JP2661934B2 - 日本語処理システム - Google Patents

日本語処理システム

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JP2661934B2
JP2661934B2 JP63008744A JP874488A JP2661934B2 JP 2661934 B2 JP2661934 B2 JP 2661934B2 JP 63008744 A JP63008744 A JP 63008744A JP 874488 A JP874488 A JP 874488A JP 2661934 B2 JP2661934 B2 JP 2661934B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は日本語処理システムに係り、特に入力装置か
ら読み込まれた日本語文を他の自然言語文へ自動的に翻
訳する自然言語翻訳システムなどの日本語処理システム
において、入力日本語文に含まれる2つの主格を持つ二
重主格構文を解析する技術に関するものである。
〔従来の技術〕
二重主格構文は「AはBが用言」(A,Bは名詞句)の
形式をとるが、これは次の5つのタイプに分類される。
(1)格助詞「が」が対象格を表わす場合 例)彼彼女好きだ (「好きだ」の対象格は格助詞「が」を持つ名詞「彼
女」) (2)副助詞「は」が連用型の格助詞を代行する場合 例)その実験行った (副助詞「は」は格助詞「を」を代行している) (3)副助詞「は」が連体型の格助詞「の」を代行する
場合 例)氷摩擦係数小さい (副助詞「は」は連体型の格助詞「の」を代行してい
る) (4)副助詞「は」を持つ名詞句が時間を表わし、副詞
的な働きをする場合 例)8月売れ行き好調だ (5)上記の(1)〜(4)のどれにも分類しにくい場
合 例)彼交際上手だ このような日本語二重主格構文において、副助詞
「は」を持つ文節を第1主格文節、格助詞「が」を持つ
文節を第2主格文節と呼ぶことゝする。
従来の日本語処理システムでは、入力日本語文が二重
主格構文であるか否かにかゝわらず、結合価文法あるい
は格文法のみを用いて入力日本文の構文解析を行ってい
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来技術では、入力日本語文が二重主格構文の場合、
上記タイプ(1),(2)については文法中に記述があ
れば解析でき、また、タイプ(5)については、副助詞
「は」が「格」として認められていれば解析可能である
が、タイプ(3),(4)については、副助詞「は」を
持つ文節について正しく解析することができなかった。
また、入力日本文においては、格助詞「が」が副助詞
に置きかわったり、副助詞「は」が別の副助詞に置きか
わった形で二重主格構文が出現することがある(例:彼
彼女好きだ。氷摩擦係数小さい。)。このよう
な場合には、タイプ(1),(2)のものであっても、
どちらの副助詞を持つ文節が第1主格構文であり、どち
らが第2主格文節であるのかを判定することが非常に困
難であった。
すなわち、従来技術においては、二重主格構文の基本
形である「AはBが用言」の一部が解析可能であるが
(タイプ(1),(2)、場合によっては(5))、タ
イプ(3),(4)及び格助詞「が」が副助詞に置きか
わったような場合(例:「AはBも用言」)に対して
は、正しく解析できないという欠点があった。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解決し、入力
された二重主格構文をそのタイプに関係なく正しく解析
できる日本語処理システムを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の日本語処理シス
テムは、 用言対応に、該用言に係る文節が持つべき格構造に関
する情報(格構造情報)を記載した用言解析辞書と、名
詞の持つ意味属性間の関係を記述した意味関係テーブル
を具備するとともに、 入力された日本語文が二重主格構文であるか否か判定
する二重主格構文判定手段と、二重主格構文と判定され
た日本語文の該二重主格構文を解析する二重主格構文解
析手段を有し、 二重主格構文解析手段は、前記二重主格構文と判定さ
れた日本語文の各文節の持つ助詞と語順から第1主格文
節、第2主格文節を決定する手段と、前記日本語文の前
記第1主格文節と第2主格文節の係り先である用言をキ
ーとして前記用言解析辞書を検索して、該用言の格構造
情報を得、該情報によって前記第1主格文節と第2主格
文節の構文的役割を解析する手段と、前記用言解析辞書
の情報によっては解析不可の場合、その第1主格文節の
主名詞の意味属性が時間を含むかどうか判定し、時間を
含む場合は当該第1主格文節を用言の副詞的修飾と決定
し、時間を含まない場合は、意味属性をキーとして前記
意味関係テーブルを検索して、当該第1主格文節の名詞
と第2主格文節の名詞との意味関係情報を得、該情報に
よって当該第1主格文節と第2主格文節の意味的役割を
解析する手段とからなることを特徴とする。
〔作用〕
二重主格構文解析手段は、入力された日本語文が二重
主格構文の場合、二重主格構文解析手段の処理を起動す
る。この二重主格構文解析処理で、用言解析辞書の格構
造情報を用いることにより、従来と同様に、タイプ
(1)、(2)の二重主格構文、及び、場合によっては
タイプ(5)の二重主格構文を正しく解析できる。ま
た、この格構造情報に加えて、語順情報、意味関係情報
を用いることにより、二重主格構文がタイプ(3)、
(4)についても正しく解析できる。さらに、「AはB
も用言)などの形式を持つ二重主格構文に対しても、格
構造情報に加えて語順情報、意味情報を用いることによ
り、どちらの副助詞を持つ文節が第1主格文節であり、
どちらが第2主格文節であるかが認識できるので、正し
く解析できる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例について図面により説明す
る。
第1図は日本語処理システムにおいて、本発明に関係
する部分の一実施例の構成図を示したものである。第1
図において、101は形態素解析、係り受け解析を施こさ
れた日本語文の解析中間表現、102は二重主格構文解析
装置10による解析後の解析結果である。
日本語二重主格構文解析装置10は本発明の中心をなす
もので、ハードウェア的には演算装置及びプログラム、
中間解析結果等を格納するメモリからなるが、機能上
は、日本語文の解析中間表現101が二重主格構文か否か
を判定する日本語二重主格構文判定部11、用言の構造情
報や、2つの主格間の意味関係や語順情報を用いて、二
重主格構文を解析する日本語二重主格構文解析部12、用
言をキーとして用言解析辞書20を検索し、所望の情報を
取出す辞書検索部13、意味関係テーブル30を検索し、所
望の情報を取出すテーブル検索部14に分かれる。用言解
析辞書20は各用語対応に、用言の格構造情報(用言に係
る文節が持つべき格構造に関する情報)などを記述した
もの、意味関係テーブル30は名詞の持つ意味属性間の関
係を記述したもので、これら用言解析辞書20及び意味関
係テーブル30は一般に外部記憶装置上に置かれる。
第2図に日本語二重主格構文解析装置10の動作の概略
フローを示す。
日本語二重主格構文解析装置10の入力である日本語文
の解析中間表現101は、形態素解析、係り受け解析が既
に終了している。なお、こゝではこれらの解析手法につ
いては特に限定しない。
ステップ201 日本語文の解析中間表現101に対して、日本語二重主
格構文判定部11では、この日本語文の解析中間表現101
中に二重主格構文「AはBが用言」に相当する構文が存
在するか否かを判定する。すなわち、「〜は」の文節の
後方に「〜が」の文節が続き(両方節の間に他の要素が
入っても良い)、両文節が共に二重主格構文を支配する
用言との間に係り受け関係を持つか否か、又は、格助詞
「が」に変換可能な副助詞を持つ文節が複数個存在し、
それらのうち少なくとも2個が格助詞「が」へ書換可能
であって、これらの文節が共に二重主格構文を支配する
用言との間に係り受け関係を持つか否かを判定する。
日本語二重主格構文判定部11は、入力された日本語文
の解析中間表現101中に、二重主格構文が存在する場
合、この日本語文の解析中間表現101を日本語二重主格
構文解析部12に送り、存在しない場合には、この日本語
文の解析中間表現101を他の解析装置へ送る。
ステップ202〜207 日本語二重主格構文解析部12では、二重主格構文であ
ると判定された日本語文の解析中間表現101に対して、
辞書検索部13及びテーブル検索部14と共働して以下のよ
うに解析を行う。
まず、日本語文の解析中間表現101中のどの文節が第
1主格文節であり、第2主格文節であるかを、各文節の
持つ助詞と語順情報を用いて決定する(ステップ20
2)。次に、辞書検索部13によって用言解析辞書20を、
該二重主格構文を支配する用言をキーとして検索し、該
用言に関する情報を得、これによって日本語文の解析中
間表現101を解析することを試みる(ステップ203)。
二重主格構文のタイプ(1),(2)(及び(5)の
一部)については、第1主格文節、第2主格文節とも用
言解析辞書20の辞書情報により解析可能であるのに対し
て、タイプ(3),(4)(及び(5)の他の一部)に
ついては、第2主格文節のみが解析できるだけで、第1
主格文節については、この時点では解析できていない。
そこで、ステップ203で両主格が共に解析できているか
どうか判定する(ステップ204)。そして、第1主格文
節、第2主格文節が共に解析できている場合は、日本語
二重主格解析部12はその解析結果を出力するが、解析さ
れていない場合は、第1主格文節について次の如く解析
を続ける。
第1主格文節の主名詞の持つ意味属性を調べ、意味属
性が「時間」に含まれるかどうか判定する(ステップ20
5)。意味属性が「時間」に含まれていれば、第1主格
文節は副詞的に用言を修飾していると解析される。そこ
で、第1主格文節を副詞的修飾として、解析結果を出力
する(ステップ206)。二重主格構文のタイプ(4)
は、このようにして両主格とも解析される。一方、第1
主格文節の主名詞の意味属性が「時間」に含まれない場
合は、テーブル検索部14によって意味関係テーブル30を
検索し、第1主格文節の名詞と第2主格文節の名詞との
意味関係情報を得、これによって構文的、意味的解析を
行い、解析結果を出力する(ステップ207)。
以下、第1図による日本語文の二重主格構文解析を具
体例によって説明する。
第3図は「彼は彼女が好きだ」の日本語文(以下、例
文1とする)の解析中間表現を示す。この例文1はタイ
プ(1)の二重主格構文に属するものである。
日本語二重主格構文判定部11において、例文1は、副
助詞「は」を持つ文節のあとに格助詞「が」を持つ文節
が続いており、両文節は共に用言「好きだ」に係ってい
ることから二重主格構文であると判定され、第3図に示
す解析中間表現は日本語二重主格構文解析部12に送られ
る。
日本語二重主格構文解析部12では、まず第1主格文
節、第2主格文節の決定を行うが、例文1においては、
第3図より明らかに、第1主格文節=「彼は」、第2主
格文節=「彼女が」である。次に用言「好きだ」をキー
として用言解析辞書20が辞書検索部13によって検索さ
れ、用言「好きだ」の辞書情報が得られる。
第4図に用言「好きだ」に対する用言解析辞書20の内
容を示す。第4図において、400は用言の字面、401は用
言「好きだ」に係る文節が持つべき文法的意味的情報す
なわち格構造情報で、401-1の部分は、格助詞「が」相
当の助詞(「が」へ変換可能な副助詞を含む)を持つ文
節の主名詞の意味属性が意味属性「主体」に含まれ、用
言「好きだ」との間に係り受け関係が成立していれば、
該文節は用言「好きだ」の主格であるということを表し
ており、401-2の部分は格助詞「が」、又は「を」相当
の助詞を持つ文節の主名詞の意味属性が意味属性「*」
(「*」は意味属性に制限がないことを表す)に含ま
れ、用言「好きだ」との間に係り受け関係が成立してい
れば、該文節は用言「好きだ」の対象格であるというこ
とを表している。402は用言「好きだ」の意味を表わす
用言の意味で、便宜上、英語で示している。
日本語二重主格構文解析部12は、辞書内容の対象格の
欄(例文1に対しては第4図の401-2)を参照し、格助
詞「が」を持つ文節が対象格となりうるかどうかを判定
する。用言「好きだ」では第4図より該文節が対象格と
なりうるので、第2主格文節=「彼女が」と第4図中の
401-2の部分が比較される。第2主格文節の主名詞であ
る「彼女」は意味属性「主体」を持っており、第4図の
401-2を満たすので、第2主格文節=「彼女が」は「用
言「好きだ」の対象格であると解析される。第1主格文
節=「彼は」は副助詞「は」を持っており、この「は」
は格助詞「が」に変換可能であるので、第4図の401-1
の部分との比較が行われる。第1主格文節=「彼は」の
主名詞である「彼」は意味属性「主体」を持っており、
第4図の401-1を満たすので、第1主格文節=「彼は」
は用言「好きだ」の主格であると解析される。この時点
で、第1主格文節、第2主格文節共に解析が終了してい
るので、解析結果が出力される。
第5図は、例文1中の格助詞「が」が副助詞「も」に
置きかわっただけの「彼は彼女も好きだ」の日本語文
(以下、例文1′とする)の解析中間表現を示す。この
例文1′もタイプ(1)の二重主格構文に属する。
日本語二重主格構文判定部11において、例文1′は、
その副助詞「は」、「も」は共に格助詞「が」への変換
が可能な副助詞であって、両文節が共に用言「好きだ」
に係っているので二重主格構文であると判定され、第5
図に示す解析中間表現は日本語二重主格構文解析部12に
送られる。
日本語二重主格構文解析部12では、まず、第1主格文
節、第2主格文節の決定を行う。例文1′のように、格
助詞「が」が存在せず、格助詞「が」へ変換可能な副助
詞が複数個存在する場合には、文頭に最も近い格助詞
「が」へ変換可能な副助詞を持つ文節を第1主格文節、
文頭から2番目の格助詞「が」へ変換可能な副助詞を持
つ文節を第2主格文節とする。例文1′においては、第
5図より、第1主格文節=「彼は」、第2主格文節=
「彼女も」となる。第2主格文節=「彼女も」と決定さ
れた文節は、格助詞「が」を持つ文節と同一とみなされ
るので、それ以降の解析は例文1の場合と同様である。
第6図に例文1の解析結果を、第7図に例文1′の解
析結果をそれぞれ示す。第6図と第7図の違いは、格助
詞「が」と副助詞「も」の違いによる第2主格文節の助
詞情報の違いのみである。
第8図は「実験は私が行った」の日本語文(以下、例
文2とする)の解析中間表現を示す。この例文2はタイ
プ(2)の二重主格構文に属するものである。
日本語二重主格構文判定部11において、例文2は、副
助詞「は」を持つ文節のあとに格助詞「が」を持つ文節
が続いており、両文節は共に用言「行う」に係っている
ことから二重主格構文であると判定され、第8図に示す
解析中間表現は日本語二重主格構文解析部12に送られ
る。
日本語二重主格構文解析部12では、例文1のときと同
様にして、まず、第1主格文節=「実験は」、第2主格
文節=「私が」が決定される。次に用言「行う」をキー
として用言解析辞書20が辞書検索部13によって検索さ
れ、用言「行う」の辞書情報が得られる。
第9図は用言「行う」に対する用言解析辞書20の内容
を示したものである。第9図では、用言「行う」は、
,,の3つの異なる辞書情報を持っているとして
いる。
日本語二重主格構文解析部12では、第9図の,,
のどの意味で用言「行う」が使われているかを解析す
る。まず、第9図のに対して例文1と同様に対象格を
見るが、語助詞「が」が対象格とならないので、格助詞
を持つ文節(例文2では第2主格文節=「私が」のみ)
を第9図のと比較する。「私が」の持つ情報は第9図
のの主格の情報と一致するので、「私が」が用言「行
う」に対する主格であると解析される。なお、格助詞を
持つ文節が複数個存在すれば、それぞれについて解析を
行う。次に副助詞を持つ文節(例文2では第1主格文節
=「実験は」のみ)を第9図のと比較する。第9図の
において、主格の情報は既に使われているので、対象
格の情報を「実験は」の情報と比較する。副助詞「は」
は格助詞「を」へ変換可能であり、「実験」の意味属性
「調査・研究」は、第9図のの対象格の持つべき意味
属性「人間活動」に含まれるので意味的な情報は一致し
ているとみなされる。よって、「実験は」の情報は、第
9図のの対象格の情報を満たし、用言「行う」の対象
格であると解析される。
第9図の,についても同様のことが行われるが、
第9図の,については、対象格の情報が「実験は」
の情報と一致しない(意味属性が包含関係にない)の
で、「実験は」が未解決のまゝ残る。
日本語二重主格構文解析部12では、第9図の,,
との一致状況を見て、最終的に最も良い第9図のに
対する結果を選ぶ。なお、一致状況の同じものが複数個
存在すれば、結果も複数個選ばれる。第9図のの結果
は、第1主格文節、第2主格文節が共に解析されている
ので、その解析結果が出力される。第10図に例文2に対
する解析結果を示す。
第11図は「氷は摩擦係数が小さい」の日本語文(以
下、例文3とする)の解析中間表現を示す。この例文3
はタイプ3の二重主格構文に属するものである。
日本語二重主格構文判定部11において、例文3は例文
1や例文2と同じように二重主格構文であると判定さ
れ、第11図に示す解析中間表現は日本語二重主格構文解
析部12に送られる。
日本語二重主格構文解析部12では、例文1、例文2と
同様にして第1主格文節=「氷は」、第2主格文節=
「摩擦係数が」と決定され、用言「小さい」をキーとし
て用言解析辞書20より第12図に示す辞書情報が得られ
る。
第12図より、用言「小さい」は対象格を持たないの
で、第2主格文節(例文3では第2主格文節=「摩擦係
数が」)を第12図と比較する。「摩擦係数が」の持つ情
報は第12図の主格の情報と一致するので、「摩擦係数
が」が用言「小さい」に対する主格であると解析され
る。こゝまでで格助詞を持つ文節の解析が終わるので、
次に副助詞を持つ文節(例文3では第1主格文節=「氷
は」のみ)を第12図と比較する。しかし、第12図より、
用言「小さい」は主格しか持たず、しかも主格は既に解
析されているので、用言解析辞書20の内容を用いた解析
はこゝで終了する。
第1主格文節はまだ解析されていないので、次に第1
主格文節の主名詞(例文3では「氷」)の意味属性が
「時間」に包含されるかどうかを調べる。しかし、
「氷」の持つ意味属性「固体」は「時間」に包含されな
いので、テーブル検索部14によって意味関係テーブル30
が検索され、その情報によって解析が行われる。
第13図に「氷」の持つ意味属性「固体」に対する意味
関係テーブル30の内容を示す。第13図において、501は
意味関係テーブル30を検索する際のキー、502は意味属
性「固体」は、意味属性「数量」との間に“属性”とい
う意味関係を持っていることを示している。
日本語二重主格構文解析部12は、第13図の内容によっ
て第1主格文節の主名詞「氷」と第2主格文節の主名詞
「摩擦係数」との間の意味関係を調べる。「氷」は意味
属性「固体」を持ち、「摩擦係数」は意味属性「数量」
を持っているので、第13図より両者の意味関係は“属
性”であると解析される。この時点で第1主格文節、第
2主格文節が共に解析され、解析結果が出力される。第
14図に例文3に対する解析結果を示す。
第15図は「象も鼻が長い」の日本語文(以下、例文
3′とする)の解析中間表現を示す。この例文3′もタ
イプ(3)の二重主格構文に属する。第16図は用言「長
い」に対する用言解析辞書20の内容、第17図は意味属性
「動物」に対する意味関係テーブル30の内容、第18図は
例文3′に対する解析結果をそれぞれ示している。
日本語二重主格構文判定部11において、例文3′は、
副助詞「も」が副助詞「は」と同じく、格助詞「が」に
変換可能であることから、例文1,2,3と同様にして二重
主格構文であると判定され、第15図の解析中間表現は日
本語二重主格構成解析部12に送られる。日本語二重主格
構文解析部12において、例文3′は例文3の場合と同じ
ようにして第18図のように解析される。なお、第17図に
示すように、第1主格文節(例文3′の場合は「象
も」)の主名詞の意味属性に対する意味関係テーブル30
の内容が複数個存在する場合でも、第2主格文節(例文
3′の場合は「鼻が」)の主名詞の持つ意味属性を検索
し、両者の意味関係を得る。例文3′においては、第2
主格文節の主名詞「鼻」が持つ意味属性は「身体」であ
るので、第17図より意味関係“全体−部分”が選ばれ
る。
第19図は「8月は売れ行きが好調だ」の日本語文(以
下、例文4とする)の解析中間表現を示す。この例文4
はタイプ(4)の二重主格構文に属する。第20図は用言
「好調だ」に対する用言解析辞書20の内容であり、第20
図は解析結果である。
日本語二重主格構文判定部11において、例文4は例文
1,2,3と同じようにして二重主格構文であると判定さ
れ、第19図の解析中間表現は日本語二重主格構文解析部
12へ送られる。日本語二重主格構文解析部12では、例文
3と同じようにして、第1主格文節=「8月は」、第2
主格文節=「売れ行きが」と決定され、第20図に示す用
言「好調だ」に対する用言解析辞書20の内容によって、
「売れ行きが」が用言「好調だ」の主格であると解析さ
れる。
こゝまでゝは、第1主格文節=「8月は」は未解析で
あるので、第1主格文節の主名詞「8月」の意味属性が
意味属性「時間」に包含されるか否かを調べる。「8
月」の意味属性「年月日」は意味属性「時間」に包含さ
れるので、第1主格文節=「8月は」は副詞的修飾であ
ると解析される。このようにして、第1主格文節、第2
主格文節が共に解析され、第21図に示すような解析結果
が出力される。
以上、具体例について説明したが、これらから分るよ
うに、日本語二重主格構文判定部11において入力日本文
が二重主格構文であるか否かを判定し、二重主格構文の
場合には日本語二重主格構文解析部12の処理を起動する
ことにより、二重主格構文を正しく解析できる。また、
用言解析辞書20による用言の格構造情報に加えて、語順
情報、意味関係テーブル30の意味関係情報を用いること
により、タイプ(3),(4)の二重主格構文について
正しく解析できる。さらに、「AはBも用言」などの形
式を持つ二重主格構文に対しても、同様に用言の格構造
情報に加えて語順情報、意味情報を用いることにより、
どちらの副助詞を持つ文節が第1主格文節であり、どち
らが第2主格文節であるのかゞ認識できるので、「Aは
Bも用言」などの形式を持つ二重主格構文も正しく解析
できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の日本語処理システムに
よれば、入力された日本語文を解析する際に、その日本
語文が二重主格構文である場合、構文中の用言の格構造
情報だけでなく、語順情報や意味関係情報を利用するの
で、どの二重主格構文タイプについても、文の構文的構
造、意味的構造を正しく解析できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の日本語処理システムの一実施例の構成
図、第2図は第1図の動作を説明するためのフローチャ
ート、第3図乃至第21図は第1図及び第2図による日本
語文二重主格構文解析の具体例を示す図である。 10…日本語二重主格構文解析装置、11……日本語二重主
格構文判定部、12……日本語二重主格構文解析部、13…
…辞書検索部、14……テーブル検索部、20……用言解析
辞書、30……意味関係テーブル、101……日本語文の解
析中間表現、102……解析結果。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された日本語文を処理する日本語処理
    システムにおいて、 入力された日本語文が二重主格構文であるか否か判定す
    る二重主格構文判定手段と、 前記二重主格構文判定手段で二重主格構文と判定された
    日本語文の該二重主格構文を解析する二重主格構文解析
    手段と、 用言対応に、該用言に係る文節が持つべき格構造に関す
    る情報(以下、格構造情報という)を記述した用言解析
    辞書と、 名詞の持つ意味属性間の関係を記述した意味関係テーブ
    ルを有し、 前記二重主格構文解析手段は、 前記二重主格構文と判定された日本語文の各文節の持つ
    助詞と語順から第1主格文節、第2主格文節を決定する
    手段と、 前記日本語文の前記第1主格文節と第2主格文節の係り
    先である用言をキーとして前記用言解析辞書を検索し
    て、該用言の格構造情報を得、該情報によって前記第1
    主格文節と第2主格文節の構文的役割を解析する手段
    と、 前記用言解析辞書の情報によっては解析不可の場合、そ
    の第1主格文節の主名詞の意味属性が時間を含むかどう
    か判定し、時間を含む場合は当該第1主格文節を用言の
    副詞的修飾と決定し、時間を含まない場合は、意味属性
    をキーとして前記意味関係テーブルを検索して、当該第
    1主格文節の名詞と第2主格文節の名詞との意味関係情
    報を得、該情報によって当該第1主格文節と第2主格文
    節の意味的役割を解析する手段とからなることを特徴と
    する日本語処理システム。
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