JP3227088B2 - 調整型丁番 - Google Patents

調整型丁番

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JP3227088B2
JP3227088B2 JP06542196A JP6542196A JP3227088B2 JP 3227088 B2 JP3227088 B2 JP 3227088B2 JP 06542196 A JP06542196 A JP 06542196A JP 6542196 A JP6542196 A JP 6542196A JP 3227088 B2 JP3227088 B2 JP 3227088B2
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信夫 高田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は扉や開閉カバー等に
取り付けられる調整型丁番に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば開口部の扉に用いられる従来の丁
番は、これを扉枠と扉に取り付けた状態では、位置調整
のできないものが一般的であった。しかし、丁番を扉及
び扉枠にそれぞれ別個に精度良く取り付けても、扉や枠
の変形等により、実際に扉枠に扉を取り付けると、開口
に対する扉の隙間が不均等になったり扉が傾斜してい
て、扉の取付状態が適当でない場合が多い。従って、丁
番を介して扉を扉枠に取り付けた後にも、扉枠と扉との
隙間や扉の傾斜を調整できることが望ましい。
【0003】又、特にアルミサッシの普及に伴い、丁番
に対する施工業者の要請として、第1に、既に建物に取
り付けられた扉枠に対して、後から運び込んだ扉を一人
でワンタッチで取り付けられること、第2に、取り付け
られた枠の歪み、変形等に対応して、丁番によって扉の
三次元位置及び傾きを任意に調整できること、第3に、
このような調整が、扉を枠に嵌め込んで閉め切った状態
において、扉と枠との隙間や嵌まり具合が適切かどうか
を目視確認しながらできること、そして第4に、調整を
行っても、丁番の心ずれ等によって扉の旋回トルクが変
化しないこと、等が掲げられている。
【0004】調整可能な丁番としては、丁番の取付板に
調整機構を設けたものが知られている。しかしながら、
このような構造の丁番では、例えば扉の上下に調整型丁
番を取り付けて隙間調整をすると、上下でそれぞれの丁
番の心軸の軸心が一致しなくなるため、心軸にこじれに
よる不均等な外力がかかり、扉の開閉が重くなったり異
常音を発生させるなど、上記のような丁番に対する要請
を殆ど満たすことができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、取り付けられる物体間の円滑な
回転が阻害されたり異常音を発生することなく、取り付
けや取り付け後の位置調整の容易な調整型丁番を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、回転軸の回りに相対的
に回転される物体間に取り付けられる第1本体部及び第
2本体部を備えた調整型丁番において、揺動部材と第1
ネジ部材と第2ネジ部材とを備え、前記第1本体部は空
洞部を備え、前記揺動部材は、前記回転軸の方向にほぼ
直角の方向に切られていて前記第1ネジ部材が螺合する
ように形成された第1ネジ穴と、該第1ネジ穴から前記
回転軸の方向の離れた位置において前記回転軸の方向に
ほぼ直角の方向であって且つ前記第1ネジ穴と直角の方
向に切られていて前記第2ネジ部材が螺合するように形
成された第2ネジ穴と、一端側に前記第2本体部との間
で球面状接触関係を形成するための接触部とを備え、
記第1ネジ部材が回されると前記第2ネジ部材を中心と
して回転し前記第2ネジ部材が回されると前記第1ネジ
部材を中心として回転するように揺動が可能なように形
成されていて、前記空洞部内において前記揺動の中心位
置にあるときにほぼ前記回転軸の方向に延設され且つ前
記回転軸方向の前記一端側の反対側への動きを規制され
ていて、前記第1ネジ部材は前記第1ネジ穴と螺合し
記第1本体部に回転自在に且つ前記揺動部材の前記揺動
に伴う揺動自在なように支持されていて、前記第2ネ
ジ部材は前記第2ネジ穴と螺合し前記第1本体部に回転
自在に且つ前記揺動部材の前記揺動に伴う揺動自在
ように支持されている、ことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、上記に加えて、前記第
2本体部は該第2本体部との間で前記回転軸方向の位置
調整の可能な調整部材を介して前記接触部と接触関係を
形成していることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明を適用した
調整型丁番の構造例を示す。本例の調整型丁番は扉に取
り付けられる場合を示しており、そのうち図1は下部の
もので図2は上部のものである。調整型丁番は、図4に
示す回転軸33b回りに相対的に回転される物体の一例
として扉枠100及び扉200間に取り付けられる第1
本体部及び第2本体部としての枠側本体1及び扉側本体
2、揺動部材3、第1ネジ部材としてのX方向調整ネジ
4、第2ネジ部材としてのY方向調整ネジ5等を備えて
いる。枠側本体1及び扉側本体2は、本例では、これら
の一端側の軸部に圧入されているそれぞれの羽根11及
び21を介して扉枠100及び扉200に取り付けられ
ている。但し、羽根と本体とは一体として形成されてい
てもよい。これらの羽根は、取付け穴11a、21aに
よってビス等で枠及び扉に固定される。
【0009】揺動部材3は、枠側本体1の空洞部12内
において揺動の中心位置にあるときにはほぼ回転軸の方
向である枠側本体1の中心軸1aの方向に延設されてい
て、これにほぼ直角の方向である図示のX方向に切られ
た第1ネジ穴31と、これから中心軸1aの方向に距離
s(図3に示す)だけ離れた位置において中心軸1aの
方向にほぼ直角の方向であって且つ第1ネジ穴31と直
角の方向である図示のY方向に切られた第2ネジ穴32
と、中心軸1aの方向の一端側に扉側本体2との間で球
面状接触関係を形成するための接触部としての球体部3
3とを備えている。なお図示の例では、揺動部材3の穴
の両側にザグリを設け、第1、第2ネジ穴31、32の
長さを短くしているが、このようなザグリはなくてもよ
い。
【0010】X、Y方向調整ネジ4、5は、枠側本体1
に回転自在に支持されていて、それぞれ前記第1、第2
ネジ穴31、32と螺合している。調整ネジ4、5は同
じ形状のものである。従って、X方向調整ネジ4で説明
すると、このネジ4は、ネジ軸41の両端に皿形の頭部
42、43を備えていて、頭部42に回転用プラス溝4
2−1が切られている。頭部43は、ネジ軸41の端を
かしめて固定されている。このような調整ネジの回転自
在な支持構造として、枠側本体1において空洞部12の
両側部分に、頭部42、43の皿面と同様な傾斜面を持
ち球面の一部分を成す長穴13が明けられている。長穴
13は、中心軸1a方向に長くネジ軸41に直角なY方
向に短くなっていて、短い側は頭部42、43の皿状面
にほぼ接触している。
【0011】本例では更に、扉側本体2内にこれと摺動
するように嵌め込まれた内部リング6と、これに接触し
本体2の軸部にねじ込まれた支持調整ネジ7とが設けら
れている。内部リング6は、球体部33と接触する穴6
1を備えている。穴61は、本例では円錐状の頂部と円
筒状の側面部とで形成されていて、それぞれの部分が線
接触に近い状態で球体部33と接触する。このような構
造によって、扉側本体2は、支持調整ネジ7及び内部リ
ング6を介して、Z方向である回転軸33b方向の位置
調整が可能なように揺動部材3の球体部33との接触関
係を形成している。従って、内部リング6及び支持調整
ネジ7は調整部材の一例を構成する。その結果、本発明
の調整型丁番は、X、Y方向調整ネジ4、5と支持調整
ネジ7とにより、X、Y、Z方向の三次元調整が可能に
なる。
【0012】なお本例では、揺動部材3側に球体部33
を設け内部リング6側に穴61を設けているが、この反
対に、揺動部材3の先端を内部リング6とは反対向きの
内部リング状に形成し、支持調整ネジ7の先端を球体部
分にするような構造にしてもよい。
【0013】符号8は支持球である。本発明の調整丁番
を扉等の上下に取り付けるときには、下丁番の扉側本体
2から球状体33を介して枠側本体1でその荷重を受け
るが、支持球8が球状体33の揺動を許容するように荷
重の伝達を仲介する。又、このように揺動部材3の回転
軸方向の一方側(図1では下側)を支持することによ
り、調整ネジ4、5の揺動中心位置が支持され、調整ネ
ジ4、5が長穴の下側に落ち込むことなくその揺動が案
内される。又、図1(b)に二点鎖線で示す如く、必要
により、調整ネジ4、5部分が開口していて回転できる
カバー9を取り付けるようにしてもよい。
【0014】上部の調整型丁番も、下部のものと同様の
構造であるが、図2に示すように、取付状態では本体
1、2の上下関係が反対になると共に、内部リングの構
造が異なっている。内部リング6´は、図1の内部リン
グ6と同様に一方側に球体部33と接触する穴61´を
備えていると共に、反対方向にバネ10用の穴62´を
備え、更に、他方側に本体2から突出したつまみ63´
を備えている。バネ10は、扉側本体2と内部リング6
´間に挿入され、内部リング6´を球状体33の方向に
付勢している。符号6´−1は回り止めピンである。
【0015】図3は下丁番の枠側本体1の空洞部12及
び揺動部材3部分を拡大した状態を示す。上丁番では図
示の球状体33が下方に向く状態になる。同図(a)
は、図1の(a)と同じ方向から見た図である。X方向
調整ネジ4を回転させると、そのネジ軸41と揺動部材
3の第1ネジ穴31との螺合により、揺動部材3の下部
がネジ軸41に沿って動くが、このときには、Y方向調
整ネジ5のネジ軸51がこの動きの支点になると共に、
X方向調整ネジ4の両端の頭部42、43が本体1の長
穴13の短辺側の両側面で支持されることにより、調整
ネジ4が軸方向に動くことなく揺動部材3の下部を動か
すことができる。そして、ネジ軸51を支点として揺動
部材3が動くため、調整ネジ4は揺動部材3と直角の方
向に揺動してその姿勢を変えるが、この動きは、上記の
ように長穴13の短辺側で案内されると共に、長穴13
の長辺側の寸法余裕によって許容される。又、揺動部材
3の下端が支持球8で揺動自在に支持されることによ
り、調整ネジ4、5及びこれに螺合している揺動部材3
の下方への落ち込みが防止されると共に、調整ネジ4、
5の揺動が球面状に形成された長穴面で良好に案内され
る。
【0016】このような揺動部材3の動きによって、目
的とする球状体33のX方向変位が得られる。図示の例
では、揺動部材3が最大角度α揺動したときに、最大変
位dが得られている。このとき、調整ネジ4も同じ角度
αだけ揺動する。この最大変位dは、揺動部材3のネジ
部分31の可動量と共に、各部の関係寸法によって定ま
る。本例では、ネジ軸41、51の中心間の距離と、ネ
ジ軸51の中心と球状体33の中心間の距離とを同じ距
離sにしているで、球状体33はネジ部分31の可動量
と同じだけ動くことになる。このような構造によれば、
各部の関係寸法を変更することにより、容易に目的とす
る変位を得ることができる。
【0017】球状体33の動きによって、これと係合す
る扉側本体2を介して、扉の下側を動かせることにな
る。この動く方向は扉の幅方向(X方向)である。上丁
番も同様に調整できるので、上下を調整することによ
り、扉の幅方向の調整及び傾斜(ゆがみ)の調整ができ
ることになる。
【0018】同図(b)は、図1の(b)と同じ方向か
ら見た図である。この場合には、Y方向調整ネジ5を回
転させることにより、X方向調整ネジ4のネジ軸41が
揺動部材3の揺動支点になり、(a)の場合と同様に球
状体33を変位させることができる。これにより、Y方
向、即ち扉に向かって前後方向(出入り方向)の扉の位
置を調整できる。図示の例では、揺動部材3が最大角度
β揺動したときに、最大変位d´が得られている。この
場合の最大変位d´は、前記のような関係寸法によっ
て、揺動部材3のネジ部分31の可動量の2倍になる。
従って、Y方向の調整量はX方向の調整量のほぼ二倍に
なっている。又、(a)の場合と同様に、上丁番も下丁
番と同じ調整ができるので、上下を調整することによ
り、扉の前後方向の位置及び傾斜(倒れ)の調整ができ
ることになる。
【0019】以上のような調整型丁番は次のように取り
扱われる。上下の調整型丁番をそれぞれ単に「上」、
「下」という。上下の本体1、2の羽根11、21をそ
れぞれ図1(c)及び図2(b)に示すように枠100
及び扉200の予め定められた位置に取り付ける。この
作業は、通常扉や枠を製造する工場で行われる。図4
は、このように上下を枠100及び扉200に取り付け
た状態を簡略化して示している。図示の状態では、本体
部を介して上下の枠側に結合される揺動部材3の球状体
33の中心33aを結ぶ線33bが扉200のZ方向の
回転軸になる。この状態で、扉側と枠側の丁番を組み合
わせる。これには、先ず下の枠側の球状体33に下の扉
側の内部リング6を被せてその上に乗せる。次に、上の
内部リング6´を上の球状体33の下に持って行き、つ
まみ63´を引っ張って内部リング6´を引っ込めてこ
れを球状体33にパチンと嵌め込む。このワンタッチ操
作で扉枠への扉の仮付けが完了する。
【0020】この状態で、扉を閉めて枠と扉との間隙や
扉の傾斜を調べる。間隙が不均等であったり扉が傾斜し
ていれば、これらの関係を目視確認しながら上下のX方
向調整ネジ4及び下の支持調整ネジ7を回し、球状体3
3のX方向位置及び内部リング6と扉側本体2との関係
位置を変え、扉と枠とのX、Z方向間隔X1 、X2 、Z
1 、Z2 を調整する。このときには、カバー9が付いて
いる場合にはこれを回して、ネジ4を外部から調整でき
る位置にする。次に、図4では紙面に直角のY方向であ
る枠に対する扉の厚み方向の取り付け状態を調べ、扉面
が傾斜したり位置ずれが生じている場合には、上もしく
は下又は両方のY方向調整ネジ5を回し、球状体33の
Y方向位置を変えて調整する。
【0021】本発明の調整型丁番を用いた以上のような
扉の取り付け及び調整作業は極めて容易である。即ち、
下の内部リング6を球状体33に嵌め込む作業は、嵌合
部分がワンタッチになっていると共に、従来の丁番のよ
うに軸心を問題にすることなく、扉を適当に立てるだけ
で行えるので極めて容易であること、この挿入によって
扉の自重を支持でき、この状態で、枠側本体1の中心と
扉側本体2の中心とを一致させなくても、丁番をこじた
り変形させるおそれがないこと、扉の自重を下で支持し
た状態で、上のつまみ63´を操作して内部リング6´
を球状体33に嵌め込めるので、この作業もワンタッチ
で極めて容易であること、扉を仮付けすれば、人が全く
扉を支持することなく単にネジを回すだけで3次元の扉
位置調整ができ、その操作が容易であること、従来の丁
番のように調整機構が羽根部分に設けられていると、扉
を取り付けて閉めた状態では羽根が隠れるため調整でき
なくなるが、本発明の丁番では、調整機構が丁番の軸部
分に有るため、扉を閉め切った状態で全ての調整ネジを
操作でき、扉と枠の隙間や扉の傾斜を目視確認しつつ調
整できるので、能率良く且つ精度良く調整できること、
上下の丁番への扉の取付け及びその後の調整を一人の作
業者がワンタッチ的操作の連続で極めて容易に行えるこ
と等、種々の利点が挙げられる。
【0022】又、以上のように扉の三次元調整を行う
と、従来のように心軸を持った丁番では上下の軸心がず
れて不具合を生ずるが、本発明の丁番では、上下共球面
支持状態になっているため、調整によって枠側本体の上
下の中心軸が一致しなくなっても、このような問題は発
生しない。即ち、どのように調整しても、球状体の表面
の適当な位置と内部リングの穴面の適当な位置とが自在
に支持接触面になり、調整後の球状体の位置に関係なく
上下の球状体の中心を結ぶ線が扉の回転軸になるので、
扉の円滑な動作が確保される。従って、従来の丁番を用
いる場合のように、心づれによる丁番のこじれや、これ
による丁番の変形、回転摩擦むらやトルクの増加、不快
音の発生等の種々の不都合が全く発生しない。
【0023】図5は調整型丁番を旗丁番にした例を示
す。本発明の調整型丁番では、枠側本体1と扉本体2と
が、揺動部材の球状体と内部リングとの一点を中心とし
た球面状接触になっているので、このような三次元調整
の可能な旗丁番の製作も容易になる。
【0024】なお以上では、調整型丁番を扉と扉枠とに
取り付ける例を示したが、例えば機器類の開閉するカバ
ー部等、本調整型丁番は相対的に回転する物体間に広く
適用できるものである。
【0025】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、第1、第2本体部と揺動部材と第1、
第2ネジ部材とを設け、これらを係合させることによ
り、揺動部材を介して第2本体部の位置を平面的に調整
することができる。即ち、第1、第2ネジ部材はそれぞ
れ揺動部材の第1、第2ネジ穴に螺合し、これらは、互
いに離れた位置おいて回転軸に直角方向であって互いに
直角を成すように第1本体部に回転自在に支持されてい
るので、何れか一方のネジ部材を回転させると、それに
螺合したネジ穴が動いて揺動部材が動くが、この動きに
対しては他方のネジ部材が支点になる。従って、何れの
ネジ部材を回転させても、揺動部材を揺動させることが
できる。
【0026】揺動部材の一端側には、第2本部部との間
で支持関係を形成する接触部が設けられているで、接触
部を介して第2本体部を回転軸に直角の方向に平面的に
動かすことができる。その結果、調整型丁番が取り付け
られる物体として例えば扉枠と扉間に調整型丁番を適用
すると、扉を取り付けた状態でその平面方向の位置及び
傾斜を調整できる。この場合、第1、第2ネジ部材が揺
動部材の移動及び支点に兼用されているので、調整機構
が極めて簡素化され、調整型丁番を小形化することがで
きる。又、これらの間の距離や接触部との距離を適当に
選定することにより、揺動部材の揺動量、従って調整型
丁番の調整量を自由に設計することができる。
【0027】第1本体部に支持された可動部材は接触部
を備え、この接触部と第2本体部とが球面状接触関係に
なっているので、例えば扉のように離れた2箇所に調整
型丁番を取り付ける場合に、取り付け作業が容易になる
と共に、どのように調整しても常に2箇所の球面状接触
部の中心を結ぶ線が扉の回転軸になる。その結果、扉等
の取り付け状態が良くなり、丁番のこじれ等が発生せ
ず、回転トルクが小さいと共に回転時の異常音の発生も
防止される。更に、位置調整にネジ部材を用いるので、
特に説明書等を見なくても、調整方向や調整方法が自明
で分かり易く、現場の工事者が容易に扉等の取り付け工
事を行うことができる。又、枠側本体と扉側本体を球面
接触構造で結合するので、回転軸方向に羽根がラップし
ない旗丁番にすることも容易になる。
【0028】請求項2の発明においては、上記に加え
て、第2本体部が回転軸方向の位置調整の可能な調整部
材を介して第1本体部側の接触部と接触関係を形成する
ので、回転軸方向の位置調整も可能になる。その結果、
調整型丁番を扉等に取り付けると、その上下方向の間隔
調整も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した調整型丁番のうち扉等に取り
付けられる下部丁番の一例を示し、(a)は中心断面
図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図2】上記下部調整型丁番と組み合わされる上部丁番
の一例を示し、(a)は部分断面図で(b)は底面図で
ある。
【図3】上記調整型丁番の機能の説明図で、(a)はX
方向の調整状態で(b)はY方向の調整状態を示す。
【図4】上下の調整型丁番を枠及び扉に取り付けた状態
を示す説明図である。
【図5】調整型の旗丁番の外形を示す正面図である。
【符号の説明】
1 枠側本体(第1本体部) 2 扉側本体(第2本体部) 3 揺動部材 4 X方向調整ネジ(第1ネジ部材) 5 Y方向調整ネジ(第2ネジ部材) 6、6´ 内部リング(調整部材) 7 支持調整ネジ(調整部材) 12 空洞部 31 第1ネジ穴 32 第2ネジ穴 33 球状体(接触部) 100 扉枠(物体) 200 扉(物体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−203260(JP,A) 実開 昭59−35567(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05D 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の回りに相対的に回転される物体
    間に取り付けられる第1本体部及び第2本体部を備えた
    調整型丁番において、 揺動部材と第1ネジ部材と第2ネジ部材とを備え、 前記第1本体部は空洞部を備え、 前記揺動部材は、前記回転軸の方向にほぼ直角の方向に
    切られていて前記第1ネジ部材が螺合するように形成さ
    た第1ネジ穴と、該第1ネジ穴から前記回転軸の方向
    の離れた位置において前記回転軸の方向にほぼ直角の方
    向であって且つ前記第1ネジ穴と直角の方向に切られ
    いて前記第2ネジ部材が螺合するように形成された第2
    ネジ穴と、一端側に前記第2本体部との間で球面状接触
    関係を形成するための接触部とを備え、前記第1ネジ部
    材が回されると前記第2ネジ部材を中心として回転し前
    記第2ネジ部材が回されると前記第1ネジ部材を中心と
    して回転するように揺動が可能なように形成されてい
    て、前記空洞部内において前記揺動の中心位置にあると
    きにほぼ前記回転軸の方向に延設され且つ前記回転軸方
    向の前記一端側の反対側への動きを規制されていて、 前記第1ネジ部材は前記第1ネジ穴と螺合し前記第1本
    体部に回転自在に且つ前記揺動部材の前記揺動に伴う揺
    自在なように支持されていて、 前記第2ネジ部材は前記第2ネジ穴と螺合し前記第1本
    体部に回転自在に且つ前記揺動部材の前記揺動に伴う揺
    自在なように支持されている、 ことを特徴とする調整型丁番。
  2. 【請求項2】 前記第2本体部は該第2本体部との間で
    前記回転軸方向の位置調整の可能な調整部材を介して前
    記接触部と接触関係を形成していることを特徴とする請
    求項1に記載の調整型丁番。
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