JP3230181U - 回転式電極ホルダ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却水の構造を簡素化して作成費用や手間の軽減化を図るとともに、溶接する電極の切り替えを容易化し、また、溶接位置の位置決めを正確にできる回転式の電極ホルダ機構を提供する。【解決手段】電極ホルダ本体3の小径部3aに、駆動シリンダユニットの駆動によって回転可能な回転体を装着し、回転体の周囲に複数の電極ユニットを設け、所望の電極ユニットを溶接位置に容易に切り替えることができる回転式電極ホルダの機構であって、溶接位置の電極を冷却するため、電極ホルダ本体に1本の冷却水給水孔7xと1本の冷却水排水孔7yを形成し、溶接位置に位置しない電極には冷却水の供給が遮断されるようにする。【選択図】図2
Description
本考案は、電気抵抗溶接機において、複数の電極を1台の溶接機で切り替えて使用することのできる回転式の電極ホルダ機構に関する。
従来、複数の電極を1台の溶接機で切り替えて使用することのできる回転可能な電極ホルダとして、円周の外周に電極を取り付けるための複数の装着凹部を設け、それぞれの装着凹部に電極を取り付けて溶接するような技術が知られており、(例えば、特許文献1参照。)この技術では、スポット溶接機に取り付けられる基部材と、この基部材に取り付けられ且つその外周部に一定角度をおいて電極を装着するための装着凹部が形成される回転部材と、基部材と回転部材を固定する固定部材を設け、使用する電極を交換するときは、例えば手作業等によって固定部材を取り外して回転部材の位相を替えて所望の電極を溶接位置に位置させ、再び固定部材を締め直して溶接するようにしている。
ところで、上記技術の場合、電極を冷却するための冷却水通路を設けており、この冷却水通路として、それぞれすべての電極について、基部材と回転部材の両方に冷却水供給路と冷却水排水路を設けているため、電極の冷却構造が複雑になり、基部材や回転部材の製作に手間とコストがかかるという問題があった。
そこで本考案は、回転式の電極ホルダにおいて、冷却水の構造を簡素化して作成費用や手間の軽減化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため本考案は、電気抵抗溶接機の電極ホルダ本体に回転可能に取り付けられる回転体に複数の装着部が所定間隔置きに設けられ、それぞれの装着部に装着される複数の電極ユニットのうち所望の電極ユニットを溶接位置に位置決めして溶接するような回転式電極ホルダの機構において、前記電極ホルダ本体には、電極を冷却するための1本の冷却水供給路と1本の冷却水排水路を形成し、これら1本の冷却水供給路と冷却水排水路によって、溶接位置の電極の冷却を行うとともに、溶接位置に位置しない電極には冷却水の供給が遮断される機構を設けた。
このように、1本の冷却水供給路と冷却水排水路によって、溶接位置の電極の冷却を行うようにし、溶接位置に位置しない電極には冷却水の供給が遮断される機構を設けることにより、冷却機構の簡素化が図られ、製作の手間とコストの削減化が図れる。
なお、前記電極ホルダ本体と回転体の材質を、クロム銅または真鍮またはベリリウム銅またはリン青銅のいずれか1種又はこれらの組み合わせにすれば、溶接時の電極に対する給電効果が高まって好適である。
電極ホルダ本体に電極を冷却するための1本の冷却水供給路と1本の冷却水排水路を形成し、これら1本の冷却水供給路と冷却水排水路によって、溶接位置の電極の冷却を行うことにより、電極ホルダの作製に手間やコストがかからず、しかも溶接位置に位置しない電極に冷却水の供給を遮断する機構を設けることにより、水漏れ等の不具合が発生しない。
本考案の実施の形態について説明する。
本考案の回転式電極ホルダ機構は、電極を冷却するための冷却水の構造を簡素化して作成費用や手間の軽減化を図ることができるようにされている。
本考案の回転式電極ホルダ機構は、電極を冷却するための冷却水の構造を簡素化して作成費用や手間の軽減化を図ることができるようにされている。
電気抵抗溶接機は、一対の電極によって被溶接部材を挟み込み、加圧しながら通電することで被溶接部材を溶接するものであり、被溶接部材の材料や、溶接個所や被溶接部材の形状等によって各種の電極が使用されており、1台の溶接機で複数の電極を取り換えながら溶接作業が行えるようになると、被溶接部材を移動させたりするような手間が省けるため、作業効率が極めて向上する。
そこで、本考案に係る電極ホルダ機構1は、1台の溶接機の上下一対の電極のうち、どちらの側にでも適用できるように構成されており、本実施例では下部電極側として構成されるとともに、回転体4の周囲に装着される複数(本実施例では2本)の電極ユニット5のうち、所望の電極ユニット5を駆動シリンダユニット16の作動によって溶接位置に移動させ、下部電極側の複数の電極の切り替えが簡単にできるようにされている。
また、その際、溶接位置の電極ユニット5の電極5aを冷却するための冷却水構造が設けられ、この冷却水構造には、溶接位置以外の電極に対しては冷却水の供給が遮断される構造も設けられている。
それでは、本電極ホルダ機構1の構造の細部について説明する。
本電極ホルダ機構1は、図1に示すように、不図示の溶接機側に固定される電極ホルダ本体3と、この電極ホルダ本体3の中径部3b(図2(a))に嵌合する固定板2と、電極ホルダ本体3の小径部3aに回転可能に嵌合する回転体4と、この回転体4を回転駆動するための駆動部としての駆動シリンダユニット16と、全体が溶接機側に固定される回転ガイド前面部材18を備えており、駆動シリンダユニット16の作動によって回転体4が、約90度回転するようにされている。また、本実施例では、回転体4の外周部に二つの電極ユニット5が装着されており、所望の電極ユニット5を溶接位置に移動させることができるようにされている。
本電極ホルダ機構1は、図1に示すように、不図示の溶接機側に固定される電極ホルダ本体3と、この電極ホルダ本体3の中径部3b(図2(a))に嵌合する固定板2と、電極ホルダ本体3の小径部3aに回転可能に嵌合する回転体4と、この回転体4を回転駆動するための駆動部としての駆動シリンダユニット16と、全体が溶接機側に固定される回転ガイド前面部材18を備えており、駆動シリンダユニット16の作動によって回転体4が、約90度回転するようにされている。また、本実施例では、回転体4の外周部に二つの電極ユニット5が装着されており、所望の電極ユニット5を溶接位置に移動させることができるようにされている。
電極ホルダ本体3は、図2に示すように、先端側に小径部3aと中径部3bを備えており、前述のように、中径部3bに前記固定板2が取り付けられるとともに、電極ホルダ本体3の先端側の内部には冷却水を流通させるための通路が形成されている。
すなわち、先端側の大径部には直径方向に貫通する水平の貫通孔が設けられ、この貫通孔の中央部が遮蔽部材sによって仕切られることにより、一方側の貫通孔は冷却水を供給する給水孔7xとして、他方側の貫通孔は冷却済みの水を排水する排水孔7yとされており、給水孔7xや排水孔7yの開口部には、それぞれ接続部材11(図1)が接続されている。因みに、本実施例では、電極ホルダ本体3の側方から給排水を行うようにしているが、電極ホルダ3の軸方向と平行に給排水を行うことができるよう、電極ホルダ3の背面側から二本の給水孔7x1、排水孔7y1を設けてそれぞれ給水孔7x、排水孔7yに連通させており、通常時はメクラ蓋Mをしており、軸方向と平行方向から給排水を行う際は、現在メクラ蓋Mをしている箇所に接続部材11を接続して、給水孔7xや排水孔7yの側方の開口部にはメクラ蓋Mを使用する。
また、小径部3aの先端面側から軸方向に沿って二本の穿孔8x、8yが設けられて深部側が遮蔽部材sを挟んで、一方側の穿孔8xが給水孔7xに、他方側の穿孔8yが排水孔7yにそれぞれ連通しており、それぞれの穿孔8x、8yの入り口側が遮蔽部材pによって遮蔽されている。
更に、小径部3aの上部側から下方に向けて二本の縦孔9x、9yが設けられ、一方側の縦孔9xが一方側の穿孔8xに、他方側の縦孔9yが他方側の穿孔8yに連通している。
また、小径部3aの先端面側から軸方向に沿って二本の穿孔8x、8yが設けられて深部側が遮蔽部材sを挟んで、一方側の穿孔8xが給水孔7xに、他方側の穿孔8yが排水孔7yにそれぞれ連通しており、それぞれの穿孔8x、8yの入り口側が遮蔽部材pによって遮蔽されている。
更に、小径部3aの上部側から下方に向けて二本の縦孔9x、9yが設けられ、一方側の縦孔9xが一方側の穿孔8xに、他方側の縦孔9yが他方側の穿孔8yに連通している。
すなわち、給水側の給水孔7xから給水された冷却水は、穿孔8xや縦孔9xを通して、以下に述べる回転体4の給水路を通して、溶接位置の電極ユニット5の冷却路に供給され、冷却の終えた冷却水は、電極ユニット5の排水路を通して、縦孔9yや穿孔8yや排水孔7yを通して外部に排水される。
前記回転体4は、図3に示すように、中央部に、電極ホルダ本体3の小径部3aに密着状に嵌合するための嵌合孔4aを備えており、また、その円周上には、電極ユニット5を装着するための二カ所の装着穴4sが中心軸方向に向けて直角に形成されるとともに、この装着穴4sの中間部には雌ネジ部mが形成され、更に装着穴4sの下面側には、装着穴4sの底面の中心部から嵌合孔4aに向けて垂直に貫通する雌ネジ孔xと、この雌ネジ孔xの周囲の装着穴4s底面から嵌合孔4aに向けて斜め方向に貫通する傾斜孔yを備えている。
電極ユニット5の冷却構造について説明する。
電極ユニット5は、図4(a)に示すように、電極5aと、電極5aを保持する保持筒5bと、電極ユニット5の内部の筒内に冷却水を供給するための小径のパイプ部材5pを備えており、パイプ部材5pの下端部周囲には、雄ネジ部材12が設けられるとともに、この雄ネジ部材12は、前記回転体4の雌ネジ孔xに螺合可能にされている。
また、保持筒5bの下端部には、雄ネジ部nが形成され、この保持筒5bの雄ネジ部nは、前記回転体4の装着穴4sの雌ネジ部mに螺合可能にされている。更に保持筒5bの雄ネジ部nの下方には装着穴4sに嵌合可能な嵌合部が設けられるとともに、この嵌合部には、水漏れを防止するためのOリングrが装着されている。
電極ユニット5は、図4(a)に示すように、電極5aと、電極5aを保持する保持筒5bと、電極ユニット5の内部の筒内に冷却水を供給するための小径のパイプ部材5pを備えており、パイプ部材5pの下端部周囲には、雄ネジ部材12が設けられるとともに、この雄ネジ部材12は、前記回転体4の雌ネジ孔xに螺合可能にされている。
また、保持筒5bの下端部には、雄ネジ部nが形成され、この保持筒5bの雄ネジ部nは、前記回転体4の装着穴4sの雌ネジ部mに螺合可能にされている。更に保持筒5bの雄ネジ部nの下方には装着穴4sに嵌合可能な嵌合部が設けられるとともに、この嵌合部には、水漏れを防止するためのOリングrが装着されている。
そして、これら電極ユニット5を回転体4の装着穴4sに装着した状態は、図4(b)の通りであり、パイプ部材5pの内部から供給される冷却水がパイプ部材5pの上端部から外部に流出し、電極5aを冷却するとともに、冷却済みの冷却水は電極ユニット5の筒内とパイプ部材5pの外周との間を流れ落ちて装着穴4sの内部に流入し、傾斜孔yを通して排水孔7yに向けて流出する。
因みに、保持筒5bの雄ネジ部nを装着穴4sの雌ネジ部mに螺合させた際、保持筒5bの下端面と装着穴4sの底面との間には僅かな隙間が生じるようにされている。
また、冷却済みの冷却水は、Oリングrによって保持筒5bと装着穴4sの隙間を通して外部に漏れだすことはない。
因みに、保持筒5bの雄ネジ部nを装着穴4sの雌ネジ部mに螺合させた際、保持筒5bの下端面と装着穴4sの底面との間には僅かな隙間が生じるようにされている。
また、冷却済みの冷却水は、Oリングrによって保持筒5bと装着穴4sの隙間を通して外部に漏れだすことはない。
以上のように、本電極ホルダ機構は、電極ホルダ本体3に形成される1本の冷却水供給路と1本の冷却水排水路によって、溶接位置に位置する電極ユニット5への冷却が可能であるが、冷却位置以外の電極ユニット5に対しては、冷却水の供給が行われないため冷却されない。また、それまで溶接位置にいて冷却されていた電極ユニット5が溶接位置以外の場所に切り替えられると、電極ユニット5の内部に残留する冷却水は、電極ホルダ本体3の小径部3aの外面に遮られて外部に漏洩することはない。
以上のような構成によって、冷却機構の簡素化が図られ、製作の手間とコストの削減化が図れる。
なお、ホルダ本体3(小径部3aを含む)と回転体4の材質として、クロム銅または真鍮またはベリリウム銅またはリン青銅のいずれか1種又はこれらの組み合わせにすれば、溶接時の電極に対する給電効果を高めることができる。
なお、ホルダ本体3(小径部3aを含む)と回転体4の材質として、クロム銅または真鍮またはベリリウム銅またはリン青銅のいずれか1種又はこれらの組み合わせにすれば、溶接時の電極に対する給電効果を高めることができる。
ところで、以上の実施例では、駆動シリンダユニット16の固定を、中間部のピン16b式で行っているが、図5に示すように、駆動シリンダユニット16の下端部を固定板21に固定するようにしても良い。この場合、回転ガイド前面部材18は、直接電極ホルダ本体3前面等にボルトで固定している。
なお、本考案は以上のような実施形態に限定されるものではない。本考案の実用新案登録請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本考案の技術的範囲に属する。例えば、本実施例では下部電極側として構成しているが、上部電極側でもよく、また、電極ユニット5を二個としているが、三個または四個でもそれ以上でもよい。また、本実施例では、給水と排水をホルダ本体3の側方から軸方向に対して直角方向に行っているが、その代わりに、ホルダ本体3の基端側から軸方向に沿って平行に行っても良い。
更に、駆動シリンダユニット16のシリンダロッド前面側に安全カバーを設け、駆動シリンダユニット16作動時の人的被害防止を図るようにしてもよい。
更に、駆動シリンダユニット16のシリンダロッド前面側に安全カバーを設け、駆動シリンダユニット16作動時の人的被害防止を図るようにしてもよい。
回転式の電極ホルダ機構として、電極を冷却するための冷却水の構造が簡素化されて作成費用や手間の軽減化が図られるため、溶接分野における今後の広い普及が期待される。
1…電極ホルダ機構、3…電極ホルダ本体、4…回転体、5…電極ユニット、5a…電極、7x…給水孔、7y…排水孔。
Claims (1)
- 電気抵抗溶接機の電極ホルダ本体に回転可能に取り付けられる回転体に複数の装着部が所定間隔置きに設けられ、それぞれの装着部に装着される複数の電極ユニットのうち所望の電極ユニットを溶接位置に位置決めして溶接するような回転式電極ホルダの機構であって、前記電極ホルダ本体には、電極を冷却するための1本の冷却水供給路と1本の冷却水排水路が形成され、これら1本の冷却水供給路と冷却水排水路によって、溶接位置の電極の冷却を行うとともに、溶接位置に位置しない電極には冷却水の供給が遮断される機構を設けることを特徴とする回転式電極ホルダ機構。
Priority Applications (1)
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JP2020004623U JP3230181U (ja) | 2020-10-27 | 2020-10-27 | 回転式電極ホルダ機構 |
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JP2020004623U JP3230181U (ja) | 2020-10-27 | 2020-10-27 | 回転式電極ホルダ機構 |
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JP2020004623U Active JP3230181U (ja) | 2020-10-27 | 2020-10-27 | 回転式電極ホルダ機構 |
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