JP3221467B2 - 虹彩光沢を有する窓貼り用フイルム - Google Patents

虹彩光沢を有する窓貼り用フイルム

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JP3221467B2
JP3221467B2 JP08803993A JP8803993A JP3221467B2 JP 3221467 B2 JP3221467 B2 JP 3221467B2 JP 08803993 A JP08803993 A JP 08803993A JP 8803993 A JP8803993 A JP 8803993A JP 3221467 B2 JP3221467 B2 JP 3221467B2
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忠広 稲守
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Oike and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光干渉による美しい虹彩
光沢を有する窓貼り用フィルムに関する。さらに詳しく
は、昼間屋内から屋外はよく見えるが、屋外から室内は
反射虹彩光沢によりよく見えないというマジック効果を
有し、装飾性に富んだ虹彩光沢を有する窓貼り用フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般の窓貼り用フィルムとして、意匠性
をもたらすために金属を蒸着したフィルム、着色したフ
ィルムもしくは柄の印刷をしたフィルムを窓貼り用フィ
ルムとして利用することはよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】窓貼り用フィルムとし
て利用する場合には、半透明で、内側から見る色と外側
から見る色に違いがあることは窓貼り用フィルムとして
実用面での価値が高い。特に昼間屋外から屋内は見えに
くく、屋内から屋外は見えることは実用面での価値が高
い。殊に屋外から見れて虹彩光沢を呈しするような窓貼
り用フィルムは装飾性の点で実用的価値は高い。しかし
ながらこの様な窓貼り用フィルムは未だ実用化されてい
ない。
【0004】本発明の目的は、屋外から見ればその反射
光線は虹彩光沢を呈して屋内が見えにくく、屋内からは
虹彩光沢を呈さず屋外が見えることを特徴とする虹彩光
沢を有する窓貼り用フィルムを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、窓貼り用フィ
ルムにおいて、透明なフィルムの片面に第1半透明金属
蒸着膜、金属化合物透明蒸着膜、第2半透明金属蒸着膜
をこの順に積層して全体としては半透明であり、その反
射光線は虹彩光沢を呈することを特徴とするか、あるい
は片面のみに虹彩光沢を呈することを特徴とする。
【0006】その結果、かかる構成において第1および
第2半透明金属蒸着膜の厚みをコントロールすることに
より、目的とする虹彩色を有する窓貼り用フィルムを得
た。
【0007】詳しくは、透明フィルムに第1半透明金属
蒸着膜、金属化合物透明蒸着膜、第2半透明金属蒸着膜
を順次積層する過程において、第1半透明金属蒸着膜を
次に積層される金属化合物透明蒸着膜が光干渉しないで
かつ半透明である厚みにし、金属化合物透明蒸着膜は反
射型干渉フィルターの原理に基づき光学的厚み(nd)
が1/4波長の奇数倍の膜厚に設定し、第2半透明金属
蒸着膜の厚みは、虹彩色を明確にする厚みに設定する。
【0008】本発明は、上記構成にすることにより第一
に半透明であり、つまり窓貼り用フィルムとして使用で
きうる可視光線透過率を持ち合わせている。第二に昼間
屋外から屋内は見えにくく、屋内から屋外は見えるとい
うマジックミラー効果を有する。第三に屋外からは虹彩
色が見えるため外観も美しい。第四に屋内からは光干渉
せず屋外が自然色に見ることができる。
【0009】次に実施例を上げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではな
い。
【0010】
【実施例】本発明に用いる透明フィルムとしては特に制
限なく、窓貼り用としての目的を達成する透明性を持ち
合わせていればいずれも用いることができるが、その
内、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリ
サルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィル
ム、ナイロンフィルムなどが好ましく用いられる。
【0011】また、これらの透明フィルム中に透明フィ
ルムの機械的特性および光学的特性を損なわない程度の
着色剤、紫外線吸収剤を含ませても何ら差しつかえな
い。
【0012】また、透明フィルムは、その表面がコロナ
放電処理、低温プラズマ処理などの表面処理がなされた
ものであってもよく、一般にフィルムと蒸着される金属
との密着性をよくすることができて好ましい。
【0013】さらにまた、透明フィルムは、その表面に
下塗り層を設けてもよく、これも金属との密着性をよく
するものであり窓貼り用フィルムとしての性能を損なわ
ないものであれば、特に制限なく用いられる。
【0014】半透明金属蒸着膜としては特に制限はない
が、たとえばAl、Ni、Cr、Ti、Au、Ag、C
u、Ptなどの金属単体もしくはその合金が好ましく用
いられる。金属の種類にもよるが上記の金属の厚みは、
第1半透明金属蒸着膜は窓貼り用フィルムとしての透明
性の点からは10%以上が好ましく、光干渉を抑制させ
る点からは40%以下が好ましい。第2半透明金属蒸着
膜は光干渉を明確にする点から10%以上であれば良
い。最終の可視光線透過率は窓貼り用フィルムとして使
用するための可視光線透過率を満足すればよく、その可
視光線透過率におおじて第1半透明金属蒸着膜および第
2半透明金属蒸着膜の厚みは適宜に選択される。さらに
詳しく説明すると、第1半透明金属蒸着膜は光干渉をあ
さえて、かつ、できるだけ透明に近い膜厚にするために
は、15〜30%の範囲が最も好ましい。第2半透明金
属蒸着膜は光干渉を明確にする点から25〜70%が最
も好ましい。
【0015】金属化合物透明蒸着膜としては特に制限は
ないが、たとえば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
ケイ素、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛などの透明蒸着膜
が用いられ、その厚さは虹彩色の角度依存性を顕著にだ
すために、光学的厚さ(nd)が1/4波長の整数倍に
設定すればが良好な虹彩色を示し、膜厚が厚いほど良
い。しかし実質的には膜厚が500nm以上になると内
部応力でクラックが発生し虹彩色が極度に落ちる。また
100nm以下では干渉効果は少ない。したがって10
0nm〜500nmの範囲から選択することが好まし
い。さらに好ましくは虹彩色が見る角度により色調が変
化する200nm〜400nmの範囲から選択するのが
良い。
【0016】かかる金属および金属化合物の蒸着方法と
しては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレティ
ング法などの物理蒸着法、あるいは化学蒸着法などが適
宜用いられる。
【0017】また上記第2半透明金属蒸着膜を保護する
目的で常法により公知の保護層を設けても良い。
【0018】さらに虹彩色有する窓貼り用フィルムはそ
の片面に常法により公知の接着剤膜、糊料膜を設けても
良く、さらにその上にリリースフイルムや剥離紙を重ね
てもよい。その場合は窓貼り作業が一層容易になるとい
う作用効果がある。
【0019】かくしてえられる虹彩色有する窓貼り用フ
ィルムは、屋外からみれば鮮やかな虹彩色を示し屋内が
見えず、屋内からは屋外がよく見える作用を有する。
【0020】実施例1 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
に、Cr蒸着を可視光線透過率が25%になるように蒸
着した。ついでSiO2 を電子ビーム加熱方式で蒸着し
60〜500nmの範囲で膜厚を変えて蒸着した。つい
でCr蒸着を可視光線透過率が40%になるように蒸着
した。最終構成の可視光線透過率は15%であった。
【0021】前記の如くしてえられた虹彩色を有する窓
貼り用フィルムの虹彩色の色相、彩度および膜性を調べ
た。その結果を表1に示す。
【0022】なお虹彩色の判定はつぎの基準によって行
った。 ◎・・・色相、彩度共にきわめて良好 ○・・・色相、彩度共に良好。 △・・・色相、彩度共に劣る。 ×・・・色相、彩度共にきわめて劣る。
【0023】また膜性の判定はつぎの基準によって行っ
た。 ◎・・・正常 ○・・・わずかにクラック発生 △・・・クラック発生
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明による虹彩色を有する窓貼り用フ
ィルムは、屋外からみた場合に虹彩色豊かで美麗であり
屋内が見にくく、屋内からは屋外が見えるという、窓貼
り用フィルムとして実用面での価値の高いものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窓貼り用フィルムにおいて、透明なフ
    ィルムの片面に、可視光線透過率10〜40%のクロム
    からなる第1半透明金属蒸着膜、酸化ケイ素からなる厚
    さ100〜500nmの金属化合物透明蒸着膜、可視光
    線透過率25〜70%のクロムからなる第2半透明金属
    蒸着膜の順に積層して全体としては半透明であり、その
    反射光線は虹彩光沢を呈することを特徴とする虹彩光沢
    を有する窓貼り用フィルム。
JP08803993A 1993-03-23 1993-03-23 虹彩光沢を有する窓貼り用フイルム Expired - Lifetime JP3221467B2 (ja)

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