JP3224759U - バックル - Google Patents

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JP3224759U
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由和 小林
直幸 伊藤
直幸 伊藤
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Abstract

【課題】異物が留まりにくく、使用者が紐体を視認しやすく、紐体を傷つけにくい紐体連結部を有するバックルを提供する。【解決手段】バックル10は、プラグ20とソケット30が分離可能に結合されるものである。プラグは、プラグ側連結部21と、プラグ側連結部から延出する一対の係合脚部23とを備える。ソケットは、紐体1を連結するための紐体連結部35と、一対の係合脚部を着脱自在に収容可能な収容部31とを備える。紐体連結部は、収容部から延出する一対の延出部36と、一対の延出部に設けた、紐体を通すための一対の貫通孔38と、一対の延出部間を連結し、一対の貫通孔間に通された紐体を支持させる支持部37と、一対の延出部間に設けられ、支持部に支持された紐体を視認可能な開口39とを備える。支持部は、紐体と対面する側の内側面に、一対の貫通孔間にわたる長手方向に延びる溝を有する。【選択図】図1

Description

本考案は、プラグとソケットが分離可能に結合されるバックルに関する。
プラグとソケットとが分離可能に結合される合成樹脂製のバックルは、例えば、バックパック、リュックサックのチェストベルト、ショルダーベルトの連結、長さ調節等に使用されている。バックルとして、ソケット及びプラグの少なくとも一方に、ベルト、ストラップ、ストリップ等と呼ばれる平たい帯体を通すための帯体連結部が設けられたものの他、長手方向に直交する断面が円形、楕円形、正多角形等に近い紐体を通すための紐体連結部が設けられたものも知られている。紐体連結部を有するバックルは、例えば、中国意匠第303894541号明細書(特許文献1)、特許第6267827号公報(特許文献2)等に開示されている。
登山やキャンプにおいてバックパック等のバックルが風雨に晒されると、バックルの紐体連結部に小石、砂等の異物が入り込むことがある。特許文献1のバックルは、紐体連結部が筒状であるため、異物が紐体連結部内に留まりやすく、紐体連結部内に留まった異物が紐体を傷付けるおそれがある。更に、使用者が紐体連結部内に入った異物あるいは紐体の破損状態を視認することができず、紐体の破損を進行させてしまうおそれがある。
他方、特許文献2のバックルは、左右一対の延出部の貫通孔に紐体を通すだけなので、異物が留まることはない。しかしながら、紐体が左右の貫通孔間で完全に露出するため、紐体が傷付きやすく、また、紐体を左右の貫通孔部分の2点で支持する構造であるため、紐体が貫通孔部分で擦れ、これによっても紐体が傷付きやすいという欠点がある。
中国意匠第303894541号明細書 特許第6267827号公報
本考案は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物が留まりにくく、使用者が紐体を視認しやすく、紐体を傷つけにくい紐体連結部を有するバックルを提供することにある。
上記課題を解決するため、本考案によれば、プラグとソケットが分離可能に結合されるバックルであって、前記プラグは、帯体又は紐体を連結するためのプラグ側連結部と、前記プラグ側連結部から延出する一対の係合脚部とを備え、前記ソケットは、帯体又は紐体を連結するためのソケット側連結部と、前記一対の係合脚部を着脱自在に収容可能な収容部とを備え、前記ソケット側連結部及び前記プラグ側連結部の少なくとも一方は、紐体を連結するための紐体連結部であり、前記紐体連結部は、前記収容部又は前記一対の係合脚部から延出する一対の延出部と、前記一対の延出部に設けた、前記紐体を通すための一対の貫通孔と、前記一対の延出部間を連結し、前記一対の貫通孔間に通された前記紐体を支持させる支持部と、前記一対の延出部間に設けられ、前記支持部に支持された前記紐体を視認可能な開口とを備え、前記支持部は、前記紐体と対面する側の内側面に、前記一対の貫通孔間にわたる長手方向に延びる溝を有し、前記溝は、前記収容部又は前記一対の係合脚部側に開放し、かつ前記開口に連通することを特徴とするバックルが提供される。
本考案に係るバックルでは、プラグ及びソケットの少なくとも一方に設けた紐体連結部に、紐体を連結することができる。この際、紐体は、一対の延出部の貫通孔間に通され、一対の延出部間を連結する支持部の溝に配置されて支持部に支持される。紐体は一対の貫通孔間の全長にわたって支持部に支持されるが、これは、一対の貫通孔間の全長にわたって支持部が紐体の溝側側面をカバーするとも言える。これにより、紐体が傷付きにくくなる。また、支持部の溝に配置された紐体は、一対の延出部間の開口から使用者が視認することができる。そのため、溝に留まった異物や紐体の破損状態を使用者が容易に確認することができる。更に、支持部の溝は、収容部又は一対の係合脚部側に開放し、かつ一対の延出部間の開口に連通する。そのため、たとえ支持部の溝に異物が入り込んでも、溝の開放側から開口を通って異物を容易に排出することができる。
本考案において、プラグ及びソケットは、ポリアセタール、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂から射出成形又は押出成形により製造され得るが、これに限定されるものではない。
本考案において、「紐体」は、長手方向に直交する断面が円形、楕円形、正多角形等に近い紐、より糸、ロープ、ワイヤ等を含む他、ベルト等に比べて横幅が短い、平たい靴紐のような紐を含む。
本考案の一実施形態において、前記支持部の前記溝は、前記長手方向において前記収容部又は前記一対の係合脚部側に凸となるように湾曲する。この場合、紐体連結部の支持部に支持された紐体が、収容部又は一対の係合脚部側とは反対側、すなわち支持部の溝に嵌まる方向に引っ張られても、支持部の溝が長手方向において収容部又は一対の係合脚部側に凸となるように湾曲するため、紐体の荷重を支持部の長手方向全体で受けることができる。そのため、紐体の一部に応力が集中するようなことがなく、紐体が破損しづらい。
本考案の一実施形態において、前記支持部の前記溝は、前記長手方向に直交する断面が略U字である。この場合、支持部の溝の断面が略U字であるため、断面が円形や正多角形状の紐体の溝側側部を包み込むように紐体を支持部の溝で支持することができる。また、略U字の溝は、紐体が溝に嵌まる方向に引っ張られた場合、紐体の断面形状を維持しつつ紐体を支持することができ、これによっても紐体が傷付きにくくなる。断面が略U字の溝の一例は、図14の溝37aの断面に表される。ここで、「略U字」とは、断面が上方に開放する円弧状であるか、コの字を上方が開放するように横倒ししかつ下方の2つの角に丸みをつけた形状をいう。
本考案の一実施形態において、前記ソケットが前記紐体連結部を備える。この実施形態について図面に基づいて後述する。
本考案に係るバックルでは、プラグ及びソケットの少なくとも一方に設けた紐体連結部に連結される紐体は、一対の延出部の貫通孔間に通され、一対の延出部間を連結する支持部に支持される。このように支持部が一対の貫通孔間の全長にわたって紐体の溝側側部をカバーするため、紐体が傷付きにくくなる。また、支持部の溝に配置された紐体は、一対の延出部間の開口から使用者が視認することができるため、溝に留まった異物や紐体の破損状態を使用者が容易に確認することができる。更に、支持部の溝は、収容部又は一対の係合脚部側に開放し、かつ一対の延出部間の開口に連通するため、たとえ支持部の溝に異物が入り込んでも、溝の開放側から開口を通って異物を容易に排出することができる。
図1は、本考案の一実施形態に係るバックルを示す斜視図である。 図2は図1のバックルの正面図である。 図3は図1のバックルの背面図である。 図4は、図2の矢印Aから見たバックルの側面図である。 図5は図2のB−B線矢視断面図である。 図6はプラグの斜視図である。 図7はプラグの正面図である。 図8は、図7の矢印Cから見た側面図である。 図9はソケットの斜視図である。 図10はソケットの正面図である。 図11はソケットの背面図である。 図12は、図10の矢印Dから見たソケットの側面図である。 図13は図10のE−E線矢視断面図である。 図14は、図13の溝(37a)付近の拡大図である。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明するが、本考案はそのような実施形態に限定されるものではない。図1〜図5は、本考案の一実施形態に係るバックル10を示す斜視図、正面図、背面図、側面図、及び断面図である。バックル10は、相互に結合及び分離可能なプラグ20とソケット30とからなる。図1〜図5はプラグ20とソケット30が結合した状態で、かつソケット30の後述する紐体連結部35に紐体1(破断して示す)を連結した状態が表される。図4は図2の矢印Aから見た側面図である。図5は図2のB−B線矢視断面図である。図6〜図8は、プラグ20の斜視図、正面図及び側面図である。図8は図7の矢印Cから見た側面図である。図9〜図13は、ソケット30の斜視図、正面図、背面図、側面図、及び断面図である。図14は、図13の後述する溝37a付近の拡大図である。図12は図10の矢印Dから見た側面図である。図13は、図10のE−E線矢視断面図である。以下の説明において、上下方向は図2〜図5、図7、図8、図10〜図13等の紙面に基づくものとし、左右方向は図2、図3、図7、図10、図11の紙面に基づくものとする。なお、プラグ20及びソケット30は実質的に左右対称である。
プラグ20は、ベルト、ストラップ、ストリップ等の帯体(図示せず)を通して連結するためのプラグ側連結部としての帯体連結部21と、帯体連結部21から下方に延出する左右一対の係合脚部23とを備える。帯体連結部21は、図5に破線で部分的に示す帯体2を表裏一方から他方(図5において表側から裏側)へと通すための上方の第1孔21aと、第1孔21aの下方に設けられ、第1孔21aに通した帯体2を表裏他方から一方(図5において裏側から表側)へと戻すための第2孔21bと、第1孔21aと第2孔21bとの間に設けられた連結バー22とを含む。連結バー22は、表側(図5において左方)に片寄るように設けられる。第1孔21aは上下間隔が狭い横長矩形状である。これに対して、第2孔21bは略三角形状であり、第1孔21aと同じ左右方向長さの上端部から下方へと左右長さが狭まる。左右一対の係合脚部23は、それぞれの下端部が互いに近づく側へと撓むことができる可撓性を有する。各係合脚部23の下端部における左右方向内側の表裏には、表裏方向にわずかに突出する爪24がそれぞれ、計4つ設けられる。
ソケット30は、プラグ20の一対の係合脚部23を着脱自在に収容可能な収容部31と、収容部31から下方に拡張するソケット側連結部としての紐体連結部35とを備える。収容部31は、略X字状の表板31a及び裏板31bと、表裏板31a、31bにおける上端部の左右方向外側間を連結する上側部31cと、表裏板31a、31bの下端部間を連結する下側部31dとを備える。表裏板31a、31b間の上端側は、プラグ20の一対の係合脚部23を受け入れる受け入れ口32として外部に開放する。また、表裏板31a、31b間における上側部31cと下側部31dとの間は、側部開口33、33として開口する。表裏板31a、31bそれぞれの相互に対面する内側面における上下中間点より下方でかつ左右方向外側には、プラグ20の各係合脚部23の各爪24を係止可能な係止部34(図5等参照)が設けられる。図3、図5等を参照して、各係止部34の下端は、後述する開口39の上端辺に沿う。
プラグ20の一対の係合脚部23をソケット30の収容部31に収容する場合、収容部31の受け入れ口32から左右の係合脚部23を挿入する。この時、左右の係合脚部23は、収容部31の上側部31cによって一時的に互いに近づく側に撓ませられ、各係合脚部23の爪24が収容部31の係止部34を越えるや否や左右の係合脚部23が互いに離れる方向に復元して各爪24が各係止部34に係止される。これにより、プラグ20とソケット30が結合状態となる。この結合状態で各係合脚部23の左右方向外側の一部が収容部31の側部開口33、33から外部に露出する。この左右の係合脚部23の露出部分を使用者が左右方向内側に指で摘むことにより、左右の係合脚部23が左右方向内側に撓み、各爪24が各係止部34から外れ、左右の係合脚部23を収容部31から抜き取ることが可能となる。このようにして、プラグ20とソケット30が分離される。
ソケット30の紐体連結部35は、収容部31の左右の下端部から下方に延出する左右一対の延出部36と、一対の延出部36の下端部間を連結する支持部37とからなる。左右の延出部36には、紐体1を通すための左右一対の貫通孔38が設けられる。各貫通孔38は4つの角に丸みがつけられた上下にわずかに長い矩形に近い形状を有する。また、左右の延出部36間でかつ支持部37から上方には、表裏方向に貫通する開口39が設けられる。開口39の上方側端は収容部31の下半部となる。支持部37は、上方を向く内側面に、左右の貫通孔38間にわたる長手方向に延びる溝37aを有する。支持部37は溝37aと共に、長手方向において上方に凸となるように湾曲する。更に、図14に拡大して示すように、溝37aは、長手方向に直交する断面が略U字である。溝37aは上方に開放して開口39に連通する。支持部37の溝37aは左右の貫通孔38の下端と滑らかに繋がる。
バックル10では、ソケット30に設けた紐体連結部35に、紐体1を連結することができる。この際、紐体1は、左右の延出部36の貫通孔38間に通され、支持部37の溝37aに配置されて支持部37に支持される。このように支持部37が左右の貫通孔38間の全長にわたって紐体1の溝側側面をカバーするため、紐体1が傷付きにくくなる。また、支持部37の溝37aに配置された紐体1は、左右の延出部36間の開口39から使用者が視認することができる。そのため、溝37aに留まった異物や紐体1の破損状態を使用者が容易に確認することができる。また、支持部37の溝37aは、上方に開放して開口39に連通するため、たとえ支持部37の溝37aに異物が入り込んでも、溝37aの上方から開口39を通って異物を容易に排出することができる。
更に、バックル10では、支持部37の溝37aが、長手方向において上方に凸となるように湾曲するため、支持部37に支持された紐体1が、下方に引っ張られても、紐体1の荷重を支持部37の長手方向全体で受けることができるため、紐体1の一部に応力が集中するようなことがなく、紐体が破損しづらい。更にまた、支持部37の溝37aの断面が略U字であるため、断面が円形や正多角形状の紐体1の下方側部を包み込むように紐体1を溝で支持することができる。そのため、紐体1が溝37aに嵌まる方向に引っ張られた場合、紐体1の断面形状をさほど歪めることなく紐体1を支持することができる。これによっても紐体1が傷付きにくくなる。
以上の実施形態では、ソケット30に溝37aを有する支持部37を含む紐体連結部35を設ける例を挙げたが、本考案はそれに限定されるものではなく、紐体連結部35をプラグ20側に設けたり、プラグ20及びソケット30の両方に設けることができる。
1 紐体
2 帯体
10 バックル
20 プラグ
21 帯体連結部(プラグ側連結部)
23 係合脚部
24 爪
30 ソケット
31 収容部
32 受け入れ口
33 側部開口
34 係止部
35 紐体連結部(ソケット側連結部)
36 延出部
37 支持部
37a 溝
38 貫通孔
39 開口

Claims (4)

  1. プラグ(20)とソケット(30)が分離可能に結合されるバックル(10)であって、
    前記プラグ(20)は、帯体(2)又は紐体(1)を連結するためのプラグ側連結部(21)と、前記プラグ側連結部(21)から延出する一対の係合脚部(23)とを備え、
    前記ソケット(30)は、帯体(2)又は紐体(1)を連結するためのソケット側連結部(35)と、前記一対の係合脚部(23)を着脱自在に収容可能な収容部(31)とを備え、
    前記ソケット側連結部(35)及び前記プラグ側連結部(21)の少なくとも一方は、紐体(1)を連結するための紐体連結部(35)であり、
    前記紐体連結部(35)は、
    前記収容部(31)又は前記一対の係合脚部(23)から延出する一対の延出部(36)と、前記一対の延出部(36)に設けた、前記紐体(1)を通すための一対の貫通孔(38)と、前記一対の延出部(36)間を連結し、前記一対の貫通孔(38)間に通された前記紐体(1)を支持させる支持部(37)と、前記一対の延出部(36)間に設けられ、前記支持部(37)に支持された前記紐体(1)を視認可能な開口(39)とを備え、
    前記支持部(37)は、前記紐体(1)と対面する側の内側面に、前記一対の貫通孔(38)間にわたる長手方向に延びる溝(37a)を有し、
    前記溝(37a)は、前記収容部(31)又は前記一対の係合脚部(23)側に開放し、かつ前記開口(39)に連通することを特徴とするバックル。
  2. 前記支持部(37)の前記溝(37a)は、前記長手方向において前記収容部(31)又は前記一対の係合脚部(23)側に凸となるように湾曲することを特徴とする請求項1に記載のバックル。
  3. 前記支持部(37)の前記溝(37a)は、前記長手方向に直交する断面が略U字であることを特徴とする請求項1又は2に記載のバックル。
  4. 前記ソケット(30)が前記紐体連結部(35)を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のバックル。
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