JP3232516U - リベット - Google Patents
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Abstract
【課題】繰り返して使用する場合において、取付孔に挿入しやすいリベットを提供する。【解決手段】リベットは、スリーブ10と、スリーブ10に挿入される芯材20とを備える。スリーブ10の軸方向における両端のうち第1端側には、ヒンジ部12を介して旋回片13が設けられる一方、第2端側にはフランジ11が設けられている。スリーブ10に芯材20が挿入されることにより、旋回片13が芯材20に押圧されて外側へ旋回する。このリベットは、スリーブ10の外縁よりも旋回片13が径方向内側に閉じている第1状態で旋回片13を固定可能な固定機構を備えた。【選択図】図5
Description
本考案は、片側からの操作が可能なリベットに関する。
従来、段ボール箱の蓋止めや積層シートの固定などに利用されるリベットとして、特許文献1に開示されるリベットが知られている。このリベットは、一端につば部を有し、他端に複数のL形挟持片を有する外側筒と、外側筒に挿入される内側筒と、備える。
そして、このリベットは、複数のシートを積層してなる積層シートや段ボール箱に設けられた取付孔に対して、片側から外側筒を挿通した後、同じく片側から外側筒に内側筒を挿入することにより、積層シートを固定するものである。具体的には、外側筒に内側筒を挿入することにより、L形挟持片が内側筒に押圧されて外側へ押し拡げられる。これにより、つば部とL形挟持片とにより、積層シート等が挟持され、固定される。
ところで、特許文献1のリベットは、繰り返し使用されることが想定されている。しかしながら、このリベットを一度使用すると、L形挟持片を接続する薄肉のヒンジ部が引き延ばされてしまい、L形挟持片が外側へ拡がったままとなることが多かった。このため、一度使用した後に繰り返して使用する場合において、L形挟持片が外側へ拡がったリベットを再び取付孔に挿入する際、L形挟持片が取付孔に干渉して、リベットを挿入しにくくなるという問題があった。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、繰り返して使用する場合において、取付孔に挿入しやすいリベットを提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するために、スリーブと、前記スリーブに挿入される芯材とを備え、前記スリーブの軸方向における両端のうち第1端側には、ヒンジ部を介して旋回片が設けられる一方、第2端側にはフランジが設けられ、前記スリーブに前記芯材が挿入されることにより、前記旋回片が前記芯材に押圧されて、前記旋回片が径方向内側に閉じている第1状態から外側へ旋回した第2状態になるリベットにおいて、前記スリーブの外縁よりも前記旋回片が径方向内側に閉じている前記第1状態で前記旋回片を固定可能な固定機構を備えた。
これにより、スリーブを取付孔に挿入する際、旋回片が外側に開いて干渉することを防止できる。よって、繰り返し使用する場合であっても、固定機構により第1状態で旋回片を固定することにより、リベットを取付孔に挿入しやすくなる。
以下、本考案のリベットの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のリベットRは、円筒形状のスリーブ10と、スリーブ10に挿入される芯材20とを備える。スリーブ10及び芯材20は、合成樹脂によってそれぞれ一体に成形されている。スリーブ10及び芯材20を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタールが挙げられる。
スリーブ10は、その軸方向における両端のうち第1端側に、薄肉のヒンジ部12を介して旋回片13を備えている。また、スリーブ10は、その軸方向における両端のうち第2端側(第1端側とは反対側)に、その外周から径方向外側に突出する円環状のフランジ11を備えている。
旋回片13は、周方向において、所定角度間隔で、複数設けられている。本実施形態において、この旋回片13は、周方向において、90度間隔で4つ設けられている。旋回片13は、L字形状に形成されており、爪部13aと爪部13aに対して90度の角度で固定される基部13bとを有する。ヒンジ部12は、旋回片13の基部13bの先端に固定されている。
図3や図5に示すように、スリーブ10の第2端側において、スリーブ10の内壁には、径方向内側に突出する被係合部15が形成されている。被係合部15は、周方向において180度間隔で一対設けられている。この被係合部15は、周方向においていずれかの旋回片13に対応する位置に設けられている。具体的には、被係合部15は、周方向においていずれかの旋回片13の中心と一致する位置に設けられている。
また、図3に示すように、スリーブ10の内壁には、軸方向に沿って細長く形成されたキー16が突出形成されている。キー16は、スリーブ10の第1端側から軸方向における途中の位置に至るまで形成されている。キー16は一対形成されており、周方向に180度の間隔で設けられている。このキー16は、周方向においていずれかの旋回片13に対応する位置に設けられている。具体的には、キー16は、周方向においていずれかの旋回片13の中心と一致する位置に設けられている。また、キー16は、被係合部15に対して周方向に90度の間隔で設けられている。
図2に示すように、芯材20は、スリーブ10に収容可能な柱状に形成されている。この芯材20は、中空に形成されている。芯材20は、その軸方向における第2端側に、その外周から径方向外側に突出する略円弧状の芯材側フランジ部としてのフランジ21を一対備えている。一対のフランジ21は、周方向において180度間隔で設けられている。
芯材20の第2端側であって、周方向においてフランジ21の間には、一対のスリット22が軸方向に沿って形成されている。一対のスリット22は、芯材20の第2端に至るまで形成されている。一対のスリット22は、周方向において180度の間隔で対称に設けられている。この一対のスリット22の間の部分23(軸方向に沿って細長く形成された部分)に、径方向外側に突出するT字状の操作部24が設けられている。より詳しくは、スリット22の間の部分23であって、その第2端(当該部分23の先端)に、操作部24が設けられている。これにより、操作部24が径方向内側に操作(押圧)されることにより、スリット22の間の部分23が内側へ撓む(曲がる)。
また、図2や図5に示すように、スリット22の間の部分23には、径方向外側に突出する第1係合部25が設けられている。この第1係合部25は、スリーブ10の内壁に設けられた被係合部15と係合可能に構成されている。
また、図2や図5に示すように、軸方向において第1係合部25の上方(第1端側)には、第2係合部26が設けられている。第2係合部26は、スリーブ10の内壁に設けられた被係合部15と係合可能に構成されている。
図2に示すように、芯材20において、その外周面には、軸方向に沿ってキー溝27が形成されている。本実施形態では、周方向において一対の操作部24の中間に設けられている。キー溝27は、スリーブ10のキー16に対応するように一対形成されている。よって、キー16と同様に、周方向において180度間隔で設けられている。これにより、スリーブ10に対して芯材20は、キー16及びキー溝27に沿って、軸方向にスライド移動可能に構成されている。
芯材20は、その第1端側に、旋回片13を軸方向に押圧して、旋回片13を外側に開かせる押圧部30を備えている。押圧部30は、その外周面に、径方向に対して垂直となる平面状の押圧面31を有している。押圧面31は、各旋回片13にそれぞれ対応するように設けられている。つまり、押圧面31は、周方向において90度の間隔で設けられている。
また、押圧面31は、周方向において操作部24又はキー溝27に対応する位置(一致する位置)に設けられている。つまり、キー溝27は、周方向において、芯材20の中心を通過する押圧面31の垂線と一致する位置に設けられている。このため、スリーブ10は、周方向において旋回片13と押圧面31とがそれぞれ対応する位置でなければ、キー16とキー溝27を対応させて、軸方向に移動させることができない。
図4〜図6に示すように、押圧面31は、旋回片13が外側に旋回したとき、旋回片13の径方向内側面に当接するように設けられている。そして、径方向において芯材20の中心から押圧面31までの距離L1は、図6に示すように、旋回片13が外側に旋回したとき、スリーブ10の中心から旋回片13の径方向内側面までの距離に対応するように構成されている。すなわち、押圧面31までの距離L1は、スリーブ10の中心から旋回片13の径方向内側面(つまり、基部13b)までの距離とほぼ同じである。
そして、図1及び図2に示すように、リベットRは、芯材20の中心とスリーブ10の中心とを一致させて、スリーブ10内の途中位置まで挿入することによって、基本状態に組み立てられる。その際、芯材20の外周面に設けられた案内用リブ28に沿って(図2参照)、スリーブ10内に芯材20を挿入させることとなる。また、途中位置とは、例えば、図5に示すように、第2係合部26が被係合部15を乗り越えた位置であって、かつ、押圧部30が旋回片13よりも第2端側(下方)に配置されている位置のことである。このとき、第2係合部26が被係合部15に係合し、スリーブ10から芯材20が抜けることが防止される。なお、案内用リブ28は、図2に示すように、第2係合部26の周方向両側に設けられている。案内用リブ28は、径方向外側に突出し、軸方向に沿って形成されている。この案内用リブ28は、スリーブ10と芯材20の回転方向を合わせるために用いられる。
次に、二枚の板状部材を積層してなる積層材40を、リベットRを用いて固定する方法について説明する。
図5に示すように、積層材40には、積層材40を貫通する取付孔41が設けられている。この取付孔41に対して、基本状態にあるリベットRを下側(図5における下方)から挿入し、スリーブ10のフランジ11を積層材40の下面に当接させる。そして、芯材20を下側から押して(矢印Y1方向)、スリーブ10に芯材20を更に挿入する。
この状態において、図6に示すように、スリーブ10の旋回片13が外側に向かって旋回する。具体的には、旋回片13が、芯材20の押圧部30の軸方向における端面によって上側へ押圧されることにより、旋回片13は、ヒンジ部12を屈曲させつつ、外側に開くように旋回する。これにより、リベットRの外側へ旋回した各旋回片13と、スリーブ10に設けられたフランジ11とによって積層材40が挟持される。
その後、図6に示すように、押圧部30が旋回片13の内側に配置された状態において、芯材20の第1係合部25が、スリーブ10の被係合部15を乗り越えるとともに、芯材20のフランジ21及び操作部24がスリーブ10の第2端(本実施形態ではフランジ11)に係合する。これにより、芯材20は、スリーブ10に対して軸方向の移動が規制される。つまり、芯材20の第1係合部25が、スリーブ10の被係合部15に係合して、芯材20の軸方向下方(第2端側)への移動を規制する。それとともに、芯材20のフランジ21及び操作部24がスリーブ10のフランジ11(第2端)に係合して、芯材20の軸方向上方(第1端側)への移動を規制する。これにより、各旋回片13とフランジ11によって積層材40が挟持される状態(固定状態)が維持されることとなる。その結果、積層材40は一体に固定される。
なお、芯材20の中心から押圧面31までの距離L1は、旋回片13が外側に旋回した状態において、スリーブ10の中心から旋回片13の径方向内側面までの距離に対応する。このため、この状態においては、押圧部30により、旋回片13が内側に閉じることを防止できる。
次に、固定状態を解除して、リベットRを取付孔41から取り出すときの手順について説明する。図6に示すように、操作部24を径方向内側(矢印Y2の方向)に向かって操作(押圧)すると、スリット22の間の部分23が内側へ撓む。これにより、スリット22の間の部分23に設けられた第1係合部25と、被係合部15との係合が解除される。
その後、芯材20を軸方向下方(第2端側、図において矢印Y3の方向)に移動させ、スリーブ10の内部から芯材20を途中位置まで抜き出す。これにより、旋回片13の径方向内側に、旋回片13を押圧していた押圧面31が存在しなくなる。つまり、押圧部30が、軸方向において旋回片13よりも第2端側(下方)に位置する。その結果、旋回片13が径方向内側へ旋回可能となる。
さらに芯材20を軸方向下方(第2端側)に移動させると、第2係合部26がスリーブ10の被係合部15に対して係合する。この状態で、芯材20をさらに軸方向下方に移動させると、芯材20とともにスリーブ10を取付孔41から取り出すことが可能となる。なお、旋回片13は、径方向内側へ旋回可能となっていることから、スリーブ10が取付孔41から取り出される際、積層材40により軸方向に押圧されて、径方向内側へ旋回し閉じられる。これにより、旋回片13は、積層材40に係合することなく、取付孔41を通過することとなる。以上により、リベットRは、取付孔41から取り出される。
ところで、上記リベットRは、繰り返し利用可能に構成されている。しかしながら、ヒンジ部12は、一度利用すると引き伸ばされるため、図7に示すように旋回片13が径方向外側に開きやすくなる。この結果、再びリベットRを取付孔41に挿入しようとする際、径方向外側に開いた旋回片13が積層材40に干渉してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、以下に示すように、旋回片13をスリーブ10の外縁よりも径方向内側に固定可能な固定機構50を備えた。以下、詳しく説明する。
図8に示すように、固定機構50は、旋回片13に設けられる第1部材としての鉤部51と、押圧部30の側に設けられ、鉤部51に対して係合可能に構成されている第2部材としての係合凹部52とを備える。鉤部51は、図3や図4に示すように、旋回片13の基部13bに設けられている。具体的には、周方向において基部13bの一端側、本実施形態では、図4に示すように、押圧部30を軸方向上方から見た場合、時計回り方向における旋回片13の一端側に鉤部51が設けられている。
この鉤部51は、爪部13aが軸方向に沿って直立状態(図1に示すように、旋回片13が内側に閉じている第1状態)である場合、図3や図8に示すように、軸方向に沿って爪部13aの先端側とは反対側(第2端側)に延びるように、形成されている。そして、図4や図8に示すように、鉤部51の先端は鉤状に形成されており、周方向一方側(図4における時計回り方向)にその先端が突出するように設けられている。
図2や、図4,図8に示すように、押圧部30には、鉤部51と干渉しないように、鉤部51を収容する収容凹部32が設けられている。具体的には、図4に示すように、周方向において押圧面31と旋回片13とが対応する位置に配置されている場合、鉤部51との干渉を避けるように、周方向において押圧面31から一方側(図4では時計回り方向側)にずれた位置に収容凹部32が設けられている。なお、図4に示すように、押圧面31に対して垂直方向に沿って凹むように構成されている。つまり、旋回片13が外側に旋回している状態(第2状態)である場合、鉤部51の延伸方向に沿って鉤部51を収容するように凹んでいる。
また、図2に示すように、収容凹部32は、軸方向に沿って凹むように設けられている。つまり、旋回片13が直立状態である場合、収容凹部32は、鉤部51との干渉を避けるように、軸方向(鉤部51の延伸方向)に沿って凹むように設けられている。これにより、周方向において押圧面31と旋回片13とが対応する位置に配置されている場合、旋回片13は直立状態から径方向外側に旋回して開くことを許容するように、つまり、鉤部51と押圧部30とが干渉せずに、鉤部51が旋回するように、収容凹部32が設けられている。
そして、第2部材としての係合凹部52は、図8に示すように、この収容凹部32の側壁に設けられており、周方向に沿って凹むように設けられている。そして、係合凹部52は、旋回片13が直立状態である場合に、周方向において、その鉤部51の先端と対向するように開口している。また、この係合凹部52は、鉤部51の先端が係合凹部52の内部に差し込まれることを許容するように構成されている。
そして、この係合凹部52は、芯材20をスリーブ10に対して周方向に相対回転させると、鉤部51の先端が収容され(差し込まれ)、軸方向に係合する。これにより、鉤部51と係合凹部52によって、旋回片13が径方向外側に旋回するように開くことを規制する。つまり、旋回片13が直立状態(第1状態)で固定される。
なお、スリーブ10の内壁に設けられたキー16は、基本状態(押圧部30が旋回片13の軸方向下方に存在する状態)において、軸方向においてキー溝27と重複しないように構成されている。つまり、図3に示すように、スリーブ10の第1端側から軸方向に所定距離(例えば、押圧面31の軸方向における高さ寸法)の長さだけ設けられている。
そして、キー16は、基本状態において、押圧面31と対向するように配置される。つまり、スリーブ10の内壁と、押圧面31の囲まれた空間内に配置される。このキー16の突出する高さ寸法(径方向の高さ寸法)は、スリーブ10の内壁から押圧面31までの距離よりも短く形成されている。
したがって、芯材20は、周方向において旋回片13と押圧面31とが対応する位置から、所定角度(本実施形態では15度程度)回転可能に構成されている。
次に、固定機構50によって旋回片13を直立状態に固定させてから、固定機構50による固定を解除して、旋回片13を径方向外側に旋回させる(つまり、積層材40をリベットRによって固定する)までの流れについて説明する。
基本状態において、旋回片13をスリーブ10の外縁よりも径方向内側に旋回させて、直立状態とする。これにより、図8(a)に示すように、鉤部51は、収容凹部32の内部において、軸方向に沿った状態となり、その先端が周方向の一方側(図8(a)において時計回り方向)に向くこととなる。
旋回片13が直立状態であるときに、図9(a)及び図9(b)に示すように、芯材20をスリーブ10に対して周方向(図における矢印方向)に回転させる。これにより、図8(b)に示すように、鉤部51の先端が、係合凹部52に収容され(差し込まれ)、軸方向に係合する。なお、旋回片13の側面に収容凹部32の側壁(係合凹部52が設けられている側壁)が当接することにより、芯材20が所定角度以上回転することが規制される。
その状態で、前述同様に、取付孔41に対して、基本状態にあるリベットRを下側から挿入し、スリーブ10のフランジ11を積層材40の下面に当接させる。その際、旋回片13は直立状態で固定されているため、取付孔41に旋回片13が干渉することはない。
フランジ11が積層材40の下面に当接し、旋回片13が取付孔41を通過した後、芯材20を周方向(図における矢印方向とは反対方向)に回転させる。これにより、鉤部51の先端が係合凹部52から抜け出て、軸方向における係合が解除される。
その後、周方向において、キー16がキー溝27に対応するまで芯材20を回転させたのち、軸方向に沿って、芯材20を下側から押して、スリーブ10に芯材20を更に挿入する。なお、キー16がキー溝27に一致しなければ、軸方向に芯材20を移動させることはできないので、周方向における押圧面31と旋回片13との位置合わせを確実に行うことができる。以降の流れは、前述と同様であるため、省略する。
以下、本実施形態における効果について説明する。
リベットRは、スリーブ10の外縁よりも旋回片13が径方向内側に閉じている第1状態で旋回片13を固定可能な固定機構50を備えた。これにより、スリーブ10を取付孔41に挿入する際、旋回片13が外側に開いて干渉することを防止できる。よって、繰り返し使用する場合であっても、固定機構50により第1状態で旋回片13を固定することによって、リベットRを取付孔41に挿入しやすくなる。
第1状態においてスリーブ10に対して芯材20を周方向の一方側に所定角度回転させることにより、係合凹部52は、鉤部51に係合し、旋回片13が外側に開くことを規制する。また、この状態から反対側に所定角度回転させることにより、係合凹部52は、鉤部51との係合が解除される。これにより、芯材20を回転させることにより、係合凹部52と鉤部51とを係合させて、旋回片13を容易に固定することが可能となる。また、スリーブ10を取付孔41に挿入した後、芯材20を反対側に回転させることにより、係合凹部52と鉤部51との係合を解除させることができる。これにより、片側からの操作で固定機構50による旋回片13の固定を容易に解除させることができる。
芯材20は、旋回片13を軸方向に押圧して、旋回片13を外側に開かせる押圧部30を第1端側に備え、押圧部30は、その外周面に、径方向に対して垂直となる平面状の押圧面31を有し、押圧面31は、周方向において旋回片13に対応する位置に設けられ、かつ、旋回片13が外側に旋回したとき、旋回片13の径方向内側面に当接するように設けられている。これにより、芯材20をスリーブ10に挿入したとき、押圧部30によって、旋回片13を外側に開かせることができる。また、押圧面31により、旋回片13を外側に開いた状態を維持することができる。
また、径方向において芯材20の中心から押圧面31までの距離L1は、旋回片13が外側に旋回したとき、スリーブ10の中心から旋回片13までの距離に対応するように(すなわち、ほぼ同じに)構成されている。このため、押圧面31によって、旋回片13を開いた状態を適切に維持することができる。
鉤部51は、第1状態において、第2端側に延びるように形成されており、かつ、前記鉤部51の先端は、周方向において一方側に突出するように設けられている。そして、押圧部30には、鉤部51を収容する収容凹部32が設けられており、収容凹部32の側壁には、第2部材として、周方向の他方側に向かって開口する係合凹部52が設けられている。第1状態において、係合凹部52は、鉤部51の先端に対して周方向に対向し、第1状態において芯材20を周方向の一方側に所定角度回転させることにより、鉤部51の先端が、係合凹部52に差し込まれ、軸方向に係合する。このため、旋回片13が直立状態(第1状態)である場合に、芯材20を回転させることにより、旋回片13を容易に固定することができる。
収容凹部32は、周方向において押圧面31と旋回片13とが対応する位置に配置されている場合、鉤部51との干渉を避けるように、周方向において押圧面31から一方側にずれた位置に設けられるものであって、収容凹部32は、押圧面31に対して垂直方向に沿って凹み、かつ、芯材20の軸方向に沿って凹むように設けられている。これにより、周方向において押圧面31と旋回片13とが対応する位置に配置されている場合、鉤部51と押圧部30とが干渉せずに、鉤部51を旋回させることができる。このため、鉤部51が変形することを防止できる。
周方向において旋回片13と押圧面31の位置が一致している状態において、周方向においてキー16とキー溝27の位置が一致するように構成されている。このため、旋回片13と押圧面31との位置がずれた状態で、芯材20をスリーブ10に押し込むことを規制することができる。したがって、例えば、鉤部51がと係合凹部52とが係合した状態で、芯材20が押し込まれることがなくなり、鉤部51などの変形を抑制することができる。また、キー16の突出する高さ寸法は、スリーブ10の内壁から押圧面31までの径方向における距離よりも短く形成されているため、周方向において、芯材20を回転させることができる。
押圧部30が旋回片13の内側に配置された状態において、第1係合部25は被係合部15に対して係合するとともに、操作部24やフランジ21は、スリーブ10の第2端に係合して、スリーブ10に対する芯材20の軸方向の移動を規制する。これにより、スリーブ10に対する芯材20の軸方向の移動を規制して、押圧部30が旋回片13の内側に配置された状態を維持し、旋回片13が外側に開いた状態を維持することができる。また、芯材20が第1端側へ必要以上に挿入され、芯材20により鉤部51が押圧されて折り曲げられることを防止できる。
また、操作部24を径方向外側から内側に押圧することにより、スリット22の間の部分23を撓ませて、第1係合部25と被係合部15との係合を解除することができる。したがって、片側からの操作で、芯材20をスリーブ10から抜き出すことができる。
芯材20の外周面であって、軸方向において第1係合部25よりも第1端側には、第2係合部26が設けられている。第1係合部25との係合を解除して、芯材20をスリーブ10から抜き出して、旋回片13の内側から押圧部30を抜き出した後、第2係合部26と被係合部15とを係合させることができる。これにより、片側からの操作で、芯材20をスリーブ10とともに取付孔41から抜き出すことができる。
(変形例)
上記実施形態におけるリベットRの構成の一部を以下に示すように変更してもよい。
・上記実施形態において、旋回片13及び押圧面31の数と、配置位置は、任意に変更してもよい。また、旋回片13の形状を任意に変更してもよい。押圧面31は、平面状に限らず、任意にその形状を変更してもよい。例えば、押圧面31を、曲面状に構成してもよい。
上記実施形態におけるリベットRの構成の一部を以下に示すように変更してもよい。
・上記実施形態において、旋回片13及び押圧面31の数と、配置位置は、任意に変更してもよい。また、旋回片13の形状を任意に変更してもよい。押圧面31は、平面状に限らず、任意にその形状を変更してもよい。例えば、押圧面31を、曲面状に構成してもよい。
・上記実施形態では、鉤部51と係合凹部52の形状は、任意に変更してもよい。例えば、押圧部30の側に、第2部材としての凸部を設け、旋回片13の側に当該凸部に係合する第1部材としての凹部又は孔部を設けてもよい。
R…リベット、10…スリーブ、11…フランジ、12…ヒンジ部、13…旋回片、13a…爪部、13b…基部、15…被係合部、16…キー、20…芯材、21…フランジ(芯材側フランジ部)、22…スリット、24…操作部、25…第1係合部、26…第2係合部、27…キー溝、30…押圧部、31…押圧面、32…収容凹部、40…積層材、41…取付孔、50…固定機構、51…鉤部(第1部材)、52…係合凹部(第2部材)。
Claims (8)
- スリーブと、前記スリーブに挿入される芯材とを備え、
前記スリーブの軸方向における両端のうち第1端側には、ヒンジ部を介して旋回片が設けられる一方、第2端側にはフランジが設けられ、
前記スリーブに前記芯材が挿入されることにより、前記旋回片が前記芯材に押圧されて、前記旋回片が径方向内側に閉じている第1状態から外側へ旋回した第2状態になるリベットであって、
前記スリーブの外縁よりも前記旋回片が径方向内側に閉じている前記第1状態で前記旋回片を固定可能な固定機構を備えたリベット。 - 前記固定機構は、前記旋回片に設けられる第1部材と、前記芯材の側に設けられ、前記第1部材に対して係合可能に構成されている第2部材と、を備え、
前記第1状態において前記スリーブに対して前記芯材を前記第2部材とともに周方向の一方側に所定角度回転させることにより、前記第2部材は、前記第1部材に係合し、前記旋回片が外側に開くことを規制するように構成されている一方、この状態から反対側に所定角度回転させることにより、前記第1部材との係合が解除されるように構成されている請求項1に記載のリベット。 - 前記芯材は、前記旋回片を軸方向に押圧して、前記旋回片を外側に開かせる押圧部を前記第1端側に備え、
前記押圧部は、その外周面に、径方向に対して垂直となる平面状の押圧面を有し、
前記押圧面は、周方向において前記旋回片に対応する位置に設けられ、かつ、前記旋回片が外側に旋回したとき、前記旋回片の径方向内側面に当接するように設けられているとともに、径方向において前記芯材の中心から押圧面までの距離は、前記旋回片が外側に旋回したとき、前記スリーブの中心から旋回片までの距離に対応するように構成されている請求項2に記載のリベット。 - 前記第1部材は、前記第1状態において、前記スリーブの軸方向における両端のうち第2端側に延びるように形成されており、かつ、前記第1部材の先端は、周方向において一方側に突出する鉤状に設けられており、
前記押圧部には、前記第1部材を収容する収容凹部が設けられており、
前記収容凹部の側壁には、前記第2部材として、周方向の他方側に向かって開口するように設けられた係合凹部が設けられており、
前記第1状態において、前記係合凹部は、前記第1部材の先端に対して周方向に対向するように設けられており、
前記第1状態において前記スリーブに対して前記芯材を周方向の一方側に所定角度回転させることにより、前記第1部材の先端は、前記第2部材としての前記係合凹部に差し込まれ、軸方向に係合する請求項3に記載のリベット。 - 前記旋回片は、L字形状に形成されており、爪部と爪部に対して所定の角度で固定される基部を有し、
前記第1部材は、周方向において前記旋回片の前記基部の一方側において、前記爪部の先端側とは反対側に延びるように、形成されており、
前記収容凹部は、周方向において前記押圧面と前記旋回片とが対応する位置に配置されている場合、前記第1部材との干渉を避けるように、周方向において前記押圧面から一方側にずれた位置に設けられるものであって、前記収容凹部は、前記押圧面に対して垂直方向に沿って凹み、かつ、前記芯材の軸方向に沿って凹むように設けられている請求項4に記載のリベット。 - 前記スリーブの内壁には、軸方向に沿って形成されたキーが突出形成されている一方、前記芯材の外周面には、軸方向に沿って当該キーに対応するキー溝が形成されており、
周方向において前記旋回片と前記押圧面の位置が一致している状態において、周方向において前記キーと前記キー溝の位置が一致するように構成されており、
前記キーは、前記芯材が軸方向において前記旋回片よりも第2端側に配置されている状態では、軸方向において前記キー溝と重複せず、前記押圧面と対向するように、前記スリーブの内壁と前記押圧面の囲まれた空間内に配置され、
前記キーの突出する高さ寸法は、前記スリーブの内壁から前記押圧面までの径方向における距離よりも短く形成されている請求項5に記載のリベット。 - 前記芯材の軸方向における両端のうち第2端側には、芯材側フランジ部が設けられているとともに、一対のスリットが軸方向に沿って形成されており、
この一対のスリットの間の部分には、径方向外側に突出する操作部が設けられているとともに、径方向外側に突出する第1係合部が設けられており、
前記第1係合部は、軸方向において、前記操作部よりも前記第1端側に設けられており、
前記スリーブの内壁には、径方向内側に突出し、前記第1係合部と係合可能な被係合部が設けられており、
前記芯材が前記旋回片の内側に配置された状態において、前記第1係合部は被係合部に対して係合するとともに、前記操作部及び前記芯材側フランジ部は、前記スリーブの第2端に係合して、前記スリーブに対する前記芯材の軸方向の移動を規制する請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のリベット。 - 前記芯材の外周面であって、軸方向において前記第1係合部よりも第1端側には、径方向外側に突出し、前記被係合部と係合可能に構成された第2係合部が設けられている請求項7に記載のリベット。
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