JP3230256B2 - アルミニウム化合物用分散剤 - Google Patents

アルミニウム化合物用分散剤

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JP3230256B2 JP32512691A JP32512691A JP3230256B2 JP 3230256 B2 JP3230256 B2 JP 3230256B2 JP 32512691 A JP32512691 A JP 32512691A JP 32512691 A JP32512691 A JP 32512691A JP 3230256 B2 JP3230256 B2 JP 3230256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム化合物用の
分散剤に関するものである。より詳しくは、高濃度のア
ルミニウム化合物の水性スラリーを製造する際、アルミ
ニウム化合物の分散性及び分散安定性を付与する分散剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水酸化アルミニウムや酸化アルミニウム
などのアルミニウム化合物は水に分散させた水性スラリ
ーの形で、製紙、塗料、ファインセラミックス等の種々
の分野において広く利用されている。アルミニウム化合
物の水性スラリーは、良質の製品原料とするためにも、
また取り扱いの上からも水中に均一分散することが要求
される。特に高濃度のスラリーとしても粘度が低く、か
つ粘度の経日安定性に優れたものであることが必要であ
る。例えば、アルミニウム化合物のなかでも水酸化アル
ミニウムを白色顔料として紙などに塗工する際、塗工後
の乾燥工程での効率を上げるために、できるだけ水分の
少ない、即ち高濃度でありかつ低粘度の水性スラリーで
あることが好ましい。さらに、塗工の作業性や塗膜の特
性上の観点からも分散性及び分散安定性の優れた水性ス
ラリーが要求されている。また、輸送及び貯蔵面におい
ても、コストを安くするためには高濃度でありかつ低粘
度であり、同時に輸送及び貯槽中に沈降してハードケー
キを形成しない分散安定性の優れた水性スラリーが必要
とされている。そのため少量の添加で分散性及び分散安
定性の優れた高濃度水性スラリーの調製が可能な分散剤
の提供が期待されている。
【0003】また、近年は製品の良質化に伴い粒子径の
小さい(1μm以下)アルミニウム化合物の需要が高く
なり、その使用量が増大している。しかし、粒子径が小
さいほど分散性及び分散安定性が悪くなるため、より優
れた分散剤が要求されている。
【0004】従来、この目的の分散剤には、無機系では
ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩などの縮合リン酸
塩、その他に亜鉛塩、珪酸塩などがある。一方、有機系
の分散剤ではポリアクリル酸塩やα−オレフィン−無水
マレイン酸共重合体の水溶性塩(例えば特開昭60−9
9334号公報)などのポリカルボン酸塩などが公知で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の分散剤のなかで無機系分散剤は得られた水性スラリー
の分散安定性に問題があり、また多量の添加を必要とす
る。その結果コストの上昇及び塗膜の性能の低下という
重大な欠点があった。また、有機系分散剤は上記の無機
系分散剤よりも比較的良好な性能をもつが、満足できる
性能ではない。特に平均粒径が1μ以下の微粒子状のア
ルミニウム化合物の分散に用いた場合、分散性及び分散
安定性はともに、改善の余地がある。
【0006】そこで本発明の目的は、少量の添加で高濃
度スラリーにおいても低粘度が得られ、かつ分散安定性
に優れたアルミニウム化合物用の分散剤を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、無水マレイン
酸、脂肪族共役ジエン及びこれらと共重合可能な不飽和
単量体の共重合体の加水分解物の水溶性塩からなるアル
ミニウム化合物用の分散剤に関するものである。
【0008】本発明の共重合体を構成する脂肪族共役ジ
エンは、例えば炭素数4〜12、好ましくは4〜7、よ
り好ましくは4〜5の脂肪族共役ジエンである。具体的
には1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソ
プレン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエ
ン、及び1,3−ヘプタジエン等が挙げられる。特に、
無水マレイン酸との反応性が高く、かつ工業的に入手が
容易であり、安価であることから、1,3−ブタジエン
及びイソプレンが好ましい。本発明の共重合体は、これ
らの脂肪族共役ジエン単位を1種含むことも、又は2種
以上を含むこともできる。
【0009】無水マレイン酸及び脂肪族共役ジエンと共
重合可能な不飽和単量体としては、例えばエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン等の炭素数2〜8のα−オレフィン、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−
メチルスチレン等の芳香族炭化水素、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリルアミド、酢酸ビニル等を挙げることができ
る。
【0010】本発明の共重合体は、これらの単位を1種
含むことも、又は2種以上を含むこともできる。共重合
可能な不飽和単量体としては、無水マレイン酸との反応
性が高く、工業的に入手が容易でありかつ安価であるこ
とから、炭素数2〜5のα−オレフィン、中でも、イソ
ブテンであることが好ましい。また、イソブテンは後述
のナフサの熱分解物の炭素数4の炭化水素留分であるこ
とからも好ましい。
【0011】不飽和単量体として炭素数2〜8のα−オ
レフィンを用いる場合は、脂肪族共役ジエンと炭素数2
〜8のα−オレフィンの両方を含有するものとして、ナ
フサの熱分解物のうちの炭素数4の炭化水素留分を用い
ることが、工業的に入手しやすく、かつ安価であること
から好ましい。ナフサの熱分解物の炭素数4の炭化水素
留分には、一般に1,3−ブタジエン、イソブテン及び
1−ブテン等が含まれる。
【0012】本発明の共重合体は、無水マレイン酸単位
の含有量を30〜90モル%、好ましくは40〜80モ
ル%、より好ましくは45〜75モル%とすることが優
れた分散効果を得る上で適当である。尚、共重合体中の
無水マレイン酸単位の含有量は、CHN元素分析法また
はNMRスペクトル法を用いて求めることができる。
【0013】また、本発明の共重合体は、脂肪族共役ジ
エン単位の含有量を5〜60モル%、好ましくは10〜
50モル%とし、共重合可能な不飽和単量体単位の含有
量を5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%とす
ることが、優れた分散効果を得る上で適当である。
【0014】さらに、共重合体の重量平均分子量は10
00〜50000、好ましくは2000〜30000で
あることが優れた分散効果を発揮することから適当であ
る。ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)による測定により求めるこ
とができる。
【0015】本発明の分散剤は、上記の無水マレイン
酸、脂肪族共役ジエン及びこれらと共重合可能な不飽和
単量体の共重合体の加水分解物の水溶性塩を含むもので
ある。共重合体の加水分解物は、通常完全加水分解物で
あるが、水溶性であれば部分加水分解物であってもよ
い。
【0016】また、本発明の共重合体は、ナトリウム、
カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、バリウム等の
アルカリ土類金属、またはアンモニア、アルキルアミン
等の塩基性物質の塩である。なかでもナトリウム塩また
はアンモニウム塩であることが好ましい。
【0017】以下、本発明の分散剤の製造方法について
説明する。
【0018】本発明の分散剤に用いる共重合体は、無水
マレイン酸、脂肪族共役ジエン及びこれらと共重合可能
な不飽和単量体とをラジカル発生剤の存在下、溶媒中で
ラジカル共重合反応させることにより得られる。
【0019】重合に際して、脂肪族共役ジエンは無水マ
レイン酸と溶媒との混合物に連続的に添加することが好
ましい。これは、脂肪族共役ジエンを無水マレイン酸及
び反応溶媒とともに予め仕込むと、昇温中あるいは重合
反応の初期においてディールス・アルダー反応が進み収
率が低下することがあるからである。脂肪族共役ジエン
を連続的に供給することで重合反応をディールス・アル
ダー反応に優先させることができる。また、共重合可能
な不飽和単量体は、脂肪族共役ジエンと同様に連続的に
供給することが好ましい。一方、ラジカル発生剤は、無
水マレイン酸と反応溶媒との混合物に予め添加しておい
ても良いし、あるいは脂肪族共役ジエンと同様に連続的
に添加してもよい。
【0020】溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル等のエステル類、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、あるいはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド、ガンマブチロラクトン等が使用できる。これらの
溶媒は無水マレイン酸は溶解するが共重合体は溶解しな
いものと、無水マレイン酸および共重合体の両者ともに
溶解するものとに分類できる。前者の種類の溶媒を用い
た場合、重合は沈澱重合もしくは適当な分散剤の存在下
では懸濁重合として進行する。一方、後者の種類の溶媒
を用いた場合は溶液重合として進行する。アミンおよび
アルコールなどの溶媒は、無水マレイン酸または生成し
た共重合体と反応するために適当ではない。
【0021】上述の溶媒の中でも、製造及びプロセス上
等の利点から、芳香族炭化水素溶媒が好ましい。芳香族
炭化水素溶媒は本共重合体に対して貧溶媒であり、反応
終了後、共重合体は析出して沈澱物として得られる。し
たがって、重合反応終了後、上澄溶液を除去することに
より大部分の溶媒を容易に分離でき、さらに未反応マレ
イン酸及び副生成物を同時に除去できる利点がある。ま
た、共重合体の加水分解物を製造する際には、系中に少
量残留する溶媒を水との共沸混合物として、容易に除去
することができるという利点もある。
【0022】溶媒の使用量に特に限定はない。ただし、
局所的かつ急激な反応を制御するという観点から、例え
ば、無水マレイン酸100重量部に対して50〜150
0重量部の溶媒を用いることが適当である。
【0023】本方法において、脂肪族共役ジエン、共重
合可能な不飽和単量体及びラジカル発生剤の供給速度に
は特に制限はない。ただし、溶媒として芳香族炭化水素
を用いた場合、脂肪族共役ジエンの供給速度は以下に示
す条件を満たすことが、ディールス・アルダー反応を抑
制し、不溶性の3次元ポリマーの生成を抑制するという
観点から好ましい。
【0024】Y>175X+80 ここで、式中、Yは反応温度(℃)を示し、Xは脂肪族
共役ジエン供給速度(共役ジエン全モル数/無水マレイ
ン酸全モル数/共役ジエン供給時間(時間))を示す。
【0025】また、脂肪族共役ジエン、共重合可能な不
飽和単量体及びラジカル発生剤は、重合反応の間に均等
に供給することもできるし、反応制御のために供給速度
を増したり、減らしたりすることもできる。
【0026】一方、ラジカル発生剤を連続的に供給する
場合、ラジカル発生剤の供給速度には、特に限定はな
い。ただし、脂肪族共役ジエンの供給に合わせてラジカ
ルが発生することが好ましく、共役ジエンの供給時間と
ほぼ同じ時間で全ラジカル発生剤を供給することが好ま
しい。また、ラジカル発生剤は、重合反応の間に均等に
供給することもできるし、反応制御のために供給速度を
増したり、減らしたりすることもできる。
【0027】本方法に使用するラジカル発生剤は、その
半減期を考慮して決定する。反応温度領域において半減
期が1時間以下のラジカル発生剤を使用することが好ま
しい。半減期が長すぎると単位時間当たりのラジカル発
生量が少なくなり、重合反応よりディールス・アルダー
反応が進行し収率の低下をまねき、ラジカル発生剤の使
用量を多くする必要があるため効率的ではない。
【0028】反応温度領域である90℃以上の温度で、
半減期が1時間以下のラジカル発生剤としては、例えば
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、
t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエ
ステル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイドなどのジアルキルパーオキサイド、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサンなどのパーオキシケタールを挙げるこ
とができる。
【0029】ラジカル発生剤の使用量は、無水マレイン
酸に対して例えば、0.05〜15重量%、好ましくは
0.5〜10重量%とすることが適当である。使用量が
少なすぎると重合反応が有効に進行しないし、多すぎる
と分子量が低下し過ぎたり、また、経済的な見地からも
好ましくない。
【0030】無水マレイン酸、脂肪族共役ジエン及び共
重合可能な不飽和単量体の使用量は、共重合体の無水マ
レイン酸単位、脂肪族共役ジエン単位及び共重合可能な
不飽和単量体単位により適宜調整することができる。
【0031】脂肪族共役ジエン、共重合可能な不飽和単
量体及びラジカル発生剤は、そのままであるいは溶媒と
の混合物として供給できる。ただし、局所的な急激な反
応を抑制するという観点から溶媒との混合物を供給する
ことが好ましい。溶媒との混合割合(重量比)は、脂肪
族共役ジエン100重量部に対して、溶媒5〜500重
量部、ラジカル発生剤100重量部に対して、溶媒50
0〜5000重量部とすることが適当である。
【0032】反応温度は、90℃以上とすることが好ま
しい。この温度未満では、共重合体の平均分子量が所望
の値より高くなりすぎるか、あるいは三次元架橋が生じ
やすくなり、水溶性の共重合体として使用できなくなる
からである。一方、反応温度の上限には特に限定はない
が、ただし得られる共重合体の平均分子量を所望の値と
するためには180℃未満とすることが好ましい。共重
合体の平均分子量および反応時間を考慮すると、反応温
度は100〜160℃の範囲であることがより好まし
い。
【0033】脂肪族共役ジエン、共重合可能な不飽和単
量体及びラジカル発生剤の添加終了後に重合反応はほぼ
終了しているため、添加終了とともに重合反応を終了し
てもよい。ただし、未反応のモノマー及びラジカル発生
剤を完全に消費するため、更に一定時間、例えば30分
〜2時間程度は重合反応を継続することが好ましい。
【0034】反応終了後、沈澱または懸濁重合において
析出した共重合体は、濾過分離または上澄み液のデカン
テーションにより回収される。必要があれば、さらに貧
溶媒で洗浄することもできる。一方、溶液重合において
は反応液を多量の貧溶媒中に添加することにより共重合
体を析出させ、濾過分離または上澄み液のデカンテーシ
ョンにより回収される。
【0035】このようにして回収された共重合体は、一
定時間、水とともに加熱還流するか、あるいは水蒸気を
導入し水蒸気蒸留を行い、残留溶媒を留去するとともに
加水分解を行い水溶液とすることができる。ただし、経
済的、工業的な見地からは水蒸気を用いて加水分解を行
い、水溶液とすることが望ましい。
【0036】さらに、この共重合体の加水分解物の水溶
液は、塩基性物質により中和を行い、最終的に水溶性塩
とする。この際、水溶液は中性から弱アルカリ性領域と
なるようにすることが好ましい。また、濃度は固形分と
して10〜60重量%とすることが好ましい。塩基性物
質については特に限定するものではないが、例えばアル
カリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アンモニア
及びアルキルアミン等の塩基性物質を例示できる。アル
カリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウ
ム、また、アルキルアミンとしては、メチルアミン、エ
チルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、モノエ
タノールアミン、エチレンジアミンなどを用いることが
できる。なかでも水酸化ナトリウムまたはアンモニアが
好ましい。なお、加水分解時に上記塩基性物質を共存さ
せ、加水分解を行うとともに共重合体の水溶性塩を得る
こともできる。
【0037】本発明の分散剤の添加量は、アルミニウム
化合物に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1
〜2重量%の範囲で優れた分散効果を発揮する。
【0038】本発明の分散剤は、水酸化アルミニウム及
び酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物に用いるこ
とができ、特に微粒子状の水酸化アルミニウムに対し
て、従来の分散剤に比べて優れた分散性及び分散安定性
を付与できる。
【0039】なお、本発明の分散剤を用いてアルミニウ
ム化合物の水性スラリーを製造するに際しては、他の無
機または有機顔料、ラテックス、エマルジョンを添加す
ることができる。また場合によっては、その他の分散剤
または界面活性剤を併用することもできる。
【0040】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに説明するが
本発明はこれらに限定されない。 製造例1 無水マレイン酸20重量部とトルエン30重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で150℃まで加熱し
た。これにジ−t−ブチルパーオキサイド1重量部とト
ルエン40重量部の混合液及び1,3−ブタジエン5.
5重量部、イソブチレン11.4重量部、トルエン10
重量部の混合液をそれぞれ別々に2時間かけて添加し
た。その後、150℃で1時間熟成し、反応を終了させ
た。冷却後、上澄み溶媒を除去し、洗浄及び乾燥を行い
共重合体25重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水
溶液で加水分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度
30重量%の共重合体水溶液を得た。 製造例2 無水マレイン酸20重量部とトルエン30重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で120℃まで加熱し
た。これに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1重量部とトル
エン40重量部の混合液及び1,3−ブタジエン2.8
重量部、イソブテン14.3重量部、トルエン10重量
部の混合液をそれぞれ別々に2時間かけて添加した。そ
の後、120℃で1時間熟成し、反応を終了させた。冷
却後、上澄み溶媒を除去し、洗浄及び乾燥を行い精製共
重合体25重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶
液で加水分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度3
0重量%の共重合体水溶液を得た。 製造例3 無水マレイン酸100重量部とシクロヘキサノン296
重量部をオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で100
℃まで加熱した。これにt−ブチルパーオキシ(2−エ
チルヘキサノエート)10重量部とシクロヘキサノン9
2重量部の混合液及びイソプレン41.7重量部、イソ
ブテン22.9重量部、シクロヘキサノン12重量部の
混合液をそれぞれ別々に3時間かけて添加した。その
後、100℃で1時間熟成し、反応を終了させた。冷却
後、反応溶液を過剰のトルエン中へ注ぎ、共重合体を沈
澱させ、濾過分離した後、洗浄及び乾燥を行い共重合体
136重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液で
加水分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度30重
量%の共重合体水溶液を得た。 製造例4 無水マレイン酸2000重量部とトルエン15000重
量部をオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で135℃
まで加熱した。これにt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト100重量部とトルエン3000重量部の混合液およ
び表1に示す1,3−ブタジエンを43%含有するナフ
サを熱分解して得た炭素数4の炭化水素留分1300重
量部とトルエン6000重量部の混合液をそれぞれ別々
に3時間かけて添加した。その後、135℃で1時間熟
成し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去し
た後、水蒸気を吹き込み、残留溶媒を除去すると同時に
加水分解を行い、固形分量として1890重量部の加水
分解物を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを
9に調整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液を
得た。
【0041】
【表1】 製造例5 無水マレイン酸2000重量部とトルエン15000重
量部をオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で135℃
まで加熱した。これにt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト100重量部とトルエン3000重量部の混合液およ
び表−1に示す1,3−ブタジエンを43%含有するナ
フサを熱分解して得た炭素数4の炭化水素留分1830
重量部とトルエン6000重量部の混合液をそれぞれ別
々に3時間かけて添加した。その後、135℃で1時間
熟成し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去
した後、水蒸気を吹き込み、残留溶媒を除去すると同時
に加水分解を行い、固形分量として2360重量部の加
水分解物を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液でpH
を9に調整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液
を得た。 製造例6 無水マレイン酸20重量部とトルエン40重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で130℃まで加熱し
た。これにt−ブチルパーオキシベンゾエート2重量部
とトルエン23重量部の混合液及び1,3−ブタジエン
6.6重量部、スチレン8.5重量部、トルエン17重
量部の混合液をそれぞれ別々に3時間かけて添加した。
その後、130℃で1時間熟成し、反応を終了させた。
冷却後、上澄み溶媒を除去し、洗浄及び乾燥を行い共重
合体26重量部を得た。次に、水酸化ナトリウム水溶液
で加水分解を行い、pHを9に調整し、固形分濃度30
重量%の共重合体水溶液を得た。 製造例7 無水マレイン酸25重量部とトルエン40重量部をオー
トクレーブに仕込み、窒素雰囲気で150℃まで加熱し
た。これにジ−t−ブチルパーオキサイド0.25重量
部とトルエン33重量部の混合液及びイソブチレン1
4.3重量部とトルエン27重量部の混合液をそれぞれ
別々に4時間かけて添加した。その後、150℃で1時
間熟成し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除
去し、洗浄及び乾燥を行い共重合体38重量部を得た。
次に、水酸化ナトリウム水溶液で加水分解を行い、pH
を9に調整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液
を得た。 製造例8 無水マレイン酸100重量部とトルエン310重量部を
オートクレーブに仕込み、窒素雰囲気で130℃まで加
熱した。これにジ−t−ブチルパーオキサイド1重量部
とトルエン83重量部の混合液及びイソブテン57.1
重量部とトルエン7重量部の混合液をそれぞれ別々に4
時間かけて添加した。その後、130℃で1時間熟成
し、反応を終了させた。冷却後、上澄み溶媒を除去し、
洗浄及び乾燥を行い共重合体155重量部を得た。次
に、水酸化ナトリウム水溶液で加水分解を行い、pHを
9に調整し、固形分濃度30重量%の共重合体水溶液を
得た。 実施例1〜6 容量200mlのビーカーに水酸化アルミニウム(平均
粒径0.5μm)120重量部をとり、そこへ製造例1
〜6で得た分散剤水溶液2.4重量部(水酸化アルミニ
ウムに対する分散剤の固形分添加量0.6重量%)及び
水78.3重量部を加えた。次に、ホモミキサー(特殊
機化工業(株)製)により回転数3000rpmで10
分間攪拌し、固形分濃度60重量%の水酸化アルミニウ
ムの水性スラリーを調製した。このスラリーの粘度を2
5℃でB型粘度計(東京計器(株)製DLV−B型)を
用いて60rpm(ローターNo.4)で測定した。得
られた結果を表2に示す。 比較例1〜3 比較例1は製造例7で得た共重合体の水溶性塩、比較例
2は製造例8で得た共重合体の水溶性塩、比較例3は市
販ポリアクリル酸塩をそれぞれ分散剤として使用し、実
施例1〜6と同様にして水酸化アルミニウムの水性スラ
リーを調製し、それらの粘度を測定した。得られた結果
を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の分散剤を用いることにより、ア
ルミニウム化合物に対する添加量が従来より少量で分散
性に優れた高濃度のアルミニウム化合物の水性スラリー
を得ることができる。得られたアルミニウム化合物の水
性スラリーは、低粘度、高流動性であり、さらにそれら
の経日安定性も優れている。さらに、本発明の分散剤を
もちいることにより従来よりも高濃度のスラリーを提供
することも可能である。本発明の分散剤を含有するアル
ミニウム化合物の水性スラリーは製紙、塗料、ファイン
セラミック等の種々の分野の用途に有効に使用できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−99334(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/12 B01F 17/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸、脂肪族共役ジエン及びこ
    れらと共重合可能な不飽和単量体の共重合体の加水分解
    物の水溶性塩からなるアルミニウム化合物用分散剤。
  2. 【請求項2】無水マレイン酸単位の含有量が30〜90
    モル%である請求項1記載の分散剤。
  3. 【請求項3】無水マレイン酸及び脂肪族共役ジエンと共
    重合可能な不飽和単量体が炭素数2〜8のα−オレフィ
    ン及び芳香族不飽和炭化水素からなる群から選ばれる1
    種又は2種以上の単量体である請求項1記載の分散剤。
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