JP3224929B2 - セラミックス低圧射出成形用材料 - Google Patents

セラミックス低圧射出成形用材料

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猛 安井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス低圧射出成
形用材料の改良、詳しくは成形時の欠陥が少なく、脱脂
・焼成時の割れが少ないセラミックス低圧射出成形用材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス粉末を射出成形するに当
り、セラミックス粉末を熱可塑性樹脂またはワックス等
の結合剤、及び分散性、加熱流動性を向上させるための
界面活性剤、又はそれに類した添加剤を混合、分散す
る。成形欠陥を少なくする上で前記結合剤の選択は重要
であり、例えば特開平1−261265号では、カルボ
キシル基重合体を組成物100g当り4ミリ当量以上含
ませたバインダーが、複雑な形状の成形体を射出成形す
る場合に有用であるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記カルボキ
シル基重合体を含むバインダーを使用しても、成形固化
時での体積変化は大きく、その結果、成形体内に密度む
らが生じ脱脂割れ又は焼成割れが発生しやすいことが分
った。そして、上記セラミックス射出成形用材料は通常
の高圧射出成形では有用であるが、粘度が高いために低
圧成形には適さない。微粉化されたセラミックス粉末で
は材料の粘度が高くなり成形性が悪くなる。なお、通常
の高圧射出成形の射出圧は100〜2000kg/cm
2であり、これに対して本発明の低圧射出成形の射出圧
は2〜10kg/cm2である。そこで、低圧射出成形
に適したセラミックス射出成形材料を提供することを目
的に開発をつづけた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の実
験を重ね、継続的な研究を行なった結果、最終製品の品
質を悪化させる要因の主たるものは、射出材料の粘性
が高いために発生するウエルド、成形直後のバインダ
の急激な硬化によるウエルド、射出成形後の固化時の
大きな体積変化であることが分った。そこで上記につ
いては、粘性が高いと流動性が悪化してウエルドが発生
するから、低粘度のバインダを選択することが有効であ
り、上記については、バインダを徐々に硬化させる、
言い換えると徐々に硬化するようなバインダが有用であ
り、上記については、体積変化の小さなバインダが有
効であるとの知見から各種のワックス素材を試したとこ
ろマレイン化ワックスを見出すことができた。
【0005】具体的には、セラミックス粉末50〜80
vol%とバインダ50〜20vol%とからなるセラ
ミックス低圧射出成形用材料において、バインダに、5
〜51vol%(ただし、バインダ全体を100とした
場合)のマレイン化ワックスを含めたことを特徴とす
る。バインダが50vol%を超えると脱脂性が低下し
て焼成体の密度が低くなり品質が低下する。また、バイ
ンダが20vol%未満では材料の粘性が高くなり過ぎ
て成形性が悪くなる。そこで、バインダを50〜20v
ol%、セラミックス粉末を50〜80vol%とす
る。なお、前記バインダを用いて実施する低圧射出成形
の射出圧は、2〜10kg/cm 2 であることが望まし
い。
【0006】なお、マレイン化ワックスは、ポリαオレ
フィンと無水マレイン酸を反応させてなるオレフィン・
マレイン酸反応物(次にその分子式を示す。)に等量の
パラフィンワックスを混合してなる。
【0007】
【化1】
【0008】
【作用】セラミックス射出成形用材料の組成例は後述の
「表1」に示す。 射出材料の粘性が高いために発生するウエルドの発生
を抑える点について:図1は本発明に係る成形体の粘性
比較グラフであり、横軸は剪断速度(1/秒)、縦軸は
剪断抵抗(Pa、パスカル)であり、図中、Aは15v
ol%のマレイン化ワックスを添加した場合の曲線、B
は5vol%のEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)
を添加した場合の曲線、Cは10vol%のEVA(エ
チレン酢酸ビニル共重合体)を添加した場合の曲線、D
は無添加の場合の曲線である。図1によれば、マレイン
化ワックスを添加しても、剪断抵抗即ち粘度が小さい。
粘度が小さければ流動性がよくなり、ウエルドの発生を
抑えることができる。
【0009】成形直後のバインダを徐々に硬化させる
点について:図2は本発明に係るバインダの融点と温度
との関係を示すグラフであり、横軸は温度、縦軸はDS
C(示差走査熱量)を示す。バインダの組成(ワックス
A=53vol%、ワックスB=17vol%、マレイ
ン化ワックスE=15vol%、ステアリン酸C=10
vol%、分散剤D=5vol%)である。図2に示す
通り、成形後の冷却の段階で、C→B→A→Eの順で各
ワックス成分が順に凝固し硬化する。従って、硬化は緩
やかなものとなり好ましい。
【0010】体積変化の小さなバインダについて:図
3は各種バインダの体積膨張率を示すグラフであり、横
軸は温度、縦軸は体積膨張率である。パラフィンは体積
膨張率が大き過ぎて好ましくなく、EVAは体積膨張率
が小さいが樹脂成分であるために粘度が上って好ましく
ない。その点、マレイン化ワックスは体積膨張率がそれ
ほど高くないので好ましい。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。図4は本発明に係る射出
成形法を含む製造プロセス図であり、途中の混練工程で
セラミックス粉末に本発明のバインダを混練する。各工
程の詳細は次の通りである。セラミックス粉末 : Si3N4粉末 92wt% Y2O3粉末 5wt% Al2O3粉末 3wt%ボールミル : 溶媒 エタノール ポット容積 10リットル 回転数 50rpm 処理時間 64時間乾燥 : 方式 真空 温度 150℃ 処理時間 3時間
【0012】混練 : 方式 加圧ニーダ 温度 90℃ 処理時間 4時間 テストピース 70×70×20射出成形 : 金型温度 35℃ 材料温度 90℃ 射出圧力 4kg/cm2 脱脂 : 雰囲気 大気 脱脂温度 500℃ 昇熱時間 100時間(室温→500℃) 保持時間 1時間(500℃) 冷却方式 炉冷焼成 : 雰囲気 窒素ガス 脱脂温度 1800℃ 保持時間 4時間(1800℃)
【0013】以上のプロセスで製造した実施例1と比較
例1〜3とにおいて成形性の評価をしたのが次の表であ
る。
【0014】
【表1】
【0015】実施例1:パラフィン80%(vol%、
以下同じ。)、分散剤5%、及びマレイン化ワックス1
5%からなるバインダを使用した実施例1では、流動性
良好で成形性は○(良)であり、成形体にウエルドは発
生しなかった。従って、実施例1は成形性良好である。
【0016】比較例2:パラフィン95%及び分散剤5
%からなるバインダを使用した比較例1では、流動性良
好で成形性は○であるが、成形体にウエルドが発生した
ために成形性の評価は×(不可)であった。
【0017】比較例2,3:パラフィン90%(85
%)、分散剤5%、及びEVA5%(10%)からなる
バインダを使用した比較例2(3)では、EVAが粘性
を高めた結果、流動性が悪くなり、しかも成形体にウエ
ルドが発生したために成形性の評価は×(不可)であっ
た。
【0018】従って、上記表からマレイン化ワックスを
15%含めたバインダが成形性良好であることが分っ
た。マレイン化ワックスの有効性が認められたので、次
にそれの量を増減して効果を調べた。その結果を、次の
表(実施例2〜3と比較例4,5)にて示しそれらの脱
脂性の評価をした。
【0019】
【表2】
【0020】実施例2:パラフィン79.5%、分散剤
5%、マレイン化ワックス5%、及びステアリン酸1
0.5%からなるバインダを使用した実施例2では、脱
脂体に割れ等の欠陥が無くて○(良)であり、焼結体に
1mmの変形は認められたが割れはなくて○であった。
従って、実施例2は脱脂性良好である。
【0021】実施例3,4:パラフィン63%(53
%)、分散剤5%、マレイン化ワックス21.5%(3
1.5%)、及びステアリン酸10.5%からなるバイ
ンダを使用した実施例3(4)では、脱脂体に割れ等の
欠陥が無くて○(良)であり、焼結体に0.5mm
(0.1mm)の変形は認められたが割れはなくて○で
あり、脱脂性の評価は良好である。
【0022】比較例4:パラフィン84.5%、分散剤
5%、及びステアリン酸10.5%からなるバインダ
(即ちマレイン化ワックスを含まない。)を使用した比
較例4では、脱脂体に割れ等の欠陥が無くて○(良)で
あったが、焼結体に割れが発生しため×の評価である。
【0023】比較例5:パラフィン33%、分散剤5
%、マレイン化ワックス51.5%、及びステアリン酸
10.5%からなるバインダを使用した比較例5では、
脱脂体に割れが発生したので×の評価である。従って、
マレイン化ワックスを添加しないと比較例4のようにパ
ラフィン成分が多く成形体に密度むらが生じて焼結体に
割れが発生し、また、マレイン化ワックスを比較例5の
ように過剰にするとマレイン化ワックスが分解するとき
にガスが発生するため、この結果脱脂工程で脱脂体が割
れるという不都合がでる。以上の結果、バインダ中のマ
レイン化ワックスは5〜51%の範囲とする必要があ
る。
【0024】
【発明の効果】以上に述べた通り本発明は、セラミック
ス粉末50〜80vol%とバインダ50〜20vol
%とからなるセラミックス低圧射出成形用材料におい
て、バインダに、5〜51vol%(ただし、バインダ
全体を100とした場合)のマレイン化ワックスを含め
たことを特徴とし、この結果、射出時の粘度を適度に小
さくすることができてかつ、成形直後にバインダを徐々
に硬化させることができることからウエルドの発生を抑
えることができ、体積変化を小さくしたことから成形体
の密度むらによる脱脂時又は焼成時の割れを有効に抑制
できる。従って、本発明によれば成形時の欠陥が少な
く、脱脂・焼成時の割れが少ないセラミックス低圧射出
成形用材料を提供することができる。射出圧力において
は、従来の射出成形の射出圧が100〜2000kg/
cm2であったものを、本発明の材料を採用することに
より低圧の2〜10kg/cm2で射出成形が可能にな
ったといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形体の粘性比較グラフ
【図2】本発明に係るバインダの融点と温度との関係を
示すグラフ
【図3】各種バインダの体積膨張率を示すグラフ
【図4】本発明に係る射出成形法を含む製造プロセス図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 博一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−319903(JP,A) 特開 昭57−7863(JP,A) 特開 昭56−26915(JP,A) 特開 平4−224165(JP,A) 特開 平5−841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 1/24 C04B 35/622 C04B 35/632

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末50〜80vol%と
    バインダ50〜20vol%とからなるセラミックス低
    圧射出成形用材料であって、前記バインダは、5〜51
    vol%(ただし、バインダ全体を100とした場合)
    のマレイン化ワックスを含んでいることを特徴とするセ
    ラミックス低圧射出成形用材料。
  2. 【請求項2】 前記バインダを用いて実施する低圧射出
    成形の射出圧は、2〜10kg/cm 2 であることを特
    徴とする請求項1記載のセラミックス低圧射出成形用材
    料。
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