JP3225557U - 生理用ナプキン - Google Patents

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伸亨 加藤
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Abstract

【課題】生理期間の憂鬱な気分を緩和できる生理用ナプキンを提供すること。【解決手段】吸収コア(11)と、前記吸収コア(11)より肌側に設けられた肌側シート(2)と、前記吸収コア(11)より非肌側に設けられた非肌側シート(4)と、を有する生理用ナプキン(1)であって、ムスク系の香料成分(31)を有することを特徴とする生理用ナプキン。【選択図】図2

Description

本考案は、生理用ナプキンに関する。
特許文献1には、表面シート、裏面シート、及びこれらの間に配される吸収体を含み、吸収体が、香料の塗布された香料塗布領域を有しているパンティライナー(吸収性物品)が開示されている。
特開2018−166940号
吸収性物品である生理用ナプキンには経血等が吸収保持される。そのため、使用中のナプキンに対して衛生的ではない印象が抱かれやすく、ナプキンの使用者は憂鬱な気分となりやすい。特許文献1では、吸収体が有する香料として、バラ、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン様香気が挙げられている。しかし、これらの香りでは、ナプキンの使用者の憂鬱な気分を和らげるには不十分な場合がある。
本考案は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、生理期間の憂鬱な気分を緩和できる生理用ナプキンを提供することにある。
上記目的を達成するための主たる考案は、吸収コアと、前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、を有する生理用ナプキンであって、ムスク系の香料成分を有することを特徴とする生理用ナプキンである。
本考案の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本考案によれば、生理期間の憂鬱な気分を緩和できる生理用ナプキンを提供することができる。
生理用ナプキン1を肌側から見た平面図である。 ナプキン1の概略断面図である。 香料配置部30を説明するナプキン1の概略平面図である。 肌側シート2及び香料配置部30を説明するナプキン1の概略断面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
吸収コアと、前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、を有する生理用ナプキンであって、ムスク系の香料成分を有することを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、使用者はムスク系の香りを嗅ぐことで、ナプキンに対する衛生的ではない印象を軽減でき、憂鬱な気分が緩和される。特にイスラム圏の使用者には、最もピュアな香水はムスクであり、身体を清めた後にムスクの香りを付けるとピュアになるとの信仰がある。そのため、ムスクの香料成分を有するナプキンを使用することで、身体が浄化される感覚が得られ、生理期間も安心して過ごすことができる。
かかる生理用ナプキンであって、前記吸収コアより肌側に前記ムスク系の香料成分が配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、ムスク系の香料成分が使用者に向かって放出されやすく、使用者がムスク系の香料成分をより感じやすくなる。
かかる生理用ナプキンであって、前記肌側シートの非肌側面に前記ムスク系の香料成分が配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、ムスク系の香料成分が直接肌に触れ難く、使用者の肌を刺激してしまうことを抑制しつつ、使用者がムスク系の香料成分をより感じやすくなる。
かかる生理用ナプキンであって、抗菌成分を有することを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、使用中のナプキンを出来る限り清潔な状態に保つことができる。よって、ムスク系の香料成分及び抗菌成分によって、使用者はナプキンに対する衛生的ではない印象を軽減でき、憂鬱な気分がより緩和される。
かかる生理用ナプキンであって、前記抗菌成分は、前記生理用ナプキンの厚み方向において、前記ムスク系の香料成分が配置されている部位より非肌側に配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、ムスク系の香料成分が肌側に設けられるため、使用者はムスク系の香料成分を感じやすくなる。また、排泄物が吸収保持される吸収コアの近くに抗菌成分が配置されるため、ナプキンの使用経過に伴う菌の増殖をより抑制できる。
かかる生理用ナプキンであって、前記吸収コア及び前記肌側シートの少なくとも一方がその厚み方向に窪んでいる圧搾部を有し、前記生理用ナプキンの平面視において、前記ムスク系の香料成分が配置されている領域は、前記圧搾部と重なる領域を有することを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、繊維密度の高い圧搾部には、ムスク系の香料成分が保持されやすく、排泄物が移行しやすい。そのため、排泄物の臭いをムスク系の香料成分によって効率よくマスキングできる。
かかる生理用ナプキンであって、前記肌側シートはその厚み方向に貫通する開孔部を有し、前記ムスク系の香料成分は、前記生理用ナプキンの厚み方向において、前記肌側シートの肌側面より非肌側に配置されていることを特徴とする生理用ナプキンである。
このような生理用ナプキンによれば、ムスク系の香料成分が直接肌に触れ難く、使用者の肌を刺激してしまうことを抑制できる。また、肌側シートの開孔部からムスク系の香料成分が使用者に向かって放出されやすく、使用者がムスク系の香料成分を感じやすくなる。
また、吸収コアと、前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、を有する生理用ナプキンであって、ムスク系の香料成分と、抗菌成分と、を有することを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、ムスク系の香料成分及び抗菌成分によって、使用者はナプキンに対する衛生的ではない印象を軽減でき、憂鬱な気分がより緩和される。
また、吸収コアと、前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、を有する生理用ナプキンであって、ムスク系の香料成分と、少なくとも前記吸収コアがその厚み方向に窪んでいる圧搾部と、を有し、前記生理用ナプキンの平面視において、前記ムスク系の香料成分が配置されている領域は、前記圧搾部と重なる領域を有することを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、ムスク系の香料成分によって、使用者はナプキンに対する衛生的ではない印象を軽減でき、憂鬱な気分がより緩和される。また、繊維密度の高い圧搾部には、ムスク系の香料成分が保持されやすく、排泄物が移行しやすい。そのため、排泄物の臭いをムスク系の香料成分によって効率よくマスキングできる。
吸収コアと、前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、を有する生理用ナプキンであって、前記肌側シートはその厚み方向に貫通する開孔部を有し、前記ムスク系の香料成分は、前記生理用ナプキンの厚み方向において、前記肌側シートの肌側面より非肌側に配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
このような生理用ナプキンによれば、ムスク系の香料成分によって、使用者はナプキンに対する衛生的ではない印象を軽減でき、憂鬱な気分がより緩和される。また、ムスク系の香料成分が直接肌に触れ難く、使用者の肌を刺激してしまうことを抑制しつつ、肌側シートの開孔部からムスク系の香料成分が使用者に向かって放出されやすく、使用者がムスク系の香料成分を感じやすくなる。
===実施形態===
<生理用ナプキン1の基本構成>
図1は、生理用ナプキン1(以下「ナプキン」とも呼ぶ)を肌側から見た平面図である。図2は、ナプキン1の概略断面図である。ナプキン1は、互いに直交する長手方向と幅方向と厚み方向を有する。厚み方向において着用者の肌に当接する側が肌側であり、その反対側が非肌側である。
ナプキン1は、吸収体10、肌側シート2、中間シート3、非肌側シート4、及びサイドシート5を有する。肌側シート2は、吸収体10(吸収コア11)より肌側に配置された液透過性のシートである。中間シート3は、肌側シート2と吸収体10の間に配置された液透過性のシートである。非肌側シート4は、吸収体10(吸収コア11)より非肌側に配置された液不透過性のシートである。液透過性のシートとしては、エアスルー不織布等を例示できる。液不透過性のシートとしては、ポリエチレン(PE)の樹脂フィルム等を例示できる。サイドシート5は、肌側シート2の肌側面の幅方向の両側部から外側に延出したシートである。サイドシート5としては、疎水性のエアスルー不織布や疎水性のスパンボンド不織布等を例示できる。
吸収体10は、排泄物を吸収して内部に保持する部材である。吸収体10は、吸収コア11と、吸収コア11を覆う液透過性のコアラップシート12を有する。吸収コア11としては、パルプ繊維やセルロース系吸収性繊維等の液体吸収性繊維に、高吸収性ポリマー(SAP)が加えられ、所定の形状に成形されたものを例示できる。コアラップシート12は、液透過性のシートであり、ティッシュ等を例示できる。その他、吸収コアとしては、親水性のシートにSAP層を付着させたSAPシートや、液体吸収性繊維をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシート等を例示できる。また、吸収体10はコアラップシート12を有していなくてもよい。また、コアラップシート12は、図2に示すように吸収コア11全体を包むように設けられるに限らず、例えば吸収コア11の肌側面と非肌側面のうちの一方を覆うように設けられていてもよい。
また、ナプキン1は、長手方向の略中央部において、幅方向の外側に延出した一対のウィング部1wを有する。ウィング部1wは、サイドシート5と非肌側シート4によって形成されている。
また、ナプキン1は、吸収コア11及び肌側シート2の少なくとも一方がその厚み方向に窪んでいる圧搾部20を有している。圧搾部20によって、吸収体10の型崩れを防止したり、ナプキン1の液拡散性を向上させたりすることができる。
圧搾部20では、周囲に比べてナプキン1の厚みが薄く、ナプキン1の繊維密度が高くなっている。これらの比較は周知の方法で行うとよい。ナプキン1の厚みの比較としては、目視で比較する方法や、ミツトヨ(株)製のダイアルシックネスゲージID−C1012C又はそれと同等のものを使用し、対象部位を例えば3.0gf/cmで加圧して測定した値を取得して比較する方法を例示できる。ナプキン1の密度の比較としては、ナプキン1を厚み方向に切った断面を電子顕微鏡等で拡大した画像に基づき比較する方法を例示できる。
また、図1に示す圧搾部20は、着用状態において着用者の排泄口が当接すると考えられる領域を囲むような形状である内側線状圧搾部21と、内側線状圧搾部21を囲む形状である外側線状圧搾部22とを有する。内側線状圧搾部21は、肌側シート2、中間シート3及び吸収体10が厚み方向に圧縮されて、それらが接合一体化されたものである。外側線状圧搾部22は、肌側シート2及び中間シート3が厚み方向に圧縮されて、それらが接合一体化されたものである。
なお、圧搾部20は、長手方向や幅方向に連続して厚み方向に窪んでいてもよく(溝状でもよく)、また、複数の点状圧搾部が線状に並び、非連続に厚み方向に窪んでいてもよい。また、圧搾部20の形状は図1に示すものに限定されない。例えば複数の点状圧搾部が離散的に配置されたものでもよい。
また、図1に示すナプキン1の構成は一例であり、これに限定されない。例えば、ウィング部1wを有さないナプキンでもよい。また、本考案に係る生理用ナプキンは、本実施形態のナプキン1のような下着に貼付されるタイプに限らず、ショーツ型のナプキンであってもよい。
<香料配置部30>
図3は、香料配置部30を説明するナプキン1の概略平面図である。図4は、肌側シート2及び香料配置部30を説明するナプキン1の概略断面図である。
ナプキン1は、ムスク系の香料成分31を有するものとする。本実施形態では、肌側シート2の非肌側面に、ムスク系の香料成分31が配置された香料配置部30が設けられている。
ムスク系の香料成分31は、石鹸のような香りと表現されることがある。そのため、ナプキン1がムスク系の香料成分31を有することで、ナプキン1の使用者は石鹸のような清潔感のある香りを嗅ぐことができる。また、排泄物(経血等)の不快な臭いがムスク系の香料成分31によってマスキングされる。よって、ナプキン1に対する衛生的ではない印象を軽減でき、ナプキン1の使用者の憂鬱な気分を緩和できる。特にイスラム圏の使用者には、最もピュアな香水はムスクであり、身体を清めた後にムスクの香りを付けるとピュアになるとの信仰がある。そのため、ムスクの香料成分を有するナプキンを使用することで、身体が浄化される感覚が得られ、生理期間も安心して過ごすことができる。
なお、ムスク系の香料成分31とは、ジャコウジカ等の動物由来の天然ムスクであってもよいし、ムスク調の香料となるように成分を配合した合成ムスクでもよい。合成ムスクとしては、エチレンブラシレート、シクロペンタデカノリド、パーライド、ガラクソリド、ムスクケトン、ムスコン、シベトン、アンブレットリド等の大環状ムスク、ファンソリド、トナリド、ガラクソリド等の多環状ムスク、その他ムスクピリジン、ピリジノファン、エチルシトロネリルオギザレート等の香料を単独又は複数混合したものを例示できる。また、香料成分を水や有機溶剤(例えばクエン酸トリエチルやエタノール、ジプロピレングリコール、イソプロピルミリステート)等で希釈して用いてもよい。
また、ナプキン1は不図示の包装シートによって個別に包装されていることが好ましい。そうすることで、ナプキン1の使用前にムスク系の香料成分31が揮発してしまうことを抑制できる。
また、ナプキン1の平面視において、香料配置部30は、図3に示すように肌側シート2の全域に亘り設けられていてもよいし、肌側シート2の一部に設けられていてもよい。また、香料配置部30において、ムスク系の香料成分31は、全面配置(例えばべた塗り)されていてもよいし、ストライプパターンやドットパターン等の各種公知の塗布パターンで塗布されていてもよい。また、ムスク系の香料成分31の配置は、噴霧法やローラーコート法、刷毛塗り法等の各種公知の塗布方法で行ったり、シートを浸漬したりする方法が挙げられる。また、ムスク系の香料成分31の配置は、ナプキン1の製造過程でシートに塗布してもよいし、ムスク系の香料成分31を予め含浸したシートを用いてナプキン1を製造してもよい。また、ナプキン1には、ムスク系の香料成分31を含む液状物を配置してもよいし、ムスク系の香料成分31を吸収させた粉状物を配置してもよい。
また、ナプキン1がムスク系の香料成分31を有することや香料配置部30が設けられている箇所の確認は、開封直後のナプキン1をヒトが直接嗅いで確認するとよい。また、竹炭やココアパウダーなどの有色の細かい粒子を、ムスク系の香料成分31が配置された付近に撒いた後に、粒子を払う方法がある。ムスク系の香料成分31が配置された部分には粒子が多く付着するため、ムスク系の香料成分31が配置されていること及び配置箇所を確認できる。
また、図2に示すように、ナプキン1の厚み方向において、吸収コア11より肌側にムスク系の香料成分31が配置されていることが好ましい。すなわち、肌側シート2、中間シート3、サイドシート5、及び吸収コア11より肌側のコアラップシート12の部位のうちの、少なくとも何れか1つに香料配置部30が設けられているとよい。
ナプキン1は肌側面を上にして下着に貼付される。そのため、上記のように香料配置部30が設けられることで、ムスク系の香料成分31がナプキン1の使用者に向かって放出されやすくなる。よって、ナプキン1の使用者はムスク系の香料成分31を感じやすくなる。また、吸収コア11に保持される排泄物を香料配置部30で覆うことになる。そのため、ムスク系の香料成分31による排泄物の臭いのマスキング効果を高めることができる。
特に、肌側シート2の非肌側面にムスク系の香料成分31が配置されていることが好ましい。そうすることで、ムスク系の香料成分31がより肌側に設けられ、ナプキン1の使用者はムスク系の香料成分31を感じやすくなる。また、ナプキン1の肌側面にムスク系の香料成分31が配置されている場合に比べて、ムスク系の香料成分31が着用者の肌に直接触れにくく、着用者の肌を刺激してしまうことを抑制できる。
ただし、上記に限定されず、香料配置部30は、肌側シート2の肌側面に設けられていてもよい。また、香料配置部30は吸収コア11より肌側に設けられるに限らず、吸収コア11や、吸収コア11より非肌側のコアラップシート12の部位や、非肌側シート4に設けられていてもよい。
さらに、ナプキン1は抗菌成分40を有することが好ましい。そうすることで、ナプキン1が吸収した排泄物による菌の増殖を抑制でき、抗菌成分40を有さないナプキンに比べて、ナプキン1を清潔に保つことができる。よって、本実施形態のナプキン1によれば、浄化作用があると信仰されているムスク系の香料成分31に加え、抗菌成分40によってもナプキン1に対する不浄な印象を軽減できる。そのため、ナプキン1の使用者の憂鬱な気分をより一層緩和できる。
抗菌成分40としては、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、ポリアミノプロピルビグアニド、パラベン等を例示できる。抗菌成分40を水や有機溶剤等で希釈して用いてもよい。また、ナプキン1が抗菌成分40を有することや抗菌成分40が配置されている箇所の確認は、周知の方法で行うとよい。例えば、塩化ベンザルコニウム液を用いた場合、検査用の試薬としてブロモフェノールブルー塩基性溶液(0.1mol/Lの水酸化ナトリウム試薬50mLと、0.05%のブロモフェノールブルー水溶液20mLとを混合したもの)を噴霧し、試薬の色が紫色から青色へと変化した場合には、抗菌成分40が含まれていると判定できる。
また、図2に示すように、抗菌成分40は、ナプキン1の厚み方向において、ムスク系の香料成分31が配置されている部位より非肌側に配置されていることが好ましい。本実施形態のように肌側シート2の非肌側面に香料配置部30が設けられている場合、中間シート3、コアラップシート12、吸収コア11、及び非肌側シート4のうちの、少なくとも何れか1つに抗菌成分40が配置されているとよい。本実施形態では、コアラップシート12に抗菌成分40が配置されている。
そうすることで、ムスク系の香料成分31は肌側に配置されるため、使用者に向かって放出されやすくなる。また、ムスク系の香料成分31の肌側への放出が抗菌成分40によって疎外されてしまうことを防止できる。よって、ナプキン1の使用者はムスク系の香料成分31をより感じやすくなる。また、吸収コア11が保持する排泄物のより近い位置に抗菌成分40を配置できる。よって、ナプキン1の使用経過に伴う菌の増殖を抑制できる。
なお、図2では、吸収コア11全体を包むコアラップシート12の全面に亘り抗菌成分40が配置されているが、これに限らない。例えば吸収コア11よりも肌側又は非肌側のコアラップシート12の一部にのみ抗菌成分40を配置してもよい。また、図2に示すようにコアラップシート12の外側面に抗菌成分40を配置してもよいし、コアラップシート12の吸収コア11側の内側面に抗菌成分40を配置してもよい。
また、図示しないが、本実施形態では、ナプキン1の平面視において、コアラップシート12の全域に亘り抗菌成分40が配置されるとするが、これに限らず、コアラップシート12の一部に抗菌成分40が配置されていてもよい。ただし、ナプキン1の平面視において抗菌成分40の配置された領域が吸収コア11と重なる領域を有するとよい。そうすることで、排泄物が排泄されて吸収される領域に抗菌成分40が設けられるため、排泄物の菌の増殖をより抑制できる。
また、抗菌成分40が配置される領域に、抗菌成分40が全面配置(例えばべた塗り)されていてもよいし、各種公知の塗布パターンで塗布されていてもよい。また、抗菌成分40の配置は、噴霧法やローラーコート法、刷毛塗り法等の各種公知の塗布方法で行ったり、シートを浸漬したりする方法が挙げられる。また、抗菌成分40の配置は、ナプキン1の製造過程でシートに塗布してもよいし、抗菌成分40を予め含浸したシートを用いてナプキン1を製造してもよい。また、ナプキン1には、抗菌成分40を含む液状物を配置してもよいし、抗菌成分40を吸収させた粉状物を配置してもよい。
ただし、上記に限定されず、ナプキン1は抗菌成分40を有していなくてもよい。また、ムスク系の香料成分31より肌側に抗菌成分40が設けられていてもよい。
また、図3に示すように、ナプキン1の平面視において、ムスク系の香料成分31が配置されている領域(香料配置部30)は、圧搾部20と重なる領域を有することが好ましい。
圧搾部20では、周囲に比べて、肌側シート2や吸収コア11の繊維密度が高くなっている。そのため、圧搾部20では、毛細管現象により、ムスク系の香料成分31が保持されやく、排泄物が圧搾部20に移行しやすい。よって、圧搾部20に引き込まれた排泄物をムスク系の香料成分で効率的にマスキングでき、使用中のナプキン1の不快な臭いをさらに軽減できる。
ただし上記に限定されず、ナプキン1は圧搾部20を有していなくてもよい。また、ナプキン1の平面視において圧搾部20が香料配置部30と重複していなくてもよい。
また、本実施形態では肌側シート1の非肌側面にムスク系の香料成分30が配置されている。このように、ムスク系の香料成分30が、ナプキン1の厚み方向において、肌側シート2の肌側面より非肌側に配置されている場合、肌側シート2はその厚み方向に貫通する開孔部Hを有するとよい。
そうすることで、ムスク系の香料成分30がナプキン1の内部から肌側シート2の開孔部Hを通り、ナプキン1の使用者に向かって放出されやすくなる。よって、ナプキン1の使用者はムスク系の香料成分31を感じやすくなる。また、ムスク系の香料成分31が着用者の肌に直接触れにくく、着用者の肌を刺激してしまうことを抑制できる。
本実施形態の開孔部Hは、図4に示すように、肌側シート2から吸収体10までピン等を突き刺すことによって形成されている。開孔部Hによって、排泄物が吸収体10へ移行しやすくなり、排泄物が漏れ難くなる効果も得られる。
ただし上記に限定されず、肌側シート2は開孔部Hを有していなくてもよい。また、開孔部Hは吸収体10に達する深さに限らず、少なくとも肌側シートHを貫通する深さであればよい。
以上、本考案の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本考案の理解を容易にするためのものであり、本考案を限定して解釈するためのものではない。また、本考案は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本考案にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。
1 ナプキン(生理用ナプキン)、1w ウィング部、
2 肌側シート、3 中間シート、4 非肌側シート、
5 サイドシート、
10 吸収体、11 吸収コア、12 コアラップシート、
20 圧搾部、
30 香料配置部、31 ムスク系の香料成分、
40 抗菌成分、
H 開孔部、

Claims (10)

  1. 吸収コアと、
    前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、
    前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、
    を有する生理用ナプキンであって、
    ムスク系の香料成分を有することを特徴とする生理用ナプキン。
  2. 請求項1に記載の生理用ナプキンであって、
    前記吸収コアより肌側に前記ムスク系の香料成分が配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
  3. 請求項2に記載の生理用ナプキンであって、
    前記肌側シートの非肌側面に前記ムスク系の香料成分が配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の生理用ナプキンであって、
    抗菌成分を有することを特徴とする生理用ナプキン。
  5. 請求項4に記載の生理用ナプキンであって、
    前記抗菌成分は、前記生理用ナプキンの厚み方向において、前記ムスク系の香料成分が配置されている部位より非肌側に配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の生理用ナプキンであって、
    前記吸収コア及び前記肌側シートの少なくとも一方がその厚み方向に窪んでいる圧搾部を有し、
    前記生理用ナプキンの平面視において、前記ムスク系の香料成分が配置されている領域は、前記圧搾部と重なる領域を有することを特徴とする生理用ナプキン。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の生理用ナプキンであって、
    前記肌側シートはその厚み方向に貫通する開孔部を有し、
    前記ムスク系の香料成分は、前記生理用ナプキンの厚み方向において、前記肌側シートの肌側面より非肌側に配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。
  8. 吸収コアと、
    前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、
    前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、
    を有する生理用ナプキンであって、
    ムスク系の香料成分と、抗菌成分と、を有することを特徴とする生理用ナプキン。
  9. 吸収コアと、
    前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、
    前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、
    を有する生理用ナプキンであって、
    ムスク系の香料成分と、
    少なくとも前記吸収コアがその厚み方向に窪んでいる圧搾部と、を有し、
    前記生理用ナプキンの平面視において、前記ムスク系の香料成分が配置されている領域は、前記圧搾部と重なる領域を有することを特徴とする生理用ナプキン。
  10. 吸収コアと、
    前記吸収コアより肌側に設けられた肌側シートと、
    前記吸収コアより非肌側に設けられた非肌側シートと、
    を有する生理用ナプキンであって、
    前記肌側シートはその厚み方向に貫通する開孔部を有し、
    前記ムスク系の香料成分は、前記生理用ナプキンの厚み方向において、前記肌側シートの肌側面より非肌側に配置されていることを特徴とする生理用ナプキン。

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