JP3228393U - 車載用のアンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者の視野を損なうことがなく、且つ、ガラス素材に拘わらず、必要な電波を有効に受信可能な車載用のアンテナ装置を提供する。【解決手段】アンテナ装置は、アンテナ本体10が貼着されるプラスチック板2と、アンテナ本体の出力信号を中継基板11を経由して伝送する接続ケーブル12と、アンテナ本体、プラスチック板、及び中継基板を、接続ケーブルの一部と共に収容する収容部材3と、を有する。収容部材は、嵌合口FITを有して、アンテナ本体その他を収容する内側空間INと、接続ケーブルを通過させた状態で、嵌合口FITの外側に配置される接着部材を保持する外側空間OUTと、を有する。【選択図】図1
Description
本考案は、自動車に搭載された映像電子機器用の電波を受信するアンテナ装置であって、特に、隠蔽状態で車内に配置される車載用のアンテナ装置に関する。
周波数470MHz〜710MHzの地上デジタル放送(以下、地デジ放送と略す)を車内で受信するべく、フロントガラスやリアガラスの内面に貼り付ける一又は複数のアンテナが、フィルムアンテナやガラスアンテナとして知られている(特許文献1〜特許文献5)。
この種のアンテナは、一般に、ガラス内面に貼着される線状又は薄板状のアンテナ本体と、アンテナ本体に接続された中継基板を映像電子機器の本体部(地デジチューナ)に接続する接続線と、を有して構成されている。
しかし、フィルムアンテナの透明性を如何に高めても、フロントガラスやリアガラスに貼着する以上、やや美感を損ねるという問題があり、また、そもそも、前方又は後方の視界をある程度は遮る以上、運転手にとってはストレスになり兼ねない。
また、フィルムアンテナをガラス内面に貼着するので、車種によっては電波の受信状況が悪いという問題があり、更に、最近の車では、電波を通さない窓ガラスもあり、この場合には電波を受信することができない。
本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、運転者の視野を損なうことがなく、且つ、ガラス素材に拘わらず、必要な電波を有効に受信可能な車載用のアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本考案は、映像電子機器に対応する電波を受信可能なアンテナ本体(10)と、前記アンテナ本体(10)からの出力信号を、中継基板(11)を経由して前記映像電子機器に伝送する接続ケーブル(12)と、を含んだアンテナユニット(ANT)を構成要素とし、前記映像電子機器に対応して、一又は複数の前記アンテナユニット(ANT)が、運転者の視野を損なわない箇所に、固定的に配置されるよう構成されている。配置箇所としては、自動車のフロントバンパー、リアバンパー、リアスポイラー、又は、ウインドガラスに近接する内装部品(内張り)の内部が好適である。
本考案によれば、運転席からの前方及び後方の視界を全く阻害せず、且つ、ガラス素材に拘わらず、必要な電波を有効に受信可能な車載用のアンテナ装置を実現することができる。
以下、実施例に基づいて、本考案を更に具体的に説明する。図1は、実施例に係るアンテナユニットANT(図2(d))について、製造第1工程を説明する図面であり、図2は、製造第2工程を説明する図面である。
図2(e)や図2(f)に示すように、実施例のアンテナユニットANTは、自動車のフロントバンパーやリアバンパーの内側に配置されるので、運転者の視野を全く損なうことがない。
なお、実施例のアンテナユニットANTは、ダイバーシティアンテナを内蔵しており、典型的には、4個のアンテナユニットANT〜ANTが、フロントバンパー内側の左右2ヶ所と、リアバンパー内側の左右2ヶ所に各々固定配置されて、アンテナ装置が完成状態となる。
但し、4個のアンテナユニットANTを使用することに限定されず、使用個数は、2個又は1個でも良い。すなわち、実施例のアンテナ装置は、1個〜4個のアンテナユニットANTによって構成される。
何れにしても、実施例のアンテナユニットANTは、フロントバンパーやリアバンパーの内側に配置されるので、地デジ放送を問題なく受信することができる。すなわち、自動車のボディは、一般に、導電性の鉄材で構成されているが、バンパー部分については、非導電性の剛性プラスチック材(典型的にはPP材:polypropylene)で構成されているので、電波受信に問題が生じない。
図1(a)に示す通り、実施例のアンテナユニットANTは、映像電子機器(地デジチューナ)に適合設計されたフィルムアンテナ1と、平坦な接着面を有する透明のプラスチック板2と、適宜に閉塞可能な嵌合口FITを有する透明のプラスチック袋3と、嵌合口FITの外側に配置される棒状の接着部材4(図2(a))とで、構成されている。
フィルムアンテナ1は、ダイバーシティアンテナを構成するアンテナ本体10と、アンテナ本体10から受けるアンテナ信号を適宜に増幅するブースターアンプを搭載した中継基板11と、中継基板11を経由したアンテナ信号を、不図示の地デジチューナに伝送する接続ケーブル12とで構成されている。図1(b)に示す通り、アンテナ本体10は、薄板状に延びる導体プレートPTと、細線状に延びる導体ラインLNとが互いに略直交して構成されている。そして、アンテナ本体10の裏面には、剥離紙で覆われた接着層が設けられている。
ここで、不図示の地デジチューナは、ダイバーシティアンテナに対応して設計されており、2個又は4個のフィルムアンテナ1から伝送されるアンテナ信号のうち、電波状況が最良のアンテナ信号を優先的に採用するよう構成されている。この意味において、実施例のフィルムアンテナ1は、地デジチューナに専用の純正品であるが、何ら限定されず、例えば、一般に市販されている汎用品であっても良い。
図1(a)に示す通り、プラスチック板2は、平坦な表裏面を有する板厚1mm程度の薄板状に形成されており、L字状のアンテナ本体10(=PT+LN)に対応して、アンテナ本体10より大型のL字状に形成されている。
プラスチック袋3は、例えば、ジップロック(登録商標)と称されるファスナー付きのプラスチック袋が使用される。図1(a)に示す通り、プラスチック袋3は、嵌合口(ファスナー)FITへの押圧によって閉塞可能な内側空間INと、嵌合口FITの外側に形成される開放状態の外側空間OUTとに、区分されている。
内側空間INは、プラスチック板2と、フィルムアンテナ1の要部と、を収容するに十分な容積を有しており、図1(a)において、幅狭の左右空間と、幅太の上下空間とで、平面視がL字状に形成されている。何ら限定されないが、実施例の場合には、平面視において、左右空間が40mm×160mm程度、上下空間が55mm×140mm程度となっている。また、外側空間OUTは、平面視で15mm×140mm程度のI字状に形成されている。
以下、図1(c)〜図1(f)と、図2(a)〜図2(d)に基づいて、実施例のアンテナユニットANTの製造方法を説明する。先ず、図1(a)に示す必要部材を揃えた後、フィルムアンテナ1のアンテナ本体10の裏面側の剥離紙を剥がして接着層を露出させ、アンテナ本体10をプラスチック板2に貼り付ける。図1(c)は、この接着状態を示す図面である。
次に、導体プレートPTと、導体ラインLNの基端部に設けられたアンテナ端子を露出させるべく、アンテナ本体10の基端部の剥離紙を剥がす。図1(d)は、アンテナ端子を露出させた状態を示す図面である。
続いて、中継基板11を、アンテナ端子に押し当てることで、アンテナ本体10と中継基板11とを一体化させる。図1(e)は、アンテナ本体10と中継基板11の一体化状態を示しており、アンテナ本体10と中継基板と11とは、例えば、係合フックによって一体化される。そして、この状態では、アンテナ本体10のアンテナ端子と、中継基板11の接続端子とが、適度に加圧接触することになる。
次に、図1(f)に示すように、アンテナ本体10と中継基板と11を、接続ケーブル12の一部と共に、プラスチック袋3の内側空間INに収容する。その後、プラスチック袋3の外側空間OUTを接着部材4で封止するが、この工程は、図2(a)〜図2(d)に示されている。
最初に接着部材4について説明すると、実施例で使用する接着部材4は、一般にブチルシールとも称されている製品であって、ブチルゴムを主体とした押出成形品のシーリング材である。このシーリング材は、加硫ゴムの弾性とパテ状シーリング材の可塑性を兼ね備えており、いかなる形状の物体にも接着して完全防水性を実現している。また、耐薬品性や耐候性にも優れており、自動車の排気ガスや高温環境下でも容易には変質しない特性を有している。
以上を踏まえて説明を続けると、図2(a)〜図2(b)に示すように、先ず、プラスチック袋3の内側空間INから引き出された接続ケーブル12を、接着部材4の上端部に通過させる。そして、この状態の接着部材4を、プラスチック袋3の外側空間OUTに配置して、外側空間OUTの内面を、接着部材4に接着させる。
この結果、アンテナ本体10及び中継基板11は、接続ケーブル12と共に、プラスチック袋3の嵌合口FITと、接着部材4によって、プラスチック袋3の内部空間に封入されたことになり、自動車洗浄時などの流水や、自動車運転時の排気ガスなどに対する封止性能が実現される。そして、このようにして完成されたアンテナユニットANTは、例えば、図2(e)や図2(f)に示すフロントバンパーやリアバンパーの内側に固定配置される。
以上、実施例について、詳細に説明したが、具体的な記載内容は、何ら本考案を限定せず、適宜に変更可能である。特に、プラスチック板2、プラスチック袋3、及び接着部材4について、これらの形状、寸法、及び構成材料など、具体的な構成は適宜に変更されるのは勿論である。特に、プラスチック板2とプラスチック袋3の形状は、アンテナ本体10の形状に対応して、適宜に変更される。
また、上記の実施例では、プラスチック板2や、プラスチック袋3を使用する場合について説明したが、特に限定されない。簡易的には、例えば、プラスチック板2にアンテナ本体10を貼着した状態で、フィルムアンテナ1を運転者の視野を損なわない箇所に配置する構成や、アンテナ本体10を、運転者の視野を損なわない箇所に貼り付ける構成を採るのも好適である。
また、上記の実施例では、アンテナユニットの配置位置として、フロントバンパーやリアバンパーの内側を例示したが、何ら限定されず、例えば、図3(a)〜図3(d)に示すリアスポイラーの内部に配置するのも好適である。
また、ウインドガラス(フロントウインド/リアウインド/サイドウインド)が電波を通す場合には、図3(a)〜図3(g)に示すように、ウインドガラスに近接する内装部品(内張り)の内部に配置するのも好適である。
1 フィルムアンテナ
2 プラスチック板
3 プラスチック袋
10 アンテナ本体
11 中継基板
12 接続ケーブル
ANT アンテナユニット
FIT 嵌合口
IN 内側空間
OUT 外側空間
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Claims (8)
- 映像電子機器に対応する電波を受信可能なアンテナ本体(10)と、
前記アンテナ本体(10)からの出力信号を、中継基板(11)を経由して前記映像電子機器に伝送する接続ケーブル(12)と、を含んだアンテナユニット(ANT)を構成要素とし、
前記映像電子機器に対応して、一又は複数の前記アンテナユニット(ANT)が、運転者の視野を損なわない箇所に、固定的に配置されるよう構成されているアンテナ装置。 - 前記アンテナユニット(ANT)は、自動車のフロントバンパー、リアバンパー、リアスポイラー、又は、ウインドガラスに近接する内装部品の内部に配置される請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記アンテナユニット(ANT)は、
前記アンテナ本体(10)が貼着されるプラスチック板(2)、及び/又は、
前記アンテナ本体(10)、前記プラスチック板(2)、及び、前記中継基板(11)を、前記接続ケーブル(12)の一部と共に収容する収容部材(3)、を更に有して構成されている請求項1又は2に記載のアンテナ装置。 - 前記収容部材(3)は、
押圧操作に基づき閉塞可能な嵌合口(FIT)を有して、前記接続ケーブル(12)が接続された前記中継基板(11)、及び前記アンテナ本体(10)を、前記プラスチック板(2)と共に収容する内側空間(IN)と、
前記接続ケーブル(12)を通過させた状態で、前記嵌合口(FIT)の外側に配置される接着部材(4)を保持する外側空間(OUT)と、を有して構成されている請求項3に記載のアンテナ装置。 - 前記接着部材(4)は、ブチルゴムを主成分とするシーリング材で構成されている請求項4に記載のアンテナ装置。
- 前記接着部材(4)は、押出成形品である請求項5に記載のアンテナ装置。
- 前記アンテナ本体(10)に前記中継基板(11)が重合されることで、
前記アンテナ本体(10)から前記映像電子機器への伝送経路が確立されるよう構成されている請求項1〜6の何れかに記載のアンテナ装置。 - 前記中継基板(11)には、前記アンテナ本体(10)の出力信号を増幅する増幅回路(ブースターアンプ)が設けられている請求項1〜7の何れかに記載のアンテナ装置。
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