JP3221490U - 介護ポール用手摺り構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】手摺り40の不意の揺動をなくす介護ポール用手摺り構造を提供する。【解決手段】上下方向の介護用ポール1にその横方向に延びる手摺り40を取付け、その手摺りを介護用ポールに対してその長さ方向に回動可能とし、その回動してポールに沿わせた手摺りを着脱自在に支持するキャッチャー70をポールに設けた。手摺りは、横向きU字状をしており、上側の杆41aの他端が回転部50に連結され、下側の杆41bの他端がポールに固定のキャッチャー61に下方から着脱自在に嵌って支持される。回転部は樹脂性軸受からなって、その軸受は、樹脂の摺動抵抗でもって手摺りを回転・固定可能に支持する。樹脂性軸受は、ボルト・ナットで所要のトルクで締め付けられても、滑性によって回転し得る。このため、手摺りは所要のトルクでポールに取付られて取付強度を維持するとともに、上下方向の揺動においても、ある程度の抵抗をもって回転することとなる。このため、手摺りが不意に回転することもなく、安全である。【選択図】図1

Description

この考案は、一般家庭や介護施設等において、身障者、高齢者等の要介護者が歩行時等に掴まって安定した姿勢を確保するために用いる縦型介護用ポール装置等に取り付ける手摺り構造に関するものである。
従来、足の弱った人が椅子、ベッドや便器等から立ち上がるのを補助する介護装置として、天井面と床面の間に立設する縦型ポールが知られている。
その縦型ポールは、例えば、上下方向のポールと、そのポールの上端に取付けられる天井側アタッチメントと、ポールの下端に取付けられる床側アタッチメントとを備えたものであり、その天井側アタッチメントとポール上端との間に弾性支持機構を設け、床側アタッチメントとポール下端との間に突張力調整機構を設けている(特許文献1、2、図1等参照)。
この縦型介護用ポール装置には、歩行時等の補助のため、手摺りが適宜に取り付けられる(特許文献1図1、図11等参照)。
その手摺りは、ポールに対し上下方向に揺動可能(起伏可能)とされ、その揺動基部は蝶番構造となっている。
実用新案登録第3215227号公報 実用新案登録第3218179号公報
しかし、ポールへの手摺りの取付けは、通常、対の半割状リングでポールを挟み、その両半割状リングをボルトで締結し、一方の半割状リングに手摺り端部を円盤状取付板を介して行っている(特許文献1、段落0031〜0032、図1、図11参照)。
この手摺りは、起立した状態において、不用意に下方に揺動(回動)すると、危険であるが、従来においては、その防止が確実になされていない。
この考案は、以上の実情の下、手摺りが容易に揺動しないようにすることを課題とする。
上記課題を達成するために、この考案は、上記手摺りのポールへの起立自在な取付部が、前記ポールに固定の支持部と、その支持部に連結された手摺りに固定の回転部とから成り、その回転部は、前記支持部に樹脂性軸受(樹脂製軸受の意であって、樹脂からなる軸受である。以下同様)でもって回転・固定可能に支持されている構成としたのである。
樹脂性軸受は、ボルト・ナットで所要のトルクで締め付けられても、滑性によって回転し得る。このため、手摺りは所要のトルクでポールに取付られて取付強度を維持するとともに、上下方向の揺動においても、ある程度の抵抗をもって回転することとなる。このため、不意に回転することもなく、安全である。
具体的には、上下方向の介護用ポールにその横方向に延びる手摺りを取付け、その手摺りを起伏自在とし、その起立してポールに沿わせた手摺りを着脱自在に支持するキャッチャーをポールに設けた介護ポール用手摺り構造において、手摺りのポールへの起立自在な取付部が、ポールに固定の支持部と、その支持部に連結された手摺りに固定の回転部とから成り、その回転部は、支持部に樹脂性軸受でもって回転・固定可能に支持されている構成を採用したのである。
この構成における手摺りには、特許文献1図9に示す手摺り(符号:40)や同図11に示す肘掛け(符号:50)等のポールに備えられて手を掛けて体勢維持を補助する部品の全てを含む。例えば、手摺りは、上下2本の杆と、その両杆のそれぞれの一端から連続したU字状杆からなり、上側の杆(上の杆)の他端が上記起立自在な取付部となり、下側の杆(下の杆)の他端が上記ポールに固定のキャッチャーに着脱自在となっている構成のものとし得る。
また、上記手摺りの回転部には、その手摺り端部と上記ポールに固定の支持部との間にその隙間を埋める指詰め防止用部材を介在して、手摺りの回転時に前記隙間での指詰めを防止することが好ましい。
この考案は、以上のように構成して、手摺りの不意の揺動をなくしたので、手摺りの安全な取付構造となる。
この考案に係る介護用ポール装置の一実施形態の概略正面図 同実施形態のテーブルを示し、(a)は一例の切断正面図、(b)は同下面図、(c)は他例の下面図 両実施形態の手摺り回転部の斜視図 同回転部の分解斜視図 同実施形態の手摺りの着脱部の分解斜視図 同実施形態のキャッチャー部の斜視図 同他の実施形態の手摺り回転部の斜視図 同他の実施形態の概略正面図
この考案に係る縦型介護用ポール装置の実施形態を図1〜図6に示し、この縦型介護用ポール装置Aは、従来と同様に、床面Fと天井面Cの間に垂直(上下)に介設する。
その上下方向のポール1の下端に床面Fに固定する床固定具20、上端に天井面Cに固定する天井固定具30がそれぞれ設けられている。
ポール1は、鋼管パイプ等の中空管からなって上下の部材1a、1bに分かれている。その一方(上側)のポール部材1aに対して他方(下側)のポール部材1bが大径となっており、他方のポール部材1bに一方のポール部材1aが隙間無く(ピッタリ)嵌って出没自在となっている。両ポール部材1a、1bの長さは、両ポール部材の嵌り合い長さを考慮して設置する床面Fと天井面Cの間隔に応じて適宜に設定する。この両ポール部材1a、1bは接続締結金具(連結金具)10によって適宜な伸縮長さ(出没長さ)で固定される。
その接続締結金具10は、特許文献1段落0016〜同0017、同図3に示す、対の円筒状半割リング11からなり、同様に、半割リング11に他方(下側)のポール部材1bを嵌め、その段差にポール部材1bの上端を係止し、対向する対のフランジをボルト止めすることによってポール部材1a、1bを接続締結する(詳細は、前記特許文献1段落0016〜同0017、図3参照)。
ポール1の長さ(下記両台座21、31の間隔)は、床面Fと天井面Cとの間隔より少し短い程度になるように、両ポール部材1a、1bをその軸方向に嵌め込んで接続締結金具10で一体とする。
床固定具20は、特許文献1段落0018〜同0023、同図4〜図6に示す、鋼板製ベース板から成る台座21に植設されたボルトと、そのボルトに設けたロックナット、ジャッキコマ、回転防止コマ、上昇防止用ナット及び固定ナット等からなる突張力調整機構を備える(詳細は前記特許文献1段落0018〜同0023、同図4〜図6参照)。
天井固定具30は、特許文献1段落0024〜同0029、図7〜図8Cに示す、鋼板製円形板からなる台座31に円筒状ケーシングを設け、この円筒状ケーシング内にコイルばね、摺動板等からなる弾性支持機構を備える(詳細は、特許文献1段落0024〜同0029、図7〜図8C参照)。
この実施形態の縦型介護用ポール装置Aは、従来と同様に床面Fと天井面Cとの間に、突張力調整機構及び弾性支持機構でもって固定する。
この縦型介護用ポール装置Aにおいて、この考案は、ポール1の手摺り構造が特徴である。この手摺り構造は、ポール1にその横方向に延びるように取り付けた手摺り40と、その手摺り40をポール1に対して起伏自在とする回転部50と、横方向に延びた手摺り40を支持する支持部60と、起立してポール1に沿わせた手摺り40を着脱自在に支持するキャッチャー70とから成る。
手摺り40は、上下2本の杆41a、41bと、その両杆41a、41bのそれぞれの一端から連続したU字状杆41cとからなり、その各杆41a、41b、41cは鋼管パイプ等の一本の中空管からなって、全表面に樹脂コーティングが施されている。
手摺り40の上側杆41aには図2に示すテーブル(カウンター)42が設けられている。このテーブル42は、同図(b)の平面視、鼓(つづみ)形状、同図(c)の平面視、長方形形状等を適宜に採用し、下面の嵌め込み孔(溝)43に上側杆41aを嵌めてU字状金具44を介してビス止めする。
回転部50は、図3、図4に示すように、逆コ字状の金属製取付板51と、上側杆41aの端に固定の円柱状回転駒52と、その回転駒52の両側に宛がわれるワッシャー53と、回転軸54と、その回転軸54の両端にねじ込み固定されるナット55とから成る。取付板51は少なくともワッシャー53に接する面には樹脂コーティングが施されている。ナット55はハードロック(ハードロック工業株式会社の登録商標)ナットを使用する。回転駒52及びワッシャー53は強靱な樹脂からなる。その樹脂は、耐摩耗性を有して所要の硬度及び摺動抵抗を持った、例えば、6ナイロンと呼ばれるポリアミド樹脂等であり、この実施形態においては、MCナイロン(クオドラントポリペンコジャパン株式会社の商標登録、一般名称:モノマーキャストナイロンというエンジニアリングプラスチック)を採用した。取付板51の樹脂コーティングもMCナイロンとすることができる。
この回転部50は、図4に示す、各部品51、52、53、54、55において、図3に示すように、取付板51にワッシャー53を介在して回転駒52を嵌め込み、回転軸54を取付板51の一方の立片51a、ワッシャー53、回転駒52、ワッシャー53、取付板51の他方の立片51bに貫通し、その回転軸54の両端にナット55をねじ込む。このねじ込みによって、取付板51に回転駒52を介して手摺り40(上側杆41a)が回動(揺動)可能に取付けられる。
そのナット55の締め付けトルクは、手摺り40が取付板51に対して所要の圧接力を持って固定されるが、回転駒52とワッシャー53が樹脂からなって滑性を有するため、手摺り40は所要の抵抗力を持って回転軸54を軸として上下方向に回動(揺動)可能となり、手で動かさない限り、その回動が行われない。即ち、手摺り40が回動途中で不意に下方に動くことがない。ワッシャー53の硬度や厚みは、その不意の回動がないように実験などによって適宜に設定する。
この回転部50には適宜にカバー58を被せる。
支持部60を図5に示し、この支持部60は、一部切り欠いた円弧状のキャッチャー61からなり、そのキャッチャー61に下方から下側杆41bの嵌合部45が嵌る。この嵌り合いは、キャッチャー61の両側の円弧状片61a、61aを押し広げて嵌合部45が入ってキャッチャー61に支持される。キャッチャー61はABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)等を使用する。
上記回転部50と支持部60は、上記接続締結金具10と同様の締結金具11によってポール1に取付られる。その締結金具11は、対の円環状半割リング11aとその半割リング11aから横方向に突出した取付板11bとからなって、対の半割リング11aをポール1に挟んでボルト・ナット締めすることによってポール1に固定する(詳細は、特許文献1段落0031〜同0032、図9、図10参照)。
この締結金具11の取付板11bに回転部50と支持部60の取付板をビス止めすることによって回転部50と支持部60は、上記接続締結金具10と同様の締結金具11によってポール1に取付られる。図3に示す回転部50は取付板51の背片51cを締結金具11の取付板11bにビス止めすることによって締結され、図5に示す支持部60は、キャッチャー61の孔61bを介して締結金具11の取付板11bに締結される。
上記手摺り40の上方のポール1(1b)にキャッチャー70が取り付けられ、このキャッチャー70は、図6に示すように、ゴム製の材料からなり、ポール1に固定の一つ割りの円環部71とその円環部71の一つ割りの反対側面から横方向に延びる把持片72とから成る。円環部71は、広げてポール1に嵌めたり、上方からポール1に嵌めたりしてビス73でもって締結することによってポール1に固定される。把持片72の下面にほぼ四角状の嵌合孔74が形成されており、この嵌合孔74にテーブル42の一端部が嵌る。このため、キャッチャー70と回転部50との距離は、テーブル42が起立されてポール1に沿った際、その上部がキャッチャー70の嵌合孔74に嵌って容易に外れないように、実験などによって適宜に設定する。
この実施形態の手摺り構造は以上の通りであり、図1実線で示すように、手摺り40を水平にして使用する。このとき、手摺り40は、その下側杆41bがキャッチャー61に支持されて下方への揺動が阻止され、そのキャッチャー61からなる支持部60と回転部50との上下2点で支持されるため、その水平状態は横揺れなく安定する。
この水平状態において、手摺り40が邪魔になるなどの場合、同図鎖線で示すように、手摺り40を立ち上げてそのテーブル42をキャッチャー70に支持する。その手摺り40の立ち上げ時、回転駒52とワッシャー53との圧接力(抵抗力)を持った回動(立ち上げ)となるため、手摺り40は妾動することなく、円滑に動く。このとき、何らかの事情により、手摺り40から手を離したり、よろけたりして、手摺り40への支持力がなくなっても、ナット55による締結トルクによって、回転駒52とワッシャー53とは圧接力(抵抗力)を持っているため、手摺り40は不意に動くこともなく、安心である。
使用時には、その鎖線の状態から、実線で示す状態に手摺り40を下ろして支持部60に嵌め込み支持する。
この作用において、手摺り40は所要の抵抗力を持って上下方向に回動(揺動)可能となっているため、手で動かさない限り、その回動が行われない。即ち、手摺り40が回動途中で不意に下方に動くことはない。
この実施形態において、回転駒52と取付板51の背片51cとの間には、図7に示すように指詰め防止部材80を介在することが好ましい。この指詰め防止部材80は、合成樹脂製であって、前面81が回転駒52の外周に沿う円弧面をしたのち後側への昇り傾斜面82となっており、取付板51の立片51bにビス83を止め固定する。この構成においても、カバー58を設けることができる。
この指詰め防止部材80は、上記実施形態の回転部に限らず、種々の態様の手摺り40が上下方向に回動可能な種々の縦型介護用ポール装置Aに採用できる。例えば、図8に示す、対の縦型介護用ポール装置A、Aにおいて、その一方のポール1の回動部50に採用できる。この指詰め防止部材80を介在した構成は、縦型介護用ポール装置A(ポール1)が1本(図8の右側)のみの場合でも採用できる。
支持部60は図5に示した構造としたり、特許文献2段落0031〜同0032、図12に示す構成等としたりし得る。図5の構造においては、図8の実施形態の場合、手摺り40が上方に回動するため、支持部60のキャッチャー61は上下逆(上側に開口)の構成となる。
手摺り40の端を掴むキャッチャー70は、上記のものに限らず、手摺り40を支持し得るものであれば、種々のものを採用することができ、例えば、二股状のもの(特許文献2段落0035、図14、図15参照)などとし得る。
また、指詰め防止部材80は、カバー58で構成することもできる。例えば、図3に示す、回転駒52と取付板51の背片51cとの間に位置する片58aで構成することができる。この片58aは上記指詰め防止部材80の傾斜面82と同様な上向き傾斜を有するものとすることができる。
この考案は、上記手摺り40の構造が特徴であって、接続締結金具10、床固定具(突張力調整機構)20、天井固定具(弾性支持機構)30等の他の構成は、上記の態様に限定されるものではなく、例えば、天井固定具30は弾性支持機構が付設されているが、その弾性支持機構を省略したり、床固定具20は突張力調整機構を省略したり等とすることができる。
また、上記実施形態の回転部50において、ワッシャー53が樹脂からなって回転時の滑性を有するため、そのワッシャー53が摺接する回転駒52や取付板51は必ずしも樹脂コーティングする必要はない。
なお、各部材(ポール1、台座21、31等)に塗装を行う場合は、その塗装表面にパーカー処理を施すことは言うまでもない。また、その各部材はその機能を発揮する限りにおいて前記の材料に限定されないことは言うまでもない。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この考案の範囲は、実用新案登録請求の範囲によって示され、実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A 縦型介護用ポール装置
1 ポール
1a 一方(上側)のポール部材
1b 他方(下側)のポール部材
10 ポール部材の接続締結金具
20 床固定具
21 床用台座
30 天井固定具
31 天井用台座
40 手摺り
41a 手摺りの上側杆
41b 同下側杆
41c 同U字状杆
42 テーブル(カウンター)
50 回転部
60 支持部
70 キャッチャー
80、58a 指詰め防止部材

Claims (3)

  1. 上下方向の介護用ポール(1)にその横方向に延びる手摺り(40)を取付け、その手摺り(40)を前記介護用ポール(1)に対してポール(1)の長さ方向に回動可能とし、その回動してポール(1)に沿わせた手摺り(40)を着脱自在に支持するキャッチャー(70)を前記ポール(1)に設けた介護ポール用手摺り構造であって、
    上記手摺り(40)はポール(1)に固定の回転部(50)によって上記回動可能となっており、その回転部(50)は樹脂製の軸受(53)からなって、その軸受(53)は、前記樹脂の摺動抵抗でもって手摺り(40)を回転・固定可能に支持することを特徴とする介護ポール用手摺り構造。
  2. 上記手摺り(40)は、上下2本の杆(41a、41b)と、その両杆(41a、41b)のそれぞれの一端から連続したU字状杆(41c)からなり、前記上の杆(41a)の他端が上記回転部(50)に連結され、前記下の杆(41b)の他端がポール(1)に固定のキャッチャー(61)に下方から着脱自在に嵌って支持されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の介護ポール用手摺り構造。
  3. 上記手摺り(40)の回転部(50)には、その手摺り(40)端部と上記ポール(1)に固定の支持部(51)との間にその隙間を埋める指詰め防止用部材(80)を介在したことを特徴とする請求項1又2に記載の介護ポール用手摺り構造。
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