JP3231085U - 医療用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】確実にシール部材が機能する医療用コネクタを提供する。
【解決手段】医療用コネクタは、コネクタ本体部12と、コネクタ本体部12に取り付けられるルアーロック部13と、両部12、13によって挟持されて配設される環状のシール部材14と、を具えている。コネクタ本体部12は、軸方向の両端が開口した内腔を有し、該内腔の内面は、絞りが一切なく平滑な面に形成されている。シール部材14の軸方向を向いた一方の側面には環状の先端凸部15が形成され、先端凸部15と対向するコネクタ本体部12の軸方向を向いた一方の端面には、シール部材配設部19が環状に形成され、シール部材配設部19には先端凸部15が挿入して装着される環状の凹部16が形成されている。シール部材配設部19の外周側に軸方向を向きその内周面がシール部材配設部に配置されたシール部材14に接してシール部材14の変形を抑止するシール部材変形抑止部20がシール部材配設部19を囲むように一体に設けられている。
【選択図】図7
【解決手段】医療用コネクタは、コネクタ本体部12と、コネクタ本体部12に取り付けられるルアーロック部13と、両部12、13によって挟持されて配設される環状のシール部材14と、を具えている。コネクタ本体部12は、軸方向の両端が開口した内腔を有し、該内腔の内面は、絞りが一切なく平滑な面に形成されている。シール部材14の軸方向を向いた一方の側面には環状の先端凸部15が形成され、先端凸部15と対向するコネクタ本体部12の軸方向を向いた一方の端面には、シール部材配設部19が環状に形成され、シール部材配設部19には先端凸部15が挿入して装着される環状の凹部16が形成されている。シール部材配設部19の外周側に軸方向を向きその内周面がシール部材配設部に配置されたシール部材14に接してシール部材14の変形を抑止するシール部材変形抑止部20がシール部材配設部19を囲むように一体に設けられている。
【選択図】図7
Description
この考案は、医療用コネクタに関し、詳しくは、胃瘻カテーテルチューブなどの栄養剤注入ラインに接続して、栄養剤注入する際に、コネクタ等との接続部に栄養剤が残ってしまったり、接続部からの漏出を防止することが可能で、さらに、経胃瘻内視鏡を挿入可能なコネクタに係るものである。
近年、医療用コネクタのベットサイドにおける誤接続による医療事故が多数発生し(例えば輸液点滴ラインに経腸栄養剤を誤接続して投与してしまう等)ており、その対応策として誤接続防止コネクタのための国際規格化(ISO標準規格80369−3)が進められている。
ところで、出願人は、先に経胃瘻内視鏡を挿入させることができる医療用コネクタとして、実用新案登録第3221614号(特許文献1)や、粘度の高い栄養剤を注入する際でも、その注入抵抗を低減させることができるシリンジとして実用新案登録第3222455号(特許文献2)を提案した。
特許文献2に記載されたシリンジを用いて、実際に栄養剤を注入したところ、図9に示すように、シリンジ01の栄養剤注入口01bの周囲に設けられたネジ01aをコネクタ02のルアーロック部02bに接続し、シリンジより栄養剤を注入しコネクタ本体02aの先端から排出させたところ、コネクタ本体02aとシール部材02cとの間に形成される隙間03に栄養剤が残ってしまう問題が発生した。
この問題の原因を検討したところ、ルアーロック部02bの接続によりシール部材02cが栄養剤注入口01bにより圧縮されると、外周方向に押し広げられてルアーロック部側に偏って変形し、結果として内周側に図示のように隙間03ができ、この隙間に栄養剤が入り込むことで、コネクタ本体02aとシール部材02cとの隙間03に栄養剤が残ってしまっていた。更に、この状態で栄養剤を更に注入していくと、コネクタ本体とルアーロック部との隙間から栄養剤が漏出してしまう問題も発生した。
そこでこの考案は、前記従来の問題を解決し、栄養剤注入する際に、確実にシール部材が機能し、コネクタ等との接続部に栄養剤が残ってしまったり、接続部からの漏出を防止することが可能な医療用コネクタを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の考案は、コネクタ本体部と、このコネクタ本体部に取り付けられるルアーロック部と、これら両部によって挟持されて配設される環状のシール部材と、を具え、前記コネクタ本体部は、軸方向の両端が開口した内腔を有し、該内腔の内面は、絞りが一切なく平滑な面に形成されており、前記シール部材の軸方向を向いた一方の側面には環状の先端凸部が形成され、この先端凸部と対向する前記コネクタ本体部の軸方向を向いた一方の端面には、シール部材配設部が環状に形成され、このシール部材配設部には前記先端凸部が挿入して装着される環状の凹部が形成されている医療用コネクタにおいて、前記シール部材配設部の外周側に軸方向を向きその内周面がシール部材配設部に配置されたシール部材に接してシール部材の変形を抑止するシール部材変形抑止部がシール部材配設部を囲むように一体に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、請求項1において、前記コネクタ本体部は、内腔の内径が5.0mmに形成され、前記シール部材配設部は、外径が11.5mmに形成され、前記シール部材変形抑止部は、軸方向の長さが0.9mmに形成され、前記シール部材は、ショア硬さ70Aの材料で成形され、その中心には前記コネクタ本体部の内径より大きい内径6.0mmの穴が形成されているとともに、外径が12.0mmに形成され、厚さが1.5mmに成形されている。
請求項3に記載の考案は、請求項1に記載の医療用コネクタに接続されるコネクタであって、軸方向の両端が開口した内腔を有する本体を具え、該本体の内腔の内径が国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタの内径より大きく形成されている。
請求項4に記載の考案は、請求項1に記載の医療用コネクタと、請求項3に記載の医療用コネクタと、を具えた医療用コネクタのアッセンブリである。
請求項5に記載の考案は、次のような構成の医療用コネクタである。すなわち、請求項3に記載の医療用コネクタは、軸方向の一端側が内視鏡挿入用補助具側のアダプタに接続され、他端側が請求項1に記載の医療用コネクタに接続されており、請求項1に記載の医療用コネクタは、軸方向の一端側が請求項3に記載の医療用コネクタの他端側に接続され、他端側が胃瘻カテーテルチューブに接続されている。
この考案は、前記のようであって、請求項1に記載の考案によれば、シール部材配設部の外周側に軸方向を向きその内周面がシール部材配設部に配置されたシール部材に接してシール部材の変形を抑止するシール部材変形抑止部がシール部材配設部を囲むように一体に設けられているので、シール部材の偏った変形を防止することが可能となる。そのため、従前のコネクタのようにコネクタとコネクタ等との接続部に隙間が発生し、これを原因として栄養剤を注入する際に、コネクタとコネクタ等との接続部に栄養剤が残ってしまったり、栄養剤が接続部から漏出することがないという優れた効果が期待できる。
請求項2に記載の考案によれば、前記コネクタ本体部は、内腔の内径が5.0mmに形成され、前記シール部材配設部は、外径が11.5mmに形成され、前記シール部材変形抑止部は、軸方向の長さが0.9mmに形成され、前記シール部材は、ショア硬さ70Aの材料で成形され、その中心には前記コネクタ本体部の内径より大きい内径6.0mmの穴が形成されているとともに、外径が12.0mmに形成され、厚さが1.5mmに成形されているので、請求項1に記載の考案の効果を実施例で示すように実証的に裏付ける効果がある。
請求項3に記載の考案によれば、請求項1に記載の医療用コネクタに接続されるコネクタであって、軸方向の両端が開口した内腔を有する本体を具え、該本体の内腔の内径が国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタの内径より大きく形成されているので、従来のコネクタではできなかった経胃瘻内視鏡の挿入も可能とすることができるとともに、栄養剤注入ラインに接続することもできる。
請求項4又は5に記載の考案によれば、請求項1に記載の医療用コネクタと、請求項3に記載の医療用コネクタとの有機的な結合化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら、この考案の一実施の形態について説明する。
図1において、1は内視鏡挿入用補助具である。この内視鏡挿入用補助具1は、内視鏡挿入用アダプタ2を有する送気チューブ3を具えている。送気チューブ3は胃内を空気で膨らませて内視鏡の視野を良くするためのものである。また、5は送気チューブ3のアダプタ2と接続される胃瘻カテーテルチューブであり、その先端開口部近くにバルーン6が取り付けられているとともに、該バルーンよりも後端側に腹壁に当接するストッパ7が設けられている。
図2,3に示すように、胃瘻カテーテルチューブ5の後端開口部にはコネクタ8が装着されている。一方、このコネクタ8と接続するコネクタ10が誤接続防止コネクタの国際規格ISO80369-3に準拠したコネクタであるアダプタ2の正面視下端開口部に装着されている。コネクタ10はダブルオスコネクタとなっている。
コネクタ10は、図3,4に全体図を示すように、軸方向の両端が開口した内腔10aを有する本体10bを有している。本体10bの外周面における長さ方向の中間位置に環状のフランジ部10cが設けられ、該フランジ部より上方の外周面には徐々に上端に向けて小径となる複数の環状段差部をもった突条部10dが形成され、フランジ部10cより下方の外周面の下端部にルアーロック部10eが形成されている。突条部10dはアダプタ2との接続に際しその接続を密にするためのものである。また、ルアーロック部10eはコネクタ8に設けたルアーロック部とロック可能になっている。
図5(A)に示すように、コネクタ10の内腔10aは経胃瘻内視鏡が挿通できるようにその内径rが5.00mmに設定されている。すなわち、内径rは、ISO80369-3に準拠したコネクタ(アダプタ)の内腔の内径2.9mmより大きく形成されている。一方、ルアーロック部10eとフランジ部10c以外の本体10bの外径Rは栄養剤の注入ラインなどと接続して使用できなければならないので、8.10mmに設定されている。すなわち、外径Rは栄養剤の注入ラインなどと接続可能とするためにISO80369-3に準拠したサイズとしつつも、内径rは経胃瘻内視鏡を挿通するためにISO80369-3に準拠せずに独自のサイズにしている。このコネクタ10と対比して図5(B)に示す従来からあるISO80369-3に準拠したコネクタ10´は、本体の内腔の内面に絞りが設けられているため、その内径r´が2.9mmとなっている。そのため、最大外径が3.05mmの経胃瘻内視鏡を挿通することができない設計となっている。なお、この例ではコネクタ10の内腔10aの内径rを5.00mmとしたが、これに限定するものではなく、3.06mm〜5.8mmの範囲の任意の数値とすることも可能である。
図5(A)からも明らかなように、コネクタ10の本体10bの内腔10aの内面は、従来のコネクタ10´ではあるような絞りが一切ない平滑な面に形成されている。したがって、先行技術と同様にここを挿通される経胃瘻内視鏡は何ら緩衝することなく円滑な通過が可能である。そのため、挿通を円滑で迅速に行える。
図6は、胃瘻カテーテルチューブ5の後端開口部に装着されたコネクタ8の構成と、その取り付け状態を示す。コネクタ8はオスメスコネクタとなっている。コネクタ8は、コネクタ本体部12と、該コネクタ本体部に取り付けられるルアーロック部13と、これら両部によって挟持されて配設される環状のシール部材14と、を具えている。シール部材14は、例えば弾性ゴムからなり、図7に示すように、軸方向の一方の側面に環状の先端凸部15を有している。また、シール部材14は、ショア硬さが70Aに設定されている。従前は50Aや60Aを使用していたが、柔らかすぎてしまい、圧縮密閉の前にコネクタ同士が接触することがあった。そこでシール部材の厚みを厚くすると、今度はルアーロック部、がうまくはまらなくなった。また、80Aにすると、今度は硬すぎてしまい、コネクタの回転操作が固くなり、操作性が悪くなってしまった。そこでシール部材の厚さを薄くすると、シール部材がコネクタ内で遊んでしまい、ズレが発生してしまった。このような事情から硬さが70Aのものが最善とし採用している。
また、シール部材14は、その中心穴17の内径rbがコネクタ本体部12の内径raより大きく、6.0mmに形成されている。そのため、コネクタ本体部12へ装着後にルアーロック部13で挟み付けられ変形しても内腔18のある方向へはみ出ることがないようになっている。
コネクタ本体部12の内腔18の内径raは経胃瘻内視鏡を挿通するためにISO80369-3に準拠せずに独自のサイズにしている。この例では5.00mmと、コネクタ10の内腔10aの内径5.00mmと同一としている。なお、コネクタ本体部12の内腔は図面上同径のようであるが、実際は端部方向に向かって内腔が広がるようなテーパー状に形成されている。そのため、その端部の内腔の内径が5.69mm位になって、国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタなどとの摺接を確実にできる利点がある。
また、コネクタ本体の12のルアーロック部13側の端面にはシール部材配設部19が環状に形成されている。つまり、このシール部材配設部19は、後記するシール部材変形抑止部20と相まって端面から所定深さ凹状になった形状となっている。シール部材配設部19の軸方向を向いた表面には前記した環状の凹部16が設けられている。環状の凹部16には前記したシール部材14の先端凸部15が挿入して装着されるようになっている。そのため、一旦装着されると凸部15と凹部16の嵌め合いでしっかりフィットし合い、シール部材14は、横ズレをすることなく、安定した装着状態を維持することが可能になっている。シール部材14が装着された後、コネクタ本体部12へルアーロック部13を取り付けるには、ルアーロック部13をコネクタ本体部12へ向けて押し込み、その先端に設けた環状突条をコネクタ本体部12に設けた環状凹条に圧入してやる。それとともに、ルアーロック部でロックする。
20はシール部材変形抑止部であり、シール部材配設部19の外周側に軸方向を向きその内周面がシール部材14に接してシール部材配設部19を囲むように一体に設けられている。このシール部材変形抑止部20は、前記のようにシール部材配設部19に配置されるシール部材14と内周面で接し、シール部材がルアーロック部13によって圧縮され変形する際に、ルアーロック部側に偏って変形するのを抑止する機能をもつ。シール部材配設部19の外径Rbは11.5mmと、シール部材14の外径Raの12.0mmより、いくぶん小さく設定されている。また、シール部材変形抑止部20の高さ(軸方向の長さ)hは0.9mmと、シール部の厚さtより、いくぶん薄く設定されている。そのため、シール部材14はルアーロック部13が取り付けられる前はその表面がコネクタ本体部12の端面よりやや突出した状態になる。
各部につき前記のような寸法差に設定することにより、図6のようにコネクタ8にコネクタ10のルアーロック部10eの先端でシール部材14を押し込み、シール部材14が圧縮され変形する際に、シール部材14のルアーロック部10eとの接触側0.6mmは、ルアーロック部13側に押圧され、残りの0.9mm分は、コネクタ本体部12の内腔側に押圧されても、シール部材14は内腔18側へはみ出すことは無い。そのため、従前のようにコネクタ本体部12とシール部材14との間には隙間が発生せず、注入した栄養剤が残ってしまったり、入り込むことがない。しかも、シール部材14の環状の先端凸部15と、コネクタ本体部12の環状の凹部16との密着性をより高めることが可能となるので、高いシール性を維持することができる。
前記のようなコネクタ8は、図6のように胃瘻カテーテルチューブ5にコネクタ本体部12のある一端側が装着されるが、ルアーロック部13のある他端側はコネクタ10に接続される。すなわち、コネクタ10のルアーロック部10eがコネクタ8のルアーロック13に噛み合いロック状態にされるが、その際にコネクタ10のルアーロック部10eの先端でシール部材14を押し込む。この押し込み動作によりシール部材14は圧縮されるが内腔18側へはみ出すことがない。そのため、図8に示すように、内視鏡挿入用アダプタ2ではなく、栄養剤注入ラインのチューブ21に接続して使用する場合でもその接合部から栄養剤の漏れをシール部材14によって防止することができる。
なお、図8で25はコネクタ8用のキャップであり、コネクタ8をどこにも接続しないときは、コネクタ8の首部に連結片26で連結されており、コネクタ10の下半部と同様な形状を呈し、その下端部に設けたルアーロック部27をコネクタ8のルアーロック部13に差し込んでロックする。一方、前記のように栄養剤注入ラインのチューブ21に接続するときはキャップ25を外した状態にした後、該チューブの下端部に設けたコネクタ10のルアーロック部10eをコネクタ8のルアーロック部13に差し込んでロックし接続するようにする。このようにコネクタ8は内視鏡挿入用アダプタ2と栄養剤注入ラインのチューブ21へ選択的に接続することが可能である。
内視鏡挿入用補助具1の組み付けについて説明する。内視鏡挿入用補助具1と胃瘻カテーテルチューブ5を接続するには、まず、予めコネクタ本体部12にシール部材14、ルアーロック部13とを組付けたコネクタ8を胃瘻カテーテルチューブ5後端開口部に挿入して装着する。しかる後に、同様にして内視鏡挿入用補助具1のアダプタ2の下端開口部に装着したコネクタ10をコネクタ8に向けて挿入してやり(この状態を示すのが図2である。)、ルアーロック部10eをルアーロック部13にロックする。この挿入とロックが完了すると、組み付けられた状態になる(図6)。
使用に際しては、図1に示すように、胃瘻カテーテルチューブ5をバルーン6のある先端側から腹壁と胃壁を経て胃瘻にバルーン6を含む先端部を挿入してやる。挿入後、バルーン6を膨らませるとともに、ストッパ7を腹壁に当接してバルーン6との間で両壁を挟むようにして固定する。固定したことを確認したうえ、補助具1を装着させてアダプタ2から経胃瘻内視鏡を胃内まで挿入してやる。この時、送気チューブ3に接続したシリンジなどで胃内に空気を送り込み、胃を膨張させることで内視鏡での視野を明瞭にさせることが可能である。この経胃瘻内視鏡の挿入に際し、内視鏡が通過するコネクタ10の内腔10aの内径rが5.00mm、コネクタ8の内腔18の内径raが5.00mmに設定されているため、通過に何ら支障となることなく、ここを通過することができる。
しかも、コネクタ10のルアーロック部10eとフランジ部10c以外の本体10bの外径RはISO80369-3に準拠しないため、本コネクタ10を図8に示すように、栄養剤の注入チューブ21のコネクタ用としても利用可能であり、胃瘻カテーテルチューブ5の接続に支障となることもなく、該チューブに有効に接続することができる。
前記のように経胃瘻内視鏡を胃瘻まで挿入して胃瘻カテーテルチューブ5が胃内に正しく挿入されているかを確認した後、経胃瘻内視鏡を引き抜き、アダプタ2の代わりに、図8に示すように栄養剤の注入チューブ21に装着したコネクタ10を胃瘻カテーテルチューブ5に装着したコネクタ8に接続し直し、栄養剤の注入を行うことになる。
この栄養剤を注入する際に、シール部材14が硬さ70Aの弾性ゴムからなるので、コネクタ8とコネクタ10との接続部に栄養剤が残ってしまったり、栄養剤が接続部から漏出することがない。そのため、従来のように栄養剤が隙間に残り、隙間から漏出するようなことがなく、栄養剤のスムーズな注入が確保できる。また、経胃瘻内視鏡を挿入可能である。これはコネクタ8とコネクタ10だけでなく、コネクタ8とシリンジにおいても同様であり、シール部材14による高いシール性が得られる。
以上説明したように、この実施の形態のコネクタ10やコネクタ8を用いれば、従来のISO80369-3に準拠したコネクタではできない経胃瘻内視鏡の胃瘻への挿入を可能とすることができ、現状の医療現場で役立てることができる。したがって、この技術分野において極めて利用価値の高い製品を提供することができるという優れた効果が期待することができる。
なお、コネクタ10は、前記したように内視鏡挿入のときには内視鏡挿入用補助具1の送気チューブ3に設けたアダプタ2の下端開口部に装着されて用いられるほか、栄養剤の投与を行うときには経腸栄養剤の注入チューブ21の後端開口部に装着されて用いられ、装着部位を異ならせる使い方があるが、いずれの場合も胃瘻カテーテルチューブ5のコネクタ8に接続される。
この実施の形態で示したコネクタ10とコネクタ8は、あくまでも好ましい一例を示すものであり、その具体的な形状や構造等は特許請求の範囲内で適宜設計変更が可能であることは云うまでもない。
1 内視鏡挿入用補助具
2 内視鏡挿入用アダプタ
3 送気チューブ
5 胃瘻カテーテルチューブ
6 バルーン
7 ストッパ
8 コネクタ
10 コネクタ
10a 内腔
10b 本体
10c フランジ部
10d 突条部
10e ルアーロック部
12 コネクタ本体部
13 ルアーロック部
14 環状のシール部材
15 環状の先端凸部
16 環状の凹部
17 中心穴
18 内腔
19 シール部材配設部
20 シール部材変形抑止部
21 栄養剤の注入チューブ
2 内視鏡挿入用アダプタ
3 送気チューブ
5 胃瘻カテーテルチューブ
6 バルーン
7 ストッパ
8 コネクタ
10 コネクタ
10a 内腔
10b 本体
10c フランジ部
10d 突条部
10e ルアーロック部
12 コネクタ本体部
13 ルアーロック部
14 環状のシール部材
15 環状の先端凸部
16 環状の凹部
17 中心穴
18 内腔
19 シール部材配設部
20 シール部材変形抑止部
21 栄養剤の注入チューブ
Claims (5)
- コネクタ本体部と、このコネクタ本体部に取り付けられるルアーロック部と、これら両部によって挟持されて配設される環状のシール部材と、を具え、
前記コネクタ本体部は、軸方向の両端が開口した内腔を有し、該内腔の内面は、絞りが一切なく平滑な面に形成されており、
前記シール部材の軸方向を向いた一方の側面には環状の先端凸部が形成され、この先端凸部と対向する前記コネクタ本体部の軸方向を向いた一方の端面には、シール部材配設部が環状に形成され、このシール部材配設部には前記先端凸部が挿入して装着される環状の凹部が形成されている医療用コネクタにおいて、
前記シール部材配設部の外周側に軸方向を向きその内周面がシール部材配設部に配置されたシール部材に接してシール部材の変形を抑止するシール部材変形抑止部がシール部材配設部を囲むように一体に設けられていることを特徴とする医療用コネクタ。 - 前記コネクタ本体部は、内腔の内径が5.0mmに形成され、
前記シール部材配設部は、外径が11.5mmに形成され、
前記シール部材変形抑止部は、軸方向の高さが0.9mmに形成され、
前記シール部材は、ショア硬さ70Aの材料で成形され、その中心には前記コネクタ本体部の内径より大きい内径6.0mmの穴が形成されているとともに、外径が12.0mmに形成され、厚さが1.5mmに成形されている、請求項1に記載の医療用コネクタ。 - 請求項1に記載の医療用コネクタに接続されるコネクタであって、軸方向の両端が開口した内腔を有する本体を具え、該本体の内腔の内径が国際規格ISO80369−3に準拠したコネクタの内径より大きく形成されていることを特徴とする医療用コネクタ。
- 請求項1に記載の医療用コネクタと、請求項3に記載の医療用コネクタと、を具えた医療用コネクタのアッセンブリ。
- 請求項3に記載の医療用コネクタは、軸方向の一端側が内視鏡挿入用補助具側のアダプタに接続され、他端側が請求項1に記載の医療用コネクタに接続されており、請求項1に記載の医療用コネクタは、軸方向の一端側が請求項3に記載の医療用コネクタの他端側に接続され、他端側が胃瘻カテーテルチューブに接続されている医療用コネクタのアッセンブリ。
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