JP3232390U - ストーブ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼効率の良いストーブを提供する。【解決手段】ストーブ1は、上下方向に貫通した空気流通路221と、空気流通路221の外周周りに配置されて上方を開放させた燃料保持部11と、燃料保持部11の外周周りに配置され、下方に吸液部411を有し上方に揮発部421を有して内部に吸液性部材3を配置した吸液路12と、を備える。これにより、外側及び内側から空気を供給して二重円状に燃焼反応を起こすことができるため、比較的均等に分布した炎6を発生させ、不完全燃焼を低減して高温の熱源として利用できる。【選択図】図3

Description

本考案は、ストーブに関する。
従来から、アルコールによる液体燃料を燃焼して熱源として使用可能なストーブが提案されている。例えば、特許文献1のストーブは、内部にアルコールを保持するカップ形状のアウター部材と、アウター部材の内部に配置される円環形状のミドル部材と、ミドル部材の内部に挿入される円筒形状のインナー部材と、を備えており、アウター部材とインナー部材との間で気化したアルコールをインナー部材の上端面に設けた複数の孔から噴出させて、アルコールを燃焼可能としている。
実用新案登録第3198052号公報
エタノールの燃焼では酸素の供給が不十分であると不完全燃焼となり一酸化炭素の発生や燃焼温度が上がらない等の不都合が生じる。特許文献1のような構成では、空気中の酸素が主にインナー部材の上端面の孔から噴出されたアルコールとの燃焼で消費され、ストーブの中央側から揮発したアルコールが十分に燃焼されない場合がある。
本考案は、燃焼効率の良いストーブを提供することを目的とする。
本考案に係るストーブは、上下方向に貫通した空気流通路と、前記空気流通路の外周周りに配置されて上方を開放させた燃料保持部と、前記燃料保持部の外周周りに配置され、下方に吸液部を有し上方に揮発部を有して内部に吸液性部材を配置した吸液路と、を備える。
本考案によると、燃焼効率の良いストーブを提供することができる。
本考案に係るストーブの斜視図であり、(a)は平面側から見た斜視図を示し、(b)は裏面側から見た斜視図を示す。 本考案に係る火力調整部材を含むストーブの分解斜視図である。 本考案に係る図1(a)に示したストーブのIII−III断面位置における断面図であり、(a)はストーブを揮発部及び開口から揮発した燃料により燃焼させる様子を示し、(b)はストーブを開口から揮発した燃料により燃焼させる様子を示す。
以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。図1(a)及び図1(b)に示すストーブ1は、片手で持ち運び携帯可能な程度の大きさで形成され、アルコール等の揮発性の液体の燃料Fを燃焼させて暖房器具や調理器具として使用することができる。なお、以下のストーブ1の説明において図1(a)の上側を上、下側を下として説明する。
ストーブ1は軸Qに対し対称に形成され、全体形状が空気流通路221を中空部とした円筒状に形成される。図2の分解斜視図に示すように、ストーブ1は、アウター部材2、吸液性部材3及びインナー部材4を備える。アウター部材2は、円形環状の底板21と、底板21の中央に位置する開口部の内縁から上方へ立設する円筒状の内壁22と、底板21の外周縁から上方に立設する円筒状の外壁23とを有する。内壁22と外壁23とは軸Q周りに同軸に形成される。また、外壁23は内壁22と略同じ高さで形成される(図3(a)も参照)。内壁22の内側には、アウター部材2を上下方向に貫通した開口である空気流通路221が形成される。
また、アウター部材2の底板21の外周縁には、下方に延設される脚部24が接続されている。脚部24は、外壁23よりも短尺で僅かに大径の円筒状に形成される。また、脚部24には軸Q周りに等間隔に配置された複数の円形の開口部である吸気口241が形成される。従って、脚部24により載置面に載置されたストーブ1の底板21の下方には、空気を流通可能な空間(空気流通路13)が設けられる(図3(a)参照)。
吸液性部材3は、短尺な円環状に形成され、毛細管現象により液体の燃料Fを吸液可能に構成される。なお、本実施形態の吸液性部材3は、カーボンフェルトを用いているが、布、紙、金属(例えば、スチール)、ガラス等のその他の材質による繊維状のフェルト、多孔質部材(例えば、多孔質セラミックス、多孔質金属)、その他の毛細管現象等により吸液可能な構造の部材を用いてもよい。
インナー部材4は、略円筒状の中壁41と、中壁41の上縁から軸Qに対してフランジ状に外径方向に突出した円環板状の天板部42とを有する。天板部42は、インナー部材4をアウター部材2の内部に収容させた場合に、アウター部材2の外壁23とインナー部材4の中壁41の上方を覆うように配置される。図3(a)に示すように、天板部42の外周縁の径は、アウター部材2の外壁23の外径と略同じである。また、図2等に示すように、インナー部材4の中壁41の下端部には、U字状に切り欠かれた開口である吸液部411が設けられる。吸液部411は、空気流通路221に対する外周周りに等間隔で間欠的に複数配置される。
また、天板部42には、揮発部421が設けられる。揮発部421は、空気流通路221に対する外周周りに等間隔で間欠的に複数配置された開口である。揮発部421は、天板部42の幅の1/2以下程度に小さい内径で開口している。
また、図2に示す火力調整部材5は、アウター部材2の外壁23よりもやや大径の円筒状の係合壁51と、係合壁51の上端から内径を縮小するように内側に突出した円環板状の被覆部52とを有する。
ここで、アウター部材2、吸液性部材3及びインナー部材4を組み立て状態について説明する。図3(a)に示すように、吸液性部材3は、アウター部材2の底板21の上面に配置される。吸液性部材3の外周面は、アウター部材2の外壁23の内周面と略当接している。また、アウター部材2に配置された吸液性部材3の上端部と、アウター部材2の外壁23の上端部とは略同じ高さ位置に配置される。
インナー部材4は、下端412が底板21と当接し、天板部42の下面が外壁23の上端と当接して、アウター部材2の内側に収容される。これにより、空気流通路221の外周周りに配置され、上方を開放させた燃料保持部11が形成される。燃料保持部11は、中壁41と、空気流通路221を囲う環状の内壁22とにより囲われて環状に形成される。燃料保持部11には、液体の燃料Fであるアルコールを供給して貯留させることができる。
また、燃料保持部11の外周周りには、内部に吸液性部材3を配置した吸液路12が形成される。吸液路12は、環状の外壁23と、外壁23よりも内側に位置する環状の中壁41とにより囲われて環状に形成される。吸液路12は、下方に吸液部411を有し、上方に揮発部421を有する。
燃料保持部11に供給された燃料Fの一部は、燃料保持部11の上方の円環状の開口111から外部へ揮発する。また、燃料保持部11に供給された燃料Fの他の一部は、吸液部411から吸液性部材3に吸収されて、吸液性部材3の上端側まで吸い上げられる。吸液性部材3に吸い上げられた燃料Fは、吸液路12内において空気と接触する表面積が大きいため容易に気化して揮発部421から上方外部へ揮発する。また、吸液性部材3を用いることで外気が低い(例えば、氷点下)場合であっても、燃料Fを容易に気化させることができる。
燃料保持部11に燃料Fを補充した後、ストーブ1の上方(開口111の上方)にライター等で点火した火を近づけると、開口111又は揮発部421から揮発する燃料Fが空気中の酸素と反応して継続して燃焼する。揮発部421から揮発する燃料Fは、主に、ストーブ1の外壁23の外周側から供給される空気と反応して燃焼する。一方、開口111から揮発する燃料Fは、主に、空気流通路221から供給された空気と反応して燃焼する。従って、開口111から揮発した燃料Fの燃焼反応は、図3(a)に示すように、主に空気流通路221側で発生される。このため、ストーブ1の上方には、平面視すると、二重円状に燃焼反応が起こり、ストーブ1の上方に比較的均等に分布した熱源である炎6を発生させることができる。
また、ストーブ1は、燃料保持部11及び吸液路12の底板21に接続される脚部24により、任意の載置面Tに載置することができる。これにより、ストーブ1は、底板21の下方に位置する載置面Tとの間の空間に、円形状の空気流通路13を形成する。従って、開口111の上方で燃焼が起こると、チムニー効果(又は煙突効果)によって空気流通路221内を含む軸Q上の空気が上昇し、空気流通路13内の空気も空気流通路221側へ移動する。ストーブ1の外部からは、複数の吸気口241を介して空気流通路13内に新たな空気が順次供給される。従って、ストーブ1は、軸Q側からも空気を供給して、不完全燃焼を低減し、火力の高い(高温)炎6を生じさせることができる。
また、燃料Fが消費され、燃料保持部11内の燃料Fの水位が下がってきた場合、ストーブ1内の燃料Fは主に吸液性部材3内に保持されることとなるが、揮発部421により揮発量が制御されるため、安定した火力で長い時間燃焼が継続される。燃料Fが残っているうちに、炎6は、ストーブ1の開口111と天板部42を被覆するように板部材等を被せることで、燃料Fの揮発及び供給される空気を遮断させて消すことができる。
このように、ストーブ1は、外側及び内側から空気を供給して二重円状に燃焼反応を起こすことができるため、比較的均等に分布した炎6を発生させ、不完全燃焼を低減して高温の熱源として用いることができる。
次に、図3(b)を参照して火力調整部材5の使用例について説明する。火力調整部材5は、ストーブ1に装着させると、係合壁51が外壁23の外周面と略摺接するように係合して軸Qに垂直な方向への移動が規制される。また、火力調整部材5は、係合壁51と段部25が当接することにより下端が支持される。火力調整部材5がストーブ1に装着された状態では、被覆部52が天板部42からやや離間した状態で揮発部421を被覆する。
従って、火力調整部材5を使用することにより揮発部421から揮発する燃料Fと外部からの空気の供給を停止させて、揮発部421における燃焼反応を停止させることができる。一方で、開口111から揮発する燃料Fは、チムニー効果(又は煙突効果)によって、空気流通路221から効率よく空気が供給され、主に、空気流通路221側で燃焼反応が起こる。このため、ストーブ1の上方には、平面視すると、円状に燃焼反応が起こり、ストーブ1の上方に火力調整部材5を使用しない状態に比べて全体の火力が弱い炎6を生じさせることができる。
本発明は各実施形態により限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、本実施形態では、脚部24を円筒状に設けたが、複数の棒体を含む構造により構成してもよい。
また、空気流通路221が設けられる上下方向には、ストーブ1を載置した場合の鉛直方向(即ち、底板21に対して垂直な軸Q方向)だけでなく、軸Qに対してやや傾斜した上下方向も含む。
1 ストーブ 2 アウター部材
3 吸液性部材 4 インナー部材
5 火力調整部材 6 炎
11 燃料保持部 12 吸液路
13 空気流通路 21 底板
22 内壁 23 外壁
24 脚部 25 段部
41 中壁 42 天板部
51 係合壁 52 被覆部
111 開口 221 空気流通路
241 吸気口 411 吸液部
412 下端 421 揮発部
F 燃料 Q 軸
T 載置面

Claims (6)

  1. 上下方向に貫通した空気流通路と、
    前記空気流通路の外周周りに配置されて上方を開放させた燃料保持部と、
    前記燃料保持部の外周周りに配置され、下方に吸液部を有し上方に揮発部を有して内部に吸液性部材を配置した吸液路と、
    を備えることを特徴とするストーブ。
  2. 前記吸液路は、環状の外壁と、前記外壁よりも内側に位置する環状の中壁とにより囲われて環状に形成され、
    前記吸液部は、前記中壁に設けられた開口であり、
    前記揮発部は、前記中壁及び前記外壁の上方を覆う天板部に設けられた開口である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のストーブ。
  3. 前記燃料保持部は、前記中壁と、前記空気流通路を囲う環状の内壁とにより囲われて環状に形成され、
    前記吸液部は、前記空気流通路に対する外周周りに複数配置される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のストーブ。
  4. 前記揮発部は、前記空気流通路に対する外周周りに複数配置された開口であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のストーブ。
  5. 前記燃料保持部及び前記吸液路の環状の底板には、前記底板の下方に空間を設ける脚部が接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のストーブ。
  6. 前記吸液性部材は、カーボンフェルトであり、
    前記燃料保持部に供給される燃料はアルコールである、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のストーブ。
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