JP3235710U - 調理器具 - Google Patents
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Abstract
Description
本考案は、網焼き器としての金網と組み合わせて、被調理物を加熱や加温して調理する調理器具に関する。
従来、フライパンの内部に、多数の直線の連結線を有する金網を載置する調理器具が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の考案では、金網が直線の縦線または横線のみの構成のものしか使用できないという課題がある。縦線と横線とが重なり合う交差部があると、交差部の盛り上がりにより交差部の周辺部が浮いてしまったり、縦線および横線の一部が浮いてしまったりして、金網とフライパンとの接触面積が小さくなる場合があり、熱伝導向上の効果が減少してしまうからである。
本考案は、上記課題を解決するものであり、交差部を有する金網であっても、輻射熱および熱伝導の二重の効果によって被調理物を美味しくなるように調理することができる調理器具を提供する。
かかる課題を解決するため、請求項1の考案は、被調理物を収容する本体と、前記本体内に載置され、前記本体の内部底面と接触する平坦な接触面を有する金網と、を備えることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、金網を本体の内部に載置することで、被調理物と本体の内部底面との間の距離を適切に保ち、被調理物が本体からの輻射熱を最適な条件で受けやすくなる。そして、接触面が本体2の内部底面21に接触することで、本体2からの熱が熱伝導で被調理物に伝わりやすくなり、被調理物を加熱や加温しやすくなる。
請求項2の考案は、前記接触面が、少なくとも前記金網の交差部に形成した平らな平面の平坦部であることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、金網と本体の内部底面との接触面積を大きくして、本体から金網への輻射による伝熱効果と熱伝導による伝熱効果とを向上することができる。
請求項3の考案は、前記金網が、クリンプ金網、織金網、溶接金網、亀甲金網、菱形金網、または、エキスパンドメタルであることを特徴とする。
請求項3の構成によれば、調理器具が様々な種類の金網に対応することができる。
請求項4の考案は、前記本体の材質が、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、または、銅であることを特徴とする。
請求項4の構成によれば、調理器具がIHクッキングヒータ(電磁調理器)やガス火、焚火等の様々な熱源による調理に対応することができる。
請求項5の考案は、前記金網の材質が、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、または、銅であることを特徴とする。
請求項5の構成によれば、被調理物の種類や調理方法等の目的に応じて種々の金網の材質を選択することができる。
請求項6の考案は、前記本体が鉄製であって外周に上方向への折り返し部を有した上面視で四角形の形状を有し、前記金網が鉄製であって上面視で四角形のクリンプ金網であり、U字状の屈曲部を有し、前記屈曲部の反対側の開放先端付近で折り曲げた引掛け部を有する取手が、前記本体の前記折り返し部に設けた取付孔に前記引掛け部を挿入して前記本体に脱着可能に取り付けられることを特徴とする。
請求項6の構成によれば、本体および金網が鉄製であることで被調理物をより美味しくなるように調理することができ、本体に取手を脱着可能に取付けることで調理時や持ち運び時の利便性を向上することができる。
本考案の調理器具によれば、金網が鉄板から放出される輻射熱をより受けやすくなる。さらに、鉄板からの熱が熱伝導で被調理物に伝わりやすくなり、被調理物を加熱や加温しやすくなる。
本考案における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本考案の必須要件であるとは限らない。
図1は、本考案の好適な一実施形態としての調理器具1の構成を示す分解および組立斜視図である。調理器具1は、被調理物(図示せず)を収容する本体2と、本体2内に載置され、本体2の内部底面21と接触する平坦な接触面31(図4を参照)を有する金網3と、を備える。調理器具1は、本体2の内部に被調理物を収容し、被調理物を加熱や加温して調理するために用いられる。調理方法は特に限定されず、被調理物を焼いてもよいし、炒めてもよいし、蒸してもよい。図1中、本体2は、外周に上方向への折り返し部17を有し、上面視で四角形であるが、丸形や三角形、多角形等、任意の形状とすることができる。金網3も、図1中では上面視で四角形であるが、本体2と同様に任意の形状とすることができ、本体2の内部に収容できる形状および大きさであればよい。なお、調理器具1は蓋体を備えていてもよい。
調理器具1は、本体2に取手10を取付けて、調理時や持ち運び時の利便性を向上することができる。取手10は、任意の形状、構造および材質とすることができる。取手10は、任意の構造で本体2に脱着可能としてもよいし、溶接やねじ止め等の任意の方法で本体2に固定してもよい。図1中の取手10は、U字状の屈曲部14を有し、屈曲部14の反対側の開放先端付近で折り曲げた引掛け部15を本体2の折り返し部17に設けられた取付孔16に挿入して、本体2に脱着可能に取り付けられている。
本体2の材質は、例えば、鉄であることが好ましい。鉄製とすることで、被調理物をより美味しくなるように調理することができる。その他、ステンレス、アルミニウム、チタン、または、銅等、任意の材質とすることができる。フッ素樹脂加工やセラミックコート等の加工を施してもよい。これにより、本実施形態の調理器具1は、IHクッキングヒータ(電磁調理器)やガス火、焚火等の様々な熱源による調理に対応することができる。
金網3は、被調理物を載置して調理する網焼き器として機能する。適切な厚さの金網3を本体2内に載置することで、本体2と被調理物との間の間隔を適切な距離に保ち、被調理物への輻射熱による加熱や加温が最適になるように設計することができる。本実施形態の金網3は、図2に示すクリンプ金網4とすることができ、その他、例えば、図5~図9にそれぞれ示す、織金網5、溶接金網6、亀甲金網7、菱形金網8、または、エキスパンドメタル9とすることができる。また、その他、任意の形状や構造の金網を使用することができる。このように、本実施形態の調理器具1では、様々な種類の金網に対応することができる。
金網3の材質は、例えば、鉄であることが好ましい。鉄製とすることで、被調理物をより美味しくなるように調理することができる。その他、ステンレス、アルミニウム、チタン、または、銅等、任意の材質とすることができる。セラミックコート等の加工を施してもよい。金網3の材質は、本体2の材質と同じであってもよいし、異なってもよい。被調理物の種類や調理方法等に応じて、熱伝導率が大きい材質を選択したり、熱伝導率が小さい材質を選択したりすればよい。このように、本実施形態では、被調理物の種類や調理方法等の目的に応じて種々の金網3の材質を選択することができる。
図2は、クリンプ金網4の1メッシュを示す拡大底面図である。クリンプ金網4は、従来知られている、平織または綾織とすることができる。平織は、同図のように、縦線41と横線42とを一定の間隔を保って1本ずつ交互に交わらせて編んだ構成である。綾織は、図示しないが、縦線41と横線42とを一定の間隔を保って2本以上の線を越えて相互に編んだ構成である。接触面31として、縦線41と横線42とが重なり合う交差部43に、平らな平面の平坦部44が形成される。平坦部44は、少なくとも交差部43に形成されればよいが、縦線41および横線42の交差部43以外の部分の一部または全体に平坦部45を形成してもよい。
平坦部44,45は、例えば両面プレスまたは片面プレス等の潰し加工により形成することができる。縦線41および横線42のワイヤを編んで金網3を形成した後に潰し加工を施してもよいし、ワイヤに潰し加工を施して平坦部44,45を形成してから編むことにより金網3を形成してもよい。
図3は、クリンプ金網4の横断面図であり、図4は、クリンプ金網4を本体2内に載置した様子を示す横断面図である。平坦部44が交差部43に形成され、平坦部45が縦線41および横線42の交差部43以外の部分の一部に形成され、それぞれ本体2の内部底面21に接触している。平坦部44,45を、本体2の内部底面21に接触させる金網3の片面のみに形成する場合、平坦部44,45を形成した面が底面となり、平坦部44,45が形成されない面を上面として、この上面に被調理物を載置して調理する。なお、平坦部44,45は、金網3の両面に形成して、金網3を両面で使用できるようにしてもよい。
適切な厚さの金網3を本体2の内部に載置することで、被調理物と本体2の内部底面21との間の距離を適切に保ち、被調理物が本体2からの輻射熱を最適な条件で受けやすくなる。そして、平坦部44,45が本体2の内部底面21に接触することで、金網3と内部底面21との接触面積が大きくなるので、本体2からの熱が熱伝導で被調理物に伝わりやすくなり、被調理物を加熱や加温しやすくなる。このように、本実施形態の調理器具1によれば、輻射熱および熱伝導の二重の効果によって被調理物を調理することができる。
このような調理によれば、被調理物は特に限定されないが、例えば被調理物が食パンである場合、本実施形態の調理器具1で焼くと、外側表面はこんがりと焼き色が付いてカリッとした食感とし、中は食材内部の水分を上手く保ったまま焼いてしっとりとした食感とすることができる。なお、金網3と食パンは線接触しないので、食パンには網目状の焼き目が残らず、全体に焼き色を付けることができる。
金網3の外周に形成される外枠12は、例えば、縦線41および横線42のワイヤを編んだ後、縦線41および横線42の外周側の終端部13と外枠12とをスポット溶接後にTIG溶接する等して、編んだ縦線41および横線42に固定することができる。外枠12は、縦線41および横線42と同じ太径のワイヤを使用してもよいし、外枠12のワイヤを太くして金網3全体の強度を増してもよい。
以下、その他の種類の金網3の構成について説明するが、上記のクリンプ金網4の場合と同様の構成および内容については説明を適宜簡略化または省略する。
図5は、織金網5の一部を示す拡大底面図である。織金網5では、クリンプ金網4と同様に、交差部53を設けて縦線51と横線52とを織り込むが、耳部56を有する点で異なる。接触面31としての平らな平面の平坦部54は、クリンプ金網4と同様に、例えば両面プレスまたは片面プレス等の潰し加工により、少なくとも交差部53に形成することができる。縦線51および横線52の交差部43以外の部分の一部または全体に平坦部55を形成してもよい。
図6は、溶接金網6の1メッシュを示す拡大底面図である。溶接金網6では、縦線61または横線62が他方の上部で交差する。したがって、例えば両面プレスまたは片面プレス等の潰し加工により、溶接点である交差部63だけではなく、縦線61および横線62の少なくともいずれか一方の全体に、接触面31としての平らな平面の平坦部64を形成することができる。図6中では、横線62が縦線61の上部で交差し、横線62の全体に平坦部64が形成されている。
図7は、亀甲金網7の1メッシュを示す拡大底面図である。亀甲金網7では、交差部73としてワイヤが相互にねじられて形成されるねじり部を有する。接触面31としての平らな平面の平坦部74は、例えば両面プレスまたは片面プレス等の潰し加工により、少なくともねじり部73に形成することができる。さらに、ねじり部73の平坦部74とともに、ねじり部73以外の部分の一部に形成される平らな平面の平坦部75を含むこともできる。
図8は、菱形金網8の1メッシュを示す拡大底面図である。菱形金網8では、交差部83としてワイヤが相互にねじられて形成されるねじり部を有する。接触面31としての平らな平面の平坦部84は、例えば両面プレスまたは片面プレス等の潰し加工により、少なくともねじり部83に形成することができる。さらに、ねじり部83の平坦部84とともに、ねじり部83以外の部分の一部に形成される平らな平面の平坦部85を含むこともできる。
図9は、エキスパンドメタル9の1メッシュを示す拡大底面図である。エキスパンドメタル9では、金属板に千鳥状の切れ目を入れ、引き伸ばして網目が形成される。接触面31としての平らな平面の平坦部94は、例えば両面プレスまたは片面プレス等の潰し加工により、少なくとも交差部93に形成することができる。
以上の金網3の線径、メッシュ数、目開き寸法、および、開孔率等の諸パラメータ、ならびに、潰し加工の程度は、任意であり、特に限定されない。
以上、本考案を好ましい実施の形態に基づいて説明したが、本考案は種々の変形実施をすることができる。例えば、本体2の厚みを大きくして輻射熱の効果を増大させることもできるし、本体2の厚みを小さくして熱伝導の効果を増大させることもできる。種々の変形実施も本考案に含まれる。
1 調理器具
2 本体
21 内部底面
3 金網
31 接触面
4 クリンプ金網
41,51,61 縦線
42,52,62 横線
43,53,63,93 交差部
44,45,54,55,64,74,75,84,85,94 平坦部
5 織金網
6 溶接金網
7 亀甲金網
73 交差部(ねじり部)
8 菱形金網
83 交差部(ねじり部)
9 エキスパンドメタル
10 取手
14 屈曲部
15 引掛け部
16 取付孔
17 折り返し部
2 本体
21 内部底面
3 金網
31 接触面
4 クリンプ金網
41,51,61 縦線
42,52,62 横線
43,53,63,93 交差部
44,45,54,55,64,74,75,84,85,94 平坦部
5 織金網
6 溶接金網
7 亀甲金網
73 交差部(ねじり部)
8 菱形金網
83 交差部(ねじり部)
9 エキスパンドメタル
10 取手
14 屈曲部
15 引掛け部
16 取付孔
17 折り返し部
Claims (6)
- 被調理物を収容する本体と、
前記本体内に載置され、前記本体の内部底面と接触する平坦な接触面を有する金網と、
を備えることを特徴とする調理器具。 - 前記接触面が、少なくとも前記金網の交差部に形成した平らな平面の平坦部であることを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
- 前記金網が、クリンプ金網、織金網、溶接金網、亀甲金網、菱形金網、または、エキスパンドメタルであることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
- 前記本体の材質が、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、または、銅であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の調理器具。
- 前記金網の材質が、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、または、銅であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の調理器具。
- 前記本体が鉄製であって外周に上方向への折り返し部を有した上面視で四角形の形状を有し、前記金網が鉄製であって上面視で四角形のクリンプ金網であり、U字状の屈曲部を有し、前記屈曲部の反対側の開放先端付近で折り曲げた引掛け部を有する取手が、前記本体の前記折り返し部に設けた取付孔に前記引掛け部を挿入して前記本体に脱着可能に取り付けられることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の調理器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021004160U JP3235710U (ja) | 2021-10-28 | 2021-10-28 | 調理器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021004160U JP3235710U (ja) | 2021-10-28 | 2021-10-28 | 調理器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3235710U true JP3235710U (ja) | 2022-01-12 |
Family
ID=80081253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021004160U Active JP3235710U (ja) | 2021-10-28 | 2021-10-28 | 調理器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3235710U (ja) |
-
2021
- 2021-10-28 JP JP2021004160U patent/JP3235710U/ja active Active
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Legal Events
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R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3235710 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |