JP3235814U - 抗菌性撥水布帛及びそれを用いてなる繊維製品 - Google Patents
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Abstract
Description
本考案は、耐久性に優れた撥水性と抗菌性を有した布帛と、それを用いたレインウエアなどの雨具や鞄、傘などの繊維製品に関する。
従来より、撥水性と抗菌性を繊維製品に付与するための様々な技術が提案されている。例えば特許文献1では、水に濡れた後に乾燥させずに放置しても、生乾き臭の発生を長期間抑制し、耐久性に優れた撥水性を有する抗菌性撥水布帛を提供するため、JISL1092法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JISL0217103法に基づく家庭洗濯10回後のモラクセラ菌、黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する抗菌活性値が何れも0以上であり、かつJISL0217103法に基づく家庭洗濯20回後のJISL1092:20097.2に基づく撥水性が2級以上であることを特徴とする布帛が提案されている。また、特許文献2では、レインウエアの生地のように表面に撥水剤を付着させる必要がある繊維製品であっても抗菌剤を撥水剤と一緒に生地に付着させることができるようにするため、粉末状銀系無機抗菌剤が添加されてなる撥水剤を用いて撥水処理することが提案されている。
しかし特許文献1における布帛では、家庭洗濯10回後の抗菌活性値と家庭洗濯20回後の撥水性が示されているが、実際に家庭ではさらに多くの回数の洗濯が行われる。例えば家庭洗濯100回後の抗菌活性値と撥水性については示されておらず、耐久性の点では不十分である。また特許文献2における繊維製品では、粉末状銀系無機抗菌剤が添加されてなる撥水剤を用いることは示されているが、家庭洗濯を行った後の抗菌性と撥水性については言及されていない。
そこで本考案では、洗濯を繰り返しても抗菌性、撥水性を共に維持できる布帛及びそれを用いた繊維製品を提供することを目的とする。
本考案は上記の課題を解決するために、本考案は、
生地となる化学繊維と、
前記化学繊維の表面に、JIS L 1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯100回後の黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する抗菌活性値が増殖値を上回っており、かつJIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯100回後のJISL1092C法による撥水性が2級以上である粉末状銀粒子が添加されてなるシリコン系の撥水剤が表面にコーティングされたコーティング層から形成されたことを特徴とする布帛である。
生地となる化学繊維と、
前記化学繊維の表面に、JIS L 1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯100回後の黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する抗菌活性値が増殖値を上回っており、かつJIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯100回後のJISL1092C法による撥水性が2級以上である粉末状銀粒子が添加されてなるシリコン系の撥水剤が表面にコーティングされたコーティング層から形成されたことを特徴とする布帛である。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の布帛を用いた繊維製品である。
本考案の布帛によれば、粉末状銀粒子を含むシリコン系の撥水剤が表面にコーティングされているので、表面に撥水加工と抗菌加工を同時に行うことができる。また家庭洗濯を100回行っても抗菌性と撥水性が維持されているので、例えば雨具又は鞄などに用いられた際に、降雨若しくは降雪時などにおける使用後又は洗濯を繰り返した後であっても、簡単に水滴を払うことが可能であり、基布への水の浸透が抑制できるとともに、雑菌の繁殖も抑制できる。
以下、図を参照しながら本考案の実施形態の傘袋について説明する。
本実施形態の布帛1は、図1に示すように、ポリエステルなどの化学繊維からなる生地2と、当該化学繊維2の表面に設けられたコーティング層3とからなる。コーティング層の厚みは約30μmから100μmである。
コーティング層3はシリコン系の撥水剤4と抗菌作用を有する銀粒子5からなっている。ベースは撥水剤4であり、銀粒子5は10μm以下の粒径を有し、撥水剤4の中に均一に分散されている。また銀粒子5の含有量は生地100質量%に対し、固形分質量として0.5~10質量%の範囲であれば抗菌性を発揮することができる。なお、コーティング層3については、銀粒子5を均一に分散させたシリコン系の樹脂液を生地2表面にローラーで伸ばし、加熱しながら圧着、乾燥を繰り返すことで形成させることができる。
このコーティング層3における抗菌性と撥水性を評価するため、抗菌性の評価にあたりJIS L 1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)を採用した。また撥水性は、JIS L 1092C はっ水度試験(スプレー試験)により評価した。
抗菌性試験については、下記計算式(A)により、各々の菌種について抗菌活性値を算出する。抗菌活性値とは抗菌性の指標となるもので、この値が0未満になると、黄色ブドウ球菌などの繁殖又は増殖を抑制することができず、雑菌の発生の可能性が高くなる。
抗菌活性値(A)=(logCt―logC0)-(logTt―logT0)
=F-G
F:試験布の増殖値(F=logCt―logC0)
G:抗菌加工試料の増殖値(G=logTt―logT0)
logCt:18時間培養後の対象布の生菌数の常用対数
logC0:接種直後の対象布の生菌数の常用対数
logTt:18時間培養後の試験布の生菌数の常用対数
logT0:接種直後の試験布の生菌数の常用対数
なお、試験布とは、抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定された布帛である。
=F-G
F:試験布の増殖値(F=logCt―logC0)
G:抗菌加工試料の増殖値(G=logTt―logT0)
logCt:18時間培養後の対象布の生菌数の常用対数
logC0:接種直後の対象布の生菌数の常用対数
logTt:18時間培養後の試験布の生菌数の常用対数
logT0:接種直後の試験布の生菌数の常用対数
なお、試験布とは、抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアルに規定された布帛である。
本考案においては、耐久性を確認する指標として家庭洗濯を採用する。この家庭洗濯とは、JIS L 0217 103法に準拠するものであり、つり干しにより乾燥させるものである。
表1から明らかなように、撥水性については3回の試験とも撥水性は2級以上であり、家庭洗濯100回後に家庭用品品質表示法 繊維製品品質表示規程による規定をクリアしている。また抗菌性についても、黄色ブドウ球菌と大腸菌について家庭洗濯100回後の抗菌活性値が4を超えており、黄色ブドウ球菌と大腸菌の増殖値よりも抗菌活性値が上回っている十分な抗菌性を維持できており、有効な抗菌防臭加工ができていることがわかる。
図2はこの布帛1を用いた雨具であるレインコート6を示す。このレインコート6に使用している布帛1は上述した銀粒子5を含む撥水剤4をコーティングしているため、家庭洗濯100回後においても撥水性と抗菌性が維持できる。したがって降雨若しくは降雪時などにおける使用後又は洗濯を繰り返した後であっても、簡単に水滴を払うことが可能であり、基布への水の浸透が抑制できるとともに、雑菌の繁殖も抑制でき、実使用上非常に有益である。
なお、本考案は上記実施例に限定されず、種々の変更が可能である。例えば生地2の材質はポリエステル以外の化学繊維でもよいし、布帛1は雨具以外の鞄(例えばエコバッグなどの袋物)などの繊維製品にも適用可能である。なお袋物に使用する場合は、撥水性と抗菌性をより高めるために布帛1の両面にコーティング層3を施してもよい。
1:布帛
2:生地
3: コーティング層
4: 撥水剤
5:銀粒子
6:レインコート
2:生地
3: コーティング層
4: 撥水剤
5:銀粒子
6:レインコート
Claims (2)
- 生地となる化学繊維と、
前記化学繊維の表面に、JIS L 1902法に基づく繊維製品の抗菌性試験(定量試験)において、JIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯100回後の黄色ブドウ状球菌及び大腸菌に対する抗菌活性値が増殖値を上回っており、かつJIS L 0217 103法に基づく家庭洗濯100回後のJISL1092C法による撥水性が2級以上である粉末状銀粒子が添加されてなるシリコン系の撥水剤が表面にコーティングされたコーティング層から形成されたことを特徴とする
布帛。 - 請求項1に記載の布帛を用いた繊維製品。
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JP2021003188U JP3235814U (ja) | 2021-08-17 | 2021-08-17 | 抗菌性撥水布帛及びそれを用いてなる繊維製品 |
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JP2021003188U JP3235814U (ja) | 2021-08-17 | 2021-08-17 | 抗菌性撥水布帛及びそれを用いてなる繊維製品 |
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JP3235814U true JP3235814U (ja) | 2022-01-13 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021003188U Active JP3235814U (ja) | 2021-08-17 | 2021-08-17 | 抗菌性撥水布帛及びそれを用いてなる繊維製品 |
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2021
- 2021-08-17 JP JP2021003188U patent/JP3235814U/ja active Active
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