JP3231798B2 - 絞り・しごき加工装置および潤滑・冷却方法 - Google Patents
絞り・しごき加工装置および潤滑・冷却方法Info
- Publication number
- JP3231798B2 JP3231798B2 JP04826991A JP4826991A JP3231798B2 JP 3231798 B2 JP3231798 B2 JP 3231798B2 JP 04826991 A JP04826991 A JP 04826991A JP 4826991 A JP4826991 A JP 4826991A JP 3231798 B2 JP3231798 B2 JP 3231798B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lubricant
- ring
- coolant
- dispersion
- ironing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
Description
【0001】本発明は、被加工材を絞り加工または絞り
・しごき加工する装置および方法に関し、より詳しく
は、被加工材をしごき用のリングまたはダイの中で加工
している際に、被加工材としごき用リングまたはダイと
を潤滑および冷却する装置および方法に関する。炭酸飲
料用の缶を製造する基本的な方法は、円形金属素板(ブ
ランク)の絞り加工およびしごき加工である。缶製造の
典型的な工程では、打ち抜き加工によって得られた素板
(ブランク)を浅いカップ状に絞った後、このカップを
2個以上のしごき用ダイの中を押し通して側壁を薄くし
且つ伸ばす。通常、素板を先ず絞り加工用プレス機でカ
ップ状にし、これを、一般に缶体成形機(ボデーメーカ
ー)と呼ばれる再絞りおよびしごき加工用プレスで再絞
りおよびしごき加工する。
・しごき加工する装置および方法に関し、より詳しく
は、被加工材をしごき用のリングまたはダイの中で加工
している際に、被加工材としごき用リングまたはダイと
を潤滑および冷却する装置および方法に関する。炭酸飲
料用の缶を製造する基本的な方法は、円形金属素板(ブ
ランク)の絞り加工およびしごき加工である。缶製造の
典型的な工程では、打ち抜き加工によって得られた素板
(ブランク)を浅いカップ状に絞った後、このカップを
2個以上のしごき用ダイの中を押し通して側壁を薄くし
且つ伸ばす。通常、素板を先ず絞り加工用プレス機でカ
ップ状にし、これを、一般に缶体成形機(ボデーメーカ
ー)と呼ばれる再絞りおよびしごき加工用プレスで再絞
りおよびしごき加工する。
【0002】カップの側壁を薄くし且つ伸ばすしごき加
工においては、2個以上のしごき加工用リングまたはダ
イの中を通過する金属が強加工を受ける。市場で要求さ
れる多量の缶を経済的に製造するために、缶体成形機は
非常に高速で作動する。このような高速の強加工によっ
て被加工材および工具に発生する熱量を低減しすると共
に、ごき加工用リングとの摩擦で側壁に発生する応力を
低減するために、工具と被加工材とに潤滑および冷却剤
を浴びせるあるいは前者を後者に浸すことが必要であ
る。適正な潤滑および冷却がなされないと、被加工材に
ゆがみが発生したり破壊したりするばかりでなく、工具
が(例えば被加工材からの)金属転着によって損傷を受
けることになる。
工においては、2個以上のしごき加工用リングまたはダ
イの中を通過する金属が強加工を受ける。市場で要求さ
れる多量の缶を経済的に製造するために、缶体成形機は
非常に高速で作動する。このような高速の強加工によっ
て被加工材および工具に発生する熱量を低減しすると共
に、ごき加工用リングとの摩擦で側壁に発生する応力を
低減するために、工具と被加工材とに潤滑および冷却剤
を浴びせるあるいは前者を後者に浸すことが必要であ
る。適正な潤滑および冷却がなされないと、被加工材に
ゆがみが発生したり破壊したりするばかりでなく、工具
が(例えば被加工材からの)金属転着によって損傷を受
けることになる。
【0003】従来、被加工材および工具を潤滑剤および
冷却剤の混合物で冷却且つ潤滑するために、工具および
被加工材に潤滑剤を供給する方法が種々行われている。
Paramanoffの米国特許第3,735,629号およびMa
inの米国特許第4,223,544号には、絞り・しご
き加工用プレスに潤滑剤および冷却剤を供給するための
装置が全体としてまたは部分的に開示されている。
冷却剤の混合物で冷却且つ潤滑するために、工具および
被加工材に潤滑剤を供給する方法が種々行われている。
Paramanoffの米国特許第3,735,629号およびMa
inの米国特許第4,223,544号には、絞り・しご
き加工用プレスに潤滑剤および冷却剤を供給するための
装置が全体としてまたは部分的に開示されている。
【0004】上記従来技術では、缶体成形機の潤滑のた
めに有効な装置が提供されてはいるが、生産性、廃棄物
の処置、缶の洗浄コスト、缶の品質、缶詰製品の香りの
面で問題が残されている。そのため、金属製品の絞り加
工およびしごき加工用の潤滑および冷却の方法および装
置を改良する必要があった。
めに有効な装置が提供されてはいるが、生産性、廃棄物
の処置、缶の洗浄コスト、缶の品質、缶詰製品の香りの
面で問題が残されている。そのため、金属製品の絞り加
工およびしごき加工用の潤滑および冷却の方法および装
置を改良する必要があった。
【0005】本発明は、端部が閉じた中空体を形成する
際に、冷却剤中に潤滑剤を「分散」させて被加工材およ
び工具に供給する装置および方法を提供する。本発明に
よれば、金属/工具界面に供給する前に、潤滑剤として
の液相(潤滑剤液相)を冷却剤としての液相(冷却剤液
相)に注入して「分散物」を形成する。潤滑剤を、乳濁
液(エマルジョン)の形ではなく、冷却剤液相中に分散
させた形で供給することにより幾つかの利点がもたらさ
れる。潤滑剤の量および潤滑剤注入の時間を変えること
により、潤滑性そして摩擦を制御できる。本発明は、し
ごき加工用ダイには高潤滑性(低摩擦)を、パンチ表面
には低潤滑性(高摩擦)を同時に且つ適正な時期に付与
することにより、しごき加工において異なる摩擦状態を
生起できる。端部閉鎖型中空容器の製造に用いられる個
々の金属成形プロセスについて潤滑性と冷却を制御でき
る。潤滑剤と冷却剤とは使用後に分離され、潤滑剤は濾
過により異物を除去してから貯蔵され、そしてまたその
プロセスの潤滑用に再注入される。
際に、冷却剤中に潤滑剤を「分散」させて被加工材およ
び工具に供給する装置および方法を提供する。本発明に
よれば、金属/工具界面に供給する前に、潤滑剤として
の液相(潤滑剤液相)を冷却剤としての液相(冷却剤液
相)に注入して「分散物」を形成する。潤滑剤を、乳濁
液(エマルジョン)の形ではなく、冷却剤液相中に分散
させた形で供給することにより幾つかの利点がもたらさ
れる。潤滑剤の量および潤滑剤注入の時間を変えること
により、潤滑性そして摩擦を制御できる。本発明は、し
ごき加工用ダイには高潤滑性(低摩擦)を、パンチ表面
には低潤滑性(高摩擦)を同時に且つ適正な時期に付与
することにより、しごき加工において異なる摩擦状態を
生起できる。端部閉鎖型中空容器の製造に用いられる個
々の金属成形プロセスについて潤滑性と冷却を制御でき
る。潤滑剤と冷却剤とは使用後に分離され、潤滑剤は濾
過により異物を除去してから貯蔵され、そしてまたその
プロセスの潤滑用に再注入される。
【0006】本発明の目的の一つは、乳化された潤滑剤
を使用する技術よりも効果的且つ低コストで端部閉鎖型
中空体の成形中に被加工材および工具の潤滑および冷却
を行う技術を提供することである。本発明のもう一つの
目的は、低い潤滑剤濃度で潤滑を行い、缶に付着して持
ち去られる潤滑剤の量を低減し、洗浄コストおよび潤滑
剤コストを低減し、且つ環境汚染コストをも低減するこ
とである。
を使用する技術よりも効果的且つ低コストで端部閉鎖型
中空体の成形中に被加工材および工具の潤滑および冷却
を行う技術を提供することである。本発明のもう一つの
目的は、低い潤滑剤濃度で潤滑を行い、缶に付着して持
ち去られる潤滑剤の量を低減し、洗浄コストおよび潤滑
剤コストを低減し、且つ環境汚染コストをも低減するこ
とである。
【0007】本発明のもう一つの目的は、直接的な分析
および調合により化学的組成が安定に維持され且つ実質
的に無限のバッチ寿命を持つ潤滑剤液相を提供すること
である。本発明の更にもう一つの目的は、成形用潤滑剤
中に化学的な乳化剤を添加する必要をなくすることによ
り環境問題を低減し、且つ成形用と同じ潤滑剤を成形装
置の機械系統の歯車および液圧系統の潤滑にも使用でき
るようにすることである。
および調合により化学的組成が安定に維持され且つ実質
的に無限のバッチ寿命を持つ潤滑剤液相を提供すること
である。本発明の更にもう一つの目的は、成形用潤滑剤
中に化学的な乳化剤を添加する必要をなくすることによ
り環境問題を低減し、且つ成形用と同じ潤滑剤を成形装
置の機械系統の歯車および液圧系統の潤滑にも使用でき
るようにすることである。
【0008】本発明のもう一つの目的は、分散潤滑剤を
扱い維持するための、そして分散潤滑剤を被加工材およ
び工具に適正に供給するための装置を提供することであ
る。本発明のもう一つの目的は、(1)被加工材/しご
き加工用ダイ間と(2)被加工材/パンチ間とについ
て、異なる潤滑性を付与することである。上記およびそ
の他の目的および利点は、以下に添付図面を参照して行
う説明により明らかにする。
扱い維持するための、そして分散潤滑剤を被加工材およ
び工具に適正に供給するための装置を提供することであ
る。本発明のもう一つの目的は、(1)被加工材/しご
き加工用ダイ間と(2)被加工材/パンチ間とについ
て、異なる潤滑性を付与することである。上記およびそ
の他の目的および利点は、以下に添付図面を参照して行
う説明により明らかにする。
【0009】本発明は、「分散物」潤滑を用いて潤滑お
よび冷却を行うことにより、鉱油乳濁液または合成油乳
濁液を配合した潤滑剤あるいは水溶性タイプの合成油に
対して著しい利点が得られる装置および方法を提供す
る。潤滑剤と、水または水ベースの冷却剤のような冷却
剤とを組み合わせて乳濁液ではない別個の「分散物」と
することにより、全く違う潤滑剤/冷却剤混合物が得ら
れる。乳濁液を作成する場合、乳化剤として知られてい
る界面活性化学物質により、非常に小さい(大部分が3
μm以下の)潤滑剤液相の粒滴が形成され、安定な化学
的乳濁液が生成される。本発明において潤滑剤の「分散
物」を形成するには、潤滑剤を水性冷却剤中に「機械的
に」分散させる。すなわち、例えば噴霧装置(アトマイ
ザー)のようなノズルから潤滑剤を水中に注入して、直
径約40〜50μm程度の粒滴を形成する。乳濁液の特
徴は、化学的に安定であり、相互に密接に関係する変更
不能な冷却能および潤滑能を有することである。これに
対して、本発明の分散物の潤滑剤液相は、化学組成的に
乳化剤なしに配合され、冷却剤と機械的に混合あるいは
調合された状態で不安定である。そのため、潤滑剤液相
が被加工材/成形工具界面に直ちに供給される。潤滑性
を迅速に付与するこの作用は、冷却剤中の潤滑剤液相の
濃度を乳濁液に比べて低くすることにより得られる。
よび冷却を行うことにより、鉱油乳濁液または合成油乳
濁液を配合した潤滑剤あるいは水溶性タイプの合成油に
対して著しい利点が得られる装置および方法を提供す
る。潤滑剤と、水または水ベースの冷却剤のような冷却
剤とを組み合わせて乳濁液ではない別個の「分散物」と
することにより、全く違う潤滑剤/冷却剤混合物が得ら
れる。乳濁液を作成する場合、乳化剤として知られてい
る界面活性化学物質により、非常に小さい(大部分が3
μm以下の)潤滑剤液相の粒滴が形成され、安定な化学
的乳濁液が生成される。本発明において潤滑剤の「分散
物」を形成するには、潤滑剤を水性冷却剤中に「機械的
に」分散させる。すなわち、例えば噴霧装置(アトマイ
ザー)のようなノズルから潤滑剤を水中に注入して、直
径約40〜50μm程度の粒滴を形成する。乳濁液の特
徴は、化学的に安定であり、相互に密接に関係する変更
不能な冷却能および潤滑能を有することである。これに
対して、本発明の分散物の潤滑剤液相は、化学組成的に
乳化剤なしに配合され、冷却剤と機械的に混合あるいは
調合された状態で不安定である。そのため、潤滑剤液相
が被加工材/成形工具界面に直ちに供給される。潤滑性
を迅速に付与するこの作用は、冷却剤中の潤滑剤液相の
濃度を乳濁液に比べて低くすることにより得られる。
【0010】分散物を用いることにより、絞りおよびし
ごき加工プロセスに必要な冷却および潤滑をそれぞれ相
互に独立して制御できるという特異な効果が得られる。
冷却の制御は、適正な流量、温度制御、および安定且つ
均一な供給により行われる。潤滑性の制御は、潤滑剤組
成を適正化することと、この潤滑剤液相を取扱い、濾過
し、再供給するために設備を適正に修正することにより
行われる。
ごき加工プロセスに必要な冷却および潤滑をそれぞれ相
互に独立して制御できるという特異な効果が得られる。
冷却の制御は、適正な流量、温度制御、および安定且つ
均一な供給により行われる。潤滑性の制御は、潤滑剤組
成を適正化することと、この潤滑剤液相を取扱い、濾過
し、再供給するために設備を適正に修正することにより
行われる。
【0011】潤滑剤液相の化学組成は、冷却剤液相と混
合あるいは調合された状態で非常に不安定になるように
配合される。これにより、潤滑剤液相を被加工材/成形
工具界面に非常に効果的且つ迅速に作用させることがで
きる。この潤滑性は、冷却剤中の潤滑剤濃度を乳濁液よ
りも非常に低くすることにより達成される(すなわち、
分散物の場合は水に対して0.2〜0.6%の体積の潤
滑剤であるが、乳濁液の場合は4.0〜6.0%であ
る)。
合あるいは調合された状態で非常に不安定になるように
配合される。これにより、潤滑剤液相を被加工材/成形
工具界面に非常に効果的且つ迅速に作用させることがで
きる。この潤滑性は、冷却剤中の潤滑剤濃度を乳濁液よ
りも非常に低くすることにより達成される(すなわち、
分散物の場合は水に対して0.2〜0.6%の体積の潤
滑剤であるが、乳濁液の場合は4.0〜6.0%であ
る)。
【0012】冷却剤と潤滑剤との混合は、金属/工具界
面への供給の直前に(距離の上で)、潤滑剤液相を冷却
剤液相中に注入することにより行う。潤滑剤の注入量お
よび時期を制御することにより、潤滑性を制御でき且つ
望み通りにほぼ瞬間的に変えることができる。これによ
り、パンチ表面としごき加工用リング表面とで異なる潤
滑性または摩擦状態を得ることができる。このことはし
ごき変形において非常に重要な要素である。
面への供給の直前に(距離の上で)、潤滑剤液相を冷却
剤液相中に注入することにより行う。潤滑剤の注入量お
よび時期を制御することにより、潤滑性を制御でき且つ
望み通りにほぼ瞬間的に変えることができる。これによ
り、パンチ表面としごき加工用リング表面とで異なる潤
滑性または摩擦状態を得ることができる。このことはし
ごき変形において非常に重要な要素である。
【0013】本発明の装置および方法では、しごき加工
用の冷却剤および潤滑剤の両方の機能を持った1種類の
液流を連続的に配送するために設計されている市販の潤
滑剤スプレーリングは用いない。缶の絞り加工およびし
ごき加工のようなプロセス用の潤滑剤および冷却剤供給
用円形スプレーリングは、典型的には同心円状のリング
および溝を一つだけ持っており、乳濁液タイプまたは水
溶性タイプの潤滑剤を供給するためには適している。こ
の種のスプレーリングは、液自体が均一溶液の乳濁液で
ある場合には、潤滑剤および冷却剤を安定且つ均一に供
給および配分することができる。乳濁液は、油の粒滴ま
たは合成油のような均一な水溶性潤滑剤が化学的に制御
され均一に分布している。
用の冷却剤および潤滑剤の両方の機能を持った1種類の
液流を連続的に配送するために設計されている市販の潤
滑剤スプレーリングは用いない。缶の絞り加工およびし
ごき加工のようなプロセス用の潤滑剤および冷却剤供給
用円形スプレーリングは、典型的には同心円状のリング
および溝を一つだけ持っており、乳濁液タイプまたは水
溶性タイプの潤滑剤を供給するためには適している。こ
の種のスプレーリングは、液自体が均一溶液の乳濁液で
ある場合には、潤滑剤および冷却剤を安定且つ均一に供
給および配分することができる。乳濁液は、油の粒滴ま
たは合成油のような均一な水溶性潤滑剤が化学的に制御
され均一に分布している。
【0014】本発明で用いる潤滑剤は、潤滑剤を潤滑剤
スプレーリングから冷却剤流中に噴霧あるいは注入して
分散させたものである。潤滑剤を分散させた液体の場合
および付加的な潤滑剤が冷却剤流中に間欠的に且つ所定
時期に噴霧・注入される場合には、従来のスプレーリン
グでは適正な機能を果たすことができない。冷却剤流内
の噴霧・注入された潤滑剤部分が、リングの溝全周に同
時に且つ適正な時期に到達しなければならない。
スプレーリングから冷却剤流中に噴霧あるいは注入して
分散させたものである。潤滑剤を分散させた液体の場合
および付加的な潤滑剤が冷却剤流中に間欠的に且つ所定
時期に噴霧・注入される場合には、従来のスプレーリン
グでは適正な機能を果たすことができない。冷却剤流内
の噴霧・注入された潤滑剤部分が、リングの溝全周に同
時に且つ適正な時期に到達しなければならない。
【0015】本発明の装置および方法では二つのタイプ
のスプレーリングを用いており、両タイプとも冷却剤液
相と潤滑剤液相とを分離しておくようになっており、ま
た正確な時期に制御して潤滑剤相を被加工材に供給する
ようになっている。絞り・しごき加工缶成形プロセスお
よび同様な成形プロセスを行う従来の装置および方法で
用いられる潤滑剤および冷却剤としては、水性油(乳濁
液)、合成油(乳濁液および完全に水溶性のもの)、お
よび設備保守のために用いられる機械装置および液圧装
置用潤滑剤がある。これらの潤滑剤は非常に多様な組み
合わせで使用されており、プロセス全体に影響を及ぼ
し、知られているような不安定および制御不能な状態を
発生させる。このような状態は、金属の変形、生産性、
缶品質、洗浄効率、環境汚染問題、および望ましくない
コストという問題の原因になる。乳濁液および水溶性合
成油は、化学的に安定に且つ相互に密接に関連した変更
不能の冷却能および潤滑能が得られるように配合され維
持されている。潤滑性は変化せずまた短時間で変えるこ
ともできない。
のスプレーリングを用いており、両タイプとも冷却剤液
相と潤滑剤液相とを分離しておくようになっており、ま
た正確な時期に制御して潤滑剤相を被加工材に供給する
ようになっている。絞り・しごき加工缶成形プロセスお
よび同様な成形プロセスを行う従来の装置および方法で
用いられる潤滑剤および冷却剤としては、水性油(乳濁
液)、合成油(乳濁液および完全に水溶性のもの)、お
よび設備保守のために用いられる機械装置および液圧装
置用潤滑剤がある。これらの潤滑剤は非常に多様な組み
合わせで使用されており、プロセス全体に影響を及ぼ
し、知られているような不安定および制御不能な状態を
発生させる。このような状態は、金属の変形、生産性、
缶品質、洗浄効率、環境汚染問題、および望ましくない
コストという問題の原因になる。乳濁液および水溶性合
成油は、化学的に安定に且つ相互に密接に関連した変更
不能の冷却能および潤滑能が得られるように配合され維
持されている。潤滑性は変化せずまた短時間で変えるこ
ともできない。
【0016】本発明に用いる潤滑剤は化学的乳濁液なし
に配合されており、冷却剤あるいは水中に機械的に分散
させたものとして被加工材に供給される。配合組成中に
乳化剤を含まない潤滑剤は冷却剤流中に注入された際に
不安定であるため、潤滑剤液相が被加工材/工具界面に
直ちに作用できる。冷却剤中に分散した状態で潤滑剤を
供給することにより、潤滑剤注入の量および時期を制御
することができ、その結果潤滑性そして摩擦を制御する
ことが可能になり、更にこのことを利用して、被加工材
/しごき加工用ダイ間を低摩擦状態に且つ被加工材/パ
ンチ表面間を高摩擦状態にすることができる。本発明
は、冷却剤中の潤滑剤濃度を乳濁潤滑剤よりも著しく低
くして、適正な潤滑特性を得ることができる(すなわ
ち、乳濁液の場合の4.0〜6.0%に対して本発明で
は0.2〜0.6%である)。更に、乳化剤なしに配合
した本発明の潤滑剤は機械装置および液圧装置用潤滑剤
として用いることができるので、プロセスを汚染する大
きな要因が除かれる。プロセス設備内に本発明の潤滑剤
が漏洩しあるいはこれを用いても、プロセスと完全に適
合でき、正常に調合した潤滑剤の一部として利用するこ
とができる。
に配合されており、冷却剤あるいは水中に機械的に分散
させたものとして被加工材に供給される。配合組成中に
乳化剤を含まない潤滑剤は冷却剤流中に注入された際に
不安定であるため、潤滑剤液相が被加工材/工具界面に
直ちに作用できる。冷却剤中に分散した状態で潤滑剤を
供給することにより、潤滑剤注入の量および時期を制御
することができ、その結果潤滑性そして摩擦を制御する
ことが可能になり、更にこのことを利用して、被加工材
/しごき加工用ダイ間を低摩擦状態に且つ被加工材/パ
ンチ表面間を高摩擦状態にすることができる。本発明
は、冷却剤中の潤滑剤濃度を乳濁潤滑剤よりも著しく低
くして、適正な潤滑特性を得ることができる(すなわ
ち、乳濁液の場合の4.0〜6.0%に対して本発明で
は0.2〜0.6%である)。更に、乳化剤なしに配合
した本発明の潤滑剤は機械装置および液圧装置用潤滑剤
として用いることができるので、プロセスを汚染する大
きな要因が除かれる。プロセス設備内に本発明の潤滑剤
が漏洩しあるいはこれを用いても、プロセスと完全に適
合でき、正常に調合した潤滑剤の一部として利用するこ
とができる。
【0017】潤滑剤および冷却剤の分散物が被加工材に
供給され使用された後、潤滑剤液相を冷却剤液相から分
離し、濾過して摩損金属の異物を除去してから貯蔵し、
必要に応じて再注入して被加工材に供給する。潤滑剤液
相は、被加工材から摩損異物を洗い流して濾過器まで搬
送し、異物がここで効果的に除去されるので、ほぼ新鮮
な潤滑剤として被加工材へ返送される。缶は光沢が良く
且つ欠陥も少なく、表面品質が著しく向上する。
供給され使用された後、潤滑剤液相を冷却剤液相から分
離し、濾過して摩損金属の異物を除去してから貯蔵し、
必要に応じて再注入して被加工材に供給する。潤滑剤液
相は、被加工材から摩損異物を洗い流して濾過器まで搬
送し、異物がここで効果的に除去されるので、ほぼ新鮮
な潤滑剤として被加工材へ返送される。缶は光沢が良く
且つ欠陥も少なく、表面品質が著しく向上する。
【0018】乳濁液よりも少ない比率で潤滑剤が注入さ
れるので、成形された缶に付着して洗浄機まで運ばれる
潤滑剤量が低減する。潤滑剤が化学的に乳化されていな
いので、潤滑剤液相は洗浄機およびプラント排出液から
容易に抽出され、凝集させればその同じプロセスで再使
用できる。潤滑剤が化学的に乳化されていないので、液
圧装置および機械装置の機械油としても使用でき、した
がって従来の乳濁液のように設備用潤滑剤に対する汚染
源にならない。
れるので、成形された缶に付着して洗浄機まで運ばれる
潤滑剤量が低減する。潤滑剤が化学的に乳化されていな
いので、潤滑剤液相は洗浄機およびプラント排出液から
容易に抽出され、凝集させればその同じプロセスで再使
用できる。潤滑剤が化学的に乳化されていないので、液
圧装置および機械装置の機械油としても使用でき、した
がって従来の乳濁液のように設備用潤滑剤に対する汚染
源にならない。
【0019】本発明によれば、潤滑性を望み通りにほぼ
瞬間的に変化させ制御し、生産工程において正確な時期
に最適な潤滑剤制御を行うことができる。更に、パンチ
としごき加工用リングとに対して異なる潤滑性を付与す
ることができる。これはしごき変形では重要なことであ
る。潤滑剤濃度を低減して所要の潤滑性が得られるの
で、缶に付着して運び出される潤滑剤の量、洗浄コス
ト、および潤滑剤コストが低減する。潤滑剤液相を効果
的に濾過し且つほぼ不変状態に維持することができるの
で、缶品質を向上させ且つ潤滑剤の劣化を低減できる。
化学的分析および調合により潤滑剤液相を化学的に安定
して維持できるので、溜まり内の液寿命をほぼ永久化で
きる。乳濁液では不可能であった潤滑剤および潤滑係数
の制御により生産性および安定性が向上する。潤滑剤は
配合に乳化剤を含まないので、洗浄液およびプラント排
出液から容易に抽出される。潤滑剤は配合に乳化剤を含
まないので、機械装置および液圧装置の潤滑剤として用
いることができる。
瞬間的に変化させ制御し、生産工程において正確な時期
に最適な潤滑剤制御を行うことができる。更に、パンチ
としごき加工用リングとに対して異なる潤滑性を付与す
ることができる。これはしごき変形では重要なことであ
る。潤滑剤濃度を低減して所要の潤滑性が得られるの
で、缶に付着して運び出される潤滑剤の量、洗浄コス
ト、および潤滑剤コストが低減する。潤滑剤液相を効果
的に濾過し且つほぼ不変状態に維持することができるの
で、缶品質を向上させ且つ潤滑剤の劣化を低減できる。
化学的分析および調合により潤滑剤液相を化学的に安定
して維持できるので、溜まり内の液寿命をほぼ永久化で
きる。乳濁液では不可能であった潤滑剤および潤滑係数
の制御により生産性および安定性が向上する。潤滑剤は
配合に乳化剤を含まないので、洗浄液およびプラント排
出液から容易に抽出される。潤滑剤は配合に乳化剤を含
まないので、機械装置および液圧装置の潤滑剤として用
いることができる。
【0020】本発明の絞り加工・しごき加工装置および
方法においては、少量の残留潤滑剤を含む冷却剤液相と
しての冷却水を、しごき加工用リングの直前にあるスプ
レーリングに供給する。潤滑剤液相は、スプレーリング
の直前にある水(液相)供給流路に注入される。選択さ
れた噴霧ノズルから潤滑剤を水中に注入するが、その
際、比較的小さい潤滑剤粒滴が均一に(機械的に)水流
中に分散されるような差圧の下で注入を行う。この粒滴
は比較的小さいけれども、化学的に乳化された潤滑剤の
粒滴よりはかなり大きいので、金属被加工材および工具
を非常に速く被覆して必要な潤滑作用を発揮することが
できる。
方法においては、少量の残留潤滑剤を含む冷却剤液相と
しての冷却水を、しごき加工用リングの直前にあるスプ
レーリングに供給する。潤滑剤液相は、スプレーリング
の直前にある水(液相)供給流路に注入される。選択さ
れた噴霧ノズルから潤滑剤を水中に注入するが、その
際、比較的小さい潤滑剤粒滴が均一に(機械的に)水流
中に分散されるような差圧の下で注入を行う。この粒滴
は比較的小さいけれども、化学的に乳化された潤滑剤の
粒滴よりはかなり大きいので、金属被加工材および工具
を非常に速く被覆して必要な潤滑作用を発揮することが
できる。
【0021】使用済の水と潤滑剤液相とは「処理槽」内
で適正に分離される。潤滑剤液相は濾過され、貯蔵さ
れ、そして生産プロセス上の必要レベルに応じて再循環
水中に再注入される。このようにして、潤滑剤液相は制
御可能になり、しごき加工ストローク中の必要時期に必
要位置で間欠的に供給することができる。そしてこの制
御を通して、異なるレベルの摩擦状態を得ることがで
き、パンチは高摩擦状態とし、同時にしごき加工用リン
グは低摩擦状態とすることができる。
で適正に分離される。潤滑剤液相は濾過され、貯蔵さ
れ、そして生産プロセス上の必要レベルに応じて再循環
水中に再注入される。このようにして、潤滑剤液相は制
御可能になり、しごき加工ストローク中の必要時期に必
要位置で間欠的に供給することができる。そしてこの制
御を通して、異なるレベルの摩擦状態を得ることがで
き、パンチは高摩擦状態とし、同時にしごき加工用リン
グは低摩擦状態とすることができる。
【0022】注入される潤滑剤の制御は、選択された噴
霧ノズルに潤滑剤を一定圧力且つ制御された流速で供給
する液圧タイプのポンプ系統と、エンコーダ、高速作動
弁おおよび電気的タイミング制御により各スプレーリン
グのしごき加工ストロークの正確な位置で潤滑剤を注入
する精緻な制御系統とによって行われる。潤滑剤は前進
ストローク中の正確な時期に注入され、戻りストローク
中のパンチ表面には全くあるいは非常に少量しか注入さ
れない。
霧ノズルに潤滑剤を一定圧力且つ制御された流速で供給
する液圧タイプのポンプ系統と、エンコーダ、高速作動
弁おおよび電気的タイミング制御により各スプレーリン
グのしごき加工ストロークの正確な位置で潤滑剤を注入
する精緻な制御系統とによって行われる。潤滑剤は前進
ストローク中の正確な時期に注入され、戻りストローク
中のパンチ表面には全くあるいは非常に少量しか注入さ
れない。
【0023】制御された配送を行う第1のタイプのスプ
レーリング構成(図4に示す)は、一つのリングに二つ
のマニホールド孔と二つの配分溝が設けられている。こ
の二つの環状マニホールドは同様の寸法であってよい。
被加工材への冷却剤供給用と分散潤滑剤供給用にどちら
のマニホールドを用いてもよい。このスプレーリングで
は冷却剤と分散潤滑剤とを別の液流としたので、独立し
て均一に制御した供給を行える。そのために、各液流に
ついて別個に供給ポート、マニホールド、およびスプレ
ー溝もしくは流通孔が設けられている。このスプレーリ
ングのマニホールドの一つは、水ベースの冷却剤流中の
潤滑剤を非常に希薄にしたあるいは最小限の量にした潤
滑剤を連続的に流すためのものである。もう一つのマニ
ホールドは、潤滑剤液相の供給用である。
レーリング構成(図4に示す)は、一つのリングに二つ
のマニホールド孔と二つの配分溝が設けられている。こ
の二つの環状マニホールドは同様の寸法であってよい。
被加工材への冷却剤供給用と分散潤滑剤供給用にどちら
のマニホールドを用いてもよい。このスプレーリングで
は冷却剤と分散潤滑剤とを別の液流としたので、独立し
て均一に制御した供給を行える。そのために、各液流に
ついて別個に供給ポート、マニホールド、およびスプレ
ー溝もしくは流通孔が設けられている。このスプレーリ
ングのマニホールドの一つは、水ベースの冷却剤流中の
潤滑剤を非常に希薄にしたあるいは最小限の量にした潤
滑剤を連続的に流すためのものである。もう一つのマニ
ホールドは、潤滑剤液相の供給用である。
【0024】分散潤滑剤液相は、通常の冷却剤供給のう
ちの制御された流量部分に、潤滑剤を注入用噴霧ノズル
から差圧下(50〜200psi)で注入したものであ
る。この分散潤滑剤液相は典型的には体積濃度で0.5
〜0.75%である。分散潤滑剤液相の供給の制御は、
潤滑剤注入用噴霧ノズルの下流側でスプレーリングのも
う一つのマニホールドの手前にある制御弁によって行わ
れる。二つまたは三つのリングへの各流入口の各々にあ
るこの制御弁は、独立に同期されて正確な時期に開閉
し、しごき加工の前進ストローク中には分散潤滑剤液相
をしごき加工用ダイに供給し、戻りストローク中にはパ
ンチへの供給を停止または低減し、これによりしごき加
工用ダイとパンチとをそれぞれ低摩擦状態および高摩擦
状態にする。
ちの制御された流量部分に、潤滑剤を注入用噴霧ノズル
から差圧下(50〜200psi)で注入したものであ
る。この分散潤滑剤液相は典型的には体積濃度で0.5
〜0.75%である。分散潤滑剤液相の供給の制御は、
潤滑剤注入用噴霧ノズルの下流側でスプレーリングのも
う一つのマニホールドの手前にある制御弁によって行わ
れる。二つまたは三つのリングへの各流入口の各々にあ
るこの制御弁は、独立に同期されて正確な時期に開閉
し、しごき加工の前進ストローク中には分散潤滑剤液相
をしごき加工用ダイに供給し、戻りストローク中にはパ
ンチへの供給を停止または低減し、これによりしごき加
工用ダイとパンチとをそれぞれ低摩擦状態および高摩擦
状態にする。
【0025】第2のスプレーリング構成(図5に示す)
は、一つのマニホールド孔および配分溝と、配分マニホ
ールド内に特別に設けた挿入体を有する。この特別なマ
ニホールドおよび挿入体により、多数のポートから供給
配分溝までの流れ経路の長さを等しくすることができ
る。図7および図8に示した10個のポートの各々につ
いて流れ経路の長さを等しくするには、特別な小さい挿
入ダムと孔開けして形成した流通孔とを組み合わせて用
いることにより、液流を一つの挿入溝から次の単位に導
いて10個のポートの一つまで到達させるようにする。
流れ経路の長さは、挿入ダムおよび流通孔の配置の仕方
によって設定あるいは調節する。本発明においては、冷
却剤液相は潤滑剤量を最小限(0.2〜0.6%)と
し、等しい体積の流量が連続的に、しごき加工用リング
あるいはダイにはしごき加工の前進ストローク中に供給
されまたパンチには戻りストローク中に供給される。本
発明においては、スプレーリングのマニホールドの直前
で、潤滑剤液相を差圧下(50〜200psi)で冷却
剤液相中に注入することにより、潤滑剤を冷却剤液相中
に噴霧して細かい粒滴として分散させる。
は、一つのマニホールド孔および配分溝と、配分マニホ
ールド内に特別に設けた挿入体を有する。この特別なマ
ニホールドおよび挿入体により、多数のポートから供給
配分溝までの流れ経路の長さを等しくすることができ
る。図7および図8に示した10個のポートの各々につ
いて流れ経路の長さを等しくするには、特別な小さい挿
入ダムと孔開けして形成した流通孔とを組み合わせて用
いることにより、液流を一つの挿入溝から次の単位に導
いて10個のポートの一つまで到達させるようにする。
流れ経路の長さは、挿入ダムおよび流通孔の配置の仕方
によって設定あるいは調節する。本発明においては、冷
却剤液相は潤滑剤量を最小限(0.2〜0.6%)と
し、等しい体積の流量が連続的に、しごき加工用リング
あるいはダイにはしごき加工の前進ストローク中に供給
されまたパンチには戻りストローク中に供給される。本
発明においては、スプレーリングのマニホールドの直前
で、潤滑剤液相を差圧下(50〜200psi)で冷却
剤液相中に注入することにより、潤滑剤を冷却剤液相中
に噴霧して細かい粒滴として分散させる。
【0026】高速作動制御弁、ラムの位置を定めるエン
コーダ、および電気的タイミング制御から成る潤滑剤液
相流路系を計画的に制御することにより、分散潤滑剤を
前進ストローク中に供給し且つ戻りストローク中には供
給を停止するように、しごき加工ストロークの正確な位
置で潤滑剤を注入することができる。本発明のこの特別
な配分注入装置によって、動作時期および流れ経路の長
さを正確に制御し、スプレーリングに供給されている冷
却剤液相へ注入される潤滑剤液相を円形スプレーリング
に均一に供給することができる。
コーダ、および電気的タイミング制御から成る潤滑剤液
相流路系を計画的に制御することにより、分散潤滑剤を
前進ストローク中に供給し且つ戻りストローク中には供
給を停止するように、しごき加工ストロークの正確な位
置で潤滑剤を注入することができる。本発明のこの特別
な配分注入装置によって、動作時期および流れ経路の長
さを正確に制御し、スプレーリングに供給されている冷
却剤液相へ注入される潤滑剤液相を円形スプレーリング
に均一に供給することができる。
【0027】必要な潤滑を行うために最小限の量の潤滑
剤を用いることにより、成形された缶への異物や使用済
残留潤滑剤の付着がほとんどない。洗浄薬剤が低減さ
れ、分散潤滑剤は同じプラント内で再利用され、環境汚
染問題が低減される。本発明の装置および方法による利
点として、制御可能な分散潤滑剤を必要な位置で正確な
時期に間欠的に注入でき、更にパンチとしごき加工用リ
ングとを異なるレベルの摩擦状態にできることがある。
本発明の制御可能性により、洗浄用薬剤を低減し、環境
汚染問題を低減することもできる。
剤を用いることにより、成形された缶への異物や使用済
残留潤滑剤の付着がほとんどない。洗浄薬剤が低減さ
れ、分散潤滑剤は同じプラント内で再利用され、環境汚
染問題が低減される。本発明の装置および方法による利
点として、制御可能な分散潤滑剤を必要な位置で正確な
時期に間欠的に注入でき、更にパンチとしごき加工用リ
ングとを異なるレベルの摩擦状態にできることがある。
本発明の制御可能性により、洗浄用薬剤を低減し、環境
汚染問題を低減することもできる。
【0028】以下に、絞り加工およびしごき加工された
缶を製造する缶体成形機に本発明を適用した場合につい
て、本発明の望ましい態様を説明する。以下の説明から
も分かるように、絞り加工およびしごき加工を必要と
し、多量の熱を発生しまたは高速生産をする端部閉鎖型
缶体の製造であれば、本発明は有用である。図1におい
て、缶体成形機またはしごき加工用プレス機10には、
潤滑剤液相を冷却剤中に分散させた分散物(潤滑剤分散
物)を配送する供給路12が接続されている。この分散
物をパンチ/被加工材/ダイの界面に供給する方法を以
下に詳しく説明する。プレス機10の近傍で、注入ノズ
ル14が冷却水供給路16に取り付けられており、これ
によって潤滑剤を冷却水中に注入する。図には、潤滑剤
注入用のノズル14をプレス機10より手前で用いてい
る状態を示したが、以下の望ましい態様で説明するよう
に、潤滑および冷却用リング内にそれぞれ別個に設けた
溝の各々からの放出より遅くない時期に、潤滑剤を冷却
水中に注入してもよい。潤滑剤は、潤滑剤貯蔵槽18か
ら潤滑剤供給路20を通して適当な潤滑剤用ポンプ22
で供給される。注入ノズル14の手前に設けた潤滑剤制
御弁24によって、冷却剤中への潤滑剤の供給量および
供給時期を変えられる。圧力逃がし弁26と潤滑剤貯蔵
槽への返流路28とは、潤滑剤の供給圧力を一定にし、
潤滑剤流路に過剰な圧力がかからないようにするために
設けたものである。供給路16を通して缶体成形機へ供
給される冷却水は、冷却剤槽30内に容れられており、
そこから適当な冷却剤用ポンプ32で圧送(循環)され
る。パンチおよびしごき加工用リングの物理的な寸法に
基づいて、冷却剤を一定温度に維持することが望まし
い。潤滑剤供給路20と冷却剤用ポンプ32の吸引側と
の間に設けた調合用潤滑剤流路34は、循環する冷却水
系統中に最小限の残留潤滑剤濃度を維持できるようにす
るためのものである。缶体成形機10を通過した使用済
分散物は、缶体成形機10から排出用流路36を通って
溜まり38へ送られる。溜まり38内の分散物は金属加
工過程で発生した異物を含んでおり、溜まり用ポンプ4
0によって潤滑剤・冷却剤濾過器42を通して冷却剤槽
30へ送られる。
缶を製造する缶体成形機に本発明を適用した場合につい
て、本発明の望ましい態様を説明する。以下の説明から
も分かるように、絞り加工およびしごき加工を必要と
し、多量の熱を発生しまたは高速生産をする端部閉鎖型
缶体の製造であれば、本発明は有用である。図1におい
て、缶体成形機またはしごき加工用プレス機10には、
潤滑剤液相を冷却剤中に分散させた分散物(潤滑剤分散
物)を配送する供給路12が接続されている。この分散
物をパンチ/被加工材/ダイの界面に供給する方法を以
下に詳しく説明する。プレス機10の近傍で、注入ノズ
ル14が冷却水供給路16に取り付けられており、これ
によって潤滑剤を冷却水中に注入する。図には、潤滑剤
注入用のノズル14をプレス機10より手前で用いてい
る状態を示したが、以下の望ましい態様で説明するよう
に、潤滑および冷却用リング内にそれぞれ別個に設けた
溝の各々からの放出より遅くない時期に、潤滑剤を冷却
水中に注入してもよい。潤滑剤は、潤滑剤貯蔵槽18か
ら潤滑剤供給路20を通して適当な潤滑剤用ポンプ22
で供給される。注入ノズル14の手前に設けた潤滑剤制
御弁24によって、冷却剤中への潤滑剤の供給量および
供給時期を変えられる。圧力逃がし弁26と潤滑剤貯蔵
槽への返流路28とは、潤滑剤の供給圧力を一定にし、
潤滑剤流路に過剰な圧力がかからないようにするために
設けたものである。供給路16を通して缶体成形機へ供
給される冷却水は、冷却剤槽30内に容れられており、
そこから適当な冷却剤用ポンプ32で圧送(循環)され
る。パンチおよびしごき加工用リングの物理的な寸法に
基づいて、冷却剤を一定温度に維持することが望まし
い。潤滑剤供給路20と冷却剤用ポンプ32の吸引側と
の間に設けた調合用潤滑剤流路34は、循環する冷却水
系統中に最小限の残留潤滑剤濃度を維持できるようにす
るためのものである。缶体成形機10を通過した使用済
分散物は、缶体成形機10から排出用流路36を通って
溜まり38へ送られる。溜まり38内の分散物は金属加
工過程で発生した異物を含んでおり、溜まり用ポンプ4
0によって潤滑剤・冷却剤濾過器42を通して冷却剤槽
30へ送られる。
【0029】冷却剤槽30は二つの空間に仕切ってあ
る。一つは流入する使用済潤滑剤分散物を収容する空間
であり、もう一つは注入された潤滑剤を実質的に含んで
いない冷却水を容れる空間である。流入する潤滑剤分散
物用空間にある浮遊分用樋(スキムトラフ)45は、冷
却剤から分離してその表面に上昇したほぼ潤滑剤から成
る部分を表面から収集する。このほぼ潤滑剤から成る部
分は流路44から潤滑剤・冷却剤分離槽46へ排出され
る。この槽46には冷却剤槽30と同様に浮遊分用樋4
7が設けられており、これにより実質的に冷却水部分を
含まない潤滑剤最上部分を収集する。この収集された部
分は流路48を通って潤滑剤濾過槽50に送られる。も
う一つの流路52は、分離された冷却水を再循環させる
ために溜まり38に返送する。
る。一つは流入する使用済潤滑剤分散物を収容する空間
であり、もう一つは注入された潤滑剤を実質的に含んで
いない冷却水を容れる空間である。流入する潤滑剤分散
物用空間にある浮遊分用樋(スキムトラフ)45は、冷
却剤から分離してその表面に上昇したほぼ潤滑剤から成
る部分を表面から収集する。このほぼ潤滑剤から成る部
分は流路44から潤滑剤・冷却剤分離槽46へ排出され
る。この槽46には冷却剤槽30と同様に浮遊分用樋4
7が設けられており、これにより実質的に冷却水部分を
含まない潤滑剤最上部分を収集する。この収集された部
分は流路48を通って潤滑剤濾過槽50に送られる。も
う一つの流路52は、分離された冷却水を再循環させる
ために溜まり38に返送する。
【0030】潤滑剤濾過槽からの潤滑剤は、潤滑剤用ポ
ンプ54によって潤滑剤濾過器56を通して圧送されて
潤滑剤中の外来混入粒子を除去された後、潤滑剤液相と
して系内で再使用するために潤滑剤貯蔵槽18に送られ
る。潤滑剤濾過器56から潤滑剤貯蔵槽18へ通ずる戻
り流路にある弁58は、潤滑剤貯蔵槽にあるフロート
(浮遊子)によって制御されて潤滑剤流を自動的に制御
する。
ンプ54によって潤滑剤濾過器56を通して圧送されて
潤滑剤中の外来混入粒子を除去された後、潤滑剤液相と
して系内で再使用するために潤滑剤貯蔵槽18に送られ
る。潤滑剤濾過器56から潤滑剤貯蔵槽18へ通ずる戻
り流路にある弁58は、潤滑剤貯蔵槽にあるフロート
(浮遊子)によって制御されて潤滑剤流を自動的に制御
する。
【0031】本発明で用いる冷却剤は典型的には水であ
る。しかし、設備防食作用と基本的な潤滑作用とを発揮
するために、冷却剤は最小限の残留潤滑剤濃度を有して
もよい。使用する潤滑剤の種類は、少なくとも部分的に
はその用途に依存する。絞り加工およびしごき加工に
は、鉱油を配合した水性潤滑剤または合成油を配合した
水性潤滑剤を用いる。本発明の装置および方法に適した
潤滑剤の一例としては、Knepp の米国特許第3,92
3,671号に開示された潤滑剤の配合を調整したもの
がある。水部分と混合され共存状態にされた際に非常に
不安定になるように、乳化剤を含めずに配合した潤滑剤
が望ましい。これにより、潤滑剤液相が金属製被加工材
の表面に十分且つ迅速に作用できる。分散タイプの潤滑
剤を用いる利点の一つは、エマルジョン(乳濁液)を用
いる場合よりも遙に低い潤滑剤濃度で、必要な潤滑性が
得られることである。例えばエマルジョンを用いる場合
の潤滑剤濃度が4.0〜6.0 vol%であるのに対し
て、本発明の分散物中の典型的な注入潤滑剤濃度は、
0.2〜0.6 vol%である。
る。しかし、設備防食作用と基本的な潤滑作用とを発揮
するために、冷却剤は最小限の残留潤滑剤濃度を有して
もよい。使用する潤滑剤の種類は、少なくとも部分的に
はその用途に依存する。絞り加工およびしごき加工に
は、鉱油を配合した水性潤滑剤または合成油を配合した
水性潤滑剤を用いる。本発明の装置および方法に適した
潤滑剤の一例としては、Knepp の米国特許第3,92
3,671号に開示された潤滑剤の配合を調整したもの
がある。水部分と混合され共存状態にされた際に非常に
不安定になるように、乳化剤を含めずに配合した潤滑剤
が望ましい。これにより、潤滑剤液相が金属製被加工材
の表面に十分且つ迅速に作用できる。分散タイプの潤滑
剤を用いる利点の一つは、エマルジョン(乳濁液)を用
いる場合よりも遙に低い潤滑剤濃度で、必要な潤滑性が
得られることである。例えばエマルジョンを用いる場合
の潤滑剤濃度が4.0〜6.0 vol%であるのに対し
て、本発明の分散物中の典型的な注入潤滑剤濃度は、
0.2〜0.6 vol%である。
【0032】本発明において良好な結果が得られた典型
的な潤滑剤配合を、米国特許第3.923,671号に
示されているエマルジョン型潤滑剤に対比すると下記の
とおりである。分散型潤滑剤 エマルジョン型潤滑剤 5.0部 イソステアリン酸 5部 オレイン酸 15.0部 トリエチレングリコ 15部 トリエチレングリコール ール カプレート/ カプレート/カプリレート カプリレート 4部 ポリオキシエチレン ラウリル 27.3部 1650SUS鉱油 エーテル 51.5部 2000SUS鉱油 4部 ポリオキシエチレン ステアレー 1.2部 腐食防止剤および酸 ト 化防止剤 72部 1400SUS鉱油 上記の典型的な潤滑剤配合に、安定性制御のために商品
名「Narco 6780」の乳化破壊剤を併せ用いても良好な結
果が得られた。
的な潤滑剤配合を、米国特許第3.923,671号に
示されているエマルジョン型潤滑剤に対比すると下記の
とおりである。分散型潤滑剤 エマルジョン型潤滑剤 5.0部 イソステアリン酸 5部 オレイン酸 15.0部 トリエチレングリコ 15部 トリエチレングリコール ール カプレート/ カプレート/カプリレート カプリレート 4部 ポリオキシエチレン ラウリル 27.3部 1650SUS鉱油 エーテル 51.5部 2000SUS鉱油 4部 ポリオキシエチレン ステアレー 1.2部 腐食防止剤および酸 ト 化防止剤 72部 1400SUS鉱油 上記の典型的な潤滑剤配合に、安定性制御のために商品
名「Narco 6780」の乳化破壊剤を併せ用いても良好な結
果が得られた。
【0033】良好な潤滑特性を発揮した合成油ベースお
よび添加物の配合として下記のものがある。 2.0部 イソステアリン酸 30.0部 ブトキシエトキシエチルステアレート 6.7部 ポリアルファオレフィン─80 60.2部 ポリアルファオレフィン─400 1.1部 腐食防止剤および酸化防止剤 以下に、図2から図8を参照して、分散型潤滑剤の適用
例を説明する。標準的な12オンス缶を製造するための
典型的な再絞りおよびしごき加工用プレス機は、再絞り
用加工ダイ60と、その絞り方向下流に且つそれと同軸
上にある3個のしごき加工用リング62、64、66と
を有する。缶を製造するには、絞られたカップ68を再
絞り加工用ダイ60上に配置し、このカップを再絞り加
工用ダイ60、しごき加工用リング62、64、66の
順にパンチ70で各々の中を押し通す。各しごき加工用
リングはその一つ前のリングよりも内径が僅かに小さく
なっており、被加工材は各リング内を通るたびにその側
壁が段々薄くなり(しごかれて)且つ段々伸ばされる。
近代的な缶製造設備における缶体成形機は毎分300個
に達するスピードで缶を製造できる。缶の製造における
このような高速、過酷な絞り加工、かなりの肉厚減少を
考えると、潤滑と冷却は缶製造における極めて重要な事
項である。潤滑および冷却を行うために、各々のしごき
加工用リングのすぐ手前にスプレーリング72が配置さ
れている。各スプレーリング72には環状マニホールド
74があり、そこから延びた流入口76を分散型潤滑剤
の流路12に取り付けるようになっている。一定の間隙
幅を持つ導出路78が、環状マニホールド74から下方
へ傾斜してリングの内側に達しており、その下にあるし
ごき加工用リングに向けて潤滑剤・冷却剤を吹き出す。
導出路78はまた、連続したスロット内のリングの内側
に開口した連続したスロットであってもよい。図3に示
すように、マニホールド74は、リング内の溝として形
成した後、蓋部材79をリングにネジ留めしてこの溝を
覆うようにすると容易に形成できる。
よび添加物の配合として下記のものがある。 2.0部 イソステアリン酸 30.0部 ブトキシエトキシエチルステアレート 6.7部 ポリアルファオレフィン─80 60.2部 ポリアルファオレフィン─400 1.1部 腐食防止剤および酸化防止剤 以下に、図2から図8を参照して、分散型潤滑剤の適用
例を説明する。標準的な12オンス缶を製造するための
典型的な再絞りおよびしごき加工用プレス機は、再絞り
用加工ダイ60と、その絞り方向下流に且つそれと同軸
上にある3個のしごき加工用リング62、64、66と
を有する。缶を製造するには、絞られたカップ68を再
絞り加工用ダイ60上に配置し、このカップを再絞り加
工用ダイ60、しごき加工用リング62、64、66の
順にパンチ70で各々の中を押し通す。各しごき加工用
リングはその一つ前のリングよりも内径が僅かに小さく
なっており、被加工材は各リング内を通るたびにその側
壁が段々薄くなり(しごかれて)且つ段々伸ばされる。
近代的な缶製造設備における缶体成形機は毎分300個
に達するスピードで缶を製造できる。缶の製造における
このような高速、過酷な絞り加工、かなりの肉厚減少を
考えると、潤滑と冷却は缶製造における極めて重要な事
項である。潤滑および冷却を行うために、各々のしごき
加工用リングのすぐ手前にスプレーリング72が配置さ
れている。各スプレーリング72には環状マニホールド
74があり、そこから延びた流入口76を分散型潤滑剤
の流路12に取り付けるようになっている。一定の間隙
幅を持つ導出路78が、環状マニホールド74から下方
へ傾斜してリングの内側に達しており、その下にあるし
ごき加工用リングに向けて潤滑剤・冷却剤を吹き出す。
導出路78はまた、連続したスロット内のリングの内側
に開口した連続したスロットであってもよい。図3に示
すように、マニホールド74は、リング内の溝として形
成した後、蓋部材79をリングにネジ留めしてこの溝を
覆うようにすると容易に形成できる。
【0034】被加工材が直前のリングから出終わる前に
しごき加工用リング内に入らないように、被加工材の側
壁長さの増加分を相殺するのに適当な長さのスペーサー
リング77が、一連の潤滑リングとしごき加工用リング
との間に挿入されている。図1に示すように、潤滑剤液
相が注入ノズル14で冷却剤液相に注入される。望まし
くは、スプレーリングの各々に注入ノズルを配し、注入
位置をスプレーリングの流入口にできるだけ近くする。
潤滑剤は、噴霧ノズル(アトマイジング・ノズル)から
制御された圧力で冷却剤の流れの中に注入され、多数の
小さい粒滴となって冷却水の流れの中に分散する。これ
ら粒滴は非常に小さいけれども、化学的に乳化された潤
滑剤中の粒滴よりはかなり大きいので、被加工材および
工具を迅速に被覆して必要な潤滑作用を発揮することが
できる。
しごき加工用リング内に入らないように、被加工材の側
壁長さの増加分を相殺するのに適当な長さのスペーサー
リング77が、一連の潤滑リングとしごき加工用リング
との間に挿入されている。図1に示すように、潤滑剤液
相が注入ノズル14で冷却剤液相に注入される。望まし
くは、スプレーリングの各々に注入ノズルを配し、注入
位置をスプレーリングの流入口にできるだけ近くする。
潤滑剤は、噴霧ノズル(アトマイジング・ノズル)から
制御された圧力で冷却剤の流れの中に注入され、多数の
小さい粒滴となって冷却水の流れの中に分散する。これ
ら粒滴は非常に小さいけれども、化学的に乳化された潤
滑剤中の粒滴よりはかなり大きいので、被加工材および
工具を迅速に被覆して必要な潤滑作用を発揮することが
できる。
【0035】機械的に分散された潤滑剤液相を用いる
と、用途上の必要に応じて制御できる点でも、化学的に
乳化された潤滑剤より有利である。被加工材としごき加
工用リングとの間の潤滑は、これら両者間の摩擦抵抗を
低減するために必要である。しかし、しごき加工中の被
加工材側壁の応力を低減するには、両者間にある程度の
大きさの摩擦があるように制御する方が有利なので、パ
ンチ/被加工材間は極く軽度の潤滑にすることが望まし
い。したがって、潤滑剤を一定圧力・一定流速でノズル
に供給する液圧方式のポンプ系、エンコーダ、高速作動
弁の制御系、および電気的タイミング制御を用いれば、
各スプレーリングについて潤滑剤をしごき加工ストロー
ク動作中の正確な位置に供給するように注入できる。既
知の流速、製造速度、およびノズルからスプレーリング
までの潤滑剤搬送速度を用いて、注入ノズルおよび作動
弁を制御することにより、被加工材がしごき加工用リン
グに接触する前に潤滑剤が供給されるような量および時
期に潤滑剤を冷却剤中に注入することができる。ここで
重要なのは、缶が成形されて工具から抜け出た後の戻り
行程中のパンチには、注入された潤滑剤が全くあるいは
ほとんど供給されないことである。
と、用途上の必要に応じて制御できる点でも、化学的に
乳化された潤滑剤より有利である。被加工材としごき加
工用リングとの間の潤滑は、これら両者間の摩擦抵抗を
低減するために必要である。しかし、しごき加工中の被
加工材側壁の応力を低減するには、両者間にある程度の
大きさの摩擦があるように制御する方が有利なので、パ
ンチ/被加工材間は極く軽度の潤滑にすることが望まし
い。したがって、潤滑剤を一定圧力・一定流速でノズル
に供給する液圧方式のポンプ系、エンコーダ、高速作動
弁の制御系、および電気的タイミング制御を用いれば、
各スプレーリングについて潤滑剤をしごき加工ストロー
ク動作中の正確な位置に供給するように注入できる。既
知の流速、製造速度、およびノズルからスプレーリング
までの潤滑剤搬送速度を用いて、注入ノズルおよび作動
弁を制御することにより、被加工材がしごき加工用リン
グに接触する前に潤滑剤が供給されるような量および時
期に潤滑剤を冷却剤中に注入することができる。ここで
重要なのは、缶が成形されて工具から抜け出た後の戻り
行程中のパンチには、注入された潤滑剤が全くあるいは
ほとんど供給されないことである。
【0036】図4に、本発明に用いるのに適したスプレ
ーリングの一例を示す。このスプレーリング72には、
一つではなく二つの環状マニホールド74、74が設け
てあり、一方は冷却水の搬送用、他方は分散状態の潤滑
剤(分散潤滑剤)の搬送用である。このリングを用いる
場合、冷却水供給路16(図1に示す)から各しごき加
工用リングにある一方のマニホールドの流入口76に直
接に供給が行われる。この構成の場合、冷却水中に潤滑
剤を注入する注入ノズル14は削除される。すなわち、
マニホールドの一方は大部分が冷却水である液体を搬送
し、この液体はプレス機の作動中に前進ストロークおよ
び後進ストロークの両方について連続的に吹き付けられ
る(スプレーされる)。既に説明したように、パンチと
被加工材との界面の潤滑のために、そしてポンプ類およ
び機械部材の最小限の潤滑および防食のために、冷却剤
は比較的少量の最小限の潤滑剤を含んでいる。
ーリングの一例を示す。このスプレーリング72には、
一つではなく二つの環状マニホールド74、74が設け
てあり、一方は冷却水の搬送用、他方は分散状態の潤滑
剤(分散潤滑剤)の搬送用である。このリングを用いる
場合、冷却水供給路16(図1に示す)から各しごき加
工用リングにある一方のマニホールドの流入口76に直
接に供給が行われる。この構成の場合、冷却水中に潤滑
剤を注入する注入ノズル14は削除される。すなわち、
マニホールドの一方は大部分が冷却水である液体を搬送
し、この液体はプレス機の作動中に前進ストロークおよ
び後進ストロークの両方について連続的に吹き付けられ
る(スプレーされる)。既に説明したように、パンチと
被加工材との界面の潤滑のために、そしてポンプ類およ
び機械部材の最小限の潤滑および防食のために、冷却剤
は比較的少量の最小限の潤滑剤を含んでいる。
【0037】図4のもう一方のマニホールドは、分散潤
滑剤を配送および供給するためにのみ用いられる。潤滑
剤用マニホールドが充満している時に、分散潤滑剤がリ
ング全周に均一に配送されることが分かる。分散潤滑剤
の流路に圧力を負荷しなければ、リングの内側には全く
液がスプレーされない。被加工材が一つのしごき加工用
リングに接近すると、圧力が瞬間的に急上昇して分散潤
滑剤がリング全周に均一にスプレーされ、被加工材がリ
ングから出ていってしまうまでこのスプレーが持続す
る。分散潤滑剤の制御弁24(図1に示す)が、注入位
置よりも下流、スプレーリング流入口76よりも手前
の、分散潤滑剤の流路上に配置されている。各スプレー
リング用の分散潤滑剤の制御弁はエンコーダおよび電気
信号によって個々に同期されており、正確に制御された
時期に開閉してしごき加工の前進ストロークの際に分散
潤滑剤を供給し、そして後進ストローク中のパンチ表面
への分散潤滑剤の供給を止め、それによってしごき加工
用ダイおよびパンチの摩擦をそれぞれ小さくおよび大き
くする。
滑剤を配送および供給するためにのみ用いられる。潤滑
剤用マニホールドが充満している時に、分散潤滑剤がリ
ング全周に均一に配送されることが分かる。分散潤滑剤
の流路に圧力を負荷しなければ、リングの内側には全く
液がスプレーされない。被加工材が一つのしごき加工用
リングに接近すると、圧力が瞬間的に急上昇して分散潤
滑剤がリング全周に均一にスプレーされ、被加工材がリ
ングから出ていってしまうまでこのスプレーが持続す
る。分散潤滑剤の制御弁24(図1に示す)が、注入位
置よりも下流、スプレーリング流入口76よりも手前
の、分散潤滑剤の流路上に配置されている。各スプレー
リング用の分散潤滑剤の制御弁はエンコーダおよび電気
信号によって個々に同期されており、正確に制御された
時期に開閉してしごき加工の前進ストロークの際に分散
潤滑剤を供給し、そして後進ストローク中のパンチ表面
への分散潤滑剤の供給を止め、それによってしごき加工
用ダイおよびパンチの摩擦をそれぞれ小さくおよび大き
くする。
【0038】二つのマニホールドを設けた目的は冷却剤
液相と分散潤滑剤液相とを別個に供給するためである
が、典型的には潤滑剤液相は純粋な(混入成分の無い)
潤滑剤ではない。冷却剤に対する最も有効な必要潤滑剤
量は非常に少量であるが、純粋な潤滑剤として均一に且
つ適正な時期に供給することは不可能ではないが実際的
ではない。したがって、マニホールドへ供給される潤滑
剤は水中に比較的高濃度に分散した分散物である。水
は、冷却水供給路16から制御された割合で取り出して
用いるのが最も便利である。そのため、適当な寸法の流
路が冷却水供給流路に取り付けられており、適当な潤滑
剤用マニホールドの流入口に接続されている。注入ノズ
ルが潤滑剤供給流路20に取り付けられており、潤滑剤
がこの冷却水流路に注入され、小さい液滴状になってス
プレーリングに搬送される。この場合、冷却水は、注入
された潤滑剤を搬送し且つその供給を行うために前もっ
て供給される。典型的には、分散潤滑剤用マニホールド
へ供給される冷却水中の潤滑剤濃度は0.5%〜0.7
5%である。
液相と分散潤滑剤液相とを別個に供給するためである
が、典型的には潤滑剤液相は純粋な(混入成分の無い)
潤滑剤ではない。冷却剤に対する最も有効な必要潤滑剤
量は非常に少量であるが、純粋な潤滑剤として均一に且
つ適正な時期に供給することは不可能ではないが実際的
ではない。したがって、マニホールドへ供給される潤滑
剤は水中に比較的高濃度に分散した分散物である。水
は、冷却水供給路16から制御された割合で取り出して
用いるのが最も便利である。そのため、適当な寸法の流
路が冷却水供給流路に取り付けられており、適当な潤滑
剤用マニホールドの流入口に接続されている。注入ノズ
ルが潤滑剤供給流路20に取り付けられており、潤滑剤
がこの冷却水流路に注入され、小さい液滴状になってス
プレーリングに搬送される。この場合、冷却水は、注入
された潤滑剤を搬送し且つその供給を行うために前もっ
て供給される。典型的には、分散潤滑剤用マニホールド
へ供給される冷却水中の潤滑剤濃度は0.5%〜0.7
5%である。
【0039】図5、図6、図7、および図8を参照し
て、本発明に用いるのに適したスプレーリングの他の態
様を説明する。この態様のリング72は、図3に示した
ようなものであり、また図4に示したようなものでもよ
いが、その場合には環状マニホールドを一つだけ用い
る。リング72は内部に環状マニホールド74を有する
中空筒状体である。前述の態様と同様に、このマニホー
ルドもリング内に溝として設けた後に蓋79を被せて形
成することができる。環状マニホールド74からリング
内側の環状スロットまで環状導出路78が延びている。
このマニホールドへの流入口76は、潤滑剤/冷却剤混
合液を搬送する流路に接続できるようになっている。マ
ニホールド内の挿入体80は、潤滑剤分散物がほぼ長さ
の等しい多数の経路で内側の流出スロットに達するよう
に回り道をさせるためのもので、これにより、多数の等
長経路のどれを通った潤滑剤分散物も同時に、リングの
内側全周に均一に配分される。挿入体80は、中心円板
82の両面に多数の環状フランジ84を張り出させたも
のである。マニホールド内に挿入体80を配置したこの
態様では、フランジ84および中心円板82によって円
板の上下に同心円状の溝が形成されることが分かる。こ
の挿入体は、マニホールド74への流入口76の位置で
円板82に切欠き86が作られており、流入してきた分
散潤滑剤が円板下面側の最外周部の二つの溝(設計次第
で適当な液体流路になる)に進入できるようになってい
る。図7において、フランジ84の一部を切り取り(ま
たは孔開けし)、分散潤滑剤が円板上面側の溝に進入で
きるようにしてある。上面側の溝の適当な数カ所に栓8
8を詰めてダムとして作用させ、溝に沿った分散潤滑剤
の流れを堰き止め、一方、別の適当な数カ所ではフラン
ジを切り取り、分散潤滑剤がそこで貫通できるようにし
てある。上面側の溝には円板82を貫通する孔90が設
けてあり、分散潤滑剤をマニホールドの上側部分から下
側部分に搬送するようにしてある。栓88、孔90、お
よびフランジ84の切り取り部を適当な位置に設けるこ
とにより、符号A、B、C、D、Eで示した分散潤滑剤
進行経路の長さ(流入口76から流出口まで)が等しく
なり、分散潤滑剤をリング全周に均一に適正な時期に配
送される。この態様のスプレーリングを用いた場合、供
給流路16から冷却水を連続的に流すことによって、潤
滑剤を制御して適正時期に供給することができる。潤滑
剤は、流路20、潤滑剤制御弁24、および注入ノズル
14を通って供給される。各スプレーリングの流入口へ
の潤滑剤注入は、正確に制御された時期にエンコーダお
よび電気信号により開閉するように個々に同期されてお
り、しごき加工の前進ストローク中にのみ注入が行わ
れ、戻りストローク中には実質的に注入がなされないよ
うになっている。このリング内に配分される混合物は、
しごき加工の前進ストローク中には全量の0.5〜0.
75%が潤滑剤になるように潤滑剤を水中に注入した分
散物、潤滑剤の注入が行われない戻りストローク中には
全量の0.2〜0.6%が潤滑剤である分散物とするこ
とができる。
て、本発明に用いるのに適したスプレーリングの他の態
様を説明する。この態様のリング72は、図3に示した
ようなものであり、また図4に示したようなものでもよ
いが、その場合には環状マニホールドを一つだけ用い
る。リング72は内部に環状マニホールド74を有する
中空筒状体である。前述の態様と同様に、このマニホー
ルドもリング内に溝として設けた後に蓋79を被せて形
成することができる。環状マニホールド74からリング
内側の環状スロットまで環状導出路78が延びている。
このマニホールドへの流入口76は、潤滑剤/冷却剤混
合液を搬送する流路に接続できるようになっている。マ
ニホールド内の挿入体80は、潤滑剤分散物がほぼ長さ
の等しい多数の経路で内側の流出スロットに達するよう
に回り道をさせるためのもので、これにより、多数の等
長経路のどれを通った潤滑剤分散物も同時に、リングの
内側全周に均一に配分される。挿入体80は、中心円板
82の両面に多数の環状フランジ84を張り出させたも
のである。マニホールド内に挿入体80を配置したこの
態様では、フランジ84および中心円板82によって円
板の上下に同心円状の溝が形成されることが分かる。こ
の挿入体は、マニホールド74への流入口76の位置で
円板82に切欠き86が作られており、流入してきた分
散潤滑剤が円板下面側の最外周部の二つの溝(設計次第
で適当な液体流路になる)に進入できるようになってい
る。図7において、フランジ84の一部を切り取り(ま
たは孔開けし)、分散潤滑剤が円板上面側の溝に進入で
きるようにしてある。上面側の溝の適当な数カ所に栓8
8を詰めてダムとして作用させ、溝に沿った分散潤滑剤
の流れを堰き止め、一方、別の適当な数カ所ではフラン
ジを切り取り、分散潤滑剤がそこで貫通できるようにし
てある。上面側の溝には円板82を貫通する孔90が設
けてあり、分散潤滑剤をマニホールドの上側部分から下
側部分に搬送するようにしてある。栓88、孔90、お
よびフランジ84の切り取り部を適当な位置に設けるこ
とにより、符号A、B、C、D、Eで示した分散潤滑剤
進行経路の長さ(流入口76から流出口まで)が等しく
なり、分散潤滑剤をリング全周に均一に適正な時期に配
送される。この態様のスプレーリングを用いた場合、供
給流路16から冷却水を連続的に流すことによって、潤
滑剤を制御して適正時期に供給することができる。潤滑
剤は、流路20、潤滑剤制御弁24、および注入ノズル
14を通って供給される。各スプレーリングの流入口へ
の潤滑剤注入は、正確に制御された時期にエンコーダお
よび電気信号により開閉するように個々に同期されてお
り、しごき加工の前進ストローク中にのみ注入が行わ
れ、戻りストローク中には実質的に注入がなされないよ
うになっている。このリング内に配分される混合物は、
しごき加工の前進ストローク中には全量の0.5〜0.
75%が潤滑剤になるように潤滑剤を水中に注入した分
散物、潤滑剤の注入が行われない戻りストローク中には
全量の0.2〜0.6%が潤滑剤である分散物とするこ
とができる。
【0040】以上、望ましい態様について本発明を説明
したが、特許請求の範囲は本発明の技術思想に含まれる
全ての態様を包含するものである。
したが、特許請求の範囲は本発明の技術思想に含まれる
全ての態様を包含するものである。
【図1】潤滑剤および冷却剤を取り扱う本発明の装置を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図2】本発明の装置の再絞りおよびしごき加工用プレ
ス部分の工具集合体を示す断面図である。工具集合体を
通して再絞りおよびしごき加工された缶に加工するため
に、カップをパンチ上に載せた状態を示す。
ス部分の工具集合体を示す断面図である。工具集合体を
通して再絞りおよびしごき加工された缶に加工するため
に、カップをパンチ上に載せた状態を示す。
【図3】本発明の装置の潤滑および冷却用リング部分の
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図4】本発明の装置の潤滑および冷却用リング部分の
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図5】本発明の装置の潤滑および冷却用リング部分の
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図6】図5の潤滑および冷却用リングの挿入部分を示
す断面図である。
す断面図である。
【図7】図6の挿入部分を上から見た平面図である。
【図8】図6および図7の挿入部分を下から見た平面図
である。
である。
10…缶体成形機あるいはしごき加工用プレス機 12…潤滑剤液相を冷却剤中に分散させた分散物の供給
流路 14…注入ノズル 16…冷却水供給流路 18…潤滑剤貯蔵槽 20…潤滑剤供給流路 22…潤滑剤用ポンプ 24…潤滑剤制御弁 26…圧力逃がし弁 28…戻り流路 30…冷却剤槽 32…冷却剤用ポンプ 34…調合用潤滑剤流路 36…排出流路 38…溜まり 40…溜まり用ポンプ 42…潤滑剤・冷却剤混合物の濾過器 44…流路 45…浮遊分用樋(スキムトラフ) 46…潤滑剤・冷却剤分離槽 47…浮遊分用樋(スキムトラフ) 48…流路 50…潤滑剤濾過槽 52…流路 54…潤滑剤濾過器のポンプ 56…潤滑剤濾過器 58…弁 60…再絞り加工用ダイ 62…しごき加工用リング 64…しごき加工用リング 66…しごき加工用リング 68…絞り加工されたカップ 70…パンチ 72…スプレーリング 74…環状マニホールド 76…流入口 77…スペーサーリング 78…導出路 79…蓋 80…挿入体 82…中心円板 84…環状フランジ 86…切欠き 88…栓 90…孔
流路 14…注入ノズル 16…冷却水供給流路 18…潤滑剤貯蔵槽 20…潤滑剤供給流路 22…潤滑剤用ポンプ 24…潤滑剤制御弁 26…圧力逃がし弁 28…戻り流路 30…冷却剤槽 32…冷却剤用ポンプ 34…調合用潤滑剤流路 36…排出流路 38…溜まり 40…溜まり用ポンプ 42…潤滑剤・冷却剤混合物の濾過器 44…流路 45…浮遊分用樋(スキムトラフ) 46…潤滑剤・冷却剤分離槽 47…浮遊分用樋(スキムトラフ) 48…流路 50…潤滑剤濾過槽 52…流路 54…潤滑剤濾過器のポンプ 56…潤滑剤濾過器 58…弁 60…再絞り加工用ダイ 62…しごき加工用リング 64…しごき加工用リング 66…しごき加工用リング 68…絞り加工されたカップ 70…パンチ 72…スプレーリング 74…環状マニホールド 76…流入口 77…スペーサーリング 78…導出路 79…蓋 80…挿入体 82…中心円板 84…環状フランジ 86…切欠き 88…栓 90…孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート イー.ウェルシュ アメリカ合衆国,ペンシルバニア 15228,マウント レバノン,ウッドヘ ブン ドライブ 103 (72)発明者 ジェイムズ エー.ミラー アメリカ合衆国,ペンシルバニア 15613,アポロ,シェイナー アクレ ドライブ 1018 (72)発明者 レイモンド ミラー アメリカ合衆国,ペンシルバニア 15068,ロウアー バレル,ワイルドラ イフ ロッジ ロード 890 (56)参考文献 特開 昭48−6967(JP,A) 特開 昭62−81221(JP,A) 特開 昭59−166595(JP,A) 特公 昭59−51374(JP,B2) 米国特許5020350(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 22/20 B21D 22/28 B21D 24/00
Claims (19)
- 【請求項1】 十分実用的な表面品質を有する端部閉鎖
形アルミニウム中空体を製造するために、アルミニウム
を絞りおよびしごき加工する装置であって、 (a)少なくとも一つのしごき加工用リング、 (b)アルミニウム被加工材を該しごき加工用リング内
を通して絞りおよびしごき加工して端部閉鎖形アルミニ
ウム中空体にするために、該しごき加工用リングと同軸
状態で往復運動できるパンチ、 (c)該しごき加工用リングと、その中を押し通されて
いる該被加工材とを潤滑および冷却するために、該リン
グの内側で潤滑剤または冷却剤を受入れ、循環させ、且
つ排出するための溝を有し、該しごき加工用リングの近
傍に配置された潤滑および冷却用リング、 (d)該潤滑および冷却用リングへ通ずる冷却剤供給
路、 (e)潤滑剤を冷却剤中に機械的に分散させて潤滑剤分
散物にするための手段、 (f)該潤滑および冷却用リングへ通ずる潤滑剤分散物
供給路、および (g)該アルミニウム中空体の表面に該潤滑剤分散物を
均一に供給し且つ一回の絞りおよびしごき加工処理中に
潤滑性を所定時期に変化させるために、該潤滑剤分散物
を該潤滑剤分散物供給路を通して該潤滑および冷却用リ
ングに供給しつつ、該冷却剤を該冷却剤供給路を通して
該潤滑および冷却用リングに制御しながら間欠的に注入
する手段、 を含んで成り、且つ該アルミニウム中空体表面に潤滑剤
分散物を均一に供給するために、該潤滑材分散物と共に
該冷却剤を制御して間欠的に注入する該手段が、該潤滑
剤分散物供給路から該潤滑および冷却用リングへの受入
れ用にリング状溝に設けた流入口を少なくとも一つと、
該潤滑剤分散物供給路から、該潤滑および冷却用リング
の内側に互いに角度を成して間隔を開けてリング状溝に
配置された複数の排出用流出口まで延びた、長さのほぼ
等しい複数の循環流通用溝とを有する、アルミニウムを
絞りおよびしごき加工する装置。 - 【請求項2】 該潤滑材分散物と共に該冷却剤を制御し
て間欠的に注入する該手段が、該冷却剤を供給するため
の第1の環状マニホールド手段と該潤滑剤分散物を供給
するための第2のマニホールド手段とを有し、これらマ
ニホールド手段の各々は、該リングの流入口と、マニホ
ールドから該リングの内側の1個以上の流出口まで延び
た相互に離間した複数の溝とを有する請求項1記載の装
置。 - 【請求項3】 潤滑剤を冷却剤中に機械的に分散させる
ための該手段が、該分散物供給流路の該冷却リングより
も上流に配置した注入ノズルを含む請求項1記載の装
置。 - 【請求項4】 該端部閉鎖型アルミニウム中空体への潤
滑剤分散物の供給を制御する手段を含み、これにより該
パンチの運動に応じて該均一な供給を行い、戻りストロ
ーク中よりも前進ストローク中により多くの潤滑剤を供
給するようにした請求項1記載の装置。 - 【請求項5】 各時点でそのうちの一つだけが該被加工
材に接触するように配置した二つ以上のしごき加工用リ
ングと、冷却剤の受容槽と、潤滑剤の受容槽とを含む請
求項4記載の装置。 - 【請求項6】 該リングを潤滑および冷却した後の該潤
滑剤分散物を収集および濾過する手段と、該濾過の後に
該潤滑剤を該冷却剤から分離する手段と、該濾過された
潤滑剤を潤滑剤受容槽に搬送する手段と、該濾過された
冷却剤を冷却剤受容槽に搬送する手段とを含む請求項5
記載の装置。 - 【請求項7】 潤滑剤の供給を制御する該手段が、該パ
ンチの往復運動中に該潤滑および冷却用リングに対する
該パンチの位置を検出する手段と、潤滑剤流を該ノズル
へ供給および供給停止する弁と、該弁を作動させる手段
と、該パンチ位置検出手段からの信号を該弁作動手段に
送り該信号に応じて該弁を作動させるための手段とを含
む請求項6記載の装置。 - 【請求項8】 絞り加工およびしごき加工用プレス機内
で端部閉鎖型アルミニウム中空体を成形するために、し
ごき加工用ダイ、パンチ、およびアルミニウム被加工材
を潤滑および冷却する方法であって、 (a)潤滑剤を冷却剤中に分散させて分散物を作成する
工程、および (b)該アルミニウム被加工材の絞り加工およびしごき
加工中に、該アルミニウム被加工材表面に該分散物の均
一な皮膜を形成し且つ該絞り加工およびしごき加工処理
中の選択された時期に潤滑性を変化させるように、該分
散物を付加的な冷却剤と共に該ダイ、該パンチ、および
該アルミニウム被加工材に制御して間欠的に接触させる
工程を含む潤滑および冷却方法。 - 【請求項9】 該潤滑剤分散工程が、該潤滑剤を該冷却
剤中に注入して不安定な液相の分散物を形成する操作を
含む請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 下記工程: (c)該不安定な液相を分離して該冷却剤を実質的に含
まない潤滑剤を形成する工程を更に含む請求項9記載の
方法。 - 【請求項11】 該潤滑剤分散工程が、潤滑剤を種々の
量で冷却剤中に注入する操作を含む請求項10記載の方
法。 - 【請求項12】 被加工材としごき加工用ダイとの間の
摩擦がこの被加工材とパンチとの間の摩擦よりも小さく
なるように、異なる時期にまたは異なる潤滑剤量で該注
入を制御する工程を更に含む請求項11記載の方法。 - 【請求項13】 該分散物が所定時期に該潤滑および冷
却用リングの内側で排出されるように、該注入を所定期
間で制御する工程を更に含む請求項12記載の方法。 - 【請求項14】 該分散物が該潤滑および冷却用リング
の内側に排出される該所定時期が、該被加工材が該リン
グの内側に進入する時から該リング外へ進出する時まで
である請求項13記載の方法。 - 【請求項15】 該アルミニウム被加工材の表面に該分
散物の均一な皮膜を形成するために該分散物を該付加的
な冷却剤と共に制御して間欠的に接触させる工程が、内
側の環状マニホールドと、分散物供給流路からの分散物
を受け入れる流入口とを有する潤滑および冷却用中空筒
状リングの内部に該分散物を流通させる操作を含み、且
つ、該マニホールドから通ずる互いに離間した複数の流
路を通して該分散物を該リング内側に排出させる操作を
更に含む請求項13記載の方法。 - 【請求項16】 該潤滑および冷却用リングとして、該
環状マニホールドから独立し且つ該リング内側への独立
した流路を有する第2のマニホールドを含むものを用
い、実質的に冷却剤である液を該第2のマニホールド内
に受入れ、該流路を通して該リング内側に排出する工程
を含む請求項15記載の方法。 - 【請求項17】 該マニホールドは、該供給流路からの
流入口から該リング内側の離間した排出点までの長さが
等しい複数の溝に分割されたマニホールドであり、該溝
内に受け入れた分散物を該リング内側全周で均一に排出
されるように分配する工程を含む請求項15記載の方
法。 - 【請求項18】 該潤滑剤分散工程において、直径40
〜50μmの粒滴として分散された0.2〜0.6体積
%の潤滑剤を含有する分散物を作成するのに十分な量の
潤滑剤を分散させる請求項17記載の方法。 - 【請求項19】 絞り加工およびしごき加工用プレス機
内でしごき加工用ダイ、パンチ、および被加工材を潤滑
および冷却する方法であって、 (a)鉱油または合成油の潤滑剤を水の冷却剤中に注入
することにより分散させて潤滑剤・冷却剤混合物である
不安定な機械的分散物を少なくとも二つの潤滑流として
形成する工程、 (b)該潤滑剤・冷却剤混合物中の潤滑剤含有量を制御
して各潤滑流に異なる潤滑性を付与する工程、 (c)前進ストローク中に該しごき加工ダイおよび被加
工材に第1の注入された潤滑流を供給する工程、 (d)戻りストローク中に該パンチに第2の潤滑流を供
給する工程であって、該第1の潤滑流による表面摩擦が
該第2の潤滑流による表面摩擦よりも小さくなるように
する工程、および (e)該第1および第2の潤滑流からの潤滑剤を、該冷
却剤を実質的に含まない共通の受容槽内に収集する工程
を含んで成る潤滑および冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04826991A JP3231798B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | 絞り・しごき加工装置および潤滑・冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04826991A JP3231798B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | 絞り・しごき加工装置および潤滑・冷却方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261448A JPH05261448A (ja) | 1993-10-12 |
JP3231798B2 true JP3231798B2 (ja) | 2001-11-26 |
Family
ID=12798721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04826991A Expired - Fee Related JP3231798B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | 絞り・しごき加工装置および潤滑・冷却方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3231798B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4917078B2 (ja) * | 2008-08-13 | 2012-04-18 | ユニバーサル製缶株式会社 | 筒状の胴部を備えた缶の製造方法 |
JP6339028B2 (ja) * | 2015-01-29 | 2018-06-06 | Jimテクノロジー株式会社 | トンネル掘削機 |
JP6352372B2 (ja) * | 2016-12-02 | 2018-07-04 | 旭精機工業株式会社 | プレス下型 |
CN108237178A (zh) * | 2018-02-12 | 2018-07-03 | 珠海格力精密模具有限公司 | 模具组件及模具 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5951374B2 (ja) * | 1978-07-31 | 1984-12-13 | 東洋製罐株式会社 | しごき加工機用ノズル装置 |
JPS59166595A (ja) * | 1983-03-11 | 1984-09-19 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 絞り−しごき缶用潤滑剤 |
JPS6281221A (ja) * | 1985-10-04 | 1987-04-14 | Showa Alum Corp | 冷間塑性加工金属製品の製造方法 |
-
1991
- 1991-03-13 JP JP04826991A patent/JP3231798B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05261448A (ja) | 1993-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5020350A (en) | Apparatus and method for lubricating and cooling in a draw and iron press | |
US3837199A (en) | Hot rolling mill lubrication apparatus and process | |
DE69731224T2 (de) | Flüssigkeitsauftragvorrichtung | |
US3750847A (en) | Method of supplying an aqueous cutting fluid to machine tools | |
CA2157474C (en) | Separate lubrication and cooling for machining processes | |
CN1101295C (zh) | 加工方法及其所采用的雾状体供给装置 | |
US3408843A (en) | Lubricant-coolant emulsion stabilization and reuse | |
JPH02151309A (ja) | ロールおよび被圧延材を冷却および潤滑するための方法およびこれを実施するためのエマルジョン循環装置 | |
JP3231798B2 (ja) | 絞り・しごき加工装置および潤滑・冷却方法 | |
KR100859992B1 (ko) | 다중 롤 스탠드 탠덤 압연 트레인에서 특수강이나 비철금속, 또는 특수강과 비철금속으로 이뤄진 스트립을 냉간 압연하는 방법 및 설비 | |
EP0926227A2 (en) | Apparatus for processing metalworking fluid | |
EP0218855A1 (de) | Verfahren und Vorrichtung zum Stranggiessen | |
US4535615A (en) | Process and apparatus using ultra-filtration in the production of can shells | |
DE19915265A1 (de) | Verfahren und Vorrichtung zur Minimalmengen-Kühlschmierung bei Zerspannprozessen | |
US6191077B1 (en) | Method of cleaning liquid cooling lubricants | |
US12091632B2 (en) | Systems and methods for removing micro-particles from a metalworking fluid | |
JPH05154535A (ja) | 超高圧潤滑伸線方法および装置 | |
US6203857B1 (en) | Closed loop controllable fluid application system | |
CN215790927U (zh) | 切削液循环控制系统 | |
KR100211613B1 (ko) | 용기를 제조하는 아이어너용의 개량된 윤활 장치 및 방법 | |
CN114144266B (zh) | 轧制方法、金属板的制造方法及轧制装置 | |
EP0929773A1 (de) | Kühlschmiervorrichtung | |
EP3446800A1 (en) | Facility and method for cold rolling metal strip | |
CN216632321U (zh) | 一种马达壳冲压机雾化设备及应用该设备的马达冲压机 | |
JPH09141537A (ja) | 油剤供給装置及び油剤供給方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |