JP3226050U - 防火ダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】火炎漏出を有効に防止できる防火ダンパを提供する。【解決手段】回転軸7の軸方向が長手方向となるように配設され、中央部が回転軸7に固定される羽根8〜11と、上片16aと、枠体1に固定されない下片16cとを有し、開く方向にばね力を発生するばね蝶番16と、基端部が、下片16cに固定され、先端縁が、羽根の一端部を閉じる方向に押圧し、羽根の両側部に配設され、隙間tを閉鎖する遮炎板15と、温度ヒューズとを備え、温度ヒューズは、高温時に破断しばね蝶番のばね力を開放し、羽根と遮炎板とが同時に閉鎖して隙間tからの漏炎を防止する。【選択図】図3
Description
本発明は、火災時において複数の羽根が閉じ、延焼を防止する防火ダンパに関するものである。
例えば、特許文献1(特開2018−128182号公報)に示されるように、枠体内に複数の羽根を回転自在に支持し、火災などの高温時に、これらの羽根が閉じることにより、火炎の通行を妨害し、延焼を防止する装置が知られている。
確かに、複数の羽根が閉鎖すると、一定の延焼防止効果は得られる。しかしながら、後に図を参照しながら、述べるように、この種の防火ダンパでは、複数の羽根の両脇に形成される隙間から、火炎が漏出するおそれがあった。
特開2018−128182号公報
従来技術の欠陥を修正すべく検討を重ねた結果、本考案の完成に至ったものである。即ち、本考案は、火炎漏出を有効に防止できる防火ダンパを提供することを目的とする。
第1の考案に係る防火ダンパは、枠体と、枠体に回転自在に支持される複数の回転軸と、複数の回転軸の軸方向が長手方向となるように配設され、中央部が複数の回転軸に固定される複数の羽根と、枠体に固定される一方の片と、枠体に固定されない他方の片とを有し、常時開く方向にばね力を発生するばね蝶番と、基端部が、他方の片に固定され、且つ、先端縁が、複数の羽根の一端部を複数の羽根が閉じる方向に押圧し、複数の羽根の両側部に配設され、枠体と複数の羽根の両脇との間に形成される隙間を閉鎖する遮炎板と、通常時において、ばね蝶番のばね力に抗して、複数の回転軸を中心として複数の羽根を開く方向に引き寄せることにより、複数の羽根のそれぞれの一端部が遮炎板の先端縁を押圧し、ばね蝶番を閉じるように、枠体と複数の羽根の少なくとも一つとに連結される温度ヒューズとを備え、温度ヒューズは、高温時に溶融して破断し、ばね蝶番のばね力を開放し、複数の羽根と遮炎板とが同時に閉鎖して、隙間からの漏炎を防止するように構成してある。
この構成において、通常時では、温度ヒューズは、破断しておらず、複数の羽根の少なくとも一つを枠体側に引き寄せ、複数の羽根は、開いた状態にある。その結果、遮炎板及びばね蝶番は、枠体と複数の羽根の両脇との間に形成される隙間を閉鎖している。
さて、火災が発生するなど、温度が上昇し、高温時となると、温度ヒューズが破断し、上述した釣り合いの関係が壊れる。そうなると、ばね蝶番のばね力が一気に開放され、複数の羽根が回転軸を中心として、回転し、枠体のほとんどの部分は閉鎖される。
しかも、遮炎板には、ばね蝶番の他方の片が固定されているため、遮炎板の先端縁は、常に複数の羽根の一端部と一体化されており、複数の羽根が回転し姿勢を変更するのと、同時並行して、枠体と複数の羽根の両脇との間に形成される隙間を閉鎖し続ける。その結果、従来技術のように、複数の羽根の両脇に形成される隙間から、火炎が漏出することが起こりえない。言い換えれば、火炎の通行が一切遮断され、延焼を効果的に防止することができる。
第2の考案に係る防火ダンパは、第1の考案に加え、複数の羽根の一端部と他端部とは、それぞれ逆向きにコ字状に折り曲げられ、閉鎖時に、隣接する羽根の一端部と他端部とが、噛み合うように構成されている。
この構成により、隣接する羽根の端部同士が噛み合って、羽根と羽根との間に隙間が生じず、漏炎が有効に防止される。即ち、延焼防止効果が一層高まることになる。
本考案によれば、複数の羽根の両脇に形成される隙間からの漏炎を確実に防止して、高い延焼防止効果が得られる。しかも、遮炎板の追加により、複数の羽根の回転動作が妨げられることがなく、むしろ、ばね蝶番のばね力が遮炎板を介して、複数の羽根に直接的に伝達される結果となるため、円滑な防火動作が得られる。
(実施の形態1)
以下図面を参照しながら、本考案の実施の形態を説明する。図1は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの縦断面図(通常時)、図2は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの水平断面図(通常時)、図3は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの一部拡大図、図4は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの縦断面図(火災時)、図5は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの水平断面図(火災時)である。
以下図面を参照しながら、本考案の実施の形態を説明する。図1は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの縦断面図(通常時)、図2は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの水平断面図(通常時)、図3は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの一部拡大図、図4は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの縦断面図(火災時)、図5は、本考案の実施の形態1における防火ダンパの水平断面図(火災時)である。
(通常時)
まず、図1、図2を参照しながら、通常時における状態を説明する。
枠体1は、通常躯体の開口部やダクト等に取り付けられる。通常、図1において、枠体1の左側が室外側であり、右側が室内側であるが、必要とあれば、逆に取り付けることも可能である。
まず、図1、図2を参照しながら、通常時における状態を説明する。
枠体1は、通常躯体の開口部やダクト等に取り付けられる。通常、図1において、枠体1の左側が室外側であり、右側が室内側であるが、必要とあれば、逆に取り付けることも可能である。
枠体1の上方には、上側リブ2が固定ボルト3を用いて固定されている。枠体1の下方には、下側リブ4が固定ボルト5を用いて固定されている。このように、上側リブ2及び下側リブ4は、いずれも枠体1と一体化されている。
ここで通常時には、防火ダンパとはいえども、それを介する通気を確保する必要があるが、上側リブ2と下側リブ4の間の空間が、通常の通気を確保する領域である。
本例では、この領域において、図1の紙面垂直方向を軸方向とする4本の回転軸7が、枠体1に対して回転自在に支持される。各回転軸7には、それぞれ羽根8〜11の中央部が固定される。
各羽根8〜11の一端部8a〜11a(本例では下側の端部)は、先端が室内側を向くようにコ字状に折り曲げられている。また、他端部8b〜11b(本例では上側の端部)は、先端が室外側を向くようにコ字状に折り曲げられている。これにより、後述するように、高温時に各羽根8〜11が閉じると、隣接する羽根の一端部と他端部とが互いに噛み合うようになっている。
下側リブ4の上部には、温度ヒューズ6の基端部が固定され、温度ヒューズ6の先端部は、最も下方の羽根11に固定される。
さて、図2及び図3の仮想線(二点鎖線)で示すように、通常時には、枠体1に左右一対に設けられる、ばね蝶番16は、閉じられた状態にある。ばね蝶番16は、枠体1に固定され動かない(一方の)上片16aと、枠体1に固定されない(他方の)下片16cとを有し、ばね蝶番16の軸16bには、ばね(図示せず)が内蔵されており、常時開く方向にばね力を発生する。
ばね蝶番16の下片16cには、枠体1に左右一対に設けられ、上記領域に位置し、上下方向が長手方向となる矩形の板から構成される、遮炎板15の基端部が固定される。つまり、遮炎板15と下片16cとは、一体的であり、同じように開閉動作を行う。そして、通常時には、両者は最も閉じた状態にある。
図1に示すように、通常時には、側方から見ると、遮炎板15が最も閉じているため、その厚さは、薄く見える。遮炎板15の先端縁15aは、常に、各羽根8〜11の一端縁8a〜11aを羽根8〜11が閉じる方向に押圧している。
しかしながら、通常時には、下側リブ6を介して、枠体1と一体的に固定される、温度ヒューズ6の先端部が、最も低い羽根11と連結されており、この状態では、羽根8〜11が最も開いた状態となっている。
言い換えると、温度ヒューズ6は、通常時において、ばね蝶番16のばね力に抗して、回転軸7を中心として羽根8〜11を開く方向に引き寄せており、ばね蝶番16のばね力と、温度ヒューズ6の張力とが、釣り合った状態にある。
ここで、本例では、羽根8〜11の姿勢を安定させるため、枠体1から羽根8〜11に向けて、受板1aを突設し、通常時には、羽根8〜11の他端部8b〜11bを受板1aに当接させている。しかしながら、受板1aは、省略しても差し支えない。
また、通常時では、温度ヒューズ6は、破断しておらず、羽根11を図1の下向きに引き寄せ、羽根8〜11は、開いた状態にあるが、この際、遮炎板15及びばね蝶番16の下片16cは、図3の仮想線位置において、枠体1と羽根8〜11の両脇との間に形成される隙間tを閉鎖している。
(高温時)
一方、図3の実線位置、図4(矢印参照。)及び図5に示すように、火災が発生するなど、温度が上昇し、高温時となると、温度ヒューズ6の脆弱部分が溶融して破断しその張力はゼロになる。即ち、上述した釣り合いの関係が壊れる。そうなると、ばね蝶番16のばね力が一気に開放され、羽根8〜11が回転軸7を中心として、回転し、枠体1のほとんどの部分は閉鎖される。この際、図4を図1と比較すれば明らかなように、遮炎板15の見かけの厚さが増加することになる。
一方、図3の実線位置、図4(矢印参照。)及び図5に示すように、火災が発生するなど、温度が上昇し、高温時となると、温度ヒューズ6の脆弱部分が溶融して破断しその張力はゼロになる。即ち、上述した釣り合いの関係が壊れる。そうなると、ばね蝶番16のばね力が一気に開放され、羽根8〜11が回転軸7を中心として、回転し、枠体1のほとんどの部分は閉鎖される。この際、図4を図1と比較すれば明らかなように、遮炎板15の見かけの厚さが増加することになる。
遮炎板15の基端部には、ばね蝶番16の下片16cが固定されているため、遮炎板15の先端縁は、常に羽根8〜11の一端部8a〜11aと一体化しており、羽根8〜11が回転し姿勢を変更するのと、同時並行して、枠体1と羽根8〜11の両脇との間に形成される隙間tを閉鎖し続ける。
図3に拡大して示されているように、隙間tから火炎は漏出せず、火炎の通行が一切遮断され、延焼が効果的に防止される。
1 枠体
1a 受板
2 上側リブ
3、5 固定ボルト
4 下側リブ
6 温度ヒューズ
7 回転軸
8〜11 羽根
8a〜11a 一端部
8b〜11b 他端部
15 遮炎板
15a 先端縁
16 ばね蝶番
16a 上片
16b 軸
16c 下片
t 隙間
1a 受板
2 上側リブ
3、5 固定ボルト
4 下側リブ
6 温度ヒューズ
7 回転軸
8〜11 羽根
8a〜11a 一端部
8b〜11b 他端部
15 遮炎板
15a 先端縁
16 ばね蝶番
16a 上片
16b 軸
16c 下片
t 隙間
Claims (2)
- 枠体と、
前記枠体に回転自在に支持される複数の回転軸と、
前記複数の回転軸の軸方向が長手方向となるように配設され、中央部が前記複数の回転軸に固定される複数の羽根と、
前記枠体に固定される一方の片と、前記枠体に固定されない他方の片とを有し、常時開く方向にばね力を発生するばね蝶番と、
基端部が、前記他方の片に固定され、且つ、先端縁が、前記複数の羽根の一端部を前記複数の羽根が閉じる方向に押圧し、前記複数の羽根の両側部に配設され、前記枠体と前記複数の羽根の両脇との間に形成される隙間を閉鎖する遮炎板と、
通常時において、前記ばね蝶番のばね力に抗して、前記複数の回転軸を中心として前記複数の羽根を開く方向に引き寄せることにより、前記複数の羽根のそれぞれの一端部が前記遮炎板の先端縁を押圧し、前記ばね蝶番を閉じるように、前記枠体と前記複数の羽根の少なくとも一つとに連結される温度ヒューズとを備え、
前記温度ヒューズは、高温時に溶融して破断し、前記ばね蝶番のばね力を開放し、前記複数の羽根と前記遮炎板とが同時に閉鎖して、前記隙間からの漏炎を防止するように構成したことを特徴とする防火ダンパ。 - 前記複数の羽根の一端部と他端部とは、それぞれ逆向きにコ字状に折り曲げられ、閉鎖時に、隣接する羽根の一端部と他端部とが、噛み合うように構成されている請求項1記載の防火ダンパ。
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JP2020000481U JP3226050U (ja) | 2020-02-14 | 2020-02-14 | 防火ダンパ |
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- 2020-02-14 JP JP2020000481U patent/JP3226050U/ja active Active
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