JP3222726B2 - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JP3222726B2 JP16398995A JP16398995A JP3222726B2 JP 3222726 B2 JP3222726 B2 JP 3222726B2 JP 16398995 A JP16398995 A JP 16398995A JP 16398995 A JP16398995 A JP 16398995A JP 3222726 B2 JP3222726 B2 JP 3222726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライエッチング方法
及びドライエッチング装置に関し、特に半導体装置の電
極等として用いられる、シリコンを含むシリコン系材料
のプラズマエッチング処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化に伴って、
その製造プロセスにおける微細加工技術に対する要求も
一段と厳しいものとなってきている。特に、MOSトラ
ンジスタ等のゲート電極部を構成するシリコン、または
シリコンを含む材料(以下、両者をシリコン系材料と称
する。)のドライエッチングにおいては、その下地であ
る酸化シリコンからなるゲート絶縁膜が薄膜化されるこ
とにより、下地酸化膜に対するシリコン系材料の高選択
性、および下地酸化膜のエッチングによる損傷性の低減
への要求がさらに強まり、パターン寸法の微細化に合わ
せた加工寸法精度の向上とともに、これら全ての要求を
満たす技術の開発が望まれている。
【0003】上記ドライエッチング方法としては、プラ
ズマ中で発生するラジカル、イオン等と固体表面との化
学的かつ物理的な反応を利用して、固体表面から粒子
(原子、分子等)を取り除くことにより、薄膜または基
板の加工を行うプラズマエッチングが一般的であり、従
来、シリコン系材料からなる電極をエッチングするに
は、反応性イオンエッチング(RIE)法や電子サイク
ロトロン共鳴(ECR)プラズマエッチング法等が用い
られている。
【0004】ここでエッチングマスクには、通常、光リ
ソグラフィ技術に使用される有機レジストが用いられて
おり、エッチングはハロゲン系ガスのプラズマを用いて
行われる。
【0005】このようなプラズマエッチングにおいて、
エッチングの加工寸法精度は、プラズマエッチングの際
のレジストマスクの寸法変化量と、被エッチング膜の寸
法変化とにより決まり、これらの寸法変化量を少なくす
る必要がある。
【0006】また、通常のエッチング工程では、エッチ
ング速度や被エッチング層の膜厚のばらつきを緩和し、
またエッチング残渣を除去するために、電極材料のエッ
チングにより下地酸化膜が露出した後、さらにエッチン
グ処理を続行する場合がある。このような場合に、下地
酸化膜を越えて、基板を構成するシリコンまでエッチン
グしてしまわないようにするため、また、プラズマから
の電荷蓄積による下地酸化膜の絶縁破壊や劣化を防ぐた
めにも、下地酸化膜に対するシリコン系材料層の高選択
性、および下地酸化膜のエッチングに対する低損傷性の
向上が不可欠となる。
【0007】ところで、上記プラズマエッチングにおい
て、エッチングマスクとして有機レジストマスクを使用
した場合、酸化シリコン系の薄膜を使用する場合に比べ
て、下地酸化膜に対するシリコン系材料層の選択性が劣
化することが知られている。これは、プラズマエッチン
グの際に生じる有機レジストマスクからの反応生成物
が、下地酸化膜とエッチングガスとのエッチング反応に
影響しているためと考えられている。しかし、有機レジ
ストマスクを用いた場合、上記酸化シリコン系マスクを
用いた場合に比べてマスク形成のための工程数が確実に
減少し、この工程数の減少により加工寸法精度の向上お
よび低コスト化に有利である。
【0008】また、酸化シリコン系マスクを用いた場
合、マスク形成のために酸化シリコン系膜をエッチング
する工程で、段差部分等のエッチング残りが生じ易く、
エッチング残渣の原因となる。このように、有機レジス
トマスクの方が酸化シリコン系マスクよりも、使用する
際の簡便性や汎用性に優れているので、有機レジストマ
スクを有効に使用するエッチング方法の開発が望まれて
いる。
【0009】また、上記エッチングに使用するハロゲン
化ガスとしては、従来のフッ素系やフロン系ガスに代わ
って塩素(Cl2)や臭化水素(HBr)のような塩素
系や臭素系ガスが用いられるようになっている。この塩
素系や臭素系ガスは、シリコンとのエッチング反応を自
発的には起こさず、イオン・アシスト機構によりエッチ
ングが進行するものであるため、エッチングの異方性が
得易い。また、シリコンとの原子間結合エネルギーの大
小関係(Si−F結合>Si−O結合>Si−Cl結合
>Si−Br結合)から理解されるように、塩素系や臭
素系ガスを用いた場合には、従来ガスを用いた場合に比
べて、酸化シリコン膜に対するシリコン系材料層のエッ
チング選択性を向上させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように有機レジ
ストマスクを用いてシリコン系電極材料をドライエッチ
ングする場合、下地酸化膜に対するシリコン系材料層の
エッチング選択性を高めるため、ハロゲン化ガスに少量
の酸素ガスを添加する方法が知られており、一般にはハ
ロゲン化ガスに酸素ガスを添加した混合ガスを用いてエ
ッチングが行われていることが多い。
【0011】しかし、酸素ガスを添加すると、レジスト
マスクに対するシリコン系材料層のエッチング選択性が
低下し、またマスク側壁への堆積物が増加して加工精度
の劣化を招く。従って、加工寸法精度を優先して酸素ガ
スの添加量を極少量に制限すると、下地酸化膜に対する
シリコン系材料層の選択性が不十分となり、逆に、下地
酸化膜に対するシリコン系材料層の選択性を優先して酸
素ガスの添加量を増加させると加工寸法精度が悪化する
という問題がある。
【0012】これを防ぐために、下地酸化膜が露出して
から行う追加エッチング時に酸素ガスを添加し、あるい
は酸素ガスの添加量を増加するという方法も考えられる
が、この場合には、ガス流量の切り替え時期の決定が困
難でエッチング形状のばらつきの原因となる。
【0013】以下に、シリコン系材料層を、臭素等を含
むハロゲン化ガスを用いかつこれに酸素ガスを添加して
ドライエッチングする場合に問題となる側壁堆積物につ
いて、図2を参照しながら説明する。
【0014】ここで被エッチング基板は、シリコン基板
16の上に酸化シリコンからなるゲート酸化膜15が形
成され、その上には多結晶シリコン膜14が形成され、
さらにその上に所定のパターンを有するレジストマスク
13が形成されている(図2(a))。
【0015】図2(b)に示すように、シリコン膜14
をプラズマエッチングする際、シリコンのエッチングに
より生じる反応生成物(シリコンのハロゲン化物)がプ
ラズマ中および固体表面において酸素と再反応し、ハロ
ゲンラジカルとシリコン酸化物とが生成する。このシリ
コン酸化物がシリコン膜14のエッチングされる部分以
外の面上に析出し、とりわけ、イオン衝撃を受けにくい
レジストマスク13aの側壁に堆積膜17を形成する。
【0016】そして、このため、図2(c)に示すよう
に、エッチング加工されたシリコン膜14bの加工精度
は著しく悪化する。この現象は、エッチングマスクのパ
ターンが密集している部分よりも、特にそのパターンが
孤立している部分で顕著に現れる線幅ばらつきの原因と
なる。
【0017】このシリコンのハロゲン化物と酸素との反
応についても、上述したシリコンとの原子間結合エネル
ギーの大小関係から理解され、臭素の場合、酸素に比べ
てシリコンとの化学結合が弱いので、シリコンが酸化さ
れ易く、そのため、シリコン酸化物の析出量が多くな
る。
【0018】また、プラズマ密度を1012/cm3に達
するような高密度プラズマにした場合、プラズマ中のイ
オン化率が高まってエッチング反応へのイオンの寄与率
が増加する。このため、反応生成物の再解離が活発にな
って、エッチングに寄与するラジカル種が再生成される
ことなどからエッチング速度が大きく増加し、その結
果、シリコン系材料層のマスクに対するエッチング選択
性が高くなる。しかし、プラズマが高密度化されると、
基板表面における電荷蓄積が必然的に多くなるため、局
所的な蓄積電荷の差により下地酸化膜の絶縁破壊が生じ
たり、シリコン系材料層のエッチングの際にノッチ形状
が発生し易くなる。
【0019】さらに、この場合、不純物原子を添加しな
い多結晶シリコンやホウ素等のアクセプタ準位を形成す
る原子を不純物原子として添加した多結晶シリコンを、
有機レジストマスクを用いてエッチングする場合、エッ
チングにより生じた反応生成物の炭素含有物が高濃度プ
ラズマ中で再重合されて基板表面に堆積する、また、シ
リコンのエッチングにより生じた反応生成物の再解離反
応の進行により酸化シリコンが生成されやすい環境が形
成され、基板やマスク表面への酸化物の堆積が増加す
る、さらに、これらの再解離反応や堆積反応の増加によ
り、エッチング速度が制御し難くなる等の問題も生じ
る。
【0020】本発明は、上記のような従来の問題点を解
決すべくなされたものであり、有機レジストマスクを用
いたプラズマエッチング処理における、シリコン系材料
層の下地酸化膜に対するエッチング選択性、及びシリコ
ン系材料層の該有機レジストマスクに対するエッチング
選択性をともに向上することができ、しかも寸法変化量
の少ない高い加工精度と、電荷蓄積による絶縁破壊等の
ない低損傷性を実現できるドライエッチング方法および
ドライエッチング装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明に係るドライエ
ッチング方法は、酸化シリコン膜上に形成された、シリ
コンを含む材料からなる被エッチング層に、シリコン原
子との結合力が酸素原子に比べて小さいハロゲン原子を
含むハロゲン化ガスと酸素ガスとを用いてプラズマエッ
チング処理を施すドライエッチング方法であって、前記
ハロゲン化ガスとして、HBrガスあるいはCl 2 ガス
を用い、該HBrガスあるいはCl 2 ガスと、該酸素を
含むガスとを別々のガス導入経路により処理領域内に導
入し、該酸素を含むガスを、前記HBrガスあるいはC
2 ガスが励起される領域よりもプラズマ密度または電
子エネルギーの高いプラズマ領域で励起するものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】この発明は、上記ドライエッチング方法に
おいて、前記被エッチング層を構成する材料として、結
晶シリコン、アモルファスシリコン、不純物がドープさ
れた多結晶シリコン、及び不純物がドープされていない
多結晶シリコンの内のいずれかを用いるものである。
【0023】
【0024】この発明は、上記ドライエッチング方法に
おいて、マイクロ波の導入経路に沿って、磁場強度が電
子サイクロトロン共鳴が生ずる値より大きい高磁場領
域、磁場強度が電子サイクロトロン共鳴が生ずる臨界値
である磁場領域、及び磁場強度が電子サイクロトロン共
鳴が生ずる値より小さい低磁場領域が順次設定されてい
るドライエッチング装置を用い、前記酸素を含むガスを
該高磁場領域に導入し、前記ハロゲン化ガスを低磁場領
域に導入するものである。
【0025】この発明に係るドライエッチング装置は、
プラズマを発生可能な反応室を有し、該反応室内で、基
板上の酸化シリコン膜上に形成された、シリコンを含む
材料からなる被エッチング層を複数の反応ガスを用いて
プラズマエッチングするドライエッチング装置であっ
て、該反応ガスを該反応室内のプラズマ密度または電子
エネルギーの高い領域へ導入するための第1のガス導入
経路と、該反応ガスを該反応室内のプラズマ密度または
電子エネルギーの低い領域へ導入するための、該第1の
ガス導入経路とは独立した第2のガス導入経路とを備
え、前記酸素を含むガスを該第1のガス導入経路により
反応室内に導入し、前記ハロゲン化ガスを該第2のガス
導入経路により反応室内に導入するものであり、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0026】
【作用】この発明においては、ハロゲン化ガスとして、
HBrガスあるいはCl 2 ガスを用い、このHBrガス
あるいはCl 2 ガスと、酸素を含むガスとを別々のガス
導入経路により反応系内に導入し、酸素を含むガスを、
HBrガスあるいはCl 2 ガスが励起される領域よりも
プラズマ密度または電子エネルギーの高いプラズマ領域
で励起するようにしたから、酸素ガスの流量を増やすこ
となく、相対的に酸素のラジカルを高めることができ
る。
【0027】この酸素ラジカルの増加により、有機レジ
ストマスクを用いた場合の下地酸化膜に対するシリコン
系材料のエッチング選択性を高めることができる。
【0028】しかも酸素ガスの流量自体は増大させてい
ないので、酸素ラジカルの増大による弊害、つまり有機
レジストマスクに対するシリコン系材料層のエッチング
選択性の低下やマスク側壁へ付着する堆積物の増大を抑
制することができる。
【0029】また、被エッチング層の近傍の領域を、酸
素ガスの導入領域に比べてプラズマ密度または電子エネ
ルギーの低いプラズマ領域とし、この領域にHBrガス
あるいはCl 2 ガスを導入するようにすることにより、
基板近傍での反応生成物の再解離の活発化を抑えて、酸
化物の基板やマスク表面への堆積を抑えることができる
とともに、基板表面での電荷蓄積も抑えて下地絶縁膜の
絶縁破壊を低減できる。
【0030】これにより、有機レジストマスクを用いた
プラズマエッチング処理における、シリコン系材料層の
下地酸化膜に対するエッチング選択性、及びシリコン系
材料層の該有機レジストマスクに対するエッチング選択
性をともに向上することができ、しかも寸法変化量の少
ない高い加工精度と、電荷蓄積による絶縁破壊等のない
低損傷性を実現できる。
【0031】
【実施例】まず、本発明の基本原理について説明する。
【0032】本発明においては、エッチングガスの流量
あるいは組成を変更することなくプラズマ中の酸素のラ
ジカル濃度を相対的に高めるために、ガスの導入系を分
離して、酸素ガスをプラズマ密度あるいは電子エネルギ
ーの高い領域で励起するようにしている。プラズマが高
密度化されると、前述のようにプラズマ中のイオン化率
の増加と反応生成物再解離の活発化が起こるが、プラズ
マ密度を増加させると、酸素ガスの解離・励起反応がよ
り進行するため、プラズマ中の酸素ラジカルの量を増加
させることができる。特に、プラズマ密度を1010/c
3以上にすると、酸素ラジカルの量が顕著に増加し、
プラズマ中のハロゲンラジカルに対しても相対的に濃度
が高められる。これは、解離エネルギーの低いハロゲン
化ガスは109/cm3程度のプラズマ密度でもかなり解
離・励起反応は進行しているが、解離エネルギーの高い
酸素ガスはプラズマ密度がさらに高められないと解離・
励起反応が進行しにくいためではないかと考えられる。
【0033】これにより、酸素ガス流量を増やさなくて
も、より少ない酸素ガス流量で下地酸化膜に対するシリ
コン系材料層のエッチング選択比を高めることが可能と
なる。
【0034】さらに、本発明者らは、この解離・励起反
応の進んだ酸素ラジカルの存在するプラズマを利用すれ
ば、下地酸化膜に対するシリコン系材料層の高選択性と
同時に、有機レジストマスクに対するシリコン系材料層
の選択性も向上させ、さらにはマスク側壁への反応生成
物の堆積を減少させることが可能であることを見い出
し、酸素ガスを特にプラズマ密度の高い領域で効率よく
励起することにした。
【0035】この有機レジストマスクとのエッチング反
応や側壁への堆積反応の変化についてはよく分かってい
ないが、酸素ラジカルの関連する反応過程が変化したこ
とが予想される。
【0036】ハロゲン化ガスと分離して酸素ガスをプラ
ズマ密度の特に高い領域に導入することは、酸素ガスの
解離,励起反応の効率を高め、酸素ラジカル濃度を相対
的に高める効果がある。一方、ハロゲン化ガスは酸素ガ
スよりも解離・励起反応が進行しやすいため、輸送過程
において再結合等により若干プラズマ密度の低下した領
域で励起しても、109/cm3〜1010/cm3の程度
のプラズマ密度では、エッチング速度の低下はほとんど
なく、さらには、ウエハ近傍のプラズマの高密度化を抑
えられるため、基板表面への電荷蓄積によるゲート酸化
膜の絶縁破壊を防止でき低損傷化が図れ、ノッチ形状の
ような局所的なエッチング異常の発生も防止できる。
【0037】以下、本発明の実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0038】本実施例では、ゲート電極の加工に本発明
を適用したものであり、エッチングガスとして、臭化水
素と塩素との混合ガスと、酸素ガスを用い、不純物のド
ープされない多結晶シリコン材料をECRプラズマ装置
により加工する例を示している。
【0039】図1は、本発明の一実施例によるドライエ
ッチング方法を説明するための図であり、該ドライエッ
チング方法に使用したECRプラズマ装置の概要断面構
造を模式的に示している。
【0040】図において、100は本実施例のECRプ
ラズマ装置であり、この装置100では、マグネトロン
1で発生させた2.45GHzのマイクロ波が、導波管
2を通り、マイクロ波を通す石英ガラス等からなる導入
窓4から、ECRプラズマを発生させるための真空室3
に導かれる。この真空室3の周囲には、室内に磁場を発
生させるためのソレノイドコイル5が設けられている。
ここで、磁場分布は、マイクロ波の導入経路に沿って、
その磁場強度がECR共鳴が起こる強度(875G)よ
り高い領域から、該磁場強度(875G)である領域を
経て次第に磁場強度が低い領域に移行するように設定さ
れている。
【0041】該真空室3は、系統の異なるガス供給口
6、7を有しており、これらは、該ガス供給口6からは
真空室3内の磁場強度の高い領域にガスが導入され、ガ
ス供給口7からは真空室3内の磁場強度の低い領域にガ
スが導入されるよう配置されている。このような配置に
より、ガス供給口6から導入されたガスは、ECR共鳴
励起によって高密度にプラズマ化され、磁力線に沿って
磁場の低い処理室9側に導入される。
【0042】一方、ガス供給口7から導入されたガス
は、輸送されて若干密度の低下したプラズマ中の電離電
子により解離・励起される。
【0043】被エッチング材であるウェハ8は処理室9
内のウェハ搭載電極10の上に載置され、ウェハ搭載電
極10には高周波電源11が接続されて高周波バイアス
を印加可能になっている。上記処理室9には排気口12
が設けられ、処理室9を高真空排気するためにターボ分
子ポンプ等の排気速度の大きい真空排気系が接続されて
いる。なお、このターボ分子ポンプは、高速回転するタ
ーボフィンによりガス分子を物理的に該フィンの羽根に
巻き込むようにして排気する高速排気に適した真空ポン
プで、通常104〜107Torr程度の中高真空排気に用い
られる。
【0044】次に、上記ECRプラズマ装置を用いて多
結晶シリコン材料を加工する方法について説明する。
【0045】被エッチング材であるウェハ8は、図3
(a)に示すように、シリコン基板16上に、酸化シリ
コンからなるゲート酸化膜15が形成され、その上に不
純物がドープされていない多結晶シリコン膜14が形成
され、さらにその上に有機レジストマスク13がパター
ン形成された構造となっている。
【0046】ガス供給口6から酸素ガス(4sccm)
を、ガス供給口7から臭化水素(24sccm)と塩素
(12sccm)との混合ガスを上記処理室9に導入
し、マイクロ波入力パワー1100W、放電ガス圧力
0.2Pa、高周波バイアスパワー20W、ウェハ温度
20℃の条件で、上記処理室9内のウエハ搭載電極10
上に配置したウエハにプラズマエッチング処理を施す。
【0047】このとき、得られたエッチング選択比は、
下地酸化膜15に対する多結晶シリコン膜14の選択比
200、有機レジストマスク13に対する多結晶シリコ
ン膜14の選択比3であり、高い選択性が得られた。
【0048】また、図3(b)に示すように、エッチン
グ処理に晒されたレジストマスク13bの側壁に生成さ
れた堆積膜18は薄く、図3(c)に示す加工後のシリ
コン膜14dの寸法変化量は、0.2μm幅〜5μm幅
のパターン幅では、ラインとスペースの幅が1:1の密
集したパターン、ラインが孤立したパターンの双方につ
いて10%以内に抑えることができた。
【0049】上記実施例では、ガス供給口6から供給す
るガスに酸素ガスを用いたが、ガス供給口6から供給す
るガスとしては、酸素ガスにヘリウムガス等の不活性ガ
スを添加した混合ガスを用いてもよく、この場合、放電
の安定性や均一性を高める効果がある。
【0050】上記ハロゲン化ガスとしては、臭化水素と
塩素との混合ガスを用いたが、臭化水素のみまたは塩素
のみでも同様の効果が得られた。
【0051】また、上記実施例では、被エッチング層で
あるシリコン系材料層として、不純物がドープされてい
ない多結晶シリコン層を用いたが、該被エッチング層の
構成材料は、不純物がドープされた多結晶シリコン、結
晶シリコン、あるいはアモルファスシリコンでもよい。
【0052】また、上記実施例では、ゲート酸化膜に酸
化シリコン膜を用いたが、これは、窒素を含むシリコン
の窒化酸化膜でもよく、上記実施例と同様の効果が得ら
れる。
【0053】エッチングの選択性を高め、寸法変化量を
減らすためには、処理室9内での相対的な酸素のラジカ
ル性が高いほど好ましく、そのためには、マイクロ波パ
ワーを900〜1200Wに高くしたり、放電ガス圧力
を0.3Pa〜0.07Paに低くしたりするなど、E
CR共鳴励起される領域でのプラズマ密度を高くするこ
とが効果的である。
【0054】また、ガス供給口7よりプラズマ導入経路
の上流側に形成されるECR共鳴領域の位置について
は、ガス供給口7からの高さ距離を100mm〜10m
mの範囲で変化させて調べた結果、この高さ距離を、放
電の安定な範囲内である50mm〜20mm程度に低く
設定した方が効果が特に大きかった。
【0055】さらに、ソレノイドコイル6によって形成
されるECR共鳴領域の磁場強度の勾配についても30
G/mm〜70G/mmの範囲で変化させて調べた結
果、放電の安定な範囲内である30G/mm〜55G/
mm程度と小さく設定した方が特に効果が大きかった。
【0056】上記実施例では、ECRプラズマ装置を使
用したが、本発明は他のプラズマ装置にも適用できる。
また、ドライエッチング装置として、複数のプラズマ装
置を結合して用いてもよく、例えば、ECRプラズマや
ヘリコンプラズマのような高密度プラズマを発生する第
1のプラズマ装置で酸素を含むガスを励起し、処理室と
なる第2のプラズマ装置にプラズマまたはラジカルを輸
送してエッチングを行うようにすることもできる。な
お、ヘリコンプラズマ装置では、ループアンテナに高周
波を印加した状態で、アンテナから導入される電場と磁
場の直交する高周波が、磁場の方向にある位相速度で伝
搬するとき、位相速度よりも遅い電子がその電場からエ
ネルギーをもらい、波に乗って加速することによってプ
ラズマが生成される。この波(ヘリコン波)は、その角
周波数ωがプラズマ中のイオン,電子の角周波数ωi
ωeに対して、ωi<ω<ωeの領域に存在する波で、ホ
イッスラー波とも呼ばれている。このヘリコンプラズマ
装置では、103Torr台の低圧で1012/cm3の非常に高
密度のプラズマが生成できることが知られている。また
このようなヘリコン波プラズマを利用したエッチング装
置もある。
【0057】上記実施例では、下地ゲート酸化膜15上
でシリコン系材料層の選択的なエッチングを行って電極
層14を形成する電極のエッチング加工について説明し
たが、本発明における導体層の加工は、このような電極
層の加工に限定されるものではなく、本発明は、酸化シ
リコン膜の上でシリコン系材料層の選択的なプラズマエ
ッチングを行う導体層の加工であればどのようなもので
も適用することができ、種々の半導体装置の製造に適用
することができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、酸素ラジ
カルの発生効率を高め、より少ない酸素ガス量でプラズ
マ中の酸素ラジカル濃度を相対的に高くすることができ
る。よって、下地の酸化シリコン膜に対するシリコン系
材料層の選択性を高めることができ、下地のシリコン膜
を薄膜化してもその下の基板まで損傷することがない。
また、有機レジストマスクに対するシリコン系材料層の
選択性も向上させることができ、マスク側壁への反応生
成物の堆積を減少させることができるので、寸法変化量
が少なく高い加工精度の微細加工が可能である。
【0059】また、ウェハ近傍のプラズマの高密度化を
抑えられるので、基板表面への電荷蓄積による下地の酸
化シリコン膜の絶縁破壊や、シリコンを含む材料層のエ
ッチングの際のノッチ形状のような局所的なエッチング
異常が発生しない。よって、エッチング加工による下地
絶縁膜の劣化や損傷性を低くすることができる。
【0060】さらに、シリコンを含む材料からなる層と
して、結晶シリコン、アモルファスシリコン、不純物が
ドープされた多結晶シリコンおよび不純物がドープされ
ていない多結晶シリコンを用いても、反応生成物がプラ
ズマ中で再重合されて基板表面に堆積したり、反応生成
物の再解離により酸化シリコンがマスク表面や基板に堆
積したりすることがなく、エッチング速度の制御も容易
になる。
【0061】また、ハロゲン化ガスとして、臭素系ガス
および塩素系ガスの内の少なくとも1つ含むガスを用い
ると、エッチングの異方性が得易く、酸化シリコン膜に
対するシリコンを含む材料層の選択性をさらに向上させ
ることができる。
【0062】また、有機レジストマスクを用いても、マ
スクに対する選択性の低下やマスク側壁への堆積物の増
加は生じず、下地の酸化シリコン膜に対するシリコン系
材料層の選択性の低下も生じない。従って、工程数を減
少した簡便な製造工程により、加工寸法精度を向上させ
た微細加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用したECRプラズマ装置
の概略構成を示す断面図である。
【図2】従来のドライエッチング方法を多結晶シリコン
からなるゲート電極の加工に適用した従来例を説明する
ための概略断面図であり、図2(a)はエッチング前の
ウェハの状態を示し、図2(b)はエッチング途中の状
態を示し、図2(c)はエッチング終了後、レジストマ
スクと側壁堆積膜が除去された状態を示している。
【図3】本発明のドライエッチング方法を多結晶シリコ
ンからなるゲート電極の加工に適用した実施例を説明す
るための概略断面図であり、図3(a)はエッチング前
のウェハの状態を示し、図3(b)はエッチング途中の
状態を示し、図3(c)はエッチング終了後、レジスト
マスクと側壁堆積膜が除去された状態を示している。
【符号の説明】
1 マグネトロン 2 導波管 3 真空室 4 導入窓 5 ソレノイドコイル 6、7 ガス供給口 8 ウェハ 9 処理室 10 試料搭載電極 11 高周波電源 12 排気口 13、13a、13b レジストマスク 14、14a、14b、14c、14d 多結晶シリコ
ン膜 15 ゲート酸化膜 16 シリコン基板 17、18 側壁堆積膜 100 ECRプラズマ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−249421(JP,A) 特開 昭60−120525(JP,A) 特開 平3−36723(JP,A) 特開 平5−206072(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化シリコン膜上に形成された、シリコ
    ンを含む材料からなる被エッチング層に、シリコン原子
    との結合力が酸素原子に比べて小さいハロゲン原子を含
    むハロゲン化ガスと酸素ガスとを用いてプラズマエッチ
    ング処理を施すドライエッチング方法であって、 前記ハロゲン化ガスとして、HBrガスあるいはCl2
    ガスを用い、 該HBrガスあるいはCl2ガスと、該酸素を含むガス
    とを別々のガス導入経路により処理領域内に導入し、該
    酸素を含むガスを、前記HBrガスあるいはCl2ガス
    が励起される領域よりもプラズマ密度または電子エネル
    ギーの高いプラズマ領域で励起するドライエッチング方
    法。
  2. 【請求項2】 前記被エッチング層は、結晶シリコン、
    アモルファスシリコン、不純物がドープされた多結晶シ
    リコン、及び不純物がドープされていない多結晶シリコ
    ンのいずれかにより構成されている請求項1に記載のド
    ライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のドライエッチング方法
    において、 マイクロ波の導入経路に沿って、磁場強度が電子サイク
    ロトロン共鳴が生ずる値より大きい高磁場領域、磁場強
    度が電子サイクロトロン共鳴が生ずる臨界値である磁場
    領域、及び磁場強度が電子サイクロトロン共鳴が生ずる
    値より小さい低磁場領域が順次設定されているドライエ
    ッチング装置を用い、 前記酸素を含むガスを該高磁場領域に導入し、前記ハロ
    ゲン化ガスを低磁場領域に導入するドライエッチング方
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