JP3233123B2 - 車間距離制御装置 - Google Patents

車間距離制御装置

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JP3233123B2
JP3233123B2 JP01742599A JP1742599A JP3233123B2 JP 3233123 B2 JP3233123 B2 JP 3233123B2 JP 01742599 A JP01742599 A JP 01742599A JP 1742599 A JP1742599 A JP 1742599A JP 3233123 B2 JP3233123 B2 JP 3233123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自車と自車前方に検
知される先行車との車間が目標車間となるように自車を
加減速させる車間距離制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自車と前方の車両(先行車)との
車間距離を検出して、その車間距離をドライバーによっ
て設定された目標車間距離に一致するようにコントロー
ルする車間距離制御装置が提案されている(例えば、特
開昭60−169333号公報、特公平3−78596
号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の装
置では、カーブ路の走行において、路肩の看板やリフレ
クタなどに加え、他車線を走行している車両を対象とす
べき先行車であると誤検出することによる不用意な車間
距離制御を防止する必要があるとともに、安全を確保し
た車間距離制御装置が望まれている。
【0004】そこで、本発明は、前記課題に着目してな
されたものであり、不用意な車間距離制御を防止しつ
つ、安全を確保できる車間距離制御装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された請求項1に記載の発明は、自車と該自車前方
に検知される先行車との実車間を求める計測手段と、該
計測手段にて求められた実車間が目標車間となるよう
に、前記自車を加減速させるための制御量を演算する制
御量演算手段とを備えた車間距離制御装置において、前
記自車と前記自車前方に検知された先行車との相対速度
を求める相対速度演算手段と、前記自車前方に検知され
た先行車が車間距離制御の対象とすべき先行車である可
能性の大きさを判断する判断手段と、前記制御量演算手
段にて演算された制御量を、前記相対速度と前記判断手
段の判断結果とに基づいて変更する変更手段とを備え、
該変更手段は、負の相対速度が大きい状態では、前記先
行車である可能性の大きさに係わらず前記自車両の減速
を確保すると共に、前記相対速度がこれ以外の状態で
は、前記先行車である可能性が小さい時にはそれよりも
大きい時に比較して前記自車両の加速あるいは減速を抑
制するように前記制御量を変更することを特徴とする車
間距離制御装置を要旨とする。また、請求項2に記載の
発明は、 自車と該自車前方に検知される先行車との実車
間を求める計測手段と、 該計測手段にて求められた実車
間が目標車間となるように、前記自車を加減速させるた
めの制御量を演算する制御量演算手段とを備えた車間距
離制御装置において、 前記自車と前記自車前方に検知さ
れた先行車との相対速度を求める相対速度演算手段と、
前記自車前方に検知された先行車が車間距離制御の対象
とすべき先行車である可能性の大きさを判断する判断手
段と、 前記制御量演算手段にて演算された制御量を、前
記相対速度と前記判断手段の判断結果とに基づいて変更
する変更手段とを備え、 該変更手段は、前記先行車であ
る可能性の大きさが相対的に小さい場合に、前記相対速
度が正の時には前記自車両の加速あるいは減速を抑制す
ると共に、前記相対速度が負の時には前記自車両の減速
を確保するように前記制御量を変更することを特徴とす
る車間距離制御装置を要旨とする。
【0006】また、請求項に記載の発明は、請求項1
又は請求項2に記載の車間距離制御装置において、前記
判断手段は、前記自車が走行する走行路のカーブの程度
を示すカーブデータを求めるカーブ検出手段を備え、該
カーブ検出手段によって求められたカーブデータと、前
記計測手段によって求められた距離データとに基づい
て、前記先行車が対象とすべき先行車である可能性の大
きさを示す確度を演算することを特徴とする車間距離制
御装置を要旨とする。
【0007】さらに請求項に記載の発明は、請求項1
乃至3の何れかに記載の車間距離制御装置において、前
記変更手段は、前記相対速度と前記判断手段の結果とか
ら補正係数を求め、前記制御量演算手段にて演算された
制御量に、前記補正係数を乗ずることを特徴とする車間
距離制御装置を要旨とする。
【0008】
【作用及び発明の効果】請求項1及び請求項2に記載の
発明によれば、計測手段にて自車前方に検知される先行
車との実車間を求め、この実車間が目標車間となるよう
に、自車を加減速させるための制御量を制御量演算手段
にて演算する。この制御量としては、例えば、実車間と
目標車間との偏差及び先行車との相対速度に基づき求め
られる加減速率を用いることができる。一方、相対速度
演算手段にて先行車との相対速度を求め、判断手段にて
前方に検知された先行車が車間距離制御の対象とすべき
先行車である可能性の大きさを判断する。そして、変更
手段では、制御量演算手段にて演算された制御量を、相
対速度演算手段によって求められた相対速度と判断手段
による判断結果とに基づいて変更する。ここで請求項1
に記載の発明では、変更手段は、負の相対速度が大きい
状態では、先行車である可能性の大きさに係わらず自車
両の減速を確保すると共に、相対速度がこれ以外の状態
では、先行車である可能性が小さい時にはそれよりも大
きい時に比較して自車両の加速あるいは減速を抑制する
ように制御量演算手段で演算された制御量を変更する。
これにより、負の相対速度が大きい状態では、先行車で
ある可能性の大きさに係わらず自車両の減速を確保する
ことにより安全性を確保し、また相対速度がこれ以外の
状態では、先行車である可能性が小さいときには、それ
よりも大きい時に比較して自車両の加速あるいは減速を
抑制することにより不用意な車間制御を抑制することが
できる。 また、請求項2に記載の発明では、変更手段
は、先行車である可能性の大きさが相対的に小さい場合
に(中程度あるいは小さい状況)、相対速度が正の時に
は自車両の加速あるいは減速を抑制すると共に、相対速
度が負の時には自車両の減速を確保するように制御量演
算手段で演算された制御量を変更する。 これにより、先
行車である可能性の大きさが相対的に小さい場合に(中
程度あるいは小さい状況)、相対速度が正の時には自車
両の加速あるいは減速を抑制することにより不用意な車
間制御を抑えると共に、相対速度が負の時には自車両の
減速を確保することにより安全性を確保することができ
る。
【0009】
【0010】なお、判断手段は、請求項に記載のよう
に、自車が走行する走行路のカーブの程度を示すカーブ
データを求め、このカーブデータと計測手段にて求めら
れた距離データとに基づいて、対象とすべき先行車であ
る可能性の大きさを示す確度を演算するようにしてもよ
い。
【0011】また、変更手段は、請求項に記載のよう
に、相対速度と判断手段の結果とから補正係数を求め、
制御量演算手段にて演算された制御量に、補正係数を乗
ずるようにしてもよい。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の先行車検出
装置の第1実施例を説明する。図1はその概略的な構成
を示し、図2はその制御系統を詳細に示している。図1
に示す様に、第1実施例の先行車検出装置を備えた車両
は、エンジン1及びエンジン1の動力を車輪2に伝達す
るトランスミッション3等の構成に加え、車両の制御の
ための演算制御等を実行するコンピュータ5を備えてい
る。
【0013】このコンピュータ5には、入力情報を受け
入れる入力インターフェース5aと、制御情報等を出力
する出力インターフェース5bと、演算動作を行なうC
PU5cと、制御動作等を実行するプログラムや演算動
作のための各種マップ等を記憶するROM5dと、演算
制御等に基づく情報を記憶するRAM5eと、それらを
接続するバスライン5f等を備えている。
【0014】そして、このコンピュータ5の入力インタ
ーフェース5aには、車両の車輪2等に関連して設定さ
れ、この車輪2の回転速度に対応した信号を検出する車
速センサ7と、レーザを前方に照射して前方を走行する
車両等との間の距離を計測する車間距離センサ(レー
ダ)8と、現在の進行方向を示す操舵角を検出するステ
アリングセンサ9と、ドライバーによって車間距離並び
に初期の設定車速が入力される設定スイッチSW1,S
W2とが接続されている。
【0015】一方、コンピュータ5の出力インターフェ
ース5bには、エンジン1の回転速度を制御するスロッ
トル機構を駆動するためのスロットルアクチュエータ1
1と、トランスミッション3を制御するトランスミッシ
ョンコントローラ13とが接続されている。
【0016】次に、図2に基づいて、本実施例の制御系
統を更に詳細に説明する。設定スイッチSW2は、ドラ
イバーによって目標とする車間距離をコンピュータ5に
入力するスイッチであり、入力された信号に応じて、目
標車間距離計算部31にてその目標車間距離が算出され
る。尚、この目標車間距離は、車速等によって変更して
も良く、例えば、車速が大きいときは距離を長く、車速
が小さいときは距離を短く設定する様にしてもよい。
【0017】物体判定部32は、車間距離センサ8によ
って検出された車間距離のデータのばらつきを調べ、そ
のデータの信頼性をチェックして、物体検出状態を判定
する。例えば、データのばらつきが大きい場合には、的
確に対象を把握していないと判断して、このデータの採
用を禁止する。
【0018】相対速度計算部33は、物体判定部32か
らの適切なデータに基づいて、コンピュータ5の制御周
期ごとの車間距離の変化により、前方物体の相対速度を
算出する。車両判定部34は、相対速度計算部33にて
算出した相対速度のデータを常時監視し、前方の物体が
車両があるか否かを判定する。尚、この処理は、車間距
離センサ8内で行なっても良い。
【0019】カーブ量計算部36は、ステアリングセン
サ9からの操舵角のデータと車速センサ7からの車速デ
ータとから、カーブの半径Rを演算する。先行車確度判
定部37は、ROM5dに記憶させてある車間距離セン
サ8の検出範囲と、カーブ量計算部36によって算出し
たカーブ半径Rとによって、検出した物体が自車の先行
車であるかの確率(先行車確度)を求める。
【0020】加減速率計算部40は、前記の様にして得
られた目標車間距離,車間距離,相対速度,車両の検出
の程度及び先行車確度に基づいて、適切な目標加減速率
を求める。具体的には、後に図4にて詳細に述べる様
に、車間距離センサ8による物体の検出状態を、車両認
識状態と物体認識状態と未検出状態との3つに分類し、
各状態における加減速率を各々別個に設定するものであ
る。
【0021】目標車速計算部42は、加減速率計算部4
0にて算出した目標加減速率を積分して目標車速を算出
する。制御方法検討部44は、現在の車速と目標車速計
算部42にて算出した目標車速とを比較して、通常制御
で良いのか、トランスミッション3等を制御しなくては
目標とする車速に制御できないかを判断する。
【0022】車速制御部46は、車速センサ7によって
得られた現在の車速を目標車速計算部42にて算出した
目標車速に近づけるように、従来からある定速走行装置
と同一のロジックを用いて、スロットルアクチュエータ
11の開度を制御する。また、トランスミッション3ま
で制御する必要が生じたときにはトランスミッションコ
ントローラ13に指令を出し、トランスミッション3を
コントロールする。或は、直接にトランスミッション3
をコントロールしても良い。
【0023】設定スイッチSW1は、車速制御部46に
対して、初期の設定車速を入力したり、通常の定速走行
制御と車間距離制御とを切り替えたり、制御のキャンセ
ルやマニュアルによる加減速を行なうスイッチである。
尚、この設定スイッチSW1によらず、定速走行制御と
車間距離制御の切り替えを、例えば車速や車間距離があ
る条件を満たしたときに行なっても良い。
【0024】次に、前記構成を備えた本実施例の動作の
うち、特に、前記物体判定部32,車両判定部34,加
減速率計算部40、目標車速計算部42,制御方法検討
部44、及び本実施例の重要部分である先行車確度判定
部37について、図3及び図4のフローチャートに基づ
いて説明する。
【0025】図3に示す様に、ステップ(以下ステップ
はSと記す)100で、車間距離のデータを、コンピュ
ータ5に入力する。続くS102で、入力した車間距離
のデータのばらつきを計算する。続くS104では、求
めた距離データのばらつきが、ある設定値より大きいか
小さいを判定する。ここで、ばらつきが小さいときに
は、前方に物体が存在する(物体検出状態)と判断され
てS106に進み、一方、ばらつきが大きいときには、
物体がない(未検出状態)と判断されて後述するS14
0に進む。
【0026】前記S106では、コンピュータ5の制御
周期ごとの車間距離の変化により、自車と前方物体との
相対速度を算出する。即ち、今回測定した車間距離Dn
から前回測定した車間距離Dn-1を引いて、所定時間に
おける距離の変化である最新の相対速度(Vn)を算出
する。
【0027】続くS108では、この相対速度をRAM
5eのバッファに記憶し、続くS110にて、算出した
相対速度のばらつきを計算する。続くS112では、求
めた相対速度のばらつきが、ある設定された値より大き
いか小さいかを判定する。ここで、ばらつきが小さいと
きは、前方の物体が車両である(車両認識状態)と判断
されてS114に進み、一方、ばらつきが大きいときに
は、前方の物体が車両ではない(物体検出状態)と判断
されて後述するS150に進む。
【0028】前記S114では、距離と相対速度を記憶
し、車両認識状態である旨をRAM5eに記憶する。続
くS116では、現在走行しているカーブの量(即ちカ
ーブ半径R)を、操舵角と車速から、予め求められてい
る車両の運動特性式によって計算する。
【0029】続くS118では、図6に示す様に、先行
車を検出した距離(検出距離)Lにて、前記S116に
て求めたカーブ半径Rの時に、自車の鉛直線から車線の
中心がどれほどオフセットするか計算する。続くS12
0,S122では、同じく図6に示す様に、車間距離セ
ンサ8の検出範囲の左右端P,Q点を、物体の検出距離
Lにおいて求める。これは、予めコンピュータ5のRO
M5d中に、検出距離Lに対応して記憶させてある車間
距離センサ8の検出範囲のデータにより求めるものであ
る。
【0030】続くS124では、図5に示す様に、自車
線の中心を100%として横方向に離れるに従って小さ
くなるような自車線確率を設定する。そして、図6に示
す様に、その設定された自車線確率をオフセット分移動
させて、車間距離センサ8の検出範囲内(P,Qの間)
を平均して先行車確度を求める。尚、この先行車確度
は、各検出距離Lと各カーブ半径Rについて、パソコン
などの他の手段にてあらかじめ計算し、図7に示す様な
検出距離Lとカーブ半径Rによる2次元マップ作成し
て、コンピュータ5のROM5dに記憶させておき、実
際に先行車確度を求めるときに、随時この2次元マップ
を検索して求めても良い。
【0031】次に、加減速率計算部40の動作について
説明する。この加減速計算部40では、物体検出状態、
未検出状態、車両認識状態の3つの状態と先行車確度に
応じて、以下のように車両の加減速率を求める。まず、
S126では、車両認識状態であるので、図8の加減速
率マップに基づいて、認識時基本加減率を計算する。こ
の図8は、横軸に現在の車間距離から目標車間距離を引
いた値(遠近を示す値)をとってあり、縦軸には先行車
との相対速度(近づくか遠のくかを示す値)をとってあ
る2次元マップデータで、各格子点には、その時々の加
減速率値が書かれている。尚、マップ表中で、マイナス
符号は減速を、プラス符号は加速を表し、実際のデータ
は、各格子点データを補間して求める。
【0032】この様なマップを使用することによって、
車間距離が小さいけれども遠ざかっていく車両に対して
不必要な減速をしない様にしたり、或はまだ車間距離が
大きいけれども大きな相対速度で近づいている車両に対
して、早めに減速を開始するなど、きめ細かに車間制御
を行うことができる。また、一律のマップで連続的に加
減速率を求めているため、不連続感のないなめらかな制
御が実現できる。
【0033】次に、S128にて、加減速率の補正係数
1を計算する。詳しくは、図9の加減速率の補正を行う
ための先行車確度によって異なるマップを採用して、現
在の相対速度に基づいて補正係数1を求めている。この
補正は、補正係数1によって、先行車確度が小さくなる
に従って追従性能を落とし、誤追従を減らそうとするも
のである。従って、この補正によって、先行車確度が中
程度(75%未満50%以上又は50%未満25%以
上)若しくは先行車確度が大変小さい(25%未満)場
合においても、離れていく(正の相対速度大)車両に対
しては、不用意な車間制御の抑制のため補正値を40%
ととし、急接近(負の相対速度大)してくる車両に対し
ては、危険回避のため補正値を100%のまま残すな
ど、先行車確度という考え方を取り入れることにより、
きめ細かな制御が出来る。
【0034】次に、S130にて、加減速率の補正係数
2を算出する。詳しくは、図10の加減速率の補正を行
うためのマップを用い、現在の車間距離に基づいて補正
値を求めている。この補正は、車間距離が大きいとき
は、大まかな車間制御でも良いため、加減速率を小さめ
にして、ゆったりとした制御にし、乗り心地の向上をも
たらすものである。
【0035】そこで、続くS132では、下記式(1)
に示す様に、前記S126で求めた基本加減速率に、前
記S128で求めた補正係数1と前記S130で求めた
補正係数2とをかけて、実際の加減速率を求め、図4の
S160に進む。
【0036】 加減速率=(補正係数1/100)×(補正係数2/100) ×基本加減速率 …(1) 一方、前記S104にて、距離データのばらつきが大で
ある(即ち物体の未検出状態)と判断されて進むS14
0では、車間距離及び相対速度を0と設定するととも
に、未検出状態である旨をRAM5eに記憶し、続くS
142にて、加減速率として、(予め設定されている)
未検出時の加減速率を採用して、同様にS160に進
む。つまり、最初にドライバーによって設定された車速
まで徐々に加速していくように、正の小さな加速率を設
定する。尚、ステアリングセンサ9や図示しないウイン
カなどの情報に応じて加速率を変化しても良い。
【0037】また、前記S112にて、相対速度のばら
つきが大である(即ち物体検出状態)と判断されて進む
S150では、検出した車間距離を記憶し、相対速度を
0とし、物体検出状態である旨を記憶する。続くS15
2では、図11に示す様なマップに基づいて、加減速率
を計算して、同様にS160に進む。この図11のマッ
プは、車間距離が20m以下の時は、一定の加減速率に
て速度を変更し、車間距離が20mを上回ると、徐々に
加減速率を低減するものである。これは、相対速度計算
部33や車両判定部34の処理に時間を要するため、車
両と認識されない場合でも、車両が近距離に割り込まれ
た時などを想定して、緊急時の対応を早めに行うための
ものである。
【0038】この様に、前記S126〜S132にて、
車両認識状態における加減速率を計算し、前記S152
にて、物体検出状態における加減速率を計算し、前記S
142にて、物体の未検出状態における加減速率を計算
する。ここで、すべての状況で加減速率を求められたの
で、図4のS160では、下記式(2)に示す様に、前
回制御周期の目標車速に前記加減速率を積分して、今回
制御に使う目標加減速率を計算する。ここでdtは制御
周期を表す。
【0039】 目標車速=前回目標車速+加減速率・dt …(2) 続くS162では、目標車速は現在の車速から大きく離
れないように制限をする。これは、車速制御部46によ
る急加速や急減速を行わないための処置である。又、本
実施例では、安全上、目標車速はドライバーが設定した
設定車速以下に制限されている。
【0040】次に、制御方法検討部44にて行われる処
理について述べる。この制御方法検討部44における処
理は、以下に述べる様に、図12で示す領域マップによ
って決定される。まず、S164にて、図12のマップ
の判断基準となる目標車速から現在の車速を引いた値
(速度偏差)を算出する。
【0041】そして、この図12及び前記図4のS16
6〜S180に示す様に、本実施例では、目標車速が現
在車速に比べて4km/h以上小さくなった時には(S
166)、スロットル全閉フラグをONにして強制的に
スロットルアクチュエータ11を全閉にし(S16
8)、6km/h以上小さくなったときには(S17
0)、ODカットフラグをONにしてトランスミッショ
ン3のODをカット(高い減速比を選択)する(S17
2)。
【0042】一方、それぞれの復帰の場合には、1km
/h未満になった時に(S174)、スロットル全閉フ
ラグをOFFにしてスロットルアクチュエータ11を開
き(S176)、3km/h未満になった時に(S17
8)、ODカットフラグをOFFにしてトランスミッシ
ョン3のOD制御を行なう(S180)。尚、この図1
2の様に、ヒステリシスを設けたのは、制御方法が変更
されたときの不連続感を減らすことを目的とする。
【0043】この制御方法検討部44を用いることによ
って、目標車速が減少しているにも関わらず、現在の車
速が減少して行かないとき(例えば、下り坂、車速が低
いとき)を自動的に検出して、トランスミッション3を
制御して、より高い減速比を選択して、高い減速度を得
ることができる。
【0044】そして、S182にて、前記各フラグに基
づく特殊制御を行なうか否かを判定し、ここで肯定判断
されると、各フラグに基づいて、目標車速とするため
に、強制的にODカットを行なう制御やスロットルを全
閉する制御等を行ない、一旦本処理を終了する。一方、
否定判断されると、従来からある定速制御装置にて、目
標速度を目標にして車速制御を行ない、一旦本処理を終
了する。
【0045】この様に、本実施例では、車両距離検出セ
ンサ8によって検出した車間距離の確度によって、その
距離データをどの様に利用するかを判断している。つま
り、検出した距離のデータが先行車を示すものである確
度が高いときは追従制御の性能を上げるので、良好な車
間制御を実現できる。また、先行車である確率がたいへ
ん少ない時には極端に追従性能を落とすので、路肩の看
板やリフレクタなどや他車線を走行している車両による
不用意な車間制御を抑え、良好な乗り心地や、安全な車
間制御を実現できる。更に、先行車かどうか判定がつき
にくい場合には、近づいてくる車両には追従性能を上
げ、遠ざかる車両については追従性能を下げるなどきめ
細かな制御を実現できるという顕著な利点がある。
【0046】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。この実施例は、車両に複数の車間距離検出センサを
備えたものであり、その複数の車間距離検出センサのう
ちどの車間距離センサで検出した距離データが一番確度
が高いかを判定して、最も確度が高い車間距離センサの
距離データを採用するものである。尚、本実施例では、
車間距離センサとして、車両の鉛直前方,車両の右前
方,車両の左前方の車両を検出する3つの(センタービ
ーム,レフトビーム,ライトビームの)レーダが、各々
設けられている点が、前記第1実施例と大きく異なり、
他のハード構成はほぼ同様であるので、ハード構成の説
明は省略する。
【0047】図13のフローチャートに示す様に、本実
施例では、まず最初に、自車の鉛直線方向にレーザビー
ムを照射する(センタービームを備えた)車間距離セン
サによる先行車確率を求める。つまり、前記第1実施例
の図5に示す様に、自車線の中心を100%として横方
向に離れるに従って小さくなるような、自車線確率分布
を設定し、次に、S200にて、前記図6に示す様に、
カーブ半径Rで検出距離Lの時には、自車線中心が自車
の鉛直線(レーザビームの中心軸)からどれだけオフセ
ットするか計算する。次に、S202及びS204に
て、センタービームの左端点及び右端点を算出し、この
検出距離Lでの検出範囲(点P,Q)を求め、S206
にて、オフセットさせた自車線確率分布に対して車間距
離センサ範囲内の自車線確率の平均値を求めて、その平
均値をセンタビームでの先行車確度とする。
【0048】尚、この先行車確度は各検出距離Lと各カ
ーブ関係Rについて、パソコンなどの他の手段にてあら
かじめ計算しておいて、前記図7に示すような2次元マ
ップを作成しておいて、実際先行車確度を求めるときに
は、随時2次元マップを検索して求めても良い。
【0049】次に、図14に示す様に、レフトビームに
よる(検出距離LLにおける)先行車確度も、S208
〜S214にて、前記センタービームと同じような手順
で求める。更に、図15に示す様に、ライトビームによ
る(検出距離LRにおける)先行車確度も、S216〜
S222にて、前記センタービームと同じような手順で
求める。
【0050】そして、S224にて、得られた3つの先
行車確度の内、一番確度の高かったビームを先行追従車
のビームとして選択し、S226にてその選択したビー
ムによって検出された距離データを正確なデータとして
採用し、一旦本処理を終了する。
【0051】尚、本実施例では、3ビームで説明した
が、2又は4以上のビームの時も同様に、すべてのビー
ムに対して確度を計算し、最も確度の高い距離を追従先
行車のものとする。この様に、本実施例では、3つのビ
ームから得られた距離データのうち、最も正確なデータ
を採用できるので、この距離データを車間距離制御装置
に適用すれば誤追従など無い、滑らかで安全な車間制御
を実現できる。また前方警報装置に適応すれば誤警報の
無い信頼性の高い警報装置を提供できる。
【0052】尚、本発明は、前記実施例に限定されるこ
となく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、各種の態
様で実施できることは勿論である。例えば、前記検出距
離L,LL,LRなどの検出範囲とは、レーダ等によっ
て車間距離を計測できる範囲であれば特に限定されな
い。しかも、単に自車からの一定距離におけるレーダ等
の幅だけではなく、所定の面積や空間的広がりをもって
いてもよく、特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の先行車検出装置を説明す
るための概略的な構成図である。
【図2】第1実施例の制御ロジックを示すブロック図で
ある。
【図3】第1実施例の制御ロジックにおける処理の流れ
を説明するためのフローチャートである。
【図4】第1実施例の制御ロジックにおける処理の流れ
を説明するためのフローチャートである。
【図5】自車線確率分布を示す説明図である。
【図6】カーブにおける自車線確率分布のオフセットを
示す説明図である。
【図7】先行車確度のマップを示す説明図である。
【図8】加減速基本マップを示す説明図である。
【図9】車両認識状態における補正係数1の加減速率補
正マップを示す説明図である。
【図10】車両認識状態における補正係数2の加減速度
率マップを示す説明図である。
【図11】物体検出状態における加減速度率マップを示
す説明図である。
【図12】制御方法を選択する領域マップを示す説明図
である。
【図13】第2実施例の制御ロジックにおける処理の流
れを説明するためのフローチャートである。
【図14】カーブのレフトビームによる自車線確率分布
のオフセットを示す説明図である。
【図15】カーブのライトビームによる自車線確率分布
のオフセットを示す説明図である。
【符号の説明】
1…エンジン, 3…トランスミッション, 5…コン
ピュータ,7…車速センサ, 8…車間距離センサ,
SW1,SW2…設定スイッチ,9…ステアリングセン
サ, 11…スロットルアクチュエータ,13…トラン
スミッションコントローラ, 31…目標車間距離計算
部,32…物体判定部, 33…相対速度計算部, 3
4…車両判定部,36…カーブ量計算部, 37…先行
車確度判定部,40…加減速率計算部,42…目標車速
計算部, 44…制御方法検討部,46…車速制御部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−104992(JP,A) 特開 平6−144076(JP,A) 特開 平4−314638(JP,A) 特開 平2−34439(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 31/00 F02D 29/02 301 G08G 1/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車と該自車前方に検知される先行車と
    の実車間を求める計測手段と、 該計測手段にて求められた実車間が目標車間となるよう
    に、前記自車を加減速させるための制御量を演算する制
    御量演算手段とを備えた車間距離制御装置において、 前記自車と前記自車前方に検知された先行車との相対速
    度を求める相対速度演算手段と、 前記自車前方に検知された先行車が車間距離制御の対象
    とすべき先行車である可能性の大きさを判断する判断手
    段と、 前記制御量演算手段にて演算された制御量を、前記相対
    速度と前記判断手段の判断結果とに基づいて変更する変
    更手段とを備え、 該変更手段は、負の相対速度が大きい状態では、前記先
    行車である可能性の大きさに係わらず前記自車両の減速
    を確保すると共に、前記相対速度がこれ以外の状態で
    は、前記先行車である可能性が小さい時にはそれよりも
    大きい時に比較して前記自車両の加速あるいは減速を抑
    制するように前記制御量を変更する ことを特徴とする車
    間距離制御装置。
  2. 【請求項2】 自車と該自車前方に検知される先行車と
    の実車間を求める計測手段と、 該計測手段にて求められた実車間が目標車間となるよう
    に、前記自車を加減速させるための制御量を演算する制
    御量演算手段とを備えた車間距離制御装置において、 前記自車と前記自車前方に検知された先行車との相対速
    度を求める相対速度演算手段と、 前記自車前方に検知された先行車が車間距離制御の対象
    とすべき先行車である可能性の大きさを判断する判断手
    段と、 前記制御量演算手段にて演算された制御量を、前記相対
    速度と前記判断手段の判断結果とに基づいて変更する変
    更手段とを備え、 該変更手段は、前記先行車である可能性の大きさが相対
    的に小さい場合に、前 記相対速度が正の時には前記自車
    両の加速あるいは減速を抑制すると共に、前記相対速度
    が負の時には前記自車両の減速を確保するように前記制
    御量を変更 することを特徴とする車間距離制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の車間距離
    制御装置において、前記判断手段は、 前記自車が走行する走行路のカーブの程度を示すカーブ
    データを求めるカーブ検出手段を備え、 該カーブ検出手段によって求められたカーブデータと、
    前記計測手段によって求められた距離データとに基づい
    て、前記先行車が対象とすべき先行車である可能性の大
    きさを示す確度を演算す ることを特徴とする車間距離制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の車間距
    離制御装置において、 前記変更手段は、前記相対速度と前記判断手段の結果と
    から補正係数を求め、前記制御量演算手段にて演算され
    た制御量に、前記補正係数を乗ずることを特徴とする車
    間距離制御装置。
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