JP3235300U - 頭部支持器具 - Google Patents

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秀比呂 橋本
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Abstract

【課題】頭部支持体がずれにくいため頭部を側方から確実に支持でき、軽量で暖かみがあるデザインを有し、嚥下困難者などの使用者にとって使いやすい頭部支持器具を提供する。【解決手段】この頭部支持器具11は、固定基部21、頭部支持体31、連結腕41を備える。連結腕41は、一対の木製長尺板43により構成された腕本体42、木製の基端側ブロック44、木製の先端側ブロック45を有する。基端側ブロック44は、腕本体42の基端側にて木製長尺板43間に側方から挟み込まれかつ回動可能に軸支される。基端側ブロック44は、底面が固定基部21の上面に対して回動可能に軸支される。先端側ブロック45は、腕本体42の先端側にて木製長尺板43間に側方から挟み込まれかつ回動可能に軸支される。先端側ブロック45の長さは木製長尺板43の半分以下である。【選択図】図1

Description

本考案は、例えば嚥下困難者がテーブルで食事をする際に頭部を側方から支持するのに最適な頭部支持器具に関するものである。
例えば脳卒中や神経筋疾患によるによる嚥下障害においては、食べ物を正しく飲み込むことが困難になり、誤嚥や窒息などを引き起こしやすいことが知られている。従って、このような嚥下困難な患者が椅子に座ってテーブルで食事をする際には、誤嚥を避けるためにできるだけ正しい姿勢(具体的には軽い前傾姿勢)を保つ必要がある。中には、頚部を傾けたり回旋させて食べる(頬杖位で食べる)必要がある患者もいる。
しかしながら、嚥下困難な患者は一般的に全身の筋力が衰えていることが多く、自分の筋力だけで正しい頬杖位姿勢を長時間維持することが困難である。特に身体のなかで非常に重い部分である頭部を自ら支えることができず、好ましい位置から頭部が動いたり傾いたりしやすくなる。また、食事の最中に介助者が頭部を絶えず支えてあげることも考えられるが、例えば口に食べ物を運びながら同時にこのような作業を行うことは難しく、現実的な方法ではない。
そこで、何らかの器具によって嚥下困難者の頭部、好ましくは頭部の側方から頬の部分を、いわば『頬杖位』に支持してあげればよいと考えられる。ところが、嚥下困難者がテーブルで食事をするときの使用に特化した頭部支持器具というような専用の器具は、本願考案者が知る限り従来製品化されていない。また、上記の課題に着目してなされた考案や発明についても、未だ提案されていないのが現状である。
ここで従来においては、パソコン作業、読書、勉強、ゲームなどを行う際に用いる器具であって、中空軸の上部に挿入自由になる挿入軸を設け、全体が伸縮自在になる支柱の上端に略V字状の顎受けを設け、支柱の顎受けに使用者の頭を載せて使用する頭保持具が提案されている(特許文献1を参照)。また、椅子に取付けて歯科診療や理容、美容の際に用いる器具であって、金属製パイプ連結具を介して複数本の金属製直線パイプを互いに固定し、そのうちの1本の先端に頭部支持体を取り付けた構造の携帯用組立て式ヘッドレストも従来提案されている(特許文献2を参照)。そして、これら従来技術の器具を上述した嚥下困難者の食事の用途にそのまま流用することも、一応は考えられる。
特開平2011−19888号公報 実用新案登録第3123834号公報
ところが、上記従来技術の器具は専用品ではなく、そもそも嚥下困難者の食事の用途を想定して作製されたものではないため、以下のようないくつかの欠点がある。
例えば、特許文献1に記載の従来技術の場合、頭部を下方から支える顎受けが顎を押さえてしまうため、口を動かしにくくなり食事の際の使用には不向きである。また、ある程度自分の筋力で頭部を支える必要があるため、頭部が安定せず、高齢者等にとっては使い辛い。
特許文献2に記載の従来技術の場合、テーブルで使用するのには大きすぎて使い辛い。また、頭部支持体以外の部分は強度を確保するため金属製であるため、どうしても全体が重くなり、器具の持ち運びや設置作業が困難になる。しかも、金属製の器具は、冷たくて硬くて厳つい印象があり、テーブルにそれが設置されていても食事が楽しいものとならず、食欲の増進につながらない。さらに、頭部支持体が金属製直線パイプ1本のみに固定(即ち1軸固定)されているため、構造的に頭部支持体が軸を中心として回ったり傾いたりしやすい。よって、好適な位置から頭部支持体がずれてしまい、頭部を確実に支持できないことがありうる。また、この器具は主に頭部を後方から支持することを想定しているので、誤嚥を避ける軽い前傾姿勢を維持する用途には向いておらず、嚥下困難者にとって使い辛い。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、頭部支持体がずれにくいため頭部を側方から確実に支持することができ、軽量で暖かみがあるデザインを有しており、嚥下困難者などの使用者にとって使いやすい頭部支持器具を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の考案は、テーブルに取り付けられて使用者の頭部を側方から支持する器具であって、前記テーブルの縁を挟持することで前記テーブルに固定される固定基部と、頬の近傍に支持体前面が当接することで前記頭部を支持する頭部支持体と、前記固定基部と前記頭部支持体との間を連結する連結腕とを備え、前記連結腕は、一対の木製長尺板により構成された腕本体と、前記腕本体の基端側にて前記一対の木製長尺板間に側方から挟み込まれ、前記一対の木製長尺板に対して回動可能に軸支されるとともに、底面が前記固定基部の上面に接して配置されることで前記固定基部の上面に対して回動可能に軸支された木製の基端側ブロックと、前記一対の木製長尺板の半分以下の長さに形成され、前記腕本体の先端側にて前記一対の木製長尺板間に側方から挟み込まれ、基端部が前記一対の木製長尺板に対して回動可能に軸支され、先端部が前記頭部支持体に固定された木製の先端側ブロックとを有することを特徴とする頭部支持器具をその要旨とする。
請求項1に記載の考案によると、一対の木製長尺板間にて基端側ブロックと先端側ブロックとを挟み込んで回動可能に軸支した構成の腕本体を採用したことにより、腕本体の先端側に連結された頭部支持体が安定的に支持固定される。その結果、好適な位置から頭部支持体がずれにくくなり、頭部を側方から確実に支持可能となる。また、この頭部支持器具の主要部分をなす連結腕は基本的に木製である。そのため、金属材料を主体として構成されたものとは異なり、暖かみを感じさせるデザインとなり、食欲の増進にも寄与しうる。しかも、比較的軽量なので持ち運びや設置作業が容易になり、使用者(特に嚥下困難者や介助者など)にとって使いやすいものとなる。
請求項2に記載の考案は、請求項1において、前記頭部支持体は、スポンジとそれを包むカバーとを備え、前記支持体前面は、横方向に沿って全体的に湾曲した凹面とされていることをその要旨とする。
請求項2に記載の考案によると、スポンジとそれを包むカバーとを備えた頭部支持体であることから適度な硬さやクッション性を有しているため、頭部を側方から支持した状態でも食べ物を噛む動作を阻害しない。また、支持体前面は横方向に沿って全体的に湾曲した凹面とされているため、頭部の側方を支えるのに適している。
請求項3に記載の考案は、請求項2において、前記頭部支持体は、正面視で前記スポンジ及び前記カバーと同等以下の面積かつ木製の第1補強板及び第2補強板をさらに備え、前記第1補強板は、後面側が前記先端側ブロックの先端面に固定されるとともに、前面側が前記頭部支持体の後面側にて前記カバーの外面に接して配置され、前記第2補強板は、前記頭部支持体の後面側にて前記カバーの内面に接して配置され、前記第1補強板と前記第2補強板とが前記カバーを介して互いに締結固定されていることをその要旨とする。
請求項3に記載の考案によると、頭部支持体自体の強度を高めることで頭部の重みを確実に受け止めることができるとともに、頭部支持体をより強固かつ安定的に腕本体に対して支持固定することができる。
請求項4に記載の考案は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記一対の木製長尺板と基端側ブロックとの間、前記一対の木製長尺板と先端側ブロックとの間、前記基端側ブロックと前記固定基部との間は、それぞれクランプレバーを用いて回動位置変更可能に締め付け固定されていることをその要旨とする。
請求項4に記載の考案によると、クランプレバーを用いて回動位置の変更及びその位置での固定を容易に行うことが可能になるため、使い勝手が向上する。
請求項5に記載の考案は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記一対の木製長尺板の長手方向における異なる位置には、前記先端側ブロックを軸支可能な孔部があらかじめ複数形成され、前記先端側ブロックは、それら孔部のうちのいずれかに対して軸支されることをその要旨とする。
請求項5に記載の考案によると、使用者の身長などに応じて、頭部支持体の高さ位置を容易にかつ高い自由度で変更することができる。
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の考案によると、頭部支持体がずれにくいため頭部を側方から確実に支持することができ、軽量で暖かみがあるデザインを有しており、嚥下困難者などの使用者にとって使いやすい頭部支持器具を提供することができる。
本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具の使用状態を示す概略図。 本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具における頭部支持体を上方から見たときの拡大図。 本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具の正面図。 本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具の背面図。 本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具の側面図。 本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具を背面側から撮影した写真。 本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具を正面側斜め方向から撮影した写真。 本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具を背面側斜め方向から撮影した写真。 別の実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具の側面図。
以下、本考案の頭部支持器具を具体化した一実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具11を図1〜図8に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の頭部支持器具11は、使用者である嚥下困難者がテーブル2で食事をする際に頭部1を側方から支持するのに用いる器具であって、その使用時にはテーブル2の縁に取り付けられる。この頭部支持器具11は、基本的に固定基部21と頭部支持体31と連結腕41とからなる。
図3〜図8等に示されるように、固定基部21は頭部支持器具11の下端に位置する部材であって、テーブル2の縁を挟持することでテーブル2に固定可能な構成を有している。本実施形態の固定基部21は、連結腕41等の構成部材を下方から支持する矩形状の木製ベース板22と、その下面側にボルトによって締結固定された金属製のクランプ部材23とによって構成されている。
図1〜図8に示されるように、頭部支持体31は頭部支持器具11の上端に位置する部材であって、嚥下困難者の頬の近傍に支持体前面32を当接させることで頭部1を支持するものである。この頭部支持体31は、正面視で若干横長の矩形状を呈している。頭部支持体31の外形寸法は特に限定されず任意であるが、人の頭部1の大きさに鑑みて例えば一辺の長さが10cm〜25cmとなるように形成される。一辺の長さが短すぎると、支持体前面32の面積が小さくなり、頭部1を確実に支持することが難しくなるおそれがある。逆に、一辺の長さが長すぎると、頭部支持器具11が大きくなりすぎて食事の際に邪魔になるばかりでなく、全体の重量増につながるおそれがある。ちなみに本実施形態では、上記の事情を踏まえて一辺の長さが14cm〜17cm程度となるように設定している。
また、頭部支持体31の厚さ寸法は特に限定されず任意であるが、最大厚みの箇所において例えば2cm〜8cmとなるように形成される。厚さ寸法が大きすぎると、頭部支持体31が嵩張ってしまい、食事の際に邪魔になることも予想される。逆に、厚さ寸法が小さすぎると、頭部支持体31の好適なクッション性を持たせることが困難になるおそれがある。ちなみに本実施形態では、上記の事情を踏まえて厚さ寸法を4cm〜6cm程度に設定している。
図2、図6、図7に示されるように、頭部支持体31の支持体前面32は、横方向に沿って全体的に緩く湾曲した凹面とされている。言い換えると、頭部1の側面の形状に沿うように、同程度の緩い曲率を持った表面形状とされている。また、この頭部支持体31は、スポンジ33とそれを包むカバー34とを備えている。スポンジ33としては例えばウレタン樹脂等の発泡体が使用可能であり、このスポンジ33によって頭部支持体31に対して適度な硬度やクッション性が付与されている。スポンジ33は中央部が相対的に肉薄となるように形成され、両側部が相対的に肉厚となるように形成されている。
カバー34はスポンジ33を収容可能な大きさの袋状に形成されており、例えば水不透過であって汚れにくい合成皮革シートなどを用いて形成されている。カバー34の開口部にはファスナーが設けられている。ファスナーは頭部支持体31における任意の位置に設けることが可能であるが、頭部1が当接する支持体前面32以外の位置に設けられることが好ましい。ファスナーが支持体前面32以外の位置であれば、顔にファスナーが当たることで違和感を与えることもなく、ファスナーに食べ物の汚れ等が付着するリスクも減るからである。
図2等に示されるように、この頭部支持体31は、木製の第1補強板35及び木製の第2補強板36をさらに備えている。第1補強板35及び第2補強板36は、頭部支持体31自体に好適な強度を付与する役割を果たす部材である。第1補強板35及び第2補強板36は、いずれも正面視で矩形状を呈しており、いずれもスポンジ33及びカバー34と同等以下の面積を有したものとなっている。本実施形態において具体的にいうと、第1補強板35としては、頭部支持体31よりも一回り小面積である正方形状の板材を用いている。第2補強板36としては、頭部支持体31と同程度の面積である矩形状の板材を用いている。
図5等に示されるように、第1補強板35は、後面側が後述する先端側ブロック45の先端面に固定される一方で、前面側が頭部支持体31の後面側にてカバー34の外面に接して配置されている。これに対して、第2補強板36は、頭部支持体31の後面側にて(スポンジ33の後面側に接して)、カバー34の内面に接して配置されている。そして、第1補強板35と第2補強板36とが、カバー34を介して互いに4つのボルトを用いて締結固定されている。
図3〜図8に示されるように、連結腕41は固定基部21と頭部支持体31との間に介在してこれら2つの部材間を連結している。連結腕41は、木製の腕本体42と、木製の基端側ブロック44と、木製の先端側ブロック45とを有している。
腕本体42は、連結腕41において主体をなす木製部材であって、等しい長さの一対の木製長尺板43により構成されている。木製長尺板43の長さは限定されず任意であるが、例えば20cm〜60cm程度であることが好ましい。本実施形態では使い勝手などを考えて、この長さを40cm〜50cm程度に設定している。なお、木製長尺板43の幅は例えば3cm〜5cm程度、厚さは8mm〜15mm程度に設定されている。これら木製長尺板43の両端は半円状に加工形成されているとともに、部材同士の連結に用いられる孔部46がそれぞれ貫通形成されている。なお、木製長尺板43の両端を半円状に加工形成することで、柔らかい印象のデザインとすることができる。
木製の基端側ブロック44は、略立方体形状をなす木製部材であって、腕本体42の基端42a側にて一対の木製長尺板43間に側方から挟み込まれている。この基端側ブロック44には、木製長尺板43側の孔部46に対応して同様に孔部47が形成されている。これら孔部46、47に対しては第1クランプレバー51の軸部が挿通されている。その結果、基端側ブロック44が一対の木製長尺板43に対して回動可能に軸支されている。第1クランプレバー51は、一対の木製長尺板43と基端側ブロック44との間を回動位置変更可能に締め付け固定している。
また、基端側ブロック44は、底面が固定基部21の上面に接して配置されている。基端側ブロック44は、第2クランプレバー52を用いて固定基部21の上面に対して回動可能に軸支されている。つまり、第2クランプレバー52は、基端側ブロック44と固定基部21との間を回動位置変更可能に締め付け固定している。
木製の先端側ブロック45は、縦方向に長い直方体形状をなす木製部材であって、腕本体42の先端42b側にて一対の木製長尺板43間に側方から挟み込まれている。この先端側ブロック45は、一対の木製長尺板43の半分以下の長さに形成され、好ましくは一対の木製長尺板43の1/3程度の長さに形成されている。先端側ブロック45の長さが長すぎると、頭部支持体31の位置調整が難しくなるおそれがあり、使い勝手が悪くなるおそれがあるからである。本実施形態ではこの長さを一対の木製長尺板43の1/4〜1/3程度の長さに設定している。
この先端側ブロック45の基端部45bには、木製長尺板43側の孔部46に対応して同様に孔部48が形成されている。これら孔部46、48に対しては第3クランプレバー53の軸部が挿通されている。その結果、先端側ブロック45の基端部45bが一対の木製長尺板43に対して回動可能に軸支されている。第3クランプレバー53は、一対の木製長尺板43と先端側ブロック45との間を回動位置変更可能に締め付け固定している。一方、この先端側ブロック45の先端部45aは、頭部支持体31に固定された第1補強板35の後面側中央部に対して、回動不能に接合固定されている。
次に、上記のように構成された嚥下困難者用頭部支持器具11の使用方法について説明する。
図1に示されるように、使用者(例えば嚥下困難者やその食事を助ける介助者)は、まず頭部支持器具11の固定基部21が有するクランプ部材23を拡げた状態でテーブル2の縁にセットする。このとき、テーブル2の上面側に木製ベース板22が水平な状態で配置され、下面側にクランプ部材23が配置される。続いて、クランプ部材23の回動操作によってクランプ部材23でテーブル2の縁を挟持することで、固定基部21を固定する。次に、第1クランプレバー51、第2クランプレバー52及び第3クランプレバー53を操作して、頭部支持体31の位置調整を行う。この位置調整作業は、介助者が行ってもよいほか、嚥下困難者自らが行っても勿論よい。
例えば、一対の木製長尺板43と基端側ブロック44との間を固定している第1クランプレバー51を緩めれば、木製長尺板43と基端側ブロック44との回動位置を、図5の矢印A1で示す方向に沿って変更することができる。言い換えると、テーブル2の上面に対する連結腕41の傾斜角度を変更することができる。傾斜角度が決定したら、再び第1クランプレバー51を締め付けて回動不能に固定する。
また、基端側ブロック44と固定基部21との間を固定している第2クランプレバー52を緩めれば、基端側ブロック44と固定基部21との回動位置を、図3、図4の矢印A2で示す方向に沿って変更することができる。言い換えると、固定基部21の中心を通る垂線を中心として、連結腕41から上の部分を回動させることができる。回動位置が決定したら、再び第2クランプレバー52を締め付けて回動不能に固定する。
一対の木製長尺板43と先端側ブロック45との間を固定している第3クランプレバー53を緩めれば、木製長尺板43と先端側ブロック45との回動位置を、図3、図4の矢印A3で示す方向に沿って変更することができる。言い換えると、連結腕41における木製長尺板43と先端側ブロック45とがなす角度、実質的には主として頭部支持体31の傾斜角度を変更することができる。傾斜角度が決定したら、再び第3クランプレバー53を締め付けて回動不能に固定する。
そして、頭部支持体31の位置調整が完了したら、嚥下困難者の頬の部分を支持体前面32に当接させ、頭部1をその側方から『頬杖位』に支持させるようにして、食事を摂るようにする。
従って、本実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具11によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)この頭部支持器具11では、一対の木製長尺板43間にて基端側ブロック44と先端側ブロック45とを挟み込んで回動可能に軸支した構成の腕本体42を採用している。このため、1軸固定構造を採用した従来技術とは異なり、腕本体42の先端側に連結された頭部支持体31がずれることなく、安定的に支持固定される。その結果、好適な位置から頭部支持体31がずれにくくなり、頭部1を側方から確実に支持可能となる。なお、頭部1を側方から支持できる結果、食事の際に食べ物を噛む口の動きを阻害することなく、誤嚥を避ける軽い前傾姿勢を容易に維持することができるようになる。また、この頭部支持器具11の主要部分をなす連結腕41は、基本的に木製である。そのため、金属材料を主体として構成された従来技術とは異なり、木の持つ独特の暖かみ、優しさ、温もりを感じさせるデザインとなることで、食事が楽しくなる。それゆえ、この頭部支持器具11は、嚥下困難者にとって食欲の増進にも寄与しうる。しかも、比較的軽量なので持ち運びや設置作業が容易になり、嚥下困難者や介助者にとって使いやすいものとなる。加えて、金属材料を主体として構成された従来技術とは異なり、安価なものとすることができる。
(2)この頭部支持器具11の頭部支持体31は、スポンジ33とそれを包むカバー34とを備えたものであることから、適度な硬さやクッション性を有している。そのため、頭部1を側方から支持した状態でも食べ物を噛む動作を阻害しない。また、支持体前面32は横方向に沿って全体的に湾曲した凹面とされているため、頭部1の側方を支えるのに適している。
(3)この頭部支持器具11の頭部支持体31は、第1補強板35と第2補強板36とをカバー34を介して互いに締結固定した構造となっている。そして、この第1補強板35の後面側が先端側ブロック45の先端面に固定されている。従って、頭部支持体31自体の強度を高めることで頭部1の重みを確実に受け止めることができる。また、頭部支持体31をより強固かつ安定的に腕本体42に対して支持固定することができる。
(4)この頭部支持器具11では、一対の木製長尺板43と基端側ブロック44との間が第1クランプレバー51を用いて回動位置変更可能に締め付け固定されている。また、基端側ブロック44と固定基部21との間が第2クランプレバー52を用いて回動位置変更可能に締め付け固定されている。さらに、一対の木製長尺板43と先端側ブロック45との間が第3クランプレバー53を用いて回動位置変更可能に締め付け固定されている。従って、各クランプレバー51、52、53を用いて回動位置の変更及びその位置での固定を容易に行うことが可能になる。ゆえに、使い勝手が向上する。
なお、本考案の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、一対の木製長尺板43の先端部に先端側ブロック45が軸支されており、その軸支位置は変更不能であったが、これに限定されず例えば図8に示す別の実施形態の嚥下困難者用頭部支持器具11Aのように構成してもよい。図8の頭部支持器具11Aでは、一対の木製長尺板43の長手方向における異なる位置に、先端側ブロック45を軸支可能な孔部61a、61b、61cがあらかじめ複数形成されている。ここでは、例えば10cm間隔で3つの孔部61a、61b、61cが形成されている。そして、先端側ブロック45は、それら孔部61a、61b、61cのうちのいずれかに対して軸支されるように構成されている。従ってこの構成によると、嚥下困難者の身長などに応じて、頭部支持体31の高さ位置を容易にかつ高い自由度で変更することができる。ちなみに図8には、先端側ブロック45の先端部から10cm離れた上から2番目の孔部61bに、先端側ブロック45を軸支した状態が示されている。この状態では、通常よりも低い位置に先端側ブロック45が取り付けられることで、頭部支持体31がより低い位置に配置されている。なお、孔部61a、61b、61cは3つに限らず、2つまたは4つ以上であってもよい。孔部61a、61b、61cは10cm間隔でなくてもよく、例えば5cm間隔などであってもよい。また、孔部の代わりに溝部を設けて、そこに先端側ブロック45を軸支してもよい。
・上記実施の形態では、頭部支持体31の正面視形状を横長矩形状としたが、これに限定されず、例えば正方形、縦長矩形状、六角形、八角形、円形、楕円形等としてもよい。
・上記実施の形態では、連結腕41における先端側ブロック45の長さを一対の木製長尺板43の1/4〜1/3程度に設定したが、これに限定されず、これよりも長く変更してもよいほか、逆に短く変更してもよい。
・上記実施の形態では、締結手段としてクランプレバー51、52、53を用いたが、これに限定されず、クランプレバー51、52、53以外の締結手段を用いてもよい。
・上記実施の形態では、嚥下困難者がテーブル2で食事をする際に頭部1を側方から支持するのに用いるものとしたが、テーブル2で食事以外の作業(例えば読書、書き物、手指のリハビリ作業など)をする際に頭部1を側方から支持する用途にも勿論使用可能である。また、嚥下困難者ではない健常者であっても、テーブル2で各種作業を行うときに頭部1を側方から支持する用途に使用してもよく、さらには作業を行うのではなく単に休息やうたた寝をする際に頭部1を側方から支持する用途に使用しても構わない。ちなみに、ここで言うテーブル2とは、食卓テーブルのみを指すのではなく、広く頭部支持器具11が取り付け可能な天板を有する台であればよい。
1:頭部
2:テーブル
11、11A:(嚥下困難者用)頭部支持器具
21:固定基部
31:頭部支持体
32:支持体前面
33:スポンジ
34:カバー
35:第1補強板
36:第2補強板
41:連結腕
42:腕本体
42a:腕本体の基端
42b:腕本体の先端
43:木製長尺板
44:基端側ブロック
45:先端側ブロック
51、52、53:クランプレバー
61a、61b、61c:孔部

Claims (5)

  1. テーブルに取り付けられて使用者の頭部を側方から支持する器具であって、
    前記テーブルの縁を挟持することで前記テーブルに固定される固定基部と、
    頬の近傍に支持体前面が当接することで前記頭部を支持する頭部支持体と、
    前記固定基部と前記頭部支持体との間を連結する連結腕と
    を備え、前記連結腕は、
    一対の木製長尺板により構成された腕本体と、
    前記腕本体の基端側にて前記一対の木製長尺板間に側方から挟み込まれ、前記一対の木製長尺板に対して回動可能に軸支されるとともに、底面が前記固定基部の上面に接して配置されることで前記固定基部の上面に対して回動可能に軸支された木製の基端側ブロックと、
    前記一対の木製長尺板の半分以下の長さに形成され、前記腕本体の先端側にて前記一対の木製長尺板間に側方から挟み込まれ、基端部が前記一対の木製長尺板に対して回動可能に軸支され、先端部が前記頭部支持体に固定された木製の先端側ブロックと
    を有することを特徴とする頭部支持器具。
  2. 前記頭部支持体は、スポンジとそれを包むカバーとを備え、前記支持体前面は、横方向に沿って全体的に湾曲した凹面とされていることを特徴とする請求項1に記載の頭部支持器具。
  3. 前記頭部支持体は、正面視で前記スポンジ及び前記カバーと同等以下の面積かつ木製の第1補強板及び第2補強板をさらに備え、
    前記第1補強板は、後面側が前記先端側ブロックの先端面に固定されるとともに、前面側が前記頭部支持体の後面側にて前記カバーの外面に接して配置され、
    前記第2補強板は、前記頭部支持体の後面側にて前記カバーの内面に接して配置され、
    前記第1補強板と前記第2補強板とが前記カバーを介して互いに締結固定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の頭部支持器具。
  4. 前記一対の木製長尺板と基端側ブロックとの間、前記一対の木製長尺板と先端側ブロックとの間、前記基端側ブロックと前記固定基部との間は、それぞれクランプレバーを用いて回動位置変更可能に締め付け固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭部支持器具。
  5. 前記一対の木製長尺板の長手方向における異なる位置には、前記先端側ブロックを軸支可能な孔部があらかじめ複数形成され、前記先端側ブロックは、それら孔部のうちのいずれかに対して軸支されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭部支持器具。
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