JP3226716U - 振れ止め装置および戸板 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、揺動プレートが引き戸の端部でレールに係合しない場合であっても、引き戸の移動の過程でレールと係合することが可能な振れ止め装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明の振れ止め装置1は、台座2および揺動プレート3を有する床面側装置4と、揺動プレート3と係合するレール5とを備え、レール5は、レール5の上面5a側に磁性板51を有し、レール5の下端において一対の突設部5d、5eを有し、揺動プレート3は、磁石31と、揺動プレート3の側縁3a、3bから厚さ方向D3に突出する一対の係合部32a、32bとを有し、一対の係合部32a、32bの先端の間の長さL1が、レール5の開口OPの厚さ方向D3での幅L2よりも短い。【選択図】図4
Description
本考案は、振れ止め装置および戸板に関する。
天井などに設けられたレールに引き戸を吊り下げ、引き戸を床からわずかに離間した状態で摺動させる吊り下げ式の引き戸が使用されている。吊り下げ式引き戸では、引き戸の下端が拘束されていないため、引き戸が振れ動くのを防止する振れ止め装置が必要である。
このような振れ止め装置の一例として、特許文献1には、台座と、台座に上下方向に移動自在に取り付けられ、磁性体からなる揺動プレートであって、先端部に揺動プレートの長手方向と略垂直方向に延びる係合部が突設された揺動プレートと、揺動プレートの係合部と係合するとともに係合部を戸板の下端縁に沿って案内するレールと、戸板の下端縁で、かつレールの端部に連結された、揺動プレートの係合部をレールに係合する位置へ案内する端部ガイドと、端部ガイドに近接した位置に配置され、揺動プレートを端部ガイドへ向かって吸引する磁石とからなる振れ止め装置が記載されている。
この振れ止め装置では、戸板の下端の端部に設けられた端部ガイドに吸着された揺動プレートが、レール内へ案内されることで、揺動プレートの係合部がレールに係合し、引き戸の振れ止めがなされる。しかし、例えば、引き戸が大きく振れた状態で、戸板の端部ガイドが揺動プレートの上方に位置した場合、揺動プレートの係合部が端部ガイドに案内されず、レール内に入らない場合がある。揺動プレートの係合部がレール内に入らずにレールと係合しない場合、揺動プレートの係合部は、引き戸の移動の過程でレールと係合することができず、引き戸の振れは揺動プレートによって規制されない。したがって、引き戸の振れが規制されない状態で引き戸が開閉されたり、停止した引き戸に人が当たって引き戸が大きく振れてしまったりする可能性がある。
そこで、本考案は、揺動プレートが引き戸の端部でレールに係合しない場合であっても、引き戸の移動の過程でレールと係合し、安定して引き戸の振れを規制することが可能な振れ止め装置の提供を目的とする。
本考案の振れ止め装置は、摺動自在に吊り下げられた少なくとも1枚の戸板を備えた引き戸の振れを防止するための振れ止め装置であって、床面に取り付けられた台座、および、前記台座に対して上下方向に揺動可能に取り付けられた揺動プレートを有する床面側装置と、前記戸板の下端面において、前記戸板の移動方向に沿って取り付けられ、前記戸板の振れを規制できるように、前記揺動プレートと係合するレールとを備え、前記レールは、前記移動方向に垂直な断面において、下方に開口を有する略C字状部分を有し、前記レールの内面のうち上面側に、前記移動方向に沿って延びる、磁性板を有し、前記レールの下端において、前記戸板の厚さ方向で互いに近付くように延びるとともに、前記移動方向に沿って延びる、一対の突設部を有し、前記揺動プレートは、前記レールの前記磁性板に吸着可能な磁石と、前記揺動プレートの先端部において、前記揺動プレートの両側縁から前記戸板の厚さ方向に突出する一対の係合部とを有し、前記戸板の厚さ方向で前記一対の係合部の先端の間の長さL1が、前記一対の突設部の先端によって画定される前記レールの前記開口の、前記戸板の厚さ方向での幅L2よりも短い。
また、前記揺動プレートが、前記磁石を覆う樹脂製のカバー部材を有し、前記磁性板の前記カバー部材と当接する面に、前記カバー部材と前記磁性板との間の摺動抵抗を低減する滑材層を有していることが好ましい。
また、前記揺動プレートが、前記台座に揺動可能に設けられた金属製プレートを備え、前記カバー部材は、前記磁石が収容される凹部と、前記金属製プレートを差し込み可能であり、前記揺動プレートの基端側から先端側に向かって延びる空間とを有し、前記磁石は、前記凹部に収容された状態で、前記空間に挿入された前記金属製プレートによって前記凹部からの離脱が防止されていることが好ましい。
また、前記カバー部材は、前記戸板の下端面に対向する表面と、前記床面に対向する裏面とを有し、前記裏面は、前記金属製プレートが前記空間に差し込まれていない状態で、前記裏面側から前記凹部に磁石を収容することが可能な窓部を有していることが好ましい。
また、本発明の戸板は、床面に取り付けられた台座、および、前記台座に対して上下方向に揺動可能に取り付けられた揺動プレートを有する床面側装置の、前記揺動プレートと係合するレールを備えた戸板であって、前記揺動プレートは、磁石と、前記磁石を覆う樹脂製のカバー部材とを有し、前記レールは、前記戸板の下端面において、前記戸板の移動方向に沿って取り付けられ、前記戸板の振れを規制できるように、前記揺動プレートと係合し、前記レールは、前記移動方向に沿って延びる磁性板を有し、前記磁性板の前記カバー部材と当接する面に、前記カバー部材と前記磁性板との間の摺動抵抗を低減する滑材層を有している。
本考案の振れ止め装置によれば、揺動プレートが引き戸の端部でレールに係合しない場合であっても、引き戸の移動の過程でレールと係合し、安定して引き戸の振れを規制することができる。
以下、図面を参照し、本考案の振れ止め装置を説明する。なお、以下の実施形態はあくまで一例であり、本考案の振れ止め装置は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1および図2には、本発明の振れ止め装置1が適用される吊り下げ式の引き戸の一例が示されている。図1および図2においては、大きな部屋の間仕切りなどに用いられる、いわゆる4枚引きの引き戸が示されている。図1および図2においては、一対の柱Pの間に4枚の戸板S1〜S4が設けられているが、振れ止め装置1が適用される引き戸の構成は図示する構成に限定されない。また、戸板S1〜S4の数や、戸板S1〜S4の配列の仕方などは特に限定されない。なお、以下では、戸板S1〜S4をまとめて単に戸板Sと呼ぶ。
本実施形態の吊り下げ式引き戸では、戸板Sが部屋の天井または鴨居などに設けられたレール(図示せず)に対してローラなどを介して摺動自在に吊り下げられている。この戸板Sの下端面および床面F(図2参照)において、本実施形態の振れ止め装置1が設けられている。なお、本明細書において、戸板Sが移動する方向(図1および図2における左右方向)を、戸板Sの移動方向D1と呼ぶ。また、床面Fに対して垂直な方向(図2における上下方向)を、戸板Sの上下方向D2と呼ぶ。また、戸板Sの移動方向D1および上下方向D2の両方に垂直な方向を、戸板Sの厚さ方向D3と呼ぶ。
本実施形態の振れ止め装置1は、戸板Sを備えた引き戸の振れを防止する。引き戸の「振れ」は、戸板Sの厚さ方向D3での振れをいう。具体的には、戸板Sの下端が戸板Sの上端を支点として厚さ方向D3に振れる(下端が図1において上下に振れる)ことをいう。
図3および図4に示されるように、振れ止め装置1は、床面Fに取り付けられた台座2、および、台座2に対して上下方向D2に揺動可能に取り付けられた揺動プレート3を有する床面側装置4と、戸板Sの下端面において、戸板Sの移動方向D1に沿って取り付けられ、戸板Sの振れを規制できるように、揺動プレート3と係合するレール5とを備えている。
床面側装置4は、床面Fに取り付けられる。床面側装置4は、図1および図2に示されるように、戸板Sの移動軌跡上の所定の位置に設けられる。なお、床面側装置4の設置位置は図示する位置に限定されない。床面側装置4は、図3に示されるように、台座2および揺動プレート3を有している。
台座2は、床面側装置4を床面Fに取り付け、揺動プレート3を揺動可能に支持する部位である。台座2は、本実施形態では、図3および図4に示されるように、床面Fからの突出量を抑えるために、薄型のプレート状に形成され、周縁へ向かうにつれて厚さが薄くなる形状を呈している。したがって、台座2が床面Fに取り付けられたときに、台座2が床面Fからそれほど突出しておらず、人や台車の通行の妨げにならない。また、台座2が薄型であるため、台座2を床面Fに取り付けるときに、床面Fに穴をあけて台座2を埋設する必要がない。台座2の床面Fへの取付方法は特に限定されないが、本実施形態では、台座2はねじによって床面Fに取り付けられている。
台座2は、図3に示されるように、台座2の中央部に、揺動プレート3を収容可能な凹部21を有している。台座2は、揺動プレート3が下方に位置している場合に、揺動プレート3が台座2の上端とほぼ同様の高さに形成されていることが好ましい。また、台座2は、揺動プレート3を揺動可能に支持する軸支部22(図5参照)を有している。軸支部22は、揺動プレート3の軸部MP1が厚さ方向D3に延びる回転軸周りに回転できるように、揺動プレート3を軸支している。なお、台座2の材料は特に限定されないが、後述する揺動プレート3の磁石31に影響を与えないように、非磁性金属や合成樹脂などによって形成されることが好ましい。
揺動プレート3は、床面Fに対して揺動可能に台座2に取り付けられている。後述するように、戸板Sの下端面が揺動プレート3に上下方向D2で対向する位置に移動したときに、揺動プレート3が戸板Sの下端面に向かって上方に揺動するように構成されている(図3参照)。揺動プレート3の詳細については後述する。
レール5は、揺動プレート3と係合することによって、戸板Sの振れを規制する。レール5は、図3に示されるように、移動方向D1に沿って延びる内部に空洞を有する長尺体であり、それぞれの戸板Sの下端面に形成された溝Gに埋設されている。なお、レール5は、戸板Sの下端面に配置されていればよく、溝Gに埋設されるものに限定されない。
レール5は、本実施形態では、図2に示されるように、戸板Sの下端面のうち、移動方向D1で両端の所定領域を除いて戸板Sの移動方向D1に設けられている。しかし、レール5は、戸板Sの移動方向D1で全体に設けられていてもよい。
レール5は、図3および図4に示されるように、移動方向D1に垂直な断面において、下方に開口OPを有する略C字状部分を有している。なお、本明細書において、「略C字状」という表現は、レール5の形状について、厳密なC字形状のみをいうものではなく、レール5が、レール5の内面または外面にわずかに突出した部分や凹んだ部分を有していてもよいということを意図している。また、レール5は、略C字状部分を有していれば、略C字状部分に加えて、別の部位を有していてもよい。本実施形態では、レール5は、図3および図4に示されるように、レール5の上部側に位置する上面5aと、上面5aに対して下方に延びる一対の側面5b、5cと、後述する突設部5d、5eとを有し、上面5a、側面5b、5c、および、突設部5d、5eにより、略C字状に形成されている。なお、レール5の材料は特に限定されないが、本実施形態では、レール5(磁性板51を除いた略C字状部分)は合成樹脂によって形成されている。
レール5は、図3および図4に示されるように、レール5の内面のうち上面5a側に、移動方向D1に沿って延びる、磁性板51を有している。磁性板51は、後述する磁石31を有する揺動プレート3を上側に向かって引き付けるために設けられている。磁性板51は、鉄などの磁性材料によって構成された薄板状の部材によって構成されている。磁性板51の形状は特に限定されないが、本実施形態では、細長い矩形板状に形成されている。
磁性板51は、レール5の上面5a側において、一面が床面Fと対向するようにレール5に固定されている。本実施形態では、レール5は、図4に示されるように、一対の側面5b、5cから厚さ方向D3で内側に向かって突出する保持突起52a、52bを有し、磁性板51は、保持突起52a、52bに支持されている。磁性板51は、(上下方向D2での)厚さが、レール5の上面5aと保持突起52a、52bとの間の間隔よりも小さく、磁性板51の(厚さ方向D3での)幅が、一対の側面5b、5cの間隔よりも小さく、かつ、保持突起52a、52bの先端間の厚さ方向D3での間隔よりも大きくなるように構成されている。これにより、磁性板51をレール5の長さ方向(移動方向D1)の端部から挿入して、磁性板51をレール5に容易に取り付けることができ、磁性板51の下方への落下も抑制することができる。
また、レール5は、図3および図4に示されるように、レール5の下端において、戸板Sの厚さ方向D3で互いに近付くように延びるとともに、移動方向D1に沿って延びる、一対の突設部5d、5eを有している。突設部5d、5eは、揺動プレート3の係合部32a、32bと上下方向D2で係合して、揺動プレート3がレール5の磁性板51に吸着された位置にあるときに、衝撃など、何らかの要因によって、揺動プレート3が下方へ下りてしまうことを抑制する。
突設部5d、5eは、本実施形態では、図4に示されるように、水平に延びる上面を有している。より具体的には、突設部5d、5eは、移動方向D1に連続して延びる矩形板状に突出した部位である。突設部5d、5eの厚さ方向D3での突出量は特に限定されないが、例えば、図4に示されるように、係合部32a、32bが揺動プレート3の側縁3a、3bから突出する突出量よりも大きいことが好ましい。一対の突設部5d、5eは、厚さ方向D3に離間して設けられ、突設部5d、5eの先端の間には、開口OPが形成されている。後述するように、この開口OPから揺動プレート3の先端部がレール5の内側に入って、レール5の磁性板51と揺動プレート3の磁石31とが互いに吸着し合って、戸板Sの振れ止めがなされる。
つぎに、揺動プレート3の詳細について説明する。揺動プレート3は、図3〜図5に示されるように、レール5の磁性板51に吸着可能な磁石31と、揺動プレート3の先端部において、揺動プレート3の両側縁3a、3bから戸板Sの厚さ方向D3に突出する一対の係合部32a、32bとを有している。
揺動プレート3は、本実施形態では、回転軸が厚さ方向D3に延びるように、軸部MP1を介して台座2に取り付けられている。揺動プレート3は、揺動プレート3の回転軸に対して垂直な方向に延びている。床面側装置4は、揺動プレート3の延在方向(長手方向)が、戸板Sの移動方向D1に沿うように、床面Fに取り付けられている。
詳細は後述するが、図8(A)〜図8(C)に示されるように、揺動プレート3の上方に戸板Sの下端面が位置すると、揺動プレート3の磁石31が戸板Sのレール5に設けられた磁性板51に吸着され、揺動プレート3が上側に揺動する。これにより、揺動プレート3の側縁3a、3bが突設部5d、5eの先端と厚さ方向D3で当接可能となり、戸板Sの厚さ方向D3での振れが抑制される。
磁石31は、レール5の磁性板51に吸着されることにより、揺動プレート3を上側に引き上げる。揺動プレート3に磁石31が設けられている場合、レール5側に磁石が設けられる場合(例えば、磁性板51の位置に磁石によって構成された薄板が設けられている場合)と比較して、磁石を設ける領域を大幅に小さくすることができ、振れ止め装置1を低コストに製造することができる。磁石31は、本実施形態では、矩形板状に形成されているが、磁石31の形状や大きさは、レール5の磁性板51に吸着可能であれば、特に限定されない。
係合部32a、32bは、突設部5d、5eと係合して、揺動プレート3が磁性板51に吸着された後、下方に落下することを抑制する。本実施形態では、係合部32a、32bは揺動プレート3の側縁3a、3bから厚さ方向D3に突出している。より具体的には、揺動プレート3の側縁3a、3bのうち、揺動プレート3が磁性板51に吸着されて上側に揺動した位置にあるときに一対の突設部5d、5eの間に位置する部位に対して、係合部32a、32bは、厚さ方向D3に突出している。本実施形態では、係合部32a、32bは、略円柱状に形成されているが、係合部32a、32bの形状は、突設部5d、5eと上下方向D2で係合することができれば、特に限定されない。
揺動プレート3の構造は、磁石31および係合部32a、32bを有していれば特に限定されない。本実施形態では、揺動プレート3は、図5〜図7(C)に示されるように、二部材で構成されている。具体的には、揺動プレート3は、台座2に揺動可能に設けられた金属製プレートMPと、磁石31を覆う樹脂製のカバー部材Cとを備えている。
金属製プレートMPは、台座2に回転可能に支持された、揺動プレート3の骨格となる部分である。金属製プレートMPは、図6(A)および(B)に示されるように、台座2の軸支部22に軸支される軸部MP1と、矩形状の平板部MP2とを有している。金属製プレートMPは、剛性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば鉄等の磁性材料によって形成されることが好ましい。
カバー部材Cは、揺動プレート3の磁石31が磁性板51に吸着されたときに、磁石31が磁性板51に直接接触しないように、磁石31をカバーする樹脂製のカバーである。これにより、磁石31が磁性板51と衝突して磁石31が破損することを抑制するとともに、衝突時の異音を軽減することができる。また、本実施形態のように、揺動プレート3が、金属製プレートMPと樹脂製のカバー部材Cとを備えている場合、カバー部材Cによって、磁性板51とカバー部材Cとの間の接触時の異音を抑制し、かつ金属製プレートMPによって揺動プレート3の剛性を確保することができ、揺動プレート3の寿命を長期化することができる。
カバー部材Cは、本実施形態では、図5、図7(A)〜(C)に示されるように、磁石31が収容される凹部C1と、金属製プレートMPを差し込み可能であり、揺動プレート3の基端側(揺動プレート3の軸部MP1に近い側)から先端側(基端側の反対側)に向かって延びる空間C2を有している。空間C2は、金属製プレートMPを揺動プレート3の長手方向(移動方向D1に沿った方向)に挿入できるように、揺動プレート3の長手方向に形成されている。より具体的には、カバー部材Cは、カバー部材Cの基端側に挿入開口C21を有し、金属製プレートMPの先端を挿入開口C21に挿入することによって、組み付けが可能となっている。なお、本実施形態では、空間C2はカバー部材Cを長手方向に貫通するように形成されている。凹部C1は、図5および図7(B)に示されているように、磁性板51と対向するカバー部材Cの表面Caと金属製プレートMPとの間に形成されている。これにより、凹部C1に磁石31が配置されたときに、磁石31が外部に露出せず、かつ、磁石31は、凹部C1に収容された状態で、空間C2に挿入された金属製プレートMPによって凹部C1からの離脱が防止される。
また、本実施形態では、カバー部材Cは、図5および図7(A)〜(C)に示されるように、戸板Sの下端面に対向する表面Caと、床面Fに対向する裏面Cbとを有し、裏面Cbは、金属製プレートMPが空間C2に差し込まれていない状態で、裏面Cb側から凹部C1に磁石31を収容することが可能な窓部Cb1を有している。これにより、磁石31を窓部Cb1から揺動プレート3に容易に組み付けることができ、複数部材から構成される揺動プレート3の組み付け性を向上することができる。
次に、本実施形態の揺動プレート3の係合部32a、32bと、レール5の突設部5d、5eとの間の関係について説明する。図4に示されるように、戸板Sの厚さ方向D3で一対の係合部32a、32bの先端の間の長さL1は、一対の突設部5d、5eの先端によって画定されるレール5の開口OPの、戸板Sの厚さ方向D3での幅L2よりも短くなるように構成されている(L1<L2)。なお、長さL1と幅L2との間の差(L2−L1)は特に限定されないが、例えば、1.0〜2.0mmとすることができる。この場合、揺動プレート3が空間OP内に入りやすく、かつ、係合部32a、32bと突設部5d、5eとの間の係合が容易に解除されない。
上述したように、一対の係合部32a、32bの先端の間の長さL1が、開口OPの幅L2よりも短いことにより、例えば戸板Sが大きく振れて、戸板Sの下端面が揺動プレート3の上方に差し掛かったときに、揺動プレート3の係合部32a、32bが上方から突設部5d、5eに係合できなかった場合(図9(B)参照)であっても、戸板Sの移動の過程で、係合部32a、32bが突設部5d、5eに係合することができる。以下、この点について、図8〜図10を参照して説明する。
通常、図8(A)〜(C)に示されるように、戸板Sが厚さ方向D3に振れることなく、戸板Sの下端面が揺動プレート3の上方に差し掛かった場合は、揺動プレート3の磁石31がレール51の磁性板51に吸着される。このとき、図4に示されるように、揺動プレート3の先端が磁性板51と接触し、係合部32a、32bは、突設部5d、5eよりも上方の位置に位置している。この際に、戸板Sが振れると、図4の状態から戸板Sが左または右に移動する。このとき、戸板Sの振れとともに、突設部5d、5eの先端が揺動プレート3の側縁3aまたは3bに当接して、戸板Sの所定以上の振れが規制される。そして、人が戸板Sに接触したりして、揺動プレート3の側縁3a、3bと突設部5d、5eの先端とが当接したときの衝撃などで、揺動プレート3が下方に落下しようとするときには、係合部32a、32bの下端と突設部5d、5eの上面とが当接して、揺動プレート3の下方への落下が規制される。
一方、図9(A)および(B)に示されるように、例えば、戸板Sが厚さ方向D3で一方の方向に所定量以上振れた状態で、戸板Sの下端面が揺動プレート3の上方に差し掛かった場合、揺動プレート3の磁石31はレール5の磁性板51に向かって吸着されるが、戸板Sの移動方向D1の端部Eにおいては、レール5と揺動プレート3とが係合できないことがある。しかし、厚さ方向D3に振れた戸板Sは、戸板Sの上端を支点に振り子のように移動するので、戸板Sの移動方向D1での移動の過程で、揺動プレート3の真上に位置するタイミングがある(図4または図10(B)に示す状態)。このときに、図10(B)に二点鎖線で示されるように、揺動プレート3が開口OPを通過して、揺動プレート3の先端が磁性板51と接触する。これにより、揺動プレート3の係合部32a、32bが突設部5d、5eよりも上方に移動して、係合部32a、32bが突設部5d、5eと係合可能となる。したがって、戸板Sの端部Eにおいて、揺動プレート3がレール5に係合しない場合であっても、戸板Sの移動の過程でレールと係合して、戸板Sの振れを規制することができる。
また、上述したように、本実施形態では、揺動プレート3が、磁石31を覆う樹脂製のカバー部材Cを有している。このような樹脂製のカバー部材Cを有している場合、カバー部材Cが磁性板51と接触した状態で摺動するため、カバー部材Cが摩耗して揺動プレート3の寿命が短くなる可能性がある。そのような問題を解決するために、例えば、磁性板51のカバー部材Cと当接する面に、カバー部材Cと磁性板51との間の摺動抵抗を低減する滑材層を有していてもよい。この場合、カバー部材Cと磁性板51との間での摩擦が小さくなり、カバー部材Cの摩耗を大きく低減することができる。したがって、揺動プレート3の寿命を長くすることができる。なお、滑材層は、摩擦力を低減することができるものであれば特に限定されないが、例えば、磁性板にテフロン(登録商標)加工や潤滑塗料を焼付塗装することによって形成することができる。
1 振れ止め装置
2 台座
21 凹部
22 軸支部
3 揺動プレート
3a、3b 揺動プレートの側縁
31 磁石
32a、32b 係合部
4 床面側装置
5 レール
5a 上面
5b、5c 側面
5d、5e 突設部
51 磁性板
52a、52b 保持突起
C カバー部材
Ca カバー部材の表面
Cb カバー部材の裏面
Cb1 窓部
C1 凹部
C2 空間
C21 挿入開口
D1 戸板の移動方向
D2 戸板の上下方向
D3 戸板の厚さ方向
E 戸板の端部
F 床面
G 溝
L1 一対の係合部の先端の間の長さ
L2 レールの開口の厚さ方向での幅
MP 金属製プレート
MP1 軸部
MP2 平板部
OP 開口
P 柱
S、S1〜S4 戸板
2 台座
21 凹部
22 軸支部
3 揺動プレート
3a、3b 揺動プレートの側縁
31 磁石
32a、32b 係合部
4 床面側装置
5 レール
5a 上面
5b、5c 側面
5d、5e 突設部
51 磁性板
52a、52b 保持突起
C カバー部材
Ca カバー部材の表面
Cb カバー部材の裏面
Cb1 窓部
C1 凹部
C2 空間
C21 挿入開口
D1 戸板の移動方向
D2 戸板の上下方向
D3 戸板の厚さ方向
E 戸板の端部
F 床面
G 溝
L1 一対の係合部の先端の間の長さ
L2 レールの開口の厚さ方向での幅
MP 金属製プレート
MP1 軸部
MP2 平板部
OP 開口
P 柱
S、S1〜S4 戸板
Claims (5)
- 摺動自在に吊り下げられた少なくとも1枚の戸板を備えた引き戸の振れを防止するための振れ止め装置であって、
床面に取り付けられた台座、および、前記台座に対して上下方向に揺動可能に取り付けられた揺動プレートを有する床面側装置と、
前記戸板の下端面において、前記戸板の移動方向に沿って取り付けられ、前記戸板の振れを規制できるように、前記揺動プレートと係合するレールと
を備え、
前記レールは、
前記移動方向に垂直な断面において、下方に開口を有する略C字状部分を有し、
前記レールの内面のうち上面側に、前記移動方向に沿って延びる、磁性板を有し、
前記レールの下端において、前記戸板の厚さ方向で互いに近付くように延びるとともに、前記移動方向に沿って延びる、一対の突設部を有し、
前記揺動プレートは、
前記レールの前記磁性板に吸着可能な磁石と、
前記揺動プレートの先端部において、前記揺動プレートの両側縁から前記戸板の厚さ方向に突出する一対の係合部と
を有し、
前記戸板の厚さ方向で前記一対の係合部の先端の間の長さL1が、前記一対の突設部の先端によって画定される前記レールの前記開口の、前記戸板の厚さ方向での幅L2よりも短い、振れ止め装置。 - 前記揺動プレートが、前記磁石を覆う樹脂製のカバー部材を有し、
前記磁性板の前記カバー部材と当接する面に、前記カバー部材と前記磁性板との間の摺動抵抗を低減する滑材層を有している、請求項1に記載の振れ止め装置。 - 前記揺動プレートが、前記台座に揺動可能に設けられた金属製プレートを備え、
前記カバー部材は、前記磁石が収容される凹部と、前記金属製プレートを差し込み可能であり、前記揺動プレートの基端側から先端側に向かって延びる空間とを有し、
前記磁石は、前記凹部に収容された状態で、前記空間に挿入された前記金属製プレートによって前記凹部からの離脱が防止されている、請求項2に記載の振れ止め装置。 - 前記カバー部材は、前記戸板の下端面に対向する表面と、前記床面に対向する裏面とを有し、前記裏面は、前記金属製プレートが前記空間に差し込まれていない状態で、前記裏面側から前記凹部に磁石を収容することが可能な窓部を有している、請求項3に記載の振れ止め装置。
- 床面に取り付けられた台座、および、前記台座に対して上下方向に揺動可能に取り付けられた揺動プレートを有する床面側装置の、前記揺動プレートと係合するレールを備えた戸板であって、
前記揺動プレートは、磁石と、前記磁石を覆う樹脂製のカバー部材とを有し、
前記レールは、前記戸板の下端面において、前記戸板の移動方向に沿って取り付けられ、前記戸板の振れを規制できるように、前記揺動プレートと係合し、
前記レールは、前記移動方向に沿って延びる磁性板を有し、
前記磁性板の前記カバー部材と当接する面に、前記カバー部材と前記磁性板との間の摺動抵抗を低減する滑材層を有している、戸板。
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