JP3232829B2 - 温熱環境検出装置 - Google Patents

温熱環境検出装置

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JP3232829B2 JP29785093A JP29785093A JP3232829B2 JP 3232829 B2 JP3232829 B2 JP 3232829B2 JP 29785093 A JP29785093 A JP 29785093A JP 29785093 A JP29785093 A JP 29785093A JP 3232829 B2 JP3232829 B2 JP 3232829B2
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聡史 志茂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内の空気調和を行う
ための空気環境情報を検出する温熱環境検出装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】人間の冷温感に作用する要素としては、
気温・気流・輻射熱・湿度がある。従って、室内の空気
調和を行うための空気環境情報を検出する温熱環境検出
装置としては、気温・気流・輻射熱・湿度を総括的に検
出できる検出装置が望ましい。しかし、従来から知られ
ている空気環境情報を検出する装置は、気温・気流・輻
射熱を総括的に検出するものであり、従来、湿度までを
も取り込んで気温・気流・輻射熱・湿度を総括的に検出
するような温熱環境検出装置は無かった。
【0003】そこで、気温・気流・輻射熱・湿度と共に
人間の活動量や着衣量をもパラメーターと成し、PMV
(Predicted Mean Vote 予測平均申告)やPPD(Pred
icted Percentage of Dissatisfied 予測不満度率)な
どを算出し、該PMV値やPPD値を以て室内の空気調
和を行うような場合にあっては、気温・気流・輻射熱を
総括的に検出する検出装置と、湿度検出装置とを別々に
設置していた。
【0004】この主たる理由としては、発熱源の発熱を
人体の自己発熱に見立てると共に該発熱源からの熱の持
ち去られる量から気温・気流・輻射熱を総括的に検出す
る方式のセンサ(気温・気流・輻射熱総括型センサ)
と、相対湿度を電気伝導度に変換して検出する方式の相
対湿度センサとの根本的な原理の相違から、センサプロ
ーブ同志を一体化できないこと、また、放熱をともなう
気温・気流・輻射熱総括型センサプローブと温度依存性
のある相対湿度センサプローブとでは近接するのが好ま
しくないことがあげられる。
【0005】従って、PMV値やPPD値を算出し、該
PMV値やPPD値に基づいて空気調和を図る場合にあ
っては、図4に示すように、部屋毎に壁面Wなどの造営
材表面に、気温・気流・輻射熱総括型センサ1と相対湿
度センサ2とを、それぞれ別々に併設しなければならな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外観も
大きさも異なる気温・気流・輻射熱総括型センサ1と相
対湿度センサ2とを別々に併設するのは、施工の手間が
かかると共にスペース的にも意匠的にも好ましくないと
言う問題点があった。
【0007】本発明は、上記の問題点を改善するために
成されたもので、その目的とするところは、気温・気流
・輻射熱総括型センサに相対湿度センサをも取り込むと
共に比較的小型な一つのハウジングをもって構成され、
施工性が良く且つ使い勝手の良い温熱環境検出装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するため、請求項1記載の発明にあっては、相対湿
度センサプローブと、内部に発熱源を備える気温・気流
・輻射熱総括型センサプローブとを一つのハウジングに
同居配設させた温熱環境検出装置であって、前記相対湿
度センサプローブは造営材表面より20mm以上離隔した
位置に支持されていると共に、前記気温・気流・輻射熱
総括型センサプローブは前記相対湿度センサプローブか
ら5mm以上離隔した前方位置に支持されて成り、且つ、
少なくとも前記相対湿度センサプローブと前記気温・気
流・輻射熱総括型センサプローブとの間隙を含む通風路
が開設されていることを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の発明にあっては、前
記気温・気流・輻射熱総括型センサプローブは、前記相
対湿度センサプローブとの対向部に断熱層を備えている
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】以上のように構成したことにより、請求項1記
載の発明にあっては、相対湿度センサプローブと気温・
気流・輻射熱総括型センサプローブとは、それぞれ造営
材の表面から20mm以上離隔した位置に支持されている
ので、造営材自体の温度の影響を受けることが無く、コ
ンパクトでありながら精度良く室内の中央の温熱環境情
報(気温・気流・輻射熱・湿度)を検出することができ
る。しかも、相対湿度センサプローブと気温・気流・輻
射熱総括型センサプローブとの間隙は5mm以上離隔して
あり、且つ、前記間隙を含む通風路は開設してあるの
で、該間隙の空気は対流などで流出することができると
共に新たな空気が流入することができ、相対湿度センサ
プローブが気温・気流・輻射熱総括型センサプローブか
ら受ける影響を最小限に止めることができる。
【0011】また、請求項2記載の発明にあっては、前
記気温・気流・輻射熱総括型センサプローブの前記相対
湿度センサプローブとの対向部に断熱層を設けたので、
相対湿度センサプローブが気温・気流・輻射熱総括型セ
ンサプローブから受ける影響を更に軽減できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る温熱環境検出装置の一実
施例を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図1は造
営材に取着した状態の温熱環境検出装置を示す平面図、
図2は温熱環境検出装置の外観を示す斜視図、図3は気
温と造営材面(壁面)からの距離との関係を示すグラフ
である。
【0013】図1に示すように、温熱環境検出装置1
は、相対湿度センサプローブ10と、気温・気流・輻射
熱総括型センサプローブ11と、第1の支柱12と、第
2の支柱13と、ハウジングに相当する前面パネル14
とを含んで構成されている。相対湿度センサプローブ1
0は、相対湿度を電気伝導度に変換して相対湿度を検出
する部分である。
【0014】気温・気流・輻射熱総括型センサプローブ
11は、周囲の気温・気流・輻射熱の状態を空気環境情
報として総合的に検出する部分である。気温・気流・輻
射熱総括型センサプローブ11は、発熱源11aと受感
面11bと断熱層11cとを備えている。発熱源11a
は背面部と周側部とを断熱層11cにより包囲され、発
熱源11aの発する熱の殆どは前方の受感面11bに伝
導するように構成されている。受感面11bは、気温・
気流・輻射熱に対して人肌と略同程度に熱を放散したり
吸収したりするように構成され、受感面11bの内部あ
るいは表面に熱電対あるいはサーミスタなどの測温体
(図示せず)が配設されている。
【0015】すなわち、気温・気流・輻射熱総括型セン
サプローブ11は、人体をモデルとしたもので、発熱源
11aは人間の保温機能や活動による発熱を与えるもの
であり、受感面11bは人間の皮膚に相当し、測温体の
示す温度は体温に相当している。つまり、測温体の示す
温度が所定温度を超えて上昇することは、人間が暑さに
よる不快感を感じることに対応する。また、測温体の示
す温度が所定温度を下回って下降することは、人間が寒
さによる不快感を感じることに対応するのである。
【0016】第1の支柱12は熱伝導率の低い合成樹脂
製の棒状のものである。第1の支柱12は、前面パネル
14に立設され、先端には相対湿度センサプローブ10
が取着されている。第2の支柱13は熱伝導率の低い合
成樹脂製の棒状のものである。第2の支柱13は、前面
パネル14に立設され、先端には気温・気流・輻射熱総
括型センサプローブ11が取着されている。なお、第2
の支柱13は4本立設され、該4本の第2の支柱13で
気温・気流・輻射熱総括型センサプローブ11の四隅を
保持している。
【0017】上述のように構成された温熱環境検出装置
1は、前面パネル14の裏面がちょうど壁面Wに密着す
るように、配線用埋め込みボックスBに取着される。こ
のとき、相対湿度センサプローブ10と気温・気流・輻
射熱総括型センサプローブ11との壁面Wからの離隔距
離は、次のように設定されている。すなわち、壁面Wと
相対湿度センサプローブ10との離隔距離L1 は、略2
0mmにされている。また、相対湿度センサプローブ10
と気温・気流・輻射熱総括型センサプローブ11との間
隙L2 は、略5mmにされている。
【0018】ここで、室内の気温と壁面からの距離との
関係を調べてみると図3に示すように、室内の壁面Wか
ら略15mm以上離れると、気温は壁温に影響されずに室
内の中央の気温と同じになる。この結果から明らかのよ
うに、相対湿度センサプローブ10と気温・気流・輻射
熱総括型センサプローブ11とを、壁面Wからそれぞれ
略20mm以上離隔するように構成することで、室内の中
央の気温や湿度を計測したのと略同じ値を得ることがで
きるのである。
【0019】また、相対湿度センサプローブ10と気温
・気流・輻射熱総括型センサプローブ11との間隙L2
を略5mm以上に配設すると共に、該間隙L2 を含む通風
路16(図1に示す)が上下左右に開設され、該間隙L
2 の空気は対流などで常に流出して新たな空気が流入す
ることができ、しかも、気温・気流・輻射熱総括型セン
サプローブ11の背面側(相対湿度センサプローブ10
と対向する側)には断熱層11cが形成されているので
発熱源11aからの熱の影響を殆ど受けない。つまり、
相対湿度センサプローブ10と気温・気流・輻射熱総括
型センサプローブ11とが、一つの前面プレート14上
にコンパクトに纏まって配設されていながら、相対湿度
センサプローブ10が気温・気流・輻射熱総括型センサ
プローブ11から受ける悪影響は最小限に止まってい
る。
【0020】なお、図2に示すように、正面から温熱環
境検出装置1を見た場合、相対湿度センサプローブ10
は、気温・気流・輻射熱総括型センサプローブ11によ
り影となる部分に位置するような配設寸法関係にされ、
周囲からの輻射熱が相対湿度センサプローブ10に悪影
響を与えないようにされている。また、図2における1
5は、空調機器(図示せず)の始動・停止を指示する運
転スイッチや、空調機器の出力によって制御される温度
や湿度などの室内環境の諸量に対する目標値を与える上
昇スイッチや下降スイッチの操作部を示している。
【0021】
【発明の効果】本発明の温熱環境検出装置は上述のよう
に構成したものであるから、請求項1記載の発明にあっ
ては、センサプローブは異なれど相対湿度センサプロー
ブと気温・気流・輻射熱総括型センサプローブとが一つ
のハウジングにコンパクトに配設でき、PMV値やPP
D値を空気環境情報として用いて空調調和を図る場合で
あっても、相対湿度センサ装置と気温・気流・輻射熱総
括型センサ装置とをそれぞれ別々に設置する必要は無
く、1回の取り付け工事の手間で設置を完了することが
でき、請求項2記載の発明にあっては、気温・気流・輻
射熱総括型センサプローブの相対湿度センサプローブに
対向する部分に断熱層を設けたので、相対湿度センサプ
ローブと気温・気流・輻射熱総括型センサプローブとの
相互干渉が無くなり、上記効果に加えて更に、小型且つ
空気環境情報の検出精度の向上が図れ、使い勝手が良く
スペース的にも意匠的にも優れた温熱環境検出装置が提
供できると言う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温熱環境検出装置の一実施例を造
営材に取着した状態を示す平面図である。
【図2】上記温熱環境検出装置の外観を示す斜視図であ
る。
【図3】気温と造営材面からの距離との関係を示すグラ
フである。
【図4】従来の温熱環境情報の検出状態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 温熱環境検出装置 10 相対湿度センサプローブ 11 気温・気流・輻射熱総括型センサプローブ 11a 発熱源 11c 断熱層 14 ハウジング 16 通風路 W 造営材表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−187693(JP,A) 特開 平3−262923(JP,A) 特開 平1−140313(JP,A) 特開 平4−372823(JP,A) 特開 平5−72154(JP,A) 実開 昭64−38529(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 21/00 - 21/02 F24F 11/02 103 - 11/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対湿度センサプローブと、内部に発熱
    源を備える気温・気流・輻射熱総括型センサプローブと
    を一つのハウジングに同居配設させた温熱環境検出装置
    であって、前記相対湿度センサプローブは造営材表面よ
    り20mm以上離隔した位置に支持されていると共に、前
    記気温・気流・輻射熱総括型センサプローブは前記相対
    湿度センサプローブから5mm以上離隔した前方位置に支
    持されて成り、且つ、少なくとも前記相対湿度センサプ
    ローブと前記気温・気流・輻射熱総括型センサプローブ
    との間隙を含む通風路が開設されていることを特徴とす
    る温熱環境検出装置。
  2. 【請求項2】 前記気温・気流・輻射熱総括型センサプ
    ローブは、前記相対湿度センサプローブとの対向部に断
    熱層を備えていることを特徴とする請求項1記載の温熱
    環境検出装置。
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