JP3233490B2 - 含水系作動液組成物 - Google Patents

含水系作動液組成物

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JP3233490B2 JP9189093A JP9189093A JP3233490B2 JP 3233490 B2 JP3233490 B2 JP 3233490B2 JP 9189093 A JP9189093 A JP 9189093A JP 9189093 A JP9189093 A JP 9189093A JP 3233490 B2 JP3233490 B2 JP 3233490B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性作動油の一種で
ある含水系作動液組成物に関し、詳しくはポンプ性能及
び廃水処理性能が優れ、更に安定性などの諸性能が優れ
る含水系作動液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧装置は産業界に広く取り入れられ、
生産性の向上に貢献している。これらの油圧装置は油圧
作動油により駆動されているが、高温の金属を扱う装
置、電気スパークが生じる機器、加熱炉など、熱源の近
くで使用すると、火災の危険が生じるため、各種の難燃
性作動油が用いられている。これらの難燃性作動油のう
ち含水系作動液は、そのコストが安価であり、かつ難燃
性にも優れていることから、広く利用されている。この
含水系作動液としては、水−グリコール系作動液が代表
的なものであり、そのタイプにはソリューションタイプ
とエマルジョンタイプがある。エマルジョンタイプは鉱
油を含有しており、分離や腐敗の心配があるのに対し、
ソリューションタイプである水−グリコール系作動液
は、分離や腐敗の心配がなく、不燃性、高温安定性等の
優れた性能を有している。
【0003】しかし、従来の水−グリコール系作動液
は、上記のような優れた性能を有する反面、廃水処理上
の問題があることが知られている。すなわち、水−グリ
コール系作動液が油圧系統から漏洩し、廃水に混合した
場合、凝集沈殿法や活性汚泥法等、通常の廃水処理方法
ではCOD成分を除去することができず、公害防止上の
問題がある。含水系作動液の廃水処理において、水−グ
リコール系作動液の組成の中で特に問題となるのは、グ
リコール類である。水−グリコール系作動液に通常使用
されているグリコール類は、水溶性であるため凝集沈殿
処理では分離することができず、また、高分子量のグリ
コール類は、活性汚泥処理による分解も極めて困難であ
る。このため、活性炭などへの吸着による分離や膜分離
等の方法が検討された例もあるが、処理速度や処理コス
トの問題から実用化が進んでいない。廃水処理性が改善
された潤滑油として、ポリオキシアルキレングリコール
ジエーテルと、ポリオキシエチレングリコールモノエー
テルと、水からなる難燃性潤滑油が提案されている(特
公昭61−23240号公報)。しかしながら、この潤
滑油は、水溶性であるポリオキシエチレングリコールモ
ノエーテルを10〜45wt%と高い割合で使用してい
るので、凝集沈殿処理性が悪く、その廃水処理性は未だ
充分なものということができない。
【0004】一方、含水系作動液には、廃水処理性能と
ともに優れたポンプ性能も有しなければならない。しか
しながら、従来の含水系作動液は、優れた廃水処理性能
と優れたポンプ性能を併せ持ったものはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水−グリコ
ール系作動液と同等の優れた難燃性を有すると共に、安
定性、耐腐食性及び耐摩耗性を有し、廃水処理施設にお
ける凝集沈殿処理性に優れ、併せてポンプ性能も優れた
含水系作動液組成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定のポリ
オキシアルキレングリコールジエーテル化合物にポリオ
キシエチレングリコールモノエーテル化合物の代わり
に、特定のポリオキシアルキレングリコールモノエーテ
ル化合物を配合することに着目し、さらに研究を重ねた
結果、さらに特定のオキシプロピレングリコールモノエ
ーテル化合物と特定の脂肪酸塩を組み合わせることによ
り、難燃性などの諸性能を有すると共に凝集沈殿処理性
に優れ、しかも優れたポンプ性能を発揮することを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)1種以上の下
記一般式(1)で表わされる平均分子量が500〜20
000のポリオキシアルキレングリコールジエーテル化
合物1〜30重量%、(B)1種以上の下記一般式
(2)で表わされるポリオキシアルキレングリコールモ
ノエーテル化合物1〜30重量%、(C)1種以上の下
記一般式(3)で表わされるオキシプロピレングリコー
ルモノエーテル化合物0.1〜10重量%、(D)1種
以上の下記一般式(4)で表わされる炭素数6〜36の
脂肪酸塩0.5〜15重量%、及び(E)水15〜9
7.4重量%を含有していることを特徴とする含水系作
動液組成物を提供するものである。一般式(1):
【0008】
【化5】R−P1−CH2−P2−R2
【0009】(式中、R1,R2は炭素数6〜30の一価
の炭化水素基、P1,P2はオキシエチレン基とオキシプ
ロピレン基から成るポリオキシアルキレン基を表わし、
オキシエチレン基とオキシプロピレン基との重量比は、
1/9〜8/2の範囲である。)一般式(2):
【0010】
【化6】R3−〔O(C36O)a(C24O)bH〕x
【0011】(式中、R3は炭素数3〜20の一価又は
多価の炭化水素基、aはプロピレンオキシドの平均付加
モル数であって4〜25であり、bはエチレンオキサイ
ドの平均付加モル数を表わし、a/b≧1/2であり、
xはRの価数に対応する整数を示す。)一般式
(3):
【0012】
【化7】R4−O−(C36O)c−H
【0013】(式中、R4は炭素数3〜12の一価の炭
化水素基を表わし、cはプロピレンオキシドの平均付加
モル数を示し、1〜3の数を示す。)一般式(4):
【0014】
【化8】R5COOM
【0015】(式中、R5は炭素数5〜35の炭化水素
基、Mは塩形成性陽イオンを表わす。)以下、本発明を
詳細に説明する。
【0016】本発明の含水系作動液組成物は、その
(A)成分として、前記一般式(1)で表わされる平均
分子量が500〜20000のポリオキシアルキレング
リコールジエーテル化合物(以下、化合物Aということ
がある。)を使用する。この化合物Aを表わす前記一般
式(1)において、R1 及びR2 は一価の炭化水素基
であり、脂肪族系炭化水素基、脂環族系炭化水素基及び
芳香族系炭化水素基を包含するが、脂肪族系炭化水素基
が好ましい。脂肪族系炭化水素基は、直鎖状又は分岐状
のものであることができ、また飽和又は不飽和のもので
あることができる。この一価の炭化水素基の炭素数は、
6〜30であり、好ましくは6〜24である。炭化水素
基R1 及びR2 の炭素数が6未満であると化合物A
は、水に溶け易くなり、作動液の凝集沈殿処理性に悪影
響を及ぼし、一方炭素数が30を超えると作動液の安定
性に悪影響を及ぼす。なお、R1 及びR2 は同一でも
よく、また異なってもよい。R1 及びR2 の具体例と
しては、例えば、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、オレイル基、ベンジル基、フェニ
ル基、トリル基、ヘキシルフェニル基、キシリル基、シ
クロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基などが挙げ
られる。
【0017】前記一般式(1)におけるP1 及びP2
は、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との共重合
物から成るポリオキシアルキレン基を表わし、オキシエ
チレン基とオキシプロピレン基との重量比は、1/9〜
8/2の範囲であり、好ましくは2/8〜6/4の範囲
である。この重量比が1/9未満であると作動液の安定
性に悪影響を及ぼし、一方8/2を超えると化合物Aの
水溶性が大きくなり、作動液の凝集沈殿処理性に悪影響
を及ぼす。また、このオキシアルキレン基P1 及びP2
において、オキシエチレン基単位とオキシプロピレン
基単位とはランダム構造を形成してもよいし、ブロック
構造を形成してもよいが、好ましくはブロック構造であ
る。また、化合物Aの分子量は、500〜20000の
範囲であるが、好ましくは500〜10000の範囲で
ある。分子量が500未満だと作動液の粘度が低くなり
過ぎ、一方分子量が20000を超えると粘度が高くな
り過ぎる。なお、化合物Aは、1種単独で用いてもよ
く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】前記一般式(1)で表わされるポリオキシ
アルキレングリコールジエーテル化合物は、例えば特開
昭48−22198号公報、特公昭49−15185号
公報に記載されている方法を利用して製造することがで
きる。即ち、R1 OHのアルコール又はフェノールに
プロピレンオキシドを付加重合させ、次にエチレンオキ
シドを付加重合させてオキシアルキレングリコールモノ
エーテルを作り、これにナトリウムアルコキシドを加え
て不活性ガス中80〜150℃で加熱混合し、得られた
生成物に二ハロゲン化メチレンを徐々に添加して反応さ
せる方法によって調整できる。また、R1OHのアルコ
ールまたはフェノールにプロピレンオキシドを付加重合
させ、次にエチレンオキシドを付加重合させ、次にプロ
ピレンオキシドを付加重合させてポリオキシアルキレン
グリコールモノエーテルを作り、その2分子の末端のO
H基をメチレン基を介してエーテル化する方法によって
も調整できる。
【0019】本発明の含水系作動液組成物においては、
その(B)成分として、前記一般式(2)で表されるポ
リオキシアルキレングリコールモノエーテル化合物(以
下、化合物Bということがある。)を使用する。前記一
般式(2)において、R3は一価又は多価の炭化水素基
を表わし、脂肪族系炭化水素基、脂環族系炭化水素基及
び芳香族系炭化水素基を包含するが、脂肪族系炭化水素
基が好ましい。この一価又は多価の炭化水素基の炭素数
は、3〜20の範囲であり、好ましくは4〜15の範囲
である。この一価又は多価の炭化水素基の炭素数が3未
満であると化合物Bが水溶性となり、凝集沈殿処理性に
悪影響を及ぼし、一方20を超えると化合物Bの疎水性
が大きくなり過ぎて可溶化系を形成せず、本発明の目的
とする性能の作動液を得ることができなくなる。また、
一価又は多価の炭化水素基の価数は、適宜選定すればよ
いが、一価〜二価が好ましい。
【0020】プロピレンオキシドの付加モル数aとエチ
レンオキシドの付加モル数bのモル比a/bは1/2以
上であるが、R1の炭素数が3〜6の場合、a/bは好
ましくは18/3〜50であり、特に好ましくは18/
2〜75/2であり、R1の炭素数が7〜10の場合、
a/bは好ましくは7/3〜50であり、特に好ましく
は8/2〜65/2であり、R1の炭素数が10〜20
の場合、a/bは好ましくは6/4〜50であり、特に
好ましくは5/5〜65/2である。これらの範囲未満
であると、化合物の親水性が強くなる傾向があり、その
範囲を超えると系の安定性が悪くなる傾向がある。な
お、プロピレンオキシド単位とエチレンオキシド単位
は、ランダム構造を形成してもよいし、ブロック構造を
形成してもよいが、下記の一般式(5)及び一般式
(6)で表されるブロック構造を形成するものが好まし
く、特に一般式(5)で表されるブロック構造を形成す
るものが好ましい。一般式(5):
【0021】
【化9】 R3−〔O−(C36O)a−(C24O)b−H〕x 一般式(6):
【0022】
【化10】 R3−〔O−(C24O)b−(C36O)a−H〕x
【0023】前記一般式(2)で表されるポリオキシア
ルキレングリコールモノエーテル化合物は、炭素数3〜
20の一価又は多価のアルコールにプロピレンオキシド
とエチレンオキシドを付加させることにより得ることが
できる。一価又は多価アルコールの具体例としては、例
えばプロパノール、ブタノール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコース、ジ
(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ジ(ヒドロキシ
メチル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0024】本発明で用いる化合物Bが一価アルコール
から誘導されるものである場合、その化合物Bは、次の
一般式で示される。
【0025】
【化11】 R3−〔O(C36O)a(C24O)b〕−H 前記式中、R3は炭素数3〜20、好ましくは4〜15
の一価炭化水素基を示す。炭化水素基R3としては、直
鎖又は分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基が好まし
い。aはプロピレンオキサイドの平均重合モル数を示
し、4〜25の範囲であり、好ましくは4〜20の範囲
であり、bはエチレンオキサイドの平均重合モル数を示
し、1〜10の範囲であり、好ましくは1〜5の範囲で
ある。なお、化合物Bは、1種単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】本発明の含水系作動液組成物においては、
(C)成分として、前記一般式(3)で表されるオキシ
プロピレングリコールモノエーテル化合物(以下、化合
物Cということがある。)を使用する。前記一般式
(3)において、R4は一価の炭化水素基を表わし、脂
肪族系炭化水素基、脂環族系炭化水素基及び芳香族系炭
化水素基を包含するが、好ましくはフェニル基を有する
ものである。この一価の炭化水素基の炭素数は、3〜1
2の範囲であり、好ましくは4〜9の範囲である。ま
た、前記一般式(3)におけるプロピレンオキシドの平
均付加モル数cは、1〜3であり、好ましくは1〜2で
ある。この化合物Cは、前記化合物Aと化合物Bの可溶
化剤として作用するものであり、R4の炭素数が3未満
であると、化合物Aと化合物Bを可溶化するのに多量の
化合物Cが必要となり、凝集沈殿処理性に悪影響を及ぼ
し、一方炭素数が12を超えると化合物C自身も可溶化
しなくなるため本発明の目的とする性能の作動液組成物
を得ることができなくなる。
【0027】化合物Cは、炭素数3〜12のアルコール
またはフェノールにプロピレンオキシドを付加させるこ
とにより得ることができる。アルコールの具体例として
は、例えば、プロパノール、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シク
ロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、メチルベ
ンジルアルコール、エチルベンジルアルコール、プロピ
ルベンジルアルコールなどが挙げられるが、好ましくは
ベンジルアルコール又はそのアルキル誘導体が挙げられ
る。フェノールの具体例としては、フェノール、メチル
フェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、
ブチルフェノール、ペンチルフェノール、シクロヘキシ
ルフェノールなどが挙げられるが、好ましくはフェノー
ル、メチルフェノール、エチルフェノールである。な
お、化合物Cは、1種単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0028】本発明の含水系作動液組成物においては、
(D)成分として、前記一般式(4)で表される脂肪酸
塩(以下、化合物Dということがある。)を使用する。
前記一般式(4)におけるR5は、炭化水素基であり、
好ましくは脂肪族系炭化水素基であり、直鎖状又は分岐
状の飽和又は不飽和炭化水素基を包含する。この炭化水
素基の炭素数は、6〜36の範囲であり、好ましくは1
0〜20の範囲である。この炭化水素基の炭素数が6未
満であると、可溶化能力が低下し、組成物が不安定にな
り、36を超えると粘度が増加し、作動液としての使用
が困難になる。また、一般式(4)におけるMは、塩形
成性陽イオンを表わし、例えば、アルカリ金属、アンモ
ニウム、アミンなどが挙げられる。Mの具体例として
は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモ
ニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミンなどが挙げられ、好ましくはナトリ
ム、カリウムなどのアルカリ金属である。この脂肪酸塩
の具体例としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、芳香族脂肪酸、ダイマー酸などの塩が挙げられる。
なお、化合物Dは、1種単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】本発明の含水系作動液組成物においては、
(E)成分として水を用いる。この場合の水としては精
製水が好ましい。
【0030】本発明の含水系作動液組成物における各成
分の配合割合を示すと、化合物Aは1〜30重量%の範
囲であり、好ましくは5〜25重量%の範囲であり、化
合物Bは1〜30重量%の範囲であり、好ましくは10
〜20重量%の範囲であり、化合物Cは0.1〜10重
量%の範囲であり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲
であり、化合物Dは0.5〜15重量%の範囲であり、
好ましくは2〜10重量%の範囲である。また、含水系
作動液組成物の水の含有量は、15〜97.4重量%で
あり、好ましくは40〜82.5重量%の範囲である。
化合物Aが、1重量%未満であると粘度が低く、30重
量%を超えると油の安定性が悪く、または固化してしま
う。化合物Bが、1重量%未満であると粘度が低下し、
30重量%を超えると組成物が不安定になる。化合物C
が、0.1重量%未満であると油が不安定になり、10
重量%を超えると油が不安定になる。化合物Dが、0.
5重量%未満であると組成物が不安定になり、15重量
%を超えると粘度が増加しすぎる。
【0031】また、本発明の含水系作動液組成物におい
ては、下記の一般式(7)で表されるポリオキシアルキ
レングリコール化合物(以下、化合物Fということがあ
る。)を配合することができる。一般式(7):
【0032】
【化12】HO(AO)H (式中、AOは、オキシエチレン基とオキシプロピレン
基からなるポリオキシアルキレン基を表わし、オキシエ
チレン基のポリオキシアルキレン基に対する重量比は5
5%以下である。)
【0033】この化合物Fを表わす前記一般式(7)に
おいて、AOはオキシエチレン基(C24O)とオキシ
プロピレン基(C36O)との共重合物から成るポリオ
キシアルキレン基を表わし、オキシエチレン基のポリオ
キシアルキレン基に対する重量比は、55%以下であ
り、特に30〜55%の範囲に規定することが好まし
い。また、このポリオキシアルキレン基(AO)におい
て、オキシエチレン基単位とオキシプロピレン基単位と
はランダム構造を形成してもよいし、ブロック構造を形
成してもよいが、好ましくはブロック構造である。この
ようなブロック構造を例示すると、(C36O)m
(C24O)l−(C36O)n(式中、m,nはオキシ
プロピレン基のモル数、lはオキシエチレン基のモル数
を示す。)、(C24O)q−(C36O)p−(C24
O)r(式中、q,rはオキシエチレン基のモル数、p
はオキシプロピレン基のモル数を示す。)などが挙げら
れる。
【0034】前記一般式(7)で表されるポリオキシア
ルキレングリコール化合物の平均分子量は、約1000
〜20000であるが、特に約3000〜10000の
範囲に規定するのが好ましい。一般式(7)におけるオ
キシエチレン基のポリオキシアルキレン基に対する重量
比が55%を超えると化合物Fの水溶性が大となり、含
水系作動液組成物の凝集沈殿処理性に悪影響を及ぼす。
さらに、化合物Fの分子量が約1000未満になると含
水系作動液組成物の粘度が低くなり過ぎ、一方、分子量
が約20000を超えると含水系作動液組成物の粘度が
高くなり過ぎる。化合物Fの配合量は、適宜選定して決
めればよいが、通常含水系作動液組成物中に0.1〜3
重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範
囲である。本発明の含水系作動液組成物の粘度は、使用
される油圧装置において要求される作動液の粘度特性に
応じて適宜調整できる。
【0035】本発明の含水系作動液組成物には、前記成
分の他、必要に応じて他の成分、例えば、極圧剤として
硫黄化合物やリン化合物、pH調整剤としてアルカリ金
属やアミン類の水酸化物、腐食防止剤としてメルカプト
ベンゾチアゾール、トリアゾール等の含窒素化合物の金
属塩やアミン塩、金属イオン封鎖剤としてエチレンジア
ミン四酢酸などのアミノカルボン酸の金属塩などの補助
成分を適量配合することができる。本発明の含水系作動
液組成物は、前記各成分を所定量適宜配合して混合する
ことにより調整することができる。
【0036】本発明の含水系作動液組成物を使用するこ
とができる油圧装置は、特に制限されるものではなく、
工作機械、ダイカストマシン、トランスファーマシン、
プレス機械、鍛圧機械、荷役運搬機械、土木建設機械、
プラント制御装置を始め各種油圧装置が挙げられるが、
特に火災の危険を伴う高温の金属を扱う装置、電気スパ
ークを生じる装置、加熱炉、鉄鋼設備などの油圧装置に
おいて有効である。また、油圧装置において用いられる
油圧ポンプも、特に制限されるものではなく、種々の油
圧ポンプに使用することができる。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、本発明は、これらの例によっては何ら制
限されるものではない。 実施例1〜3 表1に示す成分組成の含水系作動液組成物を調整し、そ
の性能評価を行った。その結果を表3に示す。なお、実
施例において用いたポリオキシアルキレングリコールジ
エーテル化合物及びポリオキシアルキレングリコールモ
ノエーテル化合物のポリオキシアルキレン部は、ブロッ
ク構造であり、水は精製水を用いた。
【0038】
【表1】 (注)表1中、実施例1のC成分の化学式に置けるPh
はフェニル基を示す。
【0039】比較例1〜3 含水率が70wt%以下の市販の3種の水/グリコール
系作動液(I)、(II)及び(III)について、そ
の性能評価を行った。その結果を表3に示す。これらの
市販の水/グリコール系作動液(I)、(II)及び
(III)は、水を35〜45重量%、溶剤(グリコー
ル)を40〜50重量%、増粘剤を10〜15重量%、
その他添加剤を数%〜15重量%から成る組成を有する
作動液である。
【0040】比較例4 含水率が80wt%以上の市販の増粘型高含水作動液
(IV)についてその性能評価を行った。その結果を表
3に示す。なお、市販の増粘型高含水作動液(IV)
は、水を75〜98重量%、増粘剤を1〜15重量%及
びその他添加剤を1〜10重量%から成る組成を有する
作動液である。
【0041】比較例5 表2に示す成分組成の含水系作動液組成物を調整し、そ
の性能評価を行った。その結果を表3に示す。
【0042】
【表2】
【0043】以下において示した含水系作動液組成物の
性状は、次の試験法により評価されたものである。 (1)凝集沈殿処理試験 作動液の1%水溶液100重量部に、硫酸アルミニウム
(Al2(SO43・14〜18H2O)を1重量%加え
た後、NaOH水溶液でpHを6.5に調整する。その
後急速撹拌10分、緩速撹拌15分行った後、1時間静
置、ろ紙(5C)で濾別した後、得られた濾液のCOD
値を測定した。処理率は下記式により算出し、その値に
より作動液の凝集沈殿処理性を評価した。この処理率が
高いほど凝集沈殿処理性の優れていることを示す。
【0044】
【数1】
【0045】
【表3】
【0046】実施例1と比較例1の各作動液について、
シェル四球試験(ASTM D−2783準拠)及び金
属腐食試験(JIS K 2234準拠)を行った。そ
の結果を表4に示す。 (2)シェル四球試験(ASTM D−2783準拠) 下記の条件により測定した。 条件:1200rpm、15kg、30min
【0047】
【表4】 (3)金属腐食試験(JIS K 2234準拠) 下記の条件により測定した。 条件:70℃×168hr
【0048】
【表5】 表3〜表5の結果より明らかなように、本発明の含水系
作動液組成物は、いずれも作動液として充分な性能を有
しており、しかも、凝集沈殿処理性にも優れていること
が分かる。
【0049】(4)ポンプ性能試験 次に、実施例1について、油圧ポンプ(油研工業社製P
V2R2−26)を用いて下記条件によりポンプ性能試
験を行った。 設定圧力:140kgf/cm2 回転数 :1200rpm 試験時間:100hr ポンプ性能試験の結果、ベーン及びカムリングの摩耗量
は、73mgであった。
【0050】
【発明の効果】本発明の含水系作動液組成物は、水−グ
リコール系作動液と同等の優れた難燃性を有すると共
に、安定性、耐腐食性及び耐摩耗性などの作動油に要求
される諸性能に優れた性状を有すると共に、廃水処理施
設における凝集沈殿処理性に優れ、併せてポンプ性能も
優れている。従って、本発明の含水系作動液は、廃水中
に混合しても、基材化合物は多量の廃水には溶解せずに
水中から分離し、廃水中には実質上溶解しないことか
ら、その廃水処理に格別の支障を与えることはない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 10:02 C10N 10:02 20:04 20:04 30:00 30:00 Z 30:02 30:02 40:08 40:08 (72)発明者 山田 大輔 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (72)発明者 山本 まゆみ 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 173/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1種以上の下記一般式(1)で表わ
    される平均分子量が500〜20000のポリオキシア
    ルキレングリコールジエーテル化合物1〜30重量%、
    (B)1種以上の下記一般式(2)で表わされるポリオ
    キシアルキレングリコールモノエーテル化合物1〜30
    重量%、(C)1種以上の下記一般式(3)で表わされ
    るオキシプロピレングリコールモノエーテル化合物0.
    1〜10重量%、(D)1種以上の下記一般式(4)で
    表わされる炭素数6〜36の脂肪酸塩0.5〜15重量
    %、及び(E)水15〜97.4重量%を含有している
    ことを特徴とする含水系作動液組成物。一般式(1): 【化1】R1−P1−CH2−P2−R2 (式中、R1,R2は炭素数6〜30の一価の炭化水素
    基、P1,P2はオキシエチレン基とオキシプロピレン基
    から成るポリオキシアルキレン基を表わし、オキシエチ
    レン基とオキシプロピレン基との重量比は、1/9〜8
    /2の範囲である。)一般式(2): 【化2】R3−〔O(C36O)a(C24O)bH〕x (式中、R3は炭素数3〜20の一価又は多価の炭化水
    素基、aはプロピレンオキシドの平均付加モル数であっ
    て4〜25であり、bはエチレンオキサイドの平均付加
    モル数を表わし、a/b≧1/2であり、xはR3の価
    数に対応する整数を示す。)一般式(3): 【化3】R4−O−(C36O)c−H (式中、R4は炭素数3〜12の一価の炭化水素基を表
    わし、cはプロピレンオキシドの平均付加モル数を示
    し、1〜3の数を示す。)一般式(4): 【化4】R5COOM (式中、R5は炭素数5〜35の炭化水素基、Mは塩形
    成性陽イオンを表わす。)
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