JP3228402U - バットグリップ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッターにスウィング中にボトムハンドの有鉤骨に損傷を与えないシンプルなバットグリップ構造を提供する。【解決手段】バットヘッドと、バット胴部と、バットスロート部と、バットグリップ部と、グリップエンドを備える野球バットにおいて、グリップエンドが、バット長手方向に延びる中心軸線に直交する面に対し20〜30度に傾斜する端面を有し、グリップエンド端面に平行して形成されるノブが、少なくともプレーヤーのボトムハンドの小指の先端から第2間接部に至る部分におけるバットグリップ部との境界においてグリップ部断面より大きな断面積を形成するように立ち上がり、ボトムハンドの小指側が当接する。一方、バット長手方向に延びる中心軸線に対して小指先端側とは点対称な小指第3間接部下方の掌部分の断面はバットグリップ部からグリップエンドにほぼ面一で、掌部分に当接するノブを実質的に有しない。【選択図】図5
Description
本考案は、バッターに有鉤骨損傷を与えないバットグリップ構造に関する。
バットはバットヘッドHと、バット胴部Bと、バットスロート部Tと、バットグリップ部Bと、グリップエンドEを備え、グリップエンドにはスイング時のグリップハンドの抜けのないように、バット中心軸線の半径方向に円環状に膨出するノブが形成されている。しかしながら、強打者の場合、バットを長めに持つと、ボトムハンドの掌にグリップエンドのノブが当接する。他方、バットスイングは初動のダウンスイングで一早く、ベース上の打球路にできるだけ長くいるためにレベルスイングに移り、打撃後グリップエンドのノブでグリップからの抜け止めを図り、フォロースルーすることになる。しかし、この時、ボトムハンドの掌に当接するノブがボトムハンドの有鉤骨を損傷しやすい(図15参照)。
図16に示すように、インパクト時にボールによってバットのヘッドが押し出された際、左写真の手関節の状態だと、手指のグリップ力によって十分に対抗できるが、右写真のように、手関節掌屈位では、特にアウトコースのボールを打ちにいった場合にバットのヘッドが下方に力を受けてしまい、テコの作用により有鈎骨に強い圧が加わり骨折を誘発する。
図16に示すように、インパクト時にボールによってバットのヘッドが押し出された際、左写真の手関節の状態だと、手指のグリップ力によって十分に対抗できるが、右写真のように、手関節掌屈位では、特にアウトコースのボールを打ちにいった場合にバットのヘッドが下方に力を受けてしまい、テコの作用により有鈎骨に強い圧が加わり骨折を誘発する。
そこで、ボトムハンドの有鉤骨に損傷を与えないバットグリップの提供が望まれる。そこで、Giant特許(特許文献1)においては実質円形断面のグリップ部とノブ状のグリップエンドとの間に傾斜角度を持たせ、グリップエンドの下縁にボトムグリップの短掌筋及び小指外転筋を支持する緩やかに湾曲する支持面を形成し、スウィング時の有鉤骨損傷を防止するグリップ構造が提案される一方、Bruse特許(特許文献2)では非円形断面のグリップ部の上部に非対称なフレアー形状部をグリップ部に形成することにより、バットの中心軸線から上下への距離が非対称ですることによりスウィング時の有鉤骨損傷を防止するグリップ構造が提案されている。
しかしながら、両者はグリップ構造が複雑で、製造が難しいという問題がある。
そこで、本考案はシンプルなグリップ構造により、有鈎骨等の損傷がなく、しかもバットスウィング安定性に優れるバットグリップ構造を提供しようとするものである。
そこで、本考案はシンプルなグリップ構造により、有鈎骨等の損傷がなく、しかもバットスウィング安定性に優れるバットグリップ構造を提供しようとするものである。
本考案者は鋭意研究の結果、グリップエンドEを、バット長手方向に延びる中心軸線に直交する面に対し20〜30度に傾斜する端面とすると同時に、グリップエンドE端面に平行して形成されるノブが、図5に例示するように、少なくともボトムハンドの小指の先端から第2間接部に至る部分においてバットグリップ部Bとの境界においてグリップ部断面より大きな断面積を形成するように立ち上がり、ボトムハンドの小指側が当接する(片面お多福形状)一方、バット長手方向に延びる中心軸線に対して小指先端側とは点対称な小指第3間接部下方の掌部分においてバットグリップ部BからグリップエンドEにほぼ面一で変化せず、前記掌部分に当接するノブを実質的に有しないシンプルなバットグリップ構造とすることにより上記課題を達成できることを見出した。
本考案の特殊ノブ構造は、グリップエンドEの端面に平行して形成される膨出ノブが図6に例示されるように、ボトムハンドの小指の先端から第2間接部に至る部分及び小指第2間接部から第3間接部においてグリップ部Bとの境界においてグリップ部断面より大きな断面積を有するように立ち上がり、当接部を有する形状(両面お多福形状)とにしてもよい。グリップ構造は断面円形に特定されないが、バットグリップ部Bにバット長手方向に延びる中心軸線に直交する断面が非円形縦長楕円形から円形に移行するバットグリップであるのが好ましい。
本考案の特殊ノブ構造は、グリップエンドEの端面に平行して形成される膨出ノブが図6に例示されるように、ボトムハンドの小指の先端から第2間接部に至る部分及び小指第2間接部から第3間接部においてグリップ部Bとの境界においてグリップ部断面より大きな断面積を有するように立ち上がり、当接部を有する形状(両面お多福形状)とにしてもよい。グリップ構造は断面円形に特定されないが、バットグリップ部Bにバット長手方向に延びる中心軸線に直交する断面が非円形縦長楕円形から円形に移行するバットグリップであるのが好ましい。
本考案においては、Giant特許(特許文献1)のように、掌を湾曲した支持面がなくてもバット長手方向に延びる中心軸線に対して小指先端側とは点対称な小指第3間接部下方の掌部分においてバットグリップ部BからグリップエンドEにほぼ直線的に変化し、前記掌部分に当接するノブを実質的に有しないシンプルなバットグリップ構造であっても、ボトムハンドのグリップ部を非円形断面とするとともに、このボトムハンドをロック機構によってスウィング時のパームグリップを維持させ、図15に示すように掌に当接するノブを形成しないので有鉤骨を損傷することがない。他方、Bruse特許(特許文献2)のように、バットの中心軸線から上下への距離が非対称とし、非円形断面のグリップ部の上部に非対称なフレアー形状部をグリップ部に形成することなく、小指先端側とは点対称な小指第3間接部下方の掌部分においてバットグリップ部BからグリップエンドEにほぼ直線的に変化する、シンプルなバットグリップ構造により、スウィング時のスリップアウトもなく、有鉤骨損傷を防止することができる。
〔好ましい実施形態1〕
以下、添付図面に基づいて説明する。
図1はバット全体の側面図で、バットヘッドHと、バット胴部Bと、バットスロート部Tと、バットグリップ部Gと、グリップエンドEとからなる。バット全体は木製で、バットヘッドの端面は円形であるが、グリップエンド端面は楕円形又は卵形の非円形断面をなし、グリップ中心を過ぎ、スロート部に至って真円に徐々に変化するように形成される。
以下、添付図面に基づいて説明する。
図1はバット全体の側面図で、バットヘッドHと、バット胴部Bと、バットスロート部Tと、バットグリップ部Gと、グリップエンドEとからなる。バット全体は木製で、バットヘッドの端面は円形であるが、グリップエンド端面は楕円形又は卵形の非円形断面をなし、グリップ中心を過ぎ、スロート部に至って真円に徐々に変化するように形成される。
バットヘッドHへは所定の重量Mが付加されると、これによりバット胴部Bにあるバット重心Cは原位置からバット打撃中心P方向にaだけ移動するので、重心に付与される運
動エネルギーFは増加することになる。
動エネルギーFは増加することになる。
他方、胴部Bはスロート部Tを介してグリップ部Gに至り、グリップエンドEにかけて断面非円形の、例えば楕円形で、長手方向に延びる中心軸線に対して外側のグリップ表面には湾曲角度αが形成される。この非円形断面のロック部Rは右打者の左手グリップ(ボ
トムハンド)を小指側から親指側にコックさせる結果、図2矢印のように左手手首を右回りに押圧してロックし、ボトムハンドの前腕とバットとの直角関係を維持し、バットスウィング時の左手甲の返りを抑制するとともに、インパクト時の左手肘の屈曲を抑制する。しかも、ボトムハンドの手のひらで包み込まれグリップ半周部がバットの長手方向に延び
る軸に対し直交する断面楕円形の一方の第1断面半楕円形である一方、トップハンドの手のひらで包み込まれるグリップ半周部断面が楕円形から円形に移行すると、ボトムハンドの手のひらで包み込まれるグリップ部の半周部でグリップ摩擦係数を増大させる。他方、グリップ中心からスロート部に至るグリップ部の上部領域において、上記ボトムハンドの指の第二関節と指の付け根の間にトップハンドの指の第二関節がくるようにその領域の摩擦係数を増大すれば、トップハンドでバットグリップ部をフィンガーグリップで握り(図13A参照)、ボトムハンドの手の甲とトップハンドの手の甲とが平行になるようにを誘導する。これがバッティング時テイクバックの「トップ」において、二つ目のボトムハンドの前腕とトップハンドの前腕との直角関係を肩から腕、バットにかけてのラインを球に向かうスウィングプレーンに一致させるため、バットグリップは、両腕の間、各両腕とバットとの間に3つの直角の関係を作り、その3つの直角の関係によってボトムハンドのラインに沿って、「内からバットを出す」スウィングを実現するものである。
トムハンド)を小指側から親指側にコックさせる結果、図2矢印のように左手手首を右回りに押圧してロックし、ボトムハンドの前腕とバットとの直角関係を維持し、バットスウィング時の左手甲の返りを抑制するとともに、インパクト時の左手肘の屈曲を抑制する。しかも、ボトムハンドの手のひらで包み込まれグリップ半周部がバットの長手方向に延び
る軸に対し直交する断面楕円形の一方の第1断面半楕円形である一方、トップハンドの手のひらで包み込まれるグリップ半周部断面が楕円形から円形に移行すると、ボトムハンドの手のひらで包み込まれるグリップ部の半周部でグリップ摩擦係数を増大させる。他方、グリップ中心からスロート部に至るグリップ部の上部領域において、上記ボトムハンドの指の第二関節と指の付け根の間にトップハンドの指の第二関節がくるようにその領域の摩擦係数を増大すれば、トップハンドでバットグリップ部をフィンガーグリップで握り(図13A参照)、ボトムハンドの手の甲とトップハンドの手の甲とが平行になるようにを誘導する。これがバッティング時テイクバックの「トップ」において、二つ目のボトムハンドの前腕とトップハンドの前腕との直角関係を肩から腕、バットにかけてのラインを球に向かうスウィングプレーンに一致させるため、バットグリップは、両腕の間、各両腕とバットとの間に3つの直角の関係を作り、その3つの直角の関係によってボトムハンドのラインに沿って、「内からバットを出す」スウィングを実現するものである。
ここで、3つの直角とは、一つ目はボトムハンドの前腕とバットとの直角であり(図3A)、二つ目はボトムハンドの前腕とトップハンドの前腕との直角であって(図3A)、三つ目はトップハンドの前腕とバットとの直角である(図3B)。特に、トップの時点でのボトムハンドの前腕とバットの角度がほぼ直角というのはスウィングにおいて非常に重要な意味があり、図4AからDに示すようにバットはトップハンドの肩先(肩峰)に近いところから肩峰との距離が一切変わらずに、そのほぼ直角のグリップが保たれたまま、ほとんど状態の回転動作だけで引き出されることになるからである。これにより「バットを内から出す」ということが実現される。これに対し、「トップ」においてボトムハンドとバットとの角度が鈍角になると、すなわち「トップ」でボトムハンドの前腕とバットとが鈍角であれば、振り出しからインパクトまでのスウィング時間は短時間となっても最初からヘッドが捕手側に開いているので、インパクトまでの加速距離が充分にとれず、インパクト時のヘッドスピードが上がらなくなり、しかもヘッドが最初から開いているため、外角球ではヘッドが早く返り、引っ掛けスウィングの原因となる。したがって、トップの時点でのボトムハンドの前腕とバットの角度がほぼ直角という関係を維持するために、まず、ボトムハンドはパームグリップでグリップ下方領域を握ることが重要であることがわかる。
次に、ボトムハンドの前腕とトップハンドの前腕との直角はバッティング動作での上体の回転と連動する両腕の動きを支配するもので、両腕は腕で動くのでなく、肩甲骨の動きによる上体の回転動作で動くものである。したがって、前腕どうしが終始直角に交わって動くと、ボトムハンドのラインに沿って、肩峰のところから肩峰との近い距離を変えない状態の回転動作でバットを引き出すスウィング始動時の上半身の動きとなり(図4BおよびC)、「内からバットを出す」動作を作り出す。このボトムハンドの前腕とトップハンドの前腕との直角はボトムハンドにパームグリップを実現させた上で、ボトムハンドの指の第二関節と指の付け根の間にトップハンドの指の第二関節がくるようにトップハンドでバットグリップ部をフィンガーグリップで握ると、ボトムハンドの手の甲とトップハンドの手の甲とが平行になり、ボトムハンドの肩から腕、バットにかけてのラインを球に向かうスウィングプレーンに一致させる、「内からバットを出す」動作を作り出すことになる。
上記バットのグリップ構造は、グリップエンドからグリップ中心に向けて楕円形から円形に徐々に変形するようになっており、楕円形の場合、上部周縁はフレアー傾斜部を形成しているが、グリップエンドの上部周縁から下部にかけては平坦となっているため、ボトムハンドの小指側及び掌側はエンドが盛り上がっていないので滑りやすい。そこで、第1変形例ではグリップエンドの中腹部に小指に沿う湾曲部を膨出させ、又はグリップエンドの中腹部からグリップに向けてフレアー傾斜部を形成することによりロック機構を拡大し、ボトムハンドの手のひらはグリップエンドから抜け落ちにくくなる。図5はこのグリッ
プ構造を示す。図5Aはグリップエンド端面図で、ボトムハンド側半周の上部周縁から中
腹部周縁はグリップエンドからグリップ部に向けて膨出して湾曲し、ロック構造部が形成されている。その状態は図5Bの側面図と、図5CのA-A線断面図からグリップ中心のD-D線断面図に示される。すなわち、図5CのA-A線断面図ではグリップエンドに近い状態を示し、次のB-B線断面図との比較から明らかにボトムハンド側半周(断面図右半周)に示されるようにボトムハンドの第2関節部がかかる上部周縁に第1の湾曲部が形成され、手首を右回りにややコックさせてロックする。上部周縁から中腹部周縁はエンドからグリップに向けてフレアー状傾斜部が形成され、ボトムハンドの手の甲は小指側から親指側に右回りにやや持ち上げてロックしている。これによって、ボトムハンドの小指側はグリップエンドから抜け落ちずしっかりとパワーグリップでグリップでき、ボトムハンドの前腕はバットの軸線に対し直角に維持されることになる。
プ構造を示す。図5Aはグリップエンド端面図で、ボトムハンド側半周の上部周縁から中
腹部周縁はグリップエンドからグリップ部に向けて膨出して湾曲し、ロック構造部が形成されている。その状態は図5Bの側面図と、図5CのA-A線断面図からグリップ中心のD-D線断面図に示される。すなわち、図5CのA-A線断面図ではグリップエンドに近い状態を示し、次のB-B線断面図との比較から明らかにボトムハンド側半周(断面図右半周)に示されるようにボトムハンドの第2関節部がかかる上部周縁に第1の湾曲部が形成され、手首を右回りにややコックさせてロックする。上部周縁から中腹部周縁はエンドからグリップに向けてフレアー状傾斜部が形成され、ボトムハンドの手の甲は小指側から親指側に右回りにやや持ち上げてロックしている。これによって、ボトムハンドの小指側はグリップエンドから抜け落ちずしっかりとパワーグリップでグリップでき、ボトムハンドの前腕はバットの軸線に対し直角に維持されることになる。
図6は図5に示す変形例の改良であって、パワーグリップされたボトムハンドの掌側のグリップエンドからの抜け又は外れを防止し、しっかりとボトムハンドのパワーグリップを維持することを目的とする。すなわち、第2変形例ではグリップエンド近傍には上部だけでなく、中腹部周縁に掌端に沿う湾曲部を膨出させるか、又はグリップ中心に向けてフレアー傾斜部を形成することによりボトムハンドの手のひら端はグリップエンドから抜け落ちにくくなるだけでなく、小指側のグリップエンドからの抜けを防止する。更にグリップ力を向上させるようになる。図6はこのグリップ構造を示す。図6Aはグリップエンド
端面図で、ボトムハンド側半周の上部周縁から中腹部周縁はエンドからグリップに向けて湾曲してロック構造部が形成されている。その状態は図6Bの側面図と、図6のA-A線断面図からグリップ中心のD-D線断面図に示される。すなわち、図6CのA-A線断面図ではグリップエンドに近い状態を示し、次のB-B線断面図との比較から明らかにボトムハンド側半周(断面図右半周)に示されるようにボトムハンドの第2関節部がかかる上部周縁に第1の湾曲した傾斜によりロック構造部が形成され、手首を右回りにややコックさせてロックする。上部周縁から小指第3関節下方の掌端の中腹部周縁はグリップエンドからグリップに向けて傾斜部が形成され、ボトムハンドの手の甲は小指側から親指側に右回りにやや持ち上げてロックしている。これによって、ボトムハンドの掌側はグリップエンドから抜け落ちずしっかりとパワーグリップでグリップでき、ボトムハンドの前腕はバットの軸線に対し直角に維持されることになる。
端面図で、ボトムハンド側半周の上部周縁から中腹部周縁はエンドからグリップに向けて湾曲してロック構造部が形成されている。その状態は図6Bの側面図と、図6のA-A線断面図からグリップ中心のD-D線断面図に示される。すなわち、図6CのA-A線断面図ではグリップエンドに近い状態を示し、次のB-B線断面図との比較から明らかにボトムハンド側半周(断面図右半周)に示されるようにボトムハンドの第2関節部がかかる上部周縁に第1の湾曲した傾斜によりロック構造部が形成され、手首を右回りにややコックさせてロックする。上部周縁から小指第3関節下方の掌端の中腹部周縁はグリップエンドからグリップに向けて傾斜部が形成され、ボトムハンドの手の甲は小指側から親指側に右回りにやや持ち上げてロックしている。これによって、ボトムハンドの掌側はグリップエンドから抜け落ちずしっかりとパワーグリップでグリップでき、ボトムハンドの前腕はバットの軸線に対し直角に維持されることになる。
以上、図3A、Bと図4A〜Dとで説明したところから理解できるように、ボトムグリップにパームグリップでトップの時点でのボトムハンドの前腕とバットの角度がほぼ直角になるように握らせることが第1に必要な課題で、第2にボトムハンドの前腕とトップハンドの前腕とが直角になるようにボトムハンドのパームグリップに対し指の第二関節と指の付け根の間にトップハンドの指の第二関節がくるようにトップハンドでバットグリップ部をフィンガーグリップで握ることが重要であることがわかる。本考案の一つはこのようなグリップを実現させるグリップ構造を提供するもので、第1はボトムグリップのパームグリップを実現する摩擦係数を増大する領域部であり、第2にボトムグリップとバットとを直角の関係でロックして握らせるグリップ構造である。
図7ないし図9で示すグリップ構造は、バットグリップにおいて、少なくともグリップエンドからグリップ中心に至るボトムグリップがバット軸線に対し直交する断面が非円形をなすとともに、トップグリップのグリップ中心からバット上方に少なくとも中指から小指に至る3本指でのグリップ部分をバット軸線に対し直交する断面が非円形をなし、そこからスロート部に移行する領域は楕円形断面からスロート部の円形断面に移行する傾斜領域を有する。これはボトムハンドにパームグリップを、他方、トップハンドの中指から小指にかけて握らせ、制御可能なパームグリップを行わせるバットグリップ構造にある。ボトムハンド及びトップハンドをパームグリップで握ることにより、ダウンスウィングが実現しやすく、女子のソフトボールに適するグリップを実現することができる。
この実施例におけるロック構造はグリップエンドの上端が指腹に沿うように湾曲してロック構造を形成し、そのグリップエンドの上端から左右両端が、ボトムハンドの小指先端がグリップエンドにかかるようにグリップエンドの小指先端側をやや膨出させるか、ボトムハンドの小指先端及び小指下方の掌端がグリップエンドにかかるようにグリップエンドの小指先端側及び小指下方の掌周端をやや膨出させる。そのため、グリップエンドは方形をなし、各隅部はグリップエンドから内方にフレアー状に傾斜し、ボトムハンドの第2関節を中心に、小指先端側、掌端側がグリップエンドから外れないように補強される。なお、グリップエンドの下端はバットの外形に沿って流れ、膨出させる必要はないが、エンドグリップは垂直線に対し、20度、25度、30度と角度を持たせることにより(図10)、グリップのロック強度を向上させることができる。
そして、また、ボトムハンドの手のひらで包み込まれるボトムグリップ部の半周部の少なくとも中央部およびその近傍にグリップの摩擦係数を増大させる領域部を形成し、ボトムハンドにパームグリップでグリップ下方領域(ボトム)を握らせ易くする。トップハンドについて中指、薬指及び小指に相当する手のひらで包み込まれるアッパーグリップの半周部の少なくとも中央部およびその近傍にグリップの摩擦係数を増大させる領域部を形成し、トップハンドにもパームグリップでグリップ上方領域(ボトム)を握らせ易くする。
〔好ましい実施形態2〕
以下、添付図面に基づいて説明する。
図11はバット全体の側面図で、バットヘッドHと、バット胴部Bと、バットスロート部Tと、バットグリップ部Gと、グリップエンドEとからなる。バット全体は木製で、バットヘッドHには標準重量のヘッドに付加重量が10〜100gの範囲で変化するおよそ10種類の調節重しのキャップ型ヘッドMが取り付けられる。バットヘッドの端面は円形であるが、グリップエンド端面は楕円形又は卵形の非円形断面をなす。
以下、添付図面に基づいて説明する。
図11はバット全体の側面図で、バットヘッドHと、バット胴部Bと、バットスロート部Tと、バットグリップ部Gと、グリップエンドEとからなる。バット全体は木製で、バットヘッドHには標準重量のヘッドに付加重量が10〜100gの範囲で変化するおよそ10種類の調節重しのキャップ型ヘッドMが取り付けられる。バットヘッドの端面は円形であるが、グリップエンド端面は楕円形又は卵形の非円形断面をなす。
バットヘッドHへは所定の重量Mが付加される。これによりバット胴部Bにあるバット重心Cは原位置からバット打撃中心P方向にaだけ移動する(図14参照)。これに対して
打撃中心Pはほとんど動かないので、重心Cから打撃中心寄りに位置するスイートスポットもほどんど動かない。よって、重心Cに付与される運動エネルギーFはI(慣性モーメント)が重心移動の分だけ握りの中心Qからの距離aだけ増えるので、角速度ωが変わら
ないとしても、運動エネルギーはa×ω分増加することになる。しかも重心Cが打撃中心
Pに近づく結果、重心Cに働く運動エネルギーはスイートスポットにより影響を与えやすく、スイートスポットにおいてボールに付与される運動エネルギーは確実に増加することが力学的に証明される。
打撃中心Pはほとんど動かないので、重心Cから打撃中心寄りに位置するスイートスポットもほどんど動かない。よって、重心Cに付与される運動エネルギーFはI(慣性モーメント)が重心移動の分だけ握りの中心Qからの距離aだけ増えるので、角速度ωが変わら
ないとしても、運動エネルギーはa×ω分増加することになる。しかも重心Cが打撃中心
Pに近づく結果、重心Cに働く運動エネルギーはスイートスポットにより影響を与えやすく、スイートスポットにおいてボールに付与される運動エネルギーは確実に増加することが力学的に証明される。
他方、胴部Bはスロート部Tを介してグリップ部Gに至り、グリップエンドEにかけて断面非円形の、例えば楕円形で、長手方向に延びる中心軸線に対して外側のグリップ表面にはフレアー傾斜角度αが形成される。この非円形断面のフレアー部Fは右打者の左手グリップを図3Cのように小指側から親指側に傾斜させる結果、左手手首を右回りに押圧してロックし、バットスウィング時の左手甲の返りを抑制するとともに、インパクト時の左手肘の屈曲を抑制する。これが「バットをグリップをぶつけるように振る」という動作を誘導し、バットのスウィングの角速度を向上させる結果を招来させる。フレアー部Fの中心線に対する傾斜角度αをバットヘッドの増加重量Mに応じてα増加させるのが好ましい。なぜなら、重心がバット先端に移動するほど、バットスウィングにおける左手甲が返りやすくなる慣性力が働くからである。
このように、右打者の左手甲を返すことなく体の回転に伴ってバットスウィングを行い、左手肘をしっかりと伸ばしてインパクトすると、「バットをグリップをぶつけるように振る」という動作が実現でき、スウィングにおける打者のもつ最大の角速度を得ることができる。また、従来では、インコースを打つために早い段階でスウィングを開始し、投手寄りでボールを打ち、アウトコースを打つためにスウィング始動を遅らせボールを呼び込んで打つことが提言されるがバッティング始動タイミングが同じでないので難しい。本発明の構造のバットを用いると、「バットをグリップをぶつけるように振る」という動作が実現できる結果、インパクトポイントを内角、真ん中、外角のいずれにおいても一列にして(図13C参照)スウィングをシンプルにすることができる。
上記バットのグリップ部は、グリップエンドからグリップ中心に向けて楕円形から円形に徐々に変形するようになっており、楕円形の場合、上部周縁はフレアー傾斜部を形成しているが、グリップエンドの上部周縁から下部にかけては平坦となっているため、ボトムハンドの小指側はエンドが盛り上がっていないので滑りやすい。そこで、好ましい実施形態2においては好ましい実施形態で示す種々のグリップ構造を採用するのがよい。
以上、説明したように本考案によれば、有鉤骨のある掌に当接するノブがなくてもシンプルなグリップ構造で、グリップのスリップアウトを防止することができるので、スウィング中の有鉤骨の損傷を防止することができる。
Claims (3)
- バットヘッドHと、バット胴部Bと、バットスロート部Tと、バットグリップ部Bと、グリップエンドEを備える野球バットにおいて、グリップエンドEが、バット長手方向に延びる中心軸線に直交する面に対し20〜30度に傾斜する端面を有し、グリップエンドE端面に平行して形成されるノブが、図5に例示するように、少なくともプレーヤーのボトムハンドの小指の先端から第2間接部に至る部分においてバットグリップ部Bとの境界においてグリップ部断面より大きな断面積を形成するように立ち上がり、ボトムハンドの小指側が当接する一方、バット長手方向に延びる中心軸線に対して小指先端側とは点対称な小指第3間接部下方の掌部分においてその断面はバットグリップ部BからグリップエンドEにほぼ面一で、前記掌部分に当接するノブを実質的に有しないことを特徴とするバットグリップ構造。
- 前記グリップエンドEの端面に平行して形成される膨出ノブが図6に例示されるように、プレーヤーのボトムハンドの小指の先端から第2間接部に至る部分及び小指第2間接部から第3間接部においてグリップ部Bとの境界においてグリップ部断面より大きな断面積を有するように立ち上がり、小指の先端から第2間接部に至る部分及び小指第2間接部から第3間接部が当接する一方、バット長手方向に延びる中心軸線に対して小指先端側とは点対称な小指第3間接部下方の掌部分においてバットグリップ部BからグリップエンドEにほぼ面一で、前記掌部分に当接する段部を実質的に有しない請求項1記載のバットグリップ構造。
- バットグリップ部Bにバット長手方向に延びる中心軸線に直交する断面が非円形縦長楕円形から円形に移行する請求項1または2記載のバットグリップ構造。
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