JP3229474B2 - 半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

半導体発光装置の製造方法

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JP3229474B2 JP33376193A JP33376193A JP3229474B2 JP 3229474 B2 JP3229474 B2 JP 3229474B2 JP 33376193 A JP33376193 A JP 33376193A JP 33376193 A JP33376193 A JP 33376193A JP 3229474 B2 JP3229474 B2 JP 3229474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光プリンター、複写
機、ファクシミリ等、電子写真方式の記録装置における
感光体への書き込み手段等として用いられる、発光ダイ
オードを用いた高密度な半導体発光装置製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真による印字方式を採用した光プ
リンター等の光源等への応用を目的として、発光ダイオ
ードアレイの研究が行われている。ここで発光ダイオー
ドアレイは、自己発光型アレイ素子からなり、画像信号
に応じて発光ダイオードアレイを発光させ、等倍結像素
子で感光体面上に静電潜像を形成し、電子写真方式によ
り印字印刷を行うものである。発光ダイオードアレイは
可動部がなく構成部品も少ないことから、このような発
光ダイオードアレイを光プリンター等のヘッドに用いる
と、プリントヘッドの小型化が可能になる。また、自己
発光型で消光比が高く、良好なコントラストが得られ、
さらに、チップの接続により長尺化対応が可能となり、
発光ダイオードの高出力化により高速化にも対応可能と
なる等、種々の利益を得ることができる。この場合、用
いられる発光ダイオードアレイとしては、基板面と平行
な面内に、四角形等の発光部を所定方向に多数配列した
面発光型発光ダイオードアレイや、基板面と垂直な端面
から、所定方向に多数配列した光出力が得られる端面発
光型発光ダイオードアレイ等がある。
【0003】先ず、面発光型発光ダイオードアレイの基
本的な構造としては、例えば、図19に示すようなもの
が報告されている(昭和55年電子通信学会通信部門全
国大会予稿集、第1−211項参照)。このような面発
光型発光ダイオードアレイでは、多くの場合、その発光
部5より得られる光出力の強度を発光面内で均一化する
ために、発光部5の両端若しくは周囲に電極6が形成さ
れている。このように面発光型発光ダイオードアレイで
は、光出力が取り出される発光部5と電極6とが同一面
上に存在するため、単位素子当りに要する幅は、発光部
5の幅と電極6の幅、及び素子分離領域の幅を合計した
ものとなり、例えば600dpi(dotsper inchi)以
上のような高密度に発光部を形成することは極めて困難
である。
【0004】次に、端面発光型発光ダイオードアレイと
しては、例えば、図20に示すようなものがある(特開
昭60−32373号公報参照)。この例では、基板上
の積層構造内に複数の発光部7が形成されており、これ
らの発光部7は、その基板面と平行な面内に、その端面
に対して垂直な方向に形成された分離溝3により、電気
的かつ空間的に分離されている。このような端面発光型
発光ダイオードアレイでは、光出力が取り出される発光
部7と電極20,25とが同一面上に存在せず、単位素
子当りに要する幅は、発光部7の幅と素子分離領域3の
幅を合計したものとなり、例えば600dpi以上のよ
うな高密度の発光部の形成も、原理的に可能である。こ
のため、高密度光プリンターヘッド用発光ダイオードア
レイとしては、端面発光型発光ダイオードアレイが適し
ているといえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような特徴を有
する端面発光型発光ダイオードアレイの形状は、従来、
光出射端面を含む端面は全て垂直の段差を有していた。
上記従来例では、発光素子上の電極20上にワイヤーボ
ンディングがなされて発光素子に電流を注入できるよう
になっている。しかし、このような方法ではワイヤーボ
ンディング時の発光素子部へのダメージが考えられ、ま
たワイヤーボンディングに要する電極部の幅の制限も発
生する。このような問題を解決するには発光部から配線
を引出し、発光部のない場所にボンディング用のパッド
を形成することが必要になる。よって、この段差を配線
が通ることが必要になる。そして、この端面発光型発光
ダイオードアレイの電流を注入するための配線材料であ
るAu系やAl系の材料の成膜を、通常のスパッタリン
グ法を用いて形成した場合に、主に到達粒子のShadowin
g 効果によるステップカバレージ率の低下により、段差
部分の膜厚(特に、段差の角の部分(図21のC部分)
の膜厚)は他の部分より薄くなってしまう。この場合、
段差の部分で局所的に電流密度が大きくなり、エレクト
ロマイグレーション等による配線の断線が発生する可能
性が大きくなり、信頼性に乏しいものになる。また、通
常のスパッタリング法で段差部分に必要な膜厚を得よう
とした場合には、ウエハを傾けるなどの工夫が必要にな
り、成膜装置の特別な仕様が必要になる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、上述の課題を解決することにより、例えば、6
00dpi以上のような高密度に発光部を形成でき、印
字ドットの大きさや、印字濃度の均一性の高い、高品質
で高解像な印字印刷が可能であり、かつ高信頼で長寿命
な端面発光型発光ダイオードアレイを用いた光プリンタ
ー光源を実現することが可能な半導体発光装置の製造方
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】通常のスパッタリング法
によって、従来のような端面発光型発光ダイオードアレ
イに配線材料を堆積する場合、図21に示すように段差
の角の部分Cにくびれが生じ、2〜3μm程度の成膜に
おいてステップカバレージの良い成膜は困難である。こ
の理由としては、主にShadowing 効果が挙げられる。こ
のShadowing 効果とは、図21のBの部分に膜が堆積し
て来るとその下の部分Cに入射するスパッタ粒子の入射
角度が限られてくるので、図21のA,B,Dの部分に
比べて膜厚が薄くなってしまい、図21のように段差の
部分にくびれが生じてしまうことである。また、このく
びれは図21のC部分の角度θが小さくなれば、程度が
さらに大きくなる。このような場合、配線の膜厚を全体
的に厚くしても、くびれの部分の膜厚を所望の厚さに厚
くすることは大変難しい。また、通電時にこの部分のみ
局所的に電流密度が大きくなり、エレクトロマイグレー
ションによる断線が起こる可能性があり、信頼性に乏し
い配線になってしまう。このようなShadowing 効果によ
るステップカバレージの悪さを改善するためには、図2
1のB部分でShadowing される粒子の影響を少なくすれ
ば良いと考えられる。このために本発明では、図21の
C部分の角度θを大きくすること、かつ図21のC部分
において所望の膜厚が得られるようにテーパー面を設け
ることによって、粒子の入射角による影響を防ぎ、段差
部分においても所望の膜厚が得られるようにしている。
【0008】ここで、上記問題を解決しえる半導体発光
装置の構成例を以下に示す。 まず、第1の構成例として
は、少なくとも発光ダイオードの発光層と、該発光層を
発光させるための電極を含む積層構造より成り、積層端
面より光出力が得られる端面発光型発光ダイオードを、
当間隔に設けた複数の分離溝により各層を電気的、空間
的に分離して形成した端面発光型発光ダイオードアレイ
により構成した半導体発光装置において、通常のスパッ
タリング法で段差部分に必要な配線膜厚が得られるよう
にするために、「端面発光型発光ダイオードアレイを構
成する各端面発光型発光ダイオードの配線の引出方向の
端面に、基板面とのなす角度が90度より大きい角度に
なる面が少なくとも一面存在するような形状にする」こ
とにより、通常のスパッタリング法のステップカバレー
ジ率の低下の主な原因であるShadowing 効果によるステ
ップカバレージの悪さを改善することができ、段差の角
の部分でも断面形状にくびれを発生させることなく、配
線用の膜が堆積できるようになる。このことにより、通
常のスパッタリング法で段差部分に必要な配線膜厚が得
られるようになり、配線内での配線の膜厚が均一化さ
れ、電流密度が局所的に大きくなるようなことが無くな
り、エレクトロマイグレーション等による配線の断線を
防ぐことができる。
【0009】次に第2の構成例としては、通常のスパッ
タリング法で段差部分に必要な配線膜厚が得られるよう
にするために、「各端面発光型発光ダイオードの端面の
形状を、少なくとも発光ダイオードの発光層の深さまで
は垂直に形成し、それより下部に基板面とのなす角度が
90度より大きいテーパー面を設ける」ことにより、通
常のスパッタリング法のステップカバレージ率の低下の
主な原因であるShadowing 効果によるステップカバレー
ジの悪さを改善することができ、段差の角の部分でも断
面形状にくびれを発生させることなく、配線用の膜が堆
積できるようになる。このことにより、通常のスパッタ
リング法で段差部分に必要な配線膜厚が得られるように
なり、配線内での配線の膜厚が均一化され、電流密度が
局所的に大きくなるようなことが無くなり、エレクトロ
マイグレーション等による配線の断線を防ぐことができ
る。
【0010】次に第3の構成例としては、通常のスパッ
タリング法で段差部分に必要な配線膜厚が得られるよう
にするために、「各端面発光型発光ダイオードの配線の
引出方向の端面の形状を、少なくとも発光ダイオードの
発光層の深さまでは垂直に形成し、それより下部に基板
面とのなす角度が90度より大きいテーパー面を設け
る」ことにより、通常のスパッタリング法のステップカ
バレージ率の低下の主な原因であるShadowing 効果によ
るステップカバレージの悪さを改善することができ、段
差の角の部分でも断面形状にくびれを発生させることな
く、配線用の膜が堆積できるようになる。このことによ
り、通常のスパッタリング法で段差部分に必要な配線膜
厚が得られるようになり、配線内での配線の膜厚が均一
化され、電流密度が局所的に大きくなるようなことが無
くなり、エレクトロマイグレーション等による配線の断
線を防ぐことができる。また、第2の構成例に比べて、
光出射端面を完全に垂直に形成することが可能であるた
め、各発光ダイオードのNFF(Near Field Pattarn)
やFFP(Far Field Pattarn)に与える形状の影響を少
なくできる。
【0011】次に第4の構成例としては、通常のスパッ
タリング法で段差部分に必要な配線膜厚が得られるよう
にするために、「各端面発光型発光ダイオードの配線の
引出方向の端面に、光出射端面の垂直性を保ったまま
で、基板面とのなす角度が90度より大きい角度を付け
る」ことにより、通常のスパッタリング法のステップカ
バレージ率の低下の主な原因であるShadowing 効果によ
るステップカバレージの悪さを改善することができ、段
差の角の部分でも断面形状にくびれを発生させることな
く、配線用の膜が堆積できるようになる。このことによ
り、通常のスパッタリング法で段差部分に必要な配線膜
厚が得られるようになり、配線内での配線の膜厚が均一
化され、電流密度が局所的に大きくなるようなことが無
くなり、エレクトロマイグレーション等による配線の断
線を防ぐことができる。また、第2、第3の構成例に比
べて、素子分離、光出射端面形成用のドライエッチング
が一回で形成可能であるため、工程の簡略化ができる。
【0012】次に第5の構成例としては、通常のスパッ
タリング法で段差部分に必要な配線膜厚が得られるよう
にするために、「各端面発光型発光ダイオードの配線の
引出方向を平坦化する」ことにより、従来の端面発光型
発光ダイオードの配線の引出方向が垂直段差になってい
る構造に配線を通常のスパッタリング法で成膜した場合
に比べ、平坦な部分に成膜するので、配線内での配線の
膜厚が均一化され、電流密度が局所的に大きくなるよう
なことが無くなり、エレクトロマイグレーション等によ
る配線の断線を防ぐことができる。
【0013】次に第6の構成例としては、第5の構成例
の構造をより具体的に示したものであり、「各端面発光
型発光ダイオードの配線の引出方向を平坦化し、発光部
と配線を形成する部分が、高さが同一で、つながってい
るような形状にし、かつ発光部近傍にのみ電流を注入す
ることにより発光を得るような構成にする」ことによ
り、従来の端面発光型発光ダイオードの配線の引出方向
が垂直段差になっている構造に配線を通常のスパッタリ
ング法で成膜した場合に比べ、平坦な部分に成膜するの
で、配線内での配線の膜厚が均一化され、電流密度が局
所的に大きくなるようなことが無くなり、エレクトロマ
イグレーション等による配線の断線を防ぐことができ
る。また、上記第6の構成例の構造を形成するための方
としては、「各端面発光型発光ダイオードの配線の引
出方向を平坦化する方法として、発光部のみでなく配線
を形成する部分もドライエッチングの際にエッチングマ
スクを形成することにより、発光部と配線を形成する部
分が、高さが同一で、つながっているような形状にす
る」ことにより、第6の構成例の様な形状が実現でき
る。
【0014】次に第7の構成例としては、第5の構成例
の構造をより具体的に示したものであり、「各端面発光
型発光ダイオードの配線の引出方向を平坦化し、発光部
と配線を形成する部分がつながっているような形状に
し、かつ、発光部と配線を形成する部分を電気的に分離
した構成にする」ことにより、従来の端面発光型発光ダ
イオードの配線の引出方向が垂直段差になっている構造
に配線を通常のスパッタリング法で成膜した場合に比
べ、平坦な部分に成膜するので、配線内での配線の膜厚
が均一化され、電流密度が局所的に大きくなるようなこ
とが無くなり、エレクトロマイグレーション等による配
線の断線を防ぐことができる。また、第6の構成例に比
べ、配線の前後の方向にも電気的分離がなされているの
で、注入電流密度が大きくなり、発光効率が上昇するだ
けでなく、発光に寄与していない部分での電流のリーク
等も防ぐことができる。ここで、本発明は特に上記第7
の構成例の半導体発光装置の製造方法に特徴を有するも
のである。すなわち、「少なくとも発光ダイオードの発
光層と、該発光層を発光させるための電極を含む積層構
造より成り、積層端面より光出力が得られる端面発光型
発光ダイオードを、当間隔に設けた複数の分離溝により
各層を電気的、空間的に分離して形成した端面発光型発
光ダイオードアレイにより構成され、各端面発光型発光
ダイオードの配線の引出方向を平坦化した構成の半導体
発光装置の製造方法であって、各端面発光型発光ダイオ
ードの配線の引出方向を平坦化する方法として、予めエ
ッチング溝を形成した基板にエピタキシャル成長を行
い、次に、エッチバック工程を利用して平坦化すること
により、発光部と配線を形成する部分がつながっている
ような形状にし、かつ、発光部と配線を形成する部分を
電気的に分離した構成にし、次に、ドライエッチングで
光出射端面、及び素子分離溝を形成する」ことにより、
第7の構成例の様な形状が実現できる。
【0015】
【作用】以上に示した構成例の半導体発光装置において
は、発光ダイオードアレイに化合物半導体からなる端面
発光型発光ダイオードアレイを用いることにより、単純
な電極ストライプ型DH(double hetero)構造とするこ
とができ、所望の高ドット密度になるように隣接する素
子間のピッチを選定して電気的、空間的な分離溝を形成
することが自在である。これにより高ドット密度発光ダ
イオードプリンター用光源等を実現できる。また、端面
発光型発光ダイオードアレイを採用し、その発光ダイオ
ードアレイの各発光ダイオード素子の形状を、「各端面
発光型発光ダイオードの配線の引出方向の端面に、基板
面とのなす角度が90度より大きい角度になる面が少な
くとも一面存在するような形状」、「各端面発光型発光
ダイオードの端面の形状を、少なくとも発光ダイオード
の発光層の深さまでは垂直に形成し、それより下部に基
板面とのなす角度が90度より大きいテーパー面を設け
たような形状」、「各端面発光型発光ダイオードの配線
の引出方向の端面の形状を、少なくとも発光ダイオード
の発光層の深さまでは垂直に形成し、それより下部に基
板面とのなす角度が90度より大きいテーパー面を設け
たような形状」、「端面発光型発光ダイオードの配線の
引出方向の端面に、光出射端面の垂直性を保ったまま
で、基板面とのなす角度が90度より大きい角度を付け
たような形状」、「端面発光型発光ダイオードの配線の
引出方向を平坦化したような形状に、それぞれ形成す
ることにより、通常のスパッタリング法のステップカバ
レージ率の低下の主な原因であるShadowing 効果による
ステップカバレージの悪さを改善することができ、段差
の角の部分でも断面形状にくびれを発生させることな
く、配線用の膜が堆積できるようになる。このことによ
り、通常のスパッタリング法で段差部分や平坦化された
部分に必要な配線膜厚が得られるようになり、配線内で
の配線の膜厚が均一化され、電流密度が局所的に大きく
なるようなことが無くなり、エレクトロマイグレーショ
ン等による配線の断線を防ぐことができる。そして、本
発明に係る半導体発光装置の製造方法によれば、「各端
面発光型発光ダイオードの配線の引出方向を平坦化する
方法として、予めエッチング溝を形 成した基板にエピタ
キシャル成長を行い、次に、エッチバック工程を利用し
て平坦化することにより、発光部と配線を形成する部分
がつながっているような形状にし、かつ、発光部と配線
を形成する部分を電気的に分離した構成にし、次に、ド
ライエッチングで光出射端面、及び素子分離溝を形成す
る」ことにより、上述した構成のうちの、特に、「各端
面発光型発光ダイオードの配線の引出方向を平坦化し、
発光部と配線を形成する部分がつながっているような形
状にし、かつ、発光部と配線を形成する部分を電気的に
分離した構成」の半導体発光装置を容易に実現すること
ができる。
【0016】
【実施例】以下、半導体発光装置の構成と製造方法の
施例について図面を参照して詳細に説明する。 [実施例1] 一の実施例を図1に示す。これは前述の第1、第2の
構成例における半導体発光装置を満たすものである。図
1において、端面発光型発光ダイオードアレイの各素子
(端面発光型発光ダイオード)1の寸法は、600dp
iを実現するために横幅が32.3μm、素子長が50
μm、高さを5μmとし、各素子間の分離溝3の幅を1
0μmとし、端面発光型発光ダイオードアレイの各素子
1の端面の形状を、少なくとも発光ダイオードの発光層
の深さまでは垂直に形成し、それより下部に基板面との
なす角度が90度より大きいテーパー面19を設けて実
施した。
【0017】本発明の第一実施例による半導体発光装置
は、n型GaAs基板11上に、エピタキシャル成長に
より化合物半導体からなる端面発光型発光ダイオードア
レイを形成した構造となっており、その層構造は、隣接
する素子間に凹状の分離溝3を設けるだけで容易に高ド
ット密度の端面発光型発光ダイオードアレイチップが得
られるようにするために、3層スラブ型DH構造13,
14,15となっている。そして、この3層13,1
4,15の上には亜鉛を高濃度にドーピングしたP+型
GaAsキャップ層16、さらにその上には電極20が
形成されている。また、隣接する素子部との電気的、空
間的分離のための分離溝3が各層にわたり形成されてお
り、端面発光型発光ダイオードアレイの各素子1の端面
の形状を、少なくとも発光ダイオードの発光層の深さま
では垂直に形成し、それより下部に基板面とのなす角度
が90度より大きいテーパー面19を設けて実施した。
また、この裏面側には電極24が形成されている。
【0018】ここで、図2(a)〜(e)及び図3
(f)〜(h)を参照して本発明の第一実施例の半導体
発光装置の製造工程の一例について説明する。尚、図
2、図3の(a)〜(h)各図の左側はアレイ方向の断
面、右側はアレイ方向に直交する方向の断面を表わして
いる。まず、図2(a)に示すように、n型GaAs基
板11上にMBE(MolecularBeam Epitaxy)法やLPE
(Liquid Phase Epitaxy)法、あるいはMOCVD(Me
tal organic Chemical Vapor Deposition)法等による結
晶成長法を用いて、例えば、n−GaAsバッファ層1
2を0.5μm、n−Al0.33Ga0.67Asクラッド層
13を1.5μm、発光層であるAl0.06Ga0.94As
活性層14を500Å、P−Al0.33Ga0.67Asクラ
ッド層15を1.5μm、亜鉛を高濃度にドーピングし
たp+GaAsキャップ層16を0.4μm、順次形成
する。
【0019】次に、図2(b)に示すように、レジスト
塗布及びフォトリソ工程の後、Cr蒸着を行ない、リフ
トオフ法によりCrマスク17を形成する。次に、図2
(c)に示すように、ECR−RIBE装置(Electoron
CyclotronResonance−Reactive Ion Beam Etching)を
用いるドライエッチングにより、深さ2.5μm程度の
少なくとも活性層14までは達するような、微細幅の分
離溝18及び光出射端面10を形成する。次に、図2
(d)に示すように、図2(c)で用いたCrマスク1
7を再度用い、垂直な面を形成する条件よりも、エッチ
ング圧力を下げ、イオン引出電圧を下げたテーパー面を
形成する条件を用い、深さ5.0μm程度の少なくとも
n−クラッド層12に達するような深さで、基板面との
なす角度が90度より大きいテーパー面19を形成す
る。次に、図2(e)に示すように、HCl等によりC
rマスクの除去を行なった後、フォトレジスト塗布及び
フォトリソ工程の後、Au−Zn/Au蒸着を行ないリ
フトオフ法を用いて上部電極20を形成する。
【0020】次に、図3(f)に示すように、EB(Ele
ctron Beam)蒸着やCVD法によりSiO2 等の絶縁膜
21を形成し、この絶縁膜21に、フォトリソ工程及び
フッ酸によるウェットエッチング工程によりコンタクト
ホール22を形成する。次に、図3(g)に示すよう
に、スパッタリング法による成膜により、Al膜を成膜
し、フォトリソ工程の後、燐酸系のエッチャントによる
ウェットエッチングや塩素系のガスを用いたRIE(Re
active Ion Etching)などにより、配線23を形成す
る。次に、図3(h)に示すように、Au−Ge/Ni
/Au等の蒸着により裏面電極24を形成して、n型G
aAs基板11上に、エピタキシャル成長により化合物
半導体からなる端面発光型発光ダイオードアレイを形成
してなる半導体発光装置が形成される。
【0021】尚、本発明による半導体発光装置を実現す
るためには図2(c)(d)に示すように同一のマスク
17を用い、二種類の条件を用いたECR−RIBEに
よるドライエッチングにより、端面発光型発光ダイオー
ドアレイの各素子1の端面の形状を、少なくとも発光ダ
イオードの発光層の深さまでは垂直に形成し、それより
下部に基板面とのなす角度が90度より大きいテーパー
面19を設けることが必要不可欠である。
【0022】[実施例2]次に 第二の実施例を図4に示す。これは前述の第1、第
3の構成例における半導体発光装置を満たすものであ
る。図4において、端面発光型発光ダイオードアレイの
各素子1の寸法、及び基板11上のエピタキシャル層1
2〜16、電極20,24、配線23等の構成は実施例
1と同様であり、本実施例では、端面発光型発光ダイオ
ードアレイの各素子1の配線の引出方向の端面の形状
を、少なくとも発光ダイオードの発光層の深さまでは垂
直に形成し、それより下部に基板面とのなす角度が90
度より大きいテーパー面19を設けて実施した。
【0023】ここで、図5(a)〜(e)及び図6
(f)〜(h)を参照して本発明の第二実施例の半導体
発光装置の製造工程の一例について説明する。尚、図
5、図6の(a)〜(h)各図の左側はアレイ方向の断
面、右側はアレイ方向に直交する方向の断面を表わして
いる。本発明の第二の実施例の製造工程は、図5(a)
〜(c),(e)、図6(f)〜(h)は図2(a)〜
(c),(e)、図3(f)〜(h)と同一であり、図
5(d)のみが異なっている。図5(d)では、図5
(c)で用いたCrマスク17を再度用い、垂直な面を
形成する条件よりも、エッチング圧力を下げ、イオン引
出電圧を下げたテーパー面を形成する条件を用い、かつ
サンプルホルダーを傾けることにより、光出射端面10
の垂直性を保ったままで、少なくともn−クラッド層1
3に達する様な深さで、基板面とのなす角度が90度よ
り大きいテーパー面19を光出射端面10を除く端面に
形成している。
【0024】尚、本発明による半導体発光装置を実現す
るためには、図5(c)(d)に示すように同一のマス
クを用い、二種類の条件を用いたECR−RIBEによ
るドライエッチングにより、端面発光型発光ダイオード
アレイの各素子1の配線の引出方向の端面の形状を、少
なくとも発光ダイオードの発光層の深さまでは垂直に形
成し、それより下部に基板面とのなす角度が90度より
大きいテーパー面19を設けることが必要不可欠であ
る。
【0025】[実施例3]次に 第三の実施例を図7に示す。これは前述の第1、第
4の構成例における半導体発光装置を満たすものであ
る。図7において、端面発光型発光ダイオードアレイの
各素子1の寸法、及び基板11上のエピタキシャル層1
2〜16、電極20,24、配線23等の構成は実施例
1と同様であり、本実施例では、端面発光型発光ダイオ
ードアレイの各素子1の配線の引出方向の端面に、光出
射端面の垂直性を保ったままで、基板面とのなす角度が
90度より大きい角度を付けた面19を設けて実施し
た。
【0026】ここで、図8(a)〜(e)及び図9
(f),(g)を参照して本発明の第三実施例の半導体
発光装置の製造工程の一例について説明する。尚、図
8、図9の(a)〜(g)各図の左側はアレイ方向の断
面、右側はアレイ方向に直交する方向の断面を表わして
いる。本発明の第三の実施例の製造工程は、図8(a)
〜(b),(d)〜(e)、図9(f)〜(g)は図2
(a)〜(b),(e)、図3(f)〜(h)と同一で
対応しており、図8(c)のみが異なっている。図8
(c)では、ECR−RIBE装置(Electoron Cyclot
ron Resonance −Reactive Ion Beam Etching)を用いる
ドライエッチングにより、深さ3.5μm程度の少なく
ともn−クラッド層13までは達するような、微細幅の
分離溝18を形成する。この際に、垂直な面を形成する
条件よりも、エッチング圧力を下げ、イオン引出電圧を
下げたテーパー面を形成する条件を用い、かつサンプル
ホルダーを傾けてエッチングすることにより、端面発光
型発光ダイオードアレイの各素子1の配線の引出方向の
端面に、光出射端面10の垂直性を保ったままで、基板
面とのなす角度が90度より大きい角度を付けた面19
を設ける。
【0027】尚、本発明による半導体発光装置を実現す
るためには図8(c)に示すように、垂直な面を形成す
る条件よりも、エッチング圧力を下げ、イオン引出電圧
を下げたテーパー面を形成する条件を用い、かつサンプ
ルホルダーを傾けてエッチングすることにより、端面発
光型発光ダイオードアレイの各素子1の配線の引出方向
の端面に、光出射端面10の垂直性を保ったままで、基
板面とのなす角度が90度より大きい角度を付けた面1
9を設けることが必要不可欠である。
【0028】ここで、本発明の実施例1,2,3におけ
る、ECR−RIBEによるドライエッチングの二種類
の条件とその組合せの方法について簡単に述べる。EC
R−RIBEはGaAs/AlGaAsをはじめとす
る、半導体のドライエッチングとして一般的に使用され
ている。そのエッチング面は垂直かつ平滑であり、レー
ザーダイオードの光共振器端面としても利用できるほど
である。本発明による半導体発光装置においても、塩素
ガスを用いたECR−RIBEによるドライエッチング
を光出射端面の形成に利用しているが、本発明では、垂
直面を形成できる条件と、垂直面を形成できる条件から
エッチング圧力を下げ、かつイオン引出電圧を下げるこ
とによりテーパー面を形成できる方法を組み合わせるこ
とを行ない利用している。表1に本発明の実施例1,
2,3で用いた二種類のECR−RIBE条件(A),
(B)を示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1において、(A)に比べ(B)はエッ
チング圧力を下げ、イオン引出電圧を下げた条件になっ
ている。これらのエッチング条件でGaAs基板をエッ
チングしたエッチングプロファイルを図16に示す。図
16から判るように、(A)条件において、エッチング
側面は基板面とのなす角度が90度で形成されている。
これは、通常の光デバイスの光出射端面を形成する条件
である。一方、(B)条件においては、エッチング側面
は基板面とのなす角度が100度で形成されている。こ
れは、エッチング圧力を下げ、イオン引出電圧を下げた
ことに起因するエッチングプロファイルの変化である。
この原因は、エッチング圧力を下げ、イオン引出電圧を
下げたことで、イオンのエネルギーが小さくなり、反応
生成物が十分に離脱されず側壁などに堆積し、エッチン
グマスクのような効果をして、エッチングプロファイル
が図16(B)のようになる。
【0031】本発明の実施例1においては、図2
(c),(d)に示すように、始めに表1(A)の条件
を用いて、少なくとも活性層の深さまでは側面が基板面
と90度をなすようにエッチングを行ない、それより下
の部分は、表1(B)の条件を用いて、所望の深さまで
エッチングを行ない、図1、図2,3のような形状を実
現している。本発明の実施例2においては、図5
(c),(d)に示すように、始めに表1(A)の条件
を用いて、少なくとも活性層の深さまでは側面が基板面
と90度をなすようにエッチングを行ない、それより下
の部分は、表1(B)の条件を用いて、かつ、サンプル
ホルダーを10度光出射端面側に傾けて所望の深さまで
エッチングを行ない、図4、図5,6のような形状を実
現している。図17にこの時のサンプルホルダーとイオ
ンビームのレイアウトを、またその時のエッチングプロ
ファイルを図18に示す。図17の様にサンプルホルダ
ーを10度傾けることにより、図18の様に光出射端面
側は垂直に、かつ配線の引出方向側の端面は基板面と1
10度をなすような面に形成することができる。本発明
の実施例3においては、図8(c)に示すように、表1
(B)の条件を用いて、かつ、サンプルホルダーを10
度光出射端面側に傾けて所望の深さまでエッチングを行
ない、図7、図8,9のような形状を実現している。
尚、以上の様なエッチング形状を得るためには、上述し
たECR−RIBEの他、RIE(Reactive Ion Etchi
ng)等のエッチング方式でも条件を選ぶことにより可能
である。
【0032】[実施例4]次に 第四の実施例を図10に示す。これは前述の第1、
第5、第6の構成例における半導体発光装置を満たすも
のである。図10において、端面発光型発光ダイオード
アレイの各素子1の寸法は、600dpiを実現するた
めに横幅が32.3μm、高さを5μmとし、各素子間
の分離溝3の幅を10μmで配線部分も分離されるよう
に形成し、基板11とその上のエピタキシャル層12〜
16、及び電極20,24、配線23等の構成は実施例
1と同様であり、本実施例では、端面発光型発光ダイオ
ードアレイの各素子1の配線の引出方向を平坦化して実
施した。
【0033】ここで、図11(a)〜(e)及び図12
(f),(g)を参照して第四実施例の半導体発光装置
の製造工程の一例について説明する。尚、図11、図1
2の(a)〜(g)各図の左側はアレイ方向の断面、右
側はアレイ方向に直交する方向の断面を表わしている。
まず、図11(a)に示すように、図2(a)と同様の
方法で基板11上にエピタキシャル層12〜16を形成
する。次に、図11(b)に示すように、図2(b)と
同様にCrマスク17を形成し、図11(c)に示すよ
うに、ECR−RIBE装置(Electoron CyclotronRes
onance −Reactive Ion Beam Etching)を用いるドライ
エッチングにより、深さ5.0μm程度の少なくとも活
性層14までは達するような、微細幅の分離溝18及び
光出射端面10を形成する。以降、図11及び図12の
(d)〜(g)の工程は、図2及び図3の(e)〜
(h)に対応して同様に作製した。
【0034】尚、本発明の実施例4による半導体発光装
置を実現するには、図11(b)に示すように、Crマ
スクを配線が形成される部分にも形成し、発光部と、配
線が形成される部分の高さを同一に、かつ、つながって
いるように形成することが必要不可欠である。
【0035】[実施例5]次に 第五の実施例を図13に示す。これは前述の第1、
第5、第7の構成例における半導体発光装置を満たすも
のである。図13において、端面発光型発光ダイオード
アレイの各素子1の寸法は、600dpiを実現するた
めに横幅が32.3μm、高さを5μmとし、各素子間
の分離溝3の幅を10μm、奥行き100μmとし、基
板11とその上のエピタキシャル層12〜16、及び電
極20,24、配線23等の構成は実施例1と同様であ
り、本実施例では、端面発光型発光ダイオードアレイの
各素子1の配線の引出方向を平坦化して実施した。
【0036】ここで、図14(a)〜(e)及び図15
(f)〜(i)を参照して第五実施例の半導体発光装置
の製造工程(請求項)の一例について説明する。尚、
図14、図15の(a)〜(i)各図の左側はアレイ方
向の断面、右側はアレイ方向に直交する方向の断面を表
わしている。まず、図14(a)に示すように、(10
0)n型GaAs基板11上にフォトリソ工程により、
(011)方向と平行な方向に幅100μm程度のスト
ライプを形成した後、硫酸過酸化系のエッチャントを用
いたウェットエッチングにより、深さ5.0μm程度の
順メサを形成する。次に、図14(b)に示すように、
順メサを形成した(100)n型GaAs基板11上
に、MOCVD(Metal organic Chemical Vapor Depos
ition)法等による結晶成長法を用いて、例えば、n−G
aAsバッファ層12を0.5μm、n−Al0.33
Ga0.67Asクラッド層13を1.5μm、発光層
であるAl0.06Ga0.94As活性層14を50
0Å、p−Al0.33Ga0.67Asクラッド層1
5を1.5μm、亜鉛を高濃度にドーピングしたp+G
aAsキャップ層16を0.4μm、順次形成する。
【0037】次に、図14(c)に示すように、順メサ
を覆うことのできるような、フォトレジストによるウェ
ットエッチング用のマスクをフォトリソ工程で形成し、
硫酸過酸化系のエッチャントを用いたエッチバックを行
ない平坦化を行なう。次に、図14(d)に示すよう
に、レジスト塗布及びフォトリソ工程の後Cr蒸着を行
ない、リフトオフ法によりCrマスク17を形成する。
次に、図14(e)に示すようにECR−RIBE装置
(Electoron CyclotronResonance −Reactive Ion Beam
Etching)を用いるドライエッチングにより、深さ5.
0μm程度の少なくともn−クラッド層13までは達す
るような、微細幅の分離溝18及び光出射端面10を形
成する。
【0038】次に、図15(f)に示すように、HCl
等によりCrマスク除去を行なった後、フォトレジスト
塗布及びフォトリソ工程の後、Au−Zn/Au蒸着を
行ない、リフトオフ法を用いて上部電極20を形成す
る。次に、図15(g)に示すように、EB蒸着やCV
D法によりSiO2 等の絶縁膜21を形成し、この絶縁
膜21に、フォトリソ工程及びフッ酸によるウェットエ
ッチング工程によりコンタクトホール22を形成する。
次に、図15(h)に示すように、スパッタリング法に
よる成膜により、Al膜を成膜し、フォトリソ工程の
後、燐酸系のエッチャントによるウェットエッチングや
塩素系のガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)
などにより、配線23を形成する。次に、図15(i)
に示すように、Au−Ge/Ni/Au等の蒸着により
裏面電極24を形成して、n型GaAs基板11上に、
エピタキシャル成長により化合物半導体からなる端面発
光型発光ダイオードアレイを形成してなる半導体発光装
置が形成される。
【0039】尚、本発明の実施例5による半導体発光装
置を実現するには、図14(a)〜(c)に示すよう
に、予め順メサを形成した基板上に、MOCVD法を用
いて結晶成長を行ない、かつ、エッチバック工程を行な
い、基板を平坦化することが必要不可欠である。また、
この実施例では、実施例4と同様に発光部と配線を形成
する部分がつながっているような形状にしてあるが、エ
ッチバック工程の際に、配線を形成する部分のエピタキ
シャル層12〜16が除去されるため、発光部と配線を
形成する部分を電気的に分離した構成にすることができ
る。従って、実施例4の構成に比べ、配線の前後の方向
にも電気的分離がなされているので、注入電流密度が大
きくなり、発光効率が上昇するだけでなく、発光に寄与
していない部分での電流のリーク等も防ぐことができ、
発光強度を強くすることができる。
【0040】以上、本発明の実施例1〜5について説明
したが、実施例1〜5における絶縁膜としては、SiO
2 の他にSiNを用いても実施可能である。また、基板
11としてn型GaAs基板を用いた例を幾つか示して
きたが、p型のGaAs基板を用いても良く、その場合
には、バッファ層12にはp−GaAs、クラッド層1
3にはp−Al0.4Ga0.6As、活性層14には Al
0.2Ga0.8As、クラッド層15にはn−Al0.4Ga
0.6As、キャップ層16にはn−GaAsを用い、キ
ャップ層の上に設けるコンタクト層にはn+GaAsを
用い、素子駆動のための注入電流は基板からコンタクト
層へと流れる。尚、化合物半導体層の組成は上記以外の
組成によっても十分に機能を果すことができることは言
うまでもない。また、AlGaAs系以外の、例えばI
nGaP,InGaAs,InAlAsP等、その他の
化合物半導体及び混晶半導体を用いても実施可能であ
る。
【0041】さらに、本発明における半導体発光素子の
特徴は、発光ダイオードアレイ素子部が単純な電極スト
ライプ型DH構造をしており、これによるメリットは、
所望の高ドット密度になるように隣接する素子間のピッ
チを選定して電気的、空間的な分離溝を形成することが
自在であり、これにより高ドット密度発光ダイオードア
レイプリンター用光源を実現できるということである
が、別の構造、例えば、SH(Single Hetero)構造、ホ
モ接合構造など純バイアス電流注入により発光を生じる
接合が少なくとも一つ素子端面に対して平行で光出射端
面に垂直な端面発光型構造の発光素子であれば適用でき
る。
【0042】
【発明の効果】以上に示した構成の半導体発光装置にお
いては、発光素子部に端面発光型発光ダイオードアレイ
を採用し、その発光ダイオードアレイの各発光ダイオー
ド素子の形状を、「各端面発光型発光ダイオードの配線
の引出方向の端面に、基板面とのなす角度が90度より
大きい角度になる面が少なくとも一面存在するような形
」、「各端面発光型発光ダイオードの端面の形状を、
少なくとも発光ダイオードの発光層の深さまでは垂直に
形成し、それより下部に基板面とのなす角度が90度よ
り大きいテーパー面を設けたような形状」、「各端面発
光型発光ダイオードの配線の引出方向の端面の形状を、
少なくとも発光ダイオードの発光層の深さまでは垂直に
形成し、それより下部に基板面とのなす角度が90度よ
り大きいテーパー面を設けたような形状」、「端面発光
型発光ダイオードの配線の引出方向の端面に、光出射端
面の垂直性を保ったままで、基板面とのなす角度が90
度より大きい角度を付けたような形状」、「端面発光型
発光ダイオードの配線の引出方向を平坦化したような形
に、それぞれ形成することにより、通常のスパッタ
リング法のステップカバレージ率の低下の主な原因であ
るShadowing 効果によるステップカバレージの悪さを改
善することができ、段差の角の部分でも断面形状にくび
れを発生させることなく、配線用の膜が堆積できるよう
になる。このことにより、通常のスパッタリング法で段
差部分や平坦化された部分に必要な配線膜厚が得られる
ようになり、配線内での配線の膜厚が均一化され、電流
密度が局所的に大きくなるようなことが無くなり、エレ
クトロマイグレーション等による配線の断線を防ぐこと
ができる。そして、本発明に係る半導体発光装置の製造
方法によれば、「各端面発光型発光ダイオードの配線の
引出方向を平坦化する方法として、予めエッチング溝を
形成した基板にエピタキシャル成長を行い、次に、エッ
チバック工程を利用して平坦化することにより、発光部
と配線を形成する部分がつながっているような形状に
し、かつ、発光部と配線を形成する部分を電気的に分離
した構成にし、次に、ドライエッチングで光出射端面、
及び素子分離溝を形成する」ことにより、上述した構成
のうちの、特に、「各端面発光型発光ダイオードの配線
の引出方向を平 坦化し、発光部と配線を形成する部分が
つながっているような形状にし、かつ、発光部と配線を
形成する部分を電気的に分離した構成」の半導体発光装
置を容易に実現することができる。
【0043】これにより、高密度高品質、かつ高階調な
印字を実現するために、例えば、600dpi以上のよ
うな高密度に発光部を形成でき、印字ドットの大きさ
や、印字濃度の均一性の高い、高品質で高解像な印字印
刷が可能であり、かつ高信頼で長寿命な端面発光型発光
ダイオードアレイを用いた光プリンター光源を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す半導体発光装置の
要部斜視図である。
【図2】図1に示す半導体発光装置の作製プロセスの一
例を示す説明図である。
【図3】図2に示す作製プロセスの続きを示す説明図で
ある。
【図4】本発明の第二の実施例を示す半導体発光装置の
要部斜視図である。
【図5】図4に示す半導体発光装置の作製プロセスの一
例を示す説明図である。
【図6】図5に示す作製プロセスの続きを示す説明図で
ある。
【図7】本発明の第三の実施例を示す半導体発光装置の
要部斜視図である。
【図8】図7に示す半導体発光装置の作製プロセスの一
例を示す説明図である。
【図9】図8に示す作製プロセスの続きを示す説明図で
ある。
【図10】本発明の第四の実施例を示す半導体発光装置
の要部斜視図である。
【図11】図10に示す半導体発光装置の作製プロセス
の一例を示す説明図である。
【図12】図11に示す作製プロセスの続きを示す説明
図である。
【図13】本発明の第五の実施例を示す半導体発光装置
の要部斜視図である。
【図14】図13に示す半導体発光装置の作製プロセス
の一例を示す説明図である。
【図15】図14に示す作製プロセスの続きを示す説明
図である。
【図16】表1に示すECR−RIBEの二つの条件で
GaAs基板をエッチングした際のエッチングプロファ
イルを示す説明図である。
【図17】ECR−RIBEを用いてGaAs基板をエ
ッチングする際のサンプルホルダーとイオンビームのレ
イアウトの一例を示す説明図である。
【図18】図17に示すレイアウトでエッチングした際
のエッチングプロファイルを示す説明図である。
【図19】従来技術の説明図であって、面発光型発光ダ
イオードアレイの一例を示す図である。
【図20】従来技術の説明図であって、端面発光型発光
ダイオードアレイの一例を示す図である。
【図21】従来技術の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1:端面発光型発光ダイオード素子 3,18:素子分離溝 11:基板 12:バッファ層 13,15:クラッド層 14:活性層(発光層) 16:キャップ層 17:マスク 20:上部電極 21:絶縁膜 22:コンタクトホール 23:配線 24:裏面電極

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも発光ダイオードの発光層と、該
    発光層を発光させるための電極を含む積層構造より成
    り、積層端面より光出力が得られる端面発光型発光ダイ
    オードを、当間隔に設けた複数の分離溝により各層を電
    気的、空間的に分離して形成した端面発光型発光ダイオ
    ードアレイにより構成され、各端面発光型発光ダイオー
    ドの配線の引出方向を平坦化した構成の半導体発光装置
    の製造方法であって、 各端面発光型発光ダイオードの配線の引出方向を平坦化
    する方法として、予めエッチング溝を形成した基板にエ
    ピタキシャル成長を行い、次に、エッチバック工程を利
    用して平坦化することにより、発光部と配線を形成する
    部分がつながっているような形状にし、かつ、発光部と
    配線を形成する部分を電気的に分離した構成にし、次
    に、ドライエッチングで光出射端面、及び素子分離溝を
    形成したことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
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