JP3222170B2 - エチレン共重合体組成物の成形構造体 - Google Patents
エチレン共重合体組成物の成形構造体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスバリヤー性、耐ピン
ホール性、成形時の熱安定性等に優れたエチレン共重合
体組成物の成形構造体に関する。
ホール性、成形時の熱安定性等に優れたエチレン共重合
体組成物の成形構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニルアルコール含有量の高いエチレン
・ビニルアルコール共重合体はガスバリヤー性が優れて
いるところから、包装材料として広く使用されている。
しかしながらこの重合体は吸水し易く、吸水によってガ
スバリヤー性が著しく低下すること、耐ピンホール性、
延伸性が劣っていること、乾燥状態において耐衝撃性が
充分でないこと、耐熱性が悪く高温で成形できないこと
などの大きな欠点をも有している。このため該共重合体
は単味で用いられることは少なく、専ら他の材料と積層
し中間層として用いられることが多かった。
・ビニルアルコール共重合体はガスバリヤー性が優れて
いるところから、包装材料として広く使用されている。
しかしながらこの重合体は吸水し易く、吸水によってガ
スバリヤー性が著しく低下すること、耐ピンホール性、
延伸性が劣っていること、乾燥状態において耐衝撃性が
充分でないこと、耐熱性が悪く高温で成形できないこと
などの大きな欠点をも有している。このため該共重合体
は単味で用いられることは少なく、専ら他の材料と積層
し中間層として用いられることが多かった。
【0003】一方、このような欠点を他樹脂とブレンド
することによって改質しようとする提案も数多くなされ
ている。このうち、エチレン・ビニルアルコール共重合
体を主成分とする系においては、上記欠点を顕著に改善
することは困難であった。また逆に他樹脂を主要量で含
む系においては、一般にエチレン・ビニルアルコール共
重合体の有する優れたガスバリヤー性が損なわれるため
に実際的な解決方法とは言えなかったが、特公昭51−
30104号公報で提案されているポリオレフィンとエ
チレン・ビニルアルコール共重合体を特定条件下で成形
することにより、エチレン・ビニルアルコール含有量の
異なる層状構造を形成させる方法は、ガスバリヤー性を
高い水準に維持しつつエチレン・ビニルアルコール共重
合体の欠点を改善するものとして注目される。しかしな
がら、この提案ではポリオレフィンとエチレン・ビニル
アルコール共重合体の相溶性が良くないため、薄層のフ
ィルムとして利用するには満足すべき性状のものが得ら
れないという欠点があった。すなわち薄層のフィルムを
製造することが必ずしも容易でなく、また製造されたフ
ィルムのガスバリヤー性は充分に満足すべきものとはい
えなかった。
することによって改質しようとする提案も数多くなされ
ている。このうち、エチレン・ビニルアルコール共重合
体を主成分とする系においては、上記欠点を顕著に改善
することは困難であった。また逆に他樹脂を主要量で含
む系においては、一般にエチレン・ビニルアルコール共
重合体の有する優れたガスバリヤー性が損なわれるため
に実際的な解決方法とは言えなかったが、特公昭51−
30104号公報で提案されているポリオレフィンとエ
チレン・ビニルアルコール共重合体を特定条件下で成形
することにより、エチレン・ビニルアルコール含有量の
異なる層状構造を形成させる方法は、ガスバリヤー性を
高い水準に維持しつつエチレン・ビニルアルコール共重
合体の欠点を改善するものとして注目される。しかしな
がら、この提案ではポリオレフィンとエチレン・ビニル
アルコール共重合体の相溶性が良くないため、薄層のフ
ィルムとして利用するには満足すべき性状のものが得ら
れないという欠点があった。すなわち薄層のフィルムを
製造することが必ずしも容易でなく、また製造されたフ
ィルムのガスバリヤー性は充分に満足すべきものとはい
えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこのよう
な現状に鑑み、エチレン・ビニルアルコール共重合体の
有する前記欠点をできるだけ改善し、しかも肉薄のフィ
ルムにおいても充分なガスバリヤー性を有する成形構造
体を得るべく検討を行った。その結果、後記する2種の
エチレン共重合体の組成物を特定の条件で成形し、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体を薄層状でかつ均一に
分散させることにより充分なガスバリヤー性を得ること
ができ、かつ該共重合体の有する欠点が低減された成形
構造体が得られることを知った。
な現状に鑑み、エチレン・ビニルアルコール共重合体の
有する前記欠点をできるだけ改善し、しかも肉薄のフィ
ルムにおいても充分なガスバリヤー性を有する成形構造
体を得るべく検討を行った。その結果、後記する2種の
エチレン共重合体の組成物を特定の条件で成形し、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体を薄層状でかつ均一に
分散させることにより充分なガスバリヤー性を得ること
ができ、かつ該共重合体の有する欠点が低減された成形
構造体が得られることを知った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、不飽和エステル含有量が15〜35重量%、190
℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.
5〜20g/10分のエチレン・不飽和エステル共重合
体(A)55〜80重量%と、ビニルアルコール含有量
が50〜80モル%、210℃、2160g荷重におけ
るメルトフローレートが0.5〜30g/10分であ
り、220℃,100sec-1の剪断速度下での溶融見
掛け粘度が、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)
のそれより300〜1000Pa・S小さいエチレン・
ビニルアルコール共重合体(B)45〜20重量%との
組成物からなり、(B)が薄層状でかつ均一に分散され
ていることを特徴とする成形構造体が提供される。
ば、不飽和エステル含有量が15〜35重量%、190
℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.
5〜20g/10分のエチレン・不飽和エステル共重合
体(A)55〜80重量%と、ビニルアルコール含有量
が50〜80モル%、210℃、2160g荷重におけ
るメルトフローレートが0.5〜30g/10分であ
り、220℃,100sec-1の剪断速度下での溶融見
掛け粘度が、エチレン・不飽和エステル共重合体(A)
のそれより300〜1000Pa・S小さいエチレン・
ビニルアルコール共重合体(B)45〜20重量%との
組成物からなり、(B)が薄層状でかつ均一に分散され
ていることを特徴とする成形構造体が提供される。
【0006】本発明において用いられるエチレン・不飽
和エステル共重合体(A)は、不飽和エステル含有量が
15〜35重量%、好ましくは15〜28重量%のもの
である。不飽和エステル含有量が前記範囲より少ない共
重合体を用いた場合には、ガスバリヤー性の優れた組成
物を得ることは難かしく、またその含有量が前記範囲よ
り多いものは、フィルム容器等の包装材料としては強度
が小さく適当でない。該共重合体としては190℃、2
160g荷重で測定したメルトフローレートが0.5〜
20g/10分、とくに1〜15g/10分のものを用
いるのが好ましい。共重合体の重合成分である不飽和エ
ステルは、カルボン酸不飽和エステルあるいは不飽和カ
ルボン酸エステルのいずれであってもよく、例えば酢酸
ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルな
どを代表例として例示することができる。アクリル酸又
はメタクリル酸のエステルとしては、例えば炭素数1〜
8のアルキルエステル、とくにメチルエステル又はエチ
ルエステルが好適である。
和エステル共重合体(A)は、不飽和エステル含有量が
15〜35重量%、好ましくは15〜28重量%のもの
である。不飽和エステル含有量が前記範囲より少ない共
重合体を用いた場合には、ガスバリヤー性の優れた組成
物を得ることは難かしく、またその含有量が前記範囲よ
り多いものは、フィルム容器等の包装材料としては強度
が小さく適当でない。該共重合体としては190℃、2
160g荷重で測定したメルトフローレートが0.5〜
20g/10分、とくに1〜15g/10分のものを用
いるのが好ましい。共重合体の重合成分である不飽和エ
ステルは、カルボン酸不飽和エステルあるいは不飽和カ
ルボン酸エステルのいずれであってもよく、例えば酢酸
ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルな
どを代表例として例示することができる。アクリル酸又
はメタクリル酸のエステルとしては、例えば炭素数1〜
8のアルキルエステル、とくにメチルエステル又はエチ
ルエステルが好適である。
【0007】本発明で用いられるエチレン・ビニルアル
コール共重合体(B)は、ビニルアルコール含有量が5
0〜80モル%、好ましくは55〜75モル%のもので
ある。このような共重合体は、相当するエチレン・酢酸
ビニル共重合体をケン化度95%以上、好ましくは99
%以上となる割合でケン化することによって得られる。
エチレン・ビニルアルコール共重合体としてはまた、2
10℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが
0.5〜30g/10分、とくに1〜20g/10分の
ものを用いるのがよい。
コール共重合体(B)は、ビニルアルコール含有量が5
0〜80モル%、好ましくは55〜75モル%のもので
ある。このような共重合体は、相当するエチレン・酢酸
ビニル共重合体をケン化度95%以上、好ましくは99
%以上となる割合でケン化することによって得られる。
エチレン・ビニルアルコール共重合体としてはまた、2
10℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが
0.5〜30g/10分、とくに1〜20g/10分の
ものを用いるのがよい。
【0008】成形構造体が本発明の目的とするエチレン
・ビニルアルコール共重合体が薄層状で均一に分散さ
れ、優れたガスバリヤー性を示すためには、エチレン・
ビニルアルコール共重合体(B)として220℃,10
0sec-1の剪断速度下でのエチレン・ビニルアルコー
ル共重合体(B)の溶融見掛け粘度が、エチレン・不飽
和エステル共重合体(A)のそれより300〜1000
Pa・S、好ましくは400〜900Pa・S小さいも
のを用いることが必要である。
・ビニルアルコール共重合体が薄層状で均一に分散さ
れ、優れたガスバリヤー性を示すためには、エチレン・
ビニルアルコール共重合体(B)として220℃,10
0sec-1の剪断速度下でのエチレン・ビニルアルコー
ル共重合体(B)の溶融見掛け粘度が、エチレン・不飽
和エステル共重合体(A)のそれより300〜1000
Pa・S、好ましくは400〜900Pa・S小さいも
のを用いることが必要である。
【0009】本発明の成形構造体を構成するエチレン共
重合組成物は、エチレン・不飽和エステル共重合体
(A)が55〜80重量%、好ましくは55〜70重量
%、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)が45
〜20重量%、好ましくは45〜30重量%からなる。
(B)成分が20重量%より少ないとガスバリヤー性の
大きい成形体が得難い。またその含有量が45重量%よ
り多いと(B)成分の有する欠点、すなわち耐ピンホー
ル性、成形時の熱安定性等が不良となり好ましくない。
重合組成物は、エチレン・不飽和エステル共重合体
(A)が55〜80重量%、好ましくは55〜70重量
%、エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)が45
〜20重量%、好ましくは45〜30重量%からなる。
(B)成分が20重量%より少ないとガスバリヤー性の
大きい成形体が得難い。またその含有量が45重量%よ
り多いと(B)成分の有する欠点、すなわち耐ピンホー
ル性、成形時の熱安定性等が不良となり好ましくない。
【0010】本発明の成形構造体は上記共重合体組成物
からなり、かつ(B)成分が薄層状でかつ均一に分散さ
れていることが必要である。ここに薄層状とは(B)成
分が成形構造体の面方向に不連続的な薄層を形成してい
るものである。また均一に分散されているとは成形構造
体の主要部分において実質的に(B)成分の偏在が認め
られない状態をいうものである。このような成形構造体
の微細構造は図1に示すように顕微鏡写真によって判断
できる。図1は本発明で得られたエチレン・酢酸ビニル
共重合体とエチレン・ビニルアルコール共重合体との組
成物の50μm厚さのフィルムの断面をオスミウム酸及
びルテニウムにより染色し、走査型電子顕微鏡により撮
影した電子顕微鏡写真である。図1中黒く見える部分は
マトリックス層としてのエチレン・不飽和エステル共重
合体であり、その中にフィルム面方向に薄層状で均一に
分散されたエチレン・ビニルアルコール共重合体が不連
続な白線で囲まれる部分として観察される。本発明の成
形構造体はこのような微細構造を有することにより、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体が主要量を占めてい
ない樹脂組成物であるにも拘らず、優れたガスバリアー
性を示す。
からなり、かつ(B)成分が薄層状でかつ均一に分散さ
れていることが必要である。ここに薄層状とは(B)成
分が成形構造体の面方向に不連続的な薄層を形成してい
るものである。また均一に分散されているとは成形構造
体の主要部分において実質的に(B)成分の偏在が認め
られない状態をいうものである。このような成形構造体
の微細構造は図1に示すように顕微鏡写真によって判断
できる。図1は本発明で得られたエチレン・酢酸ビニル
共重合体とエチレン・ビニルアルコール共重合体との組
成物の50μm厚さのフィルムの断面をオスミウム酸及
びルテニウムにより染色し、走査型電子顕微鏡により撮
影した電子顕微鏡写真である。図1中黒く見える部分は
マトリックス層としてのエチレン・不飽和エステル共重
合体であり、その中にフィルム面方向に薄層状で均一に
分散されたエチレン・ビニルアルコール共重合体が不連
続な白線で囲まれる部分として観察される。本発明の成
形構造体はこのような微細構造を有することにより、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体が主要量を占めてい
ない樹脂組成物であるにも拘らず、優れたガスバリアー
性を示す。
【0011】本発明の成形構造体は相対的に広い面積と
薄い厚みを有する形状のものであり、フィルム、シー
ト、チューブ、容器など種々の形状をとることができ
る。本発明の成形構造体の厚みは、例えば5〜1000
μm、好ましくは20〜500μmであり、30〜50
μmの如き薄層でも優れたガスバリヤー性を示す。
薄い厚みを有する形状のものであり、フィルム、シー
ト、チューブ、容器など種々の形状をとることができ
る。本発明の成形構造体の厚みは、例えば5〜1000
μm、好ましくは20〜500μmであり、30〜50
μmの如き薄層でも優れたガスバリヤー性を示す。
【0012】本発明の成形構造体は(B)成分が薄層状
でかつ均一に分散されていなければならない。このため
には(A)成分及び(B)成分を所望程度に混練した後
に成形する必要がある。また成形時に面積方向への樹脂
の流れが生じるような成形方法を行なう必要があるが、
本発明の(A)、(B)2成分から成る樹脂組成物は押
出成形、中空成形、射出成形、射出−中空成形、真空成
形など種々の成形方法によって(B)成分が薄層状でか
つ均一に分散された成形構造体を容易に成形することが
できる。このような成形構造体を得るには、予め(A)
と(B)を溶融混練した後、成形加工機に供してもよい
が、いずれにしても混練温度を170〜235℃、剪断
速度10〜2000/sec、滞留時間10sec〜5
minの条件で混練し成形することにより得られる。本
発明において(A)(B)両成分樹脂のメルトフローレ
ートを、前記した如き特定の範囲のものとし、また上記
の如き成形条件を採用することによって(B)成分を薄
層状で均一に分散させることが一層容易となる。
でかつ均一に分散されていなければならない。このため
には(A)成分及び(B)成分を所望程度に混練した後
に成形する必要がある。また成形時に面積方向への樹脂
の流れが生じるような成形方法を行なう必要があるが、
本発明の(A)、(B)2成分から成る樹脂組成物は押
出成形、中空成形、射出成形、射出−中空成形、真空成
形など種々の成形方法によって(B)成分が薄層状でか
つ均一に分散された成形構造体を容易に成形することが
できる。このような成形構造体を得るには、予め(A)
と(B)を溶融混練した後、成形加工機に供してもよい
が、いずれにしても混練温度を170〜235℃、剪断
速度10〜2000/sec、滞留時間10sec〜5
minの条件で混練し成形することにより得られる。本
発明において(A)(B)両成分樹脂のメルトフローレ
ートを、前記した如き特定の範囲のものとし、また上記
の如き成形条件を採用することによって(B)成分を薄
層状で均一に分散させることが一層容易となる。
【0013】本発明の成形構造体を製造するに際し、前
記エチレン共重合体組成物には種々の添加剤を配合する
ことができる。このような添加剤として例えば、酸化防
止剤、熱安定剤、乾燥剤、核剤、帯電防止剤や、雲母の
如きバリヤー性付与充填剤などを例示することができ
る。
記エチレン共重合体組成物には種々の添加剤を配合する
ことができる。このような添加剤として例えば、酸化防
止剤、熱安定剤、乾燥剤、核剤、帯電防止剤や、雲母の
如きバリヤー性付与充填剤などを例示することができ
る。
【0014】本発明の成形構造体は、他の材料と積層構
造をとっていてもよい。このような他の材料として例え
ば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフ
ィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル類、ナイロン−6、ナ
イロン−6,6のようなポリアミド類等で代表される熱
可塑性樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性樹脂、各種
エラストマー、アルミ箔の如き金属材料、紙などを例示
することができる。多層構造をとる場合には、本発明の
成形構造体部分が1層又は2層以上占めていてもよく、
また表面層あるいは中間層を形成していてもよい。
造をとっていてもよい。このような他の材料として例え
ば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフ
ィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル類、ナイロン−6、ナ
イロン−6,6のようなポリアミド類等で代表される熱
可塑性樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性樹脂、各種
エラストマー、アルミ箔の如き金属材料、紙などを例示
することができる。多層構造をとる場合には、本発明の
成形構造体部分が1層又は2層以上占めていてもよく、
また表面層あるいは中間層を形成していてもよい。
【0015】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお実施例、比較例における樹脂の混練方法、成
形加工法及び評価、分析法は以下の条件、方法で行なっ
た。
する。なお実施例、比較例における樹脂の混練方法、成
形加工法及び評価、分析法は以下の条件、方法で行なっ
た。
【0016】1)樹脂の混練方法 所定の割合の樹脂を次の条件で溶融混合した。 混練機・・・・・30mmφ 単軸押出機 スクリュー・・・先端ダルメージ型シングルフライトスクリュー L/D=33 バレル温度(℃) C1 C2 C3 C4 C5 D 80 150 180 200 200 180 スクリュー回転数・・・40 rpm
【0017】2)フィルム成形法 30mm径単軸フルライト押出機から成るインフレーシ
ョン成形機にて下記条件でインフレーションフィルムを
成形した。 バレル温度(℃) C1 C2 C3 C4 H D 150 200 200 200 200 200 実施例2以外 実施例2 スクリュー回転数 rpm・・・ 45 60 引き取り速度 m/min ・・・ 3 4 フィルム厚み μm ・・・ 50 50 ブローアップ比 ・・・ 2.8 2.8 実施例2以外はスクリュー回転数45rpm で実施した。
実施例2は押出機からの樹脂吐出速度及びフィルム引き
取り速度を上げて成形した。これらの成形条件は通常の
インフレーションフィルム成形法であり、特にエチレン
・ビニルアルコール樹脂の分散や流れ状態を制御したも
のではない。
ョン成形機にて下記条件でインフレーションフィルムを
成形した。 バレル温度(℃) C1 C2 C3 C4 H D 150 200 200 200 200 200 実施例2以外 実施例2 スクリュー回転数 rpm・・・ 45 60 引き取り速度 m/min ・・・ 3 4 フィルム厚み μm ・・・ 50 50 ブローアップ比 ・・・ 2.8 2.8 実施例2以外はスクリュー回転数45rpm で実施した。
実施例2は押出機からの樹脂吐出速度及びフィルム引き
取り速度を上げて成形した。これらの成形条件は通常の
インフレーションフィルム成形法であり、特にエチレン
・ビニルアルコール樹脂の分散や流れ状態を制御したも
のではない。
【0018】3)MFR(メルトフローレート) JIS K−6760 温度 190℃ 荷重 2160 gr
【0019】4)酸素ガス透過量測定 東洋精機製ガス透過試験機(差圧法)を用い、2)で得
られた50μm厚みフィルムの23℃×50%RH雰囲気
下での酸素ガス透過量を測定した。
られた50μm厚みフィルムの23℃×50%RH雰囲気
下での酸素ガス透過量を測定した。
【0020】5)溶融見掛け粘度 インストロン社(米国)製キャピラリレオメーター3211
型を用い、規定の溶融温度、剪断速度下における剪断応
力を検出し、溶融見掛け粘度を算出した。詳細を次に記
す。 キャピラリレオメーター3211型仕様 プランジャー速度・・・0.06〜20 cm/min 荷重容量 ・・・500 〜2000 Kg 測定温度 ・・・40〜 399℃ 温度制御 ・・・バレル部±2℃ キャピラリー部±0.5 ℃ バレル ・・・直径0.953 ±0.0013cm 有効長25cm (キャピラリー部を含む) キャピラリー ・・・直径0.0762cm 長さ2.54cm 材質 タングステンカーバイド 流入角度 ・・・90度
型を用い、規定の溶融温度、剪断速度下における剪断応
力を検出し、溶融見掛け粘度を算出した。詳細を次に記
す。 キャピラリレオメーター3211型仕様 プランジャー速度・・・0.06〜20 cm/min 荷重容量 ・・・500 〜2000 Kg 測定温度 ・・・40〜 399℃ 温度制御 ・・・バレル部±2℃ キャピラリー部±0.5 ℃ バレル ・・・直径0.953 ±0.0013cm 有効長25cm (キャピラリー部を含む) キャピラリー ・・・直径0.0762cm 長さ2.54cm 材質 タングステンカーバイド 流入角度 ・・・90度
【0021】6)エチレン・ビニルアルコール共重合体
の分散状態測定 上記2)の方法で得られた50μm厚みフィルムを日本
ミクロトーム研究所製RM型ミクロトームを用いて20
μm幅に切り、平滑な断面を有する切片試片を得る。更
にこの切片試片をオスミウム酸及びルテニウムにより表
面処理し、日立80型走査型電子顕微鏡により、加速電
圧6KV、ワーキングディスタンス15mmの条件で1
000倍の倍率で観察した。撮影された写真(図1)か
ら薄層状で均一に分散されたエチレン・ビニルアルコー
ル共重合体の存在を目視により判定した。
の分散状態測定 上記2)の方法で得られた50μm厚みフィルムを日本
ミクロトーム研究所製RM型ミクロトームを用いて20
μm幅に切り、平滑な断面を有する切片試片を得る。更
にこの切片試片をオスミウム酸及びルテニウムにより表
面処理し、日立80型走査型電子顕微鏡により、加速電
圧6KV、ワーキングディスタンス15mmの条件で1
000倍の倍率で観察した。撮影された写真(図1)か
ら薄層状で均一に分散されたエチレン・ビニルアルコー
ル共重合体の存在を目視により判定した。
【0022】実施例、比較例に用いた樹脂を表1に示
す。
す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1〜7 表1に記載したエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)と
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)とを、前記
1)の方法で混練し、MFR及び酸素透過量を測定し
た。結果を表2に示す。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)とを、前記
1)の方法で混練し、MFR及び酸素透過量を測定し
た。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】比較例1〜5 表1に記載したエチレン系重合体(A)とエチレン・ビ
ニルアルコール共重合体(B)とを、前記1)の方法で
混練し、MFR及び酸素透過量を測定した。結果を表3
に示す。
ニルアルコール共重合体(B)とを、前記1)の方法で
混練し、MFR及び酸素透過量を測定した。結果を表3
に示す。
【0027】
【表3】
【0028】表2、表3の結果から明らかなように、不
飽和エステル含有量が特定の範囲にあるエチレン共重合
体とエチレン・ビニルアルコール共重合体との組成物
で、両共重合体の間の溶融見掛け粘度差が一定値以上で
ある本発明の成形構造体は、他の共重合体またはエチレ
ン重合体とエチレン・ビニルアルコール共重合体との組
成物に比べてガスバリアー性が極めて高い。
飽和エステル含有量が特定の範囲にあるエチレン共重合
体とエチレン・ビニルアルコール共重合体との組成物
で、両共重合体の間の溶融見掛け粘度差が一定値以上で
ある本発明の成形構造体は、他の共重合体またはエチレ
ン重合体とエチレン・ビニルアルコール共重合体との組
成物に比べてガスバリアー性が極めて高い。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、エチレン・不飽和エス
テル共重合体中の不飽和エステル含有量を特定の範囲と
し、かつ組成物を構成する両共重合体の溶融見掛け粘度
に差を持たせたことにより、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体含有量が半量以下であるにもかかわらず該共
重合体が薄層状でかつ均一に分散された成形構造体が得
られ、優れたガスバリヤー性を示す。それ故、吸水性が
少なくまたガスバリヤー性の湿度依存性が少ない。また
成形時における熱安定性が良好であり、更にフィルム等
に成形した場合にも耐ピンホール性に優れているので、
食品包装等、種々の包装材料として有用である。
テル共重合体中の不飽和エステル含有量を特定の範囲と
し、かつ組成物を構成する両共重合体の溶融見掛け粘度
に差を持たせたことにより、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体含有量が半量以下であるにもかかわらず該共
重合体が薄層状でかつ均一に分散された成形構造体が得
られ、優れたガスバリヤー性を示す。それ故、吸水性が
少なくまたガスバリヤー性の湿度依存性が少ない。また
成形時における熱安定性が良好であり、更にフィルム等
に成形した場合にも耐ピンホール性に優れているので、
食品包装等、種々の包装材料として有用である。
【図1】本発明の成形構造体の断面の電子顕微鏡写真で
ある。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 不飽和エステル含有量が15〜35重量
%、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレ
ートが0.5〜20g/10分のエチレン・不飽和エス
テル共重合体(A)55〜80重量%と、ビニルアルコ
ール含有量が50〜80モル%、210℃、2160g
荷重におけるメルトフローレートが0.5〜30g/1
0分であり、220℃,100sec−1の剪断速度下
での溶融見掛け粘度が、エチレン・不飽和エステル共重
合体(A)のそれより300〜1000Pa・S小さい
エチレン・ビニルアルコール共重合体(B)45〜20
重量%とからなり、(A)と(B)とを混練温度170〜
235℃、剪断速度10〜2000/sec、滞留時間
10sec〜5minの条件で溶融混練した後に成形し
て得られる成形構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34389791A JP3222170B2 (ja) | 1991-01-10 | 1991-12-02 | エチレン共重合体組成物の成形構造体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1239191 | 1991-01-10 | ||
JP3-12391 | 1991-01-10 | ||
JP34389791A JP3222170B2 (ja) | 1991-01-10 | 1991-12-02 | エチレン共重合体組成物の成形構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565375A JPH0565375A (ja) | 1993-03-19 |
JP3222170B2 true JP3222170B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=11803974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34389791A Expired - Fee Related JP3222170B2 (ja) | 1991-01-10 | 1991-12-02 | エチレン共重合体組成物の成形構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3222170B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6000668A (en) | 1996-07-30 | 1999-12-14 | Adf Incorporated | Video wall framing system |
-
1991
- 1991-12-02 JP JP34389791A patent/JP3222170B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0565375A (ja) | 1993-03-19 |
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