JP3231493B2 - シート切断装置及びこれを備えたファクシミリ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はファクシミリ装置、記録
装置等において、記録紙等のシートを幅方向に切断して
切り離すシート切断装置及びこれを備えたファクシミリ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ファクシミリ装置において記録済
の記録紙を切り離すためのシート切断装置として、長刃
の固定刃と、その固定刃に沿って回転移動する回転刃を
用いたものが用いられている。このシート切断装置を図
５に示すファクシミリ装置を例にとって説明する。図５
において、１は記録紙（以下シートという）、２はその
シート１に受信情報を記録する記録ヘッド、３はシート
１を記録ヘッド２に押し付けながら搬送する記録ローラ
であり、その上方に（下流に）シート切断装置５が配置
されている。このシート切断装置５は、シート１の搬送
路の片側に、シートの幅方向に延びるように設けられた
固定長刃６と、そのシートの搬送路の固定長刃１とは反
対側に、固定長刃６に平行に設けられたレール７と、そ
のレール７に移動可能に保持された移動体８と、この移
動体８をレール７に沿って往復動させるベルト９及びそ
のベルト９を掛けたベルトローラ１０と、移動体８に保
持され、固定長刃６に沿って回転移動してシートを切断
する回転刃１１等を備えており、シート１の停止中に移
動体８がレール７に沿って走行し、回転刃１１が固定長
刃６に摩擦接触しながら走行することによって回転し、
その回転刃１１と固定長刃６とによってシート１を切断
していた。

【０００３】シート切断装置５の上方には、排出ローラ
１３と、排出トレイ１４と、排出検知センサ１５が設け
られており、切断終了後、切り離されたシート１ａを排
出トレイ１４上に排出していた。なお、排出ローラ１３
の回転中、記録ローラ３も回転するので、未記録のシー
ト１も送り出されており、シート１ａの排出完了後、未
記録のシート１の先端が排出検知センサ１５に到達した
時点で、記録ローラ３の回転を停止させ、次いで記録ロ
ーラ３を所定量だけ逆転させてシート１を、その先端が
記録ヘッドのところとなるよう引き戻し、次の記録に備
えていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる構成の
シート切断装置では、垂直状態となっているシート１を
単に切断するだけであるので、切り離された側のシート
１ａを排出ローラ１３で排出しなければならず、排出ロ
ーラ及びその駆動系等を必要としコスト高となるという
問題があった。また、排出ローラを使用する関係上、排
出検知センサ１５を設け、その排出検知センサ１５で未
記録のシート１の先端を検出してシートの引き戻しを制
御しなければならず、この点からもコスト高となるとい
う問題があった。

【０００５】本発明は、上述の問題点に鑑みて為された
もので、排出ローラを使用することなく、切断後のシー
トを排出可能な構成のシート切断装置を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するため、シートの幅方向を移動してロール状シート
を切断する切断手段と、この切断手段とともに移動しな
がら前記切断手段による切断点より移動方向後方位置に
てシートを搬送経路外へと押出す押出手段という構成を
備えたものである。

【０００７】また、シートの幅方向に延びる固定長刃
と、この固定長刃に沿って回転移動してシートを切断す
る回転刃と、回転軸を中心に第１作動位置と第２作動位
置とに各々回動可能で互いに鈍角をなす関係に形成され
た第１突起部、第２突起部を備えて前記回転刃とともに
移動する案内手段であって、前記回転刃の往動時には前
記突起部のうち一方を、復動時には他方をシートの搬送
経路上に突出させて前記シートを排出位置へ案内する案
内手段という構成を備えたものである。

【０００８】また、シートの幅方向に延びる固定長刃
と、この固定長刃に沿って回転移動してシートを切断す
る回転刃と、この回転刃とともに移動しながら前記固定
長刃と前記回転刃との切断点より移動方向後方位置にて
シートを搬送経路外へと押出す押出手段と、この押出手
段に押出されたシートを保持する溝部を形成する筐体と
いう構成を備えたものである。

【０００９】

【作用】本発明は上述の構成により、固定長刃と回転刃
とで切断されたシートを回転刃の移動とともに移動する
押出し手段により搬送経路外に押出すことができる。

【００１０】更に、本発明は上述の構成により、固定長
刃と回転刃とで切断されたシートを２つの案内面を有す
る押出し手段を往動時と復動時とで２つの案内面を切換
えて押出すことができる。

【００１１】更に、本発明は上述の構成により、固定長
刃と固定刃とで切断されたシートを押出手段により筐体
に形成されたシートを保持する溝部に保持されるように
することができる。

【００１２】

【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。

【００１３】図４は本発明の一実施例によるシート切断
装置を備えたファクシミリ装置の要部を示す概略断面図
であり、図５に示す従来例と同一又は同様な部分には同
一符号を付けている。図４において、１はシート（記録
紙）、２はそのシート１に受信情報を記録する記録ヘッ
ド、３はシート１を記録ヘッド２に押し付けながら搬送
する記録ローラであり、その上方に（シートの流れ方向
には下流に）、本発明の実施例によるシート切断装置２
０が設けられている。このシート切断装置２０も従来と
同様に、シート１の搬送路の片側に、シートの幅方向に
延びるように設けられた固定長刃６と、そのシートの搬
送路の固定長刃１とは反対側に、固定長刃６に平行に設
けられたレール７と、そのレール７に移動可能に保持さ
れた移動体８と、この移動体８をレール７に沿って往復
動させるベルト９及びそのベルト９を掛けたベルトロー
ラ１０と、移動体８に保持され、固定長刃６に沿って回
転移動してシートを切断する回転刃１１等を備えてお
り、シート１の停止中に移動体８がレール７に沿って走
行し、回転刃１１が固定長刃６に摩擦接触しながら走行
することによって回転し、その回転刃１１と固定長刃６
とによってシート１を切断するものである。

【００１４】この移動体８には従来と異なり、切り離し
た側のシート１ａを固定長刃６から側方に押し出すため
のシート押出部材２２が取り付けられている。図１〜図
３はそれぞれ、シート切断装置２０を異なる作動状態で
示す概略平面図である。この図１〜図３から良く分かる
ように、シート押出部材２２は回転刃１１の回転中心軸
線Ｏを中心として、図１に示す第一作動位置と、図３に
示す第二作動位置とに回転可能に設けられており、且つ
その回転中心軸線Ｏをはさむ関係に且つ互いに鈍角をな
す関係に形成された第一案内面２３と第二案内面２４を
備えた第一突起部２３Ａ及び第二突起部２４Ａを有して
いる。ここで、第一案内面２３及び第二案内面２４のそ
れぞれの長さ及び両者の形成する角度は、図１に示す第
一作動位置とした時には、第二案内面２４がシートの搬
送路に干渉しない位置となるが第一案内面２３が回転刃
１１と固定長刃６との切断点Ｐよりも後方においてシー
トの搬送路に突出し、切断されたシート１ａを押し出す
ことができ、また、図３に示す第二作動位置とした時に
は、第一案内面２３がシートの搬送路に干渉しない位置
となるが第二案内面２４が回転刃１１と固定長刃６との
切断点Ｑよりも後方においてシートの搬送路に突出し、
切断されたシートを押し出すことができるように、定め
られている。

【００１５】なお、図示は省略しているが、シート押出
部材２２を第一作動位置或いは第二作動位置に位置させ
た時、そのシート押出部材２２に或る程度大きい力が作
用しない限りシート押出部材２２を動かないようその位
置に拘束する拘束手段が設けられている。この拘束手段
としては、例えば、移動体８とシート押出部材２２との
間に適当な大きさの摩擦力を作用させ、その摩擦力でシ
ート押圧部材２２を動かないよう拘束するもの、シート
押出部材２２と移動体８の互いに対向する面にそれぞれ
半円状のクリック用突起とそれを嵌合させる凹部とを形
成し、その突起と凹部との嵌合によりシート押圧部材２
２を動かないように拘束するもの等を挙げることができ
る。

【００１６】図１〜図３において、２６はファクシミリ
装置の筺体である。この筺体２６の移動体８の折り返し
点近傍の部分には、移動体８が接近した時にシート押出
部材２２の一端に接触する位置に傾斜した案内面２７が
形成されており、移動体８が折り返し点に接近し停止す
るまでの間に、第一作動位置にあったシート押出部材２
２を回動させて第二作動位置とするようになっている。
従って、この案内面２７は、移動体が折り返し点に移動
した時にシート押出部材の作動位置を切り換える切り換
え手段を構成する。なお、このような案内面２７は、移
動体８の反対側の折り返し点近傍にも形成されている。

【００１７】図４において、シート切断装置２０の側方
には、切り離されたシート１ａを集積する排出トレイ２
９が設けられている。なお、シート切断装置２０の上方
には、従来用いていた排出ローラ及び排出検知センサは
設けていない。また、この排出トレイ２９はファクシミ
リ装置の記録紙保持部の開閉カバーの上面に溝を形成し
て使用されている。

【００１８】以上の構成によるシート切断装置２０を備
えたファクシミリ装置について、以下その動作を説明す
る。通常、移動体８はシートの走行に干渉しない位置
（折り返し点）に停止して待機している。いま、図１に
おいて、移動体８が右端側の折り返し点に待機している
ものとする。この時、移動体８に設けているシート押出
部材２２は第一作動位置（図１に示すシート押出部材２
２の位置と同じ）になっている。この状態で、図４にお
いて、記録ローラ３がシート１を搬送し、同時に記録ヘ
ッド２が受信情報をそのシート１に記録し、記録済のシ
ート１は上方に送り出される。１枚の原稿分の記録が終
了すると、記録ローラ３は更にシート１を送り、記録済
のシートの後端を固定長刃６の先端に一致させる。

【００１９】次に、移動体８が、図１における右側の折
り返し点から左方向への走行を開始し、回転刃１１が固
定長刃６に沿って回転しながら移動し、シート１を切断
してゆく。この時、シート押出部材２２は図１に示す第
一作動位置となっており、その第一案内面２３が回転刃
１１と固定長刃６との切断点Ｐよりも後方においてシー
トの搬送路に突出しているので、切断されたシート１ａ
を固定長刃６の側方に押し出してゆく。このため、回転
刃１１がシート１の全幅を横切って移動し、シート１ａ
を切り離した時には、そのシート１ａが固定長刃６の側
方の排出トレイ２９上に自動的に排出される。このた
め、従来用いている排出ローラを用いることなく、記録
済シートを排出トレイ２９に排出できる。

【００２０】図１において、移動体８が左方向に移動
し、折り返し点に接近すると、シート押出部材２２の第
二案内面２４側の先端が筺体２６に形成している案内面
２７に接触し、それによってシート押出部材２２が図１
で時計方向に回動し、移動体８が折り返し点に停止した
時点では、図２に示すように、シート押出部材２２は第
二作動位置となる。この状態で、移動体８は待機し、次
の切断に備える。

【００２１】一方、シート１の切断終了後、記録ローラ
３が所定量だけ逆転し、固定長刃６の位置にあった未記
録のシート１の先端を記録ヘッド２のところに引き戻
し、次の記録に備える。

【００２２】シート１に対して次の記録を行い、シート
１の切断を行う時には、今度は図２に示すように、左側
の折り返し点に待機していた移動体８が右方向に移動
し、図３に示すようにシート１を切断してゆく。この時
には、シート押出部材２２は第二作動位置となってお
り、第二案内面２４が回転刃１１と固定長刃６との切断
点Ｑよりも後方においてシートの搬送路に突出している
ので、切断されたシート１ａを固定長刃６の側方に押し
出してゆき、固定長刃６の側方の排出トレイ２９上に自
動的に排出してゆく。その後、移動体８が右側の折り返
し点に到達した時点で、筺体に設けている案内面（図示
せず）がシート押出部材２２を第二作動位置から第一作
動位置に回動させ、その状態で次の切断のために待機す
る。

【００２３】以下、同様の動作を繰り返すことにより、
記録済のシートが切断され、排出トレイ２９に集積され
る。このように上記実施例では、シート押出部材２２で
切り離された側のシート１ａを自動的に排出トレイ２９
に排出できるので、従来用いていた排出ローラを省略で
き、また、排出検知センサを使用しなくても未記録のシ
ート１の先端を記録ヘッド２のところに引き戻すことが
でき、装置構成を簡略化してコストダウンを図ることが
できる。

【００２４】なお、上記実施例では、移動体の往方向の
移動及び復方向の移動の両方においてシート切断を行っ
ており、そのいずれにおいても、切り離されたシートを
排出することができるよう、シート押出部材２２に第一
案内面２３、第二案内面２４を設け、両者を切り換えて
使用する構成としている。しかしながら、本発明はこの
構成に限定されるものでなく、移動体の一方向の移動に
おいてのみ切断する構成としてもよい。その場合には、
シート押出部材２２は単に一つの案内面を備えておれば
よく、また、そのシート押出部材２２は移動体８に固定
しておけばよい。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、回転刃と固定長刃との切断点よりも後方にシートを
搬送経路外に押出す押出手段を設けたことにより、回転
刃が固定長刃に沿って走行し、回転刃が固定長刃と協働
してシートを切断してゆく時に、その回転刃に保持され
た押出手段が切り離される側のシートをシートの搬送路
から外れる位置に押し出してゆき、これにより自動的に
シートを排出でき、従来用いていたような排出ローラや
排出検知センサの使用を省略でき、装置構成を簡略化し
てコストダウンを図ることができるという効果を有して
いる。

【００２６】更に、２つの案内面を有する押出手段が切
断されたシートを押出し、この２つの案内面を往動時と
復動時でシートに当たる面を切換えるようにしたため、
回転刃の往復動のいずれにおいてもシート切断を行うと
共にシートを排出することができるという効果が得られ
る。

【００２７】更に、ファクシミリ装置の筐体に形成され
る溝部に上述したシート切断装置で切断されたシートを
落とし込み、保持させるようにしたため、シート保持部
を別に形成する必要がなくなり、部品点数等を減らし、
コストダウンを図ることでき、更に装置の小型化を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ファクシミリ装置に設けた本発明の一実施例に
よるシート切断装置を、切断動作時の状態で示す概略平
面図

【図２】本発明におけるシート切断装置の移動体が折り
返し点に到達した時点の状態で示す概略平面図

【図３】本発明におけるシート切断装置の移動体が図１
とは異なる方向に走行しながら切断する状態で示す概略
平面図

【図４】本発明におけるシート切断装置を備えたファク
シミリ装置の要部の概略断面図

【図５】従来のシート切断装置を備えたファクシミリ装
置の要部の概略断面図

【符号の説明】

１、１ａ シート（記録紙） ２ 記録ヘッド ３ 記録ローラ ５、２０ シート切断装置 ６ 固定長刃 ７ レール ８ 移動体 ９ ベルト １０ ベルトローラ１０ １１ 回転刃 ２２ シート押出部材 ２３ 第一案内面 ２３Ａ 第一突起部 ２４ 第二案内面 ２４Ａ 第二突起部 ２６ 筺体 ２７ 傾斜面 ２９ 排出トレイ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−63653（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−244866（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−238658（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−30129（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−98661（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 1/00 B65H 35/00 - 35/10

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートの幅方向を移動してロール状シー
   トを切断する切断手段と、この切断手段とともに移動し
   ながら前記切断手段による切断点より移動方向後方位置
   にてシートを搬送経路外へと押出す押出手段とを具備し
   たシート切断装置。
2. 【請求項２】 シートの幅方向に延びる固定長刃と、こ
   の固定長刃に沿って回転移動してシートを切断する回転
   刃と、回転軸を中心に第１作動位置と第２作動位置とに
   各々回動可能で互いに鈍角をなす関係に形成された第１
   突起部、第２突起部を備えて前記回転刃とともに移動す
   る案内手段であって、前記回転刃の往動時には前記突起
   部のうち一方を、復動時には他方をシートの搬送経路上
   に突出させて前記シートを排出位置へ案内する案内手段
   とを具備したシート切断装置。
3. 【請求項３】 シートの幅方向に延びる固定長刃と、こ
   の固定長刃に沿って回転移動してシートを切断する回転
   刃と、この回転刃とともに移動しながら前記固定長刃と
   前記回転刃との切断点より移動方向後方位置にてシート
   を搬送経路外へと押出す押出手段と、この押出手段に押
   出されたシートを保持する溝部を形成する筐体とを具備
   したファクシミリ装置。