JP3228044B2 - エンジンブレーキ装置 - Google Patents

エンジンブレーキ装置

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JP3228044B2
JP3228044B2 JP01144995A JP1144995A JP3228044B2 JP 3228044 B2 JP3228044 B2 JP 3228044B2 JP 01144995 A JP01144995 A JP 01144995A JP 1144995 A JP1144995 A JP 1144995A JP 3228044 B2 JP3228044 B2 JP 3228044B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4弁式のディーゼルエ
ンジンに用いて好適の、エンジンブレーキ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンブレーキ装置の1つ
として、アクセルオフ時に、排気弁を通常の排気タイミ
ングと異なるタイミングで開閉することにより燃焼室内
の圧力状態をコントロールし、エンジンブレーキ能力を
増大させるような圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキが
開発されている。
【0003】以下に圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキ
の一例として4弁式圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキ
について説明すると、この4弁式圧縮圧開放式エンジン
補助ブレーキは、図3〜図5に示すように、4弁式エン
ジン1のシリンダヘッド2の上方に設けられている。な
お、このエンジン1はプッシュロッド8を用いたオーバ
ヘッドバルブ(OHV)式エンジンであって、各シリン
ダの側方には、吸気弁及び排気弁4を開閉駆動させるプ
ッシュロッド8が配設されている。
【0004】そして、これら各気筒のプッシュロッド8
のうち、図3に示すように、第1気筒の排気側プッシュ
ロッド8と第3気筒の排気弁4とが油路11を介して接
続されている。ここで、このエンジン1は、第3気筒が
圧縮行程のとき第1気筒は排気行程となるような気筒配
列となっている。また、その他の気筒間においても、各
気筒の排気側プッシュロッド8と、対応する気筒の排気
弁4とが油路11を介して接続されている。なお、これ
ら各排気側プッシュロッド8と各排気弁4との接続状態
は、上述の第1気筒と第3気筒との接続関係と同様に、
ある気筒(第n気筒)の排気弁4と、この気筒(第n気
筒)が圧縮行程のときに排気行程となる気筒の排気側プ
ッシュロッド8とが、接続されている。
【0005】図4,図5は、第1気筒の排気側プッシュ
ロッド8と第3気筒の排気弁4とを接続する油路11に
沿って切断した模式的な断面図であって、ロッカアーム
10の中央の破断線を境にしてそれぞれ左右で異なる気
筒の断面図を示しており、破断線より左側は第1気筒、
右側は第3気筒の断面図である。図4に示すように、排
気側プッシュロッド8の上端部は、ロッカシャフト6に
軸支された排気側ロッカアーム10の端部に当接してお
り、一方、プッシュロッド8の下端部は、クランクシャ
フトの回転に応じて回転駆動されるカム(図示省略)に
当接している。これにより、プッシュロッド8はカムの
回転駆動に応じて上下方向に往復動しロッカアーム10
を揺動させるようになっている。
【0006】また、シリンダヘッド2には2つの排気弁
4,4に当接し、且つこれらの排気弁4,4を同時に開
閉駆動しうるバルブブリッジ5が設けられており、各ロ
ッカアーム10の先端部は上記のバルブブリッジ5に当
接している。したがって、上記ロッカアーム10が揺動
すると、これに応じて排気弁4,4が同時に開閉駆動さ
れるようになっている。
【0007】さて、上述したように、各気筒の排気側の
プッシュロッド8とこれに対応する気筒の排気弁4とは
油路11を介して接続されているが、図示するように、
各油路11のプッシュロッド側端部には第1油室12a
が形成されており、この第1油室12aにはプッシュロ
ッド8に当接して油路11内を往復動しうるマスタピス
トン12bが嵌挿されている。
【0008】また、各気筒の一方の排気弁4の上部の油
路11内には、第2油室13aが形成されており、この
第2油室13aには、上記油路11を介して供給される
作動油の油圧に応じて往復動しうるスレーブピストン1
3bが設けられている。さらに、スレーブピストン13
bに下方には、このスレーブピストン13bと排気弁4
と当接してスレーブピストン13bからの駆動力を排気
弁4に伝達する作動ロッド17が設けられている。これ
により、排気弁4をスレーブピストン13bの駆動に応
じてロッカアーム10とは独立して駆動できるようにな
っている。
【0009】さらに、この油路11の他方の端部側(図
中右側)には、逆止弁(コントロールバルブ)14と電
磁弁(ソレノイドバルブ)15とが設けられており、電
磁弁15には制御手段としてのECU16に接続されて
いる。また、この電磁弁15の先方には、所定圧の作動
油を供給しうる作動油供給部(図示省略)が設けられて
いる。なお、電磁弁15が作動して油路11内に高圧作
動油が供給されると、スレーブピストン13bには所定
圧の作動油が作用することになるが、この作動油圧は、
この所定油圧のみではスレーブピストン13bを押し下
げることはできないような圧力に設定されている。
【0010】従来の4弁式圧縮圧開放式エンジン補助ブ
レーキは上述のように構成されているので、これを作動
させるときは、ECU16からの制御信号により電磁弁
15をオンにして、作動油を作動油供給部から各油路1
1に供給する。このとき、作動油は上述の逆止弁を介し
て油路11内に供給されるので、油路11内は所定圧状
態に保たれる。
【0011】一方、第1油室12aでは、排気側プッシ
ュロッド8によりマスタピストン12bが往復駆動され
て油圧が発生する。そして、このマスタピストン12b
の作動により作動油供給部から供給された作動油が高圧
に加圧され、第2油室13aのスレーブピストン13b
に作用する。スレーブピストン13bは、この油圧に応
じて(即ち、マスタピストン12bの往復動に応じて)
スレーブピストン13b及び作動ロッド17が駆動され
る。これにより、スレーブピストン13b及び作動ロッ
ド17の作動に応じて、排気弁4がロッカアーム10に
よる開閉タイミングとは異なるタイミングで開閉駆動さ
れるようになる。
【0012】ここで、圧縮圧開放式エンジン補助ブレー
キが作動している場合の各気筒の排気弁4の開閉タイミ
ングについて説明すると、第1気筒の吸気弁は通常時と
同様にピストン21が下死点を通過した直後に閉じられ
て圧縮行程を開始する。この後、圧縮行程から膨張行程
からへの移行時(即ち、第1気筒のピストン21が上死
点を過ぎた直後)に、第1気筒のスレーブピストン13
bが、第2気筒の排気側プッシュロッド8の作動に応じ
て駆動され、排気弁4が開駆動される。したがって、ピ
ストン21により燃焼室20で高圧状態に圧縮された空
気が排気弁4から排出される。
【0013】また、上述と同様に、他の気筒の排気弁4
も、これに対応した気筒の排気側プッシュロッド8の駆
動タイミングに応じて開閉駆動されることになる。そし
て、このように排気弁4が作動することにより、エンジ
ン1のエンジンブレーキ力が大きく向上する。ここで、
エンジンブレーキ力の作用について説明すると、図6
(a)に示すように、圧縮行程時においては吸気弁3及
び排気弁4はともに閉じられているので、この圧縮力の
反作用(力)がピストン21の作動を妨げる方向に働
き、この力は通常のエンジンブレーキ力として作用す
る。
【0014】次に、圧縮行程から膨張行程に移行すると
きには、圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキの作用によ
り、油路11で接続された他の気筒の排気側プッシュロ
ッド8の作動タイミングに応じて排気弁4が開くので、
圧縮された吸気は排気弁4を介して排気ポート4aに流
出する。したがって、圧縮行程で圧縮された吸気の反発
力はピストン21に作用しなくなり、ピストン21を押
し下げる方向に加勢する力が発生しなくなる〔図6
(b)参照〕。
【0015】さらに、圧縮空気を逃がした後、膨張行程
の後半では、排気弁4が閉じられて燃焼室20は密閉状
態になるので、ピストン21が下降する際にこれを妨げ
ようとする力が新たに作用する〔図6(c)参照〕の
である。そして、このような力,と圧縮行程でのブ
レーキ力とが連続してピストン21に作用することに
より、エンジンブレーキ能力が大幅に増大されるのであ
る。
【0016】なお、ここでは、エンジン1は燃料噴射ポ
ンプにより燃焼室20内に燃料が噴射されるディーゼル
エンジンであって、圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキ
の作動時には、燃料噴射を行なわないように制御され
る。一方、圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキの作動を
中止する場合には、まず、電磁弁15を駆動して油路1
1を遮断する(図5参照)。これにより、逆止弁14に
設けられたバルブスプリングが逆止弁を図中下側に付勢
して、作動油の供給が絶たれる。このとき、油路11内
には作動油が残留するが、この作動油の一部は、第1油
室12aとマスタピストン12bとの隙間、又は第2油
室13aとスレーブピストン13bとの隙間からリーク
して低圧状態となる。
【0017】油路11内の作動油が低圧状態となると、
マスタピストン12bは付勢手段(フラットスプリン
グ)19により上方に駆動されて排気側プッシュロッド
8から離隔された状態となる。これにより排気弁4はロ
ッカアーム10の揺動にのみ応じて駆動されるようにな
り、エンジン1は通常の運転状態となるのである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキによるエンジンブレ
ーキの制動能力を更に高めたいという要望があるが、こ
のような要望に応えるためには、圧縮圧開放式エンジン
補助ブレーキの作動による排気弁4の開閉タイミングの
最適化、及び圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキの作動
による排気弁4のリフト量の増大が必要となる。
【0019】しかしながら、従来のエンジンブレーキ装
置としての圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキでは、排
気弁4の開弁タイミングは、対応する気筒のカムのリフ
トタイミングにより決定されるため、排気弁4をエンジ
ンブレーキとして最適なタイミングで開弁させるのが困
難であるという課題がある。また、油路11内の作動油
圧は、直接マスタピストン12bを介してプッシュロッ
ド8にも作用するので、プッシュロッド8の荷重制限か
らマスタピストン12bの径が制約されてしまい、これ
により排気弁4のリフト量を増加させるのが困難である
という課題がある。
【0020】なお、公平5−5238号公報には、排
気弁をエンジンブレーキとして最適なタイミングで開弁
させるための技術が開示されているが、この技術では、
マスタピストンをカムに直接当接させて油圧を発生させ
るような構造となっているため、装置全体複雑化してし
まうことが考えられる。また、特開平2−223617
号公報には、エンジンブレーキ装置が開示されている
が、この技術は排気弁の作動タイミングを最適化するも
のではなく、効率よくエンジンブレーキを作動させるこ
とができないという課題がある。
【0021】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、排気弁の開閉タイミングの最適化するととも
に排気弁のリフト量の増大させて制動能力を大幅に向上
させた、エンジンブレーキ装置を提供することを目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のエンジンブレーキ装置は、複数の気筒を有す
るエンジンにおいて、第1気筒の排気弁を油圧によって
駆動するスレイブピストンと、該スレイブピストンに油
圧を供給する油圧供給系と、該油圧供給系に介装される
とともに、該第1気筒が圧縮行程を迎えるときに排気行
程又は吸気行程となる第2気筒における排気弁又は吸気
弁を駆動するためのプッシュロッドの上下運動に応じて
動作するマスタピストンと、該油圧供給系に設けられ、
該マスタピストンが動作すると加圧される加圧室と、該
加圧室に連通するように該油圧供給系に設けられたアキ
ュムレータとをそなえ、該油圧供給系に、該アキュムレ
ータと該スレイブピストンとを連通し途中に該マスタピ
ストンが介装される高圧油路が設けられるとともに、該
マスタピストンが該プッシュロッドに駆動されることに
より該高圧油路の断続状態を切り替える凹溝が、該マス
タピストンの外周面に形成され、該マスタピストンの駆
動により該凹溝が該高圧油路と該スレイブピストンとを
連通状態にすることにより、該マスタピストンの駆動開
始よりも所定時間遅れて該スレイブピストンの駆動が開
始されることを特徴としている。
【0023】また、請求項2記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該油
圧供給系における該アキュムレータの配設位置と該マス
タピストンの配設位置との間の高圧油路部分に、該アキ
ュムレータから該マスタピストン側への油の流出を許容
する第1の一方向弁が介装されていることを特徴として
いる。
【0024】また、請求項3記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該油
圧供給系における該加圧室の配設位置と該アキュムレー
タの配設位置との間に、該加圧室から該アキュムレータ
側への油の流出を許容する第2の一方向弁が介装されて
いることを特徴としている。また、請求項4記載の本発
明のエンジンブレーキ装置は、上記請求項1記載の構成
に加えて、該第2気筒が圧縮行程のときに吸気行程又は
排気行程となる第3気筒における吸気弁又は排気弁を駆
動するためのプッシュロッドの上下運動に応じて動作す
る第2マスタピストンと、該第2マスタピストンが動作
すると該アキュムレータを加圧する加圧通路とが設けら
れたことを特徴としている。
【0025】また、請求項5記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置は、上記請求項4記載の構成に加えて、加圧
通路における該第2マスタピストンの配設位置と該アキ
ュムレータの配設位置との間に、該第2マスタピストン
から該アキュムレータ側への油の流出を許容する第3の
一方向弁が介装されていることを特徴としている。
た、請求項6記載の本発明のエンジンブレーキ装置は、
上記請求項1記載の構成に加えて、該第1気筒に、該排
気弁とは別に第2排気弁が設けられ、両排気弁が中間部
材を介して共通のロッカアームに駆動されるように構成
されていることを特徴としている。
【0026】また、請求項7記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置は、上記請求項6記載の構成に加えて、該ス
レイブピストンと該第1気筒の排気弁との間に、作動ロ
ッドが介装されるとともに、該中間部材に対し、該作動
ロッドが摺動自在に設けられていることを特徴としてい
る。
【0027】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のエンジンブレー
キ装置では、第1気筒が圧縮行程を迎えるときに、排気
行程又は吸気行程となる第2気筒における排気弁又は吸
気弁のプッシュロッドの上下運動に応じてマスタピスト
ンが動作してこのマスタピストンの動作にともなって、
加圧室が加圧される。そして、加圧室の油圧は油圧供給
系に設けられたアキュムレータに蓄圧され、アキュムレ
ータから高圧油路に供給される。このとき、高圧油路で
は、マスタピストンの外周面に形成された凹溝よりマス
タピストンの駆動に応じて高圧油路の断続状態を切り替
えられて、スレイブピストンにより駆動される排気弁の
弁開時期が最適化される。すなわち、マスタピストンの
駆動により凹溝を介して高圧油路とスレイブピストンと
が連通状態になることにより、該マスタピストンの駆動
開始よりも所定時間遅れてスレイブピストンの駆動が開
始される。
【0028】また、上述の請求項2記載の本発明のエン
ジンブレーキ装置では、アキュムレータからマスタピス
トン側へ作動油が流出すると、第1の一方向弁の作用に
より、マスタピストン側からアキュムレータへの作動油
の逆流が防止される。また、上述の請求項3記載の本発
明のエンジンブレーキ装置では、加圧室で加圧された作
動油が、加圧室からアキュムレータへ流出すると、第2
の一方向弁の作用により、アキュムレータから加圧室へ
の作動油の逆流が防止される。
【0029】また、上述の請求項4記載の本発明のエン
ジンブレーキ装置では、油圧供給系に、第2気筒が圧縮
行程のときに吸気行程又は排気行程となる第3気筒のプ
ッシュロッドに第2マスタピストンを設け、このプッシ
ュロッドの上下運動に応じて第2マスタピストンが動作
すると、この動作に応じて加圧通路を介して作動油がア
キュムレータに供給される。
【0030】また、上述の請求項5記載の本発明のエン
ジンブレーキ装置では、第2マスタピストンからアキュ
ムレータ側へ作動油が供給されると、第3の一方向弁の
作用によりアキュムレータ側から第2マスタピストン側
への作動油の流出が防止される。また、上述の請求項6
記載の本発明のエンジンブレーキ装置では、排気弁と第
2排気弁とが中間部材を介して共通のロッカアームによ
り駆動される。
【0031】また、上述の請求項7記載の本発明のエン
ジンブレーキ装置では、作動ロッドがスレイブピストン
からの駆動力を受けて第1気筒の排気弁を駆動する。こ
のとき、作動ロッドは中間部材に対し摺動自在に作動す
る。
【0032】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のエンジンブレーキ装置について説明すると、図1はそ
の全体構成を示す模式的な断面図、図2はその要部構成
を示す模式的な断面図であって図1の一部を拡大して示
す図である。図1に示すように、4弁式エンジン1のシ
リンダヘッド2の上方には、エンジンブレーキ装置とし
ての圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキが設けられてい
る。なお、この図1においてロッカアーム10の中央の
破断線を境にしてそれぞれ左右で異なる気筒の断面図を
示しており、破断線より左側は第2気筒、右側は第1気
筒の断面図である。
【0033】また、このエンジン1は、プッシュロッド
式のオーバヘッドバルブ(OHV)式の多気筒エンジン
であって、各シリンダの側方には、吸気弁及び排気弁4
を開閉駆動させるプッシュロッド8が配設されている。
そして、第1気筒の排気弁4と、第1気筒が圧縮行程の
ときに排気行程となる気筒(これを第2気筒という)の
排気側プッシュロッド8とが油圧供給系50の油路11
を介して接続されている。なお、第1気筒と第2気筒と
は必ずしも隣合った気筒ではない。
【0034】また、その他の気筒間においても、各気筒
の排気側プッシュロッド8と、対応する気筒の排気弁4
とが油路11を介して接続されているが、これら各排気
側プッシュロッド8と各排気弁4との接続状態は、上述
の第1気筒と第2気筒との接続関係と同様になってい
る。つまり、ある気筒(第n気筒)の排気弁4には、こ
の気筒(第n気筒)が圧縮行程のときに排気行程となる
気筒の排気側プッシュロッド8が、油路11を介して接
続されている。
【0035】また、図1に示すように、排気側プッシュ
ロッド8の上端部は、ロッカシャフト6に軸支された排
気側ロッカアーム10の端部に当接しており、一方、プ
ッシュロッド8の下端部は、クランクシャフトの回転に
応じて回転駆動されるカム(図示省略)に当接してい
る。これにより、プッシュロッド8はカムの回転駆動に
応じて上下方向に往復動しロッカアーム10を揺動させ
るようになっている。
【0036】また、シリンダヘッド2には2つの排気弁
4,4に当接し、且つこれらの排気弁4,4を同時に開
閉駆動しうるバルブブリッジ(中間部材)5が設けられ
ており、各ロッカアーム10の先端部は上記のバルブブ
リッジ5に当接している。したがって、上記ロッカアー
ム10が揺動すると排気弁4,4が同時に開閉駆動され
るようになっている。
【0037】さて、上述したように、各気筒の排気側の
プッシュロッド8とこれに対応する気筒の排気弁4とは
油路11を介して接続されているが、図示するように、
油路11のプッシュロッド8側の端部には第1油室12
a(図2参照)が形成されており、この第1油室12a
にはプッシュロッド8に当接して第1油室12a内を往
復動しうるマスタピストン12bが嵌挿されている。
【0038】また、図2に示すように、油路11には初
期油圧供給路11aと開口部11bとが形成されてお
り、初期油圧供給路11aと開口部11bとは、それぞ
れ第1油室12aに接続している。また、各気筒の一方
の排気弁4の上部の油路11内には、第2油室13aが
形成されており、この第2油室13aには、上記油路1
1を介して供給される作動油の油圧に応じて往復動しう
るスレーブピストン13bが設けられている。
【0039】さらに、このスレーブピストン13bの下
方には、バルブブリッジ5に対して自在に摺動しうる作
動ピストン17が設けられており、上記の排気弁4はス
レーブピストン13b及び作動ロッド17の作動により
ロッカアーム10に対し独立して駆動されるようになっ
ている。また、この油圧供給系50には上述以外にも、
加圧室31,アキュムレータ32,第1〜3逆止弁33
〜35等が設けられている。加圧室31は、第1油室1
2aの上方に形成されており、マスタピストン12bの
作動に応じて、加圧室31内の作動油が加圧されるよう
になっいる。
【0040】加圧室31は、第1逆止弁(第の一方向
弁)33を介してアキュムレータ32に接続されてお
り、この加圧室31で加圧された作動油は、アキュムレ
ータ32に蓄圧されるようになっている。また、アキュ
ムレータ32内に蓄圧された作動油は、第1逆止弁33
により加圧室31への逆流が防止されるようになってい
る。
【0041】また、図1に示すように、アキュムレータ
32と第1油室12aとは第2逆止弁(第の一方向
弁)34を介して油路36により接続されており、この
油路36は、上述の油路11とにより高圧油路37を構
成している。そして、第2逆止弁34の作用により、ア
キュムレータ32から第1油室12aへの作動油の流れ
のみが許容されるようになっている。
【0042】一方、マスタピストン12bの外周面に
は、図1,図2に示すように、凹溝38が形成されてい
る。この凹溝38はマスタピストン12bがプッシュロ
ッド8に駆動されることにより高圧油路37の断続状態
(即ち、油路36と油路11との連通状態)を切り替え
るものであって、これについては後で詳述する。さら
に、図1に示すように、この油圧供給系50において、
第2気筒が圧縮行程のときに吸気行程となる気筒(以
下、この気筒を第3気筒という)の吸気側プッシュロッ
ド7の上方には、油圧室41が形成されており、この油
圧室41内にはプッシュロッド7上下運動に応じて駆動
される第2マスタピストン40が嵌挿されている。
【0043】油圧室41とアキュムレータ32とは第3
逆止弁(第3の一方向弁)35を介して、加圧通路39
により接続されており、これにより第2マスタピストン
40の作動にともなって作動油が加圧されると、この作
動油圧は、アキュムレータ32に蓄圧されるようになっ
ている。また、この油圧供給系50には、逆止弁(コン
トロールバルブ)14a,14bと電磁弁(ソレノイド
バルブ)15とが設けられており、コントロールバルブ
14aと加圧室31とが油路43により接続され、コン
トロールバルブ14bと第3逆止弁35とが油路44に
より接続されている。
【0044】電磁弁15には制御手段としてのECU1
6に接続されており、電磁弁15はECU16の作動指
令によりオンオフ制御されるようになっている。この電
磁弁15の先方には、所定圧の作動油を供給しうる作動
油供給部(図示省略)が設けられており、ECU16の
指令信号により電磁弁15がオンに制御されると、コン
トロールバルブ14a,14bを介して油路43,44
には所定圧の作動油が供給されるようになっている。
【0045】この場合は、第2気筒のプッシュロッド8
の作動や第3気筒のプッシュロッド7の作動に応じてア
キュムレータ32内に高圧の作動油が蓄圧されるように
なっており、アキュムレータ32内の圧力が所定圧以上
になると、作動油は第2逆止弁34を介して高圧油路3
7の油路36に供給されるようになっている。ところ
で、高圧油路37としての油路36と油路11の開口部
11bとは、図2に示すように、第1油室12aにおい
てマスタピストン12bの摺動方向に沿って所定量の段
差(オフセット)を設けて接続されており、マスタピス
トン12bに形成された凹溝38は、これらの油路36
及び油路11を所定のタイミングで連通させるように寸
法で形成されている。
【0046】すなわち、マスタピストン12bの凹溝3
8が油路36と連通しないような比較的下方の位置にあ
るときは、高圧油路37は遮断状態になっており、油路
11には高圧作動油が供給されないようになっている。
一方、マスタピストン12bが、プッシュロッド8の作
動にともなって所定位置まで上方に駆動されて、凹溝3
8が油路36と連通すると、油路36内の高圧作動油が
油路11に供給されるようになっており、これにより、
油路11への作動油の供給がマスタピストン12bの作
動に対して所定時間だけ遅れるようになっている。した
がって、スレーブピストン13bはマスタピストン12
bの作動よりも所定時間遅れて駆動されるようになって
いる。
【0047】これに対して、従来の圧縮圧開放式エンジ
ン補助ブレーキの場合は、排気弁4は他の気筒の排気側
(又は吸気側)のプッシュロッド8の作動とほぼ同時の
タイミングで開駆動されるために、機構的に、排気弁4
が最適な弁開タイミングよりも早く開駆動されていた
が、本装置では、これを是正するべく、油路11への作
動油供給タイミングを所定時間遅らせているのである。
【0048】ここで、上述の所定時間の遅れ(位相遅
れ)は、排気弁4をエンジンブレーキとして作動させる
のに最適なタイミングで開駆動するような位相遅れであ
り、これにより第1気筒内の吸入圧縮空気が効率よく排
出されるようになっている。なお、図2に示すように、
マスタピストン12bには、切り欠き部42が形成され
ている。これは、電磁弁15がオンに制御されて作動油
供給部から所定油圧の作動油が油路43に供給されたと
きに、初期油圧(パイロット油圧)を油路11内に供給
するためのものであり、パイロット油圧は、この切り欠
き部42から初期油圧供給路11aを通って油路11内
に供給されるようになっている。これにより、圧縮圧開
放式エンジン補助ブレーキの作動時に、油路11内を速
やかに所定のパイロット油圧にすることができるので、
圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキの作動遅れがなくす
ことができるようになっている。
【0049】本発明の一実施例としてのエンジンブレー
キ装置は上述のように構成されているので、エンジンブ
レーキ装置としての圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキ
を作動させるときは、ECU16からの制御信号により
電磁弁15をオンにして、所定圧の作動油を作動油供給
部から各油路43,44に供給する。このとき、作動油
は上述の切り欠き部42を介して油路11内に供給され
るので、油路11内は速やかに所定の初期油圧(パイロ
ット油圧)になる。
【0050】一方、加圧室31では、第2気筒の排気側
プッシュロッド8によりマスタピストン12bが往復駆
動されて油圧が発生するとともに、油圧室41では、第
3気筒の吸気側プッシュロッド7により第2マスタピス
トン40が往復駆動されて油圧が発生する。そして、こ
の加圧室31で発生した油圧は、第1逆止弁33を介し
てアキュムレータ32に蓄圧され、油圧室41で発生し
た油圧は、第1逆止弁35及び油路39を介してアキュ
ムレータ32に蓄圧される。
【0051】アキュムレータ32に蓄圧された作動油
は、所定の油圧まで高められると第2逆止弁34を介し
て高圧油路37としての油路36に供給されるが、この
ときマスタピストン12bが所定位置まで駆動されるま
では油路36と油路11とは連通されないので、プッシ
ュロッド8の作動に対して所定の位相遅れを伴って油路
11に高圧作動油が供給されるようになる。
【0052】これにより、スレーブピストン13b及び
作動ロッド17は、第2気筒のプッシュロッド8の作動
(即ちマスタピストン12bの作動)に対して所定のタ
イミングだけ遅れて駆動され、第1気筒の排気弁4が、
圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキとして最適なタイミ
ングで開駆動されるようになるのである。ここで、圧縮
圧開放式エンジン補助ブレーキが作動している場合の第
1気筒の排気弁4の開閉タイミングについて説明する
と、第1気筒の吸気弁は通常時と同様にピストン21が
下死点を通過した直後に閉じられて圧縮行程を開始す
る。この後、圧縮行程から膨張行程からへの移行時であ
って、シリンダ内の圧縮空気が最大圧力になった時(即
ちエンジンブレーキ作動における最適な弁開タイミン
グ)に、第1気筒の排気弁4が開駆動される。したがっ
て、ピストン21により燃焼室20で高圧状態に圧縮さ
れた空気が、効率良く排気弁4から排出される。
【0053】また、上述と同様に、他の気筒の排気弁4
も、これに対応した気筒の排気側プッシュロッド8の駆
動タイミングに対して所定時間だけ遅れて、エンジンブ
レーキとして最適な弁開タイミングで開駆動されること
になる。そして、このように排気弁4が作動することに
より、このエンジン1のエンジンブレーキ力が大きく向
上するのである。
【0054】また、本装置では、第2気筒の排気側プッ
シュロッド8と、この第2気筒が排気行程のときに吸気
行程となる第3気筒の吸気側プッシュロッド7との2箇
所のプッシュロッド8,7の作動により作動油が加圧さ
れるので、油路11内に供給される作動油を高圧にする
ことができ、圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキ作動時
の排気弁4のバルブリフト量を大きくすることができ
る。したがって、さらに効率よくシリンダ内の圧縮空気
を排出できるという利点もある。
【0055】また、本装置では、マスタピストン12b
に切り欠き部42を形成して、油路43と初期油圧供給
路11aとを連通させているので、圧縮圧開放式エンジ
ン補助ブレーキの作動には、作動油供給部からの作動油
を速やかに油路11に供給できるので、エンジンブレー
キの作動遅れがないという利点がある。なお、上述で
は、エンジン1は燃料噴射ポンプにより燃焼室20内に
燃料が噴射されるディーゼルエンジンであって、エンジ
ンブレーキ装置としての圧縮圧開放式エンジン補助ブレ
ーキの作動時には、燃料噴射を行なわないように制御さ
れる。
【0056】一方、圧縮圧開放式エンジン補助ブレーキ
の作動を中止する場合には、まず、電磁弁15をオフに
して作動油供給部からの作動油供給を中止する。これに
より、作動油供給系50には、高圧作動油が残留する
が、この作動油の一部は、第1油室12aとマスタピス
トン12bとの隙間、又は第2油室13aとスレーブピ
ストン13bとの隙間等からリークして低圧状態とな
る。
【0057】油路11内の作動油が低圧状態となると、
マスタピストン12bは図示しない付勢手段により上方
に駆動されて排気側プッシュロッド8から離隔された状
態となる。これにより排気弁4はロッカアーム10の揺
動にのみ応じて駆動されるようになり、エンジン1は通
常の運転状態となるのである。なお、上述の実施例で
は、第2気筒のプッシュロッドとして排気側のプッシュ
ロッド8を用いて構成した例を説明したが、第1気筒が
圧縮行程を迎えるときに吸気行程となるような気筒をあ
らたに第2気筒として、この第2気筒の吸気側プッシュ
ロッド7を用いてマスタピストン12bを駆動するよう
にしてもよい。また、同様に、この第2気筒が吸気行程
のときに排気行程となる気筒をあらたに第3気筒とし
て、この第3気筒の排気側プッシュロッド8により第2
マスタピストン40を駆動するようにしてもよい。
【0058】また、ピストン12bには、油路36と油
路11との連通タイミングを変更するための手段を設け
て、エンジンブレーキの制動効率を可変化してもよい。
例えば、ピストン12bの下部にピニオンギアを形成す
るとともに、これに噛合するラックを設け、このラック
位置を制御することによりピストン12bを回転させ
て、油路36と油路11との連通タイミングを変更する
ようにすることが考えられる。
【0059】また、上述の各実施例では、OHV型のエ
ンジンに適用した場合についてのみ説明したが、本装置
はOHV型エンジンにのみ適用できるものではなく、例
えばOHC型のエンジンにも適用することができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のエンジンブレーキ装置によれば、複数の気筒を有
するエンジンにおいて、第1気筒の排気弁を油圧によっ
て駆動するスレイブピストンと、該スレイブピストンに
油圧を供給する油圧供給系と、該油圧供給系に介装され
るとともに、該第1気筒が圧縮行程を迎えるときに排気
行程又は吸気行程となる第2気筒における排気弁又は吸
気弁を駆動するためのプッシュロッドの上下運動に応じ
て動作するマスタピストンと、該油圧供給系に設けら
れ、該マスタピストンが動作すると加圧される加圧室
と、該加圧室に連通するように該油圧供給系に設けられ
たアキュムレータとをそなえ、該油圧供給系に、該アキ
ュムレータと該スレイブピストンとを連通し途中に該マ
スタピストンが介装される高圧油路が設けられるととも
に、該マスタピストンが該プッシュロッドに駆動される
ことにより該高圧油路の断続状態を切り替える凹溝が、
該マスタピストンの外周面に形成され、該マスタピスト
ンの駆動により該凹溝が該高圧油路と該スレイブピスト
ンとを連通状態にすることにより、該マスタピストンの
駆動開始よりも所定時間遅れて該スレイブピストンの駆
動が開始されるという構成により、エンジンブレーキ装
置の作動時に、最適なタイミングで吸入圧縮空気を排出
することができ、制動能力を大幅に向上させることがで
きるという利点がある。
【0061】また、請求項2記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該油圧供給系における該アキュムレータの配設位置
と該マスタピストンの配設位置との間の高圧油路部分
に、該アキュムレータから該マスタピストン側への油の
流出を許容する第1の一方向弁が介装されるという構成
により、マスタピストン側からアキュムレータへの作動
油の逆流が防止され、確実に本装置を作動させることが
できる。
【0062】また、請求項3記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該油圧供給系における該加圧室の配設位置と該アキ
ュムレータの配設位置との間に、該加圧室から該アキュ
ムレータ側への油の流出を許容する第2の一方向弁が介
装されるという構成により、アキュムレータ側から加圧
室への作動油の逆流が防止され、やはり確実に本装置を
作動させることができる利点がある。
【0063】また、請求項4記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該第2気筒が圧縮行程のときに吸気行程又は排気行
程となる第3気筒における吸気弁又は排気弁を駆動する
ためのプッシュロッドの上下運動に応じて動作する第2
マスタピストンと、該第2マスタピストンが動作すると
該アキュムレータを加圧する加圧通路とが設けられると
いう構成により、高圧油を発生させることができ、排気
弁のバルブリフト量を大きくすることができる。これに
より、本装置作動時に、大量の吸入圧縮空気を排出する
ことができ、制動能力を大幅に向上させることができる
という利点がある。
【0064】また、請求項5記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置によれば、上記請求項4記載の構成に加え
て、該加圧通路における該第2マスタピストンの配設位
置と該アキュムレータの配設位置との間に、該第2マス
タピストンから該アキュムレータ側への油の流出を許容
する第3の一方向弁が介装されるという構成により、
キュムレータ側から第2マスタピストンへの作動油の逆
流が防止され、やはり確実に本装置を作動させることが
できる利点がある。
【0065】また、請求項6記載の本発明のエンジンブ
レーキ装置によれば、上記請求項1記載の構成に加え
て、該第1気筒に、該排気弁とは別に第2排気弁が設け
られ、両排気弁が中間部材を介して共通のロッカアーム
に駆動されるように構成されることにより、エンジンの
排気効率を向上させることができる。また、請求項7記
載の本発明のエンジンブレーキ装置によれば、上記請求
項6記載の構成に加えて、該スレイブピストンと該第1
気筒の排気弁との間に、作動ロッドが介装されるととも
に、該中間部材に対し、該作動ロッドが摺動自在に設け
られるという構成により、作動ロッドは中間部材に対し
て独立して排気弁を作動させることができる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてエンジンブレーキ装置
における全体構成を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施例としてエンジンブレーキ装置
における要部構成を示す模式的な断面図であって図1の
一部を拡大して示す図である。
【図3】従来のエンジンブレーキ装置としての4弁式圧
縮圧開放式エンジン補助ブレーキの構成を模式的に示す
全体構成図である。
【図4】従来のエンジンブレーキ装置としての4弁式圧
縮圧開放式エンジン補助ブレーキの要部構成を示す模式
的な断面図である。
【図5】従来のエンジンブレーキ装置としての4弁式圧
縮圧開放式エンジン補助ブレーキの要部構成を示す模式
的な断面図である。
【図6】従来のエンジンブレーキ装置としての4弁式圧
縮圧開放式エンジン補助ブレーキの作用を説明するため
の燃焼室の模式的断面図であって、(a)〜(c)はと
もにその作用について説明するための模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 シリンダヘッド 3 吸気弁 3a 吸気ポート 4 排気弁 4a 排気ポート 5 中間部材としてのバルブブリッジ 6 ロッカシャフト 7 排気側プッシュロッド 8 吸気側プッシュロッド 9 吸気側ロッカアーム 10 排気側ロッカアーム 11,36、43,44 油路 11a 初期油圧供給路 11b 開口部 12a 第1油室 12b マスタピストン 13a 第2油室 13b スレーブピストン 14,14a,14b 逆止弁(コントロールバルブ) 15 切換手段としての電磁弁(ソレノイドバルブ) 16 制御手段としてのECU 17 作動ロッド 18 運転状態検出手段 19 付勢手段(フラットスプリング) 20 燃焼室 21 ピストン 30 連動機構 31 加圧室 32 アキュムレータ 33 第1逆止弁(第の一方向弁) 34 第2逆止弁(第の一方向弁) 35 第3逆止弁(第3の一方向弁) 37 高圧油路 38 凹溝 39 加圧通路 40 第2マスタピストン 41 油圧室 42 切り欠き部 50 作動油供給系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/06 F02D 13/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の気筒を有するエンジンにおいて、 第1気筒の排気弁を油圧によって駆動するスレイブピス
    トンと、 該スレイブピストンに油圧を供給する油圧供給系と、 該油圧供給系に介装されるとともに、該第1気筒が圧縮
    行程を迎えるときに排気行程又は吸気行程となる第2気
    筒における排気弁又は吸気弁を駆動するためのプッシュ
    ロッドの上下運動に応じて動作するマスタピストンと、 該油圧供給系に設けられ、該マスタピストンが動作する
    と加圧される加圧室と、 該加圧室に連通するように該油圧供給系に設けられたア
    キュムレータとをそなえ、 該油圧供給系に、該アキュムレータと該スレイブピスト
    ンとを連通し途中に該マスタピストンが介装される高圧
    油路が設けられるとともに、 該マスタピストンが該プッシュロッドに駆動されること
    により該高圧油路の断続状態を切り替える凹溝が、該マ
    スタピストンの外周面に形成され、該マスタピストンの
    駆動により該凹溝が該高圧油路と該スレイブピストンと
    を連通状態にすることにより、該マスタピストンの駆動
    開始よりも所定時間遅れて該スレイブピストンの駆動が
    開始されることを特徴とする、エンジンブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 該油圧供給系における該アキュムレータ
    の配設位置と該マスタピストンの配設位置との間の高圧
    油路部分に、該アキュムレータから該マスタピストン側
    への油の流出を許容する第1の一方向弁が介装されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のエンジンブレーキ装
    置。
  3. 【請求項3】 該油圧供給系における該加圧室の配設位
    置と該アキュムレータの配設位置との間に、該加圧室か
    ら該アキュムレータ側への油の流出を許容する第2の一
    方向弁が介装されていることを特徴とする請求項1記載
    のエンジンブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 該油圧供給系に、 該第2気筒が圧縮行程のときに吸気行程又は排気行程と
    なる第3気筒における吸気弁又は排気弁を駆動するため
    のプッシュロッドの上下運動に応じて動作する第2マス
    タピストンと、 該第2マスタピストンが動作すると該アキュムレータを
    加圧する加圧通路とが設けられたことを特徴とする請求
    項1記載のエンジンブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 該加圧通路における該第2マスタピスト
    ンの配設位置と該アキュムレータの配設位置との間に、
    該第2マスタピストンから該アキュムレータ側への油の
    流出を許容する第3の一方向弁が介装されていることを
    特徴とする請求項4記載のエンジンブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 該第1気筒に、該排気弁とは別に第2排
    気弁が設けられ、両排気弁が中間部材を介して共通のロ
    ッカアームに駆動されるように構成されていることを特
    徴とする請求項1記載のエンジンブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 該スレイブピストンと該第1気筒の排気
    弁との間に、作動ロッドが介装されるとともに、該中間
    部材に対し、該作動ロッドが摺動自在に設けられている
    ことを特徴とする請求項6記載のエンジンブレーキ装
    置。
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