JP3231302B2 - 搬送パレット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、袋物搬送パレッ
ト、特に、小麦粉袋、セメント袋等の袋物を搬送、保
管、出荷するための搬送パレットに関する。即ち、本発
明は、新規な構造と機構を有する、特に重量袋物を搬送
するに適する段ボールで作製された袋物搬送パレットに
関する。

【０００２】

【従来の技術】包装、物流の分野では、地球環境の保
護、限られた資源の再利用の観点から、リサイクル物を
利用する要請があり、また、中国がマツクイムシ防御か
ら、日本及び米国からの木材包装の熱処理施行を義務化
したこと（１９９９年１１月１日付けの木材包装に対す
る緊急検疫措置に関する通告）から、段ボール、紙板、
紙ボード、合成板、プラスチック板等で製造した包装パ
レット、搬送パレットが、緊急的に且つ遡及的に要請さ
れている。

【０００３】従来の段ボール製搬送パレットとしては、
例えば、特開平９−１９３９３４号及び特開平１１−４
３１４７号に開示されるように、平面の頂面を有する段
ボール製搬送パレットが、一般的である。然し乍ら、袋
物の運搬では、重量がある上に、荷崩れを起こし易く、
扱い易く、簡便な段ボール・パレットは、なかった。ま
た、段ボール製搬送パレットは、従来一般的に用いられ
ていなかったために、十分な信頼性が確立されていな
い。それは、強度の点の心配、折れたり曲がったりする
心配があり、ベルトコンベヤーへ載せて搬送する際に
も、荷崩れの恐れもあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、重量物にも
なる袋物を、載せて運搬することができる段ボール製搬
送パレットを提供することを目的とする。即ち、重量袋
物等を載置すると従来の上面が平らな搬送パレットで
は、特定の形をとらない袋物は崩れることが多く、それ
らをコンベヤーベルトに載せて運搬するには多くの困難
が伴うが、本発明はこれらの困難、問題を簡単な手段
で、安価に解決した搬送パレット装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、段ボール、プラス
チック製板等を使用でき、簡便に利用でき、簡易な構造
であるので安価に製造できる、搬送パレットを提供し、
それは次のような手段による。 (１)一枚の段ボールを、所定の長方形の底面(９)を中央
にとり、折り目(２４)(２５)を付け、その両折り目(２
４)(２５)に隣接する領域(１０)(１１)を縦壁になるよ
うに立て、次に、更に、その両隣接部に、縦寸法がほぼ
同じ幅になるよう折り目(２３)(２６)を付け、同方向に
折り、次に、各々頂面(７)(８)を成す領域として、更
に、所定幅で折り目(２２)(２７)を付け、同方向に折
り、全体として、断面が巻き込む形状にあり、長方形の
底面と、２つの互いに内側に傾斜した面(７)(８)を頂面
とする長方形の頂面構成部分(２−１)を所定数、頂面全
体の各端部では、各々、内側に傾斜した面(７)を有する
ように所定配置に配列してなり；配列された各頂面構成
部分は、平坦な基部上面に各々所定配列に配列され接着
されていることを特徴とする搬送パレットを提供する。

【０００６】(２)(１)項に更に、長方形の頂面構成部分
は、各々、基部上面に、２個、３個、４個、５個あるい
は６個を各々に特定配列に並べられる。 (３)(１)項に更に、４個の長方形の頂面構成部分は、基
部上面に、卍になるように配列される。 (４)(１)〜(２)項において、各頂面構成部分の断面は、
段ボールの巻き込む形状の左右の空洞部に補強部材を各
々設け、補強される。

【０００７】(５)(１)〜(４)項において、基部は、所定
間隔で離隔され相対向する対の段ボール板と、上記の段
ボール板の対向面に各々所定配置で、所定の離隔長さ
に、接着固定された複数の支持脚部を備えた構造を有す
る。

【０００８】従って、本発明の搬送パレットにおいて
は、作製材料としては、段ボール、紙板、紙ボード、合
成板、プラスチック板を利用できるが、それらに限定さ
れるものではない。これらの材料を代表して、本明細書
では、段ボールを用いて説明する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の搬送パレットの例
を説明するが、本発明は、それにより限定を受けるもの
ではない。先ず、本発明のパレット(１)は、袋物の運搬
に適するものであるので、袋物等の搬送を例に説明する
が、それに限定されるものではない。また、各図は、分
かり易いように、変形、縦横の寸法は変えてあるので、
その通りのものを表すものではない。

【００１０】図１は、本発明の搬送パレット(１)の斜視
図である。即ち、図示の袋物搬送パレット(１)の上部分
は、図示のような頂面構成部分(２)を４つ、即ち、(２
−１)、(２−２)、(２−３)及び(２−４)を、渦のよう
に、また卍字になるように並べる。すると、搬送パレッ
ト(１)の頂面は、図示のような凹凸面を形成する。その
効用は、詳細には以下に説明するが、端的に述べると、
この凹凸面が、特に重量袋(３)（図４参照）もののよう
な一定の形をとらないで、荷崩れを起こし易いものを確
実に確保して載置することができる。

【００１１】そして、本発明の搬送パレットの下部分：
基部は、図示のように、上下の平行の段ボール板或いは
ボード板(４)と(６)の間に支持脚部(５−１等)を取りつ
けた構造である。これは、袋物搬送パレットの搬送中に
揺れや振動が生じた場合に、簡単に荷物がずれたり、は
ずれてしまう現象を防止し、また、積載物の崩れや落下
を防ぐためである。

【００１２】従って、この搬送パレット(１)の基部は、
本出願人の特開平９−１９３９３４号開示のローラーコ
ンベヤー用パレットと同様の構造を利用できる。また、
例えば、次のような構造を有するようにできるものであ
る。

【００１３】即ち、本発明の搬送パレットをローラーコ
ンベヤー上を搬送する場合には、図６ａ、ｂに示される
ような構造を取ることもできる。即ち、図６ｂに示すよ
うな、幾重もの構造を有する二重構造円筒(１５−２)、
(１６−１)、(１５−１)により確実に上下の段ボール板
(４)と(６)を固着できる。

【００１４】次に、上記の本発明の搬送パレットの上部
分を構成する各頂面構成部分(２−１等)について説明す
る。即ち、この構成部分(２−１)は、図２の斜視図に示
すような構造を有し、そして、詳細には、図３の断面図
に示すような構造を有する。即ち、基本的には、この頂
面構成部分(２−１等)は、一枚の段ボール板を折り込む
ことにより製造できる。

【００１５】即ち、頂面構成部分(２−１等)は、図３の
断面図に示すように、１枚の段ボールを、段ボールの一
方の端部(１８)から、面(８)を作る折り目(２７)を作
り、そして同方向に、折り目(２６)で面(１１)を作るよ
うに折り、そして、折り目(２５)で底面(９)を作成する
ように同方向に折り、そして、折り目(２４)で縦面(１
０)を作るように同方向に折り、そして、折り目(２３)
で頂面(７)を作るように折り、そして折り目(２２)で折
り、他方の端部(１９)に至るものである。従って、この
構成部分(２−１等)は、機械的に容易に作製することが
できる。

【００１６】即ち、別の説明の仕方では、図２、３に示
されるように、一枚の段ボールを、所定の長方形の底面
(９)を中央にとり、折り目(２４)(２５)を付け、その両
折り目(２４)(２５)に隣接する領域(１０)(１１)を縦壁
になるように立て、次に、その両隣接部に、縦寸法がほ
ぼ同じ幅になるよう折り目(２３)(２６)を付け、同様に
折り曲げ、生じた面を縦壁(１０)、(１１)とし、更に、
各々傾斜した頂面(７)(８)を成す領域として、所定幅で
折り目(２２)(２７)を付け、同様に折ると、傾斜頂面
(７)と(８)が形成され、図２、３に示される頂面構成部
分が作製される。即ち、本発明による頂面構成部分は、
長方形の底面(９)と、２つの互いに内側に傾斜した頂面
(７)(８)を有し、全体として、断面が、図３に示される
ような、段ボールを巻き込んだ形状にある。そして、こ
のような同一形の頂面構成部分を複数、基部の上面(４)
に配列し、頂面とするには、頂面全体の各端部では、各
々、内側に傾斜した面(７)が縁部になるように配列す
る。そして、配列された各頂面構成部分は、平坦な基部
上面に各々接着される。

【００１７】更に、上記のように容易に作製される構成
部分(２−１)は、頂面(８)と面(２８)の間の空間に適当
な間隔を設けて、補強部材(１３)を図示のように設け、
そして、頂面(７)と面(２９)の間に補強部材(１２)を図
示のように設けてある。更に、折り込んだ面(２８)と面
(２９)は、構成部分の底面(９)表面に接着できる。そし
て、頂面構成部分(２−１)は、図１に示すように、本発
明の袋物搬送パレットでは、各々の底面(９)は基部の段
ボール板(４)に接着される。このような構造であるため
に、本発明の搬送パレットは、強度が非常に大きく組立
できる。

【００１８】即ち、頂面構成部分の縦方向には、非常に
強度があるものである。図１、２に示すように、頂面構
成部分(２−１)は、その縦方向に多くの折り目があり、
また補強部材(１２)(１３)が入っているので、より縦方
向の曲げに強い。更に、図１の袋物搬送パレットでは、
４つの頂面構成部分(２−１等)が、卍形に整列されてい
るので、卍形に、強度の通った構造になる。即ち、卍形
に配列された各々の長方形の頂面構成部分(２−１等)の
縦方向に特に強度があるために、搬送パレット自体が全
体として折れ難い構造を得る。

【００１９】各頂面構成部分(２−１等)は、図２、３に
示すように、内側に傾斜した面(７)(８)を有し、特定の
形状をとらない袋物等を載せると、図４に示すように、
自然に袋物が内側に傾斜して搭載され、外側に落ちない
形状に搭載される。即ち、構成部分(２−１)の上に載せ
た重量袋物(３−１)は、図示の斜面(７)(８)により内側
に重量がかかって載せられ、また、構成部分(２−２)領
域に載せられた袋物(３−２)は、構成部分(２−２)にあ
る斜面により、パレット頂面の中央部に向かって重量が
かかるように載せられる。

【００２０】従って、このような内側に傾斜する頂面
(７)(８)を各々の頂面構成部分が有し、更に、卍形に頂
面構成部分が配列された頂面の袋物搬送パレットに、小
麦粉袋等の重量袋物を搭載した様子は、図４に示すよう
になる。然し乍ら、また、これらの頂面構成部分(２−
１等)を組み合わせる方法は、図１の斜視図に示す卍形
のものに限定されない。

【００２１】即ち、頂面構成部分(２−１)を４個卍形に
整列させたものは、図１の斜視図のものになり、図５ａ
の配置である。更に、構成部分(２−１)を３個用いたも
のは、図５ｂに示すようになり、斜面(７)は、図示のよ
うに、袋物搬送パレット頂面の外側、即ち、縁部になる
ように、配列することが肝要である。そして、図５ｃに
示される５個のものがあり、これは、非常に長細いパレ
ットとなる。各々の図においては、斜線部分は、内側に
傾斜した斜面(７)を示し、すべて、斜面(７)が、パレッ
ト頂面の縁部にある。さらに、図５ｄに示される６個の
ものが、考えられる。即ち、図５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ
に示した構成部分の配列が可能である。そして、各々の
構成部分は、内側に傾斜した面：斜面(７)（斜線で示す
部分）がパレット頂面の縁部になるよう配列される。

【００２２】次に、本発明の袋物搬送パレット(１)の基
部の構造は、本出願人の特開平９−１９３９３４号及び
特開平１１−４３１４７号と同様でもよいが、以下のよ
うな構造の搬送パレットの構造と作成方法も可能であ
る。即ち、図１に示されるように、基部は、所定間隔で
離隔され相対向する対の段ボール板と、上記の段ボール
板の対向面に各々所定配置で、所定の離隔長さに、接着
固定された複数の支持脚部(５−１等)を備えた構造を有
する。

【００２３】次に、本発明の袋物搬送パレット(１)の基
部は、図６ａ、ｂに示すような構造でもよい。即ち、各
支持脚部(５−１等)は、中空の円筒(１５−１)と、それ
を四面で囲む段ボール板(１７)とからなり、基部の上下
のダンボール板(４)(６)の支持脚部が相当する位置に、
円筒の横断面にほぼ相当する円領域が、その中心から放
射状切り目で切られ、該円の縁の内側から立てられてノ
リシロにする。そのノリシロ(１６−１)(１６−２)は、
支持脚部(５−１等)を成す円筒(１５−１)の内側表面に
接着され、更に、その内側に、上下から円筒(１５−２)
(１５−２’)を差し込み、その円筒(１５−２)(１５−
２’)の外側表面と、外側円筒(１５−１)の内側に接着
された、切り目ノリシロ(１６−１)(１６−２)とに接着
剤を施し、接着する。このような作成方法により、２つ
の円筒即ち、二重の円筒体(１５−１)と(１５−２)(１
５−２’)の間に、上下の対の段ボール板(４)(６)のノ
リシロ(１６−１)(１６−２)が接着され、しっかりと支
持脚部(５−１)と対の段ボール板(４)(６)が固着され
る。さらに、その外側外周に、四角になるように段ボー
ル板(１７)を折り目をとって巻く。このような構造の二
重構造の支持脚部になる。

【００２４】即ち、図６ａは、本発明による、平行に設
けられた２つの段ボール(４)(６)と、支持脚部(５−１)
の中心部の円筒との接合方法を示す。また、図６ｂは、
本発明による支持脚部(５−１)の横断面を示す断面図で
ある。即ち、図６ａに示される２重円筒(１５−２)(１
６−１)(１５−１)の周囲を更に、四角形の多重壁(１
７)で囲んだ支持脚部(５−１等)の構造を示す。

【００２５】以上のような構造の支持脚部(５−１等)
は、多重壁で更に二重にしたものであるが、以上に説明
されるように、二重円筒の作製方法もまた、その周囲へ
の四角多重壁の作製工程も、比較的に簡単にできるもの
である。そして、高い強度にできるものである。

【００２６】本発明の袋物搬送パレットには、袋物ばか
りでなく、一定の形状をとらない搭載物にも好適であ
る。即ち、自然とパレットの中心に搭載物の重量がかか
るようになり、自然に搭載物の荷崩れが防止できる。

【００２７】

【発明の効果】本発明の袋物搬送パレットは、図示のよ
うな頂面構成により、次のごとき技術的効果があった。
第１に、特定の形状をとらない袋物のような搭載物を搬
送するときに、荷崩れ等を起こさずに、ベルトコンベヤ
ーに載せて搬送することができる袋物搬送パレットを提
供する。第２に、袋物搬送パレットの頂面に、傾斜面を
外側縁部に接し得るように、長方形の構成部分を配列し
て、必要な強度を有する袋物搬送パレットを提供する。
第３に、簡便に、使用でき、簡便に組み込み使用できる
複数の構成部分で形成された頂面のある袋物搬送パレッ
トを提供する。第４に、更に、補強された構成部分を有
する頂面の、強い強度の袋物搬送パレットを提供する。
第５に、パレット本体基部の強度も高めて、更に、へた
りの少ない袋物搬送パレットを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の袋物搬送パレットを示す斜視図であ
る。

【図２】図１の袋物搬送パレットの頂面構成部分の１つ
を示す斜視図である。

【図３】図２の袋物搬送パレットの頂面構成部分のＡ−
Ａ線断面図である。

【図４】本発明の袋物搬送パレットに、重量袋物を積載
した様子を示す模式的側面図である。

【図５】図２の袋物搬送パレットの頂面構成部分の組合
せの各種を示す模式図である。

【図６】本発明の袋物搬送パレットの基部の構造とその
作製方法を示す模式的斜視図、及び支持脚部の断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 袋物搬送パレット ２−１、２−２、２−３、２−４．．．．頂面構成部分 ３ 袋物 ４ 基部の上の段ボール板 ５−１、５−２、５−３、５−４．．．．支持脚部 ６ 基部の下の段ボール板 ７ 頂面構成部分の外側斜面（全体頂面の縁部に接す
る） ８ 頂面構成部分の内側斜面 ９ 頂面構成部分の底面 １０、１１ 頂面構成部分の縦壁面 １２、１３ 補強部材 １４ 頂面構成部分の衝突部分 １５−１ 外側結合円筒 １５−２、１５−２’ 内側結合円筒 １６−１、１６−２ ノリシロ １７ 四角に巻いた段ボール板 １８、１９ 段ボール板の端部 ２２、２３、２４、２５、２６、２７ 折り目

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一枚の段ボールを、所定の長方形の底
   面(９)を中央にとり、折り目(２４)(２５)を付け、その
   両折り目(２４)(２５)に隣接する領域(１０)(１１)を縦
   壁になるように立て、次に、更に、その両隣接部に、縦
   寸法がほぼ同じ幅になるよう折り目(２３)(２６)を付
   け、同方向に折り、次に、各々頂面(７)(８)を成す領域
   として、更に、所定幅で折り目(２２)(２７)を付け、同
   方向に折り、全体として、断面が巻き込む形状にあり、
   長方形の底面と、２つの互いに内側に傾斜した面(７)
   (８)を頂面とする長方形の頂面構成部分(２−１)を所定
   数、頂面全体の各端部では、各々、内側に傾斜した面
   (７)を有するように所定配置に配列してなり；配列され
   た各頂面構成部分は、平坦な基部上面に各々所定配列に
   配列され接着されていることを特徴とする搬送パレッ
   ト。
2. 【請求項２】 長方形の頂面構成部分は、各々、基部
   上面に、２個、３個、４個、５個あるいは６個を各々特
   定配列に並べられたことを特徴とする請求項１に記載の
   搬送パレット。
3. 【請求項３】 ４個の長方形の頂面構成部分が、基部
   上面に、卍になるように配列されたことを特徴とする請
   求項１に記載の搬送パレット。
4. 【請求項４】 各頂面構成部分の断面は、段ボールの
   巻き込む形状の左右の空洞部に補強部材を各々設け、補
   強されたことを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記
   載の搬送パレット。
5. 【請求項５】 該基部は、所定間隔で離隔され相対向
   する対の段ボール板と、上記の段ボール板の対向面に各
   々所定配置で、所定の離隔長さに、接着固定された複数
   の支持脚部を備えた構造を有することを特徴とする請求
   項１〜４のいずれかに記載の搬送パレット。