JP3235668B2 - デジタル伝送システム及び記録/再生装置並びにデジタル伝送システムに用いられる送信機及び受信機 - Google Patents

デジタル伝送システム及び記録/再生装置並びにデジタル伝送システムに用いられる送信機及び受信機

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JP3235668B2
JP3235668B2 JP31533591A JP31533591A JP3235668B2 JP 3235668 B2 JP3235668 B2 JP 3235668B2 JP 31533591 A JP31533591 A JP 31533591A JP 31533591 A JP31533591 A JP 31533591A JP 3235668 B2 JP3235668 B2 JP 3235668B2
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    • H03H17/0264Filter sets with mutual related characteristics
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  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Reduction Or Emphasis Of Bandwidth Of Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は送信機及び受信機を有す
るデジタル伝送システムであって、上記送信機が所定の
サンプリング速度FSを持つデジタルオーディオ信号の
ようなデジタル信号をサブバンド符号化する符号器を含
み、前記受信機が上記のサブバンド符号化された信号を
デコードするデコーダを含むようなデジタル伝送システ
ムに関する。
【0002】更に詳述すると、本発明は上記のようなデ
ジタル伝送システムであって、前記符号器は前記デジタ
ル信号に応答してサンプリング速度の減少を伴ってM個
のサブバンド信号を発生し、ここで該デジタル信号の帯
域は周波数の増加に伴って増加する帯域番号m(0≦m
≦M-1)の連続したサブバンド(副帯域)に分割され、
これらサブバンドは略等しい帯域幅を有し、前記デコー
ダは前記M個のサブバンド信号に応答して前記デジタル
信号の複製を再生し、ここで前記サブバンドはサンプリ
ング速度の増加を伴って前記デジタル信号の前記帯域に
統合され、前記符号器は解析フィルタ手段と第1の信号
処理ユニットとを有し、上記解析フィルタ手段は各々が
1個の入力端子と2個の出力端子とを持つM個の解析フ
ィルタを有し、これらフィルタの2M個の出力端子は前記
解析フィルタ手段の2M個の出力端子に結合されてFS/M
なるサンプリング速度の2M個の出力信号を出力し、各解
析フィルタはその入力端子に供給される信号に2つの異
なるフィルタ処理を施すと共にこれら2つの異なるフィ
ルタ処理が施された入力信号の各々をその2つの出力端
子の中の対応すものに供給し、前記2M個の出力端子の各
々は前記第1の信号処理ユニットの2M個の入力端子の中
の対応するものに結合され、この第1の信号処理ユニッ
トは当該符号器のM個の出力端子に結合されて前記のM
個のサブバンド信号を出力するM個の出力端子を有する
と共にこれらM個の出力端子の各々に出力信号を供給よ
うに構成され、その出力信号は少なくとも当該ユニット
の2M個の入力端子に印加される入力信号のうちの組み合
せであり、前記デコーダは第2の信号処理ユニットと合
成フィルタ手段とを有し、上記第2の信号処理ユニット
は前記のM個のサブバンド信号を入力するM個の入力端
子と2M個の出力端子とを有し、前記合成フィルタ手段は
各々が2個の入力端子と当該デコーダの出力端子に結合
された1個の出力端子とを有するM個の合成フィルタを
有し、前記第2の信号処理ユニットはその2M個の出力端
子の各々に出力信号を発生するように構成されると共に
その出力信号は少なくとも当該ユニットのM個の入力端
子に供給される入力信号のうちの組み合せであり、この
第2の信号処理ユニットの出力端子の各対は前記M個の
合成フィルタの対応するものの2個の入力端子の対に結
合され、各合成フィルタは1個の出力端子を有すると共
にその2個の入力端子に印加される2つの信号に対して
異なるフィルタ処理を施しこれら2つのフィルタされた
信号の組み合せをその出力端子に供給するように構成さ
れ、各出力端子は当該合成フィルタ手段の出力端子に結
合されて、当該合成フィルタ手段の出力端子からサンプ
リング速度FSを持つ前記デジタル信号の複製を出力
し、前記解析又は合成フィルタの係数は前記各サブバン
ドの帯域幅の約半分に等しい帯域幅のローパスフィルタ
特性を持つ標準フィルタの係数から導出され、M x 2Mの
係数の行列Aにおけるα(x, y)が前記第1の信号処理ユ
ニットにおける乗算係数であり、該乗算係数を用いてこ
の第1の信号処理ユニットの2M個の入力端子の中のy番
目に印加される入力信号に当該第1信号処理ユニットの
M個の出力端子の中のx番目に供給される前に乗算を施
し、2M x Mの係数の行列Bにおけるβ(u, v)が前記第2
の信号処理ユニットにおける乗算係数であり、該乗算係
数を用いてこの第2の信号処理ユニットのM個の入力端
子の中のv番目に印加される入力信号に当該第2信号処
理ユニットの2M個の出力端子の中のu番目に供給される
前に乗算を施すようなデジタル伝送システムに関する。
【0003】また、本発明はデジタル信号を記録及び/
又は再生する装置にも関する。
【0004】更に、本発明は上述したデジタル伝送シス
テムに用いる送信機及び受信機にも関する。
【0005】
【従来の技術】上述したようなデジタル伝送システム
は、Proceedings of the ICASSP 83, Boston の第1280
ないし1283頁に掲載されたJ.H. Rothweilerによる「多
相直角フィルタ、新サブバンド符号化技術」なる名称の
文献番号27.2から既知である。上記文献は解析フィルタ
の係数及び合成フィルタの係数を同一の標準ローパスフ
ィルタH(f)から導出することができる方法を説明してい
る。このフィルタは該文献中では原型フィルタと呼ばれ
ている。この場合、解析フィルタは合成フィルタのフィ
ルタ係数と等しい数のフィルタ係数を有している。ヨー
ロッパ特許出願第90201369.7も、解析フィルタ及び合成
フィルタ用のフィルタ係数をインパルス応答において奇
数個の係数を持つ標準ローパスフィルタからどのように
して決定するかを説明している。この場合も、解析フィ
ルタのフィルタ係数の数は合成フィルタにおける係数の
数と等しい。
【0006】送信機側及び受信機側においてフィルタ係
数の数を同程度に増加させるとにより、既知の伝送シス
テムの伝送品質を改善することは可能である。しかしな
がら、このようにすると送信機側においても又受信機側
においてもこの伝送システムが複雑化してしまうという
問題がある。
【0007】
【発明の目的及び概要】本発明の目的とするところは、
送信機側か又は受信機側のいずれかの回路の複雑さを増
加させるだけで伝送品質が向上される伝送システム、又
は送信機側か受信機側の一方の側における回路の複雑さ
を減少させると同時に他方の側における回路の複雑さを
増加させて同様の伝送品質を持つような伝送システムで
あって、異なる伝送品質で種々の伝送を実現することが
できるような伝送システムを提供することにある。
【0008】上記目的を達成するため、本発明による伝
送装置は、冒頭で述べたようなシステムにおいて係数α
(x, y)及びβ(u, v)が、2M x 2Mの係数の行列[C]に
おける係数ψ(u, y)が、
【数3】 なる式に基づいて係数α(x, y)及びβ(u, v)から計算さ
れ、係数ψ(u2, y1)、ψ(u2, y2)、ψ(u3, y1)及びψ(u
3, y2)が零でなく、y1又はy2に等しくないyに対して
は係数ψ(u2, y)及びψ(u3, y)が零となり、u2又はu3
に等しくないuに対しては係数ψ(u, y1)及びψ(u, y2)
が零となるような、値(u2, u3)と対応する別個の値(y1,
y2)との少なくとも2つの別個の対が存在するように選
択されることを特徴とすると共に、解析フィルタの係数
の数が合成フィルタの係数の数と等しくないことを特徴
としている。
【0009】本発明は、送信機内の第1の信号処理ユニ
ットの係数と受信機内の第2の信号処理ユニットの係数
とは、これらの係数に対して行列の乗算が実行される場
合に特殊な形状を持った積行列[C]が得られるように
選択することができる、という認識に基づいている。
【0010】この特殊な形状の積行列[C]によれば、
解析フィルタと合成フィルタのフィルタ係数を異なるや
り方で導出することができる。
【0011】解析フィルタ又は合成フィルタのいずれか
のフィルタ係数は、依然として、前述したように標準ロ
ーパスフィルタから決定する。この方法により合成フィ
ルタ用の係数が計算されると仮定しよう。この場合、他
方のフィルタ(この例では解析フィルタ)用の係数は、
ある解析フィルタとそれに対応する合成フィルタとを経
る総合伝送特性が解析フィルタに印加される各インパル
スが各解析フィルタに印加される全てのインパルスに対
して等しいような遅れ及び増幅度で当該伝送システムの
出力端子に現れるインパルスとなるようなものでなくて
はならないという要件によって計算することができる。
この計算方法は、合成フィルタに存在する係数よりも多
くの(又は少ない)解析フィルタ用の係数を計算するこ
とを可能にする。
【0012】伝送品質は合成フィルタの係数よりも多数
の解析フィルタ用の係数を計算することによって改善す
ることが可能であるように見える。このことは、送信機
側の回路を増加させることができ、これが伝送品質の改
善につながることを意味する。他の可能性は、合成フィ
ルタ内の係数を減少することができることにある。同時
に解析フィルタ内の係数の数を増加させれば、伝送品質
を更に改善することができる。この構成は、受信機を簡
素、従って安価、にすることができ低消費電力しか必要
としないという利点を有している。この利点は携帯用の
ラジオ及び携帯用の再生専用装置のような携帯用の消費
者向け装置にとって特に重要である。
【0013】上述した文献に述べられているようにして
標準ローパスフィルタから解析フィルタの係数を導出す
ることも同様に充分可能である。この場合には、合成フ
ィルタのフィルタ係数を前述した伝送要件から計算する
ことができる。またこの場合には、合成フィルタにおけ
る係数の数を解析フィルタにおける係数の数よりも多く
又は少なくすることができる。合成フィルタにおける係
数の数が多い場合も、伝送品質の向上になる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明によるデジタル伝送システム
のブロック図を示す。当該システムは第1の交換器手段
3の入力端子2に結合された入力端子1を有し、この入
力端子1により所定のサンプリング速度FSを持つデジ
タル信号INを入力する。第1の交換器手段3はM個の
出力端子4.0ないし4.M-1を有し、これら出力端子上に出
力信号U0ないしUM-1が得られる。上記第1の交換器手
段3は、その入力端子2に印加される入力信号INに対
して係数Mによるサンプリング速度の低減を行なうよう
になっている。この第1の交換器手段3の動作について
は、図2を参照して後に詳述する。当該システム内には
M個の解析フィルタ6.0ないし6.M-1があり、mが0から
Mまで変化するとした場合、各解析フィルタmは第1の
変換器手段3のM個の出力端子のうちの該当するもの
(4.m)に結合される入力端子5.mを有している。また、各
解析フィルタ6.mは2つの出力端子7.maと7.mbとを有し
ている。各解析フィルタ(6.m)はその入力端子(5.m)に印
加される信号(Um)に2つの異なるフィルタ処理を施
し、当該信号(Um)の2つのフィルタ処理がなされた
信号の各々を2つの出力端子(7.ma及び7.mb)の対応す
るものに供給する。なお、これら解析フィルタの構成及
び動作に関しては図3を参照して後に詳述する。2M個
のフィルタ出力端子7.0a、7.0b、7.1a、7.1b、7.2a、7.
2b、…7.ma、7.mb、…の各々は、第1の信号処理ユニッ
ト9の2M個の入力端子8.0、8.1、…8.M、8.M+1、…8.
2M-1のうちの対応するものに結合されている。この第1
の信号処理ユニット9はM個の出力端子10.0ないし10.M
-1を有している。また、当該第1の信号処理ユニット9
は、そのM個の出力端子の各々に異なる出力信号を供給
するようになっており、一つの出力信号は少なくともそ
の2M個の入力端に印加される数の入力信号の組合せで
ある。
【0015】上記の第1の信号処理ユニット9の構成及
び動作については、図5を参照して後に詳述する。も
し、出力端子10.0ないし10.M-1が前記フィルタ手段のM
個の出力と等しいとすると、このことは当該信号処理ユ
ニット9がM個のサブバンド信号S0ないしSM-1を供給
することを意味し、ここで各サブバンド信号Smは信号
処理ユニット9のM個の出力端子のうちの該当する端子
(10.m)上に得られる。
【0016】入力端子1に供給され且つサンプリング速
度FSを持つ入力信号INはFS/2に等しい帯域幅を占
有する。該信号帯域幅を係数Mで除算するということ
は、サブバンドB0ないしBM-1の帯域幅が全てFS/2M
に等しいことを意味し(図7-c参照)、図1におけるS0
はサブバンドB0に存在する信号の低減サンプルされた
信号であり、S1はサブバンドB1に存在する信号の低減
サンプルされた信号であり、その他の信号についても同
様である。
【0017】M個のサブバンド信号は、もし必要なら
ば、例えば追加の量子化器(図示略)等により更に処理
され、ビットレートを大幅に低減するために信号に対し
て(適応的)量子化を施すことができる。このような量
子化器の一例は、例えば、ヨーロッパ特許出願公開第28
9080号に示されている。
【0018】上述した信号処理は当該伝送システムにお
ける送信機側で実施される。このように当該システムに
おける送信機は少なくとも符号3、6.0ないし6.M-1及び
9、並びにもし存在するならば上記量子化器を含む。
【0019】上記送信機において発生された信号は、図
1に符号11により概念的に示す伝送媒体を介して受信機
へ供給される。この場合、受信機側において誤り訂正が
可能となるように、当該信号に必要な他のチャンネル符
号化を行なってもよい。上記伝送媒体11を介してなされ
る伝送は、例えば放送チャンネルのような無線伝送の形
態であってもよい。しかしながら、他の媒体であっても
同様に可能である。例えば、光ファイバー或いは光ディ
スクを介した光学的伝送、あるいは磁気記録媒体等を介
しての伝送が考えられる。
【0020】M個のサブバンドに存在する情報は、図1
に示すように伝送媒体を介して並列に伝送することも、
又は直列に伝送することも可能である。後者の場合は、
送信機側には並列データ流を直列データ流に変換する時
間圧縮技術が必要であり、受信機側には該データ流を並
列データ流に再変換してM個のサブバンド信号S0ない
しSM-1を第2の信号処理ユニット13のM個の入力端子1
2.0ないし12.M-1の各々に供給することができるように
するような対応する時間伸長技術が必要である。上記第
2の信号処理ユニット13は、2M個の出力端子14.0ない
し14.2M-1を有している。この第2の信号処理ユニット1
3はその2M個の出力端子の各々に出力信号を発生する
よう構成され、この出力信号は少なくともそのM個の入
力端子に印加される数の入力信号の組合せである。
【0021】上記第2の信号処理ユニット13の構成及び
動作については図6を参照して後に詳述する。第2の信
号処理ユニット13の例えば14.0と14.1のような出力端子
の各対はM個の合成フィルタ16.0ないし16.M-1のうちの
対応するものの例えば15.0aと15.0bのような入力端子の
対に結合される。各合成フィルタ16.mは1個の出力端子
17.mを有している。これらの合成フィルタの各々は、そ
れらの2つの入力端子に印加される2つの信号に対して
異なるフィルタ処理を施し、これらの2つのフィルタ処
理された信号の組合せをその出力端子に供給するように
なっている。合成フィルタの構成及び動作については、
図4を参照して後に詳述する。各合成フィルタ(16.m)の
出力端子(17.m)は、第2の交換器手段19のM個の入力端
子18.0ないし18.M-1のうちの対応するものに結合されて
いる。この第2の交換器手段の出力端子20は当該伝送シ
ステムの出力端子21に結合されている。上記第2の交換
器手段19の動作については図2、10、13-a及び13-bを参
照して後に詳述する。
【0022】当該システムにおける受信機は少なくとも
符号13、16.0ないし16.M-1及び19で示す各要素を含んで
いる。
【0023】前記サブバンド信号が送信機側で量子化さ
れている場合は、受信機側に対応する逆量子化器が必要
である。そのような逆量子化器は前記信号処理ユニット
13の前側に結合されるべきである。このような逆量子化
器の例も、前述したヨーロッパ特許出願公開第289080号
に見られる。受信機側における信号処理は、信号UM-1
ないしU0(図2参照)が合成フィルタ16.0ないし16.M-
1の出力端子に現れ、再生された信号OUTが出力端子21に
現れ、該出力信号が、理想的な場合は、周波数に依存し
ない時間遅れと増幅度とを除き前記入力端子1に印加さ
れた入力信号INと等しくなるようなものである必要が
ある。
【0024】図2は第1及び第2の交換器手段3及び19
の動作を各々示している。入力端子1に印加される信号
INは図2-aに時間の関数として示されている。
【0025】図2-aは、入力信号INが形成されるサン
プルを示している。ここで、この図は時間に対する各サ
ンプルの位置を示しているのみで、これらサンプルの振
幅を示しているのではない。これらサンプルは1/FS
に等しい期間T1だけ離隔している。このように、入力
信号のサンプリング速度はFSに等しい。図2の例にお
いては、Mが8に等しいと仮定している。図2-bないし
図2-iに示される各信号(前記と同様に、時間位置のみ
を示し、振幅は示さない)は、前記手段3の出力端子4.
7ないし4.0に各々現れる信号U7ないしU0を示してい
る。事実、当該手段3は、連続する仮想的なブロックの
各々に含まれる8個のサンプルを巡回的に8個の出力端
子に分配する交換器(commutator)として作用する。な
お、図1のブロック3における交換器の矢印を参照され
たい。
【0026】図2からは、前記手段3のM個の出力端子
に得られる出力信号がFS/Mのサンプリング速度を有し
ていることが明らかである。かくして、各出力信号にお
けるサンプルはM・T1に等しい期間Tだけ離隔してい
る。
【0027】次に、第2のユニット19における出力信号
OUTの再生について説明する。この手段19も、M個の入
力端子18.0ないし18.7を出力端子20に巡回的に結合する
交換器と見なすことができる。この場合、入力端子18.0
ないし18.M-1にあるサンプルは、入力端子18.0のサンプ
ルが最初に又入力端子18.M-1のサンプルが最後となるよ
うな順序で、当該交換器手段19の出力端子20に供給され
る。このことが、図1のブロック19における交換器内に
矢印で明瞭に示されている。
【0028】前記交換器手段3は他の方法によっても構
成することができる。即ち、該手段3は正しい各位置に
タップを有するような遅延線を利用することもできる。
この場合、これらのタップはサンプリング速度を正しい
値に低下させる各デシメータ(decimators)の入力端子に
結合される。また、第1の交換器手段3におけるこの遅
延線を、解析フィルタにおける(各)遅延線(の一部)
に特に利用することにより、第1の交換器手段と解析フ
ィルタとを組み合わせることさえ可能である(米国特許
第4691292号(Rothweiler)の図3から既知)。同様のこ
とが、第2の交換器手段19についても言えるが、この場
合は、サンプリング速度を増加させるために補間器(int
erpolator)が必要である。
【0029】図3は解析フィルタ6.mの一例を示してい
る。当該解析フィルタの図1の入力端子5.mに対応する
入力端子30は、等しい遅延時間Tを持つ遅延部の直列接
続31に結合されている。この遅延時間Tは図2における
インパルスの間の時間間隔に等しい。奇数番号の遅延部
32.1、32.3、…32.nの出力端子は第1の信号合成ユニッ
ト33の各入力端子に結合されている。偶数番号の遅延部
32.2、32.4、…の出力端子は第2の信号合成ユニット34
の各入力端子に結合されている。第1及び第2の合成ユ
ニット33及び34の出力端子は当該解析フィルタ6.mの第
1及び第2の出力端子35.1及び35.2を各々形成してい
る。これらの出力端子は図1の出力端子7.ma及び7.mbに
各々等しい。フィルタ6.mの入力端子30は乗算ユニット3
6.1を介して第2の信号合成ユニット34の入力端子に結
合されている。この乗算ユニットは、その入力端子に供
給される信号(サンプル)を係数am(0)で乗算する。奇
数番号の遅延部の出力端子は、乗算ユニット36.2、36.
4、…36.n-1及び36.n+1を介して信号合成ユニット33の
入力端子に結合されている。これらの乗算ユニットはそ
れらの入力端子に供給される信号(サンプル)を係数a
m(1)、am(3)、…am(n)で各々乗算する。偶数番号の遅
延部の出力端子は、乗算ユニット36.3、36.5、…36.nを
介して信号合成ユニット34の入力端子に結合されてい
る。これらの乗算ユニットはそれらの入力端子に供給さ
れる信号(サンプル)を係数am(2)、am(4)、…で各々
乗算する。上記信号合成ユニットのより一般的な構成で
は、これらの乗算ユニットは当該信号合成ユニット内に
含めることができると考えられる。その場合には、信号
合成ユニットはそれらの入力端子に供給される信号の和
を行なうのみならず、これら信号の重み付けした合成
(和)をも行なう。なお、零に等しい係数am(i)を持つ
乗算ユニットの場合は、遅延部から信号合成ユニットへ
の結合は当該乗算ユニットを含めて不要であることは、
明らかである。更に、上記乗算ユニットが1に等しい係
数am(i)を持つ場合は、当該乗算ユニットは不要であ
り、上記の結合は直結となる。
【0030】ここで、解析フィルタ6.mに関しては他の
実施例も可能であることに注意されたい。この点に関し
ては、例えば、解析フィルタの他の例を示すヨーロッパ
特許出願第90201369.7号を参照されたい。
【0031】図3のフィルタにおける乗算ユニット36.n
+1を含む上記の結合は、nが偶数である場合、前記直列
接続31の出力端子から信号合成ユニット34への結合にな
ることに注意されたい。
【0032】図4は2つの入力端子50.1及び50.2と1つ
の出力端子51とを有する合成フィルタ16.m'を示してい
る。これらの入力端子と出力端子は、図1における入力
端子15.ma及び15.mbと出力端子17.mとに各々等しい。当
該フィルタは、等しい遅延時間Tを持つ遅延部66.lない
し66.pの直列接続65を含んでいる。前記入力端子50.1
は、乗算ユニット67.2、67.4、…67.p+1を介して偶数番
号の遅延部の入力端子に結合されている。このように、
この実施例においては、pは奇数であると考えられる。
一方、入力端子50.2は、乗算ユニット67.1、67.3、…6
7.pを介して奇数番号の遅延部の入力端子に結合されて
いる。乗算ユニット67.1ないし67.p+1の乗算係数は、b
m(p)、bm(p-1)、bm(p-2)、…bm(1)に各々等しい。
【0033】以下、図3のフィルタ6.m用の係数am(0)
ないしam(n)の選定について図7を参照して説明する。
【0034】図7-cはデジタル信号のフィルタ帯域を示
し、この帯域はFS/2である。この全体のフィルタ帯
域は等しい帯域幅FS/2MのM個のサブバンドB0ないし
M-1に分割される。図7-aは、H(f)なるフィルタ特性
とサブバンドの半分に等しい帯域FBとを持つ、さもな
くば原型フィルタ(prototype filter)とも呼ばれる標準
ローパスフィルタを示している。また、図7-bは、この
ローパスフィルタH(f)の時間に関するインパルス応答を
示している。このインパルス応答はT1=1/FSなる等
しい期間だけ離隔したインパルスの配列の形態である。
上記インパルス応答は、時間間隔t=0、T1、2T1
…におけるインパルスの振幅を示す値h0、h1、h2
…により特徴付けられる。
【0035】図7-dないし図7-gは、フィルタ6.0ない
し6.M-1における乗算ユニット用の乗算係数が標準ロー
パスフィルタH(f)のインパルス応答を用いてどのように
求められるかを示している。図から分かるように、フィ
ルタ6.0ないし6.M-1(図3参照)における乗算ユニット
36.1用の乗算係数a0(0)ないしaM-1(0)は各々h0ない
しhM-1に等しい。また、フィルタ6.0ないし6.M-1(図
3参照)における乗算ユニット36.2用の乗算係数a0(1)
ないしaM-1(1)は各々hMないしh2M-1に等しい。更
に、係数a0(2)ないしaM-1(2)は各々−h2Mないし−h
3M-1に等しく、係数a0(3)ないしaM-1(3)は各々−h3M
ないし−h4M-1に等しく、以下同様である。ここでは、
多少余分に表された図7-dのフィルタを特に参照された
い。なお、標準フィルタH(f)は奇数又は偶数のインパル
スを持つことができる。このことは、当該フィルタが奇
数個の又は遇数個の係数h0、h1、h2、…を持つこと
を意味する。
【0036】この場合の手順は次のようになる。即ち、
もし各フィルタがn+1個の係数am(0)ないしam(n)を
持つような図3のフィルタのようなM個の解析フィルタ
が必要な場合は、標準フィルタH(f)用のインパルス応答
h(t)は最大で(n+1)M個のインパルスh0、h1、h2、…
を持つように計算されねばならない。このような場合に
は、このインパルス応答h(t)には、該インパルス応答か
らフィルタ係数を得るに充分な係数(インパルス)があ
る。もし、標準フィルタH(f)におけるインパルスの数が
(n+1)Mよりも少ない場合は、当該インパルスの前後に
零を追加して正確に(n+1)M個の係数が得られるように
する。
【0037】図7の標準ローパスフィルタH(f)の係数か
ら合成フィルタ用のフィルタ係数bm(0)ないしbm(p)を
計算する方法は以下の如くである。
【0038】図8-aないし図8-dは、合成フィルタ16.
0、16.1、16.m及び16.M-1の各々の一部を示している。
各フィルタがp+1個の係数bm(0)ないしbm(p)を持つ
ようなM個の合成フィルタの場合は、標準フィルタH(f)
用のインパルス応答h(t)は最大で(p+1)M個のインパル
スh0、h1、h2、…を持つように計算されねばならな
い。図7-bに示されるようなインパルス応答h(t)の場合
は、図8に示すような方法でフィルタ16.0ないし16.M-1
用のフィルタ係数得ることができる。即ち、フィルタ1
6.0ないし16.M-1用の係数bm(0)は値h0ないしhM-1
各々等しく、フィルタ16.0ないし16.M-1用のフィルタ係
数bm(1)は値hMないしh2M-1に等しく、フィルタ16.0
ないし16.M-1用の係数bm(2)は値−h2Mないし−h3M-1
に等しく、以下同様である。
【0039】ヨーロッパ特許出願第90201369.7号におい
ては、解析フィルタ用の係数を得るための標準フィルタ
H(f)は合成フィルタ用の係数を得るためのものと同一で
ある。そのことは、解析フィルタ手段におけるフィルタ
係数の数と合成フィルタ手段におけるフィルタ係数の数
とは等しく、解析フィルタにおける係数は合成フィルタ
における係数と等しいことを意味している。
【0040】図5は前記処理ユニット9の一例を示して
いる。この処理ユニット9はM個の信号合成ユニット7
0.0ないし70.M-1を含んでいる。当該信号処理ユニット
9の2M個の入力端子71.0ないし71.2M-1は、対応する
乗算ユニットを介して合成ユニット70.0の該当する入力
端子に結合されている。上記乗算ユニットは前記入力端
子71.0ないし71.2M-1に印加されたサンプルを係数α(0,
0)ないしα(0, 2M-1)で各々乗算する。当該処理ユニッ
トの2M個の入力端子は、また、対応する乗算ユニット
を介して合成ユニット70.1の入力端子にも結合されてい
る。これら乗算ユニットは前記入力端子71.0ないし71.2
M-1に印加されたサンプルを係数α(1, 0)ないしα(1, 2
M-1)で各々乗算する。このやり方は他の全ての合成ユニ
ット70.xについても成り立ち、ここでxは0からM-1ま
で変化する。このことは、y番目の入力端子71.yは対応
する乗算ユニットを介して出力端子74.xに結合され、こ
こでyは0から2M-1まで変化し、上記乗算ユニットは入
力端子71.yに印加されるサンプルを係数α(x, y)で乗算
する。入力端子71.0ないし71.2M-1は、この順番で、図
1の入力端子8.0ないし8.2M-1に対応する。また、出力
端子74.0ないし74.M-1は、この順番で、図1における出
力端子10.0ないし10.M-1に対応する。
【0041】図6は第2の信号処理ユニット13の一例を
示している。この処理ユニット13は、2M個の信号合成
ユニット78.0ないし78.2M-1を含んでいる。当該信号処
理ユニット13のM個の入力端子76.0ないし76.M-1は対応
する乗算ユニットを介して合成ユニット78.0の該当する
入力端子に結合されている。これらの乗算ユニットは入
力端子76.0ないし76.M-1に印加されるサンプルを係数β
(0, 0)ないしβ(0, M-1)で各々乗算する。当該処理ユニ
ット13のM個の入力端子は、対応する乗算ユニットを介
して合成ユニット78.1の入力端子にも結合されている。
これら乗算ユニットは入力端子76.0ないし76.M-1に印加
されるサンプルを係数β(1, 0)ないしβ(1, M-1)で各々
乗算する。このやり方は他の全ての合成ユニット78.uに
ついても成り立ち、ここでuは0からM-1まで変化す
る。このことは、v番目の入力端子76.vは対応する乗算
ユニットとu番目の合成ユニット78.uとを介してu番目
の出力端子に結合され、ここでvは0からM-1まで変化
し、上記乗算ユニットは入力端子76.vに印加されるサン
プルを係数β(u, v)で乗算する。入力端子76.0ないし7
6.M-1は、この順番で、図1の入力端子12.0ないし12.M-
1に対応する。また、出力端子77.0ないし77.2M-1は、こ
の順番で、図1における出力端子14.0ないし14.2M-1に
対応する。
【0042】ヨーロッパ特許出願第90201369.7において
は、係数α(x, y)が送信機側の第1の処理ユニットに付
与され、係数β(u, v)が受信機側の第2の処理ユニット
に付与されるようになっている。また、このヨーロッパ
特許出願においては、解析フィルタ及び合成フィルタ用
のフィルタ係数は共に同一の標準ローパスフィルタH(f)
から図7及び図8を参照して説明したような方法により
決定されるようになっている。
【0043】前記解析フィルタ及び合成フィルタ用のフ
ィルタ係数並びに前記処理ユニット用の係数α(x, y)及
び係数β(u, v)によれば、ヨーロッパ特許出願第902013
69.7に示されるように、事実上完全にアリアス歪(alias
ing distortion)を持たない伝送システムを実現するこ
とができ、周波数に依存しないある時間遅れ及び増幅度
を除いて送信機に供給されたデジタル信号と事実上等し
いデジタル信号の複製を受信機側で得ることができる。
【0044】前記係数α(x, y)及び係数β(u, v)は、M
x 2Mの行列[A]及び2M x Mの行列[B]における行列
係数と考えることができる。これら両行列の積は行列係
数ψ(u, y)を持つ2M x 2Mの行列[C]となり、これら
の係数に関しては次式が成り立つ。
【数4】 上記係数をヨーロッパ特許出願第90201369.7に示される
α(x, y)及びβ(u, v)に対して使用すると、以下の各式
が有効であるような行列[C]が得られる。
【0045】すなわち、係数ψ(u2, y1)、ψ(u2, y2)、
ψ(u3, y1)及びψ(u3, y2)が零でなく、y1又はy2に等
しくないyに関して係数ψ(u2, y)及びψ(u3, y)が零で
あり、且つu2又はu3に等しくないuに関して係数ψ
(u, y1)及びψ(u, y2)が零となるような、ある対の値(u
2, u3)及びこれに対応する対の値(y1, y2)が存在する。
【0046】更に、上記の関係が成り立つ少なくとも第
2の対の値(u2, u3)及びこれに対応する第2の対の値(y
1, y2)が存在する。これらの各対はオーバーラップしな
い。このことは、ある対におけるu(又はy)に関する
係数は第2の対におけるu(又はy)に関する係数とは
等しくないことを意味する。
【0047】上記のことは、行列[C]に関する最も一
般的な要件である。行列[C]に関するもっと限定的な
要件は、以下の如くである。即ち、標準(原型)フィル
タが遇数個の係数を有する場合は、上記の対(u2, u3)と
対(y1, y2)のみが存在することもあり得る。
【0048】標準(原型)フィルタが奇数個の係数を有
する場合は、ψ(u1, y0)なる1個の係数を除く全ての係
数ψ(u0, y)、ψ(u1, y)、ψ(u, y0)及びψ(u, y4)が零
となるような少なくとも一対の値(u0, u1)及びこれに対
応する一対の値(y0, y4)が存在し得る。この又はこれら
の対の値(u0, u1)及び(y0, y4)も他の対の値とはオーバ
ーラップしない。もし正確に1個の対の値(u0, u1)及び
(y0, y4)が存在するとすると、行列[C]は更に以下の
事実によって特徴付けられる。即ち、u及びyに関する
残りの2M-2個の値に関して、前述したように、係数ψ(u
2, y1)、ψ(u2,y2)、ψ(u3, y1)及びψ(u3, y2)が零で
なく、y2又はy3に等しくないyに関して係数ψ(u2,
y)及びψ(u3, y)が零であり、且つu2又はu3に等しく
ないuに関して係数ψ(u, y1)及びψ(u, y2)が零となる
ような、(u2, u3)等の値uの正確にM-1個の別個の対及
び(y1, y2)のような値yの正確にM-1個のそれらに対応
する別個の対が存在する。ここで、ヨーロッパ特許出願
第90201369.7に述べられた伝送システムのみが上述した
ような行列[C]につながるのではなく、上に規定され
る行列[C]となるような処理ユニットの係数用の他の
値も存在する。
【0049】上記のような行列[C]の一例が図9に示
されている。この図9の例はMが32に等しい場合のもの
である。インデックスuは当該行列に沿って上から下へ
と縦方向に示され、インデックスyはこの行列に沿って
左から右へと水平方向に示されている。行列[C]のイ
ンデックスyは信号処理ユニット9の入力端子に対応
し、ここでy=0なるインデックスyは行列[C]の最
左欄を示すと共に処理ユニット9の入力端子8.0に対応
し、又y=(2M-1)=63なるインデックスyは行列[C]
の最右欄を示すと共に処理ユニット9の入力端子8.2M-1
に対応する。
【0050】行列[C]のインデックスuは信号処理ユ
ニット13の出力端子に関連させたもので、u=0なるイ
ンデックスuは行列[C]の最上行を示すと共に処理ユ
ニット13の出力端子14.0に対応し、またu=(2M-1)=63
なるインデックスuは行列[C]の最下行を示すと共に
処理ユニット13の出力端子14.2M-1に対応する。
【0051】この行列[C]における各点は零なる値を
持つ係数を表している。uのある値u0(この例におい
ては32に等しい)に関しては、全ての係数ψ(u0, y)は
零である。uの他のある値u1(この例においては33に
等しい)に関しては、係数ψ(u1, y0)を除く(この例に
おいてはy0は32に等しい)全ての係数ψ(u1, y)は零で
ある。この係数ψ(33, 32)は等号(=)により示されて
いる。ψ(33, 32)は値c・Mに等しく、ここでcは例え
ば−1に等しいような定数である。
【0052】uの残りの2M-2個の値に関しては、値(u2,
u3)のM-1個の別個の対及び値(y1,y2)のM-1個のこれら
に対応する別個の対を見つけることができる。そのよう
な対応する対の一例は、値(u2=19, u3=47)及び値(y1=1
8, y2=46)の対応する対である。ここで、係数ψ(19, 1
8)、ψ(19, 46)、ψ(47, 18)及びψ(47, 46)は零でなく
マイナス符号(−)で表されている。これら係数は値c
・M/2又は−M/2に等しい。18又は46に等しくないyに関
する係数ψ(19, y)及びψ(47, y)は零である。同様にし
て、19又は47に等しくないuに関する係数ψ(u, 18)及
びψ(u, 46)は零である。
【0053】上記のような値の対応する対の他の例は、
例えば(u2=18, u3=46)及び値(y1=19, y2=47)である。こ
こで、係数ψ(18, 19)及びψ(46, 47)は互いに等しく、
プラスの符号(+)で表されている。これら係数は値-c
・M/2又はM/2に等しい。また、係数ψ(18, 47)及びψ(4
6, 19)は互いに等しく、マイナス符号(−)で表され、
従って値c・M/2又は−M/2に等しい。更に上記のような
値の対応する対の他の例は、例えば(u2=0, u3=1)及び値
(y1=0, y2=1)である。ここで、係数ψ(0, 0)及びψ(0,
1)は互いに等しく、値c・M/2又は−M/2に等しい。ま
た、係数ψ(1, 0)及びψ(1, 1)は互いに等しく、値-c・
M/2又はM/2に等しい。
【0054】解析フィルタの係数と同様に合成フィルタ
の係数も同一の標準フィルタのインパルス応答h(t)にお
ける係数から導出されるような前記ヨーロッパ特許出願
第90201369.7号における場合と異なり、この例において
は合成フィルタのフィルタ係数のみが標準フィルタH(f)
の係数から導出される。そして、以下の説明において
は、積行列[C]用の係数ψ(u, y)は図9に示されたよ
うなものとする。
【0055】合成フィルタの係数と積行列[C]とが与
えられれば、解析フィルタ用の係数を伝送システムの入
力端子1から出力端子21への総合伝送特性が周波数には
依存しない増幅度(又は減衰度)及び周波数に依存しな
い遅れとを示すという要件から導出することが可能であ
る。
【0056】以下に、解析フィルタの係数の計算方法を
示す。
【0057】この時点では、計算の結果として合成フィ
ルタにおける係数の数よりも多いか又は少ない数の係数
を持つ解析フィルタが得られると言える。
【0058】積行列[C]の特殊形状により、解析フィ
ルタ用の係数を伝送システムの総合伝送特性が周波数に
は依存しない増幅度と周波数に依存しない遅れとを示す
という要件から導出するという問題は、より複雑さの程
度が低い問題に分解することにより解決することができ
る。そのような部分問題の一つが図10に示されている。
【0059】一つの部分問題は値2、3を持つyと値
2、3及び62、63を持つuとに関し図9の行列[C]か
ら得ることができる。当該伝送システム内の該当する回
路経路はブロック90.1を形成する破線内の回路により示
されている。第2の部分問題も図10に示されている。こ
の部分問題はブロック90.2を形成する破線内の回路によ
り示される当該伝送システム内の回路経路に関連するも
のである。
【0060】各部分問題において、回路経路は入力端子
1から、交換器3、ブロック90.1のようなブロック及び
交換器19を介して、出力端子20への経路で与えられる。
【0061】ブロック90.1のようなブロックにおいて
は、交換器3の端子4.1が解析フィルタ6.1の入力端子に
結合されている。この解析フィルタは合成フィルタ16.1
及び16.31に、解析フィルタ6.1の出力端子7.1aが合成フ
ィルタ16.1の入力端子15.1bと合成フィルタ16.31の入力
端子15.31bとに係数ψ(3, 2)とψ(63, 2)とによる乗算
を実施する乗算ユニットを各々介して結合されるよう
に、結合されている。更に、解析フィルタ6.1の出力端
子7.1bは合成フィルタ16.1の入力端子15.1aと合成フィ
ルタ16.31の入力端子15.31aとに係数ψ(2, 3)とψ(62,
3)とによる乗算を実施する乗算ユニットを各々介して結
合されている。
【0062】上記係数ψ(2, 3)、ψ(3, 2)、(62, 3)及
び(63, 2)は図9の行列[C]から得ることができる。
【0063】第2の部分問題も図10に与えられ、参照番
号90.2の破線によるブロックにより示されている。この
ブロック90.2においては、解析フィルタ6.2は合成フィ
ルタ16.2及び16.30に、出力端子7.2aが合成フィルタ16.
2の入力端子15.2bと合成フィルタ16.30の入力端子15.30
bとに係数ψ(5, 4)とψ(61, 4)とによる乗算を実施する
乗算ユニットを各々介して結合されるように、結合され
ている。更に、解析フィルタ6.2の出力端子7.2bは合成
フィルタ16.2の入力端子15.2aと合成フィルタ16.30の入
力端子15.30aとに係数ψ(4, 5)とψ(60, 5)とによる乗
算を実施する乗算ユニットを各々介して結合されてい
る。
【0064】係数ψ(4, 5)、ψ(5, 4)、ψ(60, 5)及び
ψ(61, 4)も図9の行列[C]から得ることができる。
【0065】このような方法により、M個の全部分問題
を得ることができる。この方法により得られた全てのブ
ロックに関しては、伝送システムの入力端子1に供給さ
れて一つのブロックを通るインパルスが、当該伝送シス
テムの出力端子20において、入力端子1に印加され且つ
図10のブロック90.1及び90.2のような異なるブロックを
介して伝わる全てのインパルスに関して等しい遅れ及び
増幅(減衰)度を伴うようなインパルスにならなければ
ならないという要件が存在する。一例として2つのイン
パルスが、図11-aに矢印状のインパルスP1により示さ
れる第1のインパルスが入力端子1に印加される際に交
換器3が入力端子1を当該交換器の端子4.2に結合し、
且つ、図11-aに先端に丸を持つインパルスP2により示
される第2のインパルスが入力端子1に印加される際に
交換器3が入力端子1を当該交換器の端子4.1に結合す
るような時間間隔で入力端子1に供給されたと仮定す
る。このように、上記2つのインパルスは時間間隔T1
だけ離れている(図2-aも参照)。
【0066】上記インパルスP1は解析フィルタ6.2の入
力端子に供給される。図3からわかるように、このイン
パルスは乗算ユニット36.1を介して出力端子35.1に直接
供給され、この出力端子が図10における出力端子7.2aで
ある。以後のインパルスは時間間隔2Tを伴ってこの出力
端子7.2aに繰り返し供給される。このことが図11-dに示
されている。即ち、出力端子7.2aに直接供給されたイン
パルスはy4.1により示され、図3の遅延部32.1及び32.
2を介して2Tだけ遅延された次のインパルスはy4.2によ
り示されている。更に、図3からはインパルスP1が解
析フィルタの出力端子35.2(この場合の出力端子7.2bで
ある)における2Tだけ離隔したインパルスとなることも
わかる。図11-eにおけるインパルスy5.1である第1の
インパルスは遅延部32.1によりインパルスy4.1に対し
てTなる時間間隔だけ遅延され、インパルスy5.2のよ
うな以後のインパルスは遅延部32.2及び32.3、32.4及び
32.5、…等により遅延される。図11-d及び11-eは行列
[C]のy=4及びy=5なる入力端子に各々供給され
る信号を示し、これら入力端子は処理ユニット9の入力
端子8.4及び8.5に等しい。
【0067】同様の方法により、入力端子6.1に印加さ
れるインパルスP2は図11-bに見られるように出力端子
7.1aにおける遅延されていないインパルスy2.1及びイ
ンパルスy2.2のような2T離隔した以後のインパルスと
なる。上記インパルスP2は更に図11-cに見られるよう
に出力端子7.1bにおける前記インパルスy2.1から期間
Tだけ離隔したインパルスy3.1及びインパルスy3.2
ようなインパルスy3.1から2T離隔した以後のインパル
スとなる。
【0068】図11-fないし11-mは行列[C]のu=2、
u=3、u=4、u=5、u=60、u=61、u=62及び
u=63なる出力端子における信号を示しており、これら
の出力端子は処理ユニット13の出力端子14.2、14.3、1
4.4、14.5、14.60、14.61、14.62及び14.63に等しい。
【0069】処理ユニット9の入力端子8.2におけるイ
ンパルスy2.1は、処理ユニット13の各出力端子14.3及
び14.63におけるインパルスu3.1(図11-g参照)及びイ
ンパルスu63.1(図11-m参照)となる。また、処理ユニ
ット9の入力端子8.4におけるインパルスy4.1は、処理
ユニット13の各出力端子14.5及び14.61におけるインパ
ルスu5.1(図11-i参照)及びインパルスu61.1(図11-
k参照)となる。また、処理ユニット9の入力端子8.3に
おけるインパルスy3.1は、処理ユニット13の各出力端
子14.2及び14.62におけるインパルスu2.1(図11-f参
照)及びインパルスu62.1(図11-l参照)となる。ま
た、処理ユニット9の入力端子8.5におけるインパルス
5.1は、処理ユニット13の各出力端子14.4及び14.60に
おけるインパルスu4.1(図11-h参照)及びインパルス
60.1(図11-j参照)となる。
【0070】同様の理由が処理ユニット9の入力端子に
おけるインパルスy2.2のような次のインパルスに関し
ても成り立ち、それらはインパルスu3.2及びu63.2
なる。
【0071】しかしながら、伝送システムの動作に関し
てはインパルスu2.1、u3.1、u4.1、u5.1、u60.1
61.1、u62.1及びu63.1が出力端子20にどのように現
れるかを見るだけで充分である。
【0072】出力端子14.3のインパルスu3.1は、合成
フィルタ16.1の入力端子15.1bに供給される。この入力
端子は図4の合成フィルタの入力端子50.2である。この
インパルスは出力端子51に供給される前に遅延部66.pに
おいて時間Tだけ遅延されるが、この出力端子は交換器
19の端子18.1に結合されている。出力端子14.2のインパ
ルスu2.1はインパルスu3.1から時間Tだけ離隔され、
合成フィルタ6.1の入力端子15.1aに供給されるが、この
入力端子は図4の合成フィルタの入力端子50.1である。
このインパルスは乗算ユニット67.p+1を介して直接出力
端子51に供給される。このように、時間Tだけ遅延され
たインパルスu3.1がインパルスu2.1に加算され、交換
器19の端子18.1に供給される。上記のことが交換器19の
各端子に現れるインパルスを示す図11-nに示されてい
る。ここで、水平線の下の数字は当該交換器19の端子1
8.iのインデックスiを示している。また、図11-nはi
=1の場合の端子18.iにおけるインパルスをu2.1+u3.1
で示している。
【0073】同様の方法により、合成フィルタ16.2の入
力端子15.2a(図4の合成フィルタの入力端子50.1であ
る)におけるインパルスu4.1は当該フィルタの出力端
子を介して直接交換器19の端子18.2に供給される。イン
パルスu4.1より時間間隔Tだけ早く来るインパルスu
5.1は入力端子15.2bに供給されるが、この入力端子は図
4の合成フィルタの入力端子50.2である。このインパル
スは遅延部66.pで時間Tだけ遅延されるので、両インパ
ルスu4.1及びu5.1は加わり端子18.2へ供給される。こ
のことが、図11-nに矢印状のインパルス、即ちi=2の
場合に端子18.iに現れるu4.1+u5.1で表されたインパル
スで示されている。
【0074】同様の方法により、合成フィルタ16.30の
入力端子15.30a及び15.30bにおけるインパルスu60.1
びu61.1は加算され、交換器19の端子18.30に供給され
る。このことが図11-nに矢印状のインパルス、即ちi=
30の場合にインデックスiに現れるu60.1+u61.1により
表されるインパルスにより示されている。
【0075】また、インパルスu62.1及びu63.1はフィ
ルタ16.31で加わり、交換器19の端子18.31に供給される
(i=32の場合にインデックスiに現れるu62.1+u63.1
により表されるインパルス参照)。
【0076】ここで、当該伝送システムにおける上記計
算は交換器3がひとつのサンプルを端子4.M-1ないし4.0
の各々に供給する各時間間隔Tの終わりの時点で実行す
ることができることに注意されたい(図2参照)。
【0077】交換器3が端子4.M-1ないし4.0の各々にサ
ンプルを供給するやいなや、処理ユニット9はその全て
の入力端子8.0ないし8.2M-1で新たな号が利用可能とな
るので、乗算及び加算を実行することが可能となり、こ
の結果として出力端子10.0ないし10.M-1に新たな出力信
号が得られる。
【0078】同様の方法により、処理ユニット13の入力
端子12.0ないし12.M-1に新たな信号が利用可能となるや
いなや(時間間隔T毎に発生する)、乗算及び加算を実
行することができるので、新たな出力信号が出力端子1
4.0ないし14.2M-1に現れる。
【0079】上記のことは、各時間間隔内において新た
な信号が交換器19の端子18.0ないし18.M-1に現れ、これ
らの新たな信号は新たな信号により置換されるまでの期
間Tにわたって出力端子に残存することも意味する。
【0080】交換器19は各時間間隔T内において全ての
端子18.0ないし18.M-1をこの順序で順次出力端子20に接
続するので、図11-nに端子インデックスiの関数として
示された信号は、出力端子20に時間間隔T内で発生する
信号を時間の関数としても示すことになる。
【0081】このことは、2つのインパルスP1及びP2
(図11-a参照)が当該システムの入力端子1に供給され
た場合、4個のインパルスが出力端子20に発生するであ
ろうことを意味している。
【0082】上記インパルスの内の二つ、即ちu2.1+u
3.1及びu4.1+u5.1で示したインパルスは前記インパルス
1及びP2に較べて逆の順序で発生している。このこと
は、図11-aと図11-nとを較べると容易にわかる。即ち、
図11-aにいては矢印状のインパルスP1が最初に来るの
に、この矢印状のインパルスP1の結果である図11-nに
おける矢印状のインパルスu4.1+u5.1は2番目に来てい
る。このように、これらのインパルスは図10のブロック
90.1及び90.2のような2つのブロックを介して伝送され
たインパルスが同一の遅れを有しなければならないとい
う要件を満たしていない。その結論は、これらインパル
スu2.1+u3.1及びu4.1+u5.1は歪成分であるということで
ある。
【0083】他の2つのインパルスu60.1+u61.1及びu
62.1+u63.1は、入力端子におけるインパルスP1及びP2
の発生に比較して正しい順序で出力端子21に発生する。
この場合、図11-nにおける矢印状のインパルスu60.1+u
61.1は図11-aにおける矢印状のインパルスP1の結果で
あり、図11-nにおける矢印状のインパルスu62.1+u63.1
は図11-aにおけるインパルスP2の結果である。これら
に関しては、図11-nに見られるように、両インパルスに
とって等しいある遅れが存在する。その結論は、インパ
ルスu60.1+u61.1及びu62.1+u63.1は、図11-aのインパル
スP1及びP2が入力端子1に供給された場合の結果であ
るべき正しい出力信号であるということである。
【0084】図9に戻ると、上記のことから当該行列に
おける右上から左下への対角線上の零でない係数は正し
い伝送を実現するが、該行列の左上から右下への対角線
上の零でない係数は歪成分となることが明かであろう。
【0085】このように、図9の行列[C]の係数と標
準フィルタH(f)から作成される合成フィルタの係数(図
8に基づく説明参照)とから出発した解析フィルタの係
数の導出は、以下の要件によりより正確に規定すること
ができる。即ち、合成フィルタの係数は、入力端子1に
印加され図10のブロック90.1のようなブロックを介して
伝わるインパルスが出力端子20の単一のインパルスとな
り、この単一のインパルスが入力端子1に印加された単
一インパルスに対する前記行列[C]における右上から
左下への対角線上の係数を経るデータ経路からの結果で
あり、行列[C]における左上から右下への対角線上の
係数を経るデータ経路は出力端子20で出力信号とならな
いように、選択すべきである。
【0086】上記の要件は解析フィルタ6.0と合成フィ
ルタ16.0との組合せに先ず適用される。何故なら、この
組合せは特別の場合であるからである(図9の行列
[C]参照)。この組合せは図13-aに示されている。こ
のフィルタ6.0への入力信号は図2-iに示す信号u0にお
けるあるインパルスである。この信号はI0(k)=δ(k)
と表すことができ、ここでkは時間長Tの連続したブロ
ックの中のあるブロックのインデックスである。このこ
とは、一つのインパルスがk=0の入力端子に供給され
ることを意味する。フィルタ6.0の出力端子7.0aにおけ
る出力信号J0.a(k)は次のように書くことができる。
【数5】 及び J0.a(2k+1)=0
【0087】フィルタ6.0の出力端子7.0bにおける出力
信号J0.b(k)は次のように書くことができる。
【数6】 及び J0.b(2k)=0
【0088】また、行列[C]の出力端子14.0における
出力信号K0.a(k)は次のように書くことができる。 K0.a(k)=ψ(0, 0)・J0.a(k)+ψ(0, 1)J0.b(k)=a0
(k)・M/2 …(式2.1)
【0089】行列[C]の出力端子14.1における出力信
号K0.b(k)は、次のように書くことができる。 K0.a(k)=ψ(1, 0)・J0.a(k)+ψ(1, 1)J0.b(k)=-a
0(k)・M/2 …(式2.2)
【0090】合成フィルタ16.0の出力端子17.0における
出力信号L0(k)は、次のように書くことができる。
【数7】
【0091】ここで、前述した要件は下記の式となる。 L0(k)=0 (k=0、1、2、…D-1、D+1、…n+pの
場合) L0(k)=1 (k=Dの場合) K=Dの場合のL0(k)=1なる式は、ブロックk=0に
あってフィルタ6.0に印加されるインパルスに対する当
該システムの応答がフィルタ16.0の出力端子に現れるブ
ロックk=Dのインパルスであるということを意味す
る。
【0092】L0(k)に関する式の数はn+p+1であるが、
解析フィルタ6.0の係数であるn+1個の未知の係数a0(0)
ないしa0(n)がある。
【0093】標準の最適化手順により、係数a0(0)ない
しa0(n)に対する最適値を得ることができる。
【0094】ここでは、送信機の入力端子1に印加さ
れ、種々の解析フィルタ及びそれらに対応する合成フィ
ルタを介して伝わり、且つ受信機の出力端子21から現れ
るインパルスとなる各インパルス間の遅れに関して述べ
る必要がある。図11においては、入力端子1に印加され
解析フィルタ6.M-1(この例では解析フィルタ6.31)を
介して伝わるインパルスが合成フィルタ16.1の出力端子
17.1に現れること、及び入力端子1に印加され解析フィ
ルタ6.M-2(この例では解析フィルタ6.30)を介して伝
わるインパルスが合成フィルタ16.2の出力端子17.2に現
れることを明らかにした。このことは、減少するインデ
ックスを持つ解析フィルタ及び増加するインデックスを
持つ合成フィルタについても言える。このことは、入力
端子1に印加され解析フィルタ6.2を介して伝わるイン
パルスが合成フィルタ16.30の出力端子17.30に現れ、入
力端子1に印加され解析フィルタ6.1を介して伝わるイ
ンパルスが合成フィルタ16.31の出力端子17.31に現れる
ことを意味する。このことが、図12に明らかにされてい
る。この場合、上の水平線は前記手段3の出力端子4.i
のインデックスiを示しており、これらの出力端子には
入力端子1に印加される32個のインパルスのブロック内
の後続するインパルスが時間的に順次現れる。下の水平
線は前記手段19の入力端子18.jのインデックスjを示し
ている。また、上側水平線上のインデックスから下側水
平線上のインデックスを結ぶ矢印は、当該伝送システム
が出力端子4.iに印加されたインパルスをどのように入
力端子18.iに供給するかを示している。図12から判るよ
うに、前記手段3の出力端子4.0に現れるインパルスの
伝送は特別なケースであり、1ブロック分早く来すぎる
(図12におけるi=0のインデックスとj=0のインデ
ックスとを結ぶライン参照)。
【0095】このことを考慮するため、手段3の出力端
子4.0に現れるインパルスの当該システムを介した場合
の遅れ(上記においては、Dブロックに等しいと仮定し
た)は、当該システムを介する他のインパルスの遅れよ
りも1ブロック分長くなければならない。これによれ
ば、出力端子4.0に現れるインパルスが当該システムの
出力端子21において正しい順序とされる(インデックス
i=0を下側水平線上の次のブロックのインデックスj
=0に結ぶ破線参照)。
【0096】上に得られた知識は、当該システムを経る
種々のインパルスの伝送の以下の計算に使用され得る。
【0097】次に、入力端子1から解析フィルタ6.16と
合成フィルタ16.16との組み合せを介して出力端子21に
到るインパルスの伝送に関して計算を行う。上記の組み
合せも特殊なケースである(図9の行列[C]参照)。
この組み合せは図13-bに示されている。
【0098】フィルタ6.16に対する入力信号は一つのイ
ンパルスであり、IM/2(k)=δ(k)と表すことができ
る。ここで、16がM/2に等しいより一般的な状況が使用
されることに注意されたい。
【0099】フィルタ6.M/2の出力端子7.16aにおける出
力信号JM/2.a(k)は次のように書くことができる。 JM/2.a(2k)=aM/2(2k) 及び JM/2.a(2k+1)=0 …(式4.1)
【0100】フィルタ6.M/2の出力端子7.16bにおける出
力信号JM/2.b(k)は次のように書くことができる。 JM/2.b(2k+1)=aM/2(2k+1) 及び JM/2.b(2k)=0 …(式4.2)
【0101】また、行列[C]の出力端子14.32におけ
る出力信号KM/2.a(k)は次のように書くことができる。 KM/2.a(k)=0 …(式5.1)
【0102】また、行列[C]の出力端子14.33におけ
る出力信号KM/2.b(k)は次のように書くことができる。 KM/2.b(2k)=−M・aM/2(2k) 及び KM/2.b(2k+1)=0 …(式5.2)
【0103】かくして、合成フィルタ16.16の出力端子1
7.16における出力信号LM/2(k)は次のように書くことが
できる。
【数8】
【0104】この場合、前述した要件から下記の式が得
られる。 LM/2(2k+1)=0 (但し、k=0、1、2、…D/2-2、D/
2、D/2+1、…(n+p)/2-1) LM/2(2k+1)=LM/2(D-1)=1 (但し、k=D/2-1) これらの式の数は(n+p)/2であるが、(n+1)/2個の未知の
係数aM/2(0)、aM/2(2)、aM/2(4)、…aM/2(n-1)が存
在する。
【0105】既に前述した標準最適化手順により、上記
係数aM/2(0)、aM/2(2)、aM/2(4)、…の最適値を得る
ことができる。他の(n+1)/2個の未知係数aM/2(1)、a
M/2(3)、aM/2(5)、…aM/2(n)は未決定のままである。
これは、図9の行列におけるある行(u=32)及びある
列(y=33)が零の係数のみを持つからである。
【0106】図13-bからは、係数aM/2(1)、aM/2(3)、
M/2(5)、…は全く決定する必要がないことが明らかに
なる。これは、これらの係数が以降の伝送には使用され
ないフィルタ6.M/2の出力端子7.16bにおける信号となる
からである。事実、端子7.16bは開放端子である。この
ことは、フィルタ6.M/2は係数aM/2(1)、aM/2(3)、a
M/2(5)、…での乗算を実行するフィルタ要素を加算ユニ
ット33を含めて省略すると共に出力端子7.16bも除去す
ることにより簡素化することができることを意味する。
結果として、このフィルタは、各々が2つの出力端子を
持つ他のフィルタと比較して1つの出力端子のみを持つ
ことになる。同様にして、信号処理ユニット9の入力端
子8.33も当該ユニット9内のα(x, 33)による乗算を実
行する各要素を含めて省略することが可能である。
【0107】また上記と同様に、図13-bは信号処理ユニ
ット13の出力端子14.32も当該ユニット13内のβ(32, v)
による乗算を実現する各要素をと共に省略することがで
きることを明らかに示している。更に、フィルタ16.16
の入力端子15.16aも当該フィルタ16.16(=16.M/2)内
のbM/2(0)、bM/2(2)、bM/2(4)、…による乗算を行う
各要素及びそれらに対応する加算ユニットと共に省略す
ることができる。
【0108】今度は、前述した要件を他の解析及び合成
フィルタに適用する。このことは、図13-a及び13-bに示
した解析及び合成フィルタの組み合せに関して述べた計
算が図10におけるブロック90.1内に見られるような組み
合せにも適用されるであろうことを意味している。この
計算は次のようになる。
【0109】図10のフィルタ6.1のようなフィルタ6.mへ
の入力信号はIm(k)=δ(k)で与えられる。また、この
フィルタの出力端子7.m.aにおける出力信号Jm.a(k)
は、 Im.a(2k)=am(2k) 及び Im.a(2k+1)=0 …(式8.1) となる。このフィルタの出力端子7.m.bにおける出力信
号Im.b(k)は、 Im.b(2k+1)=am(2k+1) 及び Im.b(2k)=0 …(式8.2) となる。また、行列[C]の出力端子14.2mにおける出
力信号Km.a(k)は、 Km.a(2k+1)=am(2k+1)・M/2 及び Km.a(2k)=0 となる。また、行列[C]の出力端子14.2m+1における
出力信号Km.b(k)は、 Km.b(2k)=−am(2k)・M/2 及び Km.b(2k+1)=0 となる。また、行列[C]の出力端子14.2M-2mにおける
出力信号KM-m.a(k)は、 KM-m.a(2k+1)=−am(2k+1)・M/2 及び KM-m.a(2k)
=0 となる。また、行列[C]の出力端子14.2M-2m+1におけ
る出力信号KM-m.b(k)は、 KM-m.b(2k)=−am(2k)・M/2 及び KM-m.b(2k+1)=
0 となる。
【0110】Lm(k)である合成フィルタ16.mの出力信号
は歪の項である。この項は、
【数9】 又は、
【数10】 に等しい。
【0111】合成フィルタ16.M-mの出力信号はLM-m(k)
である。この項は、
【数11】 又は、
【数12】 に等しい。
【0112】かくして、前述した要件により下記の式が
導出される。 Lm(2k+1)=0 (但し、kは0以上(n+p)/2-1以下) LM-m(2k+1)=0 (但し、k=0、1、2、…D/2-2、D/
2、D/2+1、…(n+p)/2-1) LM-m(2k+1)=LM-m(D-1)=1 (但し、k=D/2-1) これらの式の数はn+pであるが、n+1個の未知の係数a
m(0)、am(1)、…am(n)が存在する。既に言及した標準
最適化手順によりこれらの係数の最適値は求めることが
できる。上記計算は、mが1からM/2−1迄及びM/2+1
からM-1までそれらの数を含めて変化する場合、他の解
析フィルタ6.mの係数を得るために多数回にわたって実
行することができる。
【0113】上述した計算によれば、解析フィルタ用の
必要な係数を計算することが可能である。上述した計算
は、解析フィルタ用の係数が選択された合成フィルタの
係数に対して、全伝送システムに対する周波数に依存し
ない遅れ及び周波数に依存しない増幅度に可能な限り良
く近似する伝送特性が得られるように、特別に適応化さ
れるということに特徴付けることができる。
【0114】図14は多数の伝送システムに関する歪結果
を示している。全ての伝送システムにおいて合成フィル
タは同一となっている。合成フィルタは16なる長さ(係
数の数)を有している。このことは、図4における値p
が15に等しいことを意味している。図7-aの標準フィル
タH(f)の長さ、即ち標準フィルタのインパルス係数の
数、は511に等しい。このことは、標準フィルタH(f)は
奇数個の係数を持つが、合成フィルタは32 x 16=512個
の係数が必要であることを意味している。ヨーロッパ特
許出願第90201369.7号には、512個の係数が標準フィル
タのインパルス応答からどのようにして(即ち、値零の
1個のインパルス(従って、1個の係数)を加えること
により)得ることができるかを説明している。
【0115】この図表における歪は次の式を用いて計算
されている。
【数13】 ここで、ir(k)は当該伝送システムの実際のインパルス
応答であり、dir(k)は所望のインパルス応答である。歪
はデシベルで与えられる。
【0116】図表から明らかなように、全ての可能な伝
送システムに関して最良の結果は、解析フィルタと合成
フィルタの長さの和の2による除算に等しい遅れD、即
ちD=(n+p+2)/2、の場合に得られる。
【0117】ここで、解析フィルタと合成フィルタに関
して等しい数の係数を持つ伝送システムは先に言及した
ヨーロッパ特許出願第90201369.7号に述べられているこ
とに注意されたい。
【0118】図14の図表は、解析フィルタが合成フィル
タと同じ長さ(この場合は16)を持つ場合、歪の値とし
てD=16で−85dBが得られることを示している。この歪
値は、平坦な周波数応答と直線的な位相応答からのずれ
及び偽信号(aliasing)の結果である。
【0119】図14の図表は、更に、解析フィルタにおけ
る係数の数を合成フィルタにおける係数の数より多い値
に増加させることにより、一層低い歪を得ることができ
ることを示している。
【0120】この特性は多くの応用例において利点があ
る。放送への応用と同様に記録への応用、特に記録テー
プ及び光ディスクの(携帯用)再生専用装置での再生、
においては、合成フィルタよりも解析フィルタの方が多
くの係数を持つようにすることにより、回路の複雑さを
送信機側に移すことが可能であり、受信機は比較的簡素
にすることができる。
【0121】このことは、受信機が低電力消費で安価に
なり得ることを意味する。
【0122】かくして、上記の結論を以下のように総括
することができる。図15において、伝送システムIは符
号140で示す送信機1と、符号141で示す受信機1とを有
している。送信器140内のM個の解析フィルタは各々n1
+1個のフィルタ係数を有し、受信機141内の合成フィ
ルタは各々p1+1個のフィルタ係数を有している。こ
こで、n1はp1に等しい。送信機及び受信機内のフィル
タの係数は、両方とも、ヨーロッパ特許出願第9020136
9.7号に示されているようにして求められる。即ち、送
信機及び受信機内のフィルタ用の係数は、共にM(n1+1)
個はM(n1+1)-1個に等しい多数のインパルスを持つ同一
の標準フィルタから作成される。このようにして、該伝
送システムIに対してある伝送品質が得られる。
【0123】図15には、符号142を付した送信機2及び
符号141を付した受信機1を有する他の伝送システムII
も示されている。送信機2内のM個の解析フィルタは各
々n2+1個のフィルタ係数を有し、ここでn2>p1
ある。送信機142における解析フィルタのフィルタ係数
は、上述した方法により得られている。このことは、送
信機142における解析フィルタのフィルタ係数は、受信
機141における合成フィルタのフィルタ係数に特別に適
応化されている。これら送信機142と受信機141とを持つ
伝送システムIIは、上述したように、上記伝送システム
Iに較べて改善された伝送品質を実現することができ
る。
【0124】図15には、符号140を付した送信機1と符
号143を付した受信機2とを有する更に他の伝送システ
ムIIIが示されている。この受信機143はM個の合成フィ
ルタを有し、各合成フィルタはp2+1フィルタ係数を
有し、p2>n1である。
【0125】この伝送システムにおいては、送信機1内
の解析フィルタの係数は標準フィルタH(f)から作成さ
れ、かくして既知であるが、受信機2内の合成フィルタ
の係数は前述したのと同様の計算手順で決定されねばな
らない。このことは、受信機143の合成フィルタのフィ
ルタ係数は送信機140の解析フィルタのフィルタ係数に
特別に適応化されることを意味する。これも伝送システ
ムIに較べた場合の伝送システムIIIの伝送品質の向上
につながる。もしp2がn2に等しい場合は、伝送システ
ムIIとIIIとの伝送品質は略同一となる。
【0126】しかしながら、もし送信機142と受信機143
とが結合されたとすると、そのような伝送システムはn
2とp2とが等しい場合でさえも伝送システムII及びIII
よりも低い伝送品質を持つようになるであろう。これ
は、送信機142と受信機143とが互いに適応化されていな
いからである。
【0127】かくして結論は、本発明による伝送システ
ム、即ち伝送システムII及びIII、は伝送システムIIが
伝送システムIの受信機141を含み且つ伝送システムIII
が伝送システムIの送信機140を含むという事実にも拘
らず伝送システムIの伝送品質に較べて良好な伝送品質
を実現するということである。このことは、改善が回路
の複雑さを送信機側(伝送システムII)又は受信機側
(伝送システムIII)のいずれかにおいて増加させるこ
とによって得られることを意味する。
【0128】当該発明によれば、多数の応用例が考えら
れる。
【0129】例えば、送信機140のような送信機のみが
存在する一方、2種類の受信機が市販されるような伝送
システムが考えられる。この場合、一方の受信機は受信
機141であって低価格市場用の受信機と考えることがで
き、他方の受信機は受信機143であって高級品受信機で
あると考えることができる。かくして、消費者は安価な
受信機(受信機141)かもっと高価な受信機(受信機14
3)かのどちらかを購入する可能性を持つことができ
る。このように、消費者は所望の受信(又は再生)品質
に基づいて購入を決定することができる。
【0130】第2の可能性は、受信機141のような単一
の受信機が市販されており、送信機側には2つの送信
機、即ち送信機140及び送信機142、が存在する例であ
る。この場合は、放送者が送信機140か送信機142の何れ
を介して信号を伝送するかを決定することができ、受信
機側における受信は低信号品質又は改善された信号品質
となる。勿論、同様のことが記録されたテープ又はディ
スクを製造する場合にも行うことができる。
【0131】図16及び図17は磁気記録担体を介しての伝
送を示している。ここで、図16はデジタル信号記録装置
を示し、該装置は図1に示した送信機を含んでいる。こ
の装置は、更に、M個の入力端子121.0ないし121.M-1を
持つ記録手段120を有し、これら入力端子の各々は信号
処理ユニット9のM個の出力端子の中の対応するものに
結合されている。この装置は、入力端子1に印加される
デジタルオーディオ信号を少なくとも1個の磁気記録ヘ
ッド123により磁気記録担体122上に記録するためのもの
である。
【0132】上記記録手段120はRDAT形式の記録手段で
もよく、このような手段は信号S0ないしSM-1を磁気テ
ープ状の記録担体上における隣接する斜めのトラックに
記録する螺旋走査記録原理を使用している。この場合に
は、上記記録手段120は入力端子121.0ないし121.M-1に
供給される信号に対して並列/直列変換を行う手段を具
備する必要があろう。
【0133】上記記録手段120は同様にSDAT形式の記録
手段でもよく、この場合には記録すべき信号S0ないし
M-1は多数のトラックにわたって分割されるが、これ
らのトラックは必ずしもM個に等しい必要はなく、記録
担体の長さ方向に並列に並ぶ。またこの場合、もしトラ
ック数がMより少ない場合は上記信号に対して並列/直
列変換を行う必要があるであろう。
【0134】RDAT形式及びSDAT形式の記録手段は従来よ
く知られており、例えば、1988年にロンドンにおいてフ
ォーカルプレスにより出版されたJ. Watkinson著の「デ
ジタルオーディオ技術」なる本に見られる。したがっ
て、これに関してはこれ以上の説明は必要ないであろ
う。
【0135】図17はデジタル再生装置を示し、この装置
は図1に示した受信機を含んでいる。当該装置は更にM
個の出力端子125.0ないし125.M-1を持つ再生手段を有
し、これらの出力端子の各々は他の信号処理ユニット13
の入力端子12.0ないし12.M-1の対応するものに結合され
ている。
【0136】この装置は、図16の装置により記録担体12
2上に記録されたようなデジタル信号を再生するための
ものである。したがって、再生手段124は少なくとも1
個の読み出しヘッド126を有している。この再生手段はR
DAT形式又はSDAT形式の再生手段であってもよい。RDAT
形式又はSDAT形式の再生手段に関してのこれ以上の説明
については、上述したJ. Watkinson著の本を参照された
い。
【0137】図16の記録装置における解析フィルタは、
再生装置内の合成フィルタにおける係数の数よりも多い
数のフィルタ係数を有してもよい。図17の再生装置が再
生専用の装置に組み込まれた場合は、そのような装置は
一層廉価にすることができ且つ低消費電力となる。
【0138】他の可能性として、記録装置におけるフィ
ルタ係数の数が再生装置内の合成フィルタにおける係数
の数よりも少ない場合が考えられる。
【0139】記録担体へ及び記録担体からデジタルオー
ディオ信号を記録及び再生する装置は、図16の記録装置
と図17の再生装置との組み合せを有する。
【0140】上記の場合は、記録及び再生装置が記録側
にM個の解析フィルタを、又再生側にM個の合成フィル
タを有し、これら解析フィルタはM(n+1)個の係数を有
し、合成フィルタはM(p+1)個の係数を有し、解析フィル
タにおける係数の数は合成フィルタにおける係数の数と
は等しくない。
【0141】なお、本願発明は上述した各実施例のみに
限定されるものではないことに注意されたい。即ち、本
願発明は本願発明とは関係のない点で図示の実施例とは
異なる他の実施例にも同様に適応することが可能であ
る。一例として、本願発明はオランダ特許出願第880276
9号及びオランダ特許出願第8901032号に記載されている
ような装置にも同様に適用することができ、これらの装
置においては少なくとも2個の信号が一つの複合信号に
組み合わされ、伝送され、且つ受信機側において少なく
とも2つの信号に分離される。更に、上述した全ての計
算は正しくプログラムされたマイクロプロセッサ等を用
いてソフトウェアにより実行することもできる。このこ
とは、前記送信機と受信機にはソフトウェアにより前記
フィルタ処理及び信号処理を実行するマイクロプロセッ
サを設けることができることを意味している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明による伝送システムの一実施
例のブロック図、
【図2】 図2は、同実施例における第1の交換器手段
により実現されるサンプリング速度の増加を示すタイム
チャート、
【図3】 図3は、同実施例における解析フィルタの一
例を示すブロック図、
【図4】 図4は、同実施例における合成フィルタの一
例を示すブロック図、
【図5】 図5は、同実施例における送信機内の第1の
信号処理ユニットの一例を示すブロック図、
【図6】 図6は、同実施例における受信機内の第2の
信号処理ユニットの一例を示すブロック図、
【図7】 図7は、同実施例における送信機内の解析フ
ィルタの係数を標準(原型)フィルタH(f)のフィルタ係
数から導出する場合を示す説明図、
【図8】 図8は、同実施例における受信機内の合成フ
ィルタの係数を標準フィルタH(f)のフィルタ係数から導
出する場合を示す説明図、
【図9】 図9は、同実施例における第1及び第2の信
号処理ユニットに対応する係数行列[A]及び[B]を
乗算することにより得られる積行列[C]の一例を示す
図、
【図10】 図10は、同実施例の伝送システムにおける
2つの信号通路を示すブロック図、
【図11】 図11は、図10の伝送システムにおける2つ
の信号通路を経て伝わる信号を示すタイムチャート、
【図12】 図12は、同伝送システムにおける連続する
M個のインパルスのブロックの伝播を示す概念図、
【図13】 図13のa及びbは、同伝送システムにおけ
る2つの他の信号経路を示すブロック図、
【図14】 図14は本発明による多数の伝送システムに
関する伝送品質を示す図表、
【図15】 図15は多数の伝送システムの例を示すブロ
ック図、
【図16】 図16は本発明による伝送システムに基づく
送信機を含む記録装置の一例を示すブロック図、
【図17】 図17は本発明による伝送システムに基づく
受信機を含む再生装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:入力端子、 3:第1の交換
器手段、 6.0ないし6.M-1:解析フィルタ、 9:第1の信号処
理ユニット、 11:伝送媒体、 13:第2の信号
処理ユニット、 16.0ないし16.M-1:合成フィルタ、 19:第2の交換
器手段、 21:出力端子。
フロントページの続き (73)特許権者 590000248 Groenewoudseweg 1, 5621 BA Eindhoven, T he Netherlands (56)参考文献 特開 昭61−177015(JP,A) 特開 平3−82233(JP,A) 欧州特許出願公開400755(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 14/00 - 14/06 H03M 7/30 H03H 17/02

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信機及び受信機を有するデジタル伝送
    システムであって、上記送信機が所定のサンプリング速
    度FSを持つデジタルオーディオ信号のようなデジタル
    信号をサブバンド符号化する符号器を含み、前記受信機
    が前記のサブバンド符号化された信号をデコードするデ
    コーダを含み、前記符号器は前記デジタル信号に応答し
    てサンプリング速度の減少を伴ってM個のサブバンド信
    号を発生し、ここで該符号器は前記デジタル信号の帯域
    を周波数の増加に伴って増加する帯域番号m(0≦m≦
    M-1)の連続したサブバンドに分割し、これらサブバン
    ドは略等しい帯域幅を有し、前記デコーダは前記M個の
    サブバンド信号に応答して前記デジタル信号の複製を再
    生し、ここでこのデコーダは上記各サブバンドをサンプ
    リング速度の増加を伴って前記デジタル信号の前記帯域
    に統合し、前記符号器は解析フィルタ手段と第1の信号
    処理ユニットとを有し、上記解析フィルタ手段は各々が
    1個の入力端子と2個の出力端子とを持つM個の解析フ
    ィルタを有し、これらフィルタの2M個の出力端子は当該
    解析フィルタ手段の2M個の出力端子に結合されてFS/M
    なるサンプリング速度の2M個の出力信号を出力し、前記
    各解析フィルタはその入力端子に供給される信号に2つ
    の異なるフィルタ処理を施すと共にこれら2つの異なる
    フィルタ処理が施された入力信号の各々を当該フィルタ
    の2つの出力端子の中の対応するものに供給し、これら
    フィルタの前記2M個の出力端子の各々は前記第1の信号
    処理ユニットの2M個の入力端子の中の対応するものに結
    合され、この第1の信号処理ユニットは当該符号器のM
    個の出力端子に結合されて前記のM個のサブバンド信号
    を出力するM個の出力端子を有すると共にこれらM個の
    出力端子の各々に出力信号を供給するように構成され、
    その出力信号は少なくとも当該ユニットの2M個の入力端
    子に印加される入力信号のうちの組み合せであり、前記
    デコーダは第2の信号処理ユニットと合成フィルタ手段
    とを有し、上記第2の信号処理ユニットは前記のM個の
    サブバンド信号を入力するM個の入力端子と2M個の出力
    端子とを有し、前記合成フィルタ手段は各々が2個の入
    力端子と当該デコーダの出力端子に結合された1個の出
    力端子とを有するM個の合成フィルタを有し、前記第2
    の信号処理ユニットはその2M個の出力端子の各々に出力
    信号を発生するように構成されると共にその出力信号は
    少なくとも当該ユニットのM個の入力端子に供給される
    入力信号のうちの組み合せであり、この第2の信号処理
    ユニットの出力端子の各対は前記M個の合成フィルタの
    中の対応するものの2個の入力端子の対に結合され、各
    合成フィルタは1個の出力端子を有すると共にその2個
    の入力端子に印加される2つの信号に対して異なるフィ
    ルタ処理を施しこれら2つのフィルタ処理された信号の
    組み合せを当該出力端子に供給するように構成され、こ
    れら合成フィルタの各出力端子は当該合成フィルタ手段
    の出力端子に結合されて、当該合成フィルタ手段の出力
    端子からサンプリング速度FSを持つ前記デジタル信号
    の複製を出力し、前記解析又は合成フィルタの係数は前
    記各サブバンドの帯域幅の約半分に等しい帯域幅のロー
    パスフィルタ特性を持つ標準フィルタの係数から導出さ
    れ、M x 2Mの係数の行列Aにおけるα(x, y)が前記第1
    の信号処理ユニットにおける乗算係数であり、該乗算係
    数を用いてこの第1の信号処理ユニットの2M個の入力端
    子の中のy番目に印加される入力信号に当該第1信号処
    理ユニットのM個の出力端子の中のx番目に供給される
    前に乗算を施し、2M x Mの係数の行列Bにおけるβ(u,
    v)が前記第2の信号処理ユニットにおける乗算係数であ
    り、該乗算係数を用いてこの第2の信号処理ユニットの
    M個の入力端子の中のv番目に印加される入力信号に当
    該第2信号処理ユニットの2M個の出力端子の中のu番目
    に供給される前に乗算を施すようなデジタル伝送システ
    ムにおいて、 前記係数α(x, y)及びβ(u, v)は、2M x 2Mの係数の行
    列[C]における係数ψ(u, y)が、 【数1】 なる式に基づいて前記係数α(x, y)及びβ(u, v)から
    算され、係数ψ(u2, y1)、ψ(u2, y2)、ψ(u3, y1)及び
    ψ(u3, y2)が零でなく、y1又はy2に等しくないyに対
    して係数ψ(u2, y)及びψ(u3, y)が零となり、u2又は
    3に等しくないuに対して係数ψ(u, y1)及びψ(u,
    y2)が零となるような値(u2, u3)と対応する別個の値
    (y1, y2)との少なくとも2つの別個の対が存在するよう
    に選択され、 前記解析フィルタの係数の数が前記合成フィルタの係数
    の数と等しくない、 ことを特徴とするデジタル伝送システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のデジタル伝送システム
    において、値(u2, u3)と(y1, y2)の対応する対に属する
    係数が、cを定数とした場合、 ψ(u2, y1)=ψ(u3, y2)=c・M/2及び ψ(u2, y2)=ψ(u3, y1) を満足することを特徴とするデジタル伝送システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のデジタル伝送システム
    において、 ψ(u2, y2)=ψ(u3, y1)=c・M/2 であることを特徴とするデジタル伝送システム。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のデジタル伝送システム
    において、 ψ(u2, y2)=ψ(u3, y1)=−c・M/2 であることを特徴とするデジタル伝送システム。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3又は4に記載のデジタル
    伝送システムにおいて、c=−1であることを特徴とす
    るデジタル伝送システム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか一項
    に記載のデジタル伝送システムにおい、係数ψ(u0, y)
    及びψ(u, y4)が全て零となり、ψ(u1, y0)を除く全て
    の係数ψ(u1, y)及びψ(u, y0)が零となるような値(u0,
    u1)の少なくとも1つの別個の対と値(y0, y4)の対応す
    る別個の対とが存在することを特徴とするデジタル伝送
    システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のデジタル伝送システム
    において、 ψ(u1, y0)を除く係数ψ(u, y)が零となるような唯一の
    値(u0, u1)の対と値(y0, y4)の対応する対とが存在し、 u及びyに関する残りの2M-2個の値に対して、係数ψ(u
    2, y1)、ψ(u2, y2)、ψ(u3, y1)及びψ(u3, y2)が零と
    ならないような、値(u2, u3)のM-1個の別個の対と値
    (y1, y2)のM-1個の対応する別個の対とが存在する、 ことを特徴とするデジタル伝送システム。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のデジタル伝送システム
    において、ψ(u1, y0)がc・Mなる値に等しいことを特
    徴とするデータ伝送システム。
  9. 【請求項9】 請求項6又は7又は8に記載のデジタル
    伝送システムにおいて、前記第1の信号処理ユニットの
    4番目の入力端子とこの第1の信号処理ユニットのy4
    番目の入力端子に結合される前記各解析フィルタの中の
    一つの出力端子とが省略され、前記第2の信号処理ユニ
    ットのu0番目の出力端子とこの第2の信号処理ユニッ
    トのu0番目の出力端子に結合される前記各合成フィル
    タの中の一つの入力端子とが省略されることを特徴とす
    るデータ伝送システム。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか一項に記
    載のデジタル伝送システムにおいて、前記合成フィルタ
    におけるフィルタ係数の数が前記解析フィルタにおける
    フィルタ係数の数よりも多いことを特徴とするデータ伝
    送システム。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれか一項に記
    載のデジタル伝送システムにおいて、前記解析フィルタ
    におけるフィルタ係数の数が前記合成フィルタにおける
    フィルタ係数の数よりも多いことを特徴とするデータ伝
    送システム。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか一項に記
    載のデジタル伝送システムにおいて、前記解析フィルタ
    手段は前記符号器の入力端子に結合されて前記デジタル
    信号のサンプルを入力するための入力端子とサンプリン
    グ速度FS/MでM個の出力信号を出力するためのM個の
    出力端子とを持つ第1の交換器手段を有し、この第1の
    交換器手段はそのM個の出力端子に前記デジタル入力信
    号のM個のサンプルの連続したブロックの各々において
    発生するM個のサンプルを各ブロックのm番目のサンプ
    ルがm番目の出力端子に供給されるようにしてその都度
    供給し、上記のM個の出力端子の各々は前記のM個の解
    析フィルタの中の対応するものの入力端子に結合され、
    前記合成フィルタ手段は前記合成フィルタのM個の出力
    端子に結合されたM個の入力端子と当該合成フィルタ手
    段の出力端子に結合された出力端子とを持つ第2の交換
    器手段を更に有し、この第2の交換器手段はM個のサン
    プルがそのM個の入力端子に現れる毎にこれらのM個の
    サンプルを、M個のサンプルの連続するブロックの中の
    一つに順次配列し、これらブロックが上記出力端子に供
    給されることを特徴とするデジタル伝送システム。
  13. 【請求項13】 所定のサンプリング速度FSを持つデ
    ジタルオーディオ信号のようなデジタル信号を記録担体
    上のトラックへ又はトラックから記録及び/又は再生す
    る装置であって、上記記録装置は記録すべき前記デジタ
    ル信号を入力する入力端子を有すると共に前記デジタル
    信号をサブバンド符号化する符号器と書込み手段とを有
    し、前記符号器は前記デジタル信号に応答してサンプリ
    ング速度の減少を伴ってM個のサブバンド信号を発生
    し、ここで該符号器は前記デジタル信号の帯域を周波数
    の増加に伴って増加する帯域番号m(0≦m≦M-1)の
    連続したサブバンドに分割し、これらサブバンドは略等
    しい帯域幅を有し、前記符号器は解析フィルタ手段と第
    1の信号処理ユニットとを有し、上記解析フィルタ手段
    は各々が1個の入力端子と2個の出力端子とを持つM個
    の解析フィルタを有し、これらフィルタの2M個の出力端
    子は当該解析フィルタ手段の2M個の出力端子に結合され
    てFS/Mなるサンプリング速度の2M個の出力信号を出力
    し、前記各解析フィルタはその入力端子に供給される信
    号に2つの異なるフィルタ処理を施すと共にこれら2つ
    の異なるフィルタ処理が施された入力信号の各々を当該
    フィルタの2つの出力端子の中の対応するものに供給
    し、これらフィルタの前記2M個の出力端子の各々は前記
    第1の信号処理ユニットの2M個の入力端子の中の対応す
    るものに結合され、この第1の信号処理ユニットは当該
    符号器のM個の出力端子に結合されて前記のM個のサブ
    バンド信号を出力するM個の出力端子を有すると共にこ
    れらM個の出力端子の各々に出力信号を供給するように
    構成され、その出力信号は少なくとも当該ユニットの2M
    個の入力端子に印加される入力信号のうちの組み合せで
    あり、前記第1の信号処理ユニットのM個の出力端子は
    前記書込み手段の対応する入力端子に結合され、この書
    込み手段は前記のM個のサブバンド信号を前記記録担体
    上の少なくとも1個のトラックに記録される形式に変換
    するように構成され、前記再生装置は読出手段と前記の
    サブバンド符号化されたデジタル信号をデコードするデ
    コーダとを有し、前記読出手段は前記記録担体上の少な
    くとも1個のトラックから信号を読み出すと共に該トラ
    ックから読み出された信号をM個のサブバンド信号に変
    換するように構成され、この読出手段のM個の出力端子
    は前記デコーダの対応する入力端子に結合され、前記デ
    コーダは前記M個のサブバンド信号に応答して前記デジ
    タル信号の複製を再生し、ここでこのデコーダは上記各
    サブバンドをサンプリング速度の増加を伴って前記デジ
    タル信号の前記帯域に統合し、前記デコーダは第2の信
    号処理ユニットと合成フィルタ手段とを有し、上記第2
    の信号処理ユニットは前記のM個のサブバンド信号を入
    力するM個の入力端子と2M個の出力端子とを有し、前記
    合成フィルタ手段は各々が2個の入力端子と当該デコー
    ダの出力端子に結合される1個の出力端子とを有するM
    個の合成フィルタを有し、前記第2の信号処理ユニット
    はその2M個の出力端子の各々に出力信号を発生するよう
    に構成されると共にその出力信号は少なくとも当該ユニ
    ットのM個の入力端子に供給される入力信号のうちの組
    み合せであり、この第2の信号処理ユニットの出力端子
    の各対は前記M個の合成フィルタの中の対応するものの
    2個の入力端子の対に結合され、各合成フィルタは1個
    の出力端子を有すると共にその2個の入力端子に印加さ
    れる2つの信号に対して異なるフィルタ処理を施しこれ
    ら2つのフィルタ処理された信号の組み合せを当該出力
    端子に供給するように構成され、これら合成フィルタの
    各出力端子は当該合成フィルタ手段の出力端子に結合さ
    れて、当該合成フィルタ手段の出力端子からサンプリン
    グ速度FSを持つ前記デジタル信号の複製を出力し、前
    記解析又は合成フィルタの係数は前記各サブバンドの帯
    域幅の約半分に等しい帯域幅のローパスフィルタ特性を
    持つ標準フィルタの係数から導出され、M x 2Mの係数の
    行列Aにおけるα(x, y)が前記第1の信号処理ユニット
    における乗算係数であり、該乗算係数を用いてこの第1
    の信号処理ユニットの2M個の入力端子の中のy番目に印
    加される入力信号に当該第1信号処理ユニットのM個の
    出力端子の中のx番目に供給される前に乗算を施し、2M
    x Mの係数の行列Bにおけるβ(u, v)が前記第2の信号
    処理ユニットにおける乗算係数であり、該乗算係数を用
    いてこの第2の信号処理ユニットのM個の入力端子の中
    のv番目に印加される入力信号に当該第2信号処理ユニ
    ットの2M個の出力端子の中のu番目に供給される前に乗
    算を施すような装置において、 前記係数α(x, y)及びβ(u, v)は、2M x 2Mの係数の行
    列[C]における係数ψ(u, y)が、 【数2】 なる式に基づいて前記係数α(x, y)及びβ(u, v)から
    算され、係数ψ(u2, y1)、ψ(u2, y2)、ψ(u3, y1)及び
    ψ(u3, y2)が零でなく、y1又はy2に等しくないyに対
    して係数ψ(u2, y) 及びψ(u3, y)が零となり、u2又は
    3に等しくないuに対して係数ψ(u, y1)及びψ(u,
    y2)が零となるような値(u2, u3)と対応する別個の値
    (y1, y2)との少なくとも2つの別個の対が存在するよう
    に選択され、 前記解析フィルタの係数の数が前記合成フィルタの係数
    の数と等しくない、 ことを特徴とする装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の装置において、値(u
    2, u3)と(y1, y2)の対応する対に属する係数が、cを定
    数とした場合、 ψ(u2, y1)=ψ(u3, y2)=c・M/2及び ψ(u2, y2)=ψ(u3, y1) を満足することを特徴とする装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の装置において、 ψ(u2, y2)=ψ(u3, y1)=c・M/2 であることを特徴とする装置。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の装置において、 ψ(u2, y2)=ψ(u3, y1)=−c・M/2 であることを特徴とする装置。
  17. 【請求項17】 請求項14又は15又は16に記載の装置に
    おいて、c=−1であることを特徴とする装置。
  18. 【請求項18】 請求項13ないし請求項17のいずれか一
    項に記載の装置におい、係数ψ(u0, y)及びψ(u, y4)が
    全て零となり、ψ(u1, y0)を除く全ての係数ψ(u1, y)
    及びψ(u, y0)が零となるような値(u0, u1)の少なくと
    も1つの別個の対と値(y0, y4)の対応する別個の対とが
    存在することを特徴とする装置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の装置において、 ψ(u1, y0)を除く係数ψ(u, y)が零となるような唯一の
    値(u0, u1)の対と値(y0, y4)の対応する対とが存在し、 u及びyに関する残りの2M-2個の値に対して、係数ψ(u
    2, y1)、ψ(u2, y2)、ψ(u3, y1)及びψ(u3, y2)が零と
    ならないような、値(u2, u3)のM-1個の別個の対と値
    (y1, y2)のM-1個の対応する別個の対とが存在する、 ことを特徴とする装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の装置において、ψ(u
    1, y0)がc・Mなる値に等しいことを特徴とする装置。
  21. 【請求項21】 請求項18又は19又は20に記載の装置に
    おいて、前記第1の信号処理ユニットのy4番目の入力
    端子とこの第1の信号処理ユニットのy4番目の入力端
    子に結合される前記各解析フィルタの中の一つの出力端
    子とが省略され、前記第2の信号処理ユニットのu0
    目の出力端子とこの第2の信号処理ユニットのu0番目
    の出力端子に結合される前記合成フィルタの中の一つの
    入力端子とが省略されることを特徴とする装置。
  22. 【請求項22】 請求項13ないし21のいずれか一項に記
    載の装置において、前記合成フィルタにおけるフィルタ
    係数の数が前記解析フィルタにおけるフィルタ係数の数
    よりも多いことを特徴とする装置。
  23. 【請求項23】 請求項13ないし21のいずれか一項に記
    載の装置において、前記解析フィルタにおけるフィルタ
    係数の数が前記合成フィルタにおけるフィルタ係数の数
    よりも多いことを特徴とする装置。
  24. 【請求項24】 請求項13ないし23のいずれか一項に記
    載の装置において、前記解析フィルタ手段は前記符号器
    の入力端子に結合されて前記デジタル信号のサンプルを
    入力するための入力端子とサンプリング速度FS/MでM
    個の出力信号を出力するためのM個の出力端子とを持つ
    第1の交換器手段を有し、この第1の交換器手段はその
    M個の出力端子に前記デジタル入力信号のM個のサンプ
    ルの連続したブロックの各々において発生するM個のサ
    ンプルを各ブロックのm番目のサンプルがm番目の出力
    端子に供給されるような態様でその都度供給し、上記の
    M個の出力端子の各々は前記のM個の解析フィルタの中
    の対応するものの入力端子に結合され、前記合成フィル
    タ手段は前記合成フィルタのM個の出力端子に結合され
    たM個の入力端子と当該合成フィルタ手段の出力端子に
    結合された出力端子とを持つ第2の交換器手段を更に有
    し、この第2の交換器手段はM個のサンプルがそのM個
    の入力端子に現れる毎にこれらのM個のサンプルを、M
    個のサンプルの連続するブロックの中の一つに順次配列
    し、これらブロックが上記出力端子に供給されることを
    特徴とする装置。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし12のいずれか一項に記
    載のデジタル伝送システムに使用するための送信機にお
    いて、 前記送信機における解析フィルタの係数は、当該伝送シ
    ステムの前記送信機及びそれに対応する前記受信機にお
    ける前記第1及び第2の信号処理ユニット用の係数が与
    えられ、且つ前記受信機における前記合成フィルタ用の
    係数が与えられた場合、当該システムの総合伝送特性が
    略周波数に無関係な増幅度及び略周波数に無関係な遅れ
    とを呈するという要件から導出され、 前記合成フィルタの係数は、前記各サブバンドの帯域幅
    の約半分の帯域幅のローパスフィルタ特性を持つ標準フ
    ィルタの係数から導出される、 ことを特徴とする送信機。
  26. 【請求項26】 請求項1ないし12のいずれか一項に記
    載のデジタル伝送システムに使用するための受信機にお
    いて、 前記受信機における合成フィルタの係数は、当該伝送シ
    ステムの前記送信機及びそれに対応する前記受信機にお
    ける前記第1及び第2の信号処理ユニット用の係数が与
    えられ、且つ前記送信機における前記解析フィルタ用の
    係数が与えられた場合、当該システムの総合伝送特性が
    略周波数に無関係な増幅度及び略周波数に無関係な遅れ
    とを呈するという要件から導出され、 前記解析フィルタの係数は、前記各サブバンドの帯域幅
    の約半分の帯域幅のローパスフィルタ特性を持つ標準フ
    ィルタの係数から導出される、 ことを特徴とする受信機。
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