JP3224438B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3224438B2
JP3224438B2 JP34134192A JP34134192A JP3224438B2 JP 3224438 B2 JP3224438 B2 JP 3224438B2 JP 34134192 A JP34134192 A JP 34134192A JP 34134192 A JP34134192 A JP 34134192A JP 3224438 B2 JP3224438 B2 JP 3224438B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は第1の基板に第1の電極
と第2の電極とを有し、この第1の電極と第2の電極の
重なり合う領域の第1の電極と第2の電極との間に非線
形抵抗層として、第1の電極の陽極酸化膜、酸化シリコ
ン膜、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、酸化タンタル
膜、あるいは酸化アルミニウム膜を有する金属−絶縁膜
−金属(MIM)構造からなる非線形抵抗素子を有する
液晶表示装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年液晶表示パネルを用いた表示装置の
表示画素数は、大容量化の一途をたどっている。そのう
ち、単純マトリクス構成の表示装置にマルチプレクス駆
動を用いる方式では、高時分割化するに従ってコントラ
ストの低下、あるいは応答速度の低下が生じ、200本
程度の走査線を有する場合では、充分なコントラストを
得ることが難しくなる。
【0003】そこで、このような欠点を除去するため
に、個々の画素にスイッチング素子を設けるアクティブ
マトリクス方式の液晶表示パネルが採用されている。
【0004】このアクティブマトリクス液晶表示パネル
には、大別すると薄膜トランジスタを用いる三端子系
と、非線形抵抗素子を用いる二端子系とがあるが、構造
や製造方法が簡単な点で、二端子系が優れている。
【0005】この二端子系には、ダイオード型や、バリ
スタ型や、MIM型などが開発されている。このうち、
MIM型は特に構造が簡単で、そのうえ製造工程が短い
という特徴を備えている。以下に、MIM型の非線形抵
抗素子を備える、従来技術における液晶表示装置を説明
する。
【0006】図10は非線形抵抗素子を用いた液晶表示
装置の構成を示す平面図である。さらに図11は、図1
0の液晶表示装置を示す平面図におけるA−A線での断
面を示す断面図である。以下図10と図11とを交互に
用いて、従来技術における液晶表示装置を説明する。
【0007】第1の基板31上には、第1の電極32を
形成し、この第1の電極32上に、非線形抵抗層33を
形成する。さらに第2の電極34を非線形抵抗層33上
にオーバーラップするように形成して、非線形抵抗素子
30を形成している。この第2の電極34の一部は、表
示電極35を兼ねている。
【0008】第2の基板36上には、第1の基板31に
形成するそれぞれの表示電極35の隙間からの光の漏れ
を防止するために、斜線61によって示すブラックマト
リクス37を形成している。
【0009】さらに、第2の基板36には、表示電極3
5と対向するように、対向電極39をブラックマトリク
ス37と接触して短絡しないように絶縁膜38を介し
て、形成している。
【0010】第1の基板31上に設ける第1の電極32
は、非線形抵抗素子30を形成するために張り出してい
る領域を形成し、この張り出し領域が第2の電極34と
オーバーラップして非線形抵抗素子30を形成してい
る。
【0011】またさらに、図10の平面図に示すよう
に、第1の電極32と表示電極35とは、一定の間隙を
有している。
【0012】表示電極35は、対向電極39と重なり合
うように、対向して配置することにより、液晶表示パネ
ルの画素部となる。
【0013】ブラックマトリスク37は、表示電極35
の形成領域にまで、はみ出すように形成し、表示電極3
5の周辺部の領域からの光りの漏れを防止する役割を持
っている。
【0014】表示電極35上のブラックマトリクス37
の形成されていない領域の液晶の透過率変化により、液
晶表示装置は所定の表示を行う。
【0015】さらに第1の基板31と第2の基板36と
には、液晶41の分子を規則的に並べるための処理層と
して、それぞれ配向膜40を形成する。
【0016】さらにそのうえスペーサー42によって、
第1の基板31と第2の基板36とを所定の間隔をもっ
て対向させ、第1の基板31と第2の基板36との間に
は、液晶41を封入する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、非線形抵抗
素子には、印加電圧の極性により、非対称な変化を示す
ものがある。この非対称特性を有する非線形抵抗素子の
特性例を、図面を用いて説明する。
【0018】図12は、第1の電極としてタンタル(T
a)、非線形抵抗層として酸化タンタル(Ta2
5 )、第2の電極として透明導電膜であるITO(酸化
インジウムスズ)を、それぞれ用いた非線形抵抗素子の
電圧−電流特性を示すグラフである。
【0019】図12のグラフにおいて、曲線Lは非線形
抵抗素子の初期の特性を示す。これに対して曲線Mは、
非線形抵抗素子を駆動した後の特性を示している。
【0020】非線形抵抗素子を駆動した後の特性を示す
曲線Mにおいて、非線形抵抗素子の第1の電極に正の電
圧を印加するときは、初期の特性を示す曲線Mよりも、
同一電圧にて非線形抵抗素子に流すことができる電流値
は、大きく低下している。
【0021】また初期特性を示す曲線Lにおいて、非線
形抵抗素子の第1の電極に負の電圧を印加するときに
は、駆動後の特性を示す曲線Mと同一電圧にて非線形抵
抗素子に流すことができる電流値は、ほとんど差がな
い。
【0022】ここで、非線形抵抗素子の第1の電極(T
a)に正の電圧を印加するときの初期特性を示す曲線L
と、駆動した後の特性を示す曲線Mとの差分をPで示
し、同じように、第1の電極(Ta)に負の電圧を印加
するときの初期特性を示す曲線Lと駆動した後の特性を
示す曲線Mとの差分をQで示す。この差分P,Qは、図
12のグラフから明らかなように、非線形抵抗素子の第
1の電極に負電圧を印加したときの差分Qよりも、第1
の電極に正の電圧を印加したとき差分Pのほうがきわめ
て大きい。
【0023】さらに図13のグラフに、図12のグラフ
を用いて説明した差分Pと差分Qの駆動時間による変化
を示す。
【0024】曲線Rは、非線形抵抗素子の第1の電極に
正の電圧を印加したときの差分Pの駆動時間による変化
を示している。図13のグラフから明らかなように、第
1の電極に正電圧を印加したときの差分Pは駆動時間に
より、電流値は急激に上昇する。
【0025】これに対して曲線Sは、第1の電極に負の
電圧を印加したときの差分Qの駆動時間による変化を示
している。図13のグラフから明らかなように、第1の
電極に負電圧を印加したときの差分Qは駆動時間が増加
しても、電流値はほとんど変化が発生していない。
【0026】この様子は、曲線Rと曲線Sとの差分Uに
より示すことができる。図13のグラフに示すように、
差分Uは駆動時間の増加により急激に増加する。
【0027】この差分Uは、前述の駆動時間の増加によ
る変化のほかに、非線形抵抗素子に流す電流量や、非線
形抵抗素子の駆動する環境や、非線形抵抗素子の履歴に
より変化する。
【0028】そのため、差分Uの変化を補償すること
は、きわめて難しい。
【0029】この差分Uが発生することによって、液晶
画素に加わる電圧は、非線形抵抗素子の第1の電極に正
の電圧を印加するときと、負の電圧を印加するときとで
は異なる。このため、フリッカによる画像のチラツキ現
象や、固定パターンを長時間表示すると画面を切り換え
ても、そのパターンが残像として見える、液晶中のイオ
ンの偏りに起因する残像現象である画像の焼き付き現象
が生じ、液晶表示装置の表示品質が著しく低下するとい
う問題点が発生する。
【0030】本発明の目的は、上記の非線形抵抗素子の
極性による非対称な特性変化を抑えて、液晶への直流印
加を減らし、液晶の品質の低下をなくし、コントラスト
の低下、フリッカ現象および画像焼き付き現象を防止し
て、良好な画像品質を有する液晶表示装置を提供するこ
とである。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液晶表示装置においては、下記記載の構造
を採用する。
【0032】本発明の液晶表示装置においては、第1の
基板上に第1の電極と第2の電極とを形成し、第1の電
極と第2の電極との重なり合う領域に非線形抵抗素子を
形成し、第1の基板と第2の基板とを所定の間隔で張り
合わせ、第1の基板と第2の基板との間に液晶を封入す
る液晶表示装置にあって、第2の電極は透明導電膜で構
成し、光を非線形抵抗素子に照射することを特徴とす
る。
【0033】本発明の液晶表示装置においては、第1の
基板上に第1の電極と第2の電極とを形成し、第1の電
極と第2の電極との重なり合う領域に非線形抵抗素子を
形成し、第1の基板と第2の基板とを所定の間隔で張り
合わせ、第1の基板と第2の基板との間に液晶を封入す
る液晶表示装置にあって、第1の電極の膜厚を薄膜に
し、第1の電極を透過して非線形抵抗素子に光を照射す
ることを特徴とする。
【0034】本発明の液晶表示装置は、第1の基板に第
1の電極と第2の電極とを形成し、第1の電極と第2の
電極との重なり合う領域に非線形抵抗素子を形成し、第
2の基板にはブラックマトリクスを形成し、第1の基板
と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、第1の基板
と第2の基板との間に液晶を封入する液晶表示装置にあ
って、第2の基板上に形成するブラックマトリクスは、
非線形抵抗素子に対向する領域に開口部を設け、非線形
抵抗素子に光を照射することを特徴とする。
【0035】本発明の液晶表示装置における非線形抵抗
素子は、第1の基板にタンタルからなる第1の電極と、
第1の電極を陽極酸化して形成する酸化タンタルからな
る非線形抵抗層と、第1の電極の一部領域と交差し非線
形抵抗素子となる第2の電極とを有することを特徴とす
る。
【0036】本発明の液晶表示装置は、第2の基板に形
成するブラックマトリクスの開口部にカラーフィルター
を設けることを特徴とする。
【0037】本発明の液晶表示装置は、第1の基板にタ
ンタルからなる第1の電極と、第1の電極を陽極酸化し
て形成する酸化タンタルからなる非線形抵抗層と、第1
の電極の一部領域と交差して非線形抵抗素子となる第2
の電極とを有する液晶表示装置にあって、第2の電極は
透明導電膜で構成することを特徴とする。
【0038】本発明の液晶表示装置は、第1の基板にタ
ンタルからなる第1の電極と、第1の電極を陽極酸化し
て形成する酸化タンタルからなる非線形抵抗層と、第1
の電極の一部領域と交差して非線形抵抗素子となる第2
の電極とを有する液晶表示装置にあって、非線形抵抗素
子の周辺領域に第1の電極、あるいは第2の電極の構成
材料からなる光シールド部を設けることを特徴とする。
【0039】本発明の液晶表示装置における非線形抵抗
素子に光照射を行うための表示用照明部は、第2の基板
側に設けることを特徴とする。
【0040】本発明の液晶表示装置は、第1の基板に第
1の電極と第2の電極とを形成し、第1の電極と第2の
電極との重なり合う領域に非線形抵抗素子を形成し、第
1の基板と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、第
1の基板と第2の基板との間に液晶を封入する液晶表示
装置にあって、第1の基板上の非線形抵抗素子の周辺領
域に第1の電極、あるいは第2の電極の構成材料からな
る光反射部を設けることを特徴とする。
【0041】本発明の液晶表示装置は、第1の基板に第
1の電極と第2の電極とを形成し、第1の電極と第2の
電極との重なり合う領域に非線形抵抗素子を形成し、第
1の基板と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、第
1の基板と第2の基板の間に液晶を封入する液晶表示装
置にあって、第1の基板上の非線形抵抗素子の周辺領域
にドーム状パターンを設けることを特徴とする。
【0042】本発明の液晶表示装置は、第1の基板に第
1の電極と第2の電極とを形成し、第1の電極と第2の
電極との重なり合う領域に非線形抵抗素子を形成し、第
1の基板と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、第
1の基板と第2の基板の間に液晶を封入する液晶表示装
置にあって、第1の基板上の非線形抵抗素子の周辺領域
にドーム状パターンと光反射部とを設けることを特徴と
する。
【0043】
【実施例】以下に本発明の液晶表示装置における実施例
を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の液晶表示
装置を示す平面図である。図2は、図1の平面図に示す
液晶表示装置のB−B線における断面を示す断面図であ
る。以下図1と図2とを交互に用いて、本発明の第1の
実施例における液晶表示装置を説明する。
【0044】第1の基板1上には、タンタル(Ta)か
らなる第1の電極2を設け、さらにこの第1の電極2上
には、第1の電極2を陽極酸化処理して形成する酸化タ
ンタル(Ta25 )からなる非線形抵抗層3を設け
る。
【0045】さらに非線形抵抗層3上に透明導電膜とし
てITO(酸化インジウムスズ)からなる第2の電極4
を設ける。
【0046】この第1の電極2と非線形抵抗層3と第2
の電極4とによって、MIM構造の非線形抵抗素子14
を形成している。
【0047】なお図1の平面図に示すように、第2の電
極4の一部領域は、表示電極5を兼ねている。
【0048】さらに第2の基板6には、表示電極5と対
向するように、ITO膜からなる対向電極9を設ける。
この対向電極9は、ITOからなる透明導電膜で構成す
る。
【0049】図1の平面図に示すように、第1の電極2
と表示電極5とは、両者が短絡しないようにするため
に、一定の間隙を有している。
【0050】表示電極5は、対向電極9と重なり合うよ
うに、対向して配置することによって、液晶表示パネル
の画素部となる。
【0051】この画素部の液晶の透過率変化によって、
液晶表示装置は所定の画像表示を行う。
【0052】さらに第1の基板1と第2の基板6とは、
液晶11の分子を規則的に並べるための処理層として、
それぞれ配向膜10を形成する。さらにそのうえスペー
サー12によって、第1の基板1と第2の基板6とを所
定の間隔をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板
6との間には、液晶11を封入している。
【0053】液晶表示装置は自己発光しないために、外
部からの光として表示用照明部16が必要になる。
【0054】ここで、たとえば3波長蛍光管と反射板と
拡散板とからなる表示用照明部16側に第2の基板6を
配置する。このことにより、表示用照明部16を用い
て、透明導電膜で構成する対向電極9を透過し、さらに
第2の電極4を透明導電膜で構成しているため、容易に
非線形抵抗素子14に光を照射することができる。
【0055】表示用照明部16により非線形抵抗素子1
4に光を照射する本発明の第1の実施例を用いたとき
の、非線形抵抗素子の駆動による素子特性(電流−電圧
特性)の変化の様子を、図3のグラフと図4のグラフと
を用いて説明する。
【0056】図3は、図12のグラフに示す非線形抵抗
素子の第1の電極(Ta)に、正の電圧を印加するとき
の初期特性を示す曲線Lと、駆動した後の特性を示す曲
線Mとの差分を示す差分Pの非線形抵抗素子に光照射す
る光量による依存性を示す曲線Dと、第1の電極(T
a)に負の電圧を印加するときの初期特性を示す曲線L
と駆動した後の特性を示す曲線Mとの差分を示す差分Q
の非線形抵抗素子に光照射する光量による依存性を示す
曲線Eとを示すグラフである。
【0057】図3のグラフから明らかなように、第1の
電極に正電圧を印加した状態を示す曲線Dは、非線形抵
抗素子に照射する光量が1000ルクスより大きくなる
に従い、急激に減少している。
【0058】これに対して第1の電極に負の電圧を印加
した状態を示す曲線Eは、光量の増加により、徐々に減
少するが、曲線Dに比較して、光量5000ルクス程度
までは、その変化量はきわめて小さい。
【0059】曲線Dと曲線Eとの差分Fが大きいときに
は、第1の電極へ印加する電圧の極性により液晶に非対
称な電圧が印加されることになり、フリッカ現象、ある
いは残像現象である画像焼き付き現象が生じる。
【0060】さらに図3のグラフから明らかなように、
5000ルクス以上の光量を非線形抵抗素子に照射する
ことにより、第1の電極に印加する電圧の極性による非
対称な変化量、すなわち差分Fをきわめて小さくするこ
とができる。
【0061】そのため、光量5000ルクス程度の光り
を非線形抵抗素子に照射しながら、液晶表示装置を駆動
することにより、非線形抵抗素子の非対称な特性変化
を、きわめて小さくすることができる。
【0062】この結果、液晶への直流電圧印加を減少す
ることができ、液晶の品質の低下をなくし、コントラス
トの低下、フリッカ現象、および画像の焼き付き現象を
防止することが可能となる。したがって、良好な画像品
質を有する液晶表示装置を得ることができる。
【0063】図4は、本実施例の非線形抵抗素子に光量
5000ルクスの光を照射しながら駆動を行ったときの
駆動時間(t)と、電流の変化量(P,Q)との関係を
示すグラフである。
【0064】図4のグラフに示す曲線Wは、図12のグ
ラフに示す第1の電極(Ta)に正の電圧を印加すると
きの初期特性と、駆動した後の特性との差分を示す電流
の変化量Pの駆動時間による依存性を示す曲線である。
これに対して曲線Xは、第1の電極(Ta)に負の電圧
を印加するときの初期特性と、駆動した後の特性との差
分を示す電流の変化量Qの駆動時間による依存性を示す
曲線である。
【0065】図4のグラフに示すように、第1の電極に
正の電圧を印加した状態を示す曲線Wは、駆動時間によ
り、電流の変化量はわずかに増加するにとどまってお
り、さらに第1の電極に負の電圧を印加した状態を示す
曲線Xは、駆動時間の増加により、その変化量はきわめ
て小さな変化となっている。
【0066】またさらに、曲線Wと曲線Xとの差分T
も、駆動時間の増加があっても小さくなっている。
【0067】ここで、図2に示す非線形抵抗素子14を
構成する第2の電極4を透明導電膜で形成することによ
り、透過率80%以上を得ることは、簡単なことであ
る。なお、5000ルクス程度の光量は、バックライト
型の表示用照明部16を用いた液晶表示装置であれば、
この表示用照明部16より、容易に非線形抵抗素子14
に照射することができる光量である。
【0068】とくに、カラーフィルターを有するカラー
液晶表示装置においては、暗い表示になる。このため
に、表示用照明部16には、さらに明るい表示用照明部
が利用されている。したがって、5000ルクス程度の
光量は、なお一層容易に得たことができる。
【0069】以上に記載するように、光を非線形抵抗素
子14に照射することによって、素子特性の変化を小さ
くすることができる。
【0070】さらに、電流−電圧特性における駆動電圧
の極性による、非対称な非線形抵抗素子特性変化を小さ
くすることができる。このため、液晶表示装置の駆動に
よる表示品質の変化、および液晶への直流電圧の印加に
よるフリッカ現象や、画像の焼き付き現象を低減するこ
とができる。
【0071】さらに、非線形抵抗素子14を構成する第
2の電極4に、光の透過特性が高い透明導電膜としてI
TO膜を用い、そのうえ、第1の電極2に光反射特性が
高いタンタルからなる金属膜を用いている。このため
に、非線形抵抗素子14へは効率よく光照射を行うこと
ができる。
【0072】本発明においては、液晶表示パネルの画素
部の周辺領域にブラックマトリクスは形成していない。
このため、コントラストはわずかに減少するが、明るい
表示が可能となる。
【0073】つぎに本発明の液晶表示装置における第2
の実施例を説明する。図5は、本発明の第2の実施例に
おける液晶表示装置を示す断面図である。
【0074】図5に示すように、本発明の第2の実施例
においては、タンタルで構成する第1の電極2の膜厚の
薄膜化を行い薄膜タンタル15とし、第1の基板1側に
配置する表示用照明16を用いて、第1の電極2を透過
して非線形抵抗素子14に光照射を行うものである。
【0075】図6のグラフに、第1の電極2であるタン
タルの膜厚(単位:ナノメーター)と透過率(単位:パ
ーセント)との関係を示す。透過率は入射光を100パ
ーセントとした場合の、タンタルの膜厚依存性を示して
いる。測定波長は、450nmから500nmの値であ
る。
【0076】図6のグラフから明らかなように、25n
mのタンタルの膜厚では、25パーセントの透過率が得
られている。
【0077】本発明の第2の実施例では、図5に示すよ
うに、第1の基板1上に形成する第1の電極2として薄
膜タンタル15を60nmの膜厚で形成する。
【0078】さらに薄膜タンタル15上には、薄膜タン
タル15を陽極酸化処理して形成する酸化タンタルから
なる非線形抵抗層3を65nmの膜厚で形成する。酸化
タンタルを形成することにより薄膜タンタル15の厚さ
は減少し、陽極酸化処理後では、前述の60nmの膜厚
が25nmの膜厚になる。
【0079】さらに第2の電極4として、ITO膜から
なる透明導電膜を非線形抵抗層3上にオーバーラップす
るように形成して、MIM構造の非線形抵抗素子14を
形成する。
【0080】なお第2の電極4の一部領域は、表示電極
5を兼ねている。
【0081】第2の基板6上には、第1の基板1に形成
するそれぞれ表示電極5の隙間からの光の漏れを防止す
るために、ブラックマトリクス7を形成する。
【0082】表示電極5と対向して、第2の基板6にI
TO膜からなる透明導電膜で対向電極9を形成する。こ
の対向電極9は、ブラックマトリクス7と接触して短絡
しないように、絶縁膜8を介して形成する。
【0083】またさらに、薄膜タンタル15と表示電極
5とは、接触して短絡しないようにするために、両者は
一定の隙間を有している。
【0084】表示電極5は、対向電極9と重なり合うよ
うに、対向して配置することによって、液晶表示パネル
の画素部となる。
【0085】ブラックマトリスク7は、表示電極5の形
成領域にまで、はみ出すように形成して、表示電極5の
周辺領域からの光りの漏れを防止する役割を持ってい
る。
【0086】表示電極5上のブラックマトリクス7が形
成されていない領域の液晶の透過率変化により、液晶表
示装置は所定の表示を行う。
【0087】さらに第1の基板1と第2の基板6とは、
液晶11の分子を規則的に並べるための処理層として、
それぞれ配向膜10を形成する。
【0088】さらにそのうえスペーサー12によって、
第1の基板1と第2の基板6とを所定の間隔をもって対
向させ、第1の基板1と第2の基板6との間には、液晶
11を封入する。
【0089】またさらに、表示用照明部16を薄膜タン
タル15を形成した第1の基板1側に配置することによ
り、効率よく非線形抵抗素子14へ光の照射を行うこと
ができる。
【0090】図5から明らかなように、第1の電極2を
薄膜化して薄膜タンタル15とすることにより、表示用
照明部16の光を非線形抵抗素子14に照射することが
可能となる。
【0091】本発明の第2の実施例においては、表示用
照明部16として、20000ルクス程度の光量の照明
を利用する。この光量は液晶表示装置用の照明部として
は、一般的である。
【0092】この表示用照明部16を利用することによ
って、膜厚25nmの薄膜タンタル15で第1の電極2
を構成しているため、光量5000ルクスの光を非線形
抵抗素子14に照射することが可能となる。したがっ
て、薄膜タンタル15を用いる本発明の第2の実施例を
適用しても、非線形抵抗素子特性の変化を小さくするこ
とができる。
【0093】さらに、電流−電圧特性における駆動電圧
の極性による、非対称な非線形抵抗素子特性変化を小さ
くすることができる。このため、液晶表示装置の駆動に
よる表示品質の変化、および液晶への直流電圧の印加に
よるフリッカ現象や、画像の焼き付き現象を低減するこ
とができる。なお、図5を用いて説明した本発明の第2
の実施例において、第2の基板6に設けるブラックマト
リクス7は、形成しなくても良い。
【0094】つぎに本発明の液晶表示装置における第3
の実施例を説明する。図7は、本発明の液晶表示装置を
示す平面図である。図8は、図7の平面図に示す液晶表
示装置のC−C線における断面を示す断面図である。以
下図7と図8とを交互に用いて、本発明の第3の実施例
における液晶表示装置を説明する。
【0095】第1の基板1上には、150nmの膜厚の
タンタル(Ta)からなる第1の電極2を設け、さらに
この第1の電極2上には、第1の電極2を陽極酸化処理
して形成する膜厚65nmの酸化タンタル(Ta2
5 )からなる非線形抵抗層3を設ける。第1の電極2
は、陽極酸化処理後に、前述の150nmの膜厚が11
5nmの膜厚となる。
【0096】さらに非線形抵抗層3上に透明導電膜とし
てITO(酸化インジウムスズ)からなる第2の電極4
を設ける。
【0097】この第1の電極2と非線形抵抗層3と第2
の電極4とによって、MIM構造の非線形抵抗素子14
を形成している。
【0098】なお図7の平面図に示すように、第2の電
極4の一部領域は、表示電極5を兼ねている。
【0099】さらに第2の基板6には、表示電極5と対
向するように、ITO膜からなる対向電極9を設ける。
なお、この対向電極9は、ITOからなる透明導電膜で
構成する。
【0100】図7の平面図に示すように、第1の電極2
と表示電極5とは、両者が短絡しないようにするため
に、一定の間隙を有している。
【0101】表示電極5は、対向電極9と重なり合うよ
うに、対向して配置することによって、液晶表示パネル
の画素部となる。
【0102】この画素部の液晶の透過率変化によって、
液晶表示装置は所定の画像表示を行う。
【0103】さらに第1の基板1と第2の基板6とは、
液晶11の分子を規則的に並べるための処理層として、
それぞれ配向膜10を形成する。さらにそのうえスペー
サー12によって、第1の基板1と第2の基板6とを所
定の間隔をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板
6との間には、液晶11を封入している。
【0104】図7と図8とを用いて説明した本発明の第
3の実施例では、斜線61で示すブラックマトリクス7
に、非線形抵抗素子14に光を照射するための開口部1
3を設け、しかもこの開口部13の面積は非線形抵抗素
子14の面積より小さくしている。
【0105】この開口部13の面積を非線形抵抗素子1
4の面積より小さくし、さらに非線形抵抗素子14を構
成する第1の電極2に、膜厚150nmのタンタルから
なる金属膜を用い陽極酸化処理後においても115nm
の膜厚のタンタルが残っている。このため、透過率を充
分に小さくできるため、ブラックマトリクス7からの光
の漏れを完全に防止することができる。このため、液晶
表示装置の表示品質が低下することはない。
【0106】液晶表示装置は自己発光しないために、外
部からの光として表示用照明部16が必要になる。
【0107】ここで、たとえば3波長蛍光管と反射板と
拡散板とからなる表示用照明部16側に第2の基板6を
配置する。このことにより、表示用照明部16を用い
て、容易に非線形抵抗素子14に光を照射することがで
きる。
【0108】図7と図8とを用いて説明した本発明の第
3の実施例の液晶表示装置においても、非線形抵抗素子
14に容易に光を照射することが可能であるため、第1
の電極2に印加する電圧の極性による非対称な変化量を
きわめて小さくすることができる。この結果、液晶への
直流電圧印加を減少することができ、液晶の品質の低下
をなくし、コントラストの低下、フリッカ現象、および
画像の焼き付き現象を防止することが可能となる。した
がって、良好な画像品質を有する液晶表示装置が得られ
る。
【0109】つぎに本発明の液晶表示装置における第4
の実施例を説明する。図9は、本発明の第4の実施例に
おける液晶表示装置を示す断面図である。
【0110】微細化を行って非線形抵抗素子14の素子
面積が小さくなり、第1の基板1と第2の基板6との重
ね合わせの精度が、非線形抵抗素子14の寸法より大き
くなったときには、ブラックマトリクス7に形成した非
線形抵抗素子14に光りを照射するための開口部と、非
線形抵抗素子との位置ずれが発生し、効率よく非線形抵
抗素子に光りを照射することができなくなる。
【0111】この位置ずれが発生したときには、図9に
示すように、ブラックマトリクスに形成する開口部13
の面積を、非線形抵抗素子14の面積よりも大きくする
ことが必要になる。
【0112】しかしながら、このブラックマトリクス7
に形成する開口部13の面積を大きくすると、非線形抵
抗素子14だけでは開口部13を遮蔽することができ
ず、開口部13から光りが洩れて、液晶表示装置の表示
品質が低下する。
【0113】このため、図9を用いて説明する実施例で
は、非線形抵抗素子14に光りを照射するための開口部
13にカラーフィルターを形成する。
【0114】またさらに、この開口部13に形成するカ
ラーフィルターの光の吸収特性(分光特性)が、たとえ
ば、赤、青、緑のように異なると、非線形抵抗素子14
に照射する光のエネルギー量が異なる。このために、非
線形抵抗素子14の駆動による特性(電流−電圧特性)
の変化量が異なってしまうため、表示むらが発生し、表
示品質を低下させる。
【0115】そこで、本実施例では、液晶表示装置のそ
れぞれの非線形抵抗素子14に光りを照射するための開
口部13に形成するカラーフィルターは、吸収特性の一
致するものを利用する。
【0116】さらに、非線形抵抗素子14の駆動による
特性変化は、可視光領域の短波長、波長450nmから
500nmの光を非線形抵抗素子14に照射することに
よって、充分低く抑えることができる。
【0117】このため開口部13より光りが洩れたとき
にも、液晶表示装置の表示品質の低下を防止するため、
視感度特性の最も悪い青色のカラーフィルターを開口部
13に形成することにする。
【0118】さらに、対向電極9での光の吸収を防止す
るために、非線形抵抗素子14上の対向電極9には、開
口部13より開口面積の大きな開口領域19を設ける構
成とする。
【0119】図9に示すように、第1の基板1上には、
タンタル膜からなる第1の電極2を形成する。
【0120】さらに第1の電極2上には、第1の電極2
のタンタルを陽極酸化処理して形成する酸化タンタルか
らなる非線形抵抗層3を形成する。
【0121】さらに第2の電極4として、ITO膜から
なる透明導電膜を非線形抵抗層3上にオーバーラップす
るように形成して、MIM構造の非線形抵抗素子14を
形成する。
【0122】第2の電極4の一部領域は、表示電極5を
兼ねている。
【0123】第2の基板6上には、第1の基板1に形成
するそれぞれ表示電極5の隙間からの光の漏れを防止す
るために、ブラックマトリクス7を形成する。
【0124】このブラックマトリクス7には、非線形抵
抗素子14に光を照射するための開口部13を形成す
る。
【0125】この開口部13の大きさは、非線形抵抗素
子領域18よりも大きく形成している。
【0126】ブラックマトリクス7上には、表示電極5
と対向するように、カラーフィルターを形成する。
【0127】液晶表示装置をフルカラー表示するため
に、赤17、緑21、青20のカラーフィルターを表示
電極5に対向して形成する。
【0128】さらに、青20のカラーフィルターをブラ
ックマトリクス7の開口部13上に形成する。
【0129】表示電極5と対向して形成するカラーフィ
ルター上には、ITO膜からなる対向電極9を形成す
る。この対向電極9は、ITO膜からなる透明導電膜で
構成する対向電極9が、ブラックマトリクス7と接触し
て短絡しないように、絶縁膜8を介して形成する。
【0130】第2の基板6に設ける対向電極9には、非
線形抵抗素子領域18と対向するように開口領域19を
形成する。
【0131】またさらに、第1の電極2と表示電極5と
は、接触して短絡しないようにするために、両者は一定
の間隙を有している。
【0132】表示電極5は、対向電極9と重なり合うよ
うに、対向して配置することによって、液晶表示パネル
の画素部となる。
【0133】ブラックマトリスク7は、表示電極5の形
成領域にまで、はみ出すように形成して、表示電極5の
周辺領域からの光りの漏れを防止する役割を持ってい
る。
【0134】表示電極5上のブラックマトリクス7が形
成されていない領域の液晶の透過率変化により、液晶表
示装置は所定の表示を行う。
【0135】さらに第1の基板1と第2の基板6とは、
液晶11の分子を規則的に並べるための処理層として、
それぞれ配向膜10を形成する。さらにそのうえスペー
サー12によって、第1の基板1と第2の基板6とを所
定の間隔をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板
6との間には、液晶11を封入する。
【0136】図9から明らかなように、ブラックマトリ
クス7に形成する開口部13面積を非線形抵抗素子14
面積よりも大きくし、さらに非線形抵抗素子14に光り
を照射するための開口部13に、青20のカラーフィル
ターを形成することにより、効率よく非線形抵抗素子1
4に光りの照射を行うことができる。
【0137】さらにこれと同時に、ブラックマトリクス
7と非線形抵抗素子14との間からの光りの漏れを、カ
ラーフィルターにより減衰することができる。このため
に、液晶表示装置の表示品質の低下を防止することがで
きる。
【0138】またさらに、非線形抵抗素子14に光りを
照射するための開口部13領域に形成するカラーフィル
ターの吸収特性を選択することにより、液晶表示装置の
表示品質の低下を、さらに小さくすることができる。
【0139】つぎに本発明の液晶表示装置における第5
の実施例を説明する。図14は、本発明の第5の実施例
における液晶表示装置を示す平面図である。
【0140】図14に示す実施例においては、非線形抵
抗素子14に光を照射するための斜線61で示すブラッ
クマトリクス7に形成する開口部13からの光の漏れを
防止するために、第1の電極2、あるいは第2の電極4
の構成材料からなる光シールド部22を、非線形抵抗素
子14の周辺領域に形成する。
【0141】この光シールド部22を形成することによ
り、工程を増やすことなく、ブラックマトリクス7の開
口部13からの光の漏れを防止することができ、液晶表
示装置の表示品質の向上を行うことが可能となる。
【0142】第1の基板上には、タンタル(Ta)膜か
らなる第1の電極2を形成する。
【0143】この第1の電極2上には、第1の電極2の
タンタルを陽極酸化処理して形成する酸化タンタルから
なる非線形抵抗層(図示せず)を形成する。
【0144】さらに第2の電極4としてクロム(Cr)
膜と、ITO膜からなる透明導電膜との積層膜を、非線
形抵抗層上にオーバーラップするように形成して、第1
の電極2と非線形抵抗層と第2の電極4とからなるMI
M構造の非線形抵抗素子14を形成する。
【0145】非線形抵抗素子14の周辺領域には、第1
の電極2の構成材料であるタンタルからなる光シールド
部22を、非線形抵抗素子14から1μm程度の距離で
離間するように形成する。
【0146】第2の電極4の一部領域は、表示電極5を
兼ねている。
【0147】ここで第2の電極4として使用しているク
ロム膜は、厚さが10nmから30nmであり、表示電
極5と使用しても、透過率の低下は、10%から20%
程度と実用上問題とならない程度である。
【0148】第2の基板上には、第1の基板に形成する
それぞれの表示電極5の隙間からの光の漏れを防止する
ために、斜線61に示すように、ブラックマトリクス7
を形成する。
【0149】このブラックマトリクス7には、非線形抵
抗素子14に光を照射するための開口部13を形成す
る。
【0150】さらに表示電極5と対向するように、第2
の基板には、ITO膜からなる対向電極9をブラックマ
トリクス7と接触して短絡しないように絶縁膜(図示せ
ず)を介して形成する。
【0151】図14から明らかなように、非線形抵抗素
子14に光りを照射するためにブラックマトリクス7に
形成する開口部13からの光の漏れを防止するために、
第1の電極2、あるいは第2の電極4の構成材料からな
る光シールド部22を、非線形抵抗素子14の周辺領域
に形成している。
【0152】この光シールド部22を形成することによ
り、工程を増やすことなく、ブラックマトリクス7に形
成する開口部13からの光の漏れを、完全に防止するこ
とができる。
【0153】この結果、液晶表示装置の表示品質の低下
を発生することなく、非線形抵抗素子14へ効率良く光
りの照射を行うことができる。そのため、非線形抵抗素
子特性の変化を小さくすることができる。
【0154】さらに、駆動電圧の極性による非対称な非
線形抵抗素子特性変化を小さくすることができるため、
液晶表示装置の駆動による表示品質の変化、あるいは液
晶への直流電圧の印加によるフリッカ現象や、画像の焼
き付き現象を低減することができる。
【0155】つぎに本発明の液晶表示装置における第6
の実施例を説明する。図15は、本発明の第6の実施例
における液晶表示装置を示す断面図である。
【0156】非線形抵抗素子14を構成する第1の電極
2と第2の電極4とが光りを10%以下しか透過しない
ときの実施例を示す。
【0157】この場合、効率よく非線形抵抗素子14へ
光りを照射するために、非線形抵抗素子14の周辺領域
に、第1の電極2の構成材料からなる光反射部24を形
成して、非線形抵抗素子14へ光りを照射することが必
要になる。
【0158】さらに、光りを非線形抵抗素子14へ導く
ために、この非線形抵抗素子14の周辺領域に光りを透
過するポリイミド樹脂を、ディスペンサーによって滴下
することによってポリイミド樹脂の表面張力を利用し
て、円丘状に形成したドーム状パターン23を形成す
る。
【0159】図15に示す実施例においては、非線形抵
抗素子14の周辺領域に、光反射部24と、ポリイミド
樹脂からなるドーム状パターン23との両方を形成した
場合を示したが、非線形抵抗素子14の周辺領域にドー
ム状パターン23を形成せず光反射部24だけを形成す
るだけでも、充分に非線形抵抗素子14に光りの照射は
可能となる。
【0160】またさらに、光反射部24の形成を省略し
て、非線形抵抗素子14の周辺領域に、光りを透過する
特性を有するポリイミド樹脂からなるドーム状パターン
23を形成することによって、非線形抵抗素子14に、
充分に光り照射を行うことができる。
【0161】この図15に示す液晶表示装置において
は、第2の基板6上に形成するブラックマトリクス7に
は、開口部を形成しない。
【0162】この図15に示す実施例においては、非線
形抵抗素子14に光りを照射するための表示用照明部
(図示せず)は、図5を用いて説明した第2の実施例と
同じように、第1の基板1側に配置する。
【0163】以上の説明から明らかなように、非線形抵
抗素子14の周辺領域に、非線形抵抗素子14へ光を導
入するためのドーム状パターン23や光反射部24を設
ける構造を採用することによって、光りを直接、非線形
抵抗素子に照射がしにくい構造の非線形抵抗素子におい
ても、効率よく非線形抵抗素子に光りを照射することが
可能となる。したがって、非線形抵抗素子特性の変化を
小さくすることができる。
【0164】さらに、駆動電圧の極性による非対称な素
子特性変化を小さくすることができるため、液晶表示装
置の駆動による表示品質の変化、あるいは液晶への直流
電圧の印加によるフリッカ現象や、画像の焼き付き現象
を低減することができる。
【0165】以上説明した本発明の第1の実施例から第
6の実施例においては、MIMの構造として、タンタル
―酸化タンタル―ITOの構造を用いた例で説明した
が、非線形抵抗層として、第1の電極の陽極酸化膜、あ
るいは気相成長法やスパッタリング法や真空蒸着法など
により形成する酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、炭化
シリコン膜、酸化タンタル膜、あるいは、酸化アルミニ
ウムを適用する非線形抵抗素子においても当然有効であ
る。
【0166】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
液晶表示装置の構成を用いることにより、非線形抵抗素
子の極性による非対称な変化を抑え、液晶への直流電圧
印加を減らし、液晶の品質の低下をなくし、コントラス
トの低下、フリッカ現象や、残像現象である画像焼き付
き現象を防止することができる。
【0167】このため、液晶表示装置の表示品質を向上
することができる。とくに、焼き付き現象に関しては、
三端子系に勝とも劣らない程度の特性に改善することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における液晶表示装置を
示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例における液晶表示装置を
示す断面図である。
【図3】液晶表示装置の非線形抵抗素子の初期特性およ
び駆動後の特性の電流値と非線形抵抗素子に照射する光
量との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例における液晶表示装置の非線形
抵抗素子に光りを照射したときの非線形抵抗素子特性と
駆動時間との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の液晶表示装置に薄膜タンタルを用いた
第2の実施例を示す断面図である。
【図6】タンタルの膜厚と透過率との関係を示すグラフ
である。
【図7】本発明の第3の実施例における液晶表示装置を
示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施例における液晶表示装置を
示す断面図である。
【図9】本発明の液晶表示装置にカラーフィルターを用
いた第4の実施例を示す断面図である。
【図10】従来例における液晶表示装置を示す平面図で
ある。
【図11】従来例における液晶表示装置を示す断面図で
ある。
【図12】液晶表示装置の非線形抵抗素子における電圧
−電流特性を示すグラフである。
【図13】液晶表示装置の非線形抵抗素子に光りの照射
を行わないときの非線形抵抗素子特性と駆動時間との関
係を示すグラフである。
【図14】本発明の液晶表示装置の非線形抵抗素子の周
辺に光シールド部を形成した第5の実施例を示す平面図
である。
【図15】本発明の液晶表示装置の非線形抵抗素子の周
辺領域に光反射部とドーム状パターンとを形成した第6
の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 第1の電極 3 非線形抵抗層 4 第2の電極 5 表示電極 6 第2の基板 7 ブラックマトリクス 13 開口部 15 薄膜タンタル 23 ドーム状パターン 24 光反射部

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板上に第1の電極と第2の電極
    とを形成し、前記第1の電極と前記第2の電極との重な
    り合う領域に非線形抵抗素子を形成し、前記第1の基板
    と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、前記第1の
    基板と前記第2の基板との間に液晶を封入する液晶表示
    装置にあって、前記 第1の電極を薄膜化し、第1の電極を透過して
    非線形抵抗素子に光を照射することを特徴とする液晶
    表示装置。
  2. 【請求項2】 第1の基板上に第1の電極と第2の電極
    とを形成し、前記第1の電極と前記第2の電極との重な
    り合う領域に非線形抵抗素子を形成し、前記第1の基板
    と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、前記第1の
    基板と前記第2の基板との間に液晶を封入する液晶表示
    装置にあって、前記 第2の基板上に形成するブラックマトリクスは、
    非線形抵抗素子に対する領域に開口部を設け、前記
    非線形抵抗素子に光を照射することを特徴とする液晶表
    示装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の基板上にタンタルからなる
    第1の電極と、前記第1の電極を陽極酸化して形成す
    る酸化タンタルからなる非線形抵抗層と、前記第1の電
    極の一部領域と交差し前記非線形抵抗素子となる透明導
    電膜からなる前記第2の電極とを有する請求項1、また
    は2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の基板上に形成する前記ブラッ
    クマトリクスの開口部にカラーフィルターを設ける請求
    記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の基板上にタンタルからなる
    第1の電極と、前記第1の電極を陽極酸化して形成す
    る酸化タンタルからなる非線形抵抗層と、前記第1の電
    極の一部領域と交差し前記非線形抵抗素子となる前記
    2の電極とを有する液晶表示装置にあって、前記非線形
    抵抗素子の周囲に前記第1の電極、あるいは前記第2の
    電極の構成材料からなる光シールド部を設ける請求項
    記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記非線形抵抗素子に光照射を行うため
    の表示用照部は、前記第2の基板側に設ける請求項
    記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 第1の基板上に第1の電極と第2の電極
    とを形成し、前記第1の電極と前記第2の電極との重な
    り合う領域に非線形抵抗素子を形成し、前記第1の基板
    と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、前記第1の
    基板と前記第2の基板との間に液晶を封入する液晶表示
    装置にあって、前記 第1の基板上の前記非線形抵抗素子の周囲領域に
    第1の電極の構成材料からなる光反射部を設け、 その光反射部は、前記非線形抵抗素子の方向に光を反射
    することを特徴とする液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 第1の基板上に第1の電極と第2の電極
    とを形成し、前記第1の電極と前記第2の電極との重な
    り合う領域に非線形抵抗素子を形成し、前記第1の基板
    と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、前記第1の
    基板と前記第2の基板との間に液晶を封入する液晶表示
    装置にあって、前記 第1の基板上の前記非線形抵抗素子の周囲領域に、
    光を透過し、円丘状の面を利用し光を前記非線形抵抗素
    子へ導くためのドームパターンを設けることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 第1の基板上に第1の電極と第2の電極
    とを形成し、前記第1の電極と前記第2の電極との重な
    り合う領域に非線形抵抗素子を形成し、前記第1の基板
    と第2の基板とを所定の間隔で張り合わせ、前記第1の
    基板と前記第2の基板との間に液晶を封入する液晶表示
    装置にあって、前記 第1の基板上の前記非線形抵抗素子の周囲領域に
    第1の電極の構成材料からなる光反射部を設け、 その光反射部は、前記非線形抵抗素子の方向に光を反射
    し、さらに前記第1の基板上の前記非線形抵抗素子の周
    囲領域に、光を透過し、円丘状の面を利用し光を前記
    線形抵抗素子へ導くためのドームパターンを設けること
    を特徴とする液晶表示装置。
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