 294,536(1981)〕25p
molesを用いた以外はすべて実施例3で示した方法
と同様に行い、本鎖の平滑末端をもったcDNAを得
た。
【0052】b.cDNAの塩基配列の決定 得られたcDNA溶液を2%アガロース電気泳動により
解析した結果、約500bpのバンドが認められた。こ
の約500bpのバンドを常法に従ってアガロースゲル
より切り出し、クローニングベクターのpUC119の
SmaI部位に挿入してジデオキシ法によってその塩基
配列を決定した。その結果、該PCRフラグメントの塩
基配列中、重鎖及び軽鎖の可変領域をコードする塩基配
列は、夫々、配列番号:9、配列番号:10に示したと
おりであった。決定した塩基配列から予想される前記ハ
イブリドーマが産生する1−3−1抗体の重鎖及び軽鎖
の可変領域のアミノ酸配列は、夫々、配列番号:11及
び配列番号:12で示す通りである。このアミノ酸配列
及び塩基配列が明らかにされたDNA断片は、上述の様
な方法を繰り返すことなく、DNA合成機により再現性
よく取得することができる。
【0053】実施例7 (アドリアマイシン含有GAH抗体結合リポソームの作
製) a.チオール化抗体の作製 抗腫瘍細胞反応性GAH抗体(IgG)を0.1M−酢
酸緩衝液(pH4.0)で1/40mol量のペプシン
〔Cooper Biomedical社製〕を加え、
37℃で一夜反応させてF(ab′)2 化し、陽イオン
交換樹脂(mono S)〔ファルマシア社製〕による
クロマト分離によってF(ab′)2 を単離した。分離
条件は、0.1M 酢酸緩衝液(pH4.0)中、0か
ら0.5M NaClを含有する同緩衝液の直線勾配に
より行った。単離されたF(ab′)2 を0.15M
NaClを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)中
で、抗体1mgにつき10%DTT 12μlを加え、
室温で80分間放置した。反応終了後、PBSに平衡化
したゲルろ過カラム(PD−10)で脱塩し、チオール
化Fab′抗体を調製した。
【0054】b.チオール化ポリエチレングリコールの
作製 L−シスチン48mgを0.4Mほう酸緩衝液10ml
に溶解し、2,4−ビス(ポリエチレングリコール)−
6−クロロ−s−トリアジン(活性化PEG2)〔生化
学工業社製〕200mgを加え室温で一夜反応した。得
られたシステイン結合PEGにDTT 62mgを加え
37℃で6時間反応させることでシステイン結合PEG
を含む溶液を得た。さらに反応液をゲル濾過(GH−2
5 生化学工業)等で脱塩し10mMリン酸緩衝液(p
H7.4)、0.15M−NaCl(PBS)に置換し
た後PBSで平衡化したチオプロピルセファロース6B
(ファルマシア)7mlに添加し、非結合物をPBSで
洗浄除去した。ゲルに結合したシステイン結合PEG
を、50mM−DTTを含むPBSで溶出後、ゲル濾過
等で余剰のDTTを脱塩除去し標品(チオール化PE
G)を得た。
【0055】c.マレイミド化−ジパルミトイルフォス
ファチジルエタノールアミンの作製 ジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン12
7mg、N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スク
シンイミド(EMCS)80mg、トリエチルアミン4
4ulをクロロホルム/メタノール:5/1の溶液に加
え、窒素気流下で3時間反応させた。その後、さらに2
0mgのEMCSを追加しさらに室温で3時間反応させ
た。反応溶液のニンヒドリン反応が陰性になったことを
確認後、減圧乾固し、少量のクロロホルムに再溶解し
た。マレイミド化ジパルミトイルフォスファチジルエタ
ノールアミンはUNISIL〔ガスクロ工業社製〕を用
いたクロマトグラフィーで精製した。クロロホルムで平
衡化した同カラムに添加しクロロホルム/メタノール:
10/1の溶離液で展開し目的物質を得た。
【0056】d.マレイミド基含有アドリアマイシン封
入リポソームの作製 DPPC(ジパルミトイルフォスファチジルコリン)/
chol(コレステロール)/マレイミド化DPPE
(ジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン)
が、18/10/3(mol比)からなる固形脂質混合
物(日本精化社製〕100mgに0.4Mクエン酸緩衝
液pH4を1ml加え攪はんし、さらに凍結融解を5回
繰り返し水和することによりマルチラメラリポソームを
作製した。ついでマルチラメラリポソームを200nm
のポアサイズをもつポリカーボネート膜〔ヌクレオポ
ア,マイクロサイエンス社製〕を装着した加圧装置(e
xtruder;Lipex Biomembrane
s)で60℃に加温しつつ10回加圧濾過を繰り返すこ
とで製粒されたリポソームを得た。このリポソーム溶液
を1M NaOH溶液で中和し60℃に加温しつつ脂質
重量の1/10重量のアドリアマイシン〔協和発酵社
製〕を加えた。リポソーム内外のpH勾配に従って97
%以上のアドリアマイシンが能動的にリポソームに封入
され、マレイミド基含有アドリアマイシン封入リポソー
ムが作製された。
【0057】e.マレイミド基含有アドリアマイシン封
入リポソームへのチオール化抗体の結合とPEG修飾 脂質100mgからなる上記マレイミド含有アドリアマ
イシン封入リポソームにチオール化Fab′抗体、5m
gを加え、37℃で8時間反応させ、さらに5μmol
のチオール化PEGを加え、PBS中室温で6時間反応
させることによりPEG修飾抗体結合アドリアマイシン
封入リポソームを作製した。さらにセファロースCL6
B(ファルマシア社製〕でゲル濾過し未反応のシステイ
ン結合PEGを分離した。
【0058】試験例6 (アドリアマイシン封入GAH抗体結合PEG修飾リポ
ソームの薬効確認)GAH抗体の反応性が認められ、ま
たヌードマウス移植系で集積性が認められるヒト胃癌細
胞株MKN45を用い抗腫瘍効果を検討した。治療実験
は培養したMKN45細胞 1×106 個をヌードマウ
ス皮下に移植し、10日後、腫瘍重量が約100mgに
なった時点から開始した。結果を図5に示した。治療開
始当日、3日および7日経過後にアドリアマイシン封入
GAH抗体結合PEG修飾リポソームをアドリアマイシ
ン換算で5mg/kg、尾静脈投与した(図中、◇で表
示)。また、コントロール群としてリン酸緩衝生理食塩
水(図中、◆で表示)、アドリアマイシン単独(図中、
□で表示)、アドリアマイシン封入PEG修飾リポソー
ム(図中、×で表示)投与群(各群6〜7匹)を設け
た。その腫瘍増殖の経時変化を測定するため、バッテル
−コロンバス法に従って腫瘍の短径×短径×長径/2の
計算式で推定腫瘍重量を求め、その推移を治療開始時点
での腫瘍重量を基準として示した。横軸は治療実験開始
後の経過日数を示す。図中(↓)は薬剤投与日を示す。
これよりアドリアマイシン封入モノクローナル抗体結合
PEG修飾リポソームの強い抗腫瘍効果が示された。
【0059】
【発明の効果】本発明で得られたヒト型モノクローナル
抗体を用いることにより、癌組織に対する抗癌剤、毒素
等のターゲッティング治療が可能である。また、本発明
の抗腫瘍剤は、ヒト型モノクローナル抗体を含むので、
癌組織に特異的であり、連続投与が可能である。
【0060】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:37 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 ヒトIgG抗体 配列 G GCC CTT GGT GGA GGC TGA AGA GAC GGT GAC CAT TCT 37
【0061】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 ヒトIgG抗体 配列 TGG TGC AGC CAC AGT TCG TTT 21
【0062】配列番号:3 配列の長さ:357 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 CAG GTG CAG CTG CAG GAG TCG GGC CCA GGA CTG GTG AAG CCT TCA 45 CAG ACC CTG TCC CTC ACC TGC ACT GTC TCT GGT GGC TCC ATC AGC 90 AGT TGT GGT TTC TAC TGG AAC TGG ATC CGC CAG CAC CCA GGG AAG 135 GGC CTG GAG TGG ATT GGG TAC ATC TAT TAC AGT GGG AGC ACC TAC 180 TAC AAC CCG TCC CTC AAG AGT CGA GTT ACC ATA TCG CTA GAC ACG 225 TCT AAG AGC CAG TTC TCC CTG AAG CTG AGC TCT CTG ACT GCC GCG 270 GAC ACG GCC GTG TAT TAC TGT GCG AGG TCT ACC CGA CTA CGG GGG 315 GCT GAC TAC TGG GGC CAG GGA ACA ATG GTC ACC GTC TCT TCA 357
【0063】配列番号:4 配列の長さ:342 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 GAC ATC GTG ATG ACC CAG TCT CCA GAC TCC CTG GCT GTG TCT CTG 45 GGC GAG AGG GCC ACC ATC AAC TGC AAG TCC AGC CAG AGT GTT TTA 90 TAC AAC TCC AAC AAT AAG AAA TAC TTA GCT TGG TAC CAG CAG AAA 135 CCA GGA CAG CCT CCT AAG CTG CTC ATT TAC TGG GCA TCT ACC CGG 180 GAA TCC GGG GTC CCT GAC CGA TTC AGT GGC AGC GGG TCT GGG ACA 225 GAT TTC ACT CTC ACC ATC AGC AGC CTG CAG GCT GAA GAT GTG GCA 270 GTT TAT TAC TGT CAG CAG TAT TAT AGT ACT CCG TGG ACG TTC GGC 315 CAA GGG ACC AAG GTG GAA ATC AAA CGA 342
【0064】配列番号:5 配列の長さ:119 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser 1 5 10 15 Gln Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Gly Ser Ile Ser 20 25 30 Ser Cys Gly Phe Tyr Trp Asn Trp Ile Arg Gln His Pro Gly Lys 35 40 45 Gly Leu Glu Trp Ile Gly Tyr Ile Tyr Tyr Ser Gly Ser Thr Tyr 50 55 60 Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser Arg Val Thr Ile Ser Leu Asp Thr 65 70 75 Ser Lys Ser Gln Phe Ser Leu Lys Leu Ser Ser Leu Thr Ala Ala 80 85 90 Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Ser Thr Arg Leu Arg Gly 95 100 105 Ala Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Met Val Thr Val Ser Ser 110 115 119
【0065】配列番号:6 配列の長さ:114 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 Asp Ile Val Met Thr Gln Ser Pro Asp Ser Leu Ala Val Ser Leu 1 5 10 15 Gly Glu Arg Ala Thr Ile Asn Cys Lys Ser Ser Gln Ser Val Leu 20 25 30 Tyr Asn Ser Asn Asn Lys Lys Tyr Leu Ala Trp Tyr Gln Gln Lys 35 40 45 Pro Gly Gln Pro Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Trp Ala Ser Thr Arg 50 55 60 Glu Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr 65 70 75 Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ala Glu Asp Val Ala 80 85 90 Val Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Tyr Ser Thr Pro Trp Thr Phe Gly 95 100 105 Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys Arg 110 114
【0066】配列番号:7 配列の長さ:17 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 ヒトIgM抗体 配列 C GAG GGG GAA AAG GGT T 17
【0067】配列番号:8 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 ヒトIgM抗体 配列G AAG CTC CTC AGA GGA GGG 19
【0068】配列番号:9 配列の長さ:366 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 CAG CTG CAG CTG CAG GAG TCG GGC CCA GGA CTG GTG AAG CCT TCG 45 GAG ACC CTG TCC CTC ACC TGC ACT GTC TCT GGT GGC TCC ATC AGC 90 AGT AGT AGT TAC TAC TGG GGC TGG ATC CGC CAG CCC CCA GGG AAG 135 GGG CTG GAG TGG ATT GGG AGT ATC TAT TAT AGT GGG AGC ACC TAC 180 TAC AAC CCG TCC CTC AAG AGT CGA GTC ACC ATA TCC GTA GAC ACG 225 TCC AAG AAC CAG TTC TCC CTG AAG CTG AGC TCT GTG ACC GCC GCA 270 GAC ACG GCT GTG TAT TAC TGT GCG AGG GGG AGC TAC GGG GGC TAC 315 TAC TAC GGT ATG GAC GTC TGG GGC CAA GGG ACC ACG GTC ACC GTC 360 TCC TCA 366
【0069】配列番号:10 配列の長さ:324 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 TAT GAG CTG ACA CAG CCA CCC TCG GTG TCA GTG TCC CCA GGA CAG 45 ACG GCC AGG ATC ACC TGC TCT GGA GAT GCA TTG CCA AAG CAA TAT 90 GCT TAT TGG TAC CAG CAG AAG CCA GGC CAG GCC CCT GTG CTG GTG 135 ATA TAT AAA GAC AGT GAG AGG CCC TCA GGG ATC CCT GAG CGA TTC 180 TCT GGC TCC AGC TCA GGG ACA ACA GTC ACG TTG ACC ATC AGT GGA 225 GTC CAG GCA GAA GAC GAG GCT GAC TAT TAC TGT CAA TCA GCA GAC 270 AGC AGT GGT ACT TAT GAG GTA TTC GGC GGA GGG ACC AAG CTG ACC 315 GTC CTA GGT 324
【0070】配列番号:11 配列の長さ:122 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 Gln Leu Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser 1 5 10 15 Glu Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Gly Ser Ile Ser 20 25 30 Ser Ser Ser Tyr Tyr Trp Gly Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys 35 40 45 Gly Leu Glu Trp Ile Gly Ser Ile Tyr Tyr Ser Gly Ser Thr Tyr 50 55 60 Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser Arg Val Thr Ile Ser Val Asp Thr 65 70 75 Ser Lys Asn Gln Phe Ser Leu Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala 80 85 90 Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Gly Ser Tyr Gly Gly Tyr 95 100 105 Tyr Tyr Gly Met Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val 110 115 120 Ser Ser 122
【0071】配列番号:12 配列の長さ:108 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 Tyr Glu Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Val Ser Pro Gly Gln 1 5 10 15 Thr Ala Arg Ile Thr Cys Ser Gly Asp Ala Leu Pro Lys Gln Tyr 20 25 30 Ala Tyr Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Val Leu Val 35 40 45 Ile Tyr Lys Asp Ser Glu Arg Pro Ser Gly Ile Pro Glu Arg Phe 50 55 60 Ser Gly Ser Ser Ser Gly Thr Thr Val Thr Leu Thr Ile Ser Gly 65 70 75 Val Gln Ala Glu Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gln Ser Ala Asp 80 85 90 Ser Ser Gly Thr Tyr Glu Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr 95 100 105 Val Leu Gly 108
【0072】配列番号:13 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:癌細胞の膜表面にその抗原を持つヒト型モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞 配列 Ile Ser Ser Xaa Xab Xac Tyr Trp 1 5 Xaa : Cys or Ser, Xab : Gly or Ser, Xac : Phe or Tyr
【0073】配列番号:14 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:癌細胞の膜表面にその抗原を持つヒト型モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞
【0074】配列番号:15 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:癌細胞の膜表面にその抗原を持つヒト型モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞
【0075】配列番号:16 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞
【0076】配列番号:17 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞
【0077】配列番号:18 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞
【0078】配列番号:19 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 Lys Ser Ser Gln Ser Val Leu Tyr Asn Ser Asn Asn Lys Lys Tyr Leu Ala 1 5 10 15
【0079】配列番号:20 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞
【0080】配列番号:21 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞
【0081】配列番号:22 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
【0082】配列番号:23 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 Ile Gly Ser Ile Tyr Tyr Ser Gly Ser Thr Tyr Tyr Asn Pro 1 5 10
【0083】配列番号:24 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
【0084】配列番号:25 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
【0085】配列番号:26 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
【0086】配列番号:27 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
【0087】配列番号:28 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:癌細胞の膜表面にその抗原を持つヒト型モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞
【0088】配列番号:29 配列の長さ:36 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:癌細胞の膜表面にその抗原を持つヒト型モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞 配列 ATT GGG WRY ATC TAT TAY AGT GGG AGC ACC TAC TAC 36 W : T or A, R : A or G, Y : C or T
【0089】配列番号:30 配列の長さ:12 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:癌細胞の膜表面にその抗原を持つヒト型モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞 配列 GGK RYK GAC KWC 12 K : G or T, R : G or A, Y : C or T W : A or T
【0090】配列番号:31 配列の長さ:27 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 ATC AGC AGT TGT GGT TTC TAC TGG 27
【0091】配列番号:32 配列の長さ:36 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 ATT GGG TAC ATC TAT TAC AGT GGG AGC ACC TAC TAC 36
【0092】配列番号:33 配列の長さ:27 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 TCT ACC CGA CTA CGG GGG GCT GAC TAC 27
【0093】配列番号:34 配列の長さ:51 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 AAG TCC AGC CAG AGT GTT TTA TAC AAC TCC AAC AAT AAG AAA TAC TTA GCT 51
【0094】配列番号:35 配列の長さ:21 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 TGG GCA TCT ACC CGG GAA TCC 21
【0095】配列番号:36 配列の長さ:27 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体GAH産生ハイブリドーマ細胞 配列 CAG CAG TAT TAT AGT ACT CCG TGG ACG 27
【0096】配列番号:37 配列の長さ:30 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 ATC AGC AGT AGT AGT TAC TAC TGG GGC TGG 30
【0097】 配列番号:38配列の長さ:42 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 ATT GGG AGT ATC TAT TAT AGT GGG AGC ACC TAC TAC AAC CCG 42
【0098】配列番号:39 配列の長さ:36 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 GGG AGC TAC GGG GGC TAC TAC TAC GGT ATG GAC GTC 36
【0099】配列番号:40 配列の長さ:27 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞配列GAT GCA TTG CCA AAG CAA TAT GCT TAT 27
【0100】配列番号:41 配列の長さ:12 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 AAA GAC AGT GAG 12
【0101】配列番号:42 配列の長さ:33 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 細胞の種類:ヒト抗体1−3−1産生ハイブリドーマ細
胞 配列 CAA TCA GCA GAC AGC AGT GGT ACT TAT GAG GTA 33
【図面の簡単な説明】
【図1】ベクターpKCRDの構築の概略図を示す。
【図2】ベクターpKCR(ΔE)/Hの構築の概略図
を示す。
【図3】1−3−1抗体の大腸癌細胞株C1に対する反
応性を示す。
【図4】1−3−1抗体の胃癌細胞株MKN45に対す
る反応性を示す。
【図5】ヌードマウス移植癌に対するアドリアマイシン
封入GAH抗体結合PEG修飾リポソームの抗腫瘍効果
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 15/02 C12R 1:91) 15/09 ZNA C12N 5/00 B G01N 33/577 15/00 C C12R 1:91) ZNAA (72)発明者 平川 容子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 伊藤 典彦 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 長池 一博 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平5−192181(JP,A) 特開 平2−142489(JP,A) J.Exp.Med.,Vol.158, No.1(1983)p.53−65 Jpn.J.Cancer Re s.,Vol.80,No.6(1989) p.546−553 Jpn.J.Cancer Re s.,vol.82,No.2(1991) p.213−218 Nihon Univ.J.Me d.,Vol.26,No.5(1985) p.313−327 Proc.Natl.Acad.Sc i.U.S.A.,Vol.80,No. 20(1983)p.6327−6331

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌患者由来リンパ球とマウスミエローマ
    細胞との細胞融合によって産生され、癌細胞の膜表面抗
    原に特異的に結合するヒト型モノクローナル抗体であっ
    て、重鎖可変領域が、配列表の配列番号16、17およ
    び18のアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が、配
    列表の配列番号19、20および21のアミノ酸配列を
    含むことを特徴とするモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 癌患者由来リンパ球とマウスミエローマ
    細胞との細胞融合によって産生され、癌細胞の膜表面抗
    原に特異的に結合するヒト型モノクローナル抗体であっ
    て、重鎖可変領域および軽鎖可変領域が、夫々、配列表
    の配列番号5および6のアミノ酸配列で表されることを
    特徴とするモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 癌患者由来リンパ球とマウスミエローマ
    細胞との細胞融合によって産生され、癌細胞の膜表面抗
    原に特異的に結合するヒト型モノクローナル抗体であっ
    て、重鎖可変領域が、配列表の配列番号22、23およ
    び24のアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が、配
    列表の配列番号25、26および27のアミノ酸配列を
    含むことを特徴とするモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 癌患者由来リンパ球とマウスミエローマ
    細胞との細胞融合によって産生され、癌細胞の膜表面抗
    原に特異的に結合するヒト型モノクローナル抗体であっ
    て、重鎖可変領域および軽鎖可変領域が、夫々、配列表
    の配列番号11および12のアミノ酸配列で表されるこ
    とを特徴とするモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のモノクローナル抗体を
    コードするDNA。
  6. 【請求項6】 重鎖可変領域をコードする領域が、配列
    表の配列番号31、32および33の塩基配列を含み、
    かつ軽鎖可変領域をコードする領域が、配列表の配列番
    号34、35および36の塩基配列を含むことを特徴と
    する請求項5記載のDNA
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のモノクローナル抗体を
    コードするDNA。
  8. 【請求項8】 重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコー
    ドする領域が、夫々、配列表の配列番号3および4の塩
    基配列を有することを特徴とする請求項7記載のDN
    A。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載のモノクローナル抗体を
    コードするDNA。
  10. 【請求項10】 重鎖可変領域をコードする領域が、配
    列表の配列番号37、38および39の塩基配列を含
    み、かつ軽鎖可変領域をコードする領域が、配列表の配
    列番号40、41および42の塩基配列を含むことを特
    徴とする請求項9記載のDNA
  11. 【請求項11】 請求項4に記載のモノクローナル抗体
    をコードするDNA。
  12. 【請求項12】 重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコ
    ードする領域が、夫々、配列表の配列番号9および10
    の塩基配列を有することを特徴とする請求項11記載の
    DNA。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ。
  14. 【請求項14】 請求項2記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ。
  15. 【請求項15】 請求項3記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ。
  16. 【請求項16】 請求項4記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ。
  17. 【請求項17】 腫瘍細胞に対する毒素または制癌剤を
    内包するリポソームの表面に、請求項1記載のモノクロ
    ーナル抗体を担持させた抗腫瘍剤。
  18. 【請求項18】 腫瘍細胞に対する毒素または制癌剤を
    内包するリポソームの表面に、請求項2記載のモノクロ
    ーナル抗体を担持させた抗腫瘍剤。
  19. 【請求項19】 腫瘍細胞に対する毒素または制癌剤を
    内包するリポソームの表面に、請求項3記載のモノクロ
    ーナル抗体を担持させた抗腫瘍剤。
  20. 【請求項20】 腫瘍細胞に対する毒素または制癌剤を
    内包するリポソームの表面に、請求項4記載のモノクロ
    ーナル抗体を担持させた抗腫瘍剤。
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Nihon Univ.J.Med.,Vol.26,No.5(1985)p.313−327
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