JP3230203U - トランジスタ保護回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランジスタを使用した装置から保護回路の部分だけ取り出すことができるトランジスタ保護回路を提供する。【解決手段】インバータ回路Cのトランジスタに流れる電流を検出する電流検出手段1と、過大な電流が流れた時に電流を遮断するスイッチング素子6を小形の絶縁物でできたケースの中に収納し、スイッチング素子の入力側と出力側にそれぞれ接続端子7、8を設け、保護回路Bを電力変換装置の平滑回路Aとインバータ回路Cの間に挿入できるようにした。【選択図】図2

Description

本考案は、インバータなどの電力変換装置に使用されるバイポーラトランジスタ、IGBT、MOSFETなどのパワートランジスタを過大電流から守るトランジスタ保護回路に関するものである。
従来のトランジスタ保護回路は特許文献の掲載されるようにトランジスタの駆動信号回路を遮断する手段を内蔵し、過大な電流が流れたとき駆動信号を遮断し、トランジスタを保護するものであった。先行技術文献に記載されるトランジスタ保護回路は、プリント基板上に他の制御回路と共に取り付けられ、トランジスタ保護回路の部分だけ取り出すことができなかった。また、従来のトランジスタ保護回路はインバータ回路のスイッチング素子の駆動信号を0Vにするかマイナスの電圧を供給を遮断するものであった。主回路に流れるメイン電流を遮断するものではなかった。
図3に示されるような抵抗とヒューズを用いたものが、トランジスタを保護する手段として提唱されていた。図3の11の抵抗値は、トランジスタが壊れていたとしても流れる電流が最大定格電流を超えないように設定している。図3の10のヒューズの定格は、トランジスタが短絡状態で壊れていた時に瞬時に溶断するような値に設定されている。
図3に示される抵抗とヒューズを用いたトランジスタ保護回路は、負荷電流を流さない時のみ使用可能である。抵抗とヒューズを用いたトランジスタ保護回路を電力変換装置に取り付け負荷電流を流すと、すぐにヒューズが溶断してしまうので機器に負荷電流を流し使用することはできない。そのため、図3の抵抗とヒューズを用いたトランジスタ保護回路は、壊れたトランジスタを交換した後、無負荷の状態で交換作業の結線が正しかったかどうかチェックにはなるだけである。
電力変換装置のメインテナンスを行う業界において、接続される機器から容易に取り外して何回でも使用できる、しかも負荷時も無負荷時も使用可能なトランジスタ保護回路が要望されていた。
特開平2−57011
インバータを用いた電力変換装置などの保護される対象からトランジスタ保護回路を取り外し可能にすることと、実際に負荷電流を流した状態でトランジスタの保護ができるようにすることが本発明の解決すべき課題である。
従来例のようにインバータ回路のスイッチング素子の駆動信号を0Vにするかマイナスの電圧を供給してインバータ回路の流れる電流を遮断するのでなく、インバータ回路のスイッチング素子に直列に接続されるスイッチング素子を用いてインバータを用いた電力変換装置に流れるメイン電流そのものを遮断している。
本考案では、電力変換装置のインバータ回路の供給する電流を遮断する6のスイッチング素子としてMOSFTを使用したが、バイポーラトランジスタでもIGBTでもかまわない。MOSFETは高速でON時の電圧ドロップが少ないので、ここではMOSFETを採用している。以降の説明ではMOSFETを用いた実施例で説明をする。
インバータ回路のトランジスタの絶対最大定格を超えるコレクタ電流から保護するため、コレクタ電流を判定するそれぞれのコンパレータ回路、コンパレータ回路からの信号を受けてその結果を保持するラッチ回路、ラッチ回路からの信号を受けてその結果を表示する表示部を設けている。ラッチ回路の信号を受けてスイッチング素子を設け、トランジスタに過大な電流が流れるとスイッチング素子を用いて回路を遮断するようにしている。
インバータ回路のトランジスタに流れるコレクタ電流を検出する電流検出手段とインバータ回路に流れる電流を遮断するスイッチング素子を小形の絶縁物でできたケースに収納している。本考案のトランジスタ保護回路の入ったケースに入力と出力の大形の接続端子を設け、接続される電力変換装置から切り離しができるようにている。
トランジスタ保護回路を取り外し可能にするため、トランジスタ保護回路のMOSFETのドライン側とソース側を接続端子に接続し、アーク溶接電源の平滑回路とインバータ回路の間に挿入できるようにしている。
保護しようとする素子の電流が絶対最大定格を超すような値になると、本考案のトランジスタ保護回路が動作し、表示部で過大電流が流れたことを表示するようにしている。
本考案のトランジスタ保護回路は、インバータなどの電力変換装置に常時取り付けておく必要はなく、必要な時だけに取り付けて使用することが可能となる。そのため、電力変換装置そのものを安く製作することが可能となる。
本考案のトランジスタ保護回路を用いることにより、トランジスタを交換時の作業ミスによるトランジスタの破壊の再発を防止できる。
ラッチ回路を設け、出力状態を保持し表示部で表示させているので、トランジスタ保護回路が働いたのかどうか判る。
本考案のトランジスタ保護回路のブロック図 本考案のトランジスタ保護回路の接続図 抵抗とヒューズを用いたトランジスタ保護回路の接続図
トランジスタを過大コレクタ電流回路から保護する保護回路を絶縁物でできたケースに収めている。ケースに接続端子を設け取り外し可能にしている。
図1は、本考案のトランジスタ保護回路のブロック図である。1の コレクタ電流検出手段でトランジスタに流れるコレクタ電流を検出し、1のコレクタ電流検出手段の出力を基準値と比較する2のコンパレータ回路に加え、基準値を超える値であるかどうかを判定している。2のコンパレータ回路の信号を3のラッチ回路に供給し、異常が発生したことを保持するようにしている。4の表示部では基準値を超えるコレクタ電流が流れたことを表示するようにしている。3のラッチ回路の信号を受けて6のスイッチング素子で電力変換装置のインバータ回路の供給する電流を遮断するように構成している。
1の コレクタ電流検出手段は、ホールCTを用いた電流検出素子が採用され電力変換装置の主回路とBのトランジスタ保護回路が電気的に絶縁されるように構成されている。
5の駆動回路では、2のラッチ回路の信号を受けて、6のMOSFETのゲート電圧にOVまたはマイナスの電圧を供給し、MOSFETをOFFするようにしている。異常の発生がない時は、6のMOSFETのゲートにプラスの電圧が供給されON状態である。MOSFETには大電流が流れるので、複数個並列接続し電力損失を少なくするようにしている。MOSFETのドレイン側は、1のコレクタ電流検出手段を介して7のプラス側入力接続端子に、MOSFETのソース側は、8のプラス側出力接続端子に接続されている。
図2に本考案のトランジスタ保護回路の接続図を示す。図2の7はプラス側入力接続端子、8はプラス側出力接続端子、9はマイナス側入力端子である。本考案のトランジスタ保護回路の電源は、7のプラス側入力端子と9のマイナス側入力端子からから取るようになっている。
本考案のトランジスタ保護回路を取り外しできるように、トランジスタを保護する回路を煙草のケースと同じくらいの大きさの絶縁物でできたケースに収めている。図2の7のプラス側入力接続端子、8のプラス側出力接続端子、9のマイナス側入力端子の接続を外すことによりトランジスタ保護回路の部分を取り外しができる。
本考案のトランジスタ保護回路を常時電力変換装置に取り付け的に使用する場合は、インバータを用いた電力変換装置の平滑回路と直流を交流に変換するインバータ回路の間に挿入すればよいだけである。
インバータなどの電力変換機器の保守を行う業界で、本考案のトランジスタ保護回路が使用されると、保守作業の結線作業を著しく短縮できるので作業の効率化が可能となる。また、本考案のトランジスタ保護回路を電力変換装置に取り付けて使用することもできる。異常が起きたときトランジスタが破壊するのを防止できるだけでなく、破壊現象が周囲の電気部品に波及して他の電気部品を壊すこともない。また、異常が発生したとしても、一時的な停止で済むため機器の稼働率の向上に繋がる。そのため、高い信頼性を要求される電力変換装置に使用される可能性がある。
A 平滑回路
B トランジスタ保護回路
C IGBTのインバータ回路
1 電流検出手段
2 コンパレータ回路
3 ラッチ回路
4 表示部
5 駆動回路
6 スイッチング素子
7 プラス側入力接続端子
8 プラス側出力接続端子
9 マイナス側入力端子
10 ヒューズ
11 抵抗

Claims (3)

  1. トランジスタに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力の値を基準値と比較するコンパレータ回路、前記コンパレータ回路の出力を保持するラッチ回路、前記ラッチ回路の信号を受けて過大なコレクタ電流が流れたことを表示する表示部を設け、前記ラッチ回路の出力信号を駆動回路に供給し、前記駆動回路の信号を受けて、スイッチング動作を行うスイッチング素子を設け、前記スイッチング素子の入力側と出力側に接続端子に接続したことを特徴とするトランジスタ保護回路。
  2. 請求項1項記載の電流検出手段と、コンパレータ回路、ラッチ回路、表示部、駆動回路スイッチング素子を絶縁物でできたケースに収納したことを特徴とするトランジスタ保護回路。
  3. 請求項1項記載のトランジスタ保護回路をアーク溶接電源の平滑回路とインバータ回路の間に接続したことを特徴とするアーク溶接電源。
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