JP3230429B2 - 平面アンテナ - Google Patents

平面アンテナ

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JP3230429B2
JP3230429B2 JP02400196A JP2400196A JP3230429B2 JP 3230429 B2 JP3230429 B2 JP 3230429B2 JP 02400196 A JP02400196 A JP 02400196A JP 2400196 A JP2400196 A JP 2400196A JP 3230429 B2 JP3230429 B2 JP 3230429B2
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博明 谷所
広憲 高島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯型通信機器等
に組み込まれる回路基板に実装される平面アンテナに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯型通信機器の普及に伴い、そ
れら通信機器間で行なわれる高周波信号の送受信に用い
られるアンテナの小型化の要求が高まってきている。こ
のような通信機器において、アンテナが通信機器本体の
外部に設置された場合、その通信機器の小型化が困難で
あり、またアンテナに外力が直接作用することになるの
で、機械的強度や耐久性の低下、特性変化等の問題を引
き起こす可能性がある。さらに、アンテナと通信機器本
体とがコネクタで接続された構成の場合、高周波信号の
送受信はそのコネクタを介して行なわれることとなり、
コネクタによる挿入損失や共振周波数の変化などの問題
が発生する。またコネクタの使用により部品点数も増加
し、作業性やコスト面でも好ましくない。そこでコネク
タを用いず基板に直接表面実装することのできる表面実
装用の平面アンテナが提案されている。
【0003】図6は、特開平7−235825号公報に
提案された表面実装用の平面アンテナを示す斜視図、図
7は、図6に示す平面アンテナの放射導体膜側(表面
側)を示す図、図8は、図6に示す平面アンテナの、接
地導体膜及び励振導体膜側(裏面側)を示す図である。
図6に示す平面アンテナ60では、誘電体基板61の表
面全体に放射導体膜62が形成されている。また誘電体
基板61の裏面に接地導体膜63が形成されている。こ
の接地導体膜63は、図8に示すように一方の短辺の一
部が切り欠かれた形状を有しており、その切り欠かれた
部分に、ストリップラインである励振導体膜64が形成
されている。さらに誘電体基板61の側面に給電電極6
5が形成されている。この給電電極65は励振導体膜6
4に接続されている。また、誘電体基板61の側面の、
給電電極65を挟んだ両端部に接地電極66,67が形
成されている。これら接地電極66,67は接地導体膜
63に接続されている。
【0004】また誘電体基板61の内部に、内壁に導体
を有するスルーホール68が形成されており、このスル
ーホール68により放射導体膜62と励振導体膜64の
先端部分が電気的に接続されている。このように構成さ
れた平面アンテナ60が通信機器本体に内蔵される回路
基板に表面実装され、その通信機器本体から、給電電極
65,励振導体膜64,スルーホール68を経由して放
射導体膜62に高周波電力が供給され、かつ励振導体膜
64と放射導体膜62との間の電磁結合により、放射導
体膜62から電磁波が空中に放射される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した平
面アンテナのような高周波用の部品では、高周波電力を
効率よく伝達するために、回路基板の、その部品が実装
される伝送路のインピーダンスと、その部品の入力イン
ピーダンスとを整合させる必要がある。一般に、このイ
ンピーダンスは50Ωである。上述した平面アンテナの
入力インピーダンスは、給電用のスルーホールの、放射
導体膜に対する位置、あるいは放射導体膜と電磁結合す
る励振導体膜の長さに依存する。この平面アンテナで
は、誘電体基板の内部に形成されたスルーホールで励振
導体膜の先端部分と放射導体膜とが接続されているた
め、製造された平面アンテナの入力インピーダンスを調
整することは困難である。従って、精確な入力インピー
ダンスを有する平面アンテナを製造するためには、極め
て高い設計精度や加工精度が要求されることになり、コ
ストの増大や歩留りの低下につながる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み、入力インピー
ダンスの調整が容易な平面アンテナを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の平面アンテナは、 (1)表面に放射導体膜を有する誘電体基板 (2)その放射導体膜と幾何的に重なりを有する、誘電
体基板表面側に設けられた穴 (3)その誘電体基板の裏面に形成された接地導体膜 (4)その誘電体基板の内部に延在し、先端部分がその
誘電体基板の上記穴から露出してなる励振導体膜 (5)その誘電体基板の側面に形成されその励振導体膜
の後端に接続されてなる給電電極 を備えたことを特徴とする。
【0008】ここで、上記励振導体膜の、露出されてな
る先端部分が、トリミングされたものであることが効果
的である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の第1実施形態の平面アン
テナを示す斜視図、図2は、図1に示す平面アンテナの
放射導体膜側を示す図、図3は、図1に示す平面アンテ
ナの接地導体膜側を示す図である。
【0010】この平面アンテナ10では、図1に示すよ
うに、第1の誘電体基板11と第2の誘電体基板14と
が互いに重ね合わされて一体化されている。一体化され
た第1,第2の誘電体基板11,14双方を合わせたも
のが本発明にいう誘電体基板である。第1の誘電体基板
11は、図1,2に示すような方形状の孔12を有す
る。この孔12は、この第1の誘電体基板11に第2の
誘電体基板12が重ね合わされ一体化されたとき、本発
明にいう穴を形成する。また第1の誘電体基板11の表
面のほぼ全域に放射導体膜13が形成されている。この
とき、放射導体膜13は穴12を幾何的に含んでいる。
【0011】一方、第2の誘電体基板14の、第1の誘
電体基板11と接した側の表面には、マイクロストリッ
プ線路としての励振導体膜15が形成されている。この
励振導体膜15の先端部分は第1の誘電体基板11の孔
12から露出している。また第2の誘電体基板14の裏
面に接地導体膜16が形成されている。この接地導体膜
16は、図3に示すように、一方の短辺の一部が切り欠
かれた形状を有しており、その切り欠かれた部分に導体
膜17が形成されている。また第2の誘電体基板14の
側面に給電電極18が形成されている。この給電電極1
8は励振導体膜15の後端および導体膜17に接続され
ている。
【0012】このように構成された平面アンテナ10
が、例えば携帯用通信機器の回路基板に実装され、その
携帯用通信機器から平面アンテナ10の給電電極18に
電力が供給される。すると、第1の誘電体基板11を介
して、励振導体膜15と放射導体膜13との間で電磁結
合が行われ、放射導体膜13から電磁波が空中に放射さ
れる。
【0013】本実施形態の平面アンテナ10では、第2
の誘電体基板14の表面に形成された励振導体膜15の
先端部分が第1の誘電体基板11の孔12から露出して
いる。ここで、露出した励振導体膜15の先端部分をレ
ーザトリミング等の手法でトリミングしてその励振導体
膜15の長さを変えることにより、平面アンテナ10の
入力インピーダンスを調整することができる。さらに、
製造された平面アンテナ10を回路基板に実装した後で
も、励振導体膜15の先端部分をトリミングすることに
より平面アンテナ10の入力インピーダンスを調整する
ことができる。
【0014】図4は、本発明の第2実施形態の平面アン
テナを示す斜視図である。図4に示す平面アンテナ40
の第1の誘電体基板11の表面には、図1に示す第1の
誘電体基板11の表面のほぼ全域に形成された方形状の
放射導体膜13に代わるコ字状の放射導体膜43が形成
されている。本発明を実施する場合、穴は後述するよう
に励振導体膜をトリミングすることを目的として設ける
ので、トリミングに必要な励振導体膜露出面積より少し
大きめの穴をあけておく必要がある。また、トリミング
により本発明による平面のアンテナの入力インピーダン
スを伝送路インピーダンスに整合させるためには、励振
導体膜長を計算により求めた最適値より少し長くしてお
く必要がある。本発明のような平面アンテナの場合、最
適値は放射導体膜長のほぼ1/2であるので、場合によ
っては穴は放射導体膜から幾何的にはみ出すこともあ
る。その場合、放射導体膜がコの字となるように穴があ
いていても、第1実施形態と同様に励振導体膜により放
射導体膜を励振可能である。この実施形態においても、
前述した実施形態と同様、励振導体膜15の露出した先
端部分をトリミングすることにより平面アンテナ40の
入力インピーダンスを容易に調整することができる。
【0015】以下に、図1に示す平面アンテナ10の製
造方法について説明する。先ず、第1,第2の誘電体基
板11,14として、比誘電率4.5、厚さ1.6mm
のガラスエポキシ基板を2枚用意する。これら2枚のガ
ラスエポキシ基板のうち第1の誘電体基板11としての
ガラスエポキシ基板の表面に、一辺の長さが誘電体中に
おける共振周波数の1/2波長より短い銅製の方形状の
放射導体膜13を、エッチングにより形成する。さらに
この第1の誘電体基板11の、放射導体膜13が形成さ
れた部分に、その放射導体膜13よりも小さい方形状の
孔12を設ける。ここで、放射導体膜13の一辺の長さ
を1/2波長より短くするのは、この孔12を設けるこ
とにより共振波長が少し長くなるためである。また第2
の誘電体基板14である2枚目のガラスエポキシ基板の
表面,裏面に、それぞれ励振導体膜15,接地導体膜1
6をエッチングにより形成するとともに、その第2の誘
電体基板14の裏面の、接地導体膜16が形成される部
分以外の部分に導体膜17を形成する。さらに、その導
体膜17と励振導体膜15とを50μm厚の銅箔を用い
て半田接続して、この第2の誘電体基板14の側面に給
電電極18を形成する。
【0016】図5は、図1に示す平面アンテナの組立図
である。第1の誘電体基板11の裏面を下向きに、第2
の誘電体基板14の表面を上向きにして、それら第1の
誘電体基板11の裏面と、第2の誘電体基板14の表面
をエポキシ系接着材を用いて接着して第1,第2の誘電
体基板11,14を一体化する。これにより、励振導体
膜15の先端部分が孔12から露出した状態となる。こ
のようにして、平面アンテナ10を得る。この平面アン
テナ10の入力インピーダンスは励振導体膜15の長さ
に依存するので、励振導体膜15を、設計時に理論計算
で求めた、入力インピーダンスが整合する長さよりも少
し長く形成しておき、組立後、レーザトリミング等によ
り励振導体膜15の長さを短くすることにより、入力イ
ンピーダンスを調整する。更にはその平面アンテナ10
を回路基板に実装した後も、同様の方法によりインピー
ダンスを調整することができる。このようにして、精確
な入力インピーダンスを有する平面アンテナを得ること
ができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平面アン
テナでは、励振導体膜の先端部分が誘電体基板の穴から
露出しているため、その励振導体膜の先端部分をトリミ
ングすることにより平面アンテナの入力インピーダンス
を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の平面アンテナを示す斜
視図である。
【図2】図1に示す平面アンテナの放射導体膜側を示す
図である。
【図3】図1に示す平面アンテナの接地導体膜側を示す
図である。
【図4】本発明の第2実施形態の平面アンテナを示す斜
視図である。
【図5】図1に示す平面アンテナの組立図である。
【図6】特開平7−235825号公報に提案された表
面実装用の平面アンテナを示す斜視図である。
【図7】図6に示す平面アンテナの放射導体膜側を示す
図である。
【図8】図6に示す平面アンテナの、接地導体膜及び励
振導体膜側を示す図である。
【符号の説明】
10,40 平面アンテナ 11 第1の誘電体基板 12 孔 13,43 放射導体膜 14 第2の誘電体基板 15 励振導体膜 16 接地導体膜 17 導体膜 18 給電電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−196924(JP,A) 特開 平7−249923(JP,A) 特開 平2−270406(JP,A) 特開 平4−330806(JP,A) 特開 平7−249932(JP,A) 特開 平7−162226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 13/08 H01Q 1/27

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に放射導体膜が形成されており、該
    放射導体膜の一部と幾何的に重なりを持つ穴を表面に有
    する誘電体基板と、 該誘電体基板の裏面に形成された接地導体膜と、 該誘電体基板の内部に延在し、先端部分が該誘電体基板
    の前記穴から露出してなる励振導体膜と、 該誘電体基板の側面に形成され該励振導体膜の後端に接
    続されてなる給電電極とを備えたことを特徴とする平面
    アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記励振導体膜の、露出されてなる先端
    部分が、トリミングされたものであることを特徴とする
    請求項1記載の平面アンテナ。
JP02400196A 1996-02-09 1996-02-09 平面アンテナ Expired - Lifetime JP3230429B2 (ja)

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JPH09219617A JPH09219617A (ja) 1997-08-19
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