JP3234812B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3234812B2 JP08310999A JP8310999A JP3234812B2 JP 3234812 B2 JP3234812 B2 JP 3234812B2 JP 08310999 A JP08310999 A JP 08310999A JP 8310999 A JP8310999 A JP 8310999A JP 3234812 B2 JP3234812 B2 JP 3234812B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低ガス圧での高密
度プラズマを用いて、高選択性,高異方性のエッチング
加工を行なうことのできるエッチング工程を有する半導
体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路等の益々の高集積
化に伴い、その製造工程におけるエッチングパターンの
より一層の微細化が進められている。エッチングパター
ンの微細化は、必然的にエッチング加工形状の高アスペ
クト比化を伴うため、エッチング速度のアスペクト比依
存性が問題になってきている。すなわち、アスペクト比
が高くなるにつれてエッチング速度を大きくとることが
困難になってきている。
【0003】エッチングプロセスは、反応種(以下、エ
ッチャントと云う)が吸着した被加工物表面にエッチン
グ用のエネルギー性イオン(以下、エッチングイオン、
または単にイオンと云う)を照射し、該イオンの衝撃に
よって上記エッチャントと被加工物表面構成物質との反
応生成物を形成させかつ該反応生成物を被加工物表面か
ら脱離させることによって所望のエッチングパターンを
得るプロセスである。この際、被加工物表面に方向性を
持って入射するのは電界により加速されたイオンのみで
あり、エッチャントはランダムな方向から被加工物表面
に入射する。そこで、エッチング速度のアスペクト比依
存性を低減するには、エッチングイオンの入射方向を揃
えてやる必要があり、そのために種々の工夫がなされて
いる。
【0004】エッチングイオンの進行方向を揃えるため
の一般的な方法は、エッチングイオンを生成させるプラ
ズマの低ガス圧化である。これは、エッチングイオンの
イオンシース内での中性粒子との衝突による散乱を減少
させることによって、エッチングイオンの方向性を改善
しようとする方法である。しかし、この場合には、低ガ
ス圧化によってエッチャントやエッチングイオンそのも
のの密度も低下してしまうため、必然的にエッチング速
度も低下してしまう。そこで、このエッチング速度の低
下を防ぐために、発生プラズマ中に磁場を印加してプラ
ズマを高密度化させることが行なわれている。
【0005】また、超高集積回路(ULSI)の加工に
おいては、マスクや下地の薄膜化が進み、高選択性、低
損傷性に優れたエッチング技術が要求されてきており、
この要求に対しては、エッチングイオンの低エネルギー
化が図られてきている。
【0006】上記の両要求を満足させることのできる低
ガス圧かつ低イオンエネルギーのエッチング装置とし
て、有磁場マイクロ波放電を用いたエッチング装置(こ
れは、ECR(電子サイクロトロン共鳴)エッチング装
置とも呼ばれている)が実用化され、さらにその改良が
進められてきている。例えば、特開平2−253617
号公報には、反応室の周囲に配置した電磁石にAC電流
を重畳したDC電流を流して、プラズマの均一性を向上
させ、もってエッチング速度を高めるようにした装置に
ついて開示されている。また、特開平3−155620
号公報には、プラズマ発生用のマイクロ波電源をイオン
を加速するための交流バイアス電源と同期させてスイッ
チングすることにより、断続的にプラズマを発生させる
ようにした装置について開示されている。この装置によ
れば、交流バイアスの整合が効率よくとれるため、バイ
アス電力の損失が少なくなり、エッチング速度が向上す
ることが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のエッチ
ング方法および装置においては、エッチングイオンの方
向性を改善しかつ低エネルギー化を図るために、低ガス
圧で高密度プラズマを発生させると共に、イオンを加速
するための高周波バイアス電力の大きさを下げることが
行なわれてきた。このような従来技術においては、エッ
チングをアシストするイオンの散乱を低減させてイオン
の方向性を向上させると云う点については配慮されてい
るが、イオンの加速電界の均一性の向上および十分なエ
ッチャントの供給と云う点については十分な配慮がなさ
れているとは云えない。このため、例えば溝や孔パター
ンのエッチング加工に際して、溝や孔の底部へのエッチ
ャントの供給が不足するという現象が生じ、エッチング
イオンはほぼ垂直方向に揃って入射しているにも拘ら
ず、高アスペクト比部分でのエッチング速度が低下して
エッチング深さが不足するという問題が生じている。こ
の問題は、加工寸法が微細化するにつれてアスペクト比
が大きくなっていくので益々重要な課題となってきてい
る。
【0008】また、エッチングイオンが被加工物のマス
クチャージアップなどの局所電界歪によって曲げられ、
加工形状が斜めになる現象も問題となってきている。こ
のイオンが曲げられる現象は、加工段差による電界集中
などによって生じる。この現象は、エッチング速度を増
すためにプラズマを高密度化すると、エッチング形状の
加工段差寸法に対してイオンシースの厚さが相対的に薄
くなるので、さらに大きくイオンが曲げられることにな
るため、一層重大な課題となっている。
【0009】本発明の目的は、上記した従来技術におけ
る課題を解決し、アスペクト比依存性のない垂直加工形
状を与える高精度・高選択性のエッチング方法、および
その方法を実施するのに好適なエッチング装置を提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、被加工物
(試料)の支持台に接続した高周波電源の出力またはプ
ラズマ中に印加する磁界の強度を断続的に変化させるこ
とによって、平均イオンシース厚さdと平均イオンエネ
ルギーVsとが、それぞれd1 とVs1 なる値をとる状
態とそれぞれd2 とVs2 (d2 >d1 で、かつ、Vs
2 >Vs1 )なる値をとる状態と云うような互いに異な
る複数の状態間で交互に切り換えることを繰り返すこと
により達成される。
【0011】上述したように、本発明のエッチング方法
および装置においては、エッチングイオンを生成させる
ためのプラズマを連続発生させた状態のもとで、被加工
試料を支持する試料台に接続された高周波電源の出力を
異なる複数の出力値間で断続的に変化させるか、若しく
は、プラズマ発生室の周囲に配置された磁界発生手段に
よりプラズマ中に印加する磁界強度を断続的に変化させ
ることにより、プラズマの平均イオンシースの厚さdを
薄い状態と厚い状態との間で断続的(周期的)に変化さ
せることを特徴としている。
【0012】まず、平均イオンシース厚さdが(d=d
1 と)薄い状態では、高周波電源の出力を下げて平均イ
オンエネルギーVsを(Vs=Vs1 と)低くする。この
時間内ではエッチング反応を抑制した状態で、十分なエ
ッチャントの供給を行なう。その後の平均イオンシース
厚さdを(d=d2 と)厚くした状態では、高周波電源
の出力を高くして平均イオンエネルギーVsを(Vs=
Vs2 と)高め、エッチング反応を促進させる。ただ
し、この状態での平均イオンエネルギーVs2 は、単に
高いほど良いと云うものではなく、実際には使用するマ
スク材に対して高いエッチング選択性が得られるような
範囲内のエネルギーに選定することにより、エッチング
選択性の向上も図る必要がある。
【0013】上述したように、本発明のエッチング方法
においては、エッチングイオンを生成させるためのプラ
ズマを連続的に発生維持した状態で、上記した二つの状
態を周期的に繰り返すことにより、所定のエッチングが
遂行される。このため、高アスペクト比部分へのエッチ
ャントの供給が十分になった状態でエッチングイオンを
照射することができるので、従来技術において問題とな
っていたエッチング速度のアスペクト比依存性を効果的
に緩和することができるのである。
【0014】また、イオンシースの平均厚さdが厚い
(d2 )状態において、この厚さd2を被加工物表面上
の段差寸法の10倍以上でかつイオンの平均自由行程よ
りも短く設定することにより、上記段差近傍での電界ひ
ずみやチャージアップの影響を軽減し、イオンを垂直に
入射させることができる。
【0015】本発明のエッチング方法では、エッチャン
トの供給とエッチングを促進するための比較的高いエネ
ルギーでのイオン照射とを独立して制御できるため、良
好な垂直エッチング加工が達成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき、図
面を参照して詳細に説明する。
【0017】[実施例1]本実施例は、有磁場マイクロ
波エッチング装置において被加工試料に印加する高周波
電圧を周期的に変化させながら、試料表面のエッチング
加工を行なう方法についてのものである。
【0018】図1は、本発明のエッチング方法を実施す
るために使用される有磁場マイクロ波エッチング装置の
要部構成を示した縦断面概略図である。同図において、
マイクロ波電力発生器1、導波管2、マイクロ波透過性
真空容器(放電管)3、磁場発生用電磁コイル4、試料
台5、試料温度制御機構6、被加工試料7、固定電位付
与電極8、高周波電力印加電源9、電磁コイル電源1
0、ガス導入系11、真空排気口12、発光モニター用
プラズマ採光窓13、発光モニター処理装置14は、従
来からの有磁場マイクロ波エッチング装置においてもす
でに用いられているものである。
【0019】上記の構成において、エッチング加工され
るべき試料7を試料台5上に載置して放電管3内を真空
排気した後、ガス導入系11より放電管3内にエッチン
グ用の反応性ガスを含む放電用ガスを導入した状態で、
マイクロ波電力発生器1より導波管2を介して放電管3
内にマイクロ波電力を供給することにより、放電管3内
にマイクロ波放電プラズマが発生する。また、発生プラ
ズマ中に電磁コイル4により適当な強度の磁場を印加す
ることにより、発生プラズマの密度が高められる。この
高密度プラズマ中で放電用ガスが励起解離されて、エッ
チングイオンおよび反応性のエッチャントが生成され
る。このエッチングイオンおよびエッチャントによって
試料7表面のエッチングが遂行されることは前述のとお
りである。なお、かかる従来装置部分の動作や機能につ
いてのさらに詳細な説明は、ここでは省略する。
【0020】本実施例においては、上記した従来の装置
構成に加えて、さらに高周波電力印加電源9からの高周
波電力を試料台5を介して試料に印加する経路内に、試
料7への高周波電力の印加条件を異なる二つの条件間で
断続的に切り換えるためのチョッパ15が新たに付設さ
れ、さらに、該チョッパ15と磁場コイル電源10とを
同期して制御するための同期制御機構16が設けられて
いる。この同期制御機構16によって磁場コイル電源1
0から電磁コイル4への励磁電流の供給条件を異なる二
条件間で断続的に変化させることにより、放電管3内に
連続して発生維持されているプラズマのプラズマ発生条
件(プラズマ密度とECRポイント)を異なる二状態間
で断続的かつ繰返し変化させながら、このプラズマ発生
条件の断続的変化に同期してチョッパ15によって高周
波電力印加電源9から試料台5を介して試料7に印加す
る高周波電力の印加条件を異なる二条件間で断続的かつ
繰返し変化させ得るように構成されている。なお、上記
したチョッパ15を用いる代わりに、高周波電力印加電
源9の出力系自体に上記と同様の試料に対する高周波電
力印加条件を断続的に変化させ得るような機能手段を付
加させておき、同期制御機構16からの制御信号により
該機能手段を直接制御するように構成してもよいことは
云うまでもない。要は、試料への高周波電力印加条件を
断続的に変化させ得るような機能手段であればよい。
【0021】図1の装置構成を用いて遂行される本発明
エッチング方法の基本的なフロー図を図2に示す。図2
において、(a)はプラズマ中に導入するガスの圧力条
件を示し、(b)はプラズマに供給するマイクロ波(μ
波)パワーを示し、(c)は試料に印加する高周波電力
(RFパワー)の変化を示し、(d)は試料表面上で遂
行されるエッチング反応機構の変化の様子を示してい
る。なお、図3は、上記のエッチングフローに従って試
料表面のエッチングを行なった場合のエッチング反応機
構の変化(反応種の吸着と反応生成物の脱離)の様子を
概念的に説明する図である。
【0022】本実施例のエッチング方法においては、ま
ず放電管3内のガス圧力が一定に保たれる(図2の
(a))ように反応性ガスを一定流量で放電管3内に導
入しながら、該放電管3内に一定強度のマイクロ波パワ
ーを投入(図2の(b))して、放電管3内にマイクロ
波放電プラズマを発生させる。その後、上記プラズマを
連続発生(連続放電)させたままの状態で、試料7に印
加する高周波電力のON、OFFを繰り返す(図2の
(c))。これにより、反応種の吸着と反応生成物の脱
離とが交互に繰り返される(図2の(d))。
【0023】先ず、試料への高周波電力の印加がOFF
の周期時間(Toff )においては、イオンシースの厚み
は薄く、生成されるエッチングイオンのエネルギーが低
いためエッチングは殆ど進行せずに、エッチャント(反
応種)の吸着が優先的に行なわれる期間となっており、
この期間(Toff )には、試料表面が少なくとも1層以
上のエッチャントで覆われる(図3の(a)参照)。次
に、試料への高周波電力の印加がONとなる周期時間
(Ton)においては、イオンシースの厚みが厚くなり、
エッチングイオンのエネルギーが高くなって、十分なエ
ッチング反応が進行する(図3の(b)参照)。
【0024】これらの操作を1秒よりも短い周期時間
(T)で繰り返すことにより、エッチャントが十分に供
給された状態でのエッチングが行なわれることとなり、
反応効率の高いエッチングが達成される。また、マイク
ロ波(μ波)パワーの供給を周期的(間歇的)にして、
マイクロ波放電プラズマ発生の休止期間を設ける場合に
は、該プラズマが発生している期間内に上述したような
試料に対する高周波電力の断続的印加を繰り返すように
すればよい。
【0025】図1の装置構成を用いて、図4の(a)に
示すような単層レジストマスク42を設けたシリコン基
板41をSF6 ガスを用いてエッチングする場合につい
て説明する。まず、シリコン基板41を放電管3内に搬
送し、温度制御機構6によって冷却されている試料台5
上に固定し、シリコン基板温度を−130℃に保持す
る。続いて、放電管3内に25 sccm のSF6 ガスを含
む放電用ガスを導入し、放電管3内の圧力を10 m Tor
r (一定)に維持する。この状態で電磁コイル4に電流を
流し、導波管2から放電管3内にマイクロ波電力を供給
し、放電管3内にガス放電プラズマを発生させる。
【0026】この放電プラズマが発生したら、今度は、
高周波電源9と試料台5との接続経路内に設けられたチ
ョッパ15に同期制御機構16からの制御信号を送っ
て、試料7への高周波電力の印加状態を0.5秒周期で
0W印加状態(OFF状態)と5W印加状態(ON状
態)との間で交互に切り換えることを繰り返しながら、
開孔幅Waが3μmのパターン部で3μm深さのエッチ
ングを行なった。この方法でエッチングした場合のエッ
チングパターン形状は、図4の(c)に示すとおりであ
った。これに対して、従来方法に従って試料7への高周
波電力の印加状態を5W一定としてエッチングした場合
のエッチングパターン形状は、図4の(b)に示すとお
りであった。
【0027】図4の(b)と(c)の比較からも明らか
なように、本実施例の方法により得られるエッチング形
状は、レジストに対する選択比とアスペクト比依存性と
において大きく改善されている。ちなみに、従来方法で
はレジストに対する選択比が40程度であったのに対
し、本実施例の方法では選択比が100程度となってお
り、約2倍以上の選択比向上が認められた。また、従来
方法による開孔幅Wbが0.5μmのパターン部のエッ
チング深さ44には開孔幅Waが3μmのパターン部の
エッチング深さ43に比べて約20%のエッチング遅れ
が認められたが、本実施例の方法での0.5μmパター
ン部のエッチング深さ46にはそのようなエッチング遅
れは殆ど認められなかった。
【0028】本実施例において上述したような優れた効
果が得られる理由につき図5の実験結果を用いて説明す
る。図5は、試料に対する高周波電力印加のON−OF
F時間を同じ(Ton=Toff )にしてその周期時間Tを
変化させた場合のエッチング速度の変化を示している。
実験は、図1の装置構成を用いて図4の(a)に示した
試料に対して行なった。10 m Torr の圧力でSF6
スを25 sccm で導入しながら、試料に印加する高周波
電力を0W(無印加状態)と5W(印加状態)との間で
周期的に切り換えながらエッチング処理を行ない、0.
5μm幅のパターン部のエッチング速度を調べた。な
お、比較のために従来法に従って試料に対して5Wの高
周波電力を連続印加してエッチングした場合のエッチン
グ速度は約3.5μm/分であり、0W印加(無印加状
態)を継続した場合におけるエッチング速度は約0.1
μm/分であった。これに対し、本発明に従って試料に
印加する高周波電力を周期的に変化させると、その周期
時間Tが10秒程度と長い場合にはエッチング速度は約
1.5μm/分まで低下してしまうが、この周期時間T
を1秒よりも短くするとエッチング速度は顕著に増大
し、0.2秒以下では飽和した。これは、周期時間Tが
長い場合には、単純に高周波電力印加を0W連続とした
場合と5W連続とした場合とでの平均的なエッチング速
度となるが、周期時間Tを短くするに従ってエッチャン
ト吸着の過程と反応生成物脱離の過程とが効率的に行な
われるようになるためと考えられる。なお、この図5に
示した条件下では、エッチャントを飽和吸着させた後の
高周波電力の印加時間Tonは0.1秒とするのが適当で
ある。
【0029】次に、エッチャント供給時間として試料7
への高周波電力無印加時間Toff を設けることの効果に
ついて、図6の実験結果を参照して説明する。この実験
は、やはり図1の装置構成を用いて図4の(a)に示し
た試料について行なった。試料7に印加する高周波電力
を5Wとしたときの周期時間Tonを0.1秒に固定し
て、印加高周波電力が0W(RFオフ)時の周期時間T
off を変化させたときの0.5μmパターン部分のエッ
チング速度の変化の様子を調べた。その他の条件は上記
した図5の実験の場合と同様に設定した。
【0030】高周波電力無印加(RFオフ)の周期時間
Toff を短くするにつれて、エッチング速度は増加し、
0.05秒以下になるとほぼ飽和した。しかし、3.0
μmパターン部分のエッチング速度は0.05秒以下に
なってもまだ飽和せず、再びアスペクト比依存性が生じ
た。この条件の下ではエッチャントの供給が0.05秒
でほぼ飽和し、これ以上吸着時間(Toff )を長くして
も吸着量は増加しないので、無為な時間が増加しエッチ
ング速度が低下することになるが、Toff 時間を0.0
5秒よりも短くすると、高アスペクト比のパターン部で
エッチャントの吸着量が不足することになり、アスペク
ト比依存性が生じることになると考えられる。
【0031】いま、シリコン基板表面上に面積1cm2
たり約1.4×1015個の面密度で存在するシリコン原
子にそれぞれ3〜4個のエッチャントを吸着させようと
する場合、10 m Torr の圧力ではエッチャントの入射
量が1秒間に約5×1018個であるから、約1ミリ秒で
必要数のエッチャントが入射する。ただし、エッチング
孔や溝の底部に到達するエッチャント数はアスペクト比
の関係で入射量の数%から50%程度になるので、吸着
量が飽和するためには少なくとも0.05秒を要する。
このように、飽和ガス吸着を行なわせるには、少なくと
も1ミリ秒以上の吸着時間が必要である。したがって、
試料への高周波電力の断続的印加の周波数は1キロHz
以下とする必要がある。
【0032】図1の装置構成でのチョッパ15と高周波
電源9の代わりに低周波電源を用いた場合、1周期の間
にレジスト等の絶縁物マスクのチャージアップによって
加工精度が低下する。このため、単に低周波の試料バイ
アスを印加すると云うだけでは所望の効果が得られない
のであり、1キロHz以上の高周波電力を低周波で振幅
変調して試料に印加することによって、始めて所望とす
る高精度、高効率のエッチング加工を実現することがで
きるのである。
【0033】上記の例では、エッチングガスとしてSF
6 ガスを用いた場合について示したが、この他Cl2
Br2 などのエッチングガスを用いても最適な周期時間
Tは多少変化するものの、試料への高周波電力の印加を
断続的に変化させることによって同様の効果が得られ
た。
【0034】また、使用可能なエッチング装置に関して
も、上記実施例に示した有磁場マイクロ波プラズマエッ
チング装置だけで限られるものではなく、ヘリカル共鳴
型や3電極型などのプラズマ発生機構を用いたプラズマ
エッチング装置のようにプラズマの発生と試料への高周
波電力の印加とをそれぞれ独立に制御できるプラズマエ
ッチング装置であれば、やはり同様な効果が得られる。
【0035】なお、本発明のエッチング方法において
は、連続発生されているプラズマの中で、エッチング中
の試料に対し、エッチャントの吸着を十分に行なわせて
から、瞬時に高周波バイアスを印加して高異方性イオン
の作用でエッチングを行なうものであるから、上記した
エッチャントの吸着時には、顕著なエッチング作用を生
じない程度の低いエネルギーのイオン照射があっても構
わない。すなわち、試料に印加する高周波バイアスを単
にON−OFFするだけではなく、高バイアス印加状態
と低バイアス印加状態との間での切り換えを繰り返すよ
うにしてもよいことは云うまでもない。
【0036】[実施例2]本実施例は、図1に示した装
置構成の有磁場マイクロ波エッチング装置を用いて、酸
化膜マスクを介して多結晶シリコンをエッチング加工す
る方法についてのものであり、被加工試料に印加する高
周波電力を周期的に断続変化させた場合のもう一つの効
果を説明するためのものである。
【0037】図7に、本実施例によるエッチング方法の
工程図を示す。図7の(a)はエッチング前の試料の形
状を示し、シリコン基板71上に熱酸化膜72を成長さ
せた後、多結晶シリコン73とシリコン酸化膜74を堆
積し、該シリコン酸化膜74に孤立パターンを形成して
なるものである。この試料をCl2 ガスを20 sccmの
流量で導入し、圧力を10 m Torr 一定とした反応室
(放電管)内においてエッチングした。図1の装置構成
において、試料に印加する高周波電力を断続的に変化さ
せずに、酸化膜74に対する多結晶シリコン73のエッ
チング選択比を高く取るために印加高周波電力の出力を
3W(一定)に設定して多結晶シリコン層73を連続エ
ッチングすると、エッチング断面形状が図7の(b)に
示すように逆テーパ状になる現象が生じた。これは、プ
ラズマと試料表面との間に形成されるイオンシースの平
均厚さdがパターン段差に比べて薄く、加速電界も低い
ためパターン部分の電界の歪の影響を受けるために生じ
たと考えられる。この時の多結晶シリコン73の酸化膜
74に対するエッチング選択比は約30であった。同様
の装置構成を用いて、パターン部分の電界歪の影響を緩
和するために、高周波電源の出力を10W(一定)に設
定して連続エッチングすると、図7の(c)に示すよう
な垂直断面形状が得られるが、この時のエッチング選択
比は約10に低下した。
【0038】これに対し、図1の装置構成で、試料への
印加高周波電力を0Wと10Wとの間で各0.5秒周期
で繰り返し切り換えながらエッチングした場合のエッチ
ング断面形状が図7の(d)である。垂直断面形状で、
エッチング選択比は約30となっており、形状、選択比
とも改善されている。本実施例では、エッチャントの供
給を飽和させてから高エネルギーのイオンを照射するの
で、効率的なエッチングが進行し、選択比と加工形状が
改善されるものと考えられる。
【0039】さらに、本実施例では、アスペクト比依存
性の殆どないエッチングが達成されるので、オーバーエ
ッチングの時間が少なくてもよいため、下地酸化膜72
の削れが低減できる。
【0040】この他、本実施例のエッチング方法を用い
てライン&スペースのようなエッチングすべき溝(スペ
ース)が多数並んだパターンをエッチングした場合にお
いても、上記と同様の良好なエッチング特性が得られ
た。
【0041】
【発明の効果】本発明のエッチング方法によれば、試料
面へのエッチャントの供給時間とエッチングイオンの照
射とをほぼ独立に制御できるので、アスペクト比依存性
の殆ど無い垂直断面形状の高選択比エッチングが達成で
きるため、ULSI等におけるパターン加工精度を大幅
に向上できるという効果がある。したがって、特に下地
酸化膜が薄い場合のゲート加工や高アスペクト比構造と
なるトレンチキャパシタの加工等に有効である。また、
本発明のエッチング方法によれば、低損傷でのエッチン
グ加工が可能となると云う効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる有磁場マイクロ波エッ
チング装置の要部構成を示す縦断面概略図。
【図2】本発明の一実施例になるエッチング方法のパラ
メータフローを示す線図。
【図3】本発明のエッチング方法におけるエッチング機
構を説明するための模式図。
【図4】本発明のエッチング方法により得られる効果を
説明するための工程説明図。
【図5】本発明のエッチング方法により得られる他の効
果を説明するための曲線図。
【図6】本発明のエッチング方法により得られるさらに
他の効果を説明するための曲線図。
【図7】本発明のエッチング方法により得られるさらに
別の効果を説明するための工程説明図。
【符号の説明】
1:マイクロ波発生器、 2:導波管、
3:放電管、 4:電磁コイ
ル、5:試料台、 6:温度
制御機構、7:試料、
8:固定電位付与電極、9:高周波電源、
10:コイル電源、11:ガス導入系、
12:排気口、13:採光窓、
14:発光信号モニター、15:チョ
ッパ、 16:同期機構、41:
シリコン基板、 42:レジスト、4
3:エッチング深さ、 44:エッチン
グ深さ、45:エッチング深さ、 4
6:エッチング深さ、71:シリコン基板、
72:シリコン酸化膜、73:多結晶シリコン
膜、 74:シリコン酸化膜。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−280378(JP,A) 特開 昭63−174320(JP,A) 特開 平2−297928(JP,A) 特開 平2−312227(JP,A) 特開 平2−77123(JP,A) 特開 昭60−126832(JP,A) 特開 昭63−288021(JP,A) 特開 平4−80368(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エッチングガスのプラズマを発生させて、
    該発生プラズマにより基体をエッチング加工する工程を
    有する半導体装置の製造方法において、 前記エッチング加工する工程は、前記基体のエッチング
    加工中に、前記プラズマを連続発生させた状態で、前記
    基体に印加する高周波電力を第1の電力値と第2の電力
    値との間で変化させることにより、前記基体の表面に形
    成されるイオンシースの平均厚さとエッチングイオンの
    平均エネルギーとをそれぞれ異なる二値の間で変化させ
    ることを、1秒よりも短い繰り返し周期で周期的に繰り
    返し行う工程であることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記の印加高周波電力の第2の電力値がゼ
    ロであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記イオンシースの平均厚さは、第1の
    さ値と、前記第1の厚さ値よりも大きな第2の厚さ値と
    を有し、前記第2の厚さ値は前記基体の表面段差寸法の
    10倍以上、かつ前記プラズマ中のイオンの平均自由
    工程より短く設定されてなることを特徴とする請求項1
    または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記したエッチングガスのプラズマを発生
    させるためのプラズマ発生手段として、マイクロ波を用
    いてプラズマを発生させるマイクロ波プラズマ発生装置
    を用いることを特徴とする請求項1から3までのいずれ
    かに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記の印加高周波電力を第2の電力値すな
    わちゼロ電力値とする期間は、前記の各繰り返し周期ご
    とに1ミリ秒以上であることを特徴とする請求項2に記
    載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】エッチングガスをプラズマ化し、前記プラ
    ズマにより基体をドライエッチング する工程を有する半
    導体装置の製造方法において、 前記ドライエッチングする工程は、前記基体に印加する
    高周波電力を第1の電力値と第2の電力値との間で変化
    させることにより、前記プラズマ中の反応種を前記基体
    に吸着させる段階と、エッチング反応により生成した反
    応生成物を前記基体から脱離させる段階とを1秒よりも
    短い繰り返し周期で交互に周期的に繰り返しながらドラ
    イエッチングする工程であることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記吸着させる工程と前記脱離させる工程
    は、前記基体に印加する高周波電力をON−OFF印加
    することにより行われることを特徴とする請求項6に記
    載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記反応種を前記基体に吸着させる時間
    は、1ミリ秒以上であることを特徴とする請求項6また
    は7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記基体は、表面にシリコン酸化膜が形成
    された基体であることを特徴とする請求項6乃至8の何
    れかに記載の半導体装置の製造方法。
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