JP3221924U - サビキ仕掛の巻付け具 - Google Patents

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Abstract

【課題】釣りを終えたときや仕掛を取り換えるとき等に、使用ずみのサビキ仕掛を容易にかつ整然と巻き付けることができ、再度の使用に備えて持ち帰ることを可能にするサビキ仕掛の巻付け具を提供する。【解決手段】巻付け具1は、縦長のシート10で形成され、当該シート10の上部に複数の釣針を掛け止める針掛け部11があり、当該シート10のいずれかの部分に幹糸を挟み付ける糸止め部13があること、当該シート10の左右側縁10aの複数箇所に、幹糸の巻き付け箇所を定める凹部14a・14bがあり、また、当該シート10の下縁10bにも幹糸の巻付け箇所を定める凹部15がある。【選択図】図1

Description

本考案は、サビキ仕掛(胴突き仕掛等と呼ばれるものを含む)すなわち幹糸に複数の釣針が取り付けられた釣り用仕掛を巻き付けるための、巻付け具に関するものである。
サビキ仕掛は、1本の幹糸に複数のハリスを接続し、各ハリスの先に釣針(枝針)を取り付けた構成の釣り用仕掛である。販売時の包装や携行等のためにサビキ仕掛を巻き付ける巻付け具としては、図6(a)(b)に示すもの、すなわち下記特許文献1に記載された構成の台紙が知られている。
図6の巻付け具は、擬似餌付きの各釣針(擬餌針)53を、台紙60の上部に設けた溝61に掛け止めてハリス52を下方へ延ばしたうえ、下部の掛止片64に幹糸51を順次固定するものである。台紙60が前面板と後面板とからなり、釣針53の背後を後面板が覆うことから、擬似餌54を折り曲げたり針先を傷めたりする心配がなく、また、ハリス52を伸長状態に保つのでハリス52に曲げ癖を付ける恐れがない。
仕掛を使用するときは、図6(b)のように幹糸51の一方を釣竿側に接続し、その側から幹糸51を引き出すことによって、台紙から釣針53が順次規則的にワンタッチで取り外され、釣り場において直ちにサビキ釣りを開始することができる。
実開昭60−77383号公報
図6に示す巻付け具(台紙)は、サビキ仕掛の販売時の包装や釣り場までの携行を目的にしたもので、一旦仕掛を取り外して使用した後に、もう一度それを巻付け具に巻き付けることまで考慮したものではない。すなわち、使用後のサビキ仕掛を図6と同様の状態に巻き付けることはきわめて難しく、または手間がかかるため、使用された後の仕掛は持ち帰られることが少なく、多くの場合、全体を丸めて捨てられてしまうのが実情である。
使用した仕掛が捨てられるとすれば、釣り場の環境が乱されてしまううえ、まだ使用可な仕掛が無駄になってしまうことにもなる。
本件出願の考案は、釣りを終えたときや仕掛を取り換えるとき等に、使用ずみのサビキ仕掛を容易にかつ整然と巻き付けることができ、再度の使用に備えて持ち帰ることを可能にするサビキ仕掛の巻付け具を提供するものである。
考案によるサビキ仕掛の巻付け具は、縦の寸法がハリスの長さを超える縦長のシート(プラスチック板や木の板、厚めの紙等でできたもの)で形成され、
a) 当該シートの上部に複数の釣針を掛け止める針掛け部があり、当該シートのいずれかの部分に幹糸を挟み付ける糸止め部があること、
b) および、当該シートの左右側縁の複数箇所に、幹糸の巻き付け箇所を定める凹部(凹状の切欠部)があること
を特徴とするものである。また、
c) さらに、当該シートの下縁にも、幹糸の巻付け箇所を定める凹部(同上)があると好ましい。
以上のように構成した例を、図1〜図5にそれぞれ示している。
上記考案の巻付け具にはつぎのような作用効果がある。
i) 上記a)のとおり、図6の巻付け具と同様、縦長のシートに針掛け部と糸止め部とがあるため、そのシートにサビキ仕掛を取り付けることができる。すなわち、上部の針掛け部に釣針を掛け止めるとともに、釣糸(幹糸およびハリス)を当該シートに添わせたり巻き付けたりしたうえ、幹糸の端部付近を糸止め部に挟み付けることができ、したがって、販売や携行に適したコンパクトな状態にサビキ仕掛を保持することが可能である。
ii) 幹糸を、縦長のシートに対して幅方向(針掛け部を上にしたときのシートの左右の方向)に巻き付ける。上記b)のとおり当該シートの左右側縁の複数箇所に凹部があるため、幹糸は、それら凹部に掛けることによって巻き位置がずれないように巻き付けることができる。こうして巻き付ける幹糸について、ハリスが分岐した箇所を巻き付ける際には、釣針を上部の針掛け部に掛け止めたうえ、そのハリスに張力を作用させるよう、下方の凹部に幹糸を掛ける。これによってハリスは、上部に掛け止めた釣針から、下方で巻き付けられた幹糸までの間で張力を受けて真っ直ぐに保たれるため、ハリスに曲げ癖がつくことがない。ハリスの分岐箇所ごとにこうした手順を繰り返すことにより、すべての釣針を上部の針掛け部に掛け止めるとともに幹糸をシートの幅方向に巻き付ける。各釣針を上部に掛け止めて各ハリスを下方へ張りながら幹糸をシートに巻いていくだけなので、作業は容易に行うことができ、ハリスに曲げ癖をつけることなくサビキ仕掛を巻き付けることができる。
iii) 上記c)のとおりシートの下縁にも凹部が設けられている場合には、幹糸の巻付け状態を調整して釣針の位置等を揃えることが可能である。すなわち、上記した左右側縁の凹部ばかりでなく、下縁に設けた凹部にも幹糸を掛けることにより、各ハリスと各釣針の位置や向きが揃うように幹糸の巻付け状態を調整できるのである。上記ii)の要領で釣糸を巻き付けると、幹糸における各ハリスの接続点同士の間隔と上記シートの幅寸法との関係によっては、シートの同じ面(表面)上に各ハリスが位置して釣針の針先が同じ側を向くとは限らない。シートの表・裏両面にハリスが位置するとともに釣針の針先が表・裏の両方に突出するのが一般的である。ハリスと釣針の位置や向きが揃わないそのような状態では、携行中や次回の使用の際に取り扱いが容易でないほか、販売時には外観上も好ましくない。しかし、上記c)のようにシートの下縁に凹部を設け、その凹部にも適宜に幹糸を掛けて斜めに巻き付けることとすれば、幹糸におけるハリスの接続点をシートの表面上に位置させることができ、ハリスと釣針の位置や向きを揃えることができる。シートの下縁にある凹部等を利用して幹糸を斜めに巻き付けると、幹糸が長い場合にもシートへの巻き付け回数を少なくできるという利点もある。図2と図4には、そのようにしてサビキ仕掛を巻き付けた状態の巻付け具を例示している。
上記考案の巻付け具については、上記シートの左右側縁にある上記凹部が、
・ 幹糸の通常の巻付け箇所(上記ii)のように縦長のシートに対し長さ方向と直角の幅方向に巻き付けられる箇所)に設けられるとともに、
・ 幹糸の巻付け状態を調整するための他の箇所(上記iii)と同じくハリスと釣針の位置や向きを揃える目的で幹糸を斜めに掛け得る箇所)にも設けられていると好ましい。
図1・図2の例では、左右側縁のうち下方にある凹部14aが幹糸の通常の巻付け箇所に設けられたものであり、それらよりも上方にある凹部14bが、幹糸の巻付け状態を調整するための他の箇所に設けられたものである。図3・図4および図5の例でも、左右側縁であって下方にある凹部24a・34aは通常の巻付け用のものであり、上方にある凹部24b・34bは幹糸の巻付け状態調整用のものである。
前記のとおりシートの下縁に凹部を有することに加えて、このように左右側縁の、通常は幹糸を巻き付けない箇所にも凹部を有すると、上記iii)において行う幹糸の巻付け状態の調整がさらに容易に行える。すなわち、シートの表面側にハリスと釣針の位置を揃えて針先の向きを統一することが容易になり、また、幹糸を大きく斜めに傾けて巻くことによりその巻き付け回数を減らすこともできる。
考案の巻付け具においては、とくに、
・ 幹糸の通常の巻付け箇所に設けられた上記凹部または当該凹部の近傍に、通常の巻付け箇所であること(すなわち、ハリスと幹糸との接続箇所が概ね位置する部分であること)を示す表示が施されていると好ましい。
表示としては、たとえば、当該箇所であることを示す文字を印刷したり、彩色を施したりするとよい。図1・図2の例では、当該凹部14aを含む領域14e(図示斜線の枠内)に彩色を施している。
このような表示がシートの片面または両面にあれば、釣りを終えてサビキ仕掛を回収しようとするとき等に、幹糸の巻き付けをシート上の適切な凹部(通常の巻付け箇所に設けられた凹部)を用いて円滑に開始することができる。そして、ハリスと釣針の位置等を揃えようとする際には、他の箇所にある凹部を利用して幹糸を斜めに巻き掛けることにより、好ましい状態にサビキ仕掛を巻き付けることができる。
考案の巻付け具においては、
・ サビキ仕掛が巻き付けられたとき、上記釣針が有する疑似餌が上記シートの上縁から突出しないよう、上記の針掛け部が、上記シートの上縁よりも下方の位置に形成されていること、
・ および、その針掛け部が、釣針を個別に掛け止めることのできる複数の谷部または孔を有するものであること
を特徴とするのが好ましい。
図1〜図5の各例において、針掛け部11・21・31は、いずれもシートの上縁よりも下方の位置に形成され、複数の谷部を有している。
針掛け部が複数の谷部または孔を有していて釣針を個別に掛け止められるものであるなら、掛け止めた釣針の位置がずれたり、複数の釣針が重なったりする恐れがない。そのため、巻き付けたサビキ仕掛を再度使用するとき釣針をスムーズに取り出せるほか、販売の際などに外観上好ましい。
また、針掛け部がシートの上縁よりも下方の位置に形成されていて釣針の疑似餌がシートの上縁から突出しないようになっていると、他の物に接触して擬似餌が折れ曲がったり千切れたりすることが防止される。つまり、擬似餌が健全な状態に保たれるため、次回の釣りにおいて好ましい状態でサビキ仕掛を使用することができる。
とくに、
・ 上記シートを表裏に貫通する開口が上記シートの上部に形成され、上記の針掛け部が当該開口の下縁に形成され、
・ 当該針掛け部に上記釣針が掛け止められたとき、各釣針が有する疑似餌が開口内に収まるように上記開口の大きさが定められていること
を特徴とするのも好ましい。
図1・図2の巻付け具は、シート10において開口16と針掛け部11とがそのように形成された例である。
上記のように開口と針掛け部が形成されていると、開口内に収まる擬似餌が物に接触して折れ曲がったり千切れたりすることがなく健全な状態に保たれるため、次回の釣りにおいて有利に使用することができる。また、表裏の両面上にハリスと釣針を位置させながら幹糸を巻くとき(上記iii)のようにはしないとき)に、開口を通じてシートの表裏両側から釣針を掛け止めることができるため、サビキ仕掛の巻付けをきわめて容易に行えるという利点もある。
あるいは、
・ 上記の針掛け部が、上記シートの表面(または表裏両面)に取り付けられた部材(上記シート以外の部材)に形成されている
のも好ましい。
図3・図4および図5の例では、シート20・30の表面上に、両端部を接着されること(または各シートのスリットに差し込まれる等)によってシート20・30とは別の針掛けシート26・36が取り付けられ、それらの上部に、針掛け部21・31としての凹凸が形成されている。
上記のようにシート上の他の部材に針掛け部が形成されていると、その針掛け部に釣針を掛け止めるとき、当該他の部材とシートとの間に釣針の針先を挟みこむことができる。そうして針先が挟みこまれると、針先が他の物や手指に引っかかることがないので、巻き付けたサビキ仕掛の取り扱いが容易になる。なお、上記他の部材をシートの表面(一面)のみに取り付けた場合には、ハリスと釣針のすべてをシートの表面上に位置させねばならないため、上記iii)のように幹糸の巻付け状態を調整する必要がある。しかし、シートの表裏両面に他の部材を取り付けてそれぞれに針掛け部を形成すれば、そのような調整を不要にすることも可能である。
上記のとおり開口が形成されてその下縁に針掛け部があり、または表面に別の針掛けシートが取り付けられた巻付け具において、さらに上記シートの上縁にも、釣針を掛け止める(第2の)針掛け部があると好都合である。
図1〜図5の例でも、開口16または別の針掛けシート26・36を有するとともに、シートの上縁に針掛け部12・22・32をそれぞれ有している。
上記のとおりシートの上縁にも針掛け部(第2の針掛け部)があると、サビキ仕掛を急いで巻き付けたいとき(すなわち新品販売用の包装時等ではなく、釣りを終えて早く片付ける必要があるとき等)に便利である。つまり、この針掛け部にはシートの表側からも裏側からも釣針を容易に掛け止められるため、前記iii)のように幹糸の巻付け状態を調整する必要はなく、サビキ仕掛を簡単に手早く巻き付けることができる。
上記した考案の巻付け具において、
・ 幹糸の巻き付け箇所を定めるために上記シートの左右側縁等に形成された上記の凹部が、底部の円弧とそれに続く平行な2辺とを輪郭とするU字状の切欠きである
のがとくに好ましい。
図1・図2および図3・図4の巻付け具においては、上記の凹部(14a・14b・15・24a・24b・25)としてそのようなU字状のものが形成されている。
幹糸の巻き付け箇所を定める上記の凹部は、図5の例のように三角形の谷の形に形成することもできる。しかし、前記のように巻付け状態を調整する目的で幹糸を斜めに巻く場合、斜めにする幹糸の角度によっては、三角形の谷から幹糸が外れやすい状態になることがある。その点、凹部が、底部の円弧と平行な2辺とを輪郭とするU字状の切欠きであれば、幹糸を斜めに巻く場合にもその幹糸が凹部から外れにくく、巻き付け位置を安定的に定めることができる。
とくに、
・ 上記シートの左右側縁にある上記凹部のうち、幹糸の通常の巻付け箇所に設けられたものが上記シートの下部に位置し、それよりも上部に幹糸の巻付け状態を調整するための箇所となるものが位置していて、後者の凹部は、開口部が斜め上に向いた(つまり平行な上記2辺がシートの側縁寄りに斜め上となる)上記U字状の切欠きである
と有利である。
図1・図2の例で、左右側縁にある凹部のうち上部のもの(調整用の凹部14b)は、開口部が斜め上に向いたU字状の切欠きとして形成されている。
ハリスと釣針をシートの表面上に位置させる等の目的で幹糸の巻付け状態を調整する場合、幹糸は、上部にある当該調整用の凹部に掛けたうえ、斜め下向きに巻き付ける必要がある。そのため、当該調整用の凹部が、開口部が斜め上に向いたU字状のものであると、その凹部からは幹糸がきわめて外れにくくなり、巻き付け位置が安定的に定められることになる。
考案の巻付け具によれば、シートに対してサビキ仕掛を、販売や携行に適したコンパクトな状態に巻き付けることが短時間内に困難なく行える。釣りを終えたときや仕掛を取り換えるとき等に、使用ずみのサビキ仕掛を容易にかつ整然と巻き付けることができ、ハリスに曲げ癖を付けることもないので、再度の使用に備えてサビキ仕掛を持ち帰る釣り人が増えるものと期待できる。そしてそれにより、使い捨てによる資源の無駄と釣り場環境の悪化を抑制できるとも考えられる。
しかも、考案の巻付け具では、下縁にある凹部等を利用して幹糸の巻付け状態を調整することにより、各ハリスと各釣針の位置や向きを揃えることも可能である。そのため、携行中や次回の使用の際に取り扱いが容易であるほか、販売時にこの巻付け具を使用する場合には外観上も有利である。
考案の実施の一例として示すサビキ仕掛の巻付け具1の正面図である。 図1の巻付け具1にサビキ仕掛5を巻き付けた状態を示す正面図である。 考案の他の一例として示すサビキ仕掛の巻付け具2の正面図である。 図3の巻付け具2にサビキ仕掛5を巻き付けた状態を示す正面図である。 考案のさらに他の一例として示すサビキ仕掛の巻付け具3の正面図である。 サビキ仕掛の従来の巻付け具である台紙60を示す斜視図であって、図6(a)は台紙を折りたたんだ状態を示し、同(b)は台紙を延ばした状態を示している。
図1および図2に考案の一実施例を示す。
サビキ仕掛を巻き付ける図1の巻付け具1は、縦長四角形の、厚さ1〜3mm程度のプラスチック製シート10でできている。上縁10cに近い位置に長方形状の開口16があり、その開口16の下縁に、サビキ仕掛(図2における符号5)の釣針(同53)を掛け止める針掛け部11として複数の凹部が形成されている。また、上縁10cにも、第2の針掛け部12として複数の凹部が形成されている。針掛け部11・12とも、凹部の数はサビキ仕掛5が有する釣針53の数と同じかそれより多いのが好ましい。
シート10の長さ(縦向きの長さ)は、巻き付けようとするサビキ仕掛(図2の符号5)のハリス(同52)の長さを超える寸法であり、上記の針掛け部11から後述する下方の凹部14a付近までが概ねハリスの長さに等しいようになっている。
開口16の縦寸法は、釣針(同53)に設けられた疑似餌(同54)の大きさを考慮して定められている。すなわち、針掛け部11に釣針(同53)が掛け止められたとき、その釣針(同53)に設けられた疑似餌(同54)の先が開口16の内側に収まる(シート10の上縁10cから突出することもない)ようにしている。
シート10の左右の側縁10aには、一部を切り欠いた形の凹部14a・14bがそれぞれ複数形成されている。いずれも、平行な2辺と底部の円弧とを輪郭とするU字形状の切欠きである。下方の凹部14aは、側縁10aと直角に横向きに形成された切欠きであり、それらよりも上方で側縁10aの中ほどにある凹部14bは、開放部の側を上にして斜めに形成された切欠きである。下方の凹部14aを含む領域14eには、1〜2cm程度の幅で左右に延びた彩色部がある。この領域は、後述(図2参照)のようにサビキ仕掛5を適切に巻き付けるとき幹糸51とハリス52との接続箇所が位置する部分を目安として示している。
また、シート10の下縁10bには、上記と同じU字状の切欠きであって下向きに開いた凹部15が複数形成されている。
そのほか、上縁10cと下縁10bの各両端部付近には、幹糸(図2の符号51)を挟み付ける糸止め部13としての切込みが設けられている。
図1の巻付け具1にサビキ仕掛5を巻き付けた状態(の一例)を図2に示している。サビキ仕掛5を巻き付ける手順はつぎのとおりである。
1) 幹糸51の端部付近を、シート10内のいずれかの糸止め部13に挿入して止めておく。
2) 糸止め部13に止めた側の端部付近から、幹糸51を順次に、シート10の幅方向に巻き付けていく。通常は、下方に形成され彩色の領域14eよりもやや下にある凹部14a(通常の巻付け箇所にある凹部)内に通しながら巻き付ける。
3) 幹糸51のうちハリス52の接続箇所をシート10に巻き付ける際には、疑似餌54が開口16内に収まるよう釣針53を上部の針掛け部11に掛け止めたうえ、当該接続箇所に近い部分の幹糸51を下方の凹部14aに掛けて、上記2)の巻き付けを進める。このとき、釣針53を掛け止めたハリス52を下方へに伸ばして、曲げ癖を付けないようにする。真っ直ぐに張ることができれば、ハリス52は、シート10上で斜めになるように掛け渡しても差し支えない。
4) 上記の2)・3)のみを繰り返すときは、複数のハリス52のうち一部はシート10の表側に位置し、他の一部がシート10の裏側に位置することになる。なお、サビキ仕掛5をとくに手早く巻き付けたいとき(疑似餌54に多少の折れ曲がりが生じても良いとする場合)は、上縁10cにある針掛け部12に釣針53を掛け止めるのもよい。上縁10cの針掛け部12に釣針53を掛け止める場合には、幹糸51とハリス52との接続箇所は、当然ながら、彩色された上記の領域14eよりも上方に位置することとなる(当該上方の領域にも彩色を施しておくと扱いやすくなる)。
5) 上記4)とは違ってすべてのハリス52と釣針53とをシート10の表側に位置させようとすると、幹糸51を、シート10の下縁10bにある凹部15や側縁10aの上方にある凹部14bにも適宜に掛け通すのがよい。そうして幹糸51の巻付け状態を調整することにより、ハリス52の接続箇所をシート10の表側に位置させ、すべてのハリス52と釣針53とを図2のように揃えてシート10の表側に配置することができる。販売のためにサビキ仕掛5を巻き付ける際、または携行中や次回の使用時の取扱いを円滑にすべく巻き付けたい場合には、この5)のようにするとよい。
6) 以上の2)〜4)またはさらに5)を繰り返すことによってすべてのハリス52・釣針53とともに幹糸51をシート10に巻き付けると、幹糸51のもう一方の端部を糸止め部13に挟んで止める。それにより、サビキ仕掛5の全体をシート10上にまとめることができる。販売や携行のためには、それぞれ適切な袋(図示省略)に仕掛5とシート10とを収めるとよい。
図3および図4に、考案の第2の実施例を示す。図3は巻付け具2の構成を示し、図4はそれにサビキ仕掛5を巻き付けた状態を示している。
図示の巻付け具2も、やはりプラスチック等にてなる縦長のシート20として構成されている。
この巻付け具2でも、シート20の側縁と下縁とに複数の凹部24a・24bおよび25が形成され、たとえば側縁の最下部付近と下縁の両端部付近に、幹糸を挟み付ける糸止め部23が設けられている。凹部24a・24bのうち図示下方の凹部24aが、幹糸の通常の巻付け箇所であり、上方の凹部24bは幹糸の巻付け状態の調整に用いるものである。いずれの凹部24a・24bも、平行な2辺と底部の円弧とを輪郭とするU字形状の切欠きであり、側縁および下縁に対して直角の方向に長く形成されている。図1の例と同様、幹糸51とハリス52との接続箇所にあたる下方の部分に、彩色された領域24eを設けている。
図1の例とは違って、図3の巻付け具2の針掛け部21は、シート20の表面上に両端部を接着固定した針掛けシート26の上部に、三角波状の凹凸部として形成している。シート20と針掛けシート26の中ほどの部分との間には隙間があるため、図4のようにサビキ仕掛5の釣針53を針掛け部21に掛け止めたとき、釣針53の針先を、露出しないようにその隙間に収めることができる。また、針掛け部21は、シート20の上縁からやや下方に離れた位置にあるため、これら針掛け部21に釣針53を掛け止めたときは、疑似餌54が上縁から突出することがない。
巻付け具2では、図示のとおりシート20の上縁にも、上記の凹部24a等と同様のU字形状の凹部22が複数形成されている。これらは、上記した針掛けシート26上の針掛け部21に代わる第2の針掛け部として釣針53を掛け止めることのできるものである。
巻付け具2にサビキ仕掛5を巻き付けた状態を、図4に例示している。
サビキ仕掛5をこのように巻き付けるための手順は、図2の例について上記1)〜6)に示したものと同様であり、簡単に行える。すなわち、幹糸51の端部付近を糸止め部23に挟み込んだうえ、凹部24aに掛け通しながら幹糸51をシート20の幅方向に巻き付けていく。ハリス52が接続されている箇所では、釣針53を針掛け部21に掛け止めたうえ、ハリスを下方へ引っ張るように幹糸51を下方の凹部24aに掛ける、といった要領で巻き付けを進める。針掛けシート26の針掛け部21はシート20の表面側にしかないので、上記のうち5)の手順にもしたがって幹糸51の巻付け状態を調節する。すなわち、下縁にある凹部25や側縁の上部にある凹部24bにも幹糸51を掛け通すことにより、すべてのハリス52と釣針53を、シート20の表面側にある針掛け部21に掛け止める。
図3の巻付け具2は、上記のとおり第2の針掛け部(凹部22)をシート20の上縁に有している。このため、新品の販売以外の目的でサビキ仕掛5を巻き付ける際には、図4の右方部分に図示したように、この凹部22に釣針53を掛け止めるのもよい。そのようにする場合には、シート20の表面側のみにハリス52と釣針53を揃えて配置する必要がない(つまり上記5)の手順にしたがう必要がない)ので、サビキ仕掛5の巻き付けはさらに簡単に行うことができる。
また図5に、考案の第3の実施例である巻付け具3を示す。
この巻付け具3も縦長のプラスチック製シート30でできていて、図3の例と同様、針掛け部31は、シート30の上部(上縁から離れた箇所)に貼り付けた別のシート36上の凹凸部として形成されている。シート30の上縁に第2の針掛け部として使用できる凹部32(ただし一つの連続した凹部)がある点も、図3の例と同様である。
巻付け具3においても、幹糸を巻き掛けるための複数の凹部34a・34bおよび35がシート30の側縁と下縁とにあり、また幹糸を挟み付ける糸止め部33が側縁の最下部付近に設けられている。
しかし、図5に示すこの巻付け具3では、側縁および下縁の凹部34a・34b・35として、三角形状の切欠きが形成されている。三角形状の切欠きは、幹糸に大きな角度をもたせたとき幹糸が外れやすくなる場合があるものの、U字状のものよりも簡単に形成されるという利点がある。
こうした構成の巻付け具3においても、サビキ仕掛の巻き付けは、図3・図4の例における場合と同様、容易にかつ整然と行うことができる。
本考案は、使用したサビキ仕掛を次回の使用のために持ち帰ろうとするとき役に立ち、サビキ仕掛の有効利用を促進するとともに釣り場の環境の改善に寄与することができる。また、新しいサビキ仕掛の販売用パッケージの一部として利用することもでき、その販売を促進させることができる。
1・2・3 巻付け具
5 サビキ仕掛
10・20・30 シート
11・21・31 針掛け部
12・22・32 (第2の)針掛け部
13・23・33 糸止め部
14a・14b・15・24a・24b・25・34a・34b・35 凹部
16 開口
26・36 針掛けシート
51 幹糸
52 ハリス
53 釣針
54 疑似餌

Claims (10)

  1. 縦の寸法がハリスの長さを超える縦長のシートで形成され、
    当該シートの上部に釣針を掛け止める針掛け部があり、当該シートのいずれかの部分に幹糸を挟み付ける糸止め部があることに加え、
    当該シートの左右側縁の複数箇所に、幹糸の巻き付け箇所を定める凹部があること
    を特徴とするサビキ仕掛の巻付け具。
  2. 上記シートの下縁にも、幹糸の巻付け箇所を定める凹部があること
    を特徴とする請求項1に記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  3. 上記シートの左右側縁にある上記凹部が、幹糸の通常の巻付け箇所に設けられるとともに、幹糸の巻付け状態を調整するための他の箇所にも設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  4. 幹糸の通常の巻付け箇所に設けられた上記凹部または当該凹部の近傍に、通常の巻付け箇所であることを示す表示が施されていることを特徴とする請求項3に記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  5. サビキ仕掛が巻き付けられたとき、上記釣針が有する疑似餌が上記シートの上縁から突出しないよう、上記の針掛け部が、上記シートの上縁よりも下方の位置に形成されていること、および、その針掛け部が、釣針を個別に掛け止めることのできる複数の谷部または孔を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  6. 上記シートを表裏に貫通する開口が上記シートの上部に形成され、上記の針掛け部が当該開口の下縁に形成されていること、および、当該針掛け部に上記釣針が掛け止められたとき、各釣針が有する疑似餌が開口内に収まるように上記開口の大きさが定められていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  7. 上記の針掛け部が、上記シートの表面に取り付けられた部材に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  8. 上記シートの上縁にも、釣針を掛け止める針掛け部があることを特徴とする請求項6または7に記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  9. 幹糸の巻き付け箇所を定めるために上記シートの左右側縁に形成された上記凹部が、底部の円弧とそれに続く平行な2辺とを輪郭とするU字状の切欠きであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載したサビキ仕掛の巻付け具。
  10. 上記シートの左右側縁にある上記凹部のうち、幹糸の通常の巻付け箇所に設けられたものが上記シートの下部に位置し、それよりも上部に幹糸の巻付け状態を調整するための箇所となるものが位置して、後者の凹部は、開口部が斜め上に向いた上記U字状の切欠きであることを特徴とする請求項9に記載したサビキ仕掛の巻付け具。
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