JP3225970B2 - チタン合金 - Google Patents
チタン合金Info
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- JP3225970B2 JP3225970B2 JP09960991A JP9960991A JP3225970B2 JP 3225970 B2 JP3225970 B2 JP 3225970B2 JP 09960991 A JP09960991 A JP 09960991A JP 9960991 A JP9960991 A JP 9960991A JP 3225970 B2 JP3225970 B2 JP 3225970B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- titanium alloy
- strength
- machinability
- alloy
- hot workability
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、被削性の良好なチタン
合金に関する。
合金に関する。
【０００２】
【従来の技術】チタン合金は、耐食性および耐熱性に優
れた材料としてその適用範囲が拡大されている。一方、
チタン合金の比強度が鋼より高いことを利用して鋼をチ
タン合金に置き換えて部品の軽量化が図られている。自
動車などの量産部品に使用される材料は、強度等の特性
のほかに製造コストが重要な問題である。一般にチタン
合金は高価であり、一般の構造用鋼よりも熱間加工性や
機械加工性が劣る。このため、チタン合金部品の価格は
鋼部品の価格よりもかなり高く、例えば１０倍以上の価
格になることも多く、チタン合金部品を低価格化するこ
とはチタン合金を量産品にするための解決すべき最大の
課題となっている。
れた材料としてその適用範囲が拡大されている。一方、
チタン合金の比強度が鋼より高いことを利用して鋼をチ
タン合金に置き換えて部品の軽量化が図られている。自
動車などの量産部品に使用される材料は、強度等の特性
のほかに製造コストが重要な問題である。一般にチタン
合金は高価であり、一般の構造用鋼よりも熱間加工性や
機械加工性が劣る。このため、チタン合金部品の価格は
鋼部品の価格よりもかなり高く、例えば１０倍以上の価
格になることも多く、チタン合金部品を低価格化するこ
とはチタン合金を量産品にするための解決すべき最大の
課題となっている。
【０００３】チタン合金はα型、α＋β型およびβ型に
分類される。鋼部品の軽量化を目的とする場合は鋼に近
い性質を示すα＋β型チタン合金がよく用いられてお
り、中でも６％Ａｌ−４％Ｖ−Ｔｉ合金が最も一般的で
ある。しかしながら、中炭素鋼の焼入れ焼戻し材に相当
する強度を得るためには、６％Ａｌ−４％Ｖ−Ｔｉ合金
では合金元素が過剰となり、熱間加工性や被削性がきわ
めて劣るため、合金元素を減らしたチタン合金、例えば
３％Ａｌ−２．５％Ｖ−Ｔｉ合金が望ましい。
分類される。鋼部品の軽量化を目的とする場合は鋼に近
い性質を示すα＋β型チタン合金がよく用いられてお
り、中でも６％Ａｌ−４％Ｖ−Ｔｉ合金が最も一般的で
ある。しかしながら、中炭素鋼の焼入れ焼戻し材に相当
する強度を得るためには、６％Ａｌ−４％Ｖ−Ｔｉ合金
では合金元素が過剰となり、熱間加工性や被削性がきわ
めて劣るため、合金元素を減らしたチタン合金、例えば
３％Ａｌ−２．５％Ｖ−Ｔｉ合金が望ましい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、中炭素鋼の焼入れ焼戻し材に相当する強度
を有するチタン合金であって、従来のＡｌ−Ｖ系チタン
合金と同等もしくはそれ以上の加工容易性を保持しつ
つ、チタン合金の基本的特徴を損なわない範囲で材料コ
ストおよび製造コストを低減するようにしたチタン合金
を提供することにある。
する課題は、中炭素鋼の焼入れ焼戻し材に相当する強度
を有するチタン合金であって、従来のＡｌ−Ｖ系チタン
合金と同等もしくはそれ以上の加工容易性を保持しつ
つ、チタン合金の基本的特徴を損なわない範囲で材料コ
ストおよび製造コストを低減するようにしたチタン合金
を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の第１発明におけるチタン合金は、組成が、質
量％で、Ａｌ：２．５〜４．５％、Ｆｅ：３．０％以
下、Ｍｎ：４．０％以下ならびに残部Ｔｉおよび不可避
的不純物からなり、かつＦｅ＋０．５Ｍｎ：０．４〜
３．０％であることを特徴とする。本発明の第２発明に
よるチタン合金は、第１発明のチタン合金の組成に加え
て、さらに、Ｓ：０．００１〜０．３％、希土類元素：
０．００５〜２．０％を含むことを特徴とする。
の本発明の第１発明におけるチタン合金は、組成が、質
量％で、Ａｌ：２．５〜４．５％、Ｆｅ：３．０％以
下、Ｍｎ：４．０％以下ならびに残部Ｔｉおよび不可避
的不純物からなり、かつＦｅ＋０．５Ｍｎ：０．４〜
３．０％であることを特徴とする。本発明の第２発明に
よるチタン合金は、第１発明のチタン合金の組成に加え
て、さらに、Ｓ：０．００１〜０．３％、希土類元素：
０．００５〜２．０％を含むことを特徴とする。
【０００６】本発明のチタン合金は、高価な合金元素Ｖ
に代えてＦｅおよびＭｎを含有している。これは、チタ
ン合金のβ相の安定を図るためにＶに代わるＦｅおよび
Ｍｎが有効であり、またＦｅおよびＭｎがβ相安定化元
素の中で最も安価な元素でＴｉよりも安価であることか
ら、材料コストの低減効果が大きいためである。これに
より、熱間加工性および靱性、延性ならびに熱処理性の
向上が図られている。
に代えてＦｅおよびＭｎを含有している。これは、チタ
ン合金のβ相の安定を図るためにＶに代わるＦｅおよび
Ｍｎが有効であり、またＦｅおよびＭｎがβ相安定化元
素の中で最も安価な元素でＴｉよりも安価であることか
ら、材料コストの低減効果が大きいためである。これに
より、熱間加工性および靱性、延性ならびに熱処理性の
向上が図られている。
【０００７】本発明のチタン合金の組成限定理由は次の
とおりである。Ａｌを２．５％以上含有したのは、強度
を確保するためであり、４．５％以下としたのは、これ
を超えると延性が著しく低下するためである。Ｆｅを含
有するのは、熱間加工性を向上するためであり、３．０
％以下にする。この値を超えるとミクロ偏析による強度
低下を生じるからである。Ｍｎを含有したのは、熱間加
工性の向上を図るためであり、その含有量を４．０％以
下とする。４．０％を超えるとＭｎが蒸気になりやすく
溶解性が低下するためである。Ｆｅ＋０．５Ｍｎを０．
４％以上としたのは、熱間加工性および強度を確保する
ためであり、３．０％を超えるとミクロ偏析を生じて強
度低下を生じやすいので３．０％以下とする。
とおりである。Ａｌを２．５％以上含有したのは、強度
を確保するためであり、４．５％以下としたのは、これ
を超えると延性が著しく低下するためである。Ｆｅを含
有するのは、熱間加工性を向上するためであり、３．０
％以下にする。この値を超えるとミクロ偏析による強度
低下を生じるからである。Ｍｎを含有したのは、熱間加
工性の向上を図るためであり、その含有量を４．０％以
下とする。４．０％を超えるとＭｎが蒸気になりやすく
溶解性が低下するためである。Ｆｅ＋０．５Ｍｎを０．
４％以上としたのは、熱間加工性および強度を確保する
ためであり、３．０％を超えるとミクロ偏析を生じて強
度低下を生じやすいので３．０％以下とする。
【０００８】本発明の第２発明においてＳを含有するの
は、被削性を高めるためであり、そのためには少なくと
も０．００１％以上必要であり、０．３％を超えると熱
間加工性が著しく低下するため０．３％以下とする。希
土類元素を含有したのは、靱性および延性を高めるため
であり、そのためには０．００５％以上必要であり、
２．０％を超えると強度低下が著しく比重増が大となる
ため２．０％以下とする。
は、被削性を高めるためであり、そのためには少なくと
も０．００１％以上必要であり、０．３％を超えると熱
間加工性が著しく低下するため０．３％以下とする。希
土類元素を含有したのは、靱性および延性を高めるため
であり、そのためには０．００５％以上必要であり、
２．０％を超えると強度低下が著しく比重増が大となる
ため２．０％以下とする。
【０００９】
【実施例】本発明の実施例について説明する。ＰＰＣ溶
解炉を用いて表１に示す組成のＴｉ合金を２００ｋｇ溶
解し、次いで真空炉で二次溶解した後、熱間鍛造し機械
加工により試験片を作製した。ＰＰＣ溶解時、Ｆｅ原料
は純鉄を用い、Ｍｎ原料はメタルＭｎを用いた。次に、
得られた試験片について、強度、熱間加工性および被削
性を評価した。強度は、引張試験により引張強さおよび
伸びを測定した。熱間加工性は、高速熱間引張試験であ
るグリブル試験をした。試験は、引張速度５０ｍｍ／秒
により８００℃における破断絞りおよび８５０℃におけ
る変形抵抗を測定した。被削性は、ドリル寿命試験で行
った。試験条件は、工具：ドリル径５ｍｍのハイスドリ
ル、穴深さ：２０ｍｍ、送り：０．０５ｍｍ／ｒｅｖと
した。この条件下で穴加工した場合に工具寿命が１００
０ｍｍとなる切削速度（回転速度）の比を表１に示す比
較例１を基準値１として求めた。比較例１は、表１に示
されるようにＴｉ−３Ａｌ−２．５Ｖ系のチタン合金で
ある。
解炉を用いて表１に示す組成のＴｉ合金を２００ｋｇ溶
解し、次いで真空炉で二次溶解した後、熱間鍛造し機械
加工により試験片を作製した。ＰＰＣ溶解時、Ｆｅ原料
は純鉄を用い、Ｍｎ原料はメタルＭｎを用いた。次に、
得られた試験片について、強度、熱間加工性および被削
性を評価した。強度は、引張試験により引張強さおよび
伸びを測定した。熱間加工性は、高速熱間引張試験であ
るグリブル試験をした。試験は、引張速度５０ｍｍ／秒
により８００℃における破断絞りおよび８５０℃におけ
る変形抵抗を測定した。被削性は、ドリル寿命試験で行
った。試験条件は、工具：ドリル径５ｍｍのハイスドリ
ル、穴深さ：２０ｍｍ、送り：０．０５ｍｍ／ｒｅｖと
した。この条件下で穴加工した場合に工具寿命が１００
０ｍｍとなる切削速度（回転速度）の比を表１に示す比
較例１を基準値１として求めた。比較例１は、表１に示
されるようにＴｉ−３Ａｌ−２．５Ｖ系のチタン合金で
ある。
【００１０】
【表１】
【００１１】前記強度、熱間加工性ならびに被削性の試
験結果を表２に示す。
験結果を表２に示す。
【表２】 表１および表２に示されるように実施例１〜４について
は強度、熱間加工性および被削性について良好であっ
た。これに対し、比較例１は引張強さが前記各実施例１
〜４よりも劣り、変形抵抗が大であり被削性も相対的に
低下した。比較例２は、前記実施例１〜４に比べ、引張
強さおよび伸び、破断絞りが著しく低下した。
は強度、熱間加工性および被削性について良好であっ
た。これに対し、比較例１は引張強さが前記各実施例１
〜４よりも劣り、変形抵抗が大であり被削性も相対的に
低下した。比較例２は、前記実施例１〜４に比べ、引張
強さおよび伸び、破断絞りが著しく低下した。
【００１２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチタン合
金によれば、強度は中炭素鋼の焼入れ焼戻し材の相当す
る強度をもち、熱間加工性および被削性の良好なチタン
合金が得られる。このチタン合金は、従来のＡｌ−Ｖ系
チタン合金のＶに代えてＦｅおよびＭｎを含有している
から、材料コストの低減効果は極めて大きい。また本発
明のチタン合金は、熱間鍛造時の変形抵抗および切削抵
抗が低下するため、加工容易性が大きく、鍛造型寿命お
よび切削工具寿命が延長され、チタン合金部品の製造コ
ストが低減されるという効果がある。
金によれば、強度は中炭素鋼の焼入れ焼戻し材の相当す
る強度をもち、熱間加工性および被削性の良好なチタン
合金が得られる。このチタン合金は、従来のＡｌ−Ｖ系
チタン合金のＶに代えてＦｅおよびＭｎを含有している
から、材料コストの低減効果は極めて大きい。また本発
明のチタン合金は、熱間鍛造時の変形抵抗および切削抵
抗が低下するため、加工容易性が大きく、鍛造型寿命お
よび切削工具寿命が延長され、チタン合金部品の製造コ
ストが低減されるという効果がある。
Claims (2)
- 【請求項１】組成が、質量％で、 Ａｌ：２．５〜４．５％、Ｆｅ：３．０％以下、Ｍｎ：
４．０％以下 ならびに残部Ｔｉおよび不可避的不純物からなり、かつ Ｆｅ＋０．５Ｍｎ：０．４〜３．０％ であることを特徴とするチタン合金。 - 【請求項２】請求項１に記載のチタン合金に、さらに、
質量％で、 Ｓ：０．００１〜０．３％、希土類元素：０．００５〜
２．０％を含むことを特徴とするチタン合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09960991A JP3225970B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | チタン合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09960991A JP3225970B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | チタン合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04308052A JPH04308052A (ja) | 1992-10-30 |
| JP3225970B2 true JP3225970B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=14251839
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09960991A Expired - Lifetime JP3225970B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | チタン合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3225970B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105714150A (zh) * | 2016-03-08 | 2016-06-29 | 上海大学 | 一种含Fe和Mn元素的低成本钛合金 |
| KR20190053091A (ko) * | 2017-11-09 | 2019-05-17 | 한국기계연구원 | 융점 1,900℃ 이하 원소로 구성된 고강도 고연성 타이타늄 합금 |
-
1991
- 1991-04-04 JP JP09960991A patent/JP3225970B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105714150A (zh) * | 2016-03-08 | 2016-06-29 | 上海大学 | 一种含Fe和Mn元素的低成本钛合金 |
| KR20190053091A (ko) * | 2017-11-09 | 2019-05-17 | 한국기계연구원 | 융점 1,900℃ 이하 원소로 구성된 고강도 고연성 타이타늄 합금 |
| KR102197317B1 (ko) * | 2017-11-09 | 2021-01-06 | 한국재료연구원 | 융점 1,900℃ 이하 원소로 구성된 고강도 고연성 타이타늄 합금 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04308052A (ja) | 1992-10-30 |
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