JP3230712B2 - 飛翔体 - Google Patents

飛翔体

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JP3230712B2 JP23518293A JP23518293A JP3230712B2 JP 3230712 B2 JP3230712 B2 JP 3230712B2 JP 23518293 A JP23518293 A JP 23518293A JP 23518293 A JP23518293 A JP 23518293A JP 3230712 B2 JP3230712 B2 JP 3230712B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、弾芯を有した飛翔体
に係わり、飛翔中の運動エネルギーにより弾芯が目標を
貫徹するようにした飛翔体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記した飛翔体としては、例え
ば、図6に示すものがあった。
【0003】図に示す飛翔体51は、ケース52の内部
に、飛翔推力を発生する推力発生源としてのモータ部5
3およびケース52と比較してかなり小径の弾芯54を
収納した構成をなしており、弾芯54は隔壁52aで仕
切られたケース52の頭部に位置させてある。
【0004】そして、この飛翔体51は、目標到達時
に、このとき有する全運動エネルギーを小径の弾芯54
に与えて、弾芯54に目標を貫徹させるようにしてい
る。
【0005】なお、この飛翔体51は、 INTERA
VIA 3/1986 に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の飛翔体51では、軽量化および小形化を図るうえ
で、サステーナモータを用いずに、発進,加速の段階で
使用するブースタモータとしてのモータ部53のみを装
備していることから、このモータ部53が飛翔途中でそ
の作動を停止したのちには、ケース52が空気抵抗を受
けて減速してしまい、すなわち、減速する分運動エネル
ギーを損失してしまい、弾芯54が目標を貫徹すること
ができない場合も起こりうるという問題があり、この問
題を解決することが従来の課題であった。
【0007】
【発明の目的】この発明は、従来の課題に着目してなさ
れたもので、軽量化および小形化を図ったうえで、弾芯
の運動エネルギーを高く維持して確実に目標を貫徹する
ことが可能である飛翔体を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
わる発明は、ロケット形状をなす飛翔体本体と、この飛
翔体本体の内部に収納されて飛翔推力を発生する推力発
生源と、飛翔体本体の内部に収納されたロケット形状の
弾芯を備えた飛翔体において、推力発生源を飛翔体本体
の略全長にわたって充填すると共に、飛翔体本体の頭部
で開口する弾芯収納部を推力発生源と同心状に設け、弾
芯収納部に、弾芯を移動可能でかつ当該弾芯収納部から
飛翔体本体の頭部を通して飛翔方向に離脱可能に収納し
た構成としたことを特徴としており、このような飛翔体
の構成を前述した従来の課題を解決するための手段とし
ている。
【0009】この発明の請求項2に係わる飛翔体は、飛
翔体本体側と弾芯収納部に収納される弾芯とを発射時の
衝撃荷重により剪断されるシャーピンにより結合した構
成とし、この発明の請求項3に係わる飛翔体において、
飛翔体本体には、当該飛翔体本体の弾芯収納部から離脱
する弾芯に装着可能とした弾芯安定翼を設けた構成とし
ている。
【0010】
【発明の作用】この発明の請求項1に係わる飛翔体にお
いて、飛翔体本体がロケット形状をなしているので、推
力発生源から推力供給がなされている間は安定した飛翔
を行い、飛翔中に推力発生源による推力供給が終了する
と、飛翔体本体は空気抵抗により急激な減速状態に陥
る。
【0011】このとき、弾芯収納部に収納された弾芯
は、弾芯収納部に対して移動可能でかつ当該弾芯収納部
から飛翔体本体の頭部を通して飛翔方向に離脱可能とし
てあるので、弾芯と飛翔体本体とが各々受ける空気抵抗
の差により生じる慣性力によって、弾芯が急減速した飛
翔体本体から飛翔方向に離脱する。
【0012】そして、この弾芯をロケット形状に形成し
ている都合上、弾芯自体は空気抵抗をあまり受けないこ
とから、目標到達時においても、飛翔体本体から離脱し
た際の運動エネルギーを高く維持していることとなっ
て、弾芯は目標を確実に貫徹することとなる。
【0013】したがって、この発明の請求項1に係わる
飛翔体では、サステーナモータを用いずに、しかも、弾
芯収納部を推力発生源と同心状に設けるようにして軽量
化および小形化を図りつつ、弾芯の運動エネルギーを高
く維持し得ることとなる。
【0014】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
【0015】図1ないし図5はこの発明に係わる飛翔体
の一実施例を示している。
【0016】図1に示すように、この飛翔体1は、飛翔
推力を発生する推力発生源としての固体推進薬(ブース
タ推進薬)2をロケット形状のモータケース(飛翔体本
体)10の内部にほぼ全長にわたって充填しており、こ
のモータケース10の頭部にはノーズコーン11が設け
てあると共に尾部にはノズル12および展開翼13が設
けてある。
【0017】また、この飛翔体1は、ペネトレータ(弾
芯)3を備えている。このペネトレータ3はロケット形
状をなすものとしてあって、その直径はモータケース1
0の直径よりも大幅に小さいものとしてあり、モータケ
ース10に設けたペネトレータ収納部(弾芯収納部)1
4に収納してある。このペネトレータ収納部14は、モ
ータケース10の軸心に沿いかつ頭部で開口するものと
してあり、すなわち、固体推進薬2と同心状に形成され
たものとしてあり、ペネトレータ3は、このペネトレー
タ収納部14に対して移動可能でかつこのペネトレータ
収納部14からモータケース10の頭部を通して飛翔方
向に離脱可能としてある。
【0018】この実施例において、モータケース10側
のノーズコーン11とペネトレータ3とは、図2および
図3に示すように、シャーピン4,4を介して結合して
あり、飛翔体1を運搬したり、発射機にセットしたりす
る際に、ペネトレータ3が、モータケース10のペネト
レータ収納部14から脱落することがないようにしてあ
る。
【0019】この場合、ペネトレータ収納部14とペネ
トレータ3の尾部との間に空間Sを設けると共に、発射
時の衝撃荷重によるペネトレータ3の空間S方向への移
動によって、シャーピン4,4が剪断されるようになす
ことにより、飛翔体1の発射時には、ペネトレータ3と
モータケース10側とが互いに分離するようにしてあ
る。
【0020】さらに、ノーズコーン11にはペネトレー
タ安定翼5が設けてあり、このペネトレータ安定翼5
は、図4にも示すように、円筒部5aおよびこの円筒部
5aの周囲に90゜の間隔で配置した4枚の安定板5b
からなっている。そして、このペネトレータ安定翼5
は、ペネトレータ収納部14から突出するペネトレータ
3の頭部寄りの部分に円筒部5aを摺動可能に嵌装させ
ると共に、ノーズコーン11に90゜の間隔で設けた4
個の安定板支持部11aに4枚の安定板5bをそれぞれ
離脱可能に嵌合させてノーズコーン11に収納してあ
り、ペネトレータ3がペネトレータ収納部14から離脱
する際には、このペネトレータ3の尾部に設けた突起3
a,3aが円筒部5aに係止するようになすことによ
り、図5に示すように、ペネトレータ3と一体となって
ノーズコーン11から離脱するようにしてある。
【0021】つまり、この飛翔体1において、ロケット
形状をなすペネトレータ3は、発射された直後に衝撃荷
重によりモータケース10側から分離し、固体推進薬2
の燃焼が終了してモータケース10が空気抵抗によって
減速した段階で、ペネトレータ3とモータケース10と
が各々受ける空気抵抗の差により生じる慣性力によっ
て、ペネトレータ収納部14からペネトレータ安定翼5
と一体となって離脱し、このときの運動エネルギーを維
持して目標まで飛翔するものとなっている。
【0022】次に、この飛翔体1の動作を説明する。
【0023】まず、発射機から初速を与えられると共に
固体推進薬2への点火がなされて飛翔を開始すると、こ
の発射時の衝撃荷重によるペネトレータ3の空間S方向
への移動によりシャーピン4,4が剪断され、ペネトレ
ータ3とモータケース10側とが互いに分離する。この
際、モータケース10がロケット形状をなしているの
で、飛翔体1は安定した飛翔を行うこととなる。
【0024】次いで、飛翔中に固体推進薬2の燃焼が終
了すると、モータケース10側は空気抵抗により急激な
減速状態に陥る。
【0025】このとき、ペネトレータ収納部14に収納
されたペネトレータ3は、ペネトレータ収納部14に対
して移動可能でかつ当該ペネトレータ収納部14からモ
ータケース10の頭部を通して飛翔方向に離脱可能とし
てあるので、図5に一点鎖線で示すように、このペネト
レータ3とモータケース10とがそれぞれ受ける空気抵
抗の差により生じる慣性力によって、ペネトレータ3
は、急減速したモータケース10のペネトレータ収納部
14から飛翔方向に離脱する。
【0026】この離脱に際し、ペネトレータ3の尾部に
設けた突起3a,3aが、ノーズコーン11内に位置す
るペネトレータ安定翼5の円筒部5aに係止することか
ら、図5に二点鎖線で示すように、ペネトレータ3はペ
ネトレータ安定翼5と一体となってモータケース10側
から離脱し、ペネトレータ安定翼5と一体となったロケ
ット形状をなすペネトレータ3のみが、目標に向けて安
定した飛翔を行う。
【0027】この飛翔の間、ペネトレータ3をロケット
形状に形成しているので、ペネトレータ3が受ける空気
抵抗は大きなものではなく、目標到達時には、モータケ
ース10から離脱した際の運動エネルギーを高く維持し
ていることとなり、結局、ペネトレータ3は目標を確実
に貫徹することとなる。
【0028】したがって、この飛翔体1では、サステー
ナモータを用いずに、しかも、ペネトレータ収納部14
を固体推進薬2と同心状に設けるようにして軽量化およ
び小形化を図ったうえで、ペネトレータ3の運動エネル
ギーを高く維持することが可能になる。
【0029】上記した実施例では、シャーピン4,4を
介してモータケース10側のノーズコーン11とペネト
レータ3とを結合しているので、飛翔体1を運搬した
り、発射機にセットしたりする際には、ペネトレータ3
のペネトレータ収納部14からの脱落を心配する必要が
ほとんどない。
【0030】また、上記した実施例では、ペネトレータ
3がペネトレータ収納部14から離脱する際に、ペネト
レータ3にペネトレータ安定翼5が装着される構成とし
たため、ペネトレータ3がモータケース10側から離脱
したのちの飛翔が安定したものとなる。
【0031】なお、この発明に係わる飛翔体の詳細な構
成は、上記した実施例に限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
1に係わる飛翔体によれば、上記した構成としたから、
飛翔中に推力発生源による推力供給が終了した段階にお
いて、飛翔体本体が受ける空気抵抗と弾芯が受ける空気
抵抗との差によって生じる慣性力により弾芯を飛翔体本
体から離脱させ、この弾芯のみを目標に向けて飛翔させ
ることができるので、弾芯の離脱時における運動エネル
ギーを目標に到達するまで高く維持することができるこ
ととなり、したがって、弾芯収納部を推力発生源と同心
状に設けて軽量化および小形化を実現したうえで、確実
に目標を貫徹することが可能であるという非常に優れた
効果がもたらされ、この発明の請求項2に係わる飛翔体
によれば、上記した構成としたため、飛翔体の運搬時な
どおける弾芯の弾芯収納部からの脱落を阻止することが
でき、この発明の請求項3に係わる飛翔体では、上記し
た構成としているので、飛翔体本体側から離脱した後の
弾芯を目標に向けて安定して飛翔させることが可能であ
るという非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による飛翔体の飛翔状態を
示す斜視断面説明図である。
【図2】図1における飛翔体の頭部側を拡大して示す部
分断面図である。
【図3】図2におけるA−A線位置での断面説明図であ
る。
【図4】図2におけるB−B線位置での断面説明図であ
る。
【図5】図1の飛翔体におけるモータケースからペネト
レータがペネトレータ安定翼と一体となって離脱する状
況を示す動作説明図である。
【図6】従来における弾芯を備えた飛翔体を示す部分破
断側面説明図である。
【符号の説明】
1 飛翔体 2 固体推進薬(推力発生源) 3 ペネトレータ(弾芯) 4 シャーピン 5 ペネトレータ安定翼 10 モータケース(飛翔体本体) 14 ペネトレータ収納部(弾芯収納部)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−160300(JP,A) 特開 平6−66499(JP,A) 特開 平6−257998(JP,A) 特表 平1−503402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F42B 12/06 F42B 15/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロケット形状をなす飛翔体本体と、この
    飛翔体本体の内部に収納されて飛翔推力を発生する推力
    発生源と、飛翔体本体の内部に収納されたロケット形状
    の弾芯を備えた飛翔体において、推力発生源を飛翔体本
    体の略全長にわたって充填すると共に、飛翔体本体の頭
    部で開口する弾芯収納部を推力発生源と同心状に設け、
    弾芯収納部に、弾芯を移動可能でかつ当該弾芯収納部か
    ら飛翔体本体の頭部を通して飛翔方向に離脱可能に収納
    したことを特徴とする飛翔体。
  2. 【請求項2】 飛翔体本体側と弾芯収納部に収納される
    弾芯とをシャーピンにより結合した請求項1に記載の飛
    翔体。
  3. 【請求項3】 飛翔体本体には、当該飛翔体本体の弾芯
    収納部から離脱する弾芯に装着可能とした弾芯安定翼を
    設けた請求項1または請求項2に記載の飛翔体。
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