JP3229485U - 気化式冷風機 - Google Patents
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Abstract
【課題】消臭および除菌効果を備えた気化式冷風機を提供する。【解決手段】気化式冷風機100は、空気取入れ壁および空気吹出し壁を有するケース本体10と、ケース本体内の底部に設けられる貯水タンクと、空気取入れ壁の内面に沿って配置される冷却エレメント14と、貯水タンク内の水を冷却エレメントの上部にまで送り込んで放水する水供給手段15、16と、ファン22と、オゾン発生器30とを備える。ファンは、ケース本体内に配置され、外部の空気を空気取入れ壁から取り込み、取り込んだ外部の空気を冷却エレメントの隙間に通し、通過する空気を冷却エレメント内の水の気化熱を利用して冷却し、冷却した空気を空気吹出し壁から外部に送り出す。オゾン発生器は、ケース本体内に配置され、オゾンを発生し、発生したオゾンを冷却エレメントとファンとの間の領域に放出する。【選択図】図6
Description
この考案は、冷却した空気を送り出す冷風機に関し、特に水が蒸発するときの気化熱を利用して空気を冷却して吹出す気化式冷風機に関するものである。
気化式冷風機は、排熱を出さずに身体にやさしい涼風を送り出すことができ、しかも電力消費量が小さいので、近年その需要が高まっている。
気化式冷風機の一例が、特開平3−244932号公報(特許文献1)に記載されている。この特許文献1に開示された気化式冷風機は、送風機により生じる空気流に、霧化装置から噴霧された霧滴を接触させて、霧滴気化時の吸熱作用により、空気流を冷却して吹出す構成を備えている。
特許文献1に記載の発明の発明者は、従来方式における気化式冷風機には以下の問題点があることに着目した。すなわち、従来の冷風機では、加湿フィルタ部における水と空気の接触効率を自由に可変することが困難であるので、吹き出し口空気の温度を一定に保持することができない。吹出し口空気の温度を一定にするためには、送風機の風量を可変とすれば良いが、吹出し口空気の風量が絶えず変動することとなり、人に不快感を与えてしまう。
上記のような従来技術の課題を解決するために、特許文献1に記載の発明では、送風機の回転数、外気温度、外気湿度および外気の湿球温度を超えない範囲で任意に設定された吹出し空気温度に基づいて、あらかじめ設定された湿り空気線図により吹出し空気湿度を算出し、算出湿度にあわせて、霧化装置の噴霧量を制御するようにしている。
特許文献1に記載の発明は、吹出し口空気の温度を外気の湿球温度を超えない範囲で
常に設定値に保つことを目指したものである。
常に設定値に保つことを目指したものである。
近年、人々は、室内や施設内の臭いに敏感であり、またウイルス感染防止にも多大な注意を払っている。特許文献1に代表される従来の気化式冷風機では、冷却して送り出される空気中の臭いや菌に対して配慮がなされていない。
本考案の目的は、消臭および除菌機能を備えた気化式冷風機を提供することである。
本考案に係る気化式冷風機は、空気取入れ壁および空気吹出し壁を有するケース本体と、貯水タンクと、冷却エレメントと、水供給手段と、ファンと、オゾン発生器とを備える。
貯水タンクは、ケース本体内の底部に設けられる。冷却エレメントは、空気取入れ壁の内面に沿って配置される。水供給手段は、貯水タンク内の水を冷却エレメントの上部にまで送り込んで放水する。
ファンは、ケース本体内に配置され、外部の空気を空気取入れ壁から取り込み、この取り込んだ外部の空気を冷却エレメントの隙間に通し、通過する空気を冷却エレメント内の水の気化熱を利用して冷却し、冷却した空気を空気吹出し壁から外部に送り出す。
オゾン発生器は、ケース本体内に配置され、オゾンを発生し、発生したオゾンを冷却エレメントとファンとの間の領域に放出する。
好ましい実施形態では、気化式冷風機は、さらに、ケース本体内に配置され、貯水タンク内の水に紫外線を照射する紫外線照射手段を備える。
好ましくは、オゾン発生器のオゾン放出口は、ファンよりも高い位置にある。
オゾン発生器は、例えば、2つの電極間に交流高電圧を印加し、放出される電子の衝突を利用して空気中の酸素をオゾンに変化させる放電型オゾン発生器である。このオゾン発生器のオゾン発生量は、好ましくは、8.0〜11.0mg/hである。
本考案の一実施形態では、紫外線照射手段は、波長が200〜280nmの紫外線を放出する紫外線放射放電管を含む。
本考案の一実施形態に係る気化式冷風機は、空気取入れ壁に取り付けられた吸気フィルタをさらに備える。また、冷却エレメントは、ファイバ層を多層に設けたものである。水供給手段は、貯水タンク内の水を汲み上げるポンプと、汲み上げた水を冷却エレメントの上部にまで導くチューブとを含む。
本考案によれば、冷却エレメントとファンとの間の領域に放出されたオゾンが冷却空気の消臭および除菌を行うので、ファンの回転によって外部に送り出される涼風空気は無臭および無菌状態に近くなる。
図1〜図3は、本考案の一実施形態に係る気化式冷風機の外観を示している。気化式冷風機100は、正面壁1、背面壁2、左右の側壁3,4、天壁5および底壁6によって形作られる箱型形状(直方体形状)のケース本体10を備える。
箱型形状のケース本体10の背面壁2および左右の側壁3,4は、ケース本体10内に空気を取り入れる空気取入れ壁を構成する。ケース本体10の正面壁1は、ケース本体10内の空気を外部に吹出す空気吹出し壁を構成する。図示した実施形態では、ケース本体10の3つの壁が空気取入れ壁を構成しているが、他の実施形態として一つの壁、例えば背面壁2のみが空気取入れ壁を構成するようにしてもよい。
図示した実施形態において、空気取入れ壁を構成する背面壁2および左右の側壁3、4には、それぞれ吸気フィルタ2a,3a,4aが取り付けられており、ケース本体10内に取り込まれる空気中の塵や埃を捕捉する。
ケース本体10の底壁6には、4個のキャスタ7が取り付けられており、気化式冷風機100の移動操作を簡単に行えるようにしている。
図2、図4、図6および図7を参照して、気化式冷風機100の内部構造を説明する。
ケース本体10の底部には、水を貯える貯水タンク8が設けられている。貯水タンク8内の水が少なくなったら、背面壁2に設けられた注水口9から貯水タンク8内に水を供給する。貯水タンク8内の水を空にする場合には、底壁6に設けられた排水口11から水を排出する。
貯水タンク8内に水位センサ12が配置され、ケース本体10の正面壁1に水位インジケータ13が設けられているので、人は、外部から貯水タンク8内の水位を確認できる。
空気取入れ壁を構成するケース本体10の背面壁2および左右の側壁3,4の内面に沿って、それぞれ冷却エレメント14が配置されている。3つの空気取入れ壁2,3,4にはそれぞれ吸気フィルタ2a,3a,4aが取り付けられているので、各冷却エレメント14は各吸気フィルタの内面に沿うことになる。
好ましい実施形態では、冷却エレメント14は、ファイバ層を多層に設けた多層ファイバ冷却エレメントであり、水を下方に導く微小水路および外部から取り込む空気を通過させる微小通気路を多数有している。
貯水タンク8内の水を各冷却エレメント14の上部にまで送り込んで放水する水供給手段は、貯水タンク8内の水を汲み上げるポンプ15と、汲み上げた水を各冷却エレメント14の上部にまで導くチューブ16とを備える。
冷却エレメント14の上部に放水された水は、冷却エレメント14内の微小水路を伝って下方に流れ、水受け17を経由して貯水タンク8内に戻る。
空気吹出し壁を構成するケース本体10の正面壁には、2種類のルーバ20,21が取り付けられている。外側に位置する一方のルーバ20は、上下方向に回動し得る多数の羽根を有しており、手動で羽根を動かすように構成されている。内側に位置する他方のルーバ21は、左右方向に回動し得る多数の羽根を有しており、自動で羽根を動かすように構成されている。
内側のルーバ21の内側に、ファン22が配置されている。ファン22は電動モータで回転駆動されるものである。ファン22が回転すれば、外部の空気を空気取り入れ壁からケース本体10内に取り込み、取り込んだ空気を空気吹出し壁から外部に送り出す空気の流れが形成される。
外部から取り込まれる空気は、各冷却エレメント14の微小通気路を通過する。微小通気路を通過する空気は、冷却エレメント14内を下方に流れる水の気化によって熱を奪われて冷却され、この冷却された空気がファン22によって空気吹出し壁、具体的にはルーバ21,20を通って外部に送り出される。例えば、空気取入れ壁から取り込まれる空気の温度が30℃だとすると、空気吹出し壁から送り出される空気の温度は26℃程度となる。
冷却エレメント14を通過してケース本体10内に取り込まれる空気は、温度が低下し、相対的に水分を多く含むものである。
本考案の実施形態に係る気化式冷風機の重要な特徴は、ケース本体10内にオゾン発生器30を備えたことである。オゾン発生器30はオゾンを作り出し、発生したオゾンを冷却エレメント14とファン22との間の領域に放出する。
オゾンは、強い酸化力で臭い成分を酸化分解して空気を浄化するため、消臭剤で臭いをごまかすのではなく根本的な原因を除去して消臭する効果を発揮する。また、オゾンは、ウイルスや菌を不活化できるため、防カビ効果や感染症へのリスクを軽減する。特に不活化効果は、湿分の多い空気に対して特に有効である。
冷却エレメント14を通過して冷却された空気は湿分を多く含むので、オゾンによるウイルや菌の不活化効果が特に期待される。
本実施形態では、オゾン発生器30は、2つの電極間に交流高電圧を印加し、放出される電子の衝撃を利用して空気中の酸素をオゾンに変化させる放電型オゾン発生器である。
オゾンの比重は、空気の1.54倍である。ケース本体10内に放出されたオゾンは、大きな比重のために下方へ落下する傾向がある。この点を考慮して、オゾン発生器30のオゾン放出口30aをファン22より高い位置に配置する。この配置関係により、ファン22の回転によって外部に送り出される空気は、確実にオゾンによって消臭され、かつウイルスや菌が不活化されることになる。
オゾン発生器30のオゾン発生量は、好ましくは、8.0〜11.0mg/hである。この範囲であれば、オゾンによる消臭効果および不活化効果が期待でき、また人体に対する悪影響を及ぼさない。より好ましいオゾン発生量は9.3mg/hである。オゾン発生量が8.0mg/hを下回るようであれば、消臭効果や不活化効果が劣るようになる。オゾン発生量が11.0mg/hを上回るようであれば、人体に対して悪影響を及ぼす可能性がある。
本考案の一実施形態に係る気化式冷風機のさらに好ましい特徴は、ケース本体10内に紫外線照射手段32を配置したことである。紫外線照射手段32は、例えば波長が200〜280nmの紫外線(UV−C)を放出する紫外線放射放電管を含む。放射される紫外線の波長は、好ましくは、253.7nmである。紫外線放射放電管は、例えば貯水タンク8の水を冷却エレメント14の上部にまで導くチューブ16に取り付けられ、紫外線を貯水タンク8内の水に向けて放射する。この紫外線の照射により、貯水タンク8内の水は除菌される。
ケース本体10の正面壁1の上部に、コントロールパネル40が設けられている。図5に示すように、コントロールパネル40は、左から順にオゾン発生スイッチ41、スイングスイッチ42、冷風スイッチ43および電源・風力ダイヤル44を備える。
電源オフ状態から、電源・風力ダイヤル44を時計回りに回転させると電源がオンになりファン22が回転する。ダイヤル44は3段階の回転位置(L,M,H)を取り得るようになっており、ファン22の回転による風力を3段階(弱・中・強)に調節できる。
オゾン発生スイッチ41をオン状態にすると、オゾン発生器30がオゾンを発生し、紫外線放射LED32が点灯する。スイングスイッチ42をオン状態にすると、ケース本体10の正面壁に取り付けられた可動ルーバ21が左右方向に回動する。
冷風スイッチ43をオン状態にすると、冷風運転が開始される。すなわち、ポンプ15が作動し、貯水タンク8内の水を汲み上げて冷却エレメント14の上部にまで運び、放水する。
図面を参照して本考案の一実施形態を説明したが、本考案は、図示した実施形態に限定されるものではなく、本考案と実質的に同一の範囲または均等の範囲内において種々の変形や改良が可能である。
本考案は、消臭効果および除菌効果を有する気化式冷風機として有利に利用され得る。
100 気化式冷風機、1 正面壁、2 背面壁、2a 吸気フィルタ、3 左側面壁、3a 吸気フィルタ、4 右側面壁、4a 吸気フィルタ、5 天壁、6 底壁、7 キャスタ、8 貯水タンク、9 注水口、10 ケース本体、11 排水口、12 水位センサ、13 水位インジケータ、14 冷却エレメント、15 ポンプ、16 チューブ、17 水受け、20 ルーバ(上下動),21 ルーバ(左右動)、22 ファン、30 オゾン発生器、30a オゾン放出口、32 紫外線照射手段(紫外線放射放電管)、40 コントロールパネル、41 オゾン発生スイッチ、42 スイングスイッチ、43 冷風スイッチ、44 電源・風力ダイヤル。
Claims (7)
- 空気取入れ壁および空気吹出し壁を有するケース本体と、
前記ケース本体内の底部に設けられる貯水タンクと、
前記空気取入れ壁の内面に沿って配置される冷却エレメントと、
前記貯水タンク内の水を前記冷却エレメントの上部にまで送り込んで放水する水供給手段と、
前記ケース本体内に配置され、外部の空気を前記空気取入れ壁から取り込み、この取り込んだ外部の空気を前記冷却エレメントの隙間に通し、通過する空気を前記冷却エレメント内の水の気化熱を利用して冷却し、冷却した空気を前記空気吹出し壁から外部に送り出すファンと、
前記ケース本体内に配置され、オゾンを発生し、発生したオゾンを前記冷却エレメントと前記ファンとの間の領域に放出するオゾン発生器とを備える、気化式冷風機。 - 前記ケース本体内に配置され、前記貯水タンク内の水に紫外線を照射する紫外線照射手段をさらに備える、請求項1に記載の気化式冷風機。
- 前記オゾン発生器のオゾン放出口は、前記ファンよりも高い位置にある、請求項1または2に記載の気化式冷風機。
- 前記オゾン発生器は、2つの電極間に交流高電圧を印加し、放出される電子の衝突を利用して空気中の酸素をオゾンに変化させる放電型オゾン発生器である、請求項1〜3のいずれかに記載の気化式冷風機。
- 前記オゾン発生器のオゾン発生量は、8.0〜11.0mg/hである、請求項4に記載の気化式冷風機。
- 前記紫外線照射手段は、波長が200〜280nmの紫外線を放出する紫外線放射放電管を含む、請求項2に記載の気化式冷風機。
- 前記空気取入れ壁には吸気フィルタが取り付けられており、
前記冷却エレメントはファイバ層を多層に設けたものであり、
前記水供給手段は、前記貯水タンク内の水を汲み上げるポンプと、汲み上げた水を前記冷却エレメントの上部にまで導くチューブとを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の気化式冷風機。
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