JP3223871U - リュックサック - Google Patents

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Abstract

【課題】人体への密着性を維持しつつ脚上げ動作を妨げず円滑な歩行を可能にすると共に、痛み予防並びに様々な形状の臀部の使用者に適正な角度調整を可能とするリュックサックを提供する。【解決手段】袋本体、背面パネル、背負いベルト、左右一対のヒップベルトを備えたリュックサックにおいて、ヒップベルトは後・上・下・先端辺からなり、先細りの切り欠き部15を形成し下端辺13がカーブを形成したパッド材1と、挿入されたパッド材を挟持して縫い通す生地であって、外周形状がパッド材の外周形状と略同一であり切り欠き部に対応する部位に襞25、35をそれぞれ形成した外側生地2及び内側生地3とを有し、縦幅方向において人体方向に向けた曲面が形成されかつ先端辺24、34に向けて緩やかな下降カーブが形成されている。【選択図】図2

Description

本考案は、ナップサック、バックパック等の背負バッグを含むリュックサックに関し、特に、登山やトレッキングなどに使用されるリュックサックその他ある程度重量のあるものを運ぶための背負いバッグ等のヒップベルトの構造に関する。
一般的なリュックサックは、荷物を収容する袋本体、背面パネル(バックパネル)、背負いベルト(ショルダーハーネス)、ヒップベルト(腰ベルト)から構成されており、背面パネルには少なくとも肩甲骨パッド(スカピュラーパッド)と、腰椎パッド(ランバーパッド)が配置され、肩甲骨パッドの上端に背負いベルトが、腰椎パッドにヒップベルトがそれぞれ取り付けられている。なお、肩甲骨パッドと腰椎パッドを連結して一体に形成された背面パネルや、肩甲骨パッドと腰椎パッドがなく生地のみで形成された背面パネルも存在する。
現在一般的に知られているヒップベルトは、平坦面に展開される構造(平面構成)のパッド入りベルトであり、腰椎パッド側の後端辺(付け根)から締結具が取付けられる先端辺側に向けて緩やかな上昇カーブを呈している。このような形状は、ヒップベルトを腰に締めた時に、ウエストからヒップに沿うようにわずかな円錐状を形成するためである。しかし、一般的なヒップベルトは、平面構成のため腰の曲面とは必ずしも一致せず、装着時に腸骨稜部への当たりが大きく長時間の使用に際して痛みを発生させる。一方で、ベルトの上端辺、下端辺に腰との間に大きな隙間を生じさせてしまい、リュックサックの荷重伝達が十分ではない場合が非常に多い。
また、先端辺側に向けて緩やかに下降カーブした形状のヒップベルトが過去に存在したが、前述のように平面構成であったため、脚上げ動作がしやすいというメリットからクライミングザック等では採用されたものの、装着時にヒップベルト上端辺と腰との間に大きな隙間が生じ、荷重伝達性が非常に悪く一般的な歩行用リュックサックでは定着しなかった。
本出願人は、上記した一般的なヒップベルトの欠点を改善したリュックサックを特許文献1で提案している。平面で構成された一般的なヒップベルトを曲面が形成される立体構成にすることによって、腸骨稜部への当たりの緩和、人体との密着度の向上が実現され、より効率的な人体へのリュックサックの荷重伝達が可能となった。また、荷重伝達に加えて腰椎部の密着性も向上し背筋(脊柱起立筋群)へのサポートが可能となった。これにより登山中の姿勢維持にも効果があり、したがって腰痛などの傷害予防にも有効に機能する。
特許文献1において提案されたヒップベルトの問題点は、図8に示すようにヒップベルトHBの形状が、後端辺から先端辺に向けて緩やかな上昇カーブを呈している。そのためヒップベルトの下端辺が股関節HJに近くなり、また大臀筋GM、中臀筋などの股関節伸展筋の上に覆い被さるようになっている。そのため、歩行、特に脚上げ動作LMの妨げになっている。なお、図8では脚上げの動きを両頭矢印で表している。
また、ヒップベルトの適正な位置は、荷重伝達するのに一番効率的な位置であって、個人差はあるが、図7(A)に示すように一般的な体型においては、概ねベルト下端辺の頂点位置が股関節HJよりも2cm程度上方の高さに収まる位置である。しかしながら、特に女性に多く見られるケースとして、臀部の大きい体型においては、図7(B)に示すヒップベルトの位置LLのようにベルト下端辺の位置が低くなる。このように臀部の形状によっては、図7(B)に示すヒップベルトの適正な位置CLへの装着が難しく、結果として適正な荷重が得られず、歩行時の脚部への干渉が発生している。さらに、図6(A)に示す腸骨稜部ICは、筋肉よりもむしろ大きな骨盤(腸骨、仙骨などの癒着集合体)で占められており、腸骨稜部への集中的な圧迫により痛みが生じ、ベルトをしっかり締めることができなくなる等の弊害がある。
実用新案登録第3200115号公報
出願人は、前述した従来技術の問題点を解消するべく、リュックサックのヒップベルトの構造について更に研究開発を重ねて本考案に至った。特許文献1で提案したリュックサックの立体的ヒップベルト構造をベースにして、ヒップベルトを曲面が形成された立体構造として人体への密着性を維持すると共に、本考案においては、図6(A)に示すように大臀筋GMに干渉する部分をカットして、より効率的な骨盤への荷重伝達のために股関節HJ上方の所定位置を頂点として、先端辺側に向けて緩やかに下降カーブした形状を形成することによって、図6(B)に示すように、脚上げ動作LMを妨げないヒップベルトの構造としている。なお、図6では脚上げの動きを両頭矢印で表している。
また、図6(A)に示す腸骨稜部ICへの集中的な圧迫により痛みが生じる事態を予防するために、本考案においてはパッド材1に切り抜き部16を形成している。さらに、前述の臀部の形状によるヒップベルトの装着位置の問題点を解消するために、ベルト腰椎パッド側の上端辺付近に、ベルトの角度調整機能を有する角度調整手段を配設することによって臀部の様々な形状への対応も可能にした。
本考案の課題は、人体への密着性を維持しつつ脚上げ動作を妨げず円滑な歩行を可能にすると共に、長時間使用する際の痛み予防を解消でき、様々な形状の臀部の使用者に適正な角度調整を可能とするリュックサックを提供することである。
本考案のリュックサックは、荷物を収容する袋本体BBと、肩甲骨パッドSP及び腰椎パッドLPが配設される背面パネルRPと、使用者の肩に掛けられる一対の背負いベルトSBと、先端辺24に締結具FTが取付けられ後端辺21が腰椎パッドに接続されて、腰骨を包囲するように装着される左右一対のヒップベルトHBとを備えたリュックサックにおいて、前記ヒップベルトは、後端辺11、上端辺12、下端辺13及び先端辺14からなり、上端辺の所定部位に開口された開口部から中央部付近に向けて先細りの直線状又は曲線状切り欠き部15を形成し、下端辺が人体の股関節HJ上方の所定位置を頂点とするカーブを形成した所定厚さの四角状パッド材1と、後端辺21、31を開口する袋状体の開口部から挿入された前記パッド材を挟持して縫い通す生地であって、後端辺、上端辺22、32、下端辺23、33及び先端辺24、34の外周形状がパッド材の外周形状と略同一であり、前記切り欠き部に対応する部位にダーツを作製するV字状の任意数の襞25、35を形成した外側生地2及び内側生地3と、を有し、縦幅方向において人体方向に向けた曲面が形成され、かつ先端辺に向けた緩やかな下降カーブが形成されている。
本考案に係るパッド材においては、パッド材の先端辺側に人体の腸骨稜部ICに当接する周辺部を空所とする切り抜き部16を有しており、パッド材の後端辺の上方側コーナーに上端が先端辺側に向けて傾斜したコーナーカット部17を有している。また、本考案に係る外側生地及び内側生地の下端辺23、33の後端辺21、31側端部付近から先端辺24、34中央部に亘り、襞の先端部付近を頂点とするカーブを形成し、外側生地、パッド材及び内側生地の3部材の縫い通し位置の目印となる縫目マーキング26、36を有している。
本考案に係るヒップベルトにおいては、後端辺41がパッド材の後端辺の形状と、上端辺42の形状がパッド材上端辺の中間部に至る長さの形状とそれぞれ略同一に形成され、下端辺43の長さはパッド材下端辺の中間部に至る長さに形成されて、下端辺43の形状が前記縫目マーキング26、36のカーブと略同一に形成され、パッド材、外側生地及び内側生地の3部材が縫い通された袋状体Sの開口部OPから、3部材の縫目に沿ってパッド材の上側又は下側に挿入される補強パネル4を有している。
本考案に係るヒップベルトにおいては、ヒップベルトの外側生地表面の上端辺22に、後端辺21の上方側から先端辺24に向けて所定幅・長さに配置され、先端辺側の端部51が外側生地に固着され、一方をフック状面とし他方をループ状面として相互に密着し取り剥がし可能な面ファスナ52が両端部に取り付けられた調整テープ53と、後端辺の上方側に取付けられて調整テープを引張・緩め操作可能に挿通する四角状リング54とを有するヒップベルト角度調整手段5を配設しており、また、ヒップベルトの外側生地表面の上端辺22に、後端辺21の上方側から先端辺24に向けて所定幅・長さに配置され、
先端辺側の端部61が外側生地に固着された調整テープ62と、後端辺の上方側に取付けられて調整テープを引張・緩め・固定操作可能に受容するバックル63とを有するヒップベルト角度調整手段6を配設している。
本考案は、ヒップベルトを立体構造とすると共に、人体の股関節上方の所定位置を頂点として先端辺側に向けて緩やかに下降カーブした形状とすることによって、人体への密着性を維持しつつ脚上げ動作を妨げず円滑な歩行を可能にする
また、本考案においては、人体の腸骨稜部に当たる周辺部分を空所とする切り抜き部を形成することにより、腸骨稜部への当たりが緩和され長時間使用する際の痛み予防に繋がる。さらに、ヒップベルトの角度調整手段を配設することにより、ヒップサイズが大きい体型の使用者に対しても、人体への密着性を高めて体格体型にフィットさせることが可能となる。
本考案に係るヒップベルトを外側に開いた状態のリュックサックの背面視の全体構成を示す図である。 本考案に係るヒップベルトの構成例を示す図であり、(A)は外側生地の平面図、(B)は内側生地の平面図、(C)はパッド材の平面図、(D)は補強パネルの平面図である。 本考案に係るヒップベルトの角度調整手段の構成例を示す図である。 本考案に係るヒップベルトの製作工程を説明する図である。 本考案に係る補強パネルを有するヒップベルトの製作工程を説明する図である。 本考案に係るヒップベルトを人体に装着した状態を示す図である。 ヒップベルトを一般的体型に装着した状態(A)並びに臀部サイズの大きい体型に装着した状態を説明する図(B)である。 従来のヒップベルトの構成及び人体に装着した状態を示す図である。
以下、添付図を参照しながら、本考案に係るリュックサック(以下、「本リュックサック」という)の実施の形態について説明する。図1は本リュックサックを背面から視た全体構成の概略を示す図であり、図1において左側の背負いベルトは折り曲げた状態、右側の背負いベルトは外側に開いた状態を示している。図1に示すように本リュックサックは、荷物を収容する袋本体BB、肩甲骨パッドSP及び腰椎パッドLPが配設される背面パネルRP、使用者の肩に掛けられる一対の背負いベルトSB、腰骨を包囲するように装着される左右一対のヒップベルトHBを備えている。背面パネルRPにはパッドの他に金属フレーム等を取付けることができる。
ヒップベルトHBの左右両先端辺24には、ウエストベルトテープと呼ばれる締結具FTが取付けられる。締結具は例えばバックルBを有する締結テープTにより構成され、両締結テープはバックルにより使用者への取り付け、締め付け、取り外しが可能に連結されている。ヒップベルトHBの左右両後端辺21は腰椎パッドLPに接続される。
図2は、本考案のリュックサックにおけるヒップベルト(以下、「本ヒップベルト」という)の構成例を示す図であり、(A)は外側生地、(B)は内側生地、(C)はパッド材、(D)は補強パネルのそれぞれ平面図である。なお、ここには右側ヒップベルトを示しており、左側ヒップベルトは右側ヒップベルトと対称であるので図を省略する。本ヒップベルトは、所定厚さ、例えば5mm〜12mm程度の四角状パッド材1と、外側生地2及び内側生地3により構成される。縦幅方向において人体方向に向けた曲面を形成すると共に先端辺に向けた緩やかな下降カーブが形成されている。
パッド材1は、図(C)に示すように後端辺11、上端辺12、下端辺13及び先端辺14から構成されており、上端辺の所定部位、例えば後端辺から上端辺全長の1/3程度の長さの位置に、開口部を開口して開口部からパッド材中央部付近に向けて先細りとなる直線状又は曲線状の切り欠き部15を形成している。下端辺13は、人体の股関節HJの上方の所定位置、例えば股関節から1.5〜2.5cmの高さ位置を頂点とするカーブを形成している(図6参照)。
外側生地2は、人体に装着した際に外側に表れる生地であり、内側生地3は人体に接触する側の生地である。両生地は、後端辺を開口する袋状体の開口部から挿入されたパッド材1を挟持して縫い通す生地である。それぞれ後端辺21、31、上端辺22、32、下端辺23、33及び先端辺24、34から構成されている。それぞれの後端辺、上端辺、下端辺及び先端辺の外周形状は、パッド材1の外周形状と略同一に形成され、パッド材の切り欠き部15に対応する部位に、ダーツを作製するV字状の任意数の襞25、35を形成している。
本ヒップベルトのパッド材の素材としては、EVA樹脂、ポリエチレンフォーム又はこれらの素材にポリウレタンフォームを貼り合せたものであって、耐衝撃性、柔軟性を有する発泡材が好適に用いられる。また、外側生地の素材としては荷重を支え得る丈夫な生地のナイロン又はポリエステル等が好適に用いられ、内側生地の素材としては伸縮性を有するポリエステルメッシュ等が好適に用いられる。
このような素材の柔軟性、伸縮性によりパット材や補強パネルを袋状体に挿入する際に都合がよく、リュックサックにクッション性を持たせると共に通気性を確保することができる。EVA樹脂はエチレンビニルアセテート樹脂とも呼ばれる熱可塑性樹脂であり、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂でエチレン含有量が高く酢酸ビニルの含有率が3〜40%の範囲で多くの種類があり可撓性を有する。また、水、紫外線に優れた安定性があると同時にゴム弾性、柔軟性、強靭性を有する。EVA発泡体は耐衝撃性がありゴム弾性を有する。
本ヒップベルトのパット材1は、図2(C)に示すように切り抜き部16を有する。パッド材の先端辺14側の中央部付近に所定サイズの空所、例えば幅2cm程度、長さ5〜8cm程度の楕円状の空所を形成している。図6(A)には切り欠き部の形成位置を説明するために腸骨稜部ICの位置を示している。空所が形成される位置は人体の腸骨稜部に当接する位置に相当し、人体の腸骨稜部に当接する位置の周辺部を切り抜くことによって、腸骨への当たりを小さくして骨すれを阻止して特に長時間に亘りリュックサックを使用する際の痛みの発生を防止することができ、また、人体への密着性が向上して通気性も確保される。
本ヒップベルトのパット材1は、図2(C)に示すようにパッド材の後端辺11の上方側コーナーに上端が先端辺14側に向けて傾斜したコーナーカット部17を有する。コーナーカット部は、パット材の後端辺の上方側に例えば、後端辺の上端から後端辺全長の1/3程度の長さに亘って形成される。このようなコーナーカット部は、後述する特にヒップの大きい体型の使用者に密着するように、ヒップベルトの角度調整のために使用するヒップベルト角度調整手段を配設する際に有効に機能して円滑な角度調整を可能にする。
本ヒップベルトの外側生地2及び内側生地3は、図2(A)、(B)に示すように外側生地、パッド材及び内側生地の3部材を縫い通す位置の目印となる縫目マーキング26、36を有する。縫目マーキングは下端辺23、33の後端辺21、31側端部付近から先端辺24、34の中央部に亘り、襞25、35の先端部付近を頂点とするカーブを形成している。縫目マーキングは、ヒップベルトの製作工程において外側生地、パッド材及び内側生地の3部材を縫い通す際に縫い目の目安とするマークであり、この縫目マーキングに従った縫い合せは、完成したヒップベルトの型崩れを防止して一定の型を保持できる。縫目マーキングとしては、予めミシン目を付けたり、チョーク等によるマーク等の適宜表示手段を採用することができる。なお、図では縫目マーキングを外側生地及び内側生地に付しているが、縫目マーキングは外側生地のみに付す方が都合がよい。
本ヒップベルトは、図2(D)に示すように補強パネル4を有しており、補強パネルの上端辺42及び下端辺43は、パッド材の上端辺及び下端辺の中間部に至る長さに形成されている。補強パネルは、後端辺41がパッド材の後端辺の形状と略同一に形成され、上端辺42の形状がパッド材の上端辺の中間部に至る長さの形状と略同一に形成され、下端辺43の形状は、縫目マーキング26、36のカーブ形状と略同一に形成されている。補強パネルは、パッド材、外側生地及び内側生地の3部材が縫い通された袋状体Sの開口部OPから、当該3部材の縫目に沿ってパッド材に重ねて挿入される。なお、リュックサックのクッション性や肌触り等を考慮すると、人体に接触しないパッド材の上側に重ねて挿入する方が都合がよいが、下側に挿入しても差し支えない。
補強パネルは、柔軟性及びある程度の強度を有するポリエチレンプラスチックプレートが好適に用いられる。ある程度の柔軟性を有する硬質のプラスチック製の補強パネルを、パッド材の所定部位に重ねて配設することによって、強度を確保すると共に、ヒップベルト装着時のリュックサックの荷重による型崩れを防止して、効率的な荷重伝達が可能となる。
図3は、本ヒップベルトの角度調整手段(以下、「角度調整手段」ともいう)の構成例並びに角度調整を説明する図である。図(A)は角度調整手段の配置を示し、図(B)は角度調整手段として面ファスナを用いた構成(以下、「面ファスナ調整手段」という)を示し、図(C)は角度調整手段としてバックルを用いた構成(以下、「バックル調整手段」という)を示している。なお、図(A)は角度調整手段を配設した本ヒップベルトを内側に折り曲げた状態を示しており、図(A)には面ファスナ調整手段を示しているが、バックル調整手段の配置も面ファスナ調整手段の配置と同様である。
本考案においては、角度調整手段として面ファスナ調整手段5とバックル調整手段6を採用している。調整手段5、6は、図3(A)に示すように外側生地2の表面(表側に表れる面)の上端辺22に対して取り付けられ、後端辺21の上方側端部から先端辺24に向けて長さを、例えば12〜15cmとし、幅を1〜3cmにして配置される。
面ファスナ調整手段5は、図3(B)に示すように、調整テープ53と四角状リング54とにより構成され、調整テープのヒップベルト先端辺側の端部51は、外側生地に固着されており、調整テープの先端部及び後端部には、一方をフック状面とし他方をループ状面として相互に密着し取り剥がし可能な面ファスナ52が取り付けられている。四角状リングは、調整テープを引張り、緩め操作可能に挿通するリングであり、外側生地の後端辺21の上方側に取付けられている。なお、四角状リングは、一般に「平カン」と呼ばれている。
四角状リングを支点にして、調整テープを内側に折り曲げて両ファスナを係合することにより相互に密着させて角度を固定し、両ファスナを取り剥がして角度調整を実行する。図3(B)の左側矢印のように、先端側の調整テープを外側に引っ張ることによってヒップベルトの先端側を上昇(図3(B)の右側矢印参照)させて、体型に合ったヒップベルト角度を調整する。適正角度に調整され確定された際に、両係合テープを密着させて適正角度に固定する。
ここで、角度調整手段として使用する面ファスナについて説明する。互いに係合し合う一対の係合テープは、一方のテープ表面に鉤状微小突起が付設(フック状面)され、他方の表面に無数のループが密生して付設(ループ状面)されている。両テープを合せることにより相互に絡み合って密着し、両テープを任意に剥がすことにより両者を容易に引き離すことができ、両テープは着脱可能になっている。このような構成のテープは、合成繊維製の面ファスナの一種としてベルクロ(登録商標)の名称で市販されている。
図3(C)は、バックル調整手段6を示している。バックル調整手段6は調整テープ62とバックル63とにより構成され、調整テープの一方の端部61はヒップベルト先端辺側の外側生地に固着され、他方の端部は開放されている。バックル63は、ヒップベルト後端辺の上方側に取付けられ、調整テープを引張り、緩め、固定操作可能に受容している。なお、バックル調整手段の配置は、面ファスナ調整手段5と同様であるのでここでは説明を省略する。
図3(C)の左側矢印のように、先端側の調整テープを外側に引っ張ることによってヒップベルトの先端側を上昇(図3(C)の右側矢印参照)させて、体型に合ったヒップベルト角度を調整する。適正角度に調整され確定された際に、バックルによって締め付けて適正角度に固定する。
角度調整手段5、6は、人体に装着した後に角度調整を行うために調整テープの引張り、緩め、固定操作するものであり、調整テープの引張度合によって、人体への密着度を試して適正角度に調整して角度を確定して固定する。角度調整手段のヒップベルトへの取付け位置は、外側生地の表面であって上端辺の後端辺上方側であり、ヒップベルトを締め付け固定する締結具FTの取付け位置は、ヒップベルトの先端辺であって、両者の取付け位置は異なる。角度調整手段は、ヒップベルト製作工程に入る前段階(図4(A、B)等参照)や製作工程の適宜場面において、外側生地の表面に取り付けることができる。ヒップベルトの完成後に取り付けることもできるが、ヒップベルトを腰椎パッドに縫付ける前に取り付ける。この場合、角度調整手段の調整テープのヒップベルト先端辺側の端部の外側生地への固着は、外側・内側生地、パッド材、補強パネルの4部材を縫い通すことになる。
なお、ヒップベルト角度調整手段は、本考案に係るヒップベルトへの取付けに限定されるものではなく、平面構造、立体構造等の種々のヒップベルトへの適宜手段による取付けができ、人体への密着性が確保され円滑な歩行が確保されることになる。また、本実施の形態においては、角度調整手段として面ファスナ、バックルを使用しているが、一定強度を有するプラスチック製の調整紐の一端を外側生地の上端辺の所定位置に固着し、他端の紐を巻取機に取付けたダイヤル式締め付け具を使用することができ、両テープの係合手段として適宜部位に一対の雄と雌ホック、陽極と陰極磁石、雄と雌ねじを配置しておき、雄ホックを雌穴に嵌着させ、或いは陽極と陰極とを接合し、雄ネジと雌ねじをネジ止めして両テープを係止する手段等各種手段を採用することができる。
次に、図4を参照して本ヒップベルトの製作工程について説明する。先ず、図4(A)に示すように、外側生地2及び内側生地3に形成される襞25、35を縫い合わせてそれぞれダーツを作製する(ステップS1)。ダーツの作製により、ヒップベルトが立体構造となる。そして、開口部を形成する後端辺21、31を除く、外側・内側生地の上端辺22、32、下端辺23、33及び先端辺24、34のそれぞれを縫い合わせて、後端辺を開口部OPとする袋状体Sを作製する(ステップS2)。なお、図4(A)、(D)において縫い合せ部分を点線で表している。次いで、図4(B)に示すように、袋状体を裏面が表面になるように裏返し処理を実施する(ステップS3)。この袋状体の裏返し処理によって、ヒップベルトが完成した後に、上端・下端・先端辺それぞれの縫い合せ部の縫い目や縫合跡等が隠れることとなり、ヒップベルトの外観が損なわれず見栄えがよくなる。
次いで、図4(C)に示すように、開口部OPから袋状体内部にパッド材1を挿入する(ステップS4)。袋状体にパッド材1を挿入する(押し込む)ことによって、切り欠き部15が袋状体内部で密着して立体を構成し、縦幅方向において人体方向に向けた曲面を形成する。その後、図4(D)に示すように、開口部を縫い閉じて(ステップS5)、挿入したパッド材を貫通して、外側生地及び内側生地の3部材を縫合位置マーキング26、36に従って縫い通す(ステップS6)。なお、3部材を縫い通した後に開口部を縫い閉じることもできる。そして、完成したヒップベルトの後端辺を腰椎パッドLPに縫い合せて接続する(ステップS7)。
次に、図5を参照して補強パネル4を有する本ヒップベルトの製作工程について説明する。図4(D)に示す開口部を縫い閉じる工程(S7)を除く、パッド材、外側生地及び内側生地の3部材を縫い通す工程(S6)までは、上記した本ヒップベルトの製作工程と同様であるので、ここでは図示及び説明を省略して、補強パネルに関する製作工程について、3部材の縫い通し工程(ステップS6)に続く工程を、ステップS8〜S10として図示して説明する。補強パネル4は開口部から3部材を縫い通した後に挿入され、その後に開口部が縫い閉じられる。
図5(A)に示すように補強パネル4は、3部材が縫い通された袋状体の開口部OPから、3部材の縫目に沿ってパッド材の上側又は下側に押込み挿入する(ステップS8)。その後、図5(B)に示すように、開口部を縫い閉じて(ステップS9)、完成したヒップベルトの後端辺を腰椎パッドLPに縫い合せて接続する(ステップS10)。なお、ヒップベルトの製作を本考案においては縫製によるものとしているが、バインディングテープ、接着剤等を用いて端辺部同士を接合して製作することもできる。
図4及び図5には、角度調整手段の配置を分かり易くするために角度調整手段を取付けた状態を示している。なお、図では角度調整手段として面ファスナ調整手段を示しているが、バックル調整手段を取付けることができることは言うまでもない。また、図には示していないが、左右のヒップベルトを締結する締結具FTは、外側生地又は内側生地の先端辺に取り付けられる。図4(A)では、ダーツが作製された外側生地2に角度調整手段を取付けているが、角度調整手段の取り付け処理はダーツの作製前又は後に限定されることはなく、図4(B)に示す袋状体を作製した後、或いはヒップベルトを完成させた後など適宜製作工程において実施することができる。なお、図4(A)では、袋状体の裏返し処理前であるために、角度調整手段の取付け位置が外側生地の裏面となっている。
本考案に係るヒップベルトは、立体構造にすると共に先端辺側に向けて緩やかに下降カーブした形状にするという簡単な構造によって、人体への密着性を維持しつつ、脚上げ動作を妨げず円滑な歩行を可能にする。また、製法が容易であるために、通常の技術を持つ縫製工場において低コストによる生産が可能であり、リュックサック業界において広く採用されることが期待できる。
1 パッド材
2 外側生地
3 内側生地
4 補強パネル
5 面ファスナ調整手段
6 バックル調整手段
11 パッド材後端辺
12 パッド材上端辺
13 パッド材下端辺
14 パッド材先端辺
15 切り欠き部
16 切り抜き部
17 コーナーカット部
21 外側生地後端辺
22 外側生地上端辺
23 外側生地下端辺
24 外側生地先端辺
25 外側生地の襞
26 外側生地の縫目マーキング
31 内側生地後端辺
32 内側生地上端辺
33 内側生地下端辺
34 内側生地先端辺
35 内側生地の襞
36 内側生地の縫目マーキング
41 補強パネルの後端辺
42 補強パネルの上端辺
43 補強パネルの下端辺
51 面ファスナ調整手段の先端辺側端部
52 面ファスナ
53 調整テープ
54 リング
61 バックル調整手段の先端辺側端部
62 調整テープ
63 バックル
S 袋状体
OP 開口部
BB 袋本体
SP 肩甲骨パッド
LP 腰椎パッド
RP 背面パネル
SB 背負いベルト
HB ヒップベルト
FT 締結具
HJ 人体の股関節
GM 人体の大臀筋
IC 人体の腸骨稜部
LM 脚上げ動作
LL 臀部の大きい体型のヒップベルトの位置
CL 一般的体型のヒップベルトの適正な位置

Claims (7)

  1. 荷物を収容する袋本体と、肩甲骨パッド及び腰椎パッドが配設される背面パネルと、使用者の肩に掛けられる一対の背負いベルトと、先端辺に締結具が取付けられ後端辺が腰椎パッドに接続されて腰骨を包囲するように装着される左右一対のヒップベルトと、を備えたリュックサックにおいて、
    前記ヒップベルトは、後端辺、上端辺、下端辺及び先端辺からなり、上端辺の所定部位に開口された開口部から中央部付近に向けて先細りの直線状又は曲線状切り欠き部を形成し、下端辺が人体の股関節上方の所定位置を頂点とするカーブを形成した所定厚さの四角状パッド材と、後端辺を開口する袋状体の開口部から挿入されたパッド材を挟持して縫い通す生地であって、後端辺、上端辺、下端辺及び先端辺の外周形状がパッド材の外周形状と略同一であり、前記切り欠き部に対応する部位にダーツを作製するV字状の任意数の襞を形成した外側生地及び内側生地と、を有し、
    縦幅方向において人体方向に向けた曲面が形成され、かつ先端辺に向けた緩やかな下降カーブが形成されたことを特徴とするリュックサック。
  2. 前記パッド材の先端辺側に人体の腸骨稜部に当接する周辺部を空所とする切り抜き部を有することを特徴とする請求項1に記載のリュックサック。
  3. 前記パッド材の後端辺の上方側コーナーに上端が先端辺側に向けて傾斜したコーナーカット部を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のリュックサック。
  4. 前記外側生地及び内側生地の下端辺の後端辺側端部付近から先端辺中央部に亘り、襞の先端部付近を頂点とするカーブを形成し、外側生地、パッド材及び内側生地の3部材の縫い通し位置の目印となる縫目マーキングを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリュックサック。
  5. 請求項4に記載のヒップベルトにおいて、後端辺がパッド材の後端辺の形状と、上端辺の形状がパッド材上端辺の中間部に至る長さの形状とそれぞれ略同一に形成され、下端辺の長さはパッド材下端辺の中間部に至る長さに形成されて、当該下端辺の形状が前記縫目マーキングのカーブと略同一に形成され、パッド材、外側生地及び内側生地の3部材が縫い通された袋状体の開口部から3部材の縫目に沿ってパッド材の上側又は下側に挿入される補強パネルを有することを特徴とするリュックサック。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のヒップベルトの外側生地表面の上端辺に、後端辺の上方側から先端辺に向けて所定幅・長さに配置され、先端辺側の端部が外側生地に固着され、一方をフック状面とし他方をループ状面として相互に密着し取り剥がし可能な面ファスナが両端部に取り付けられた調整テープと、後端辺の上方側に取付けられて調整テープを引張・緩め操作可能に挿通する四角状リングと、を有するヒップベルト角度調整手段を配設したことを特徴とするリュックサック。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のヒップベルトの外側生地表面の上端辺に、後端辺の上方側から先端辺に向けて所定幅・長さに配置され、先端辺側の端部が外側生地に固着された調整テープと、後端辺の上方側に取付けられて調整テープを引張・緩め・固定操作可能に受容するバックルと、を有するヒップベルト角度調整手段を配設したことを特徴とするリュックサック。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022083150A (ja) * 2020-11-24 2022-06-03 桂子 河本 整体用腰ベルトを利用した荷重分散型リュックサック

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