JP3228503B2 - 半導体薄膜およびその製造方法ならびにこれを用いた太陽電池 - Google Patents
半導体薄膜およびその製造方法ならびにこれを用いた太陽電池Info
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Description
その製造方法ならびにこれを用いた太陽電池に関し、特
にたとえば、Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元
素を含む半導体薄膜に関する。
元素からなる化合物半導体層(カルコパイライト構造化
合物半導体層)であるCuInSe2(CIS)あるい
はGaを固溶したCu(In,Ga)Se2(CIGS)
を光吸収層に用いた薄膜太陽電池が高いエネルギー変換
効率を示し、光照射等による効率の劣化がないという利
点を有していることが報告されている。
は、一般的に、蒸着法やセレン化法等で形成したCIS
膜またはCIGS膜上に化学析出法などでn型半導体層
を形成する。
いて一例を図18に示す。図18に示すように、従来の
太陽電池1は、基板2と基板2上に積層された裏面電極
3、CIS膜またはCIGS膜からなるp型化合物半導
体層4、n型半導体層5、ZnO膜6および透明導電膜
7を含む。n型半導体層5は、Zn(O,OH,S)か
らなる。
IGS膜からなるp型化合物半導体層4とn型半導体層
5との間でpn接合が形成されており、このpn接合が
エネルギー変換効率に大きな影響を与える。このため、
従来から、CIS膜またはCIGS膜からなるp型化合
物半導体層4とn型半導体層5との間に良好な接合が形
成できるようn型半導体層5の形成方法が種々試みられ
てきた。
来の太陽電池1では、p型化合物半導体層4の組成とn
型半導体層5の組成とがまったく異なるため、接合付近
に多数の欠陥が生成するという問題があった。
め、CIS膜またはCIGS膜と良好な接合を形成する
ことができるn型の化合物半導体層を含む半導体薄膜お
よびその製造方法、ならびにこれを用いた太陽電池を提
供することを目的とする。
め、本発明の半導体薄膜は、Ib族元素、IIIb族元
素、VIb族元素およびII族元素(IIa族元素およびIIb
族元素から選ばれる少なくとも一つの元素をいう。以下
同じである。)を含むn型化合物半導体層を少なくとも
含み、前記n型化合物半導体層が、Ib族元素とIIIb
族元素とVIb族元素とをX:Y:Z(ただし、0.05
≦X≦0.2、0.25≦Y≦0.4、0.45≦Z≦
0.65)の割合で含む。上記半導体薄膜によれば、C
IS膜またはCIGS膜と良好なpn接合を形成でき、
製造が容易な半導体薄膜が得られる。
族元素およびVIb族元素を含むp型化合物半導体層をさ
らに含み、前記n型化合物半導体層と前記p型化合物半
導体層とが積層されていることが好ましい。上記構成に
よって、接合界面に欠陥が少ないpn接合を含む半導体
薄膜が得られる。
素がCuであり、前記IIIb族元素がInおよびGaか
ら選ばれる少なくとも一つの元素を含み、前記VIb族元
素がSeおよびSから選ばれる少なくとも一つの元素を
含むことが好ましい。前記Ib族元素、IIIb族元素お
よびVIb族元素が上記元素からなることによって、太陽
電池に好適な半導体薄膜が得られる。
が、Mg、ZnおよびCdから選ばれる少なくとも一つ
の元素であることが好ましい。前記II族元素にMg、Z
nおよびCdから選ばれる少なくとも一つの元素を用い
ることによって、特性が高いn型化合物半導体層が得ら
れる。
物半導体層が、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素
とをU:V:W(ただし、0.15≦U≦0.35、
0.15≦V≦0.35、0.4≦W≦0.6)の割合
で含むことが好ましい。前記p型化合物半導体層を上記
構成にすることによって、半導体薄膜の製造が容易にな
る。
物半導体層上に形成されたn型半導体層をさらに含むこ
とが好ましい。上記構成によって、太陽電池に好適な半
導体薄膜が得られる。
体層が、ZnO、Zn(O、OH)、Zn(O、OH、
S)およびZnIn X Se Y から選ばれる少なくとも一つ
の半導体層を含むことが好ましい。前記n型半導体層に
上記半導体層を用いることによって、太陽電池に特に好
適な半導体薄膜が得られる。
物半導体層が、前記Ib族元素と前記IIIb族元素と前
記VIb族元素とを含む化合物半導体層を、前記II族元素
のイオンを含む溶液に接触させることによって形成され
た半導体層であってもよい。
Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元素とをX:
Y:Z(ただし、0.05≦X≦0.2、0.25≦Y
≦0.4、0.45≦Z≦0.65)の割合で含む第1
の化合物半導体層を形成する第1の工程と、前記第1の
化合物半導体層にII族元素を含ませることによって、I
b族元素、IIIb族元素、VIb族元素およびII族元素を
含むn型化合物半導体層を形成する第2の工程とを含む
ことを特徴とする。上記製造方法によれば、太陽電池に
好適な半導体薄膜を製造できる。
がCuであり、前記IIIb族元素がInおよびGaから
選ばれる少なくとも一つの元素を含み、前記VIb族元素
がSeおよびSから選ばれる少なくとも一つの元素を含
むことが好ましい。前記Ib族元素、IIIb族元素およ
びVIb族元素が上記元素からなることによって、太陽電
池に好適な半導体薄膜を製造できる。
が、Mg、ZnおよびCdから選ばれる少なくとも一つ
の元素であることが好ましい。前記II族元素にMg、Z
nおよびCdから選ばれる少なくとも一つの元素を用い
ることによって、特性が高いn型化合物半導体層を製造
できる。
は、Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含む
p型化合物半導体層を形成する工程と、前記p型化合物
半導体層上に、前記第1の化合物半導体層を形成する工
程とを含むことが好ましい。前記第1の工程が上記工程
を含むことによって、Ib族元素、IIIb族元素およびV
Ib族元素を含むp型化合物半導体層と、Ib族元素、I
IIb族元素、VIb族元素およびII族元素を含むn型化合
物半導体層とが積層された半導体薄膜を容易に製造でき
る。
体層が、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを
U:V:W(ただし、0.15≦U≦0.35、0.1
5≦V≦0.35、0.4≦W≦0.6)の割合で含む
ことが好ましい。上記構成によれば、前記第1の化合物
半導体層にのみ集中的にII族元素を含ませることができ
る。
半導体層上にn型半導体層を形成する第3の工程をさら
に含むことが好ましい。上記第3の工程を含むことによ
って、太陽電池に好適な半導体薄膜を製造できる。
層が、ZnO、Zn(O、OH)、Zn(O、OH、
S)およびZnInXSeYから選ばれる少なくとも一つ
の半導体層を含むことが好ましい。前記n型半導体層が
上記半導体層を含むことによって、太陽電池に特に好適
な半導体薄膜を製造できる。
において、前記第1の化合物半導体層にII族元素を含ま
せる工程が、II族元素のイオンを含む溶液に前記第1の
化合物半導体層を接触させることによって行われること
が好ましい。これによって、前記第1の化合物半導体層
にII族元素を容易に含ませることができる。
記II族元素のハロゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸
塩から選ばれる少なくとも一つの化合物を溶質として含
むことが好ましい。前記溶液が上記溶質を含むことによ
って、溶液中にII族元素のイオンが生成し、前記第1の
化合物半導体層にII族元素を容易に含有させることがで
きる。
ンモニアを含むことが好ましい。前記溶液がアンモニア
を含むことによって、前記第1の化合物半導体層にII族
元素を含有させることが特に容易になる。
が、10℃以上100℃以下であることが好ましい。溶
液の温度を10℃以上とすることによって、化合物半導
体薄膜にII族元素を効率よく含有させることができる。
溶液の温度を100℃以下とすることによって、化合物
半導体薄膜にダメージを与えることを防止できる。
が、10以上12以下であることが好ましい。溶液のp
Hを10以上12以下とすることによって、化合物半導
体薄膜にII族元素を効率よく含有させることができる。
の後、前記n型化合物半導体層を熱処理する第3の工程
をさらに含むことが好ましい。第2の工程の後、熱処理
することによって、化合物半導体薄膜の結晶性を向上さ
せることができる。
において、前記熱処理が、窒素、硫化水素およびArか
ら選ばれる少なくとも一つのガスからなるガス雰囲気
中、または真空中で行われることが好ましい。上記雰囲
気中で熱処理することによって、酸化を防いでアニール
することができる。
において、前記熱処理の温度が100℃以上600℃以
下であることが好ましい。熱処理の温度を100℃以上
とすることによって、化合物半導体薄膜の結晶性を効果
的に向上させることができる。また、熱処理の温度を6
00℃以下とすることによって、基板の変形等を防止す
ることができる。
において、前記第1の化合物半導体層にII族元素を含ま
せる工程が、前記第1の化合物半導体層上に前記II族元
素からなる金属薄膜を形成した後、前記II族元素を熱拡
散させることによって行われることが好ましい。熱拡散
を用いることによって、化合物半導体薄膜にII族元素を
容易に含有させることができる。
Ib族元素、IIIb族元素、VIb族元素およびII族元素
を同時に堆積させることによって、Ib族元素とIIIb
族元素とVIb族元素とをX:Y:Z(ただし、0.05
≦X≦0.2、0.25≦Y≦0.4、0.45≦Z≦
0.65)の割合で含み、さらにII族元素を含むn型化
合物半導体層を形成することを特徴とする。上記第2の
製造方法によれば、Ib族元素、IIIb族元素、VIb族
元素およびII族元素を含むn型化合物半導体層を容易に
製造できる。
素、IIIb族元素、VIb族元素およびII族元素を堆積さ
せる方法が、蒸着法およびスパッタリング法から選ばれ
る少なくとも一つの方法であることが好ましい。これに
よって、Ib族元素、IIIb族元素、VIb族元素およびI
I族元素を含むn型化合物半導体層を特に容易に製造で
きる。
がCuであり、前記IIIb族元素がInおよびGaから
選ばれる少なくとも一つの元素を含み、前記VIb族元素
がSeおよびSから選ばれる少なくとも一つの元素であ
ることが好ましい。前記Ib族元素、IIIb族元素およ
びVIb族元素が上記元素からなることによって、太陽電
池に好適な半導体薄膜を製造できる。
が、Mg、ZnおよびCdから選ばれる少なくとも一つ
の元素であることが好ましい。前記II族元素にMg、Z
nおよびCdから選ばれる少なくとも一つの元素を用い
ることによって、特性が高いn型化合物半導体層を製造
できる。
薄膜を含むことを特徴とする。上記本発明の半導体薄膜
を含むことによって、特性のよい太陽電池が得られる。
て説明する。
族元素、IIIb族元素、VIb族元素およびII族元素を含
むn型化合物半導体層を少なくとも含む半導体薄膜の一
例について説明する。
10aは、基板11上に形成されたp型化合物半導体層
13と、p型化合物半導体層13上に形成されたn型化
合物半導体層12とを含む。なお、本発明の半導体薄膜
は、n型化合物半導体層12を含むものであればよい。
たとえば、本発明の半導体薄膜は、図2に示すように、
基板11上に積層されたp型化合物半導体層13、n型
化合物半導体層12およびn型半導体層14を含む半導
体薄膜(以下、半導体薄膜10bという)でもよい。
ンレス基板、半導体基板や有機樹脂膜からなり、必要に
応じて、表面に半導体薄膜や金属薄膜が形成される。有
機樹脂膜には、たとえば、ポリサルファイド膜(商品
名:カプトン)やポリイミド膜を用いることができる。
IIIb族元素、VIb族元素およびII族元素を含む。Ib
族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる化合物半
導体層は、たとえばCIS膜やCIGS膜のように一般
に、p型または高抵抗のn型(キャリア密度が低いn
型)であるが、これにさらにII族元素を含ませることに
よって、キャリア密度が高いn型とすることができる。
これは、II族元素の一部がドーパントとして機能するた
めであると考えられる。また、Ib族元素とIIIb族元
素とVIb族元素とからなる化合物半導体層にII族元素を
含ませることによって、化合物半導体層の欠陥を減少さ
せることができる。
素には、たとえば、Mg、ZnおよびCdから選ばれる
少なくとも一つの元素を用いることができる。II族元素
にこれらの元素を用いることによって、電気的特性に優
れたn型化合物半導体層12が得られる。
IIIb族元素およびVIb族元素を含みp型である半導体
層である。
半導体層13において、Ib族元素には、たとえばCu
を用いることができる。IIIb族元素には、たとえばI
nおよびGaから選ばれる少なくとも一つの金属を用い
ることができる。VIb族元素には、SeおよびSから選
ばれる少なくとも一つの元素を用いることができる。な
お、n型化合物半導体層12およびp型化合物半導体層
13は、IIIb族元素として、少なくともInを含むこ
とが、電気的特性の面から好ましい。Ib族元素、III
b族元素およびVIb族元素に上記元素を用いることによ
って、太陽電池に好適な化合物半導体薄膜10aが得ら
れる。
O、Zn(O、OH)、Zn(O、OH、S)、SnO
2、Sn(O、OH)、Sn(O、OH、S)、In2O
3、In(O、OH)、In(O、OH、S)、InXS
eYおよびZnInXSeYから選ばれる少なくとも一つ
を含む半導体層を用いることができる。n型半導体層1
4に、上記半導体層を用いることによって、太陽電池に
好適な半導体薄膜10bが得られる。なお、Zn(O、
OH)とは、ZnOおよびZn(OH)2からなる化合
物を意味する。
n型化合物半導体層12が、Ib族元素とIIIb族元素
とVIb族元素とを、略1対3対5の割合で含むことが好
ましい。n型化合物半導体層12がIb族元素とIIIb
族元素とVIb族元素とを、略1対3対5の割合で含むこ
とによって、製造が容易になる。なお、n型化合物半導
体層12がIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを
X:Y:Z(ただし、0.05≦X≦0.2、0.25
≦Y≦0.4、0.45≦Z≦0.65)の比で含む場
合には、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを略
1対3対5の割合で含む場合と同様の効果が得られる
(以下の実施形態において同様である)。
では、p型化合物半導体層13が、Ib族元素とIIIb
族元素とVIb族元素とを、略1対1対2の割合で含むこ
とが好ましい。p型化合物半導体層13が、Ib族元素
とIIIb族元素とVIb族元素とを略1対1対2の割合で
含むことによって、化合物半導体層にII族元素を含ませ
る際に、n型化合物半導体層12に集中的にII族元素を
含ませることができる。なお、p型化合物半導体層13
が、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とをU:
V:W(ただし、0.15≦U≦0.35、0.15≦
V≦0.35、0.4≦W≦0.6)の比で含む場合に
は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを略1対
1対2の割合で含む場合と同様の効果が得られる(以下
の実施形態において同様である)。
よび10bは、n型化合物半導体薄膜12を含む。した
がって、半導体薄膜10aおよび10bによれば、p型
のCIS膜またはCIGS膜と良好なpn接合を形成で
きる半導体薄膜が得られる。
は、Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含む
p型化合物半導体層13と、p型化合物半導体層13上
に積層されIb族元素、IIIb族元素およびVIb族元素
を含むn型化合物半導体層12とを含む半導体薄膜が得
られる。したがって、半導体薄膜10aによれば、pn
接合界面に欠陥が少なく太陽電池に好適な半導体薄膜が
得られる。
は、Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族元素を含む
p型化合物半導体層13と、p型化合物半導体層13上
に積層されIb族元素、IIIb族元素およびVIb族元素
を含むn型化合物半導体層12と、n型化合物半導体層
12上に形成されたn型半導体層14とを含む。したが
って、半導体薄膜10bによれば、pn接合界面に欠陥
が少なく太陽電池に好適な半導体薄膜が得られる。
1で説明した半導体薄膜10aおよび10b、ならびに
n型化合物半導体層12を、II族元素のイオンを含む溶
液を用いて製造する方法の一例について説明する。な
お、基板11、n型化合物半導体層12、p型化合物半
導体層13、n型半導体層14については実施形態1で
説明したものと同様であるので重複する説明は省略す
る。
10b、ならびにn型化合物半導体層12を製造する方
法について説明する。
上に化合物半導体層(第1の化合物半導体層)31を形
成する。化合物半導体層31は、Ib族元素とIIIb族
元素とVIb族元素とを含む。化合物半導体層31には、
たとえば、p型であるCuInSe2またはCu(I
n,Ga)Se2や、高抵抗のn型であるCuIn3Se
5またはCu(In,Ga)3Se5などを用いることが
できる。化合物半導体層31は、たとえば、スパッタリ
ング法や蒸着法によって形成できる。
形成する場合には、たとえば、Cu、In、Gaおよび
Seをターゲットとし、Arガスをスパッタリングガス
として、基板温度200℃、チャンバー内圧力8×10
-3Torrでスパッタリングすればよい。
合には、たとえば、Cu、In、GaおよびSeを蒸着
源とし、基板温度350℃〜550℃、チャンバー内圧
力1×10-8Torrで蒸着すればよい。
合物半導体層31を接触させることによって、化合物半
導体層31にII族元素を含有させ、Ib族元素、IIIb
族元素、VIb族元素およびII族元素を含み、キャリア密
度が高いn型化合物半導体層12を形成する。このと
き、化合物半導体層31が、Ib族元素とIIIb族元素
とVIb族元素とを略1対1対2の割合で含む場合には、
II族元素は化合物半導体層31の表面層にのみ取り込ま
れて、図3(b)に示すように、p型である化合物半導
体層13とn型化合物半導体層12とが積層された半導
体薄膜10aが形成される。一方、化合物半導体層31
が、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを略1対
3対5の割合で含む場合には、化合物半導体層31は表
面からある程度の深さまで略均一にII族元素が取り込ま
れる。したがって、化合物半導体層31が薄い場合(た
とえば30nm以下)には、化合物半導体層31の全体
に略均一にII族元素が取り込まれ、図3(c)に示すよ
うに、n型化合物半導体層12が形成される。なお、II
族元素が取り込まれる深さは、溶液で処理する時間を長
くすることによって、深くすることができる。
体層31を接触させる方法としては、たとえば、図4に
示すように、化合物半導体層31が形成された基板11
をII族元素を含む溶液41に浸漬すればよい。
ゲン化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少
なくとも一つの化合物を溶質として含む水溶液を用いる
ことができる。II族元素としては、たとえば、Mg、Z
nおよびCdから選ばれる少なくとも一つの元素を用い
ることができる。なお、溶液41にアンモニアを加える
ことによって、化合物半導体層31に取り込まれるII族
元素の量を増やすことができる。
℃以下であることが好ましい。
下であることが好ましい。
体層12をさらに熱処理することが好ましい。n型化合
物半導体層12をさらに熱処理することによって、n型
化合物半導体層12の結晶性を向上させることができ
る。
素、硫化水素およびArから選ばれる少なくとも一つの
ガスからなるガス雰囲気中、または真空中で行われるこ
とが好ましい。また、n型化合物半導体層12の熱処理
は、100℃以上600℃以下の温度で行われることが
好ましい。
形成する場合には、図3(b)に示したn型化合物半導
体層12上に、n型半導体層14を形成すればよい。n
型半導体層14は、たとえばスパッタリング法、蒸着
法、CVD(ChemicalVapor Depos
ition)法、化学析出法(Chemical Ba
th Deposition Method)、ALD
(Atomic Layer Deposition)
法などによって形成できる。蒸着法、MOCVD(Me
tal Organic Chemical Vapo
r Deposition)法、化学析出法、ALD法
を用いてn型半導体層14を形成することによって、n
型化合物半導体層12に与えるダメージを軽減できるた
め、これらの方法を用いることが好ましい。
造方法によれば、実施形態1で説明した半導体薄膜10
aおよび10b、ならびにn型化合物半導体層12を容
易に製造することができる。
族元素のイオンを含む場合を示したが、溶液41がII族
元素とともに他の元素のイオンを含む場合でもよい。特
に、溶液41が、II族元素のイオンの他にIa族元素の
イオンを含む場合には、膜中に取り込まれたIa族元素
が膜中の欠陥を減少させることが期待される。
1で説明した半導体薄膜10aおよび10bを、II族元
素のイオンを含む溶液を用いて製造する方法の他の一例
について説明する。なお、基板11、n型化合物半導体
層12、p型化合物半導体層13、n型半導体層14に
ついては実施形態1で説明したものと同様であるので重
複する説明は省略する。
上に、p型化合物半導体層13と化合物半導体層(第1
の化合物半導体層)51とを、たとえば、蒸着法やスパ
ッタリング法によって形成する。実施形態3のp型化合
物半導体層13は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族
元素とを略1対1対2の割合で含む。化合物半導体層5
1は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とを略1
対3対5の割合で含む。化合物半導体層51には、たと
えば、高抵抗のn型半導体であるCuIn3Se5または
Cu(In,Ga)3Se5などを用いることができる。
p型化合物半導体層13および化合物半導体層51は、
実施形態2の化合物半導体層31と同様の方法によって
形成できる。
族元素を含ませることによって、図5(b)に示すよう
に、p型化合物半導体層13とn型化合物半導体層12
とが積層された半導体薄膜10aが得られる。化合物半
導体層51に集中的にII族元素を含ませる方法として
は、実施形態2で説明したように、II族元素のイオンを
含む溶液41に化合物半導体層51を接触させればよ
い。このとき、II族元素は、Ib族元素とIIIb族元素
とVIb族元素とを略1対1対2の割合で含むp型化合物
半導体層13よりも、Ib族元素とIIIb族元素とVIb
族元素とを略1対3対5の割合で含む化合物半導体層5
1に取り込まれやすいため、化合物半導体層51に集中
的にII族元素を含ませることができる。
製造する場合には、図5(b)の工程の後、図5(c)
に示すように、n型化合物半導体層12上にn型半導体
層14を形成すればよい。n型半導体層14は、実施形
態2で説明した方法で形成できる。
造方法によれば、実施形態1で説明した半導体薄膜10
aおよび10bを容易に製造することができる。
1で説明した半導体薄膜10aおよび10b、ならびに
n型化合物半導体層12を、II族元素を熱拡散させるこ
とによって製造する方法の一例について説明する。な
お、基板11、n型化合物半導体層12、n型半導体層
14、化合物半導体層51については実施形態1ないし
3で説明したものと同様であるので重複する説明は省略
する。
上に化合物半導体層51を形成する。
半導体層51上に金属薄膜61を形成する。金属薄膜6
1は、II族元素を含む。II族元素には、たとえばMg、
ZnおよびCdから選ばれる少なくとも一つの元素を用
いることができる。
を化合物半導体層51に熱拡散させることによって、図
6(c)に示すように、Ib族元素、IIIb族元素、VI
b族元素およびII族元素を含むn型化合物半導体層12
が得られる。
処理することによって行う。
造する場合には、実施形態3で説明したように、基板1
1上に、p型化合物半導体層13と化合物半導体層51
とを積層したのち、化合物半導体層51にII族元素を熱
拡散させればよい。熱拡散を用いる実施形態4の製造方
法においても、実施形態3と同様に、II族元素は化合物
半導体層51に集中的に取り込まれる。
造する場合には、上記方法で製造した半導体薄膜10a
に実施形態3と同様の方法でn型半導体層14を形成す
ればよい。
造方法によれば、実施形態1で説明した半導体薄膜10
aおよび10b、ならびにn型化合物半導体層12を容
易に製造することができる。
素、IIIb族元素、VIb族元素およびII族元素を同時に
堆積させることによって、実施形態1で説明した半導体
薄膜10aおよび10b、ならびにn型化合物半導体層
12を製造する方法の一例について説明する。
IIIb族元素、VIb族元素およびII族元素を含むターゲ
ットを用いて、スパッタリングまたは蒸着を行うことに
よって、基板上にIb族元素、IIIb族元素、VIb族元
素およびII族元素を同時に堆積させ、n型化合物半導体
層12を形成する。
2を形成する場合には、たとえば、Cu、In、Ga、
ZnおよびSeをターゲットとし、Arガスをスパッタ
リングガスとして、基板温度200℃、チャンバー内圧
力8×10-3Torrでスパッタリングすればよい。
る場合には、たとえば、Cu、In、Ga、Znおよび
Seを蒸着源とし、基板温度350℃〜550℃、チャ
ンバー内圧力1×10-8Torrで蒸着すればよい。
板11上にp型化合物半導体層13を形成した後、上記
方法でn型化合物半導体層12を形成すればよい。ま
た、半導体薄膜10bを製造する場合には、n型化合物
半導体層12を形成した後、さらにn型半導体層14を
形成すればよい。p型化合物半導体層13およびn型半
導体層14は、たとえば、蒸着法やスパッタリング法に
よって形成できる。
造方法によれば、実施形態1で説明した化合物半導体薄
膜10aおよび10bならびにn型化合物半導体層12
を容易に製造することができる。
1で説明した半導体薄膜を含む太陽電池について、一例
を説明する。
0は、基板71と、基板71上に順次積層された裏面電
極72、p型化合物半導体層13、n型化合物半導体層
12、n型半導体層14、窓層76および透明導電膜7
7と、p側電極78と、n側電極79とを含む。
体層13およびn型半導体層14は、実施形態1で説明
したものと同様であり、実施形態2〜5で説明した方法
で製造できる。
テンレス基板、ポリサルファイド膜(商品名:カプト
ン)またはポリイミド膜を用いることができる。裏面電
極72には、たとえばMo膜を用いることができる。窓
層76には、たとえばZnO膜を用いることができる。
透明導電膜77には、たとえばITO(IndiumT
in Oxide)膜を用いることができる。p側電極
78およびn側電極79には、たとえばNiCr膜とA
u膜とを積層した金属膜を用いることができる。
7、p側電極78およびn側電極79は、常法に従い、
スパッタリング法、蒸着法、CVD法およびエッチング
法などを用いて形成できる。
導体層13とn型化合物半導体層12によってpn接合
が形成された本発明の半導体薄膜10bを含む。したが
って、実施形態6の太陽電池によれば、pn接合界面付
近に欠陥が少なく、変換効率が高い太陽電池が得られ
る。
例であり、本発明の半導体薄膜を含む太陽電池であれ
ば、他の構造はいかなる構造であってもよい。
説明する。
説明した方法を用いてn型化合物半導体層12を形成し
た一例を説明する。
って形成し、Mo膜上にCu(In,Ga)Se2膜を
蒸着法によって形成した。
て含む溶液を用意した。この溶液を入れた容器を85℃
に保った恒温層に静置した。Cu(In,Ga)Se2
膜を形成したガラス基板を、上記溶液中に一定時間浸漬
した後、引き上げて純水で洗浄した。基板を取り出した
時の溶液の温度は約80℃であった。溶質である化合物
の種類および濃度、ならびに浸漬時間について、表1に
示す。
る処理を行ったのち、さらに熱処理を行った。熱処理
は、窒素雰囲気中、サンプル1〜5を250℃で30分
間保持することによって行った。
e2膜について、膜深さ方向の組成をオージェ電子分光
分析法によって測定した。サンプル2の測定結果を図8
に、サンプル4の測定結果を図9に、サンプル5の測定
結果を図10に示す。また、サンプル3のCu(In,
Ga)Se2膜について、膜深さ方向の組成を光電子分
光分析法によって測定した結果を、図11に示す。
オンを含む溶液で処理を行ったCu(In,Ga)Se
2膜の表面にはII族元素が取り込まれていた。このよう
に、II族元素のイオンを含む溶液を用いた処理によっ
て、Cu(In,Ga)Se2膜の表面にII族元素を含
有させることができた。なお、図示していないサンプル
についても同様の結果が得られた。さらに、サンプル1
〜5のCu(In,Ga)Se2膜について、垂直方向
の電流−電圧特性を調べたところ、溶液による処理を行
ったCu(In,Ga)Se2膜では整流性を示し、p
n接合が形成されていることがわかった。一方、溶液に
よる処理を行わないCu(In,Ga)Se 2膜ではオ
ーミックな特性しか示さなかった。したがって、溶液に
よる処理によって、p型であるCu(In,Ga)Se
2膜にII族元素が取り込まれ、表面層がn型となったこ
とがわかった。
a)Se2膜のフォトルミネッセンスを測定した。サン
プル1の測定結果を図12に、サンプル5の測定結果を
図13に示す。グラフの横軸はエネルギーを示してお
り、縦軸は発光強度を示している。図12および図13
から明らかなように、溶液による処理を行ったCu(I
n,Ga)Se2膜の方が、未処理のCu(In,G
a)Se2膜よりも発光強度が高かった。これは、II族
元素のイオンを含有する溶液を用いた処理によって、C
u(In,Ga)Se2膜の膜表面にある欠陥が、II族
元素によって埋められたためであると考えられる。
よる処理を行った後さらに熱処理したCu(In,G
a)Se2膜では、発光強度がさらに高くなった。熱処
理によって発光強度がさらに高くなったのは、溶液によ
る処理を行ったCu(In,Ga)Se2膜表面の結晶
性が熱処理によって高まったためであると考えられる。
5のCu(In,Ga)Se2膜上にZnO系n型半導
体層を形成し、フォトルミネッセンスを測定した。Zn
O系n型半導体層は、化学析出法またはALD法で形成
した。
成する場合は、まず、酢酸亜鉛(Zn(CH3COO)
2)とチオ尿素(NH2CSNH2)とアンモニア水を混
合した溶液を用意した。溶液中の酢酸亜鉛の濃度は0.
02M、チオ尿素の濃度は0.4M、アンモニアの濃度
は2.5Mとした。この溶液を入れた容器を85℃に保
った恒温漕に静置した。上記熱処理を行ったサンプル1
〜5を約20分間浸漬した後、純水で洗浄した。基板を
取り出した時の溶液の温度は80℃であった。このよう
にして、化学析出法でZn(O、OH、S)膜を形成し
た。
は、まず、熱処理したサンプルを反応室中に配置し、ヒ
ータによってサンプルを150℃に加熱した。その後、
減圧した反応室にジエチル亜鉛((C2H5)2Zn)と
重水(D2O)とを交互に導入することによってZnO
膜を形成した。形成したZnOの膜厚は50nm〜30
0nmであった。
したサンプルでは、ZnO系n型半導体層を形成してい
ないサンプルに比べてフォトルミネッセンスが高くなっ
た。なお、化学析出法およびALD法ではなく、MOC
VD法または蒸着法によってZnO系n型半導体層を形
成した場合も同様の結果が得られた。
て、半導体薄膜表面の欠陥を減少させることができ、半
導体素子に好適な半導体薄膜が得られた。
体薄膜を用いた太陽電池について製造した一例を説明す
る。
膜を形成し、Mo膜上にp型化合物半導体層であるCu
(In,Ga)Se2膜を形成した。その後、Cu(I
n,Ga)Se2膜を形成したガラス基板を、II族元素
のイオンを含有する溶液に10分間浸漬した後、純水で
洗浄した。次に一部のサンプルでは熱処理を行った。熱
処理は100℃〜600℃の範囲で行った。その後、化
学析出法によってCu(In,Ga)Se2膜上にZn
O系n型半導体層を形成した。形成方法は実施例1に記
載の方法と同じである。さらに、ZnO系n型半導体層
上に、窓層であるZnO膜(膜厚0.2μm)と、透明
導電膜であるITO膜(膜厚0.1μm)とをスパッタ
リング法(Arガス8×10-3Torr、高周波パワー
500W)によって形成した。
1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射して太
陽電池特性を測定した。
のイオンの種類、イオンの濃度、溶液の温度、溶液のp
Hを変えた場合の太陽電池の変換効率を、表2および表
3に示す。
った比較例である。表2および表3から明らかなよう
に、II族元素としてMg、ZnおよびCdのいずれを用
いても、太陽電池の変換効率が向上した。特に、II族元
素のイオンの濃度を0.001mol/l以上とするこ
とによって、特性が大きく向上した。さらに、II族元素
のイオンの濃度を0.01mol/l以上とすることに
よって、さらに特性が向上した。
n,Ga)Se2膜を熱処理する条件を変えた場合の太
陽電池の変換効率を、表4に示す。
なかった比較例である。表4に示すように、100℃以
上600℃以下の温度で熱処理することによって、太陽
電池の変換効率を向上させることができた。熱処理は、
200℃以上の温度で行うことが好ましく、250℃以
上400℃以下の温度で行うことが特に好ましい。
IIIb族元素とVIb族元素とを1:3:5の割合で含有
する化合物半導体層を、Cdを含む化合物を含有する溶
液に接触させることによって上記化合物半導体層にCd
を含有させた一例について説明する。
o膜とCuIn3Se5膜とを形成した。
る硫酸カドミウム(CdSO4)とアンモニアとを含有
する溶液を用意した。溶液中の硫酸カドミウムの濃度は
0.001M、アンモニアの濃度は1Mとした。この溶
液を入れた容器を85℃に保った恒温槽に静置した。こ
の溶液に、CuIn3Se5膜を形成したガラス基板を、
約6分間浸漬した。その後、溶液からガラス基板を引き
上げて純水で洗浄した。
膜深さ方向の組成をオージェ電子分光分析法によって測
定した。測定結果を図14に示す。図14の横軸は表面
からの深さを示している。図14に示すように、表面か
ら35nmの深さまでCdの信号が観測された。このこ
とから、溶液に浸漬したCuIn3Se5膜がCdを含有
していることが確認できた。また、上記処理を行ったC
uIn3Se5膜の電気特性を調べたところ、電子密度が
5×1015cm-3のn型であった。
易に含有させることができ、キャリア密度の高いn型の
CuIn3Se5膜が得られた。なお、実施例3では、C
dの塩として硫酸塩を用いたが、塩化物、ヨウ化物、臭
化物、硝酸塩、酢酸塩等を用いても同様の結果が得られ
た。
族元素とVIb族元素とを1:1:2の割合で含有する化
合物半導体層に対しても同様の処理を行い、Ib族元素
とIIIb族元素とVIb族元素とを1:3:5の割合で含
有する化合物半導体層との違いを検討した。
膜の膜深さ方向の組成をオージェ電子分光分析法によっ
て測定した。測定結果を図15に示す。図15の横軸は
表面からの深さを示している。
化合物半導体層表面に含有されたCdの量は、CuIn
3Se5膜では約10%であったのに対し、CuInSe
2膜では約5%であった。またCdが検出された深さは
CuIn3Se5膜では35nmであったのに対し、Cu
InSe2膜では20nmであった。この結果から、C
uIn3Se5膜とCuInSe2膜とを比較すると、C
uIn3Se5膜の方にCdが含有されやすいことがわか
る。
説明したが、CuIn3Se5においてInの一部をGa
で置換したCu(In,Ga)3Se5でも同様の結果が
得られた。
IIIb族元素とVIb族元素とを1:1:2の割合で含有
する化合物半導体層と、Ib族元素とIIIb族元素とVI
b族元素とを1:3:5の割合で含有する化合物半導体
層とを積層した後、Cdを含有させた一例について述べ
る。
mの厚さのCuInSe2層を形成し、さらにその上に
約10nmの厚さのCuIn3Se5層を形成した。
カドミウム(Cd(CH3COO)2)とアンモニアとを
含有する溶液を用意した。溶液中の酢酸カドミウムの濃
度は0.001M、アンモニアの濃度は1Mとした。こ
の溶液を入れた容器を85℃に保った恒温槽に静置し
た。この溶液に前記の基板を約6分間浸漬した。その
後、溶液から基板を引き上げて純水で洗浄した。
をオージェ電子分光分析法によって測定した。測定結果
を図16に示す。図16の横軸は表面からの深さを示し
ている。図16に示すように、CuIn3Se5の部分に
はCdの信号が観測されたが、CuInSe2層にはC
dの信号はほとんど観察されなかった。これは、実施例
3で説明したように、CuIn3Se5にはCdが含有さ
れやすいのに対し、CuInSe2にはCdが含有され
にくいためである。
n3Se5層とを積層した半導体層を含む半導体薄膜にお
いては、Cdの含有されやすさの違いを用いてCuIn
3Se5膜にのみ集中的にCdを含有させることができ
る。
nSe2について説明したが、CuIn3Se5およびC
uInSe2においてInの一部をGaで置換したCu
(In,Ga)3Se5およびCu(In,Ga)Se2
でも同様の結果が得られた。
IIIb族元素とVIb族元素とを1:3:5の割合で含有
しさらにZnを含む化合物半導体層の製造方法の一例に
ついて説明する。
基板上にMo膜を形成し、Mo膜上にCuIn3Se5を
形成した。
亜鉛(ZnSO4)とアンモニアとを含有する溶液を用
意した。溶液中の硫酸亜鉛の濃度は0.01M、アンモ
ニアの濃度は1Mとした。この溶液を入れた容器を85
℃に保った温水槽に静置した。この溶液に、CuIn3
Se5基板を約20分間浸漬した。その後、溶液から基
板を引き上げて純水で洗浄した。さらに、上記の処理を
した基板を窒素雰囲気中、250℃で30分間、熱処理
した。
深さ方向の組成をオージェ電子分光分析法によって測定
した。測定結果を図17に示す。図17の横軸は、表面
からの深さを示している。図17に示すように、CuI
n3Se5膜の表面から約30nmの深さまで、Znの信
号が観察された。このことから、溶液に浸漬したCuI
n3Se5膜にはZnが含有されていることが確認でき
た。
に含有させることができる。なお、ここでは、Znの塩
として硫酸塩を用いたが、塩化物、ヨウ化物、臭化物、
硝酸塩、酢酸塩等を用いても同様の結果が得られる。
いて説明したが、CuIn3Se5おいてInの一部をG
aで置換したCu(In,Ga)3Se5でも同様の結果
が得られた。
明した半導体薄膜(Cu(In,Ga)Se2層と、C
u(In,Ga)3Se5膜にCdを含有させた化合物半
導体層とを積層した半導体薄膜)を含む太陽電池を製造
した一例について説明する。
いて説明する。
上に、裏面電極72であるMo膜(膜厚1μm)を形成
し、その上にp型化合物半導体層13であるCu(I
n,Ga)Se2膜(膜厚2μm)と、n型化合物半導
体層12であるCu(In,Ga)3Se5膜(膜厚10
nm)とを蒸着法によって形成した。その後、n型化合
物半導体層12を形成した基板71を、実施例4と同様
の条件で、Cd化合物を溶質として含む溶液に接触させ
る処理を行った。
250℃で30分間、熱処理した。
導体層14であるZn(O、OH、S)膜(膜厚30n
m)を形成した。n型半導体層14の形成のために、酢
酸亜鉛(Zn(CH3COO)2)とチオ尿素(NH2C
SNH2)とアンモニア水を混合した溶液を用意した。
この溶液を入れた容器を85℃に保った温水漕に静置し
た。この溶液中に前記の熱処理済みの基板を約20分間
浸漬した後、引き上げて純水で洗浄した。このようにし
て、n型半導体層14を形成した。
であるZnO膜(膜厚100nm)および透明導電膜7
7であるITO膜(膜厚100nm)をスパッタリング
法(Arガス8×10-3Torr、高周波パワー500
W)によって形成した。その後、p側電極78(膜厚3
50nm)およびn側電極79(膜厚350nm)を形
成した。p側電極78およびn側電極79は、NiCr
膜とAu膜とを電子ビーム蒸着法によって積層すること
によって形成した。
る処理を行っていない太陽電池も作製した。
1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射して太
陽電池特性を測定した。
を測定した結果、Cdを含む溶液による処理を行った太
陽電池は、処理を行っていない太陽電池に比べて、開放
電圧および短絡電流が1.1倍、曲線因子が1.4倍に
なり、その結果、変換効率が1.7倍になった。
n,Ga)Se2膜と、n型のCu(In,Ga)3Se
5膜とによってpn接合が形成されるため、接合界面に
欠陥が少なく、変換効率が高い太陽電池が得られた。
説明した方法でCu(In,Ga)3Se5にMgを含有
させ、太陽電池を作製した一例について説明する。
膜、Cu(In,Ga)Se2膜およびCu(In,G
a)3Se5膜を積層した。さらにその上に、Mg薄膜を
蒸着法によって形成した。Mg薄膜を形成したCu(I
n,Ga)3Se5膜をアルゴン雰囲気中、250℃で1
時間熱処理することによって、Mgを熱拡散させた。
組成をオージェ電子分光分析法によって分析した結果、
Cu(In,Ga)3Se5膜がMgを均質に含有してい
ることがわかった。
を作製し、特性を評価したところ実施例6と同程度の太
陽電池特性が得られた。
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づく他の実施形態に適用する
ことができる。
膜は、Ib族元素、IIIb族元素、VIb族元素およびII
族元素を含むn型化合物半導体層を少なくとも含む。し
たがって、本発明の半導体薄膜によれば、太陽電池の光
吸収層などに好適なCIS膜またはCIGS膜と良好な
接合を形成できる半導体薄膜が得られる。
法によれば、Ib、IIIb族元素およびVIb族元素を含
む膜にII族元素を含有させることによって、本発明の半
導体薄膜を容易に製造できる。
法によれば、Ib族元素、IIIb族元素、VIb族元素お
よびII族元素を基板上に同時に堆積させることによっ
て、本発明の半導体薄膜を容易に製造できる。
体薄膜を含むため、pn接合界面に欠陥が少なく、特性
が高い太陽電池が得られる。
面図である。
す断面図である。
造方法について、一例を示す工程図である。
工程を示す図である。
造方法について、他の一例を示す工程図である。
造方法について、その他の一例を示す工程図である。
図である。
分光分析の測定結果の一例を示すグラフである。
分光分析の測定結果の他の一例を示すグラフである。
子分光分析の測定結果のその他の一例を示すグラフであ
る。
分析の測定結果の一例を示すグラフである。
ネッセンスの測定結果の一例である。
ネッセンスの測定結果の他の一例である。
子分光分析の測定結果のその他の一例を示すグラフであ
る。
子分光分析の測定結果のその他の一例を示すグラフであ
る。
子分光分析の測定結果のその他の一例を示すグラフであ
る。
子分光分析の測定結果のその他の一例を示すグラフであ
る。
図である。
Claims (29)
- 【請求項1】 Ib族元素、IIIb族元素、VIb族元素
およびII族元素を含むn型化合物半導体層を少なくとも
含み、 前記n型化合物半導体層が、Ib族元素とIIIb族元素
とVIb族元素とをX:Y:Z(ただし、0.05≦X≦
0.2、0.25≦Y≦0.4、0.45≦Z≦0.6
5)の割合で含む 半導体薄膜。 - 【請求項2】 Ib族元素、IIIb族元素およびVIb族
元素を含むp型化合物半導体層をさらに含み、 前記n型化合物半導体層と前記p型化合物半導体層とが
積層されている請求項1に記載の半導体薄膜。 - 【請求項3】 前記Ib族元素がCuであり、前記III
b族元素がInおよびGaから選ばれる少なくとも一つ
の元素を含み、前記VIb族元素がSeおよびSから選ば
れる少なくとも一つの元素を含む請求項1または2に記
載の半導体薄膜。 - 【請求項4】 前記II族元素が、Mg、ZnおよびCd
から選ばれる少なくとも一つの元素である請求項1ない
し3のいずれかに記載の半導体薄膜。 - 【請求項5】 前記p型化合物半導体層が、Ib族元素
とIIIb族元素とVIb族元素とをU:V:W(ただし、
0.15≦U≦0.35、0.15≦V≦0.35、
0.4≦W≦0.6)の割合で含む請求項2に記載の半
導体薄膜。 - 【請求項6】 前記n型化合物半導体層上に形成された
n型半導体層をさらに含む請求項4に記載の半導体薄
膜。 - 【請求項7】 前記n型半導体層は、ZnO、Zn
(O、OH)、Zn(O、OH、S)およびZnIn X
Se Y から選ばれる少なくとも一つの半導体層を含む請
求項6に記載の半導体薄膜。 - 【請求項8】 前記n型化合物半導体層が、前記Ib族
元素と前記IIIb族元素と前記VIb族元素とを含む化合
物半導体層を、前記II族元素のイオンを含む溶液に接触
させることによって形成された半導体層である請求項1
ないし7のいずれかに記載の半導体薄膜。 - 【請求項9】 Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素
とをX:Y:Z(ただ し、0.05≦X≦0.2、0.
25≦Y≦0.4、0.45≦Z≦0.65)の割合で
含む第1の化合物半導体層を形成する第1の工程と、 前記第1の化合物半導体層にII族元素を含ませることに
よって、Ib族元素、IIIb族元素、VIb族元素およびI
I族元素を含むn型化合物半導体層を形成する第2の工
程とを含むことを特徴とする半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項10】 前記Ib族元素がCuであり、前記II
Ib族元素がInおよびGaから選ばれる少なくとも一
つの元素を含み、前記VIb族元素がSeおよびSから選
ばれる少なくとも一つの元素を含む請求項9に記載の半
導体薄膜の製造方法。 - 【請求項11】 前記II族元素が、Mg、ZnおよびC
dから選ばれる少なくとも一つの元素である請求項9ま
たは10に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項12】 前記第1の工程は、Ib族元素、III
b族元素およびVIb族元素を含むp型化合物半導体層を
形成する工程と、 前記p型化合物半導体層上に、前記第1の化合物半導体
層を形成する工程とを含む請求項9ないし11のいずれ
かに記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項13】 前記p型化合物半導体層が、Ib族元
素とIIIb族元素とVIb族元素とをU:V:W(ただ
し、0.15≦U≦0.35、0.15≦V≦0.3
5、0.4≦W≦0.6)の割合で含む請求項12に記
載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項14】 前記n型化合物半導体層上にn型半導
体層を形成する第3の工程をさらに含む請求項11に記
載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項15】 前記n型半導体層は、ZnO、Zn
(O、OH)、Zn(O、OH、S)およびZnInX
SeYから選ばれる少なくとも一つの半導体層を含む請
求項14に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項16】 前記第2の工程において、前記第1の
化合物半導体層に前記II族元素を含ませる工程が、前記
II族元素のイオンを含む溶液に前記第1の化合物半導体
層を接触させることによって行われる請求項9ないし1
1のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項17】 前記溶液が、前記II族元素のハロゲン
化物、酢酸塩、硝酸塩および硫酸塩から選ばれる少なく
とも一つの化合物を溶質として含む請求項16に記載の
半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項18】 前記溶液が、アンモニアを含む請求項
16に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項19】 前記溶液の温度が、10℃以上100
℃以下である請求項16に記載の半導体薄膜の製造方
法。 - 【請求項20】 前記溶液のpHが、10以上12以下
である請求項16に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項21】 前記第2の工程の後、前記n型化合物
半導体層を熱処理する第3の工程をさらに含む請求項1
6に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項22】 前記第3の工程において、前記熱処理
が、窒素、硫化水素およびArから選ばれる少なくとも
一つのガスからなるガス雰囲気中、または真空中で行わ
れる請求項21に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項23】 前記第3の工程において、前記熱処理
の温度が100℃以上600℃以下である請求項21に
記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項24】 前記第2の工程において、前記第1の
化合物半導体層に前記II族元素を含ませる工程が、前記
第1の化合物半導体層上に前記II族元素からなる金属薄
膜を形成した後、前記II族元素を熱拡散させることによ
って行われる請求項9ないし11のいずれかに記載の半
導体薄膜の製造方法。 - 【請求項25】 Ib族元素、IIIb族元素、VIb族元
素およびII族元素を同時に堆積させることによって、I
b族元素とIIIb族元素とVIb族元素とをX:Y:Z
(ただし、0.05≦X≦0.2、0.25≦Y≦0.
4、0.45≦Z≦0.65)の割合で含み、さらにII
族元素を含むn型化合物半導体層を形成することを特徴
とする半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項26】 前記Ib族元素、IIIb族元素、VIb
族元素およびII族元素を堆積させる方法が、蒸着法およ
びスパッタリング法から選ばれる少なくとも一つの方法
である請求項25に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項27】 前記Ib族元素がCuであり、前記II
Ib族元素がInおよびGaから選ばれる少なくとも一
つの元素を含み、前記VIb族元素がSeおよびSから選
ばれる少なくとも一つの元素である請求項25または2
6に記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項28】 前記II族元素が、Mg、ZnおよびC
dから選ばれる少なくとも一つの元素である請求項25
ないし27のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項29】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
半導体薄膜を含むことを特徴とする太陽電池。
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