JP3222173B2 - 日本語構文解析システム - Google Patents

日本語構文解析システム

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JP3222173B2
JP3222173B2 JP35480991A JP35480991A JP3222173B2 JP 3222173 B2 JP3222173 B2 JP 3222173B2 JP 35480991 A JP35480991 A JP 35480991A JP 35480991 A JP35480991 A JP 35480991A JP 3222173 B2 JP3222173 B2 JP 3222173B2
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朗 高木
浩司 有原
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株式会社シーエスケイ
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F40/00Handling natural language data
    • G06F40/20Natural language analysis
    • G06F40/253Grammatical analysis; Style critique

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、日本語文の句構造や係
り受け構造を機械的に解析する日本語構文解析システム
に関し、特に述語と該述語に格を介して係る名詞との格
関係に係る意味制約情報の決定や連体修飾節の種類の判
断を行うコンピュータによる日本語構文解析システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本語の構文解析を機械的に行う
システムにおいて、解析しようとする日本語文が連体修
飾節を含む場合、正確な構文解析を行うためには該連体
修飾節の種類を判定することが不可欠である。そして該
連体修飾節の種類を判定するには、該連体修飾節が修飾
する語(以下、この語を先行詞と書く)が節内の述語に
対して何らかの格関係を持ち得るか否か、あるいは先行
詞が内容属性を有し、「〜という」等の同格節を受け得
るかなどの判断を行っていた。ここで、「内容属性」と
は、名詞、連体修飾節、連体修飾句などが名詞に係る場
合(属性で係る場合)に、係る(修飾する)側の名詞、
連体修飾節、連体修飾句などが、係られる(修飾され
る)側の名詞の意味の内容を具体的に表すような関係で
係る場合の、1つの係り方の種類をいう。すなわち、名
詞、連体修飾節、連体修飾句などが名詞にどのような関
係で係るかを規定するものである「属性」の一つの種類
である。また、ここで、連体修飾節とは、名詞を連体
飾する埋め込み文をいい、連体修飾節と先行詞との間に
存在する格関係等の関係により、主格連体修飾節、目的
格連体修飾節などの種類に分けられる。またここでは、
主格が省略されていて見かけ上述語句に見えるものも含
めて連体修飾節として取扱う。
【0003】ところで、先行詞が「こと」、「もの」あ
るいは「の」というような単独では意味を特定できない
語である場合、また先行詞において多義の巾が大きく節
内の述語との関係だけではその意味を特定できない語で
ある場合には、先行詞と連体修飾節との間の格関係を特
定することができず上記の判断ができない。そこでこの
ような場合に上記意味不特定の先行詞と該先行詞が格を
介して係る後方の述語との間の格関係を判断し、該格関
係に対して述語辞書情報中に定義される意味制約情報に
基づいて上記意味不特定の先行詞と上記連体修飾節中の
述語との間の格関係を判断して上記連体修飾節の種類を
決定する手段が考えられている。なお、コンピュータに
よる日本語の構文解析システムにおいては、単語間の係
り受けを判断する際に、係る語と係られる語の品詞の組
合せに応じた解析規則が格納された品詞マトリクステー
ブルを用いて各単語間の係り受けを判断する方法が一般
的に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記意味不特
定の先行詞が係る後方の述語が、その意味によって広範
囲の名詞の係りを許し、そのためにそれぞれの格に対し
て有効な意味制約を持つことができず、それぞれの格に
対して定義される意味制約が上記後方の述語に格を介し
て係る名詞の意味に依存する語である場合、上述した従
来の技術による連体修飾節の種類決定手段では上記先行
詞と上記後方の述語との間の格関係だけでは、上記先行
詞の意味(あるいは、上記後方の述語が持つ意味制約情
報)を特定することができず、従って、上記先行詞と上
記節内の述語との間の格関係も特定できず、連体修飾節
の種類を判別することができなかった。このような場合
として具体的には、先行詞が係る後方の述語が、主格名
詞と指定格名詞との間の概念の上位下位関係を表す動詞
「ある」もしくはそれと同等な意味を表す述語、又は主
格名詞が達成状態格名詞の表す状態に到ることを表す動
詞「なる」もしくはそれと同等な意味を表す述語である
場合が該当する。ここで、指定格とは、概念の包含関係
を表す述語が有する格で、主格名詞概念が属する概念の
クラスを指定する格を指す(「この花はチューリップで
ある。」における「で」格など)。「この花はチューリ
ップだ。」におけるように名詞「チューリップ」が述語
「だ」に直接係る場合においても、この格が滞在的に介
在していると考える。また、達成状態格とは、状態の変
化、達成を表す述語が有する格で、主格名詞概念が到達
する状態等を表す格をいう(「彼は医者になる。」にお
ける「に」格など)。
【0005】また、その他の構文解析においても上記の
ような述語に対し、その意味制約情報を特定できないた
め正確な解析が困難であった。
【0006】本発明は上記の課題を解決し、格に対して
定義される意味制約情報が不特定な述語を有する日本語
文の解析を正確に行い得る日本語構文解析システムを提
供することを目的とする。尚、通常、「係る」という表
現は文節間の意味的依存関係を表す為に用いられるが、
ここでは説明の容易さ、簡便さから、単語間の構文的意
味的依存関係を指すものとして「係る」や「係り受け」
という表現を用いる。
【0007】上記の目的を達成するため本発明は、形態
素解析を施された日本語文を入力し、該日本語文の各単
語を、対応する文法情報及び意味情報とともに記憶手段
に格納するとともに、上記形態素解析された日本語文に
対して各単語の係り受け関係を判断し該日本語文の構文
解析を行うコンピュータによる日本語構文解析システム
において、処理中の単語及びその単語に係る単語に対応
する記憶手段に格納された文法情報及び意味情報から、
述語として主格名詞と指定格名詞との間の概念の上位下
位関係を表す動詞「ある」もしくはそれと同等な意味を
表す述語、又は主格名詞が達成状態格名詞の表す状態に
到ることを表す動詞「なる」もしくはそれと同等な意味
を表す述語を含むか否かを検出し、該述語を検出した場
合に、該述語の指定格又は達成状態格にくる名詞の持つ
意味及び属性に対して主格となり得る意味及び属性が格
納された意味制約情報関連テーブルを参照して、上記述
語に指定格又は達成状態格で係る名詞に対応する記憶手
に格納された意味情報から上記意味制約情報関連テー
ブル中の主格となり得る意味及び属性を取得することに
より該述語と該述語に主格で係る他の名詞との間に定義
される意味制約情報を決定する意味制約情報決定部を有
することを特徴とする。
【0008】請求項2に記載された発明は、形態素解析
を施された日本語文を入力し、該日本語文の各単語を、
対応する文法情報及び意味情報とともに記憶手段に格納
するとともに、上記形態素解析された日本語文に対して
各単語の係り受け関係を判断し該日本語文の構文解析を
行うコンピュータによる日本語構文解析システムにおい
て、意味制約情報決定部と連体修飾節決定部とを備えて
なり、上記意味制約情報決定部は、処理中の単語及びそ
の単語に係る単語に対応する記憶手段に格納されたそれ
ぞれの文法情報及び意味情報から、述語として主格名詞
と指定格名詞との間の概念の上位下位関係を表す動詞
「ある」もしくはそれと同等な意味を表す述語、又は主
格名詞が達成状態格名詞の表す状態に到ることを表す動
詞「なる」もしくはそれと同等な意味を表す述語を含む
か否かを検出し、該述語を検出した場合に、該述語の指
定格又は達成状態格にくる名詞の持つ意味及び属性に対
して主格となり得る意味及び属性が格納された意味制約
情報関連テーブルを参照して、上記述語に指定格又は達
成状態格で係る名詞に対応する記憶手段に格納された意
味情報から上記意味制約情報関連テーブル中の主格とな
り得る意味及び属性を取得することにより該述語と該述
語に主格で係る他の名詞との間に定義される意味制約情
報を決定し、上記連体修飾節決定部は、上記日本語文が
連体修飾節を含みかつ該連体修飾節の係る語が該単語に
対応する記憶手段に格納された意味情報から意味不定の
名詞であると判断される場合に、該意味不定の名詞が格
を介して係る後方の述語に対して上記意味制約情報決定
部において定義された上記意味制約情報を上記意味不定
の名詞に付加し、該意味不定の名詞に付加された意味制
約情報と上記連体修飾節中の述語に対応する記憶手段
格納された意味情報から該意味不定の名詞と該連体修飾
節中の述語との間の格関係を判断して上記連体修飾節の
種類を決定することを特徴とする。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。第7図は本発明の一実施例に係る日本語構
文解析システムの構成を示すブロック図である。
【0011】本実施例の構文解析システムは、日本語文
を入力して該日本語文の係り受け構造を解析する解析処
理装置1と、単語間の係り受けに関する情報を格納した
品詞マトリクステーブル5と意味制約情報関連テーブル
6とで構成される。
【0012】図示のように上記解析処理装置1には、形
態素解析部2によって入力した日本語文を単語ごとに分
割し日本語辞書4を参照して各単語に文法情報及び意味
情報を付加する形体素解析処理が施された単語列が入力
される。ここで日本語辞書4には、各単語の品詞、意味
素性、格等の文法情報及び意味情報が登録されている。
【0013】上記解析処理装置1は、形態素解析部2で
形態素解析された日本語文の各単語を対応する文法情報
及び意味情報と共に記憶手段に格納し、該文法情報及び
意味情報を利用し品詞マトリックステーブル5の情報に
基づいて、分割した単語の係り受け関係を判断し日本語
文の構造を解析する構文解析部3を備えてなる。なお本
実施例では、処理アルゴリズムの簡潔さ等に鑑み、単語
間の係り受け解析に基づく構文解析方式にのっとって説
明を行なうが、文節間の係り受け解析や句構造解析を行
う場合にも以下の説明は同様に成立する。
【0014】構文解析部3は、単語どうしの係り受け関
係を判断する係り受け判断部31と、解析する日本語文
が連体修飾節を含む場合に該連体修飾節の種類を決定す
る連体修飾節決定部32と、意味制約情報決定部33と
を有する。
【0015】上記品詞マトリクステーブル5は、係る語
と係られる語の品詞の組合せに応じた解析規則、すなわ
ち、2つの単語相互の組合せに対応する係り判定規則を
格納する。
【0016】次に、第1図乃至第7図を参照して本実施
例の作用について説明する。第1図は本実施例の構文解
析システムに「買ったのは彼である」という文を入力し
た場合の解析処理を示す。なお第1図には、既に形態素
解析処理部2により「買った/の/は/彼/で/ある」
のように分割した後の構文解析部3による処理を示して
ある。
【0017】図1に示すように構文解析部3の係り受け
判断部31は、形態要素解析された入力文に対して文頭
側から解析を進め、着目単語に対応する記憶手段に格納
された文法情報及び意味情報と品詞マトリックステーブ
ル中に格納されている、係る語と係られる語の品詞の組
み合わせに対応する解析ルールとを参照することにより
単語の係り受け関係を解析する。したがって本実施例に
おいては、係り受け判断部31は、aにおいて述語「買
った」が「の」を修飾しており、「買った」が連体修飾
節であることを検出する。
【0018】次に、bにおいて、連帯修飾節決定部32
が上記連帯修飾節の種類を決定しようとするが、「の」
に対応する記憶手段に格納された意味情報から「の」の
意味が不定であると判断され、「の」が何格か決定する
ことができない。そこで、仮に主格関係節としておき、
次の処理に進む。
【0019】ここで、図中C1は連体修飾節を示す。ま
た、[PN]は仮想的に置かれた代名詞を示し、(sbj)
は[PN]が述語「買った」の主格に対応することを示
す。これによってC1は主格関係節を示すこととなる。
【0020】次に、係り受け判断部31は、cにおいて
「の」と「は」の係り受け関係を判断し、次いでdにお
いて「は」と「彼」の係り受け関係を判断する。前者は
係り受け関係が成立するが、後者は係り受け関係が成立
しない。そこで「買ったのは」までで処理を一旦区切
り、新たに「彼」の後の処理を行う。「買ったのは」ま
での処理結果はスタックに格納しておく。
【0021】eにおいて「彼で」と「ある」との間の係
り受け関係が成立する。ここで、述語「ある」は「彼
で」が係ることから概念の上位と下位とを示す「ある」
である、すなわち、「ある」に主語として係る語は
「で」に係る語(本実施例では「彼」)の同位もしくは
下位概念であることを検出する。したがって、指定格、
達成状態格名詞の意味がわかっていれば、あらかじめ概
念の上位下位関係を定義したテーブルを用意しておくこ
とにより、そこから主格名詞の取り得る意味の範囲を知
ることができる。
【0022】そこで本実施例では、第4図に示すような
概念の上位下位を定義したテーブル、すなわち、該述語
の指定格の意味及び属性に対して主格となり得る意味及
び属性が格納された意味制約情報関連テーブル6を設定
し、意味制約情報決定部33が意味制約情報関連テーブ
ル6を参照して、上記述語に格を介して係る名詞に対応
する記憶手段に格納された意味情報から上記意味制約情
報関連テーブル中の主格となり得る意味及び属性を取得
することにより該述語と該述語に格を介して係る他の名
詞との間に定義される意味制約情報を取得する。すなわ
ち、本解析例における述語「ある」の指定格に「彼で」
が係っていることから、第2図(A),(B)に示すように
「ある」の格スロット41において指定格に定義される
意味素性は[有意志体]となり、これにより主格に定義
される意味素性も[有意志体]となる。ところで、述語
は、格を介してどんな名詞が係るかの制約を記載した
り、実際に係ってくるもの格納したりしておく領域をも
ち、一般的には、これ全体を「格フレーム」と呼ぶ。
「格フレーム」の中には、その述語がとれる任意個の格
の種類に対応する「格スロット」があり、そして各々の
「格スロット」の中には、格の種類を表す情報や、その
格に係れる名詞などの「意味制約情報」が記述されてい
る。
【0023】以上の処理は、述語が状態の変化・達成を
表す「なる」もしくはそれと同等な意味を表す述語であ
る場合にも同様に行うことができる。「なる」に主語と
して係る語は、「〜になる」あるいは「〜となる」にお
ける「に」、「と」に係る語の意味する状態に変化する
ことを示す。したがって「に」、「と」に係る語の意
味、属性に基づいて主語として係る語の意味素性を制限
することができる。
【0024】なお、主格に定義される意味素性の決定は
本実施例のようにテーブルを設定して行う他、各述語ご
とのデータを日本語辞書部4に格納して参照するように
しても良く、種々の方法を用いることができる。
【0025】以上のように、第1図fにおいて述語「あ
る」と「ある」に格を介して係る名詞との間の格関係に
定義される意味制約情報を決定した後、gにおいて先に
dで切離し、スタックに格納した「買ったのは」と「あ
る」との係り受け関係を判断する。ここでは係り受け関
係が成立する。
【0026】この際、hにおいて、連体修飾節決定部3
2は、第2図(B) に示す「ある」の格スロット41を参
照して「の」が何格として「ある」に係っているか判断
する。ここでは主格と認識する。そして、主格の意味制
約は既に[有意志体]と定まっているので、「の」は有
意志体を示すことが判断される。
【0027】この後、iにおいて連体修飾節決定部32
は、「の」が有意志体を示すことを条件として加え、連
体修飾節C1の格の種類を再度判断する。第3図に示す
「買った」の格スロット41を参照し、「買った」に対
して有意志体を示す「の」は主格として係ることから連
体修飾節C1は主格関係節であると判断され、連体修飾
節C1は主格関係節のまま維持される。以上で本例文に
おける解析処理を終了する。
【0028】次に第5図を参照して、本実施例に「買っ
たのは昨日である」という文を入力した場合の解析処理
を説明する。なお本解析例において、連体修飾節C2を
主格関係節と仮定し、「買ったのは」をスタックに格納
するまでの処理は第1図の解析例と同様であるため省略
する。
【0029】jにおいて係り受け判断部31が「昨日
で」と「ある」との間の係り受け関係を判断した後、k
において意味制約情報決定部33が述語「ある」の主格
に対応する格スロット41に定義すべき意味素性を決定
する。本解析例における述語「ある」の指定格には「昨
日で」が係っていることから、第2図(C) に示すように
指定格に定義される意味素性は[時間]となり、これに
より主格に定義される意味素性も[時間]となる。
【0030】次に、lにおいて「買ったのは」と「あ
る」との係り受け関係を判断する。ここでは係り受け関
係が成立する。この際、連体修飾節決定部32は、
「の」が主格として「ある」に係っていることから、第
2図(C) の格スロット41を参照して「ある」の主格に
定義される意味素性[時間]を「の」に付加する。これ
によって、「の」は時間を示すことが判断される。
【0031】この後、mにおいて連体修飾節決定部32
は、「の」が時間を示すことを条件として加え、連体修
飾節C2の格の種類を再度判断する。第3図に示すよう
に、「買った」に対して時間を示す「の」は時間格とし
て係ることから連体修飾節C2は時間格関係節であると
判断され、主格関係節から時間格関係節に訂正される。
ここで、図中 (time) は[PN]が述語「買った」の時
間格であることを示す。以上で本例文における解析処理
を終了する。
【0032】次に第6図を参照して、本実施例に「買っ
たのは本である」という文を入力した場合の解析処理を
説明する。なお本解析例において、連体修飾節C3を主
格関係節と仮定し、「買ったのは」をスタックに格納す
るまでの処理は第1図の解析例と同様であるため省略す
る。
【0033】nにおいて係り受け判断部31が「本で」
と「ある」との間の係り受け関係を判断した後、oにお
いて意味制約情報決定部33が述語「ある」の主格に対
応する格スロット41に定義すべき意味素性を決定す
る。本解析例における述語「ある」の指定格には「本
で」が係っていることから、第2図(D) に示すように指
定格に定義される意味素性は[商品]となり、これによ
り主格に定義される意味素性も[商品]となる。
【0034】次に、pにおいて「買ったのは」と「あ
る」との係り受け関係を判断する。ここでは係り受け関
係が成立する。この際、連体修飾節決定部32は、
「の」が主格として「ある」に係っていることから、第
2図(D) の格スロット41を参照して「ある」の主格に
定義される意味素性[商品]を「の」に付加する。これ
によって、「の」は商品を示すことが判断される。
【0035】この後、qにおいて連体修飾節決定部32
は、「の」が商品を示すことを条件として加え、連体修
飾節C3の格の種類を再度判断する。第3図に示すよう
に、「買った」に対して商品を示す「の」は対象格とし
て係ることから連体修飾節C3は対象格関係節であると
判断され、主格関係節から対象格関係節に訂正される。
ここで、図中 (dobj) は[PN]が述語「買った」の対
象格であることを示す。以上で本例文における解析処理
を終了する。
【0036】ここで、以上の各解析例を比較すると、全
て同じ形態の文章でありながら、述語「ある」に指定格
として係る語の意味に対応して連体修飾節の種類が異な
っている。このような場合にも本実施例によれば、上述
の処理により「ある」に指定格として係る語の意味に基
づいて「ある」に主格として係る語の意味制約情報を特
定することができ、さらに特定された「ある」の意味制
約情報より連体修飾節の種類を正確に判断することがで
きる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の日本語構
文解析システムは、述語として主格名詞と指定格名詞と
の間の概念の上位下位関係を表す動詞「ある」もしくは
それと同等な意味を表す述語、又は主格名詞が達成状態
格名詞の表す状態に到ることを表す動詞「なる」もしく
はそれと同等な意味を表す述語を含む日本語文に対し、
該述語の指定格又は達成状態格の意味及び属性に対して
主格となりうる意味及び属性が格納された意味制約情報
関連テーブルを参照して、上記述語に格を格を介して係
る名詞に対応する記憶手段に格納された意味情報から上
記意味制約情報関連テーブル中の主格となり得る意味及
び属性を取得することにより該述語と該述語に格を介し
て係る他の名詞との間に定義される意味制約情報を決定
する意味制約情報決定部を有することにより、上述した
動詞「ある」もしくはそれと同等な意味を表す述語、又
は動詞「なる」もしくはそれと同等な意味を表す述語を
含む日本語文に対しても正確に解析処理を行うことがで
きるという効果がある。
【0038】第2項の発明に係る日本語構文解析システ
ムは、意味制約情報決定部と連体修飾節決定部とを備え
ることにより、上述した動詞「ある」もしくはそれと同
等な意味を表す述語、又は動詞「なる」もしくはそれと
同等な意味を表す述語を含み、かつ上記述語に格を介し
て係り連体修飾節に修飾される意味不定の名詞を含む日
本語文に対しても正確に解析処理を行うことができると
いう効果がある。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】図7の実施例による解析処理例を示す図であ
る。
【図2】図1の述語の格スロットを示す図である。
【図3】図1の述語の格スロット示す図である。
【図4】図7の意味制約情報関連テーブルを示す図であ
る。
【図5】図7の実施例による他の解析処理例を示す図で
ある。
【図6】図7の実施例による他の解析処理例を示す図で
ある。
【図7】本発明の一実施例に係る日本語構文解析システ
ムを示すブロック図である。
【符号の説明】
1 解析処理装置 32 連体格修飾節決定部 33 意味制約情報決定部 C1 連体修飾節 C2 連体修飾節 C3 連体修飾節 C4 連体修飾節

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形態素解析を施された日本語文を入力
    し、該日本語文の各単語を、対応する文法情報及び意味
    情報とともに記憶手段に格納するとともに、上記形態素
    解析された日本語文に対して各単語の係り受け関係を判
    断し該日本語文の構文解析を行うコンピュータによる日
    本語構文解析システムにおいて、 処理中の単語及びその単語に係る単語に対応する記憶手
    に格納された文法情報及び意味情報から、述語として
    主格名詞と指定格名詞との間の概念の上位下位関係を表
    す動詞「ある」もしくはそれと同等な意味を表す述語、
    又は主格名詞が達成状態格名詞の表す状態に到ることを
    表す動詞「なる」もしくはそれと同等な意味を表す述語
    を含むか否かを検出し、該述語を検出した場合に、 該述語の指定格又は達成状態格にくる名詞の持つ意味及
    び属性に対して主格となり得る意味及び属性が格納され
    た意味制約情報関連テーブルを参照して、上記述語に指
    定格又は達成状態格で係る名詞に対応する記憶手段に格
    納された意味情報から上記意味制約情報関連テーブル中
    の主格となり得る意味及び属性を取得することにより該
    述語と該述語に主格で係る他の名詞との間に定義される
    意味制約情報を決定する意味制約情報決定部を有するこ
    とを特徴とする日本語構文解析システム。
  2. 【請求項2】 形態素解析を施された日本語文を入力
    し、該日本語文の各単語を、対応する文法情報及び意味
    情報とともに記憶手段に格納するとともに、上記形態素
    解析された日本語文に対して各単語の係り受け関係を判
    断し該日本語文の構文解析を行うコンピュータによる日
    本語構文解析システムにおいて、 意味制約情報決定部と連体修飾節決定部とを備えてな
    り、 上記意味制約情報決定部は、処理中の単語及びその単語
    に係る単語に対応する記憶手段に格納されたそれぞれの
    文法情報及び意味情報から、述語として主格名詞と指定
    格名詞との間の概念の上位下位関係を表す動詞「ある」
    もしくはそれと同等な意味を表す述語、又は主格名詞が
    達成状態格名詞の表す状態に到ることを表す動詞「な
    る」もしくはそれと同等な意味を表す述語を含むか否か
    を検出し、該述語を検出した場合に、 該述語の指定格又は達成状態格にくる名詞の持つ意味及
    び属性に対して主格となり得る意味及び属性が格納され
    た意味制約情報関連テーブルを参照して、上記述語に指
    定格又は達成状態格で係る名詞に対応する記憶手段に格
    納された意味情報から上記意味制約情報関連テーブル中
    の主格となり得る意味及び属性を取得することにより該
    述語と該述語に主格で係る他の名詞との間に定義される
    意味制約情報を決定し、 上記連体修飾節決定部は、上記日本語文が連体修飾節を
    含みかつ該連体修飾節の係る語が該単語に対応する記憶
    手段に格納された意味情報から意味不定の名詞であると
    判断される場合に、 該意味不定の名詞が格を介して係る後方の述語に対して
    上記意味制約情報決定部において定義された上記意味制
    約情報を上記意味不定の名詞に付加し、該意味不定の名
    詞に付加された意味制約情報と上記連体修飾節中の述語
    に対応する記憶手段に格納された意味情報から該意味不
    定の名詞と該連体修飾節中の述語との間の格関係を判断
    して上記連体修飾節の種類を決定することを特徴とする
    日本語構文解析システム。
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