JP3224656B2 - 3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン - Google Patents

3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン

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JP3224656B2
JP3224656B2 JP30569793A JP30569793A JP3224656B2 JP 3224656 B2 JP3224656 B2 JP 3224656B2 JP 30569793 A JP30569793 A JP 30569793A JP 30569793 A JP30569793 A JP 30569793A JP 3224656 B2 JP3224656 B2 JP 3224656B2
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glutamate
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carboxymethano
aza
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啓子 島本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−グルタミン酸取り
込み阻害剤に関し、さらに詳細にはL−グルタミン酸ト
ランスポーターのグルタミン酸取り込み活性の抑制作用
を有するプロリン誘導体、3,4−(6−カルボキシメ
タノ)プロリンに関する。
【0002】本化合物の開発は、L−グルタミン酸トラ
ンスポーターのグルタミン酸取り込みの阻害剤の開発へ
の糸口を提供するものであり、てんかん、ハンチンソン
氏病、パーキンソン氏病等の神経障害、神経変異症等の
治療への展開が期待できる。また、本発明の化合物を提
供することは、L−グルタミン酸およびその類縁化合物
のコンフォメーションと活性との相関から、受容機構を
解明する上で重要な知見を与えるものと期待される。
【0003】
【従来の技術】L−グルタミン酸は哺乳動物の中枢神経
系における興奮性神経刺激の伝達物質であり、シナプス
間での素早い神経伝達を引き起こすだけでなく、高次で
複雑な生理的過程である記憶や学習にも関与しているこ
とが知られている。シナプス間での興奮性の神経伝達
は、プレシナプスからのグルタミン酸の放出に始まり、
高親和性のグルタミン酸トランスポーターによるシナプ
ス間隙からプレシナプスやグリア細胞への素早いグルタ
ミン酸の取り込みにより終始する(AttwellD.
and Nicholls D.,TIPS 68−7
4,1991)。いくつかの遺伝的な神経変性疾患にお
いて、患者の脳の一部においてナトリウムイオン依存的
なグルタミン酸取り込み活性の低下または阻害が報告さ
れているため(Rothstein J.D.et a
l.,N.Eng.J.Med.,326,1464−
1468,1992)、このグルタミン酸トランスポー
ターの機能の発現と阻害がこれらの疾患との関連で注目
されている。
【0004】これまでに、いくつかのグルタミン酸トラ
ンスポーターに対するグルタミン酸取り込み阻害物質が
シナプトソームや脊髄を用いて調べられており、また、
ラット脳のナトリウムイオン依存的なグルタミン酸トラ
ンスポーターの遺伝子である、RNGLT(Pines
G.et al.,Nature 360,464−
467,1992)およびRNGLUAS(Storc
k T.et al.,Proc.Natl.Acd.
Sci.USA,89,10955−10959,19
92)も報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このグルタミ
ン酸トランスポーターとこれらの神経変性疾患との関連
性の究明に繋がる研究の発展のためには、種々のグルタ
ミン酸トランスポーターに特異的な阻害剤の開発が要望
されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のR
NGLTおよびRNGLUASのcRNAをアフリカツ
メガエルの卵母細胞に導入してこれを発現させ、これら
のトランスポーターによるグルタミン酸取り込みの阻害
を評価する系を開発した。そしてこの系を用いて、グル
タミン酸取り込み阻害物質を鋭意研究したところ、式
(1)
【0007】
【化5】
【0008】で示される3,4−(6−カルボキシメタ
ノ)プロリンが、アフリカツメガエル内因性のグルタミ
ン酸取り込み活性を阻害することなしに、これらのグル
タミン酸トランスポーターの取り込み活性を阻害するこ
とを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明に
よれば、グルタミン酸取り込み活性を阻害する新規化合
物である3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン
(1)を提供することができる。
【0009】本発明の3,4−(6−カルボキシメタ
ノ)プロリンには、2,3,4および6位の4個の不斉
炭素が含まれるため、理論的には2=16個の異性体
が存在するが、3,4位がトランス配置の化合物{すな
わち(3R,4R)体および(3S,4S)体}は環歪
みのため安定には存在しない。従って、L−アミノ酸系
列に属する(2S,3R,4S,6R)体、(2S,3
S,4R,6S)体、(2S,3R,4S,6S)体お
よび(2S,3S,4R,6R)体(以下、それぞれ
を、CPM−I,CPM−II,CPM−IIIおよび
CPM−IVと略記することがある。)の4個の異性体
と、D−アミノ酸系列に属する(2R,3S,4R,6
S)体、(2R,3R,4S,6R)体、(2R,3
S,4R,6R)体および(2R,3R,4S,6S)
体(以下、それぞれを、D−CPM−I,D−CPM−
II,D−CPM−IIIおよびD−CPM−IVと略
記することがある。)の4個の異性体、計8個の異性体
が存在する。本発明には、これらの8個の異性体が含ま
れる。
【0010】本発明の化合物、例えば(2S,3R,4
S,6R)−3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリ
ン(化合物1a、CMP−I)を合成するには、次のス
キームに従って、
【0011】
【化6】
【0012】(本明細書中、TBSはt−ブチルジメチ
ルシリル基、Imはイミダゾール、Bocはt−ブトキ
シカルボニル基、TFAはトリフロロ酢酸、Jones
はジョーンズ酸化を示す。)
【0013】先ず式(2a)で示される(1S,7S,
8S,9S)−3−アザ−9−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシメチル−4,4−ジメチル−5−オキサトリシ
クロ〔6.1.0.03.7〕ノナン−2−オン(特開
平3−261748号公報中に化合物5として記載)を
既知の方法でオキサゾリジン環を開環し、水酸基のTB
S化およびアミノ基のBoc化の工程を経て、(1S,
4S,5S,6S)−3−アザ−3−N−t−ブトキシ
カルボニル−4,6−ビス−(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシメチル)ビシクロ〔3.1.0〕ヘキサン−2
−オン(3a)に導く。
【0014】次いで、化合物(3a)のアミドカルボニ
ル基を還元して、(1R,2S,5S,6S)−3−ア
ザ−3−N−t−ブトキシカルボニル−2,6−ビス−
(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ビシクロ
〔3.1.0〕ヘキサン(4a)とする。これをさらに
脱TBS化、ジョーンズ酸化、メチルエステル化の工程
を経て、(1R,2S,5S,6R)−3−アザ−3−
N−t−ブトキシカルボニル−2,6−ジメトキシカル
ボニルビシクロ〔3.1.0〕ヘキサン(5a)に導い
た後、脱保護して、目的とする(2S,3R,4S,6
R)−3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(1
a)を得ることができる。
【0015】同様にして、(2S,3S,4R,6S)
−3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(化合物
1b、CMP−II)は、(1R,7S,8R,9R)
体の化合物2b(同公報中に化合物4として記載)を出
発原料として、次のスキーム
【0016】
【化7】
【0017】に従って合成することができ、また、(2
S,3R,4S,6S)−3,4−(6−カルボキシメ
タノ)プロリン(化合物1c、CMP−III)は、
(1S,7S,8R,9R)体の化合物2cから得られ
る(1S,4S,5S,6R)−3−アザ−3−N−t
−ブトキシカルボニル−4,6−ビス−(t−ブチルジ
メチルシリルオキシメチル)ビシクロ〔3.1.0〕ヘ
キサン−2−オン(化合物3c、同公報中に化合物19
として記載)を出発原料として、次のスキームに従って
合成することができる。
【0018】
【化8】
【0019】同様に、これらの鏡像体であるD−CPM
−I,D−CPM−IIおよびD−CPM−IIIは、
L−セリンから公知の方法で合成される、対応する立体
配置を有する3−アザ−9−t−ブチルジメチルシリル
オキシメチル−4,4−ジメチル−5−オキサトリシク
ロ〔6.1.0.03.7〕ノナン−2−オンを、それ
ぞれ出発原料として合成することができる。また、CM
P−IVはD−CPM−IIIの2位をラセミ化するこ
とにより合成することができ、同様にD−CMP−IV
はCPM−IIIの2位をラセミ化することにより合成
することができる。
【0020】
【作用】本発明の化合物は、上述のRNGLTおよびR
NGLUASのcRNAをアフリカツメガエルの卵母細
胞に導入してこれを発現させ、これらのトランスポータ
ーによるグルタミン酸取り込みの阻害を評価する系にお
いて、グルタミン酸の取り込みを阻害する。このこと
は、本発明の化合物が神経変性疾患におけるグルタミン
酸トランスポートの機構解明に繋がり、構造活性相関等
の研究を通して、これらの神経変性疾患の治療に結びつ
く、有用な化合物であることを示している。
【0021】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明の範囲はこれらのみに限定されるもの
ではない。
【0022】実施例1.(2S,3R,4S,6R)−
3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(CMP−
I)の合成 ステップ1.(1S,4S,5S,6S)−3−アザ−
3−N−t−ブトキシカルボニル−4,6−ビス−(t
−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ビシクロ〔3.
1.0〕ヘキサン−2−オン(3a)の合成 式(2a)で示される(1S,7S,8S,9S)−3
−アザ−9−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−
4,4−ジメチル−5−オキサトリシクロ〔6.1.
0.03,7】ノナン−2−オン(特開平3−2617
48号公報中に化合物5として記載)500mg(1.
61mmol)のメタノール溶液10mlにカンファー
スルホン酸(CSA)20mgを加えて室温で18時間
撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣をジメチルホル
ムアミド(DMF)2mlに溶かしテトラヒドロフラン
(THF)を加えて減圧留去する操作を3回繰り返して
メタノールを完全に除いた。残渣のDMF溶液に塩化t
−ブチルジメチルシリル732mg(4.83mmo
l)とイミダゾール438mg(6.44mmol)の
DMF溶液5mlを加えて室温で18時間撹拌した。酢
酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマト(エーテル/ヘキサン=1/1)で精
製した。得られた油状生成物をTHF5mlに溶かし
て、ジ−t−ブチルジカルボナート540μl(1.5
7mmol)、トリエチルアミン327μl(2.35
mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン38mg
(0.31mmol)を加えて室温で16時間撹拌し
た。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗
浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマト(エーテル/ヘキ
サン=1/3)で精製し標題化合物(3a)を726m
g得た(収率93%)。この化合物の物性値を〔表1〕
に示す。
【0023】
【表1】
【0024】ステップ2.(1R,2S,5S,6R)
−3−アザ−N−t−ブトキシカルボニル−2,6−ビ
ス−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ビシク
ロ〔3.1.0〕ヘキサン(4a)の合成 ステップ1で得られた化合物(3a)700mg(1.
44mmol)のTHF溶液20mlに、室温でボラ
ン.ジメチルスルフィド錯体(BH・MeS)82
0μl(8.64mmol)を加えて50℃で30分間
加熱撹拌した。氷冷下に過剰の試薬を氷片で分解し、エ
ーテルで抽出した。有機層を水洗、乾燥し、溶媒を留去
して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(エーテ
ル/ヘキサン=1/4)で精製し標題化合物(4a)を
548mg得た(収率81%)。この化合物の物性値を
〔表2〕に示す。
【0025】
【表2】
【0026】ステップ3.(1R,2S,5S,6R)
−3−アザ−3−N−t−ブトキシカルボニル−2,6
−ジメトキシカルボニルビシクロ〔3.1.0〕ヘキサ
ン(5a)の合成 ステップ2で得られた化合物(4a)548mg(1.
16mmol)のメタノール溶液5mlにイオン交換樹
脂Dowex 50W×4 50mgを加えて室温で1
8時間撹拌した。樹脂をろ過し、ろ液を減圧濃縮してメ
タノールを完全に留去した。残渣のアセトン溶液2ml
に氷冷下でジョーンズ試薬を加え、室温で3時間撹拌し
た。過剰の試薬を2−プロパノールで分解し、反応溶液
を酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥し、溶媒
を留去して得られた残渣にジアゾメタンのエーテル溶液
を加えてエステル化した後、シリカゲルカラムクロマト
(メタノール/ヘキサン=2/98)で精製し標題化合
物(5a)を249mg得た(収率72%)。この化合
物の物性値を〔表3〕に示す。
【0027】
【表3】
【0028】ステップ4.(2S,3R,4S,6R)
−3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(1a,
CMP−I)の合成 ステップ3で得られた化合物(5a)200mg(0.
67mmol)のTHF溶液2mlに、1M水酸化ナト
リウム水溶液2mlを加えて0℃で3時間、室温で3時
間撹拌した。反応溶液に1M塩酸を加えてpH2に調整
し、食塩と酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を水
洗、乾燥し、溶媒を留去して得られた残渣の塩化メチレ
ン溶液1mlにトリフルオロ酢酸(TFA)1mlを加
えて室温で15分間撹拌した。減圧濃縮して得られた残
渣をイオン交換樹脂カラムクロマト(Dowex 50
w×4)に付し、水で洗浄した後、1Mアンモニア水で
溶出した。得られた標題化合物のアンモニウム塩の水溶
液を2M塩酸でpH3に調整し、生じた結晶をろ取して
標題化合物(1a)を54mg得た(収率47%)。こ
の化合物の物性値を〔表4〕に示す。
【0029】
【表4】
【0030】実施例2.(2S,3S,4R,6S)−
3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(1b,C
MP−II)の合成 ステップ1.(1R,4S,5R,6R)−3−アザ−
3−N−t−ブトキシカルボニル−4,6−ビス−(t
−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ビシクロ〔3.
1.0〕ヘキサン−2−オン(3b)の合成 式(2b)で示される(1R,7S,8R,9R)−3
−アザ−9−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−
4,4−ジメチル−5−オキサトリシクロ〔6.1.
0.03.7〕ノナン−2−オン(特開平3−2617
48号公報中に化合物4として記載)420mg(1.
35mmol)から、実施例1と同様にして標題化合物
(3b)427mgを得た(収率65%)。この化合物
の物性値を〔表5〕に示す。
【0031】
【表5】
【0032】ステップ2.(1S,2S,5R,6S)
−3−アザ−N−t−ブトキシカルボニル−2,6−ビ
ス−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ビシク
ロ〔3.1.0〕ヘキサン(4b)の合成 ステップ1で得られた化合物(3b)400mg(0.
82mmol)から、実施例1と同様にして標題化合物
(4b)427mgを得た(収率83%)。この化合物
の物性値を〔表6〕に示す。
【0033】
【表6】
【0034】ステップ3.(1S,2S,5R,6S)
−3−アザ−3−N−t−ブトキシカルボニル−2,6
−ジメトキシカルボニルビシクロ〔3.1.0〕ヘキサ
ン(5b)の合成 ステップ2で得られた化合物(4b)290mg(0.
62mmol)から、実施例1と同様にして標題化合物
(5b)122mgを得た(収率66%)。この化合物
の物性値を〔表7〕に示す。
【0035】
【表7】
【0036】ステップ4.(2S,3S,4R,6S)
−3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(1b,
CMP−II)の合成 ステップ3で得られた化合物(5b)100mg(0.
33mmol)から、実施例1と同様にして標題化合物
(1b)54mgを得た(収率47%)。この化合物の
物性値を〔表8〕に示す。
【0037】
【表8】
【0038】実施例3.(2S,3R,4S,6S)−
3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(1b,C
MP−III)の合成 ステップ1.(1R,2S,5S,6S)−3−アザ−
N−t−ブトキシカルボニル−2,6−ビス−(t−ブ
チルジメチルシリルオキシメチル)ビシクロ〔3.1.
0〕ヘキサン(4c)の合成 特開平3−261748号公報中に化合物19として記
載されている(1S,4S,5S,6R)−3−アザ−
3−N−t−ブトキシカルボニル−4,6−ビス−(t
−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ビシクロ〔3.
1.0〕ヘキサン−2−オン(3c)300mg(0.
62mmol)から実施例1と同様にして標題化合物
(4c)179mgを得た(収率61%)。この化合物
の物性値を〔表9〕に示す。
【0039】
【表9】
【0040】ステップ2.(1R,2S,5S,6S)
−3−アザ−3−N−t−ブトキシカルボニル−2,6
−ジメトキシカルボニルビシクロ〔3.1.0〕ヘキサ
ン(5c)の合成 ステップ1で得られた化合物(4c)280mg(0.
59mmol)から、実施例1と同様にして標題化合物
(5c)78mgを得た(収率44%)。この化合物の
物性値を〔表10〕に示す。
【0041】
【表10】
【0042】ステップ3.(2S,3R,4S,6S)
−3,4−(6−カルボキシメタノ)プロリン(1c,
CMP−III)の合成 ステップ2で得られた化合物(5c)70mg(0.2
3mmol)から、実施例1と同様にして標題化合物
(1c)16mgを得た(収率40%)。この化合物の
物性値を〔表11〕に示す。
【0043】
【表11】
【0044】評価例1.グルタミン酸トランスポーター
遺伝子を注入したアフリカツメガエルにおけるグルタミ
ン酸取り込み阻害の測定 常法に従い、グルタミン酸トランスポーターの遺伝子、
RNGLTおよびRNGLUASに対応するDNAプラ
イマーを用い、PCRによりRNGLTおよびRNGL
UAS遺伝子を得た。これを常法に従い制限遺伝子で切
断後、cRNA発現用のT7RNAプロモーターを有す
るプラスミド(pBluescriptIISK−)に
連結した。制限酵素BssIIでT7プロモーターを
含む断片を切り出し、次いでキャップアナログ存在下に
トランスクリプションを行い、それぞれ対応するcRN
Aを得た。
【0045】得られたcRNAの濃度を0.5mg/m
lに調整した後、コラゲナーゼ処理したアフリカツメガ
エルの卵母細胞に0.05μlづつ注入し、20℃で2
0〜24時間インキュベートした。コントロールとし
て、同量の蒸留水を注入して、内因性のグルタミン酸取
り込みを測定した。注入後の卵細胞は、1μMのL−〔
14C〕−グルタミン酸(9.8GBq/mmol)を
含むオーサイトリンゲル液(100mMNaCl,1m
MKCl,1mMCaCl, 1mMMgCl、5
mMTris−HClおよび10mMHEPES,pH
7.5)中で100μMの試料を加えて20分間インキ
ュベートした後、1mlのオーサイトリンゲル液で3回
素早く洗浄し、次いで500μlの1%SDSを加えボ
ルテックス処理の後、5分間超音波処理した。卵母細胞
を完全に溶解した後、シンチレーターを加えて液体シン
チレーションカウンターで、卵母細胞に取り込まれた放
射活性を測定し、試料を加えないでインキュベートした
卵母細胞に取り込まれた放射活性を100として、パー
セント表示で表した。
【0046】遺伝子RNGLTおよび遺伝子RNGLU
ASからのcRNAを注入した卵母細胞は、共にナトリ
ウムイオン依存症のグルタミン酸取り込み活性を示し、
そのKm値はそれぞれ1.5μMおよび12.1μMで
あった。また、そのVmaxはそれぞれ31.3pmo
l/h・oocyteおよび77.4pmol/h・
ocyteであった。これに対して、本発明の化合物の
一つであるCMP−IIIは、遺伝子RNGLTおよび
遺伝子RNGLUASからのcRNAを注入した卵母細
胞におけるグルタミン酸の取り込みをそれぞれ70%お
よび45%阻害した。
【0047】アフリカツメガエルの卵母細胞は、取り出
した直後はナトリウムイオン依存性のグルタミン酸取り
込み活性を示さないが、オーサイトリンゲル液でインキ
ューベーションすると、徐々にその活性が上昇する。3
〜4日後における活性の代表的なKm値は11.5μM
で、Vmaxは112pmol/h・oocyteと測
定されたが、CMP−IIIはこの内因性のグルタミン
酸取り込みを阻害しなかった。
【0048】これらの結果から、本発明の化合物の一つ
であるCMP−IIIが内因性のグルタミン酸取り込み
を阻害することなしに、これらのグルタミン酸取り込み
活性を阻害することが明らかである。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、グルタミン酸取り込み
活性の阻害剤である3,4−(6−カルボキシメタノ)
プロリンが提供される。この化合物は、グルタミン酸取
り込み活性を阻害する新規化合物であり、グルタミン酸
トランスポーターの機能の解明に有用な生化学試薬であ
るばかりか、これらの研究を通して、種々の神経変性疾
患の治療に繋がるものである。
フロントページの続き (72)発明者 堺谷 政弘 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1 号 財団法人サントリー生物有機科学研 究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/52 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で示される3,4−(6−カルボ
    キシメタノ)プロリン 【化1】
  2. 【請求項2】式(1a)で示される、(2S,3R,4
    S,6R)の立体配置を有する請求項1に記載の化合
    物、(2S,3R,4S,6R)−3,4−(6−カル
    ボキシメタノ)プロリン 【化2】
  3. 【請求項3】式(1b)で示される、(2S,3S,4
    R,6S)の立体配置を有する請求項1に記載の化合
    物、(2S,3S,4R,6S)−3,4−(6−カル
    ボキシメタノ)プロリン 【化3】
  4. 【請求項4】式(1c)で示される(2S,3R,4
    S,6S)の立体配置を有する請求項1に記載の化合
    物、(2S,3R,4S,6S)−3,4−(6−カル
    ボキシメタノ)プロリン 【化4】
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