JP3231573B2 - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

Info

Publication number
JP3231573B2
JP3231573B2 JP08234295A JP8234295A JP3231573B2 JP 3231573 B2 JP3231573 B2 JP 3231573B2 JP 08234295 A JP08234295 A JP 08234295A JP 8234295 A JP8234295 A JP 8234295A JP 3231573 B2 JP3231573 B2 JP 3231573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
vacuum valve
contact
arc
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08234295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08287794A (ja
Inventor
工美 内山
英治 金子
憲治 渡辺
純一 佐藤
宜賢 影長
三孝 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP08234295A priority Critical patent/JP3231573B2/ja
Publication of JPH08287794A publication Critical patent/JPH08287794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3231573B2 publication Critical patent/JP3231573B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、特公昭54−12622号公報
に示された従来の真空バルブの一例を示す縦断面図であ
る。図8において、アルミナ磁器などで円筒状に形成さ
れた絶縁円筒1の上端には、環状に製作された封着金具
2aの下端がろう付けされている。この封着金具2aの
上端面には、ステンレス鋼板から円板状に製作された固
定側端板2Aがろう付されている。
【0003】一方、絶縁円筒1の下端にも、封着金具2
aと同一形状の封着金具2bの上端がろう付され、この
封着金具2bの下端には、外形が固定側端板2Aと同一
の可動側端板2Bが対称的にろう付されている。これら
の絶縁円筒1及び封着金具2a,2bと固定側端板2
A,可動側端板2Bで真空容器3を構成している。
【0004】このうち、固定側端板2Aの下面には、下
端が外側に湾曲された短い円筒状のアークシールド9A
の上端が絶縁円筒1と同軸にろう付されている。同じ
く、可動側端板2Bの上面にも、アークシールド9Aと
同形でやや大形のアークシールド9Bの下端が対称的に
ろう付されている。
【0005】可動側端板2Bの中心に貫設された貫通穴
には、略凸字状に形成されたブッシュ10が下側から挿着
されている。アークシールド9Bの内側には、ステンレ
ス鋼板から略U字状に製作されたベローズ8の開口側の
下端がろう付されている。
【0006】絶縁円筒1の内周の中央部には、環状の支
持環9aの外周がろう付されている。この支持環9aの
内周には、ステンレス鋼板から略円筒状に製作されたア
ークシールド9Cが絶縁円筒1と同軸に溶接されてい
る。
【0007】固定側端板2Aの中心に貫設された貫通穴
には、固定側通電軸6が上方から貫設され、この固定側
通電軸6の上端に形成された頭部6aの下面は、固定側
端板2Aにろう付されている。固定側通電軸6の下端に
は、詳細を図9の拡大詳細斜視図で後述する固定側電極
41Aの上端の中心部がろう付されている。
【0008】一方、可動側端板2Bに挿着されたブッシ
ュ10にも、可動側通電軸7が貫設されている。この可動
側軸7は、前述したベローズ8の上端も貫通し、このベ
ローズ8は、可動側通電軸7の中間部に気密にろう付さ
れ、可動側通電軸7の上端には、固定側電極41Aと同一
品で、図9で後述する可動側電極41Bが対称的にろう付
されている。
【0009】このように構成される真空バルブは、組立
の最終段階において、固定側端板2A及び封着金具2a
と絶縁円筒1の上端が、真空加熱炉中において図示しな
い治具を介してろう付される。その結果、真空容器3の
内部は、約 0.1Pa以下の真空に近い状態に管理されてい
る。
【0010】また、可動側通電軸7の下端には、図示し
ない絶縁ロッドが接続され、この絶縁ロッドの下端は、
この真空バルブが収納された真空遮断器や真空開閉器な
どの操作機構の操作ロッドに連結されている。
【0011】この操作機構で駆動される操作ロッドと絶
縁ロッドを介して、可動側通電軸7は矢印で示すように
上下方向に駆動され、この可動側通電軸7の上端の可動
側電極41Bは、固定側電極41Aから開極し或いは投入
される。
【0012】可動側電極41Bが固定側電極41Aから開極
するときに両電極間で発生するアークは、電極間の距離
が所定の距離に達すると消滅し、この結果、この真空バ
ルブに接続された回路の負荷電流や事故電流は遮断され
る。
【0013】図9は、これらの固定側電極41Aと可動側
電極41Bを示す拡大詳細斜視図で、いわゆる縦磁界電極
の場合を示す。図9において、固定側電極41Aと可動側
電極41Bは、対称形であり構造は同一である。
【0014】すなわち、固定側通電軸6の下端には、固
定側電極41Aの上端に設けられたコイル電極42Aの上端
の中心部がろう付されている。この中心部の外周には、
腕部42bが90゜間隔に放射状に形成され、これらの腕部
42bの先端には、弧状のコイル部42cが形成されてい
る。
【0015】各コイル部42cの先端には、下方に僅かに
突き出た凸部が形成され、コイル電極42Aの下面の中心
部には、図示しない円板状の接続部が前述した凸部と同
一高さに形成されている。
【0016】コイル電極42Aの下面には、円板状のアー
ク電極43Aが前述した接続部とコイル部42cの凸部を介
してろう付されている。このアーク電極43Aには、後述
する可動側電極42Bに示すように、中央部分を除いて、
8本のスリット43aが等間隔に放射状に形成されてい
る。
【0017】このアーク電極43Aの更に下面には、同じ
く可動側電極41Bの上端に示す、円板状の接点44Bと同
一品の図示しない接点がろう付されている。この接点に
も、前述したスリット43Bと同一位置にスリット43aが
形成されている。
【0018】同様に、可動側通電軸7の上端にも、コイ
ル電極42Aと同一品のコイル電極42Bの下端の中心部が
ろう付されている。この中心部の外周には、前述した腕
部42bと同様に図示しない腕部が90°間隔に放射状に形
成され、これらの腕部の先端には、弧状のコイル部42c
が固定側と同様に形成されている。
【0019】コイル電極42Bの上面には、アーク電極43
Bがろう付され、このアーク電極43Bには、中心部分を
除いてスリット43aと同一位置にスリットが放射状に形
成されている。アーク電極43Bの上面には、接点44Bが
固定側と同様にろう付されている。
【0020】このように固定側電極41Aと可動側電極41
Bが形成された真空バルブにおいては、負荷電流や事故
電流によって、固定側通電軸6から矢印に示すように可
動側通電軸7に流れる電流は、まず、固定側通電軸6か
らコイル電極42Aの腕部42bに放射状に流れる。
【0021】この電流は、各腕部42bの先端から各腕部
42bの先端に形成された各コイル部42cに流入し、この
各コイル部42cの先端の凸部からアーク電極43Aの外周
に流れる。
【0022】このアーク電極43Aの外周に流入した電流
は、アーク電極43Aの下面にろう付された接点を経て、
可動側電極41Bの接点44Bに流入し、さらに、この接点
44Bの外周からアーク電極42Bのコイル部42cから腕部
を経て、可動側電極軸7に流出する。
【0023】この過程において、各腕部と各コイル部に
流れる電流によって発生する磁束は、これらの各腕部と
各コイル部の近傍では、固定側通電軸6及び可動側通電
軸7と平行な方向の磁束となるので、いわゆる縦磁界と
呼ばれている。
【0024】この縦磁界電極間に発生したアークは、電
極の対向面の全体に均一に広がり、電極表面の局部的な
過大な熱入力を防ぎ、遮断性能の優れた電極構造とする
ことができる。
【0025】なお、可動側通電軸7から可動側電極41B
と固定側電極41Bを経て固定側通電軸6に流れる電流
は、図9で示した各矢印と逆向きとなるが、各腕部と各
コイル部で発生する磁束は、軸方向の縦磁界であり、可
動側電極41Bが固定側電極41Bと開離して流れるアーク
電流で発生する磁束も、同様に縦磁界となる。
【0026】図10は、真空バルブの内部で対置した固定
側電極51Aと可動側電極51Aの間で発生したアークと、
このアークによる可動側電極51Bの表面の溶融状態を示
す説明図で、固定側電極51Aから可動側電極51Bに遮断
電流が流れる場合を示す。
【0027】図10に示すように、陰極側となる可動側電
極51Bの表面のうち、特にアーク14の起点が集中した部
分では、接点材料が溶融し、この溶融部分15は、可動側
電極51Bの表面から放出される接点材料の蒸気16の圧力
が、電極間の中央部分において高いため、外周方向に流
出している。なお、電流の向きが逆で、固定側電極51A
の表面に溶融部分15が発生した場合も同様となる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところが、負荷電流や
事故電流の繰り返し遮断に伴って、図10で示した溶融部
分15の数と量が生長すると、通常の通電時には、電流は
溶融部分15だけを流れるので、通電断面積の狭い溶融部
分15の発熱で、これらの電極の温度上昇が高くなるおそ
れがある。
【0029】一方、電流を遮断する場合には、電極間で
発生したアークは、両電極から突き出た溶融部分に集中
し、膠着して、金属蒸気の量も増え、遮断時間が延びる
おそれもある。
【0030】すると、真空中でアークを短時間に遮断す
る真空バルブの特徴が損われるだけでなく、電極の接点
部分の摩耗が促進されて、寿命が損われるおそれもあ
る。そこで、本発明の目的は、通電容量や遮断特性の低
下を防ぐことのできる真空バルブを得ることである。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、絶縁円筒の両端から絶縁円筒の内部に突設された通
電軸の先端に接触子が接合された真空バルブにおいて、
通電軸の先端に底部の中央部が接合された筒状の電極
と、前記電極の先端に接合され中心部に開口部を有し表
面側に凹部が形成されるように円錐筒状とした接点で接
触子を構成したことを特徴とする。
【0032】また、請求項2に記載の発明の真空バルブ
は、電極の軸心線に対して斜めに複数条の溝を電極の筒
部に形成したことを特徴とする。
【0033】また、請求項3に記載の発明の真空バルブ
は、一端が電極の端部に連通する複数条の溝を電極の筒
部に形成したことを特徴とする。
【0034】また、請求項4に記載の発明の真空バルブ
は、電極の筒部に開口部を形成したことを特徴とする。
【0035】また、請求項5に記載の発明の真空バルブ
は、接点の開口部の直径を電極の外径の10%以上90%以
下としたことを特徴とする。
【0036】さらに、請求項6に記載の発明の真空バル
ブは、接点の凹の深さを電極の外径の10%以上50%以
下としたことを特徴とする。
【0037】
【作用】以上、請求項1に記載の発明においては、接点
間で発生したアークによって生成された金属蒸気と溶融
物は、アークと金属蒸気が発生せず圧力の低い開口部に
導かれる。
【0038】また、請求項2に記載の発明においては、
接点間で発生したアークによって生成された金属蒸気と
溶融物は圧力の低い開口部に導かれるとともに、溝部が
形成された電極の筒部に流れる電流で発生する軸方向の
磁束によって、接点間のアークの局部的な集中は阻止さ
れる。
【0039】また、請求項3に記載の発明においては、
接点間で発生したアークによって生成された金属蒸気と
溶融物は圧力の低い開口部に導かれるとともに、溝部が
形成された電極の筒部に流れる電流で発生する軸方向の
磁束によって、接点間のアークの局部的な集中は阻止さ
れる。
【0040】また、請求項4に記載の発明においては、
接点間で発生したアークによって生成された金属蒸気と
溶融物は、圧力の低い開口部に導かれるとともに、この
開口部から電極の内部に流入した金属蒸気は、筒部の開
口部から外部に流出する。
【0041】また、請求項5に記載の発明においては、
接点間で発生したアークによって生成された金属蒸気と
溶融物は、圧力が低く、電極の外径の10%から90%の直
径の開口部に導かれる。
【0042】さらに、請求項6に記載の発明において
は、接点間で発生したアークによって生成された金属蒸
気と溶融物は、電極の外径の10%から50%の深さの接点
の凹の表面から、圧力の低い開口部に導かれる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の真空バルブの一実施例を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の真空バルブの第
1の実施例を示す縦断面図で、従来の技術で示した図8
に対応する図である。
【0044】図1において、従来の技術で示した図8と
異るところは、電極の形状で、他は、図8と同一であ
る。したがって、図8及び図9と同一部分には、同一符
号を付して説明を省略する。
【0045】図1において、固定側電極4は、後述する
可動側電極5の拡大斜視図を示す図2、及び、拡大縦断
面図を示す図3と同様に、有底筒形の電極部11Aと、こ
の電極部11Aの下端の開口部にろう付された接点12Aで
構成されている。
【0046】同様に、可動側電極5も、図3及び図4で
示すように、固定側の電極部11Aと同一品の電極部11
と、この電極部11Bの上端にろう付された接点12Bで構
成されている。
【0047】このうち、電極部11A,11Bは、銅材で製
作され、接点12A,12Bは、タングステンを含む接点材
料で製作されている。これらの接点12A,12Bは、図2
及び図3に示すように、円錐台状に加工され、中心部分
には、開口部12a2,12b2が形成され、表面側には凹部12
a1,12b1が形成されている。
【0048】図4は、固定側電極と可動側電極がこのよ
うに構成された真空バルブにおいて、事故電流を遮断し
た場合の作用を示す説明図で、従来の技術で示した図10
に対応する図である。
【0049】図4において、可動側電極5が固定側電極
4から離れて、両電極の接点間においてアーク14が発生
し、金属蒸気15が生じると、この金属蒸気15は、アーク
14の起点がなくて圧力の低い開口部12a2,12b2の対向部
に向かって流れる。
【0050】同様に、接点12Bの中央部において溶融部
分16が生成されると、この溶融部分16は、同じく圧力の
低い開口部12b2の方向に流れ、この溶融部分16と金属蒸
気15は、開口部12b2を経て、電極部11Bの内部の空洞部
分13Bに流入する。
【0051】なお、遮断電流が反転して、図4で示した
矢印とは逆に、可動側通電軸7から固定側通電軸6の方
向に遮断電流が流れ、アーク14の陰極点が固定側の接点
12Aの表面に生成された場合には、この接点12Aの表面
に生成された金属蒸気と溶融部分は、圧力の低い開口部
12a2に向かって流入する。
【0052】したがって、このように電極が構成された
真空バルブにおいては、事故電流などの遮断時に発生し
たアークによって、接点間に大量の金属蒸気や溶融部分
が生成されても、これらの金属蒸気や溶融部分を、開口
部間の圧力の低い部分に導き、更に開口部から空洞部分
に導くことができるので、金属蒸気の圧力の上昇と溶融
部分に起因する通電時の温度上昇と遮断特性の低下を防
ぐことができ、接点の摩耗による寿命の低下も防ぐこと
ができる。
【0053】発明者らは、図3に示す各寸法において、
D1= 100mm,D2=75mm,D3=15mmとし、D=20゜
として製作した電極について、従来と同径で同一接点材
料の電極で組み立てた真空バルブと遮断試験の比較を行
った結果、遮断時間が短く、接点表面の荒れも少ないこ
とを確認することができた。
【0054】また、開口部のD3は、D1の少なくとも
10%以上は必要で、且つ、D1の90%以下が好ましく、
開口部の深さは、底部の上部でD1の少なくとも10%以
上は必要で、50%以下が好ましいことも分かった。
【0055】なお、上記実施例においては、接点12A,
12Bはすべて接点材料で製作した例で説明したが、これ
らの接点12A,12Bは、外周部分だけが接触し、中央部
分には接触圧力は印加されないので、接点の厚みや要求
される寿命によっては、裏面は銅材の母材とし、この銅
材の表面に接点材料をろう付してもよい。さらに、接点
12A,12Bの表面側の凹部は、通電部分とならないの
で、接触抵抗と溶融温度が高い耐アーク材料の金属で構
成してもよい。
【0056】次に、図5は、本発明の真空バルブの第2
の実施例を示す部分拡大図で、図1,図2,及び図3に
対応する図である。図5において、図1,図2及び図3
と異るところは、各電極部17,18の円筒部に対して、複
数条の溝19が斜めに形成されていることである。また、
各接点12A,12Bは、図1,図2及び図3と同様に円錐
状で開口部12a2,12b2が形成されている。
【0057】このような構成の電極では、両電極間に流
れる電流は、各溝19の間の円筒部分を流れる電流によっ
て、固定側通電軸6と可動側通電軸7と平行な方向の磁
束が発生し、いわゆる縦磁界となるので、両電極間で発
生するアークは、均一に分布し、アークの脚の集中によ
る金属蒸気や溶融部分の生成を防ぐことができる。
【0058】また、万一、過大な事故電流の遮断時に発
生したアークによって、電極間の中央部分で金属蒸気や
溶融部分が生成されても、中央部に形成された開口部12
a212b2に導くことで、その生長を抑えることができる
ので、接点表面の損傷を防ぎ、この損傷に起因する遮断
特性と通電容量の低下を防ぎ、寿命の低下を防ぐことが
できる。
【0059】次に、図6は、本発明の真空バルブの第3
の実施例を示す部分拡大図で、図4及び図5に対応する
図である。図6において、図4及び図5と異るところ
は、固定側電極の電極部11Cと可動側電極の電極11Dの
側面の底部に対して、開口部21が90゜間隔に形成されて
いることである。
【0060】このように電極が形成された真空バルブに
おいては、前述したように接点の開口部12a2,12b2を経
て内部に流入した金属蒸気15は、電極の内部の金属蒸気
圧の上昇に伴って、開口部21から電極の外部に流出する
ことができるので、接点間に生成された金属蒸気の開口
部12a2,12b2への流出が促進され、遮断特性が向上し、
寿命を延ばすことができる。
【0061】次に、図7は、本発明の真空バルブの第4
の実施例を示す部分拡大図で、図4,図5及び図6に対
応する図である。図7において、図4,図5及び図6と
異るところは、電極22A,22Bに形成された溝の形状が
図5で示した電極17,18と異なる。すなわち、図7に示
した電極22A,22Bに形成された溝22a,22bは、L字
形で電極22A,22Bの軸方向が短く、軸と直交方向が長
くなっている。
【0062】このように電極22A,22Bが構成された真
空バルブにおいても、各溝22a,22bの先端側に流れる
電流は、各電極22A,22Bの軸方向と直交方向となっ
て、この電流で発生する磁界は、縦磁界となり、接点12
A,12B間で発生するアークの集中を防ぐことができる
ので、遮断特性を上げることができる。
【0063】
【発明の効果】以上、請求項1に記載の発明によれば、
絶縁円筒の両端から前記絶縁円筒の内部に突設された通
電軸の先端に接触子が接合された真空バルブにおいて、
通電軸の先端に底部の中央部が接合された有底筒状の電
極と、前記電極の先端に接合され中心部に開口部を有し
表面側に凹部が形成されるように円錐筒状とした接点で
接触子を構成することで、接点間で発生したアークによ
って生成された金属蒸気と溶融物を圧力の低い開口部に
導いたので、通電容量や遮断特性の低下を防ぐことので
きる真空バルブを得ることができる。
【0064】また、請求項2に記載の発明の真空バルブ
は、複数条の溝を、電極の軸心線に対して斜めに電極の
筒部に形成することで、接点間で発生したアークによっ
て生成された金属蒸気と溶融物を圧力の低い開口部に導
くとともに、溝部が形成された電極の筒部に流れる電流
で発生する軸方向の磁束によって、接点間のアークの局
部的な集中を阻止したので、通電容量や遮断特性の低下
を防ぐことのできる真空バルブを得ることができる。
【0065】また、請求項3に記載の発明によれば、一
端が電極の端部に連通する複数条の溝を電極の筒部に等
間隔に形成することで、接点間で発生したアークによっ
て生成された金属蒸気と溶融物を圧力の低い開口部に導
き溝部が形成された電極の筒部に流れる電流で発生する
軸方向の磁束によって、接点間のアークの局部的な集中
を阻止したので、通電容量や遮断特性の低下を防ぐこと
のできる真空バルブを得ることができる。
【0066】また、請求項4に記載の発明によれば、電
極の筒部に開口部を形成することで、接点間で発生した
アークによって生成された金属蒸気と溶融物は、圧力の
低い開口部に導き、この開口部から電極の内部に流入し
た金属蒸気は、筒部の開口部から外部に流出させたの
で、通電容量や遮断特性の低下を防ぐことのできる真空
バルブを得ることができる。
【0067】また、請求項5に記載の発明によれば、接
点の開口部の直径を電極の外径の10%以上90%以下とす
ることで、接点間で発生したアークによって生成された
金属蒸気と溶融物は、圧力が低く、電極の外径の10%か
ら90%の直径の開口部に導いたので、通電容量や遮断特
性の低下を防ぐことのできる真空バルブを得ることがで
きる。
【0068】さらに、請求項6に記載の発明によれば、
接点の凹の深さを電極の外径の10%以上50%以下とす
ることで、接点間で発生したアークによって生成された
金属蒸気と溶融物は、電極の外径の10%から50%の深さ
の円錐筒状の接点の表面から、圧力の低い開口部に導い
たので、通電容量や遮断特性の低下を防ぐことのできる
真空バルブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空バルブの第1の実施例を示す縦断
面図。
【図2】図1の部分詳細拡大斜視図。
【図3】図1の部分詳細拡大縦断面図。
【図4】本発明の真空バルブの第1の実施例の作用を示
す部分縦断面図。
【図5】本発明の真空バルブの第2の実施例を示す部分
拡大詳細図。
【図6】本発明の真空バルブの第3の実施例を示す部分
拡大詳細図。
【図7】本発明の真空バルブの第4の実施例を示す部分
拡大詳細図。
【図8】従来の真空バルブの一例を示す縦断面図。
【図9】従来の真空バルブに組み込まれる電極の一例を
示す斜視図。
【図10】従来の真空バルブの作用を示す部分詳細図。
【符号の説明】
1…絶縁円筒、2A…固定側端板、2B…可動側端板、
3…真空容器、4…固定側電極、5…可動側電極、6…
固定側通電軸、7…可動側通電軸、8…ベローズ、9
A,9B,9C…アークシールド、10…ブッシュ、11
A,11B,17,18,22A,22B…電極部、12A,12B…
接点、12a1,12b1…凹部、12a2,12b2…開口部、13A,
13B…空洞部分、14…アーク、15…金属蒸気、16…溶融
部分、19,22a,22b…溝、21…開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 純一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 影長 宜賢 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (56)参考文献 特開 昭61−71520(JP,A) 特開 平2−7318(JP,A) 特開 平4−349320(JP,A) 特開 昭60−59621(JP,A) 特公 昭40−16377(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 33/66

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁円筒の両端から前記絶縁円筒の内部
    に突設された通電軸の先端に接触子が接合された真空バ
    ルブにおいて、前記接触子は、有底筒状をなし前記通電
    軸の先端に底部の中央部が接合された電極と、前記電極
    の先端に接合され中心部に開口部を有し表面側に凹部が
    形成されるように円錐筒状とした接点とを備えたことを
    特徴とする真空バルブ。
  2. 【請求項2】 前記電極の筒部に対して斜めに複数条の
    溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の真空バ
    ルブ。
  3. 【請求項3】 一端が前記電極の端部に連通する複数条
    の溝を前記電極の筒部に等間隔に形成したことを特徴と
    する請求項1に記載の真空バルブ。
  4. 【請求項4】 前記電極の筒部に開口部を形成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
  5. 【請求項5】 前記接点の開口部の直径を前記電極の外
    径の10%以上90%以下としたことを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載の真空バルブ。
  6. 【請求項6】 前記接点の凹の深さを前記電極の外径
    の10%以上50%以下としたことを特徴とする請求項1乃
    至請求項5のいずれかに記載の真空バルブ。
JP08234295A 1995-04-07 1995-04-07 真空バルブ Expired - Fee Related JP3231573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08234295A JP3231573B2 (ja) 1995-04-07 1995-04-07 真空バルブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08234295A JP3231573B2 (ja) 1995-04-07 1995-04-07 真空バルブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08287794A JPH08287794A (ja) 1996-11-01
JP3231573B2 true JP3231573B2 (ja) 2001-11-26

Family

ID=13771901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08234295A Expired - Fee Related JP3231573B2 (ja) 1995-04-07 1995-04-07 真空バルブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3231573B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6039266B2 (ja) * 2012-06-25 2016-12-07 株式会社東芝 真空バルブ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08287794A (ja) 1996-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100685507B1 (ko) 진공 밸브
US5495085A (en) Vacuum interrupter
US5793008A (en) Vacuum interrupter with arc diffusing contact design
EP0329410B1 (en) Vacuum interrupter
US6479779B1 (en) Vacuum switching device
EP0133368B2 (en) High current switch contact
JP3231573B2 (ja) 真空バルブ
JPH02142024A (ja) 真空スイッチ管
JPS6129151Y2 (ja)
JP2010267442A (ja) 真空インタラプタ用縦磁界電極
JPH07249352A (ja) 真空遮断器
JP3577740B2 (ja) 真空バルブ
JP3568683B2 (ja) 真空バルブ
JPH06150784A (ja) 真空バルブ
JP3219483B2 (ja) 真空バルブ
JP3441224B2 (ja) 真空バルブ及びその製造方法
JPH09115397A (ja) 真空バルブ
EP4276864A1 (en) Vacuum interrupter
WO2021255869A1 (ja) 真空バルブ
JPH01315914A (ja) 真空バルブ
JP3274167B2 (ja) 真空バルブ
JPH06150785A (ja) 真空バルブ
JPH1140017A (ja) 真空バルブ
JPH0395815A (ja) 真空バルブ
JPH08111148A (ja) 真空バルブの電極

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070914

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees