JP3222082B2 - 載置台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高価な陶磁器、仏
像、ガラス工芸品等の装飾品を応接室に飾ったり、店舗
に陳列する際等に用いて好適な載置台に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記した装飾品には破損し易いものが多
いが、それでも一般の飾り棚や陳列棚等へ載置してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記のよ
うな破損し易い装飾品を一般の飾り棚や陳列棚等へ載置
しておいたのでは地震が発生した場合、振動によって転
倒したり、落下して貴重な装飾品が損傷したり、破損し
てしまうことが多い。

【０００４】本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされ
たもので、地震発生等によって生じる縦方向及び横方向
の振動を吸収できるよう構成することによって、装飾品
を振動による転倒、落下、損傷から防止できるようにし
た載置台を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決する手段】上記目的を達成するために、本
発明の載置台は、頂板及び中間板を包含する垂直方向緩
衝部と、前記中間板及び底板を包含する水平方向緩衝部
を有し、前記垂直方向緩衝部は、ねじり方向が互いに逆
の一対のねじりばね部を有し、軸線と直交する方向で緩
衝するねじりばねを備え、前記水平方向緩衝部は、前記
中間板及び前記底板を相対的に水平方向に摺動させる水
平方向摺動機構と、前記中間板及び前記底板を互いに引
き寄せるように付勢する引っ張りばねとを備えたことを
特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の装飾品載置台の一
実施形態について図面を参照して説明する。図１は載置
台の一部断面した正面図を示し、図２は図１におけるＡ
−Ａ線矢視断面図を示し、図３は載置台の平面図を示
す。

【０００７】図１及び図２に示したように、略同一大き
さに形成された頂板１と中間板２と底板３との三枚の板
材を有する。上記頂板１と中間板２及び中間板２と底板
３間には緩衝材４、５、６、７を各々配設してあり、該
緩衝材４、５、６、７によって、上記頂板１、中間板
２、底板３は上下方向へ所定の間隔ａ、ｂをおいて連結
されている。

【０００８】上方の緩衝材４、５は、下方へ圧縮変形可
能に、かつ上方へ復帰可能に設けられていて上下方向の
振動（縦揺れ）を吸収するように形成されている。下方
の緩衝材６、７は、底板３に対し、頂板１、中間板２が
図３に矢印で示した如く、前後左右等、平面的に全方向
へ移動可能に、かつ元の位置へ復帰可能に設けられてい
て平面的な全方向の振動（横揺れ）を吸収するように形
成されている。

【０００９】上記緩衝材４は、円筒形状のねじりばね４
ａを横向きとして、その直径方向の対向部を止め具４
ｂ、４ｂにより頂板１裏面と中間板２上面に各々固定
し、頂板１の押下げにより図１に二点鎖線で示した如
く、横長楕円形状に圧縮変形され、これによって、上下
方向の振動を吸収するように形成されている。

【００１０】一方、上記緩衝材５は、有底状で、周壁に
複数のスリットを縦設したゴム製円筒体５ａを、上記し
た頂板１と中間板２間にあって、その一方（図示例では
中間板）にボルト・ナット５ｂにて固定し、頂板１の下
方への押圧によって、図１に二点鎖線で示した如く、横
方向外側へ圧縮変形し、これによって上下方向の振動を
吸収するように形成されている。

【００１１】また、上記した下方の緩衝材６、７のう
ち、一方の緩衝材６は、図１ないし図３に示したよう
に、中間板２の裏面と、底板３の上面に、二本で一対の
ガイドロッド６ａ、６ａ、６ｂ、６ｂを一定の間隔をお
いて並行に、かつガイドロッド６ａ、６ａと６ｂ、６ｂ
を直角配置に架設し、該各ガイドロッド６ａ、６ａ、６
ｂ、６ａに、図示しないベアリングを内装してなる二個
一対の摺動子６ｃ、６ｃ、６ｃ、６ｃ、６ｄ、６ｄ、６
ｄ、６ｄを摺動自在に外装し、該摺動子６ｃ・・・６ｄ
を、上記両ガイドロッド６ａ、６ａと６ｂ、６ｂ間にお
いて移動板６ｅに各々固定し、これによって、底板３に
対し、頂板１、中間板２が図３において前後、左右等、
つまり平面的に全方向へ移動して全方向の振動を吸収す
るように形成されている。

【００１２】上記した各ガイドロッド６ａ・・・６ｂ
は、両端部を中間板２と底板３にビス止め等によって固
定垂設された支持金具６ｆ、６ｆ・・・に固定して上記
中間板２、底板３の各板面から所定寸法だけ離間されて
いる。

【００１３】他方の緩衝材７・・・は図１及び図３に示
したように、中間板２と底板３の左右両端部間へ引張り
ばね７ａ、７ａを張設し、底板３に対する頂板１、中間
板２の横移動が、上記引張りばね７ａ、７ａが伸長して
行なわれると共に、当該引張りばね７ａ、７ａの張力に
よって頂板１、中間板２が図１に実線で示した予め設定
されている位置に復帰されるように形成されている。つ
まり、当該緩衝材７と上記した緩衝材６との相乗作用に
よって横方向の振動が吸収されるように構成されてい
る。

【００１４】上方の緩衝材４、５は図示した実施形態が
示したねじりばね４ａ、ゴム製円筒体５ａに限定される
ことはなく、中間板２に対して頂板１の上下振動を吸収
可能な公知の弾性材料を使用することができる。また、
下方の緩衝材６、７も図示した実施形態のようなガイド
ロッド６ａ、６ｂ、摺動子６ｃ、６ｄ及び引張りばね７
ａに限ることはなく、底板３に対して頂板１、中間板２
の横方向振動を吸収できる公知の弾性材料を使用するこ
とができる。

【００１５】さらに、上記した頂板１は、図１に示した
装飾品Ａの台に相応しい形態として表面に装飾を施す
か、または図示したように、装飾品Ａの台に相応しい形
状に形成して、表面に装飾を施してなるカバー８、９で
頂板１、底板３を覆って構成される。

【００１６】図１、図２に示したように、頂板１、底板
３をカバー８、９で覆う場合は、頂板１、中間板２の上
下動及び横移動を考慮して、両カバー８、９間に所定の
間隔ｃが設けられる。

【００１７】さらに、頂板１、またはカバー８上部は、
装飾品Ａを覆うガラスケース１０を嵌合できるように形
成することもできる。

【００１８】而して、上記構成とした装飾品の載置台に
よれば、地震によって縦方向の振動（縦揺れ）が発生す
ると、上方の緩衝材４、５が有する弾性によって振動が
吸収される。また、横方向の振動（横揺れ）が発生する
と、下方の緩衝材６、７が有する弾性によって振動が吸
収される。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように頂板、中
間板、底板を、各々上下に間隔をおいて連結した上方の
緩衝材と、下方の緩衝材とによって、地震発生時におけ
る上下の振動（縦揺れ）と横方向の振動（横揺れ）とを
吸収する耐震構造に構成されているので、地震発生時の
振動による装飾品の転倒、落下及びこれによる装飾品の
損傷、破損を有効に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る装飾品の載置台の一実施形態を一
部断面して示す正面図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図３】同上載置台を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 頂板 ２ 中間板 ３ 底板 ４、５、６、７ 緩衝材 ａ、ｂ 間隔

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 頂板及び中間板を包含する垂直方向緩衝
   部と、前記中間板及び底板を包含する水平方向緩衝部を
   有し、 前記垂直方向緩衝部は、ねじり方向が互いに逆の一対の
   ねじりばね部を有し、軸線と直交する方向で緩衝するね
   じりばねを備え、 前記水平方向緩衝部は、前記中間板及び前記底板を相対
   的に水平方向に摺動させる水平方向摺動機構と、前記中
   間板及び前記底板を互いに引き寄せるように付勢する引
   っ張りばねとを備えたことを特徴とする。